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第二次サイキックハーツ大戦⑥〜貶められし雷霆の大神

#サイキックハーツ #第二次サイキックハーツ大戦 #第一戦線 #大神ザウス

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「緊急事態発生です。リムは猟兵に出撃を要請します」
 グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、リミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は淡々と――しかし表情には微かな緊張を浮かべながら語りはじめた。
「サイキックハーツにて、武蔵坂学園が最初の戦争で灼滅した『蒼の王コルベイン』が、最後の戦争で灼滅した『剣樹卿アラベスク』をその身に纏い、オブリビオンとして復活しました」
 武蔵坂学園が交戦した当時は失われていた『頭部』を取り戻し、着装者を大幅に強化するアラベスクを纏ったコルベインの強さは、歴史上においても比類なきもの。彼とその賛同者の目的は武蔵坂学園の中枢に安置された超機械『サイキックアブソーバー』を破壊して異世界『ケルベロスディバイド』に向かい――その世界をダークネスで満たし、最強のダークネス『サイキックハーツ』を新たに創造する事である。

「コルベイン復活に対抗すべく、武蔵坂学園はラグナロク能力と呼ばれる力で学園を要塞化。サイキックアブソーバー防衛戦を展開しています」
 戦闘は学園敷地内を覆うように降臨した巨大ソウルボード「プレスター・ジョンの国」で行われる。敵の第一陣として攻めてきたのは、魔術師ソロモンに召喚された「ソロモンの悪魔」達。いずれも強大かつ特殊な能力を持ったダークネスだ。
「さらに魔術師ソロモンは異世界の大神『ザウス』を召喚し、『73体目の悪魔』として使役しているようです」
 本来は決して邪悪な存在ではない大神ザウスだが、ソロモンの操る超魔術空間『ソロモンの鍵』の力の前では逆らえず、心ならずも従わされているようだ。だが彼は以前から「六番目の猟兵」の存在を知っており、これを猟兵と対面する機会とも考えている。

「ソロモンに支配されている以上、現在の大神ザウスは武蔵坂学園に攻め込んできた敵の1体です。どうか迎撃をお願いします」
 大神の名にふさわしい力を誇るザウスの、最も恐るべき能力は「ザウスの雷」だ。この雷は他のユーベルコードと同時に放たれ、「触れた者を問答無用で即死させる」規格外の威力を持ち、たとえ猟兵であっても耐える術はない。
「対処法としてはとにかく避け続けるか、もしくは『即死しても蘇生できる手段』を講じておくしかありません」
 その他のユーベルコードもどれも強力なため、大神ザウスとの戦いは常に死と隣り合わせのものとなるだろう。彼もソロモンに従わされている間は手加減に期待はできない。全身全霊をもって迎え撃ち、打ち倒すしかないのだ。

「もし、大神ザウスを迎え撃って殺し切る事ができれば……彼には、猟兵に伝えたい『希望』があるようです。それを受け取るためにも、どうか皆様の力をお貸しください」
 その「希望」とは一体なんなのか、答えを知るにはザウスと戦い、魔術師ソロモンの支配から解き放つしかない。
 説明を終えたリミティアは手のひらの上にグリモアを浮かべ、武蔵坂学園へと猟兵達を送り出す。サイキックアブソーバーを守り、新たなるサイキックハーツの創造を阻止するために。
「第二次サイキックハーツ大戦、開戦です」



 こんにちは、戌です。
 サイキックハーツで戦争の幕開けです。今回のシナリオは魔術師ソロモンが召喚した「73体目の悪魔」、異世界の大神『ザウス』との戦闘です。

 このシナリオでは下記のプレイングボーナスに基づいた行動を取ると判定が有利になります。

 プレイングボーナス……「ザウスの雷」に対処する。

 大神ザウスは通常のユーベルコード攻撃と同時に、触れた者を問答無用で即死させる「ザウスの雷」を放ちます。
 防御手段はないので、全力で回避するか、もしくは即死後に復活する手段を用意するしかありません。雷以外のユーベルコードも非常に強力なので、序盤とはいえ全力で立ち向かっていただければ幸いです。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『魔術師ソロモン・ザウス召喚』

POW   :    神命維持装置
全身を【神命維持モード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    最終防衛機構
【白熱する巨大な金属拳】【冷気を纏う無数の金属槍】【自律浮遊式電撃砲群】で攻撃し、ひとつでもダメージを与えれば再攻撃できる(何度でも可/対象変更も可)。
WIZ   :    ザウスの雷
レベル秒間、毎秒1回づつ、着弾地点から半径1m以内の全てを消滅させる【白き雷霆】を放つ。発動後は中止不能。

イラスト:塩髄

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

有城・雄哉
【SPD】
アドリブ連携大歓迎

異世界の大神が、ソロモンと手を組んだ?
…いや、これは少し何か違いそうだな
何か大神側は倒してほしそうな雰囲気だし
とにかく、速攻で撃破してやるのが一番だろうな

憎悪ニ身ヲ焦ガス現身ノ影業をナイフ状に変形させた上で指定UC発動
これで万が一ザウスの雷を喰らっても、死ぬことだけはない
とはいえ、直撃を受けないに越したことはないから
雷の落下地点を見極めて、全力かつダッシュで回避しよう

あとは最終防衛機構で召喚されている武器の軌道を見極め回避しながら
ソロモンの懐に飛び込むように接近し、影業で作ったナイフで徹底的に切り刻んでやる
…傲慢な貴様には何一つ成し遂げさせてなるものか!!



