4
白羽の祈り

#アックス&ウィザーズ #群竜大陸 #勇者 #勇者の伝説探索

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ
🔒
#群竜大陸
🔒
#勇者
🔒
#勇者の伝説探索


0





 昔々、町はずれで生活する1人の心優しい青年がおりました。

 ある日青年が町へ向かおうとすると、目の前に1羽の白い鳥が血まみれで倒れておりました。
 周囲に仲間がいる様子もなく、このままでは死んでしまいそうです。
 哀れに思いその鳥を小屋へと連れ帰り、丁寧に手当てをしてあげました。
 その夜、青年が眠ると夢の中で1人の美しい女性が現れ、青年に語りかけます。
「助けていただきありがとうございました。お礼にこの羽を差し上げましょう。これで羽飾りを作れば、悪しきものからあなたを守ってくれるはずです」
 はっと目を覚ませば日は高く昇っており、よく見ると窓辺で休ませていたはずの鳥も数枚の白い羽を残して姿を消しているではありませんか。
 青年はあの夢は神様のお告げだと信じ、言われた通り羽飾りを作り上げ、大事に飾ることにしました。

 それからしばらくして、青年は邪悪な存在が暴れる大陸へ向かう旅に出ることになりました。
 もちろんあの白い羽飾りも一緒です。
 大陸に辿り着いた青年は、天使や妖精の力を借りながら弱きものを助け、後に『白羽の勇者』として語り継がれていくのでした。


「『帝竜ヴァルギリオス』『群竜大陸』という名前に聞き覚えはあるでしょうか?」
 グリモアベースへと猟兵たちを集めたリコリス・シュピーゲル(月華の誓い・f01271)は1人1人の表情を確認しながら尋ねる。
「簡単に言ってしまうと、帝竜とはオブリビオン・フォーミュラとして復活した可能性がある竜の名前ですわ。本当にオブリビオン・フォーミュラだとしたら、共に復活したとされる大陸を見つけ出す必要があります。その大陸が群竜大陸のことですの」
 幸い、このアックス&ウィザーズの世界にはかつて群竜大陸に渡り帝竜ヴァルギリオスとの決戦に参加した冒険者たちの伝説が残されている。
 戦いで命を落とした数千を超える冒険者全員が『勇者』としてたたえられているため、その伝説も多く残ることになったのだ。
 伝説1つの情報だけでは信ぴょう性も含めて難があるが、それらを1つ1つ解き明かしていけば予知の制度が高まるはずというのがリコリスの弁であった。

「皆様には残された伝説の1つ、『白羽の勇者が作った羽飾り』を追っていただきます」
 今回調査に向かう町―ハキューラという断崖に建つ腕のいい工芸家が集う町に、『白羽の勇者』伝説が残されており、ちょうどよいことに今ならその伝説に出てくる勇者をたたえ、白い羽の軌跡に感謝する祭りが開かれているのだという。
 その祭りでは鳥の翼、蝶の翅、妖精の羽等様々な「翼」がいたるところに飾られており、町を吹き抜ける風がそれらを揺らしていく美しい光景が見られるだろう。
「伝説では白い羽が象徴として語られておりますが、こちらでは羽そのものが幸運を運ぶものとされているようですわ。職人さんの作品のほかにお菓子も売られてましたの」
 どこか懐かしむような表情を見せ、はっと我に返る。
 一部の猟兵は彼女が甘いものに思いを馳せていたことを見抜けたかもしれない。
 ゴホンと一つ咳ばらいをし、改めてリコリスは猟兵たちへと向き直る。
「祭りを楽しむのは結構ですが、最重要事項は伝説の調査ですの!何やら不穏な気配も感じましたし、気をつけていってらっしゃいませ!」
 突き放すように言い放って転送準備に入るリコリスの頬はほんのり朱を差していたとかなんとか。


灰猫
 ご覧いただきありがとうございます。灰猫と申します。
 今回の舞台はアックス&ウィザーズです。

●第一章:日常
 冒頭の伝説が語り継がれる風と工芸の町・ハキューラで開催されるお祭りに参加していただきます。
 楽しむ気持ちがあれば町の人は快く皆様を受け入れてくれることでしょう。

 第二章、第三章に関しては詳細不明ですが、なにやら嫌な予感がするそうです。

 それでは、皆様のプレイングを心よりお待ちしております。
34




第1章 日常 『翼の祭』

POW   :    町で作られる作り物の翼を付けたり、自分の翼を披露する。

SPD   :    翼を模した工芸品の露店を楽しむ。

WIZ   :    魔法で良い風や鳥を呼び、祭を盛り上げる。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

暮陽・黎明
翼にまつわるイベントかー。自由を謳歌する身としては是非とも楽しみたいイベントだなー。
讃えられたりはあんま慣れてねーが、そういうイベントなんだしな、自分の翼を見せて歩いてみるぜー。(パフォーマンス)
私の六翼がどう見られるか、少し気になるなー。
結構手入れ大変なんだぜー?
なんせ六枚の翼があるからなー。怠ったらあっという間に見た目ひでーことになるからなー。

お祭り事なんだしな、出店みたいのもあるだろうからご当地名物的なものを買って食べ歩きでもしてみるかー?

おーそうだ、忘れずに白羽の伝説について聞いてみるぞー。
やっぱ聞くなら村長が詳しそうかねー。
情報収集、世界知識、学習力、優しさ辺りを駆使していくぞー。



 ぱさりと羽音を立てて、暮陽・黎明(瑠璃色に染まる空の果へ・f00383)は予知の対象となった地―ハキューラへと舞い降りる。
「翼にまつわるイベントかー」
 現在暮陽は町の入り口付近にいるが、もうすでに大小さまざまな羽の飾りが視界に飛び込んできており、祭りの熱気が伝わってくる。
 自由を謳歌するものとして楽しみたい。
 にっと笑みを浮かべて暮陽は入り口の門をくぐっていった。

 6枚の白く輝く翼を見せて町を闊歩する暮陽は、まさに注目の的になっていた。
 住民たちの視線にどこかむずむずする感覚を覚えながら、おいしそうな匂いのする屋台へと足を運ぶ。
「いらっしゃい。ずいぶん立派な羽だな!」
「ねーちゃ、そのはねかざりすっごくきれい!」
 店主と思しき男性が笑顔で出迎え、そのすぐ隣で幼い少女が目を輝かせて暮陽の羽を見つめている。
「褒めてくれてありがとな。でも、偽物じゃあないんだなー」
 ばさりと羽を羽ばたかせると少女の目の輝きが強まる。
 周囲からもおお……と感嘆の声があちこちで漏れていた。
 元より丁寧に手入れのなされた白い翼がはためき、太陽の光を反射して煌めく神秘的な姿を、昔から羽に深い念を抱く人々が見たのだ。
 惹かれない理由などあるはずもない。
 興奮した様子で暮陽の元へ駆け寄り、手にしていた商品と思しきクッキーを差し出す。
「これあげるから、もっと見せて!!」
 きゃあきゃあと感動する少女の頭を暮陽は優しく撫で、もっと近くで見られるようにとその自慢の翼で少女を覆う。
 羨ましい、私も近くで見たい、とそれぞれ手作りのお菓子やパンを持った子供たちが集まってくるのもある意味当然の話であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

