戦闘訓練してダークエルフ討伐!
●ダークエルフの侵攻
アックス&ウィザーズのとある地方。
のどかな農村がいくつもあるこの地域は現在、オブリビオンとして蘇った褐色肌のエルフ……ダークエルフの群れによる侵攻を受けていた。
「お前たち、やっておしまい!」
川の流れる橋を挟み、攻めてくる多数のダークエルフ達。
それらは食料や家畜、日用品を求める他、自らに隷属する人々を求め、手前側の農村地帯を広く襲撃してきている。
すでに、かなりの物品が強奪、集落民も多数が連行されてしまっている。
この対策として、地域民達は橋の手前側に砦を築く。
その上で、砦に詰める者達はダークエルフ達の侵攻に備えて兵士や冒険者を集めていた。
攫われた人々を助けに行ければいいのだが、兵士は周辺地域に住む元一般人が多く、戦闘経験も浅い。
現状、この地域の人々はこれ以上の被害を拡大させぬだけで手いっぱいという状況だ。
とてもではないが、戦闘慣れしたダークエルフと戦うには戦力的にあまりにも厳しい。
この為、この砦は兵士達に訓練を付けてくれる冒険者を募集している。
状況によっては防衛一辺倒でなく、橋の向こう側に居城を構えるダークエルフへと攻勢をかけたいと、集落民や砦の兵士達は考える。
この世界においては冒険者として活動する猟兵達にもその声がかかり、率先して作戦に参加してほしいと人々から依頼の声が上がっていた。
●戦闘訓練。可能なら侵攻を!
グリモアベースで、その依頼はセレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)が仲介する形で斡旋していた。
「ダークエルフ……堕落したエルフ達のことね」
セレインもエルフであるからか、この1件に思うことはあるようだ。
ただ、人に害なす存在となり果てた彼らはもはや倒す存在でしかないと、彼女は割りきりを見せつつ説明を行う。
立地としては、川を挟み、向こう側がダークエルフの勢力地。
女首領が率いるその盗賊団はすでにいくつかの集落を襲っており、強盗や人さらいといった悪行を働いているらしい。
「その対策として、橋手前の集落民達は砦を築いてダークエルフの侵攻を食い止めている状況よ」
だが、この砦に詰めている兵士は、近隣にあるいくつかの集落から集まった有志の人々がほとんど。
元々は一般人であり、戦闘経験に乏しい者ばかりだ。
この為、砦の兵士達は戦闘訓練ができる冒険者を望んでいるとのこと。
「状況によっては、防衛ばかりではなくて、橋の向こうのダークエルフ達へと侵攻をしたいとも考えているようだけれど……」
そこは、集まる猟兵達次第。状況が整えば、橋の向こうへと攻めるチャンスも生まれるだろう。
「この農村地帯を守る為にも、是非参加を。よろしくお願いするわ」
そう話を締めくくったセレインは頭を下げ、猟兵達の参加を求めるのである。
なちゅい
猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
アックス&ウィザーズにおけるダークエルフの掃討作戦です。
今回は兵士達に指導の上で、敵陣への進攻を願います。
こちらのシナリオでは、
第1章は、前線となる砦に詰める兵士達との戦術訓練。
第2章は、橋の向こうで、ダークエルフ盗賊団団員達との戦い。
第3章は、ダークエルフ盗賊団の女首領とのボス戦です。
最初は敵陣へと進攻する前に兵士達と訓練を行い、今後のことも考えて兵士の練度を上げていただければと思います。
シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
それでは、行ってらっしゃいませ。
第1章 冒険
『兵士との訓練』
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POW : 突撃や力の使い方を体で教える
SPD : 戦闘その場その場においてのテクニックやコツを教える
WIZ : 集団戦術や、継続的な戦闘における戦術や知恵などを教える
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リカルド・マスケラス
POW
「こういう時こそ、ヒーロマスクの出番っすよ」
お願いして、兵士さんの身体を借りるっすよ。動きを見て覚えるのと、実際に動いた経験をするのとでは段違いっすから。
剣とか槍とかの取り回しや、【武器落とし】【2回攻撃】あたりの動きとかをやってみたりっすかね
「今やってみた動きを、身体が忘れないうちに反復練習っすね。あとは理想通りに動ける自分をイメージして、体を鍛える」
こういうことを何人かの兵士に施してあげれば、付け焼き刃なりにある程度戦闘できるようになるっすかね?