「異世界の大神が、ソロモンと手を組んだ? ……いや、これは少し何か違いそうだな」
 組んだというよりは無理やり従わされているのだろうと、有城・雄哉(蒼穹の守護者・f43828)は『大神ザウス』の様子を見て判断する。恐るべきは異世界の神さえ召喚し支配することのできる『魔術師ソロモン』の力と言うべきか。
「何か大神側は倒してほしそうな雰囲気だし。とにかく、速攻で撃破してやるのが一番だろうな」
 と、考えたは良いものの実行するのは簡単ではない。大神ザウスの最強能力「ザウスの雷」は、たとえ猟兵だろうと即死する威力だと予知されている。その対策として雄哉は「憎悪ニ身ヲ焦ガス現身ノ影業」をナイフ状に変形させた上で【殺戮流儀】を発動した。

「これで万が一ザウスの雷を喰らっても、死ぬことだけはない」
 ナイフ化した影業を手放すか、狙った対象を殺すまで、雄哉は一時的に不死となり、殺傷力と追跡力も3倍になる。
 家族の仇討ちのために人造灼滅者となり、闇の世界に身を投じた男は今、かつての学び舎を守るため神殺しに挑む。
「六番目の猟兵達よ……どうか、我を討ち倒せ」
 その姿に期待めいた眼差しを向けながら、大神ザウスは【最終防衛機構】を発動。神々の武具を召喚すると同時に、白き雷撃を放つ。即死級の「ザウスの雷」は言うまでもないが、それ以外の攻撃もひとつでも被弾すれば、延々と攻め続けられるだろう。

「死なないとはいえ、直撃を受けないに越したことはないからな」
 あくまで【殺戮流儀】が保障するのは不死だけで、戦闘不能レベルのダメージを癒すような効果はない。なので雄哉は雷の落下地点を見極めて、全力かつダッシュで回避を試みる。【最終防衛機構】で召喚されている武器についても同じだ。
「全部避ければいいんだろう」
 白熱する巨大な金属拳、冷気を纏う無数の金属槍、雷撃を放つ自律浮遊式砲群。それらの軌道を見極め、かい潜り、ナイフを手放さずに標的めがけてひた走る。その蒼い瞳が見据えるのは兵器と雷を操る大神ザウス――ではなかった。

「俺の標的は貴様だ」
「なっ! 儂だと?! この偉大なるソロモンを人造灼滅者ごときが殺そうというのか!?」
 雄哉が狙った相手は魔術師ソロモンの方。彼こそがザウスを「73番目の悪魔」として召喚した張本人であり、悪魔達を率いて武蔵坂学園に侵攻させた男。ダークネスでも灼滅者でもない人間でありながら、その力は明らかにこの世界のルールを逸脱しており――それ故にか、極めて厚顔無恥な発言の目立つ男だった。
「……傲慢な貴様には何一つ成し遂げさせてなるものか!!」
 ソロモンの懐に飛び込むように接近し、影業で作ったナイフを振るう雄哉。ふざけた発言が少しでも減るようにと、徹底的に切り刻んでやる。召喚能力は脅威とはいえそちらに集中している今、ソロモン本人に防御手段はなく――真っ赤な血飛沫と共に「ぐわぁっ?!」と無様な悲鳴が学園にこだました。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【SPD判定】
真剣口調で話すよ

当たってはいけない攻撃か…
それなら、回避重視で戦うとしようかな

UCで回避力を強化して、敵の攻撃を回避しつつ攻撃のタイミングを探るよ

UCは『ワタシの飛翔型上級悪魔兵変形』
回避力5倍の【飛翔・回避能力特化型デモノイドロード】形態に変身するよ
飛翔状態での高速飛行で敵の攻撃を回避しながら攻めるよ
攻撃はガンナイフによる【弾幕】や【拳銃格闘術】で行うね
敵の攻撃は【空中機動/第六感/見切り/身かわし】で避けるよ



「当たってはいけない攻撃か……それなら、回避重視で戦うとしようかな」
 敵が異世界の大神、それも心ならずも悪に従わされているとあってか、クローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)は真剣な口調で呟く。その身体のおよそ半分ほどはデモノイド寄生体に覆われ、黒い肌の上から青黒い装甲や翼が形成されている。
「その力は……デモノイドヒューマンか?」
「ちょっと違うよ」
 かつて様々なダークネスやデウスエクスの魂を取り込んだクローネは、死霊術士としてその力を操ることができる。
 この姿は【ワタシの飛翔型上級悪魔兵変形】。飛翔・回避能力にスペックを特化させた、デモノイドロード形態だ。

「ダークネスの力を従えている……その力であれば、我を討つ事も……」
 期待の言葉を呟きながらも、ソロモンに支配された『大神ザウス』は全力で攻撃を仕掛けてくる。【最終防衛機構】により起動した三種の武装と、触れたものを即死させる「ザウスの雷」のコンビネーション。どれかひとつ当たっても致命的になりうる。
「だったら、全部避けてみせるよ」
 ユーベルコードで強化した回避能力を最大限発揮して、クローネは敵の攻撃を回避しつつ反撃のタイミングを探る。
 落雷を超えるスピードで飛翔し、敵の動きを第六感で見切り、巧みな空中機動で身を躱す。彼女はデモノイドロードの力を完全に我が物としていた。