葛乃葉・普
祭りか、良いね、祭りは好きだよ
事件の香りもするようだが…まずは祭りを楽しもうじゃないか
・SPD行動
露店を見て回ろうと思う
帽子に付ける羽飾りか、良い帽子があれば欲しいね
どれも良い品だ。目移りするよ
ああ、仕事もしないとね。買い物のついでに、伝説について話を聞こう
ふむ、それにしても…似たような話は、どこの世界にもあるのだな。面白い
ま、とにもかくにも、買い物だな



 町を闊歩する猟兵がもう一人。
 どことなく楽し気な雰囲気を漂わせながら、葛乃葉・普(UDCサマナー・f15965)はその目をあちこちに向けていた。
 風に揺れる羽。明るい客寄せの声。
 眼前に広がるのは賑やかな祭りの風景だ。
「いいね、祭りは好きだよ」
 異界や危険地帯を渡り歩くことが多い葛乃葉だが、こうした平和な空気に浸るのもまた一興と口元を緩ませた。

 しばらく露店を冷かしていたところで、葛乃葉はある露店の前で立ち止まる。
 どうやらその露店では銀細工を扱っているようで、翼を模したペンダントや妖精の羽を散らしたバレッタ等が陳列されていた。
 ふと葛乃葉が手を伸ばしたのは頭に乗せられた帽子。
 彼独自のこだわりが垣間見える奇抜なそれだが、小物を足すことでまた一味違った雰囲気が楽しめるのではないかと感じたのだ。
「やあどうも。少しばかり見させてもらうよ」
「らっしゃい。どれも自信作だからゆっくり見ていってくれよ」
 帽子を軽く一瞬軽く持ち上げて挨拶をし、すぐに視線は自慢の商品たちに吸い寄せられる。
 流石は職人というべきだろうか、どの細工も一見シンプルと見せかけて細かい模様が丁寧に描き出されている。
 シンプルなタックピンがいいだろうか、いやあの妖精の羽を使った飾りも捨てがたいとあれこれ目移りしていると、1つのブローチが目に飛び込んでくる。
 それは鳥の羽と銀細工の羽を組み合わせたもので、今使っている帽子に合わせても程よく存在を主張しつつ全体のデザインを崩さない代物であった。
「これを貰おうかな」
 会計を済ませてさっそく帽子につけてみれば見立て通りのなじみ方。
 満足げにうなづいて帽子をかぶり直し、笑顔で露店を後にする。
 新しいコレクションが増えた葛乃葉の足取りは非常に軽いものであった。
「さて、仕事もしないとだけど……もう少し買い物を楽しんでもいいかな」
 聞いた話では事件の香りもするようであったが、まだ祭りは始まったばかり。
 新たなコレクションとの出会いを求めて次の露店を目指すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハルピュイア・フォスター
アドリブや絡みはOK

ふらふらと露店巡りをしよう…かな(【第六感1】で進もう)
どこを見渡しても羽根羽根翼です…と言うわたしも髪飾りや服装は羽根を模していますけど…。
もちろんナイフも羽根の形です…良く切れます。(切られたモノは何だろう?)

わたしも何かを作ってみたいな?どこかに体験出来るところはないかな?



 ハルピュイア・フォスター(天獄の凶鳥・f01741)もまた、心の赴くままに町を歩く猟兵の一人であった。
 今回の彼女の目的はものづくりが体験できる露店。
 ずらりと並ぶ店の多くは出来上がった商品を並べているところがほとんどであったが、視線の先に映りこむ羽を追いかけるように足を運んでいると、大きな未知から少し離れた所に子供たちが集まっているテントが見えた。
 そのテントには布がぴんと張られた輪に羽を吊り下げた飾りがいくつか飾られている。
「お姉さんも作ってみませんか?」
 ぼんやりと子供たちの姿を眺めていたハルピュイアに、店員をしているという女性が話しかけてきた。
 彼女曰く、テントに吊り下げられているのは伝統的な飾りで、ここではそれを作ることができるのだという。
「難しいところはもう手を加えたものを使いますので、簡単ですよ」
「それならやってみようかな」

 女性から説明を受けてしばらく。
 ハルピュイアはテントの下で眉間にしわを寄せて悩んでいた。
 彼女が睨みつけている大きな机の上には木製の輪や2色の蔓で編み込まれた輪。
 その輪に張られた白い布に好きな物を描くための染料と筆。
 そしてそれ以上に多種多様な羽が所狭しと並べられていた。
「ねーちゃんはどれを選ぶんだ? あの羽とかすっげーかっけーぞ!」
「かっこいいのよりきれいなのだよ! あの妖精さんの羽とかきらきらだよー!」
「頭の飾りも羽だし、鳥の羽が好きなのかもだよー」
 いつの間にか子供たちに取り囲まれていたハルピュイア。
 子供たちのあれこれ勧める声に迷いながら、最終的に瑠璃色の小さな羽を選んだ。
 どことなく星を抱くあの空の色に似ていたから。そんな理由であった。
「ナナはこっちにするぅー」
 隣で自慢げに透き通った妖精の羽を見せつける少女を見て、ハルピュイアはくすりと笑みを浮かべる。
 楽しい時間はもう少し続きそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オルト・クロフォード
【SPD】

勇者の伝説カ! 興味深いナ……今回は色々な羽の飾られる祭りカ……羽、カ(思い浮かべたのは機械の天使じみた自身の真の姿。冷ややかさと不安を感じるそれは好いている姿ではないのだけれど)

気を取り直しテ、街に飾られている羽根や露店を見て回るゾ、色々な種類の羽があるそうだからナ。ついつ一つ一つ立ち止まってじっくり見てしまうかもしれないナ!
……うン、こういう人の目を楽しませるような羽なら、いいなと思ウ。

ト、楽しんでばかりではダメだったナ。勇者の伝説についての【情報収集】もしなくてハ。「伝説の内容」、「伝説に出てきた羽飾りは今どこにあるのか」を聞ければいいのだガ……

【アドリブ、絡み大歓迎です】



 オルト・クロフォード(クロックワーク・オートマトン・f01477)はといえば、道の片隅で足を止めていた。
 その視線の先ではおそらく家庭で作ったのであろう素朴な羽飾りが揺れていたが、オルトの表情はどこか冴えないものであった。
「……羽、カ」
 独りごちるように漏れた声に明るさはない。
 思い浮かぶのは自身の真の姿。
 機械の天使を連想させる本当の自分にも、羽はある。
 しかし、それは飾られた羽のように風を受けて軽やかに舞いそうなものではなく、歯車や時計の針で出来た、重く、冷たいもの。
 冷やかさ。不安。
 それらをもたらす姿を、好ましく思えるはずもなかった。