ついでに一番見込みのありそうな兵士には、ダークエルフとの戦いの時に身体を貸してほしいっすねー。
アネット・レインフォール
▼心情
うーむ…。俺の知っているエルフは己の矜持を重んじる
誇り高い種族という認識なんだが…こうなっては野盗と変わらないな。
ともあれ、今は目の前の件に集中しよう。
▼行動
戦闘に不慣れな者が、短期間で練度・戦果を上げる事は難しいが方法が無い訳ではない。
多くを伝えても混乱するだけだし、とある極東に伝わる兵法を2つに絞って紹介しよう。
・後の先を教えて観察眼と一撃を洗練させる
・2~3人で1人を相手する
あとはこれで数をこなす事だ。
他の猟兵と協力しつつ二刀流の連続剣戟で相手しよう。
必要なら【流水戟】【無限換装】で武器を変えながら相対し
兵士達が柔軟な対応力が身に付くよう訓練に付き合おう。
▼他
連携、アドリブ歓迎
マクシミリアン・ベイカー
【POW】
ただ守るだけでなく、殺したいか!ふん、最低限の根性はあるようだな!気に入った!
これから貴様らにクソどもの殺し方を教えてやる!寝ても覚めても効率のいい殺し方しか考えられなくなるぞ!よかったな!笑え!
俺のことはマックス軍曹と呼べ! その口から雑音垂れ流す前と後にサーをつけろ!
貴様らが持つのは敵を殺すための道具だ!しっかり握れ!腰入れて振れ!
なんだそのへっぴり腰は!ジジイのゲートボールの物まねか?それじゃダークエルフの長耳も斬り落とせんぞ!
弓矢で何を狙っている?地面を撃つのが趣味なのか!?視線の先にいるのは貴様の家族を八つ裂きにするクソだぞ!死ぬ気で狙え!
以上だ!実戦は近い!心して殺せ!
アテナ・アイリス
兵士達に、勝つためではなく負けないようにする戦い方を教える。
兵士達を鼓舞して、自信をつけさせて実力以上の力が発揮できるようにする。
兵士達の力量を正確に把握し、適切な役割を割り振る。
「皆さん、初めまして。一緒に戦っていきましょう。」
「生き残ることが一番大事なの。まずそれを忘れないことね。」
「ここはこう動いて攻撃すると効果的よ。」
「私が見本を見せるから、やってみて。」
「あなたは、守り重視で。隙を見てあなたが攻撃するの。さあ、やってみて。」
「すごくよくなったわ。さあ、お茶の時間にしましょうか?」
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
ゾーク・ディナイアル
ダークエルフかぁ、同族としては複雑なトコだねぇ。
性質や殺し方は誰より詳しいかも知んないけどさ。
☆戦闘訓練
「ハイハーイ、ダークエルフだよぉ!
今日はキミ達に稽古をつけに来たから、死ぬ気でついてきてね?」
訓練は実戦あるのみ、兵士達を相手にひたすら模擬戦だね。
「相手の動きをよく見て、怖いからって目を閉じたりしちゃダメ!」
【強化兵戦技《予測回避》】で攻撃を『見切り』躱しながら『カウンター』で武器を斬り飛ばし『怪力』で膝蹴りや回し蹴りを入れて倒してく。
倒れた兵士は下半身を踏みつけて、ちょっとだけ恐怖を与え心を強くするよ。
「恐いでしょ?こうなりたくなかったら戦いでは敵から目を逸らさない事だよ」
☆アドリブ歓迎
鍋島・小百合子
SPD重視
練度が足らぬ兵士ばかりじゃのう
これでは力及ばず討ち取られていくのが目に見えてくるがはてさて
「わらわが使こうておる武器、まずはここから教えていくとしようかの」
戦場における武器の扱い方、特に自身が得物としている長柄武器(薙刀)と弓による戦い方を実演込みで兵士達に教授(コミュ力とパフォーマンス併用)
長柄武器は密集隊形をとって槍衾の陣を組めば集団戦にも通用する事、弓は敵に姿を悟られないように前衛の味方の援護目的で動く事を意識する事を伝えていく
他には弓がない場合は袋に包んだ石を投げて攻撃で代用する手段もある事も教えそれを実践
「こういう事じゃ……そおれ!」
「簡単じゃろ?頭に当たると痛いぞ?」
ラッセル・ベイ
訓練をするのは良いが、彼等の武具も鍛えた方が良いと思うが……
少し手を加えてみようか
●行動(POW)
私の戦闘知識で良いのならば簡単に教えてやろう
盾で相手の攻撃を受け、流し、捌き、押し返す
相手の疲労や体制を崩した所を剣で斬り、突き、叩き、とどめを刺す
攻撃魔法が使えれば追撃の幅が増えるぞ
まぁ、やってみれば分かる
普通の剣で打ち込むから、盾で防御せよ
要は防御さえ出来れば立派な戦力になる
長期間あれば攻撃訓練も出来るが、如何せん時間がない
攻撃は確実に命中すると判断した時だけで十分。生存を心掛けるのだ
兵士から盾を借りて【強化魔術Ⅰ】で武具強化を図ろう
急げば全員分の強化が間に合う。防御強化の特殊効果を付与するぞ
●ダークエルフと兵士達
アックス&ウィザーズ。
この地のとある地方に現れるダークエルフのオブリビオン。
それらは盗賊団を構成しており、強奪、人さらいなどを行って地域民を苦しめている。
