7
9
トワイライト・ザナドゥ⑪〜ユー・ハブ・ア・チョイス

#サイバーザナドゥ #トワイライト・ザナドゥ #第三戦線 #調停機『セプテントリオン』 #ティタニウム・マキア #プレイング受付終了しました #リプレイ執筆中です #再送のご相談がございます、お手紙をご参照下さい

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サイバーザナドゥ
🔒
#トワイライト・ザナドゥ
🔒
#第三戦線
🔒
#調停機『セプテントリオン』
🔒
#ティタニウム・マキア
#プレイング受付終了しました
#リプレイ執筆中です
#再送のご相談がございます、お手紙をご参照下さい


0




●選択肢はない
 クソみたいな人生だった。
 貧困層一歩手前ギリギリ程度の家庭に生まれ、物心つく頃には|機械化義体《サイバーザナドゥ》に肉体の半数を換装し、そのために無理をした両親は揃って早逝。それを受けて何となくの義務感めいたもので必死に生きて、紆余曲折を経て|巨大企業群《メガコーポ》の一つ『アオイドス』に就職することは叶ったが、上澄みのカチグミのようにはどうしたってなれずに、底辺の使いっ走りめいた仕事で食いつなぐ日々だった。

 自分の仕事の結果、誰かの人生が壊れたことだってあっただろう――数えきれぬ程。

 元々終わっている世界だと思っていたら、いよいよ本当に終わると聞かされて、最初に浮かんだ感情は『ざまあみろ』だった。倫理や社会規範という概念が欠落した――欠落させねば生きていけないような――腐敗と退廃を極めたこんな世界なら、いっそ終わってしまえばいいと思っていたから、いっそ胸がすく心地だった。

 自分で自分の人生を選ぶなど出来ないから。
 終わりの方から来てくれるのは歓迎だった。

 ああ、全くクソみたいな人生だった。
 せめて死に場所くらいは選ばせてくれとばかりに、オオタキ・シンゴは崩壊が進むオフィス街にある支社ビル――勤務先である電算室に一人残り、安物のチェアを軋ませながらプログラムが走るモニタをぼんやりと眺めていた。手にした支給品の端末を今更私用で私用したって最早誰も何も言わないからニュース動画を平行して表示させると、まさにこの世の終わりと言わんばかりの光景が広がっていた。この世界の在りように相応しいと言うべき、ボロボロになった都市の姿が舐めるように映し出され、次に画面が切り替わると、カートゥーンにでも出てきそうな巨大なロボットらしきものが、市街地のど真ん中に佇んでいた。それがどうやら自分たちを可能な限り大勢巻き込んた自爆をするべく敢えてその場所に居るらしいという報道の声を聞いても、シンゴにはもう何も関係ない。

 ――はず、だった。

「シンゴ=サン!」
「も、モナカ=サン!? 何で……」
 電算室の扉を勢い良く開けてシンゴの名を呼んだのは、新入社員でシンゴの部下のアライ・モナカだった。こんな世の中にしては珍しくひたむきと言える性格をしていた彼女を、一応上司としてまあまあ面倒を見てやりはしたが、あくまでも仕事のうちであり恩着せがましい真似をした覚えはない。見れば、息が荒い。ローファーが片方脱げている。余程慌てて走ってきたのか。なあ、お前本当に何しに来たんだよ。
「何でじゃないですよ、こんな所に居たら死んでしまいます!」
「それが分かってんなら余計に何で来た! お前まで死ぬぞ!?」
「今っ、今から一緒に……出来るだけ遠くに逃げれば、何とかなるかも知れません」
 この女は何を言っているんだ、そう思った。そんなお気楽な話がある訳ないだろうが。馬鹿だ。そもそも助かりたいとも考えていない自分を助けようと、一度は逃げたであろうに引き返してくるなんて。呆れる。呆れた。だが、その言動には正直、心が揺れた。シンゴ自身は変わらずどうでもいいのだが、せめてこの愚かしくも健気な女だけは何とかならないか。こんな木っ端のマケグミ・サラリマンにも、最後に足掻けることはないか?