 ドォンという空砲の音で、はっとオルハは我に返る。
「……そうだナ。今は楽しまないとだナ」
 気を取り直してオルハは本来の目的地へと向かう。
 向かった先で待っていたのは、町の中では少し細い道。
 しかし大小様々な羽飾りで埋め尽くされたそこはたしかに祭りの熱気を帯びていた。
 オルトはその1つ1つをその目に焼き付けるようにじっくりと眺め、ゆっくりと歩みを進めていく。
 先程飾られていたような小さく素朴な飾りから複数の職人が協力して作り上げたという圧倒的なオブジェまで、本当に様々であった。
 羽飾りの道を抜けるころには、オルトの胸の中を支配していた不安感は鳴りを潜めていた。
「……うン、こういう人の目を楽しませるような羽なら」
 あの機械の羽はやはり好きにはなれないけれど。
 同じ『羽』と呼ばれる存在であるけれど。
 あの羽なら、いいなと、オルトは目を細めるのであった。


 祭りをそれぞれ思いのままに楽しんでいた猟兵たちであったが、本来の目的を忘れることもなかった。
 店員にあるいは町を歩く者に声をかけ伝説について尋ねる。
 返ってきた答えは、言葉の差はあれども内容は同じであった。

「興味があるなら、勇者の家があった場所を教えてあげる」

 これは偶然の一致なのか。
 はたまた、白羽の勇者の導きなのであろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『違法市場』

POW   :    違法取引の現場を抑える

SPD   :    影にまぎれて情報を拾う

WIZ   :    袖の下などで元締めに会いに行く

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 住民たちが教えてくれた場所は林の中にあった。
 木々の隙間から幾筋もの陽光が差し込んでおり、踏み固められた道も歩きやすくちょっとした散歩コースにもなるであろう、そんな道のりが続いていた。

 道なりに歩いていると小太りの男性がひどく落ち込んだ様子で座り込んでいるのが見え、どうしたのかと猟兵が彼のもとに近づいて声をかける。
 緩慢な動きで見上げる彼の全身は汗でぐっしょりと濡れており、長い時間動き続けていたのは明らかであった。
「私はあの町の自警団に所属しているんだけど、実はこの林の中である妖精の羽の密売が行われているという話があってね……」
 彼の話を要約するとこうだ。
 件の妖精というのは貴重な存在であり、本来であれば特定の資格を得た人物や組織でなければ販売は許されていない。
 しかし近年、その資格がないにもかかわらず無視し妖精を乱獲してはこっそり高値で売りさばくオレンジのバンダナを巻く一団が現れたのだ。
 一団の摘発に挑んだものの、そこは悪党、林の中という視界の悪さを利用して包囲網から逃れる者ばかりで密売はいまだに根絶できていない、ということだった。
 このまま不正な取引が横行すれば祭りにも影響が出るだろう、そう語る彼からは深い悲しみがうかがえる。
「なぁ、助けてくれないか!?このままじゃああの祭りも台無しになっちまう!」
ハルピュイア・フォスター
アドリブや絡みはOK

わたしは違法取引の現場を抑えに行こうっと……けど現場ってどこだろう?

きっと景色やお祭りを楽しんでない人や怪しい行動の人は悪い人だから注意して見つけてついて行こう【第六感1】

追跡時や現場は【迷彩10】と【目立たない10】を使用し窺う

悪い人だったら逃がさない様に捕まえて色々と聞こう…かな?

最初は【優しさ10】で聞き、つけあがり始めたら【殺気5】と【恐怖を与える5】と武器の零刀(未完)をナイフに変貌させて……ここからは先はみんなに見られない様にしないと…。(情報収集なので暗殺はしないよ?…たぶん…きっと…。)

さてっと黒幕は誰でしょう?



 男性の懇願を受け、ハルピュイア・フォスター(天獄の凶鳥・f01741)は現場を押さえようと林の中を歩いていた。
 現場を押さえるには取引場所を知っている必要があるが、ハルピュイヤの手元にその情報はない。
 ならば景色やお祭りを楽しんでない人や怪しい行動を取る人についていってみようと、ハルピュイヤはちらほらと見える人々の様子をさりげなく観察しながら歩き続けるのであった。

 しばらくすると、ハルピュイヤは散歩道から外れた場所できょろきょろと不自然に周囲を見渡す一人の男を見つける。
「まずはあの人に話を聞いてみようかな」
 人がいないと判断した様子の男がさらに人目を避けるように奥へと移動するのに合わせて、ハルピュイヤは気づかれないよう細心の注意を払って後を追いかける。
 緑が深くなったところで男は足を止め、巾着を取り出し、さらにその中から薄く七色の光を帯びた羽を1枚取り出した。
「けけけ、次はどんだけ吹っ掛けてやろうかな……!」
「おじさん、羽を売ってるの?」
「っ、誰だ!?」
 背後から聞こえたハルピュイヤの声に驚いた男は勢いよく距離を取ろうとするが、ハルピュイヤを何も知らないカモだと判断し、へらりと軽薄そうな笑みを浮かべる。
「嬢ちゃんにはもったいない代物だが……見つかっちまった上にせっかくの祭りだしなぁ」
「わたし、きれいな羽を集めるのが好きなんだ。ねぇ、買うとしたらいくら必要なのかな?」
 ハルピュイヤのねだるような声に警戒を完全に解いてしまった男は祭りの商品で見た商品の何十倍もの金額を持ち掛け、饒舌にその羽の美しさと珍しさを語り上げる。
 いつの間にか手が届く距離にまで近づいている小鳥がどう猛な爪……ストールが変容したナイフを手にしていることに気づきもせず。
「おじさん詳しいね。じゃあ、もっとお話聞かせてくれる?」
 先程とは打って変わって冷たい笑みを浮かべ喉元にナイフを突きつける。
 反撃も許されず殺気にあてられた男は、震える両手を挙げることしかできなかった。

 男から得られた情報は、取引は基本的に林の中で行われること、男は一段の下っ端であり、彼らを取りまとめるリーダーとしか面識がないことであった。
 黒幕まで遠いなぁ、とハルピュイヤはため息を漏らすのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

葛乃葉・普
小悪党退治、というところかな
もちろん、手を貸すとも。なんとかしてみよう
・WIZ行動
この手の輩は、根から断たねばまた生まれる
纏め役がいると思うから、探すとしよう
まずは情報だね、自警団に話を聞こう。取引場所の予想や目星があれば聞きたい
次に【地形の利用】をして【目立たない】ように取引現場へ行こう
上手く見つけられれば、オレンジのバンダナの一人に、召喚・悪戯好きの小妖精を使用
追跡してもらって、アジトなり頭役なりまで案内してもらおう
「これで良い。残りは詰めだけだからね」