「うーむ……、俺の知っているエルフは己の矜持を重んじる誇り高い種族という認識なんだが……。こうなっては、野盗と変わらないな」
強さを求めて各地を回る剣豪の青年、アネット・レインフォール(剣の教導者・f01254)は、自らの認識と異なるエルフの存在に戸惑いを見せる。
とはいえ、今はまず目の前の1件に集中をと、アネットは考えを切り替えていた。
「ダークエルフかぁ。同族としては複雑なトコだねぇ」
実験体となっていた過去を持つ褐色肌のエルフ、ゾーク・ディナイアル(強化エルフ兵の出来損ない・f11288)は相手がオブリビオンとはいえ、近しい存在と感じていたようである。
ただ、それだけに、相手の性質、殺し方は誰よりも詳しい自信を持つからこそ、ゾークはこの訓練に当たるようだ。
さて、依頼を受けた猟兵達は川を挟んだ向こう岸、ダークエルフ達の支配地域を確認しつつ、砦に詰める兵士達と対するのだが……。
この場の兵士は、一般人上がりの者達ばかり。この状況をなんとかしたいという気持ちは見えるのだが、見た目から新兵とさほど変わらぬ状態にしか見えない。
(「練度が足らぬ兵士ばかりじゃのう」)
歴戦の女武者といった出で立ちの鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)もこの場の兵士達に頼りなさを感じる。
(「これでは力及ばず、討ち取られていくのが目に見えてくるが、はてさて」)
また、老兵を思わせる風貌の魔法騎士、ラッセル・ベイ(ドワーフのルーン鍛冶師・f12407)は、彼らの装備も気にかけていて。
「彼等の武具も鍛えた方が良いと思うが……、少し手を加えてみようか」
猟兵達はダークエルフ達へと侵攻するにあたり、できる限り彼らへと戦いの手解きを行うのである。
●訓練開始!
まず、猟兵達は依頼を受けてやってきた旨を兵士達へと伝える。
皆、故郷をダークエルフに荒らされていることから、訓練に対する士気は高い。
とはいえ、思わぬ相手が彼らの前に指導者として現れると……。
「ハイハーイ、ダークエルフだよぉ! 今日はキミ達に稽古をつけに来たから、死ぬ気でついてきてね?」
「…………!!」
まさかの指導者に兵士達は戸惑いを隠せないが、これも故郷を守る為と力強く頷く。
とはいえ、練度の低い兵士であれば、本音が表われがちなもので。
「皆さん、初めまして。一緒に戦っていきましょう」
「「「おおおっ
!!」」」
金髪をアンダーポニーテールにした才色兼備なエルフ、アテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)が挨拶すると、この場の男性兵士達が沸き立つ。
続いて前に出たのは強面の軍人、マクシミリアン・ベイカー(怒れるマックス軍曹・f01737)だ。
「ただ守るだけでなく、殺したいか! ふん、最低限の根性はあるようだな! 気に入った!」
現れた鬼軍曹を前に、この場の兵士達は戦慄する。
「これから、貴様らにクソどもの殺し方を教えてやる! 寝ても覚めても効率のいい殺し方しか考えられなくなるぞ! よかったな! 笑え!」
一旦下がっていくマクシミリアンの姿に、あの人には当たりませんようにと必死になって願う兵士もいたようだ。
その後、砦の兵士達はそれぞれ、この場にやってきた猟兵達へと割り振られ、それぞれ戦闘訓練に当たることとなる。
「俺のことはマックス軍曹と呼べ! その口から雑音垂れ流す前と後にサーをつけろ!」
先ほど、必死に願っていた兵士はめでたく鬼軍曹の班に配備され、がっくりと膝を追ってしまう。
「貴様らが持つのは、敵を殺すための道具だ! しっかり握れ! 腰入れて振れ!」
それでも、その兵士は大切な故郷を守る為にと気持ちを切り替え、マクシミリアンの指導を受け始めていた。
「生き残ることが一番大事なの。まず、それを忘れないことね」
とはいえ、近場でアテナが自班兵士達を優しく鼓舞し、自信を付けている様子を見ると、羨ましくなってしまうのが悲しい一兵卒である。
さて、猟兵によって訓練方法は様々。
「わらわが使こうておる武器。まずはここから教えていくとしようかの」
小百合子は自身が得意としている薙刀……長柄武器と弓を実演しつつ、その使い方を教授していく。
その際、小百合子はコミュ力と使った上、パフォーマンスで実演の際にやや大振りで示すことで、兵士達が出来るだけ理解しやすいように努める。
「長柄武器は密集隊形をとって、槍衾の陣を組めば集団戦にも通用する」
また、弓は敵に姿を悟られぬよう、前衛の味方の援護目的で動くことを意識するよう小百合子は伝えていく。
いずれも、1人でできる戦術ではない。仲間との連携が肝であることを彼女は示していた。
「こういう時こそ、ヒーローマスクの出番っすよ」
白い狐のお面のリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)は彼ならではの方法で、兵士達に武器の使い方を教える。