「次はこっちの番。避けられるかな」
 攻撃の切れ間に僅かな隙を見出すと、クローネは体内から「ダークネス・ユサーパー」を取り出し、距離を詰める。
 そのガンナイフは取り込んだ死者の霊が生前使っていたらしいが、正確な由来は定かでない。だがデモノイドロード化した彼女の手には不思議と馴染む。
「なるほど、これは……!」
 浴びせられる弾幕をザウスは無数の金属槍や電撃砲群で迎撃するが、武装を防御に回したぶん攻撃の密度は落ちる。
 この隙にクローネはさらにスピードを上げて肉迫し、拳銃格闘術の間合いまで迫ると、大神相手に接近戦を挑んだ。

「恨みはないけど、倒させてもらうよ」
「……見事だ」
 飛翔・回避に特化した形態とはいえ、速度を活かした連撃の総ダメージは侮れない。銃撃と打撃を立て続けに受けたザウスはよろめき、その身体からはヒトと同じ赤い血が流れる。その表情は厳しいながらも、猟兵を賞賛するような色を含んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ギュスターヴ・ベルトラン
盛大に雷が降ってやがるな
これを掻い潜れって?
――いいぜ、やってやるよ!!

【祈り】を捧げてFriandises…飴を噛み砕き【第六感】を研ぎ澄ます
キリエと魔導バイクで空へ、キリエの【気配感知】で雷の予兆を拾い、雷鳴の音から【戦闘演算】で回避ルートを選択
…猟兵稼業も板について来たんでな【武器に乗って飛ぶ】ような【空中戦】はそろそろ慣れて来た

接近できたらHYMNEを【武器変形】させてUC発動
こじ開けるってのは、要は構造や機構への干渉だ
無敵状態を破るのではなく、その閉じた状態を開かせてもらう!

そうして相手の無敵が揺らいだ状態になったならば…ノク、来い!
【竜爪撃】を叩き込んで、即離脱!あばよ!



「盛大に雷が降ってやがるな。これを掻い潜れって?」
 彼我を隔てる落雷のカーテンの向こう側、機械仕掛けの玉座のような装置に座する『大神ザウス』を見据えながら、ギュスターヴ・ベルトラン(我が信仰、依然揺るぎなく・f44004)は口元を歪める。まるで通常攻撃のような頻度で放たれる雷の全てが即死攻撃だとは、なかなかの理不尽を突きつけてくるものだ。
「――いいぜ、やってやるよ!!」
 しかしギュスターヴは強気に笑む。異世界の神を恐れはしない、彼が信仰する主は他にいる。祈りを捧げて飴を噛み砕き、小鹿シスターのバトモン「キリエ」を相方に魔導バイク「Galgalim」に跨る。研ぎ澄まされた第六感が、進むべき道を示してくれる。

「頼んだぜ、キリエ」
 確実に「ザウスの雷」を避けるには、あらゆる手を尽くさねばならない。キリエの気配察知で雷の予兆を拾い、雷鳴の音から戦闘演算で回避ルートを選択。瞬時にバイクのハンドルを切って、雷光に撃ち抜かれる前に射線から外れる。
「……猟兵稼業も板について来たんでな。武器に乗って飛ぶような空中戦はそろそろ慣れて来た」
 灼滅者時代は行う機会が少なかった空中戦も、もはや素人ではない。道なき空を縦横無尽に駆け巡りながら、ギュスターヴ達を乗せたバイクは大神ザウスの元へ迫る。現在、ザウスは「ザウスの雷」以外の力を【神命維持装置】の起動に費やしていた。

「光は屈折し、反射し、収束する。届け、解放の虹よ──閉ざされたものに祝福あれ」
 首尾よく接近を果たしたギュスターヴは、リングスラッシャー「HYMNE」をアンロックモードに変形させて【HYMNE:Prism Unlock】を発動。光の屈折や反射を利用した特殊溶断構造で、ザウスの神命維持モードをこじ開けんとする。
「こじ開けるってのは、要は構造や機構への干渉だ。無敵状態を破るのではなく、その閉じた状態を開かせてもらう!」
「なんと……人の力で、この神命維持装置に干渉を……!」
 このモードを維持している限り、大神ザウスはあらゆる攻撃に対してほぼ無敵を誇るはずだった。しかし「ほぼ」ということは決して完全無欠ではない。プリズムのように散乱する虹色の光が、閉じられた装置の構造を開かせていく。

「ノク、来い!」
 そうして相手の無敵が揺らいだ状態になったならば、ギュスターヴはよぞらりゅうバトモン「ノクターン」を召喚。
 リングスラッシャーの光がこじ開けた【神命維持装置】の隙間めがけて、流星の如き渾身の竜爪撃が叩き込まれる。
「ぐぅッ……!! 見事なり……」
「あばよ!」
 ザウスからの賞賛を聞く間もなく、雷が降ってくる前にギュスターヴは即離脱。たった一撃とは言え十分なダメージは与えられたはずだ。二体のバトモンを連れ空をバイクで駆ける彼の表情には、清々しい達成感が浮かんでいた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒城・魅夜
私は悪夢の中に生まれし希望の依り代
希望を託そうとするあなたの志はしかと受け取りました
敬意を持って討ち滅ぼさせてもらいます