アドリブ、協力、改変歓迎



 葛乃葉・普(UDCサマナー・f15965)もまた、取引が行われている場所を求めて林の中を捜し歩いていた。
 事前に取引は基本的に林の人目に付きにくいところで行われること、そして過去に取引がに使われた場所に関する情報を得ていた葛乃葉は獣道を見つけながら、音を立てることなくポイントを巡っていく。
 ふと、林の中で出会った自警団の男の顔が頭をよぎる。
 汗と涙に濡れ、ずびずびと鼻をすすりながら知っていることを話す姿はなんとも印象が強かった。
 よほど悔しかったのだろう。
 あのとき葛乃葉は小悪党退治に手を貸すと答えた。
 ならばなんとかしてみせようと、地を蹴る足に力を籠めるのであった。

 3カ所目のポイントで、事は起きた。
 2人の男が真剣に話している様子にもしやと思い木の影に隠れながら近づく。
 一人はがりがりに痩せながらも仕立ての良い服を着ており、もう一方の男は筋肉隆々で、晒された右の上腕二頭筋ではオレンジのバンダナがその存在を主張していた。
 残りの金の受け渡しは、次の場所は、と交渉を進める様子は間違いなく葛乃葉が探し求めていたものだ。
 しかし、ここであの筋肉男を捕らえても解決には至らない。
 取引を終えたのか、そそくさとその場を離れだしたところで葛乃葉は動き出す。
「隠れ里に住まう悪戯者、人の親しき隣人。報酬はミルクとクッキーを」
 現れたのは薄く透けた細長い羽を震わせる小さな妖精。
 バンダナの男を指差せば、にっと悪戯っぽい笑顔を見せて宙を舞い、どこかへと消えてゆく。
 目を閉じれば、そこに広がるのは闇ではなく先程の妖精が空から見つめる男の様子。
 少しふざけているのか時々男の薄笑いが視界いっぱいに広がったり世界が大回転したりしているが、追跡自体は発見されることなく順調であると言えるだろう。
「これで良い。残りは詰めだけだからね」
 自慢の帽子を被り直し、今度はゆっくりと男が通っていた道をなぞるように歩く。

 連絡を受けた自警団が一団の一部が利用していた拠点に突撃。
 小屋の中で縛り上げられた筋肉隆々男を含めた下っ端とそれを取りまとめていた纏め役のリーダーが見つかるのは、少し先の話であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

暮陽・黎明
それは酷いなぁ……まぁ、とりあえず落ち着けよなー。
そんな話聞いて見過ごせるほど私も酷な人間じゃねーからよ。

まぁ、そう言うのは頭を叩かねーといくらでも湧いて出るからな。
妖精の羽を求めて林の中を歩いてれば、向こうから声をかけてくるだろうからな。宛もなく彷徨って怪しまれるのも面倒だ、事前に世界知識、情報収集、学習力、礼儀作法、第六感あたりで取引してそうな場所を特定、相手さんと妖精の羽を取引しつつ、袖の下を使って頭に会えるよう取り計らってもらうとしよう。
頭に会った後も情報収集は欠かさないようにな。可能なら追跡、あるいは怪力で捕獲して密売をやめさせるように誘導だなー。



 ――本当に酷いことをしてんだな。
 目の前の男を追うように歩く暮陽・黎明(瑠璃色に染まる空の果へ・f00383)の胸中は不快感で満たされていた。
 理由は簡単。目の前の男は密猟団の一員だから。
 暮陽が取引が行われていそうな場所を求めて自警団の男から情報を集め、あやしく感じた場所を探っていたところにこの男と出会ったのだ。
「いやぁ、歩かせちゃってすみませんねー。まさか冒険者様も羽をお求めになるとはもわなくて!」
「それは構わないぜ。急に頼んだのはこっちだからなー」
 やたらと上機嫌な男の様子を見て、暮陽は自身の目的……一団の頭に会って密猟を辞めさせることは悟られていないことを確信した。
 今回会わせてもらえそうな『リーダー』はこの周辺の地区で行われる取引をまとめる役で密猟団全体の頭ではなさそうだが、下っ端の男が頭の居場所を知っていなかった以上仕方のないことである。
 また取引だけであればリーダーと会うことは叶わなかっただろうが、袖の下が実によく効いているようであった。
「もうちょっとで着きますんで」
 何も知らない男は、にっかりと暮陽に笑いかけるのであった。

 たどり着いた先にあったのは1つの小屋であった。
 重要な話はここで行われると男から説明があり、中に置かれた椅子に座ってしばらく待つと1人の男が眼鏡のレンズを光らせながら現れる。
 下手な演技はバレるかと警戒しながら、暮陽は自身の持っている情報を駆使して眼鏡男と話を進めていくが……。
「我々としても、貴方様のような話のわかる方と関係を持つことができてうれしいです」
 見た目のわりにとても単純な男であった。
「今後もご贔屓に……といったところで、何か他に聞きたいことは?」
「……じゃあ、これが最後だ」
 ガタリと椅子が倒れ、男と暮陽が地面に転がる。
 机を跳び越えて眼鏡男に掴みかかった暮陽がその手に力を籠めると、もう男は抵抗できないようであった。
 仲間を呼ばれないようにと膝で圧力をかけているのが苦しいのか、まともに声を出すことすらできないようである。
「今すぐ密売をやめろ」
 ハイ、とかすかな吐息だけで答える男。
 この後、このグループもあえなく御用になったそうな。

成功 🔵​🔵​🔴​

クルル・ハンドゥーレ
他の猟兵との絡み、アドリブ歓迎

ほんま、どこにでもアレな輩はおるんやねえ
断崖絶壁に逆さに吊るしたいとこやけど、こういうんは大元断たんとあかんやろうから、
正攻法は他の人に任せて私は搦め手でいこか

WIZ
綺麗な羽の装飾品を身に付け愛好家を装う
余計な警戒を買わぬよう最初は普通の店、徐々に裏通りに近いなどあやしげな店にシフトしつつ買い物
同時に情報収集・世界知識で繋ぎつけられそうな人を探し適当な賄賂を渡す

「ああ、この妖精の羽!夢みたいに綺麗や」
「あるん全部欲しいくらいやなあ…なあ、多少割増でもええから、もっと在庫売ってくれる人おらへん?」

あーもう、装飾品分はええとしても、賄賂!財布軽なるわー!