「……クソッ!」
 シンゴは舌打ちして、首の後ろにある生体LAN端子と、目の前でプログラムを走らせ続けるUNIXとをLANケーブルで接続した。こういう時、カートゥーン作品だったら都合良くあの自爆とやらを止める手立てが見つかったりするだろう。そんな都合の良い展開を期待してしまう程度には、シンゴは何かに縋りたい心地であった。
「ワッザ!?」
 そして、信じられないくらいにあっさりと――『強制停止プログラム』は見つかった。

●拒否権はない
「皆、お集まり頂き感謝する」
 グリモアベースの一角で、ニコ・ベルクシュタイン(虹を継ぐ者・f00324)が一礼した。本体でもあり常に正確な時を刻み続ける懐中時計ではなく、流行りのスマートウォッチに視線を落としていた彼は、一度猟兵たちを見遣ると「あまり時間が無いので、簡潔に用件だけを伝える」と言った。
「サイバーザナドゥで起きている戦争――『トワイライト・ザナドゥ』だが、遂にその全貌が明らかになった。端的に言えば、全てを破壊し尽くしてしまおうという身勝手な話だ」
 魂を融合合体するとかそういう次元の話は、ほとんどの今を生きる人々には関係ない。ただでさえ理不尽を強いられてきた人々が、この上ない理不尽で命を奪われるだけの話だ。猟兵としてそれを看過出来るかと問われれば、答えは否に決まっている。
「電脳関連に強いメガコーポ『アオイドス』の社員である男が、市街地のど真ん中で自爆をしようとしているオブリビオンマシン『セプテントリオン』を食い止められる唯一の手段である『強制停止プログラム』を入手し、それを直接叩き込むために単身駆け出してしまった。その行く手にはアオイドスと癒着した悪徳武装警官たちが立ちはだかるが、皆にはそれをどうか蹴散らして、男の血路を拓いてやって欲しい」
 ニコがぶんと投影したホロビジョンには、くたびれきった背広姿の男性の姿があった。もっさりとした重めの黒い短髪に、目の下の隈は濃い。それなりの体格をしていて、邪魔さえなければ、確かにセプテントリオンの元にたどり着くことは可能かも知れない。

「彼の名はオオタキ・シンゴ。これまで生きてきて初めて、何かに身命を賭しても構わないと決意した男だ。作戦の成否に関わらず、どうか覚えておいて欲しい」

 ニコはそう言うと、虹色の星形のグリモアを輝かせ始めた。転移した先はすぐに戦場と化す――シンゴが襲われるまさにその瞬間に、猟兵たちは割って入ることになるのだ。
「勿論、この作戦は成功するに越したことは無い。どうか、よろしく頼む」
 眼鏡の奥の目を僅かに細め、懐中時計のヤドリガミは改めて一礼をした。


かやぬま
 忍殺で好きなエピソードンは「マスカレイド・オブ・ニンジャ」です。
 かやぬまです、セプテントリオンの自爆を阻止するシナリオをお届けします。
 よろしければ、お力添えを賜れれば幸いです。

●プレイングボーナス
『メガコーポ社員を援護し、強制停止プログラムをセプテントリオンに届かせる』
 悪徳武装警官がとにかく大量に現れて、シンゴの行く手を阻みます。メガコーポの悪徳社員ではありますが末端の一般人に過ぎないシンゴでは到底太刀打ち出来ませんので、猟兵の皆様の力で蹴散らしてシンゴをセプテントリオンの元へと送り届けてあげて下さい。

●戦場情報
 天候:曇り、舞台:サイバーザナドゥ都市部、時間帯:昼、難易度:やや難。
 都市部は半ば崩壊して足場はよろしくないですが、意識して避けねばならないような状況ではありません。

●プレイング受付について
 断章を追加しますので、公開されてすぐの受付ではございません。ご注意下さい。
 受付開始はタグとMSページで告知致しますので、それまでお待ち下さい。
 成功度達成分の青丸が集まったなと判断したところで受付終了のアンナウンスーンを行います。
 可能な限り皆様を描写させていただければと思いますが、力及ばずお返しすることとなる場合もございます。恐れ入りますが、その時はどうぞご容赦下さい。
 また、プレイング送信の前にMSページにもお目通しいただければ幸いです。