リカルドは兵士達にお願いした上で1人1人の体を借り、直接剣や槍の取り回しを行っていく。
「動きを見て覚えるのと、実際に動いた経験をするのとでは段違いっすからね」
とりわけ、戦術的にも非常に有効な相手の武器落とし。そして、2回攻撃と、リカルドは技術的な要素を直接その体へと叩き込んでいく。
「盾で相手の攻撃を受け、流し、捌き、押し返す」
自身の戦闘知識でよければと、ラッセルもまた実技訓練を行う。
彼は武器の扱いから一歩踏み込み、簡単ではあるものの敵の倒し方に主眼を置いて伝えていた。
「相手の疲労や体制を崩した所を剣で斬り、突き、叩き、とどめを刺す」
武器だけでなく、攻撃魔法まで使うことができれば、追撃の幅が増えると彼は告げる。
魔法に関してはすぐには難しい状況だが、投擲物があれば違う。
傍では、小百合子は弓がない場合に、袋に包んだ石を投げての攻撃で代用という手段を実戦して見せる。
「こういう事じゃ……、そおれ!」
小百合子が投げつけた石は、命中した訓練用の人形の頭がへこむ程度の威力はある。
「簡単じゃろ? 頭に当たると痛いぞ?」
兵士達はそれも一つの攻撃手段として、戦術に加えていく。
簡単といえば、ラッセルの実技訓練も続いていて。
「普通の剣で打ち込むから、盾で防御せよ」
ラッセルは盾での防御の有用性を伝えていた。防御するという行為も、戦い慣れしない者にとってはなかなかに勇気のいるアクションだ。
模擬戦用の剣を振り下ろし、彼は兵士の構えた盾へと振り下ろす。
…………キン。
「要は防御さえ出来れば、立派な戦力になる」
長時間あれば攻撃訓練もできようが、その手ほどきするには余りに時間が足りない。
「攻撃は確実に命中すると判断した時だけで十分。生存を心掛けるのだ」
命あっての物種。ラッセルの班の兵士達はそんな教えに、大きく頷いていた。
「今やってみた動きを、身体が忘れないうちに反復練習っすね。あとは理想通りに動ける自分をイメージして、体を鍛える」
数人の体を動かしていたリカルドも、この行為はつけ焼き刃だと分かっている。
それでも、ある程度戦闘できるようになればと、彼はまた違う兵士の体を借りていたようだ。
アネットというと、戦術面の話をしていた。
「戦闘に不慣れな者が、短期間で練度・戦果を上げる事は難しいが、方法が無い訳ではない」
多くを伝えても混乱するだけとアネットは考え、とある世界の極東に伝わる兵法を2つに絞って紹介していく。
――後の先を教えて、観察眼と一撃を洗練させる。
――2~3人で1人を相手する。
「あとは、これで数をこなす事だ」
簡単に座学を行うアネットはそこから実践を行う。
他メンバーも、すでに実戦で覚えてもらおうと動いていた。
「私が見本を見せるわね」
アテナは個々の兵士達の力量を正確に把握し、適切な役割を割り振る。
「あなたは、守り重視で。……隙を見て、あなたが攻撃するの。さあ、やってみて」
そうして、アテナは連係プレイを重視した立ち回りを教えていた。
ただ、小百合子の班もそうなのだが、兵士達もなかなか複数人で攻撃を仕掛けるのには慣れておらず、四苦八苦してしまって。
「ここはこう動いて攻撃すると効果的よ」
アテナは優しい言葉で伝え、兵士達の気持ちもつかんでいたようだ。
「弐式・流水戟」
アネットも模擬戦を開始し、ゾーク班と協力して自ら二刀流の連続剣戟を行って相手をしていた。
その最中、アネットは【無限換装】で武器を変えつつ、攻撃を仕掛けて兵士達が柔軟な対応力が身につくようにと攻撃を仕掛け続ける。
ゾークもまた、率先して兵士達を相手に模擬戦を行っていた。
最初こそ彼女の姿に畏怖や緊張を覚えていた兵士達だったが、ゾークの飛ばすアドバイスが的確であることを彼らも悟ったらしい。
「相手の動きをよく見て、怖いからって目を閉じたりしちゃダメ!」
慣れないと恐怖で視界を遮ろうとするのは仕方ないことかもしれないが、戦場においてそれは間違いなく生死に関わる。
「なんだ、そのへっぴり腰は! ジジイのゲートボールの物まねか? それじゃ、ダークエルフの長耳も斬り落とせんぞ!」
そんな中、近場でマクシミリアンの罵声が次々と飛ぶ。
こちらは木偶人形相手の訓練ではあったが、彼の言葉はとかく兵士達の精神にまで突き刺さる。
「弓矢で何を狙っている? 地面を撃つのが趣味なのか!? 視線の先にいるのは貴様の家族を八つ裂きにするクソだぞ! 死ぬ気で狙え!」
仮想ダークエルフとして、人形への攻撃を続けさせるマクシミリアンの叫びは、他班メンバーすら畏怖させるほどの威圧感がある。
それによって、ゾークを相手取る兵士達がそちらを目にして身を竦めてしまう。
兵士数人を相手取るゾークは、【強化兵戦技《予測回避》】で兵士達の攻撃を躱し、カウンターで彼らへと膝蹴りや回し蹴りを食らわせて倒していた。
ゾークはその下半身を踏みつけ、少しだけその兵士に恐怖を与える。