「いらっしゃいませ!」
 店員の声を受けながら、しゃらりと美しくも妖しげな魅力を放つ羽飾りを揺らしたクルル・ハンドゥーレ(逆しまノスタルジア・f04053)は商品をまじまじと見つめる。
 その手には数々の店の紙袋が握られていた。
「ああ、この妖精の羽! 夢みたいに綺麗や」
 うっとりと虹色のオーラを纏う妖精の羽を加工したブローチを手に取りほめたたえるクルル。
 しかしその目は問題になっている羽であることをしっかりと見抜いていた。
 ここに来るまでの買い物すら一団へと繋がる道筋を見つけ出すための一手であったのだ。
 資格のある店ならその証明書を提示していることも確認済みだ。
 それがこの店にはない。断崖絶壁に逆さ吊りの刑確定である。
「流石お客様、お目が高い。その羽は取り扱いが非常に難しい逸品でしてね……」
 店主であろう出で立ちの男が揉み手をしながらクルルに近づく。
「こんなに綺麗なんやもの。取れるんもさぞかし少ないんやろなぁ」
「ええ、やはり流通量も少ないですから」
「なぁ、私もっともっとこの羽欲しいんやけど?」
 絡みつくようなねだり声。
 その声には『あるんやろ?』と、店主を逃がすまいとする意図がちらりと見え隠れする。
「……いえ、この店にはもう」
 店主もふいと目をそらしこの話題を終わらせようと試みるが、クルルの攻勢は止まらない。
「多少割高でもええんや。誰か売ってくれる人、おらん?」
 あなたにも悪い気はさせへんよ、と囁く。
 店主がちらりと視線を下げると、耳元で囁くためにさらに近づいていたクルルの持っていた紙袋の1つの中身――大量の金貨が微笑むクルルの下で輝いていた。

 店を離れたところでクルルはため息をこぼす。
 取引に使われる場所と連絡方法を得たのだ。
 成果としては十分であろう。しかし、この作戦に難があったとすれば。
「あーもう、むっちゃ財布軽なったわー! 賄賂要求しすぎやーん!!」
 懐にも大打撃を受けてしまう事であろうか。

成功 🔵​🔵​🔴​

蛇塚・レモン
【WIZ】
妖精は村を襲われたり、羽をむしられたり、なんか不憫だよね……?
こうなったら、元締めに直接会って文句を言わないとだよねっ!

今まで猟兵たちが集めた情報を集約できないかなっ?
アイテム『魔法の辞典』で情報をまとめて、取引先のポイントの傾向や、取引の時間帯、ルート等をまとまてみたいなぁ~
(情報収集+学習力)
難しい場合は、他の猟兵たちが当たった商人に掛け合って、賄賂を贈って聞き出してみるよ
(礼儀作法+コミュ力+世界知識)
出来れば、その元締めさんまで会えないかなぁ~?
あたい独りで行っても門前払いだし、付き添ってよ、おじ様♪

ただし近くまで来たらUC発動
お金を奪って元締めの居場所まで飛んで逃げるよっ!



 蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)は岩の上に腰かけ、どこか古めかしい辞典の紙の上に浮かび上がった文字を眺めながら妖精の不幸を嘆く。
 今回の密猟事件もそうだが、蛇塚は村を襲われた妖精の存在も知っている。
 その事件に関しては幸い自身を含む猟兵たちの介入もあって解決に辿り着いたが、知らないところで襲われている可能性もあればこの先自身がその予知を見る可能性もある。
 妖精たちに降りかかる不幸を完全に取り除くことははっきり言って不可能だ。
 しかし。
「そんなの、認めるわけにはいかないっ!」
 少なくとも、この事件に関しては元締めに直接文句を言わねば気が済まない。
 怒りを燃やしながら、辞典のページをめくり浮かび上がった文字に目を走らせる。
 淡く発光する文字の羅列は取引場所や時間帯、実質的なグループの規模や拠点等、自警団や猟兵たちが集めた情報を完結にまとめ上げており、密猟団の全貌がおおまかではあるが見える状態になっていた。
「す、すごいもの持っているんだねぇ……!」
 自警団の男が蛇塚の隣で辞書の性能に感嘆を漏らす。
「あれ、こういう魔法ってないの?」
「ないことはないけど、ここまでまとめ上げれる人がいなかったんだ」
 めぼしい成果は上げられなかったが、自警団も密猟団との接触回数は少なくない。
 目撃情報に関して言えば、一番情報を持っていたのは自警団だったと言って差し支えなかった。
 それらを分析できる状態にまとめた上で新たに猟兵たちが得た有力な情報を加えていけば、目標の人物はすぐ目の前だ。
「今から動けば、この先の少し開けたところに元締めさんが来るかもね」
 その答えを蛇塚はぽつりとつぶやく。
「この先って……白羽の勇者様の小屋があった場所じゃないか!? どうしてそんなところに!?」
「灯台下暗しってことだよ」
 場所がわかってしまえばあとは動くだけ。
 蛇塚は辞典を閉じて立ち上がる。
「ここまで来たら最後まで付き合ってよ、おじ様!」
 蛇塚はどこか獰猛さを秘めた笑みを自警団の男へと向けてみせた。

 蛇塚が男の案内のもと伝説の始まりの場所へ向かうと、そこには1人の精悍な体つきの男がこちらに背を向けるようにして立っていた。
 オレンジのバンダナのほかに派手な装飾品を身につけていることから、この男が元締めであることは明らかである。
 蛇塚は小さな蛇神を召喚し自身の腕へと絡ませ、さらに距離を詰めようとしたところで足を止める。

 男の視線の向こう――小屋の方向から、異質な気配がにじみ出していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『崩壊妖精』

POW   :    妖精の叫び
【意味をなさない叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    妖精の嘆き
【なぜ痛い思いをさせるのかへの嘆き】【私が悪かったのかへの嘆き】【助けてくれないのかへの嘆き】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    妖精の痛み
【哀れみ】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【崩壊妖精】から、高命中力の【体が崩壊するような痛みを感じさせる思念】を飛ばす。

イラスト:芋園缶

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 小屋のすぐ横、地下に続いているであろう穴から青白い光が地上に昇ってくる。
 地上に現れたのは、妖精であった。
 しかしその肉体にはひびが入り、手足の一部が砕けている。
 ――ドウシテ苦シマナキャイケナイノ?コンナ目二合ワナキャイケナイノハ何故?
 ――許シテ。イイ子ニスルカラ、助ケテ。
 ――痛イ痛イ痛イ。痛イヨ。
 嘆きが、助けを求める声が、言葉にならない悲痛な叫びが林の中で木霊する。
「くそっ、なんだよこいつら……!」
 元締めの男が脂汗を浮かべて後ずさる。
 彼を逃がすまいとしているのか、それに合わせて妖精は数を増やしていく。