範囲攻撃で全周に我が108本の鎖を舞わせます
そう、これは避雷針
雷撃を受け止め大地に流すためのもの

もちろんそれだけではなくオーラを纏い感覚を超鋭敏化
雷撃の気配を心眼で見切り回避していきましょう

それすらも貫いてくると?
やれやれ、死んでしまいました
あら、私がどこから話しているかですか?
ふふ、既に私はあなたの夢に入り込んでいたのです
私は悪夢の滴、概念存在に近きもの
肉体が滅びても夢の中から蘇ります

ではここまでです
私こそはすべての神の天敵
謹んであなたの望みを叶えましょう
滅びという、ね



「私は悪夢の中に生まれし希望の依り代。希望を託そうとするあなたの志はしかと受け取りました」
 戦場にて相対した『大神ザウス』に、黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は穏やかに語りかける。魔術師ソロモンが召喚した悪魔と違って、彼だけはダークネスとは異なる存在。あえて猟兵に倒されることで、命を賭してなにかを伝えようとしている。
「敬意を持って討ち滅ぼさせてもらいます」
「頼む……魔術師に操られ、自由にならぬ身が悔やまれるが……」
 本来ならもっと平和的な交流もできただろうが、ソロモンの支配下にあるザウスは猟兵達と武蔵坂学園の敵として、全力で戦うことしかできない。そして異世界の大神たる彼の放つ【ザウスの雷】は、魅夜が触れても即死は免れない。

「当たらなければ宜しいのですね」
 そこで魅夜は自らの全周に108本の「呪いと絆」の鎖を舞わせる。かつては「悪夢」の中で魅夜自身を拘束していた其れは、現在は彼女の手足の如く自在に動き。先端を天に伸ばすように向け、もう一方の先端は地面に突き立てる。
「それは、もしや……」
「そう、これは避雷針。雷撃を受け止め大地に流すためのもの」
 神の雷とて電気の特性を持つのであれば、より高く、より通りやすいものに流れるのが自然の理。降り注ぐ白き雷霆は魅夜から逸れて鎖へと誘導され、誰もいない場所に着弾する。これなら被害を受けるのは鎖と地面だけで最小限だ。

「もちろんそれだけではありません」
 悪夢のオーラを纏い感覚を超鋭敏化した魅夜は、雷撃の気配を心眼で見切り、降ってくるより先に回避行動を取る。
 知識と経験に本人の才能や装備も活かし、ひとつでも当たれば即死の【ザウスの雷】を、際どくも躱しきっている。
「大したものだ……しかし、それだけでは」
 避雷針となる鎖は数に限りがあるのに対して、ザウスの雷は数に限りがない。毎秒1発のペースで落ちてくる雷霆は魅夜の逃げ場を徐々に奪っていく。そしてついに、気配を読んでいても避けきれない一撃が、彼女に突き刺さる――。

『それすらも貫いてくると? やれやれ、死んでしまいました』
 ザウスの雷は直撃し、魅夜の肉体は一瞬にして塵も残さず消滅した。しかし彼女の声だけはいまだに聞こえてくる。
 これが録音や幻聴の類でないことは、神であるザウスには直ぐに分かる。だが即死したはずの彼女が、何処からどうやって語りかけているのかは分からない。
「これは一体……」
「あら、私がどこから話しているかですか? ふふ、既に私はあなたの夢に入り込んでいたのです」
 生命体としての魅夜は、確かにザウスの雷によって死亡した。だが、それによって肉体の縛りからも解放された彼女は、精神と魂の存在としてザウスの夢に侵入したのだ。この世界にも精神世界「ソウルボード」という概念や、ソウルボードを自由に出入りするドリームハンターという灼滅者がいるが、彼女の能力はそれに類するものと言えよう。

「私は悪夢の滴、概念存在に近きもの。肉体が滅びても夢の中から蘇ります」
 種明かしを終えた魅夜は「ではここまでです」と告げ、【神を殺し聖を穢すその名を畏れよ我の名を】を発動する。
 彼女の一部とも言える漆黒の鎖の群れが、大神の夢を埋め尽くし引き裂く。それは特に神聖属性を持つ相手に対し、絶対即死の特性を持っていた。
「私こそはすべての神の天敵。謹んであなたの望みを叶えましょう。滅びという、ね」
「おお……なんと……ッ!!」
 神を殺す悪夢がザウスの精神世界を蝕み、その影響は現実の肉体にまで及ぶ。だが今のザウスにとって、この悪夢はむしろ吉夢であった。心ならずも邪悪の尖兵と化した己を、完膚なきまでに滅ぼしうる者がいる――これを希望と呼ばずに、なんと呼ぶのか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紫・藍
POW装備

あやややややー!
問答無用で即死でっすかー!
ほぼ無敵でっすかー!
なんとも凶悪無比な極悪コンボなのでっす!
でっすがでっすが、ヒトはこういう時、歴史に学ぶものなのでっす!
藍ちゃんくんでっすよー!
青い鳥の守護による高速飛翔と幸福の加護で何とか雷避けつつも!
藍ちゃんくんを狙わせることで、そのままザウスのおじいさまを盾にしちゃうのでっす!
矛盾?
いいえ!
“ほぼ”無敵と“問答無用”の即死では後者のほうが上回るのでは?
軽減できて即死せずともダメージは通るのではないでっしょかー!
触れた者を問答無用である以上、おじいさま自身も例外ではないかとー!
最悪、無効でも藍ちゃんくんからすれば無敵の盾なのでっす!