「恐いでしょ? こうなりたくなかったら、戦いでは敵から目を逸らさない事だよ」
これには、兵士もただただ頷く他なかったようだ。
●一通り訓練を終えて
実技訓練、模擬戦。
猟兵達による戦いの手解きを受け、兵士達も少しばかりくたくたになっていたようだった。
しかしながら、ここからが本番。ダークエルフとの戦いになる。
それに備えてしばしの休息をとることになろうが、リカルドはもう一度と体を貸すよう名乗りを上げた兵士のタフネスに見込みを感じて。
「避ければ、ダークエルフとの戦いの時に身体を貸してほしいっす」
そんなリカルドの願いに、兵士は快く了承していたようだった。
「以上だ! 実戦は近い! 心して殺せ!」
「「サー、イェッサー!」」
マクシミリアン班はこの鬼教官の厳しさの中に、彼なりの優しさを感じ取っていた。
もう少し時間があったなら、この兵士達は彼の教育を十分に受けて立派な兵士になったことだろう。
「すごくよくなったわ。さあ、お茶の時間にしましょうか?」
そんな兵士達が羨んでいたアテナがこの場の全員に呼びかける。
あとは、戦いに備えて、英気を養う時間だ。
「急げば、全員分の強化が間に合う」
兵士達が休むその時間も活かし、ラッセルは兵士達の盾を借りて【強化魔術Ⅰ】による強化を施す。
一時的なものだが、この後の戦いまでなら通用するだろうと、彼は一人一人に強化した盾を返していくのである。
――ダークエルフとの決戦。その時はもう間もなく。
大成功
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第2章 冒険
『猟兵一番乗り』
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POW : 自慢の剣技を敵に味合わせてやる! かかってこい!
SPD : 弓矢や罠を喰らいたい奴はいるかい? 喰らいやがれ!
WIZ : 私の魔法で目にもの見せてあげましょう。覚悟してください。
👑11
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●対岸の敵地へ
翌朝、態勢を整えた猟兵と砦の兵士達は、川に架けられた橋を駆け抜ける。
川の対岸を目指す一団が目指すは、ダークエルフ達の支配地域だ。
兵士……この地域の人々はこの日が来ることを待ち詫びていた。
物品を奪われ、大切な人々をさらわれた彼らは、訓練の成果を見せつけようと躍起になっている。
とはいえ、この場の主力はやはり猟兵達だ。
砦の兵士達を後ろに置き、この場は猟兵が前線に立つ形で敵地に攻め込んでいく。
「首領、人間どもが攻め込んできました!!」
「不穏な動きがあると思ったら、早かったね……」
こちらの決起にダークエルフ達も戸惑い気味だったが、報告を聞いた女首領は手早く部下達を纏めて応戦する。
人間など軽くねじ伏せてやろうと、ダークエルフどもは毒の塗られたナイフや矢を怪しく煌めかす。
さらに炎や氷、雷といった術を行使し、人間など軽くねじ伏せようと自分達の居城を囲うように布陣していく。
だが、こちらはいくつもの世界を股にかけて戦う猟兵だ。
後続の兵士達の士気を高める為、そして、ダークエルフを威圧し、蹴散らす為、猟兵達は自分達の武術や魔法を見せつけていくのである。
鍋島・小百合子
SPD重視
戦い方を教えた以上無様な戦いなど見せられぬな
一番槍はわらわが務めるとしよう
「わらわは異界の女武者、鍋島小百合子!意地を知り恥を知らぬ不埒な者共や討ち取ってくれる!」
ユーベルコード「鎧装馬騎乗」発動
召喚された鎧軍馬に騎乗し以降は馬上にて立ち回り
後方戦力を挫く目的で敵弓手や術師を長弓で狙撃(スナイパー・視力・目潰し使用)、他の猟兵が敵陣へ向かえるように援護射撃
後方戦力の数を減らせたら薙刀に持ち替えて敵陣営へ切り込み、なぎ払いと範囲攻撃と鎧砕きの併せで切り伏せていく
敵からの攻撃は薙刀での武器受けで防御
敵戦力を撃滅できたら兵士達に突撃号令をかけてみる
「わらわの武芸、侮ってもらっては困る!」
ラッセル・ベイ
ギリギリだが何とか間に合ったな
次は実戦か。どうなる事やら
●戦闘(WIZ)
彼等が来る前に【グラウンドトーテム】を召喚
大規模戦闘ならばトーテムの力は最大限まで発揮できる
更に「グラウンド・ルーン」も起動し、武具の真価を発揮する
大魔法で蹴散らすのもいいが、ここは先程教えた戦術通りに戦う
「地盾グラウンド」で受け、流し、捌き、押し返す
「炎剣フラム」で斬り、突き、叩き、とどめを刺す
発光魔法を放ち、目を眩ませてからの剣薙ぎ
倒れた敵はフラムの爆破魔法で焼き払う
向かってきた敵にカウンターバッシュし、骨を粉砕しても良い
異形の者ならば兎も角、人型相手ならば楽な物よ
余程強い毒や魔法でなければ私には通用せんぞ
掛かって来い
ゾーク・ディナイアル
キャハハ!力で奪うヤツはいつか力に奪われるってさぁ!ボクが教えてあげるよぉ!