 拒否権が無いという調停機と、選択肢がないと思っていた男の物語です。
 どうか、良き結末をたぐり寄せて下さい。よろしくお願い致します。
164





第1章 集団戦 『悪徳武装警官』

POW   :    正義の鉄槌を喰らえッ!この蛆虫どもォオッ!!!
【サイバーザナドゥ化した剛腕】で超加速した武器を振るい、近接範囲内の全員を20m吹き飛ばし、しばらく行動不能にする。
SPD   :    公務執行妨害でぇ……死刑ッ!!!
【銃火器による無差別乱射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    助かりたいならわかるよな…袖・の・下(ワイロ)♪
対象にひとつ要求する。対象が要求を否定しなければ【顔に唾や痰を吐きつけながら金品】、否定したら【胸ぐらを掴み顔面を殴り付けて闘争心】、理解不能なら【殴る蹴るの集団リンチで生命】を奪う。

イラスト:はるまき

👑11
🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●あなたには選択肢があります
「ハァッ、ハァッ、ハ……」
 オオタキ・シンゴは駆ける。瓦礫が散らばる市街地を駆ける。
 UNIXをハッキングした時に、まるで天啓めいて流れ込んできたプログラムが、一体何の偶然で己のものになったのかは分からない。だが、そんなことを気にしている余裕すらなかった。

 世界を救うとかそういう大仰なことは知ったことか。
 ただ、こんな自分を救おうとしてくれた者に報いたいと思って何が悪い?

 唐突にLANケーブルを引っこ抜き、開け放たれたままの扉から飛び出していったシンゴを、アライ・モナカは呆気に取られたまま見送り――そうして少しして事態を把握すべく咄嗟に電算室の窓に取り付けば、巨大兵器に向かって単身駆けるシンゴの姿を認めた。
 極限状態で遂に気が触れたか、などとは思わない。うだつが上がらない奴だ何だと、どんなに周囲が彼を軽んじ貶めようと、モナカにとっては敬愛する上司だ。まるでやる気のない態度の向こうで時折垣間見える誠実さのようなものとか、そういった信頼の積み重ねがこうして今モナカを突き動かし、またシンゴを動かし返したことを、彼女はまだ知らない。もしかしたらこのまま知ることなく終わるかも知れない。そうだとしても。

(「シンゴ=サン」)

 モナカの目には、シンゴが確かに、何かを選び取ってああしているのだと見えていた。

『いずれにせよ、私に拒否権は無い』
 ちっぽけなモータル一人に何が出来ようかと笑われてもおかしくない程、その『調停機』は禍々しく市街の中央に佇む。
『願わくば、私が滅びを齎す前に、正しき者達が私を討ち果たさんことを』
 搭乗者の意志により駆動する存在たるセプテントリオンには、確かに自我を挟む余地はないのかも知れない。
 だが、本当にそうだろうか?
 何もかもが複雑に絡み合った末の結末次第では、選び取ったことにはならないか?

 セプテントリオンの周囲には、危険分子の存在を察知した悪徳武装警官たちが群れをなしている。頼んでもいない護衛だが、果たして『彼』はここまで辿り着けるのだろうか。

 オブリビオンマシンの巨躯と比すればあまりに矮小な存在であるシンゴを、しかしセプテントリオンの視界は確りと捉えていた。
水鏡・多摘
ふむ、悪事が多いなら公平に神罰を与えるべきじゃろうが…蜘蛛の糸、もまた必要。
少しばかり手伝うとしよう…しかしここではアイサツが大事…?

空中浮遊で浮きつつ神通力と念動力を活用し移動。
祟り縄を伸ばし結界を構築、シンゴを狙う悪徳武装警官共を阻もう。
此方に気付いたら一応はオジギとアイサツ…礼を失してはならぬ。
対応有無拘わらずUC起動、電撃属性のブレスを吹きつけ武装警官共の足に黒き荊を喰い込ませ物理的に動きを阻んでくれよう。
機械化義体も電撃で多少は不具合もでるじゃろう…シンゴは結界でブレスに触れさせぬようにし守る。
そら、止まっておる暇はないじゃろう。
ここは我らに任せよ、と後押しを。

