魔法使いと三匹のグルメン
現代によく似た街並みを見渡せば、相棒のバトモンを連れた人々の姿があちこちに見える。
一緒に散歩をしたり、仕事を手伝ったり、バトルの特訓をしたり……この世界ではバトモンが生活の一部に溶けこんでいるようだ。お茶会好きのイヴ・エルフィンストーン(f43984)としては、この世界ならではのお菓子が食べられないかも気になるところ。
「あら? なんだかいい匂いがします」
香ばしい匂いのもとを辿っていくと、交差点の傍に並んで立っている三匹のバトモンを見つけた。イヴをじっと見ているようだ。イヴはさっそく持ってきたバトモン図鑑を開く。
「この子達は……グルメンさんです! ふふ、こんにちは。お仕事の手伝いですか?」
イヴがしゃがんで話しかけると、まず賢そうなグルメン――シメサスがこくりと頷いた。
元気そうなグルメン――ヒロオがぴょんぴょんと跳ね、手に持った籠を『見て見て!』とばかりにさしだしてくる。もう一匹、眠そうなグルメン――ハイカワはというと、籠を持って立ったままお昼寝している。
「器用なのです……皆さん、とっても可愛くて偉いんですね。ええっと、『ご自由にお取りください』と書いてありますね。いただいていいんでしょうか?」
籠の中には、個包装されたキューブ型のチョコやプレーンクッキーが入っているようだ。グルメン達も食べてほしそうに見ているので、イヴはせっかくだからと両方食べてみることにした。
「わあ、すごく美味しいです! クッキーはさくさくですし、チョコは口の中でとろっと溶けちゃいます」
顔をほころばせるイヴを見て、三匹のグルメンもなんだか誇らしげだ。更に籠の中をよく見ると、ショップカードが入っている。
「パティスリー『ジャンシアヌ』……イヴ、これは行かずには帰れません。グルメンさん、道案内をお願いしてもいいでしょうか?」
イヴが頼むと、ヒロオが元気よく尻尾を振って歩きだす。
シメサスはまだ眠たそうなハイカワを引っぱって歩き、イヴはそんな三匹のかわいらしい後ろ姿をにこにこと見守りながらついていく。
「バトモンさんと一緒の毎日、とっても楽しそうです。あっ、あちらの建物ですね。ごめんください!」
今は旬の苺を使ったケーキがおすすめらしい。気の良さそうな店主の男性が奥から顔を出すと、グルメン達が駆け寄っていった。男性はイヴに笑顔で応える。
「いらっしゃいませ。パティスリー『ジャンシアヌ』へようこそ!」
成功
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