☆戦術
SPD勝負
「ボクは強化エルフ兵だからさぁ、ただのダークエルフとは違うんだよ、ダークエルフとはぁ!」
UC【強化兵戦技《呪術強化》】で己の『呪詛耐性・火炎耐性・氷結耐性』を限界まで強化し『オーラ防御』の結界を纏って敵陣に斬り込みをかける。
「当たらないねぇ、当たっても効かないけどさぁ!」
敵の攻撃を『野生の勘』で『見切り』躱しながら魔導拳銃を『クイックドロウ』で『二回攻撃』して乱射したり、『怪力』を発揮して妖剣を振るい『カウンター』で斬り捨てたり、剣を突き刺して『傷口を抉り』ながら嬲り殺しにしていく。
※アドリブ歓迎
アテナ・アイリス
後方から様子を見て、苦戦しているところに加勢に行くようにする。
【武器受け】【かばう】【盾受け】【オーラ防御】を使って、防御的攻撃をして、相手の動きを止めて隙を作る。
相手によっては、【2回攻撃】【属性攻撃】を使って、相手の弱点をつくような攻撃も行う。
高所からの弓や魔法については、【ユーベルコード】をつかって、距離をつめて、対処する。
「あらあら、あれはまずそうだわ。」
「動きはとめたわよ(横にいるメンバーに)おねがい!」
「あまかったわね。こういう攻撃方法もあるのよ。」
「させないわ!」
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です。
アネット・レインフォール
▼心情
ふむ…支配地域の奪還か。
兵士達の中に焦りの感情に囚われている者がいなければいいんだがな。
――ここは戦場だ。
現地でようやく認識する者もいるかもしれない。
なるべく兵士達に敵の攻撃が及ばないよう、さり気なくフォローだけはしておくか。
▼行動
先ずはこの布陣を瓦解させよう。
【無刀閃】を放ち、敵や地面もろとも広範囲を巻き込むことで
足並みや連携を絶つことにしよう。
敵の攻撃は【無刀閃】で弾き返すが周囲に岩や外壁があるなら利用も。
矢や魔術等が兵士達に届きそうであれば、
ある程度の範囲を衝撃波でカバーしつつ同様に叩き落そう。
余力があれば、弾く方角を集中させ本拠地に至る突破口を作ろう。
▼他
連携を重視、アドリブ歓迎
リカルド・マスケラス
アドリブや連携等歓迎っすよ
「よし、じゃあ実戦っすよ」
タフネスのある兵士の身体を借り、猟兵としての身体能力を与えて戦場に出る。ブラックコートの効果で装着者を【かばう】が、命の危険にさらさないようには気をつける
今回は兵士から槍を借りて戦闘。【武器落とし】や【2回攻撃】で敵を無力化しつつ手数で攻撃し、飛び道具などは【なぎ払い】で打ち払う。
「結構な数、来ちゃったっすかね?」
敵が多くなってきたら【視力】で遠距離含めた多くの敵を補足し、【鏡魔眼の術】で自滅を誘う【催眠】を行う
「ユーベルコード使っちゃうと、お手本にならないから、申し訳ないっすけどね」
テラ・ウィンディア
ダークエルフ…何だか本能が叫んでる
戦わないとってな
戦闘知識で敵の陣形と砦の構造の分析
(空中戦で飛びながら)
途中参加だけど勘弁だ!
そのまま敵陣に突撃すれば周囲を見据え
お前らがどうしてそうなったのかはおれは解らない
唯…やった事の結果は受け止めるんだな
こうしておれ達の反撃を受けるっていう結果はな!