 密猟団の元締めとはいえ、彼は一般人だ。
 オブリビオンに襲われるのを黙って見過ごすわけにはいかない。
ハルピュイア・フォスター
アドリブや絡みはOK
武器の零刀(未完)をナイフに変貌
元締め?わたしは嫌ですけど今は助けますよ…今は…。
密売の話を全て話し終えるまで消えられたら努力が無駄になる

妖精さん…痛そうです…。
まずは【医術10】で治せないか悩む<【第六感10】で考え

痛いのは分かりますけど…少しうるさいです
基本【迷彩10】と【目立たない10】を使い【ダッシュ10】で接近してから【暗殺100】
また【Lest memory】で攻撃、外れた際は壊滅させた地形を【地形の利用10】して接近して、相手のユーベルコードを使用
反撃時は【武器受け5】と【残像10】で回避

今は悲しい思いをわたしにぶつけて少しは楽になろう…ね。(避けるけど…。)



 ハルピュイア・フォスター(天獄の凶鳥・f01741)は自身の気配を殺しながら妖精の姿を見つめる。
 その目に飛び込んでくるのは痛々しい傷口。
 直感的にその傷口が今現在世界で知られている医療技術では――たとえ他者を癒すユーベルコードを使ったとしても治せないものだと察した。
 妖精たちが抱いているであろう苦しみにハルピュイアの胸が締め付けられる。
 しかし、その手の中では零刀(未完)をナイフに変貌させていた。
 あくまでもこの世界の法で男を裁くために。
 自警団や猟兵たちの努力を無駄にしないためにも、この男は守らねばならない。
「痛いのはわかりますけど……少しうるさいです」
 大きく息を吸って一足飛びに元締めのすぐ横を駆け抜ける。
 妖精の群れの中に飛び込んだハルピュイアはナイフででそのひび割れを突いて素早く離脱。
 熟練された素早い動きを捉えることが出来なかった妖精たちは、数人の仲間が倒されたのを見て初めて自分たちが襲撃されていることに気が付いたようだった。
 続けざまに羽根型の投げナイフ『月虹の瞬き』を取り出し、ふわりとナイフを宙に浮かべる。
 7本のナイフがハルピュイアの周囲で浮かぶ様子は、幻想的な鳥が羽を広げているようにも見えた。
「不吉な鳥は2度翼を広げます……」
 羽ばたいた翼から抜け落ちた羽が揺れながら地上に舞い落ちるように、月虹の瞬きの虹は妖精の群れの中でふわりゆらりと舞い踊る。
「ヒドイヒドイ! コンナ二痛カッタンダヨ!?」
 自分たちに新たな苦痛を与える存在を見つけだした妖精は、仲間を呼んで自身の苦しみを伝える思念を飛ばす。
 迫る衝撃波を見据えるハルピュイアの表情は、どこか悲しげであった。
「辛かったよね……。今は悲しい思いをわたしにぶつけて少しは楽になろう……ね」
 静かに呟いたハルピュイアの姿が思念の波の中に飲まれていく。
 しかしその姿は痛みに悶えることなく消えていった。
「ナンデ!?」
「もう、苦しまなくていいんだよ……」
 残像を残して思念を回避していたハルピュイアが動揺を露わにする妖精の首にナイフを突き立てる。
 パキリと軽い音を立てて砕けた妖精は、最後に穏やかな表情をハルピュイアに見せて塵となって消えていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

蛇塚・レモン
来いよアドリブ

元締めのおじ様に群がる妖精を蛇腹剣クサナギで薙ぎ払うよ!
(先制攻撃+範囲攻撃+ロープワーク+なぎ払い+吹き飛ばし)
……50点!(ちなみに百点満点)
あたい的にもう少し渋さがほしいっ!
妖精の羽をむしった結果、妖精に襲われるなんて自業自得だよ……?
けど、未来のイケおじ様を見捨てるわけには、いかないよねっ!

蛇神様、結界をお願いっ!
あたいとおじ様を守ってっ!
(オーラ防御+範囲攻撃+拠点防御)

妖精たちへの哀れみよりも元締めのおじ様への同情を優先
妖精の痛みに結界と激痛耐性で防御!

強化された霊力で蛇神様と連携!
(2回攻撃+動物使い+視力+範囲攻撃+念動力)
念動力と蛇腹剣でバラバラにしちゃうよっ!



 穴の中からは倒された妖精を補充していくかのように傷ついた妖精たちが飛び出してくる。
 傷ついていると言えどもその動きは一般人には十二分に脅威たり得るもので、すっかり腰の引けてしまっている元締めの元へと押し寄せていった。
 妖精の放つ思念があと少しで元締めに届くといったところで、そのすぐ隣に飛び出した蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)が『蛇腹剣クサナギ』を振り抜き、蛇の鱗が蠢くが如く暴れるその刃で思念をかき消し2人と妖精の間に空間を生み出す。
「蛇神様、結界をお願いっ!」
 蛇神から満ち溢れた優しい光は蛇塚と元締めを飲み込み、2人には悲しみも崩壊の痛みも不要とでも主張するかのように妖精たちの思念を光の壁の直前で消していった。
 その光の内側で、ひとまずの危機を乗り切った蛇塚は厳しさを残した表情のまま元締めを見上げる。
「……50点!」
「……はぁ?」
 人の顔を見つめときながらどういう事だとわめきたてる元締めに動じるどころか、さらに蛇塚は元締めに詰め寄ってまくしたてるように言葉を続けた。
「まず渋さが足りない!それに妖精の羽をむしって襲われてるのも大幅減点!優しさが足りてない証拠だし、自業自得だよ!?その調子じゃあイケおじ様になれるわけないんだよ!」
「誰もなるつもりねーよ!?」
「また襲われたいの!?」
 その剣幕に元締めが言葉を失ったところで、蛇塚は光の外側にいる妖精たちの動きを警戒する。
 今のところ結界が破られる心配はなさそうだが、このまま守りに徹していても状況が好転することがないのは明らかであった。
 正直なところ、元締めの男は蛇塚の好みとは大幅にずれがあり、この世界においてもいい男とは言い難い。
 しかし、それはあくまでも『今』の話だ。
 ここで考えを改めてくれれば。しっかりと罪を償ってくれれば。
 まだこの男には、可能性がある。彼が蛇塚好みのおじ様となる『未来』を、ここで断つわけにはいかないのだ。
「いくよ、蛇神様っ!」
 勢いよく光の守りから抜け出す蛇塚の瞳に攻撃への迷いはなく、胸中を締めているのが妖精への哀れみではなく未来のイケおじ様と出会うことへの期待である彼女に痛みは届かない。
 光の外で蠢く巨大な白と小さな黒は、数多の妖精を喰らっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

琥珀川・れに
チーム【依頼掲示板前広場】

UC「クィニティエンハンス」
風の力を攻撃力に付与して
カマイタチで【範囲攻撃】できるようにして
妖精たちを悪い密猟者ごとたたっ切ってあげよう。

…なんてね、
ギリギリの所で人だけは外す。
【恐怖を与え】て【気絶】してくれれば都合がいいんだけど。

悪い者は法で裁くべきだ。
後でお縄をちょうだいしよう。

だが、この妖精たちは…
いっそ消えた方が幸せかもしれない様子だ。

風よ、皆が戦いやすいように妖精の動きを止めてくれ。
略式だが【祈り】ながら剣をふるおう。


※アドリブ大好き&楽しみ。絡み・追加省略ご自由に。


蛇塚・レモン
<POW>
【依頼掲示板前広場】のみんな、駆け付けてきてくれてありがとう~っ!
さぁ、幕引きだよっ!