※アドリブ絡み等お任せ



●何を信じるか
(ふむ、悪事が多いなら公平に神罰を与えるべきじゃろうが……)
 グリモアによる転移を受け、まさにイクサのただ中へと突っ込んでいこうとする刹那、水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)は真剣に思考していた。今まさにオオタキ・シンゴが成そうとしている行為がどんなに善性に拠るものだとしても、彼もまたメガコーポの歯車としてではあるが、それなりの悪事に荷担してきたことにはなる。神なる多摘はそんなシンゴの処遇に逡巡するところもあったが、事実こうして真っ先に救いの手を差し伸べるべく天から垂直落下している時点で、結論は出ているとも言えた。
(蜘蛛の糸、もまた必要)
 無慈悲に裁くばかりが神に非ず。竜神がシンゴに襲いかかる悪徳武装警官どもの前へと舞い降り立ちはだかるさまは、まさに救いの一糸に見えたことだろう。
「少しばかり、手伝うとしよう」
「アイエッ……? あ、アンタは」
 機械化義体による換装では説明がつかぬ程の異形は、バーチャルキャラクターの類に見えただろうか。シンゴの誰何に多摘は身を捩り顔を向けると、両手を合わせて長い首を下げてオジギの仕草をした。

「ドーモ、スイキョウ・タツミです」

 |この世界《サイバーザナドゥ》の流儀に則った、古式ゆかしいアイサツだった。

『貴ッ様ァ! 何を企んでおるかは知らんが気に食わんなァ、その態度ッ!』
 |警官《マッポ》をまともに頼ろうとするなど愚の骨頂、それはアオイドスの社員であるシンゴ自身良く知るところであった。現にこうして己の行く手を阻むことは目に見えて分かっていたし、けれどそれに対して何ら抗う術を持ち合わせてもおらず、実際こうして多摘のような得体の知れぬ――などと言っては悪いが、助っ人が現れなかったら一体どうするつもりだったのだろうとぼんやり思う。それ位、無我夢中だったのか。
 シンゴに背を向けた多摘は警官どもにもアイサツを試みて――止めた。多摘の方は礼を失するつもりがなくとも、相手が無粋にも剛腕を振るって襲い掛かる無作法な連中ならば、迎撃を優先せねばなるまい。ふんわり宙に浮いたままの竜神はますます神々しく、それを軽んずる輩を戒める仕置き用の祟り縄を張り巡らせると、四方八方から迫りシンゴ諸共囲んで棒で叩かんとしていた警官どもは見事に牽制された。
『ナンオラー!』
 警官どもの怒号が飛び交う中、果たしてこの縄はシンゴを守りうるものとなるか? 多摘は短く、こう問うた。
「|汝《なれ》、今この状況で神を信じる気にはなれるか」
「エッ!? か、神って……」
 今やその頭蓋に切り札を秘めた男は、一瞬の逡巡の後、こう答えた。

「……いる、今まさに俺の目の前に」
「良かろう!」

 祟り縄は、善悪を問わず神を軽んじる者を罰する。逆を言えば、信心深き者は守る。ならばシンゴは張られた結界の中で、少なくとも今は安全で居られる。確信を得た多摘は大きく息を吸い、全方位に広く撒き散らすようにして息を吐いた。眩い電光が迸るその様はあまりにも神々しく、繰り出されたブレスは紛れもない霊力と敵対者への呪詛を帯び、周囲を一瞬照らしたかと思えばすぐに禍々しい黒き荊と化して、警官どもの足元をあっという間に絡め取ってしまった。
『グワーッ! か、|義肢《からだ》が思うように動かんッ』
『蛆虫どもの分際でッ! 俺たちがこんなままならないことなどあっちゃならねぇッ!』
 |吐息《ブレス》に電撃の属性を付与したのは、警官どもの義肢を機能不全に陥らせる目的もあったが、それはまさに正解だった。ユーベルコード本来の拘束効果も相まって、無数とも言える警官どもの動きは見事に封じられた。

「そら、止まっておる暇はないじゃろう」
「……あ、アッハイ」
「ここは、我らに任せよ。汝はただ目指すもののためだけに、走るがよい」

 シンゴはややつっかかりながら、駆け出した。身動きが取れぬとはいえまだ生きていて怒号を浴びせてくる警官どもは変わらず怖かったが、ここまでかと思った時に都合良くブッダめいた存在が舞い降りて自分を助けてくれるなど――確かに、止まっている暇なんて、ないと思ったから。

大成功 🔵​🔵​🔵​