「傷を負いすぎだ、ザウス! 遊んでいるのか? さっさと回復しろ!」
「ぐっ……魔術師ソロモンよ、手出しをするな……」
 猟兵との交戦で押されつつある『大神ザウス』に『魔術師ソロモン』の罵声が飛ぶ。神も悪魔も等しく封じる彼の超魔術の前には異世界の神とて逆らえぬらしく、ザウスは強制的に【神命維持装置】を起動させられ、「ザウスの雷」を降らせ続けたまま防御体制に移行する。
「あやややややー! 問答無用で即死でっすかー! ほぼ無敵でっすかー!」
 ソレを見た紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)は、困ったような声を上げる。あの神命維持モードを続けられる限り、こちらの攻撃はほとんど通用せず、一方的にあちらの即死攻撃に晒される。ザウス自身は動けないとはいえ、そもそも動く必要がないのだ。

「なんとも凶悪無比な極悪コンボなのでっす! でっすがでっすが、ヒトはこういう時、歴史に学ぶものなのでっす!」
 無慈悲に降り注ぐ雷霆を凌ぐため、藍は【¡Aquí hay Ai!】を発動。幸福を運ぶ青い鳥の守護で全身を覆い、軽やかに空へ舞い上がる。世界の命運を賭けた過酷な戦いだからこそ、むしろ晴れやかに笑い、藍ドルらしく華麗に飛ぶ。
「藍ちゃんくんでっすよー!」
 いつもの名乗りとアピールも忘れずに。青い鳥の守護による高速飛翔と幸福の加護があれば、音より速い稲妻もなんとか避けられる。音楽と文化を愛する想いの強さがユーベルコードの効果をさらに高め、何物にも捉えられぬ回避力を彼にもたらしていた。

「美しい舞いだ。だが、それだけでは……」
 神命維持モードを継続したまま、大神ザウスは藍の飛翔を見上げる。「ザウスの雷」を以てしても彼を撃ち落とすことは今だ叶わずにいるが、藍もザウスに有効な攻撃手段を持たない。このままでは先日手に陥るが、時間という点において藍のほうが不利だ。
「いいえ、ザウスのおじいさま! ちゃんと手は考えてあるのでっす!」
 しかし藍はただ闇雲に逃げ回っていただけではない。自分を狙わせることで「ザウスの雷」を誘導し、ここぞと思うタイミングが来れば、そのまま一気に急降下。神命維持装置に座るザウスの背後に回り込んで、彼と装置を盾にする。

「矛盾? いいえ! "ほぼ"無敵と"問答無用"の即死では後者のほうが上回るのでは? 触れた者を問答無用である以上、おじいさま自身も例外ではないかとー!」
 神の無敵を打ち破れるのは、同じ神の力。青い鳥に導かれた「ザウスの雷」はまんまとザウス本人に命中し、神命維持装置に電流が走る。バチバチと激しい火花が散り、機械から悲鳴じみた騒音が上がる。軽減はされたようだが、即死せずともダメージは通ったようだ。
「成程……考えたものだ。我が雷を利用したか。だが、もし無敵のほうが上回っていればどうしたのだ?」
「最悪、無効でも藍ちゃんくんからすれば無敵の盾なのでっす!」
 装置に繋がれたザウスは、感電と火傷を負いながらも藍の機転を評価する。藍からすればこの作戦、どちらに転んでも損はないものだった。自らの能力だけでなく歴史から学んだ知恵を、大神は改めて「見事なり」と讃えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フェル・オオヤマ
戦闘時は真剣な口調
・心境
お前がソロモン…ソロモンの悪魔達の親玉かっ!かつての灼滅者達も戦った事が無い相手なら気を引き締めて挑むよ!
この雷…碎輝さんの放つ電撃とは別ベクトルで厄介!?だが…当たらなければどうという事は無い!弱気になったら穿たれるだけ!


・戦闘
月光刃ヘイルを装備して戦闘

我竜・氷竜飛剣を発動
氷の剣を大量に展開して攻撃や撹乱それに避雷針として操りつつ自身も月光刃ヘイルでの攻撃を仕掛けていきます
ザウスの雷は素早く飛び回ったり氷の剣を避雷針にして回避及び防ぐよう試みます


【勇気/勇者のカリスマ/ダッシュ/一刀両断/空中戦/空中機動】の技能を使用

他キャラとの連携・アドリブ歓迎



「お前がソロモン……ソロモンの悪魔達の親玉かっ!」
 サイキックハーツの歴史上においても、その名は半ば伝説的な存在だった。ひとつのダークネス種族を丸ごと支配し「ソロモンの悪魔」という名の由来にもなった強大な魔術師。それが現代に復活を遂げたとなれば、フェル・オオヤマ(氷焔操る紅の竜姫士・f40802)も油断はしない。
「かつての灼滅者達も戦った事が無い相手なら気を引き締めて挑むよ!」
「この儂を魔術師ソロモンと知った上で挑むとは愚かな。儂の新たな下僕、ザウスの雷に滅ぼされてしまえ!」
 伝説で語られるイメージに比べると、実際のソロモンは威厳よりも傲慢な態度が目立つ。だが、その凄まじき魔術に誇張はないようで、此度の戦場には異世界の大神『ザウス』を連れている。心までは操られずとも身体は完全に支配下にあるようで、命じられれば不本意ながらも猟兵を攻撃せざるを得ない。