属性攻撃
炎を武器に付与
切り裂き踏み付け捻じ伏せていく
万が一オブビリオンでない者が居たら不殺徹底
でなければ容赦なし
串刺しも交えて大暴れ
早業で武器を切り替えつつ中距離は槍
近距離は剣と太刀で切り捨て
敵の攻撃は【見切り・第六感】を駆使し【残像】を利用して回避を試みる
敵の密集陣形を見つければグラビティブラストで殲滅!
●侵攻直前
砦の向こうの橋の先。
その地域は現在、蘇ったオブリビオン……ダークエルフ達の支配領域となってしまっている。
ダークエルフとの直接対決と聞きつけた黒髪のエルフの少女、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は、直前となって新たに砦へと駆け付けていた。
「ダークエルフ……何だか本能が叫んでる。戦わないとってな」
今回の依頼、テラなりに思うことがあったのかもしれない。
そいつらに奪われたモノを取り返す為、気合十分の砦の兵士達は意気揚々と侵攻の準備を整える。
「ギリギリだが、何とか間に合ったな」
兵士達の盾に強化を施していた金髪、長い髭のラッセル・ベイ(ドワーフのルーン鍛冶師・f12407)が一息つく。
彼はギリギリまで、その強化に当たっていたようだ。
「次は実戦か。どうなる事やら」
「ふむ……、支配地域の奪還か」
誠実そうな印象を抱かせる青年剣士、アネット・レインフォール(剣の教導者・f01254)は戦いを前に、兵士達の状態を見回す。
様々なモノを奪われた兵士も多く、それらを取り返すことができるこの日を待ち詫びていたのだろう。
「よし、じゃあ実戦っすよ」
白い狐のヒーローマスク、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)はその兵士の1人、タフネスのある兵士の身体を借り、猟兵としての身体能力を与えて戦場に出る。
ヒーローコスチューム『ブラックコート』の効力で、肉体へのダメージは借りた兵士でなく、リカルド自身に来るようにする。これで、兵士を命の危険にさらすことはないはずだ。
砦を出た一行は川にかかる橋を渡り、朱糸威腹巻を纏う女武者、鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)を先頭に敵陣へと攻め込んでいく。
(「戦い方を教えた以上、無様な戦いなど見せられぬな」)
そんな考えを抱き、小百合子は一番槍を務めるのである。
●敵地へと踏み込んで
ダークエルフ達も人間が決起してきたことに気づき、徐々に集まってくる。
「わらわは異界の女武者、鍋島小百合子! 意地を知り、恥を知らぬ不埒な者共や討ち取ってくれる!」
そんな敵に名乗りを上げ、小百合子は自身の身長の倍ある鎧軍馬を呼び出して騎乗し、馬上から長弓を使って魔法や弓を使うダークエルフを狙撃していく。
そうして、小百合子は他メンバーが敵陣深くまで向かえるように援護射撃を続ける。
「キャハハ! 力で奪うヤツはいつか力に奪われるってさぁ! ボクが教えてあげるよぉ!」
入れ替わるように前に出るのは高笑いする褐色のエルフ、ゾーク・ディナイアル(強化エルフ兵の出来損ない・f11288)だ。
近づいてくるダークエルフの前衛は、ナイフや長剣を使ってくる。
その刃に塗られた怪しげな液体は、間違いなく毒だろう。
「ボクは強化エルフ兵だからさぁ、ただのダークエルフとは違うんだよ、ダークエルフとはぁ!」
ゾークの言葉に群がり、切りかかってくる敵。
魔法を使ってくる中衛の援護を受けるダークエルフ。
ただ、耐性を高め、オーラの鎧でその身を包みこむゾークは敵陣へと切り込んでいく。
「当たらないねぇ、当たっても効かないけどさぁ!」
野生の勘を働かせるゾークはしっかりと攻撃を見極め、さらりと避けて見せる。
それだけでなく、楽し気に笑うゾークは『試作型魔導拳銃《スタイン》』を素早く乱射して、敵を片っ端から撃ち抜いていた。
兵士の体を借りたリカルドは槍を使い、手前の敵から蹴散らす。
相手の武器を落とすことでその勢いを削ぎつつ、連続して切り込んでいく。
「結構な数、来ちゃったっすかね?」
そこで、リカルド目掛けて飛んできた投擲された毒ナイフを、彼は見事に槍を薙ぎ払って打ち払ってしまう。
仲間達が接敵していく僅かな間に、戦闘知識を生かすテラはできるだけ敵の陣形と敵の居城の構造を分析していた。
「途中参加だけど、勘弁だ!」
光輪「三叉路の女神」で空を飛ぶテラは左翼側から向かってくる敵陣へと突っ込み、叫びかける。
「お前らがどうしてそうなったのかは、おれは解らない」