……って、あの髭のおじ様は辿り着く前に戦闘が終わっちゃったから会えなかったんだよね……

仲間と連携
叫びによる範囲攻撃は厄介だけど、こればっかりはオーラ防御と激痛耐性で凌ぐしかないかなっ?
厳しい場合は、アイテム『救命救急リュック』の中に消毒用コットンがあるから、それを固く詰めて急造の耳栓にしてみるよっ!

反撃開始っ!
ユーベルコードを発動、怪力任せに蛇腹剣クサナギを振り回すよっ!
(範囲攻撃+念動力+鎧無視攻撃+衝撃波+ロープワーク+生命力吸収)
だまし討ちで一気に終わらせちゃうねっ!
安らかに眠ってて……っ!


アネット・レインフォール
【依頼掲示板前広場】で連携

▼心情
苦しみから解放する術は無し、か。
せめて苦しまずに旅立てるよう力を尽くさせて貰おう。

ふむ…蛇塚は年上が好みなのか?
先日のドラゴンテイマーとか勧めてみようか。

▼POW
なるべく一撃で倒せるよう【零斬】の速度を活かし霽刀で一閃していく。
空中の敵には換装用の刀剣を展開し足場にする事で対応するが
琥珀川達と連携して確実に1体ずつ撃破を。

リミティアが魔術を放つなら時間を稼ごう。
葬剣を無数の鋼糸状に変えて薙ぎ払うことで敵を集めておく。

叫びの動作を確認したら間合いを取り、死角にて葬剣を片手平突きに構える。
【零斬】の闘気を込めて剣先を高速に伸ばす突き技で応戦を。

▼他
アドリブ歓迎


リミティア・スカイクラッド
【依頼掲示板前広場】で連携
躊躇いは妖精たちの苦しみを長引かせるだけですね
リムは目標を葬送します

「高速詠唱」で【魔女の薔薇】を発動
無数の茨で敵集団を拘束し、仲間の攻撃の機会を作ります
ついでに元締めの男も縛り上げておきましょう
「人を裁くのは魔女の仕事ではありません。リムは使命を果たすだけです」

敵の動きを「情報収集」して攻撃の予兆を「第六感」で感じれば仲間に警告を
自身は「呪詛耐性」と「気合い」で防御しつつ、拘束した茨を手繰って妖精を一箇所に纏めて同士討ちを狙います
その後は仲間の攻撃に合わせて、薔薇の花弁で一斉攻撃です

哀れとは思いません
ただ、終わらぬ苦しみを終わらせるために、なすべき事をなしましょう


エウトティア・ナトゥア
チーム【依頼掲示板前広場】で参加するのじゃ。

悲嘆の声に精霊達もざわめいておるわ。
オブリビオンとは言え憐れじゃ、これ以上苦しまぬよう早く終わらせてやるとするかの。

「鼓舞」、「歌唱」、「祈り」使用 (WIZ行動)
さて、攻撃の人手は足りておるようじゃし、わしは皆が十全に動けるようにお手伝いするのじゃ。
ユーベルコードの封印や強い痛みを感じさせる思念等厄介な攻撃が多いようじゃの。
それらの封印や痛みに対して「細流の調べ」で備えて、必要があれば治療するのじゃ。
皆が攻撃に専念できたら、それだけ早く終わるじゃろう。
水の精霊よ、安寧の歌を。癒しの力で皆を護っておくれ。


暮陽・黎明
アドリブ連携歓迎
自業自得だしなー、放っておいても良かったが、相手がオブリビオンだしなー?

痛いなら今すぐその痛みを払ってやるよ。辛いんだろ、抗うのをやめて受け入れろ。そうすれば、痛みなんてすぐ消える
受け入れそうにないならまず情報収集で罠を仕掛けるのに最適な場所に罠を張り巡らせて動きを止めるかー(罠使い
ついでに敵さんの弱点にも当たりをつけておくぞー

敵の攻撃はオーラ防御を貼りつつ第六感か見切りで避けるないし武器受け、あるいはカウンターだな
そうして罠に誘導して止めたらUCだ
空中戦、2回攻撃、怪力、鎧無視攻撃、戦闘知識、鎧砕きで痛みも感じさせずに急所を一撃で貫いてやろう
来世はもっと幸せになれるといいなー