「すまぬ、六番目の猟兵よ」
「この雷……碎輝さんの放つ電撃とは別ベクトルで厄介!?」
 ザウスの手から放たれた雷が、フェルの足元の地面を文字通り「消滅」させる。無限に進化を続ける碎輝の成長電流とは違う、触れた者を問答無用で即死させる【ザウスの雷】。もちろん猟兵でも当たれば消し炭では済まないだろう。
「だが……当たらなければどうという事は無い! 弱気になったら穿たれるだけ!」
 かつて|神の如き者達《デウスエクス》から地球を守るために戦った竜姫士は、異世界の大神の権能を前にしても怯むことはなかった。
 右手に「月光刃ヘイル」を構え、発動するのは【我竜・氷竜飛剣】。空いた左手をすっと振るう挙動から、幾つもの氷の剣が具現化される。まるで水晶細工のように美しいが切れ味は鋭く、並大抵の炎では溶かすことも叶わぬ魔剣だ。

「風よ! 氷剣よ舞え! そして我が意志を届かせろ!」
 フェルの呼び声に応じて飛び立った氷剣は、敵への攻撃と撹乱、そして「ザウスの雷」に対する避雷針として働く。
 あくまで受けや牽制の手段として用いるのであれば、威力は最小限でも良い。その分展開できる数を増やして、百を超える剣を戦場に放つ。
「よく練られた対処法だ。技量も優れている」
「馬鹿者! 敵に感心している場合か!」
 鋭利な氷の刃に吸い込まれるように、雷撃はフェルの元から逸れていく。フェル自身もドラゴニアンの翼で素早く空を飛び回り、誘導しきれなかった雷を避けきっている。その機動力の高さにザウスは感服するが、ソロモンにとっては面白くない話だった。

「行けっ! アイシクルエッジ!」
「うおっ?!」
 華麗な空中戦を披露しながらフェルが左手をかざすと、具現化された氷剣がソロモンの元に殺到する。ザウスは召喚主である魔術師を守るために「ザウスの雷」を迎撃にあてざるを得ず、その結果フェルへの攻撃の圧は弱まる。撹乱としては十分な成果。
「ここだっ!」
 間髪入れずに全力で翼を羽ばたかせ、矢の如く敵の元へと迫る。もしこのタイミングで雷が降ってきたらとか、そんな恐れは微塵もない。勇気をもって恐怖に打ち克ち、世界を脅かす者に立ち向かう――それが彼女のスタイルならば。

「覚悟しろっ!」
 正面より切り込んだフェルは、流れるような太刀さばきで「ヘイル」を一閃。冷気の魔力を纏わせた月光の太刀は、蒼銀の刀身を煌めかせ、ソロモンとザウスの両者を横一文字に切り払った。熱い血潮を噴き出した両名の傷口は、一瞬のうちに凍結する。
「ぐあっ?!」「……見事なり」
 悲鳴を上げるソロモンと、厳かに賞賛するザウス。どちらが上位か分からない態度だが、与えたダメージは均一だ。
 神も魔術師も不死不滅ではないことは、歴史が証明している。ケルベロスであるフェルが、それを知らぬ筈はない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

凶月・陸井
相棒の時人(f35294)と

息子が戦い抜いた世界の危機なんだ
能力者としてだけじゃなく父親として
全力で挑ませてもらうよ

だけど初戦からとんでもない敵だな
即死の雷に強力なユーベルコードと
厄介極まる相手だ
「まぁ、だからこそ出来る戦い方もあるからな」

「まずは俺に任せろ、相棒!」
武器を合わせて前へ出る
初手はまず敵の雷への対処からだが
やる事はシンプルに、回避に集中していくよ
使える技能は全て使用して
紙一重でも、全力で雷を回避する

勿論このまま回避だけを続けるのは不可能
だけど俺の罠もそろそろ出番だ
地面を這う様に広がった文字が敵に絡みついて
足止めと技の封印が完成する

後は全力で、時人が一撃を放つ
「ぶちかませ、時人!」


葛城・時人
相棒の陸井(f35296)と

これほどの存在が
邪なモノに使役されるなんて
今回の敵は殊に強いね…

だけど何処だって
絶対に破滅なんか許してなるものか
この世界には相棒の息子を育んだ恩義もある
倒さなければ話せないなら倒すまで!

「勿論だ!相棒!」
必ず倒すと誓い武器を合わせる

神の雷は正に生死の境の味
技能を励起して全力回避に努めつつ
俺は『刻』を待とう
雷に伴うオゾンが齎す独特の臭気が立ち込める中
相棒が神の技を止めたその時が
終わりの始まりだ!