オブリビオンになったからには、何か理由があるのは間違いない。
「唯……、やった事の結果は受け止めるんだな。こうしておれ達の反撃を受けるっていう結果はな!」
テラは己の紅龍槍『廣利王』に炎の付与し、大きく薙ぎ払ってダークエルフ達を蹴散らしていく。
アネットもまた左翼の敵の布陣を瓦解させるべく、霽刀【月祈滄溟】を握りしめて。
「伍式・無刀閃」
布陣を組む敵を地面ごと巻き込んで破壊し、その足並みを乱していく。
今の一撃で、数体の敵の攻撃は無力化していた。
攻勢のきっかけが生まれたのはよいのだが、アネットはそこで後方から続く兵士達を振り返って。
(「焦りの感情に囚われている者がいるな」)
やや前のめりになり、先ほど皆が教えた連携に関する意識が漏れている者もちらほら。
――ここは戦場だ。
アネットはそんな兵士達に攻撃が及ばぬよう、さりげなくフォローすべく、衝撃波を飛ばして飛んでくる飛び道具や魔法を撃ち落としていたようだ。
ただ、敵は正面と両サイドから攻め込んできており、右翼の対処が遅れている。
「あらあら、あれはまずそうだわ」
金髪をアンダーポニーテールにしたエルフ、アテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)は後方から戦況を見ており、そちらの加勢へと加わっていく。
兵士達が直接対応するところへ、アテナは『ミスラル製ヘヴィ・シールド』を突き出してダークエルフ達の刃を抑えた。
敵の数は多い。無数の攻撃をアテナは『アーパスブレード』で切り払い、兵士達を庇うように前に出て相手の進軍を食い止める。
「動きは止めたわよ。おねがい!」
すると、ラッセルがすでに呼び出していた【グラウンドトーテム】へと声をかける。
「グラウンド、任せたぞ」
戦場にそびえ立つそのトーテムポールは戦闘能力を持たない。
だが、ラッセルが身を張って戦い、活躍を見せることでこの場の兵士達の力を最大限に高めることができる。
基本に忠実な戦い方を見せるラッセルは敵の刃を『地盾グラウンド』で受け流し、飛んでくる矢を『炎剣フラム』で近場の敵もろとも切り裂いていく。
さらに、ラッセルは『グラウンド・ルーン』を起動した盾で悠然と敵を押し返し、炎の刃を見舞っていくのである。
●ダークエルフを攻め落とせ!
交戦が続く敵地、ダークエルフ達との戦い。
敵は大きく3隊に分かれ、猟兵と砦の兵の混成軍を迎撃してきていた。
左翼の敵はテラ、アネットが主に当たっていた。
「大地の力……存在の維持を司る力……星の力……我が手に集いて我が敵を滅せよ……グラビティ・ブラスト……往けぇ!!」
数で攻め来るダークエルフ達に対し、テラは突き出した掌から重力波砲を放ち、相手を片っ端から潰してしまう。
それを避け、耐えきった敵に対しては、彼女は星刃剣『グランディア』へと武器を持ち替え、やはり炎を付与して切り裂き、踏みつけ、ねじ伏せていく。
ダークエルフ達の攻撃も多彩で、ナイフに長剣、属性魔法に、精霊を行使する者までいた。
テラはそれらの攻撃を見切り、直感と残像を生かして可能な限り避けて反撃を行う。
襲い来る敵は全てオブリビオンで間違いなく、容赦なく相手の体を串刺しにしていった。
アネットもまた、向かい来る敵の勢いを利用し、纏めて【無刀閃】を浴びせかける
態勢を崩した敵へ、兵士達が一気に攻め立てていく。
そのフォローに回って衝撃波で遠距離攻撃を撃ち落とすアネットの方針は変わらず。
むしろ、余裕を見てアネットはその攻撃を敵陣へと弾き返し、相手の居城への突破口を作ろうとしていたようだ。
右翼はアテナ、ラッセルが迎撃に当たる。
こちらはラッセルの講じた対策が機能し、彼が強化した盾を生かす兵士達がダークエルフ達を少しずつ切り崩す。
だが、相手も盾の構えを解くタイミングを見て、こちらに矢や魔法を放ってきた。
「甘かったわね。こういう攻撃方法もあるのよ」
そこで、アテナは守護女神の力を使いながら、それらの攻撃を避けつつ攻め入る。
距離さえ詰めれば、後は直接倒すのみ。
「させないわ!」
小回りの利く『シルヴァン・シミター』へと持ち替えたアテナは、弓や杖を持つ敵を直接切り伏せていく。
ラッセルも発光魔法を使って相手の目を眩ませ、炎剣を薙いで態勢を崩した直後に爆破魔法で焼き払ってしまう。
刃で切りかかってくる敵には、彼は『地盾グラウンド』でカウンターバッシュを食らわせ、強い衝撃で相手の骨すら砕いていく。
「異形の者ならば兎も角、人型相手ならば楽な物よ」
雑兵如きの攻撃では、ラッセルの守りを砕くことはできない。
「余程強い毒や魔法でなければ、私には通用せんぞ。掛