「辛いんだろ、抗うのをやめて受け入れろ。そうすれば、痛みなんてすぐ消える」
「モウ痛イノハ嫌!助ケテ助ケテ助ケテ!」
 暮陽・黎明(瑠璃色に染まる空の果へ・f00383)の諭すような声は悲痛な叫びによってかき消された。
「もう眠っていいんだよ……っ!」
 蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)が元締めを庇いながら妖精を蹴散らしている間も、穴のからは悲し気な声を上げる妖精が次々と現れて戦線に加わっていく。
 黎明もまたオーラで敵を揺さぶる叫びの影響をそぎ、時々木の影の間を縫うように駆けて攻撃を散らしては返す刀で妖精を倒していくが、攻撃の勢いは一向に収まらない。
 2人で倒した数よりも穴から増える数の方が多い状況が続けばいずれは押し負ける。
 そんな可能性がレモンの頭をよぎったその時であった。
「風よ!」
 凛とした声が林の中で響くと同時に、鋭い真空の刃がレモンのすぐ横をすり抜け目の前にいた妖精を切り裂く。
 振り向いた先では、琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)が華奢な剣を鞘から抜き放ち、しっかりと妖精たちを見据えていた。
 現れたのは彼女だけではない。
「エリクシルよ咲き誇れ、汝の敵はここにいる」
 リミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)が素早く静かに呪文を唱え終えると、周囲に幻想的な赤色をした薔薇の花弁が宙を舞い、リミティアを中心に荊が生い茂り始める。
 増援の登場をその目で見ていた妖精も少なくはないが、増援に対する姿勢を整えるよりも早く荊は妖精たちに向かって伸びてゆき、数体の妖精たちをひとまとめにしてその自由を奪い去った。
 その中には動けないのならば叫べばいいと攻撃の意志を揺るがさない妖精もいたが、アネット・レインフォール(剣の教導者・f01254)伸びた荊を足場に神速で駆け上がり、大きく口を開いた妖精たちに向かって一閃。
 その妖精たちの口からは軽い空気だけが漏れ、切り口から徐々に塵となって消えていった。
「攻撃の人手は足りておるようじゃな」
 エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は一度軽く頷き、レモンと黎明の姿を確認して彼女が使役する水の精霊を呼び出す。
「水の精霊よ、安寧の歌を」
 精霊たちの口から悲しみや痛みといったものからかけ離れた、伸びやかな歌声が響き渡る。
 その穏やさに満ちた歌はレモンや黎明をはじめとする猟兵たちの傷を癒していく。
 敵の攻撃に対し対策を取っていたこともあり受けた傷は少なく、わずかな時間とはいえ他の猟兵たちより先に交戦していた2人も回復を受けた今となっては万全の状態である。
「みんな、駆け付けてきてくれてありがとう~っ!」
 心強い増援の姿に、強張っていたレモンの表情に明るさが戻っていく。
「無事でなによりです。……あぁ、ついでにこちらも」
 リミティアはついと指を滑らせて荊を操り、元締めの両腕と両足をくくるようにして絡めとる。
「くそっ、何で俺まで……っ!放せよ!」
 荊の拘束から逃れようともがきながら吠える男に向ける視線は皆一様に冷たい。
 彼が妖精たち何をし、彼らを今の痛ましい姿に追いやったのかはこの場にいる全員が知っている。
 黎明に至っては今襲われている状況を自業自得だとさえ感じていた。
 しかしそれでも加害者だった彼は一般人で、被害者だった妖精はオブリビオンとなってしまった。
 何を思ったのか、れには無造作に剣先に風を纏わせカマイタチを元締めめがけて放つ。
 放たれたそれは抵抗もままならぬ男……の毛先をわずかに切り落としながらも勢いとどまらずに飛び行き、その後ろで大きく息を吸っていた妖精を切り捨てていた。
 自身が目標ではなかったとはいえ、容易く妖精を切り裂く刃が自分めがけて迫ってくる恐怖は並大抵のものではなく。
 哀れ。元締めは白目をむいてその意識を手放してしまった。
「この方が都合がいいかな」
 れにはため息とともにその剣先を降ろす。
 しかし戦意が彼女からなくなったわけではない。まだやるべきことが残っている。
「人を裁くのは魔女の仕事ではありません。リムは使命を果たすだけです」
 リミティアの言葉の通り、元締めの男はこの世界の法律で裁かれるべきであり、オブリビオンは猟兵たちの手で倒す必要がある。だから今猟兵たちは直接元締めの男に手を下していないだけなのだ。
「苦しみから解放する術は無し、か」
 最優先事項は妖精たちを倒すことであり、彼を許すか否かはこの場で取り扱う問題ではない。たったそれだけのこと。
「オブリビオンとは言え憐れじゃ、これ以上苦しまぬよう早く終わらせてやるとするかの」
 思うことが全くないとは言えない。しかし、そこに迷いはない。

「ほら、私はこっちだぞー」
 黎明は先ほどと同様に攻撃をかいくぐりながら妖精を引き付ける。しかし黎明とてただ逃げているわけではない。
 ばさりと木の上から降ってきた網が妖精たちの動きを一瞬封じる。
 荊ほどの拘束力はないとはいえ、黎明の次の一手を踏まえれば十分な隙だ。
「五ノ刻、黎明。十七ノ刻、薄暮。始り、終わりの交わり、来たりて――――宵闇、瑠璃斬!」
 夜明けと日没、二つの時間が黎明の手によって交わる。
 妖精たちが叫び声をあげる時間も、痛みを感じる時間もそこに存在しなかった。
「穴から出てこなくなってきましたね」
「多分今いるので全部だな」
 情報を集めていた黎明とリミティアの視線の先にはぽっかりと空いた穴。
 少し前まではそこから次々と妖精が現れていたが、今はただ静かに空洞が広がっているだけ。 それは今地上に出てきている妖精を倒せば猟兵の勝利であることを意味する。
 後がない妖精たちも必死に泣き叫び、嘆き、憐れみを誘うが、エウトティアの祈りと水精霊の歌声がすぐさま猟兵を癒し、攻撃の手を止めさせない。
「武装神格解放(ゴッドアーマメント)!目を醒ませ、クサナギ!」
 2人の知らせを受け、さらに攻撃に苛烈さが増したのはレモンだ。
 荒れ狂う霊力刃を振り回すことで放たれる一撃はさながら益荒男の怒りがごとき威力。
 壊れかけの妖精が絶えられるようなものではなく、刃が通り過ぎ去った後には食い散らかしたかのような妖精の残骸が残っていた。
 そこから少し離れたところでは、アネットが無数の鋼糸状に変えた葬剣を周囲に巡らせ、その糸の向こう側にいる妖精はれにのカマイタチが撃ち落としていた。
「風よ、皆が戦いやすいように妖精の動きを止めてくれ」
 その祈りが天に届いたかどうかは定かではないが、風と糸に阻まれた妖精たちの動きは徐々にれに達が求めていたものへと変わっていく。
 周囲の仲間の様子を見た妖精の表情が次々に驚愕へと染まっていく。
 なぜなら大勢残っていた仲間が討ち取られ、生き残っているすべてが攻撃圏内に集まってしまっているのだから。
「ナンデナンデナンデナンデ!!!悪イコトシテナイ、シテナイノニッッッ!」
 かき集められた最後の妖精たちの最期の抵抗。
 しかしそれは風と高速の突きによって霧散する。
「哀れとは思いません。ただ、終わらぬ苦しみを終わらせましょう」
 赤い赤い花びらが妖精を飲み込み、嵐のようにその周囲を飛び交う。
 役目を終えた花びらと荊が消え去るころには、林の中に静寂が戻っていた。
 
 戦いが終わった後、自警団の男を元締めを引き連れて一足先に町へと戻っていった。
 そして林へと残った猟兵たちは本来の目的のために小屋の中へと入る。
 こじんまりとした小屋の中には伝説に関する書物と物語の中に登場する羽飾りのレプリカが展示されているようであった。
「そういえば……蛇塚は年上が好みなのか?」
 アネットは小屋に残された書物の頁をめくる手を止め、ふと感じた疑問を近くにいたレモンへとぶつける。
 一番当てはまりそうだと感じた別世界の怪人の名を挙げてみるが、意外にもレモンはどこか複雑な表情を浮かべていた。
「んー、あの髭のおじ様は辿り着く前に戦闘が終わっちゃったから会えなかったんだよね……」 直接見てないからわかんない、と漏らすレモンの様子は本当に悔しそうであった。

 そんなささやかな雑談を交えながら伝説の調査を終えた猟兵たちは小屋を後にする。
 その背中を白い鳥が見送っていたのは、誰も知らないお話である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年06月03日


挿絵イラスト