「ああ!任せろ!陸井!」
間髪を入れず終焉光を詠唱する
幾何かは雷と相殺になるとしても
大神の体を俺の創世光が必ず灼く

「あなたは自由になるべきだ」
そしてどうか
俺達に真実を伝えて欲しい



「これほどの存在が、邪なモノに使役されるなんて、今回の敵は殊に強いね……」
 異世界の神々の中でもおそらくは主神格に相当するであろう『大神ザウス』。それを召喚し「73番目の悪魔」として使い魔の如く使役する『魔術師ソロモン』の力、さらにその背後にいるダークネスの力に、葛城・時人(光望護花・f35294)は驚嘆を禁じ得なかった。
「だけど何処だって、絶対に破滅なんか許してなるものか」
 此度の戦争はサイキックハーツ世界のみに収まる問題ではない。武蔵坂学園のサイキックアブソーバーを破壊すればダークネス達は別の世界――ケルベロスディバイドに転移し、そこで新たな「サイキックハーツ」を誕生させるつもりなのだ。その行為は異世界における悪徳の栄えと、知的生命体の大量絶滅と同義である。

「息子が戦い抜いた世界の危機なんだ。能力者としてだけじゃなく父親として、全力で挑ませてもらうよ」
 一時期家を離れていた息子が、このサイキックハーツでどんな戦いに臨んでいたかは聞き及んでいる。だからこそ、息子と学友の奮闘を無に帰させはすまいと、凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)のモチベーションは特に高い。
「だけど初戦からとんでもない敵だな」
 即死の雷に強力なユーベルコードと、敵に回したザウスは厄介極まる相手だ。ソロモンの支配力が強固である限り、手心を加えてもらえる可能性も期待はできない。ザウス自身は敵意はなく、猟兵になにかを伝えようとしているようだが――。

「まぁ、だからこそ出来る戦い方もあるからな」
「倒さなければ話せないなら倒すまで!」
 いかに強大な神が相手でも、陸井には策がある様子。それを信じているからこそ、時人もまったく怯む気配はない。
 時人にとっても、この世界には相棒の息子を育んだ恩義がある。彼の学び舎だった武蔵坂学園を護ることは、その恩を返すことにもなろう。
「まずは俺に任せろ、相棒!」
「勿論だ!相棒!」
 必ず倒すと誓い、武器を合わせて前に出る。陸井の手には戦文字を描くための筆とガンナイフ、時人の手には学生時代の装備を再現した「記憶の錫杖」が握られている。灼滅者ともケルベロスとも異なる世界の戦士――能力者の力を、異世界の神に示す時だ。

「汝らの力、意思、希望ならば……必ずや、我とソロモンを討つ事も叶うだろう……」
 猟兵達に期待を寄せる言葉を紡ぎながら、大神ザウスは【最終防衛機構】を発動。神界の超技術で作り出された兵器の数々と共に、必殺の【ザウスの雷】を放つ。雷撃についてはもはや言うまでもないが、それ以外の攻撃も一度ヒットすれば延々と再攻撃を受ける羽目になる。
「初手はまず敵の雷への対処からだが」
 陸井のやる事はシンプルに、兎も角回避に集中していく。よく目を凝らして雷の予兆を見切る、雷以外の攻撃は射撃で受け流すなど、使える技能は全て使用して、紙一重でも全力で雷を回避する。「即死」というシンプルな脅威が相手ゆえ、純粋な地力と練度が試される。

「神の雷は正に生死の境の味だね」
 こちらも技能を励起して全力回避に努めつつ、時人は"刻"を待っていた。たとえ此処がソウルボードの中だろうが、【ザウスの雷】が直撃した地点は跡形もなく消滅し、雷に伴うオゾンが齎す独特の臭気が立ち込める。すぐ傍に落ちるたびに冷や汗ものだが、彼は落ち着きを保ち、縦横無尽の空中機動やオーラの結界で攻撃をいなし続ける。
(勿論このまま回避だけを続けるのは不可能)
 陸井も時人も、その認識は当然の前提としてあった。こちらから攻め込むにしてもザウスの攻撃の密度は厚く、被弾すればそのまま即死のリスクがある以上、迂闊な隙は見せられない。命を惜しむわけではないが、慎重にならねば無駄死にするだけ――さりとて回避一辺倒でも敗北を先延ばしにするだけだ。

「だけど俺の罠もそろそろ出番だ」
 なにも計画性もなく逃げ回っていたわけではなく、陸井は回避の動作に合わせて筆を滑らせ【戦文字「重縛鎖」】を書き続けていた。地面を這う様に広がった「重鎖」と「縛鎖」の文字が、本物の鎖のようにザウスの足元に絡みつく。
「悪いが、あなたにはもう何もさせない」
「これは……もしや、封印か!」
 重縛鎖の戦文字が完全にヒットした場合、対象は攻撃力低下に加えてユーベルコードを封じられる。自律稼働していた【最終防衛機構】兵器群が機能を停止し――そして【ザウスの雷】もユーベルコードの一種である以上、発動中でも強制的に中断される。

「ぶちかませ、時人!」
「ああ! 任せろ! 陸井!」
 陸井による神の足止めと技の封印が完成したその時が、終わりの始まり。間髪を入れず時人は【終焉光】を唱える。
 掲げた錫杖の先より放たれるのは、全てを消滅させる激烈な創世光そのもの。被弾すれば「ザウスの雷」と同じく、致命的な終焉をもたらす。
「光の果ては永遠の闇……終わりを導こう」
 幾らかは雷と相殺になるとしても、相手のユーベルコードが止まっている以上、連射速度では時人の光撃が上回る。
 撃ち続ければ、いずれは大神の体を創世光が必ず灼く。戦文字の縛鎖が効いている限り、回避の選択肢も取れない。

「あなたは自由になるべきだ」
 そしてどうか、俺達に真実を伝えて欲しいと祈りを込め。時人が放った渾身の一撃は、ついに大神ザウスを捉える。
 あまりに眩き光は全てをかき消すように、大神の座る機械仕掛けの装置が、そして大神自身の肉体も消滅していく。
「感謝する……我がソロモンの呪縛より解き放たれた暁には、必ずや『希望』を伝えよう……」
 その言葉は、自分に死を与えようとする者に対するにしては、あまりにも深い感謝と慈愛の心に満ちていた。果たして彼が語る「希望」とは一体なんなのか。現状では想像の余地すらないが、それが明かされる時はもう間もなくだと、時人も陸井も確信していた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

秋風・葉月
ザウス……ゼウスかなにかからとっているのです?
でしたら折角ですし鹵獲を……と思いましたけどまともに触れては速攻で死にますのね。凌駕の訓練こそ積んではいますがええ、ならないに越したことはないでしょう。
でしたら武装顕現で飛ぶ斧を用意しますわ。十数年前にあったものですわね。これに守らせながら自分はもう一つ、銃でも用意して撃ち抜きましょうか。昨今の特撮は銃も使うんですのよ?

……なんで効かないの?
さては無敵にでもなってる……?
ああもう、でしたら足元でも狙って耐性崩させますわ!ヒーローらしくない?それはそうですけど!コードはもう使ってしまったのですからしょうがないではないですか!



「ザウス……ゼウスかなにかからとっているのです?」
 その名前と大神という地位から、秋風・葉月(秋葉原のご当地ヒーロー・f44081)はギリシャ神話の最高神ゼウスを連想する。しかし相手は異世界の神だし、地球とは文化や歴史が違う可能性もある。名前が似ているのも単なる偶然かもしれないが、少なくとも呼び名にふさわしい神力はあるらしい。
「でしたら折角ですし鹵獲を……と思いましたけどまともに触れては速攻で死にますのね。凌駕の訓練こそ積んではいますがええ、ならないに越したことはないでしょう」
 防御の為に【神命維持装置】と繋がっている間でさえも、大神ザウスの周囲には「ザウスの雷」が降り注いでいる。
 当たれば問答無用で即死すると聞かされては、迂闊に近づく気にはなれない。勇敢と無謀を履き違えてヒーローはやっていけないのだ。

「でしたら飛ぶ斧を用意しますわ。十数年前にあったものですわね」
 葉月のユーベルコードは【武装顕現】。自身のオタク知識の中から、日曜朝の特撮番組に出てきそうな武装を具現化する能力だ。彼女の想像力が強固であるほど、創造した武装も強力になる。虚空より現れたメカメカしい造りの斧は、ザウスの雷を見事に弾き返した。
「並外れた創造と魂の力を感じる。大したものだ」
「お褒めに預かり光栄ですわ」
 斧に守らせながら葉月はもうひとつ、銃を用意してザウスを狙い撃つ。「昨今の特撮は銃も使うんですのよ?」と、微笑む彼女の言う通り、ヒーローが肉弾戦ばかりというのは古いイメージで、むしろ様々なガジェットやアイテムを駆使するほうが現代のトレンドである。

「……なんで効かないの? さては無敵にでもなってる……?」
 が、得意げに葉月が放った銃弾は、ザウスをよろけさせることもできなかった。微動だにしないと言うよりは、動けないと言ったほうが正しいか。神命維持モードのザウスはあらゆる攻撃に対して無敵となるのだ。この状態でも「ザウスの雷」は使えていたことが、彼女の判断をミスらせた。
「ああもう、でしたらこうですわ!」
 華麗に勝負を決めるつもりが思惑の狂った葉月は、ザウスの足元を狙って乱暴に銃を連射する。ようは体勢を崩してモードを解除させればいいのだ。本体や装置に攻撃は通らなくても、足場まで無敵にはならないはず。この辺りの機転は流石歴戦の灼滅者といったところか。

「ヒーローらしくない? それはそうですけど! コードはもう使ってしまったのですからしょうがないではないですか!」
「……そう卑下することはない。これも立派な戦術だろう」
 自分でもあまり戦い方に納得いってなさそうな葉月に、慰めの言葉をかけるザウス。一応は敵に励まされるのも妙な話だが、実際に彼女の戦法は的確だった。【神命維持装置】を支えていた足場が崩れたことで、無敵効果が途切れる。
「それでは、御免あそばせ!」
「ああ……感謝する、六番目の猟兵達よ。必ず君達に『希望』を……」
 体勢を立て直される前に葉月の放った弾丸が、今度こそザウスを撃ち貫く。それがトドメとなって、異世界の大神は静かに消滅していく。その表情と言葉には最期まで猟兵への敵意などはなく、感謝と敬意の念が籠められていた――。



 かくして魔術師ソロモンが召喚した『73体目の悪魔』、大神ザウスに勝利した猟兵達。
 彼が猟兵に伝えようとした「希望」とは何だったのか。その答えが明らかになる時は近い。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2026年05月08日


挿絵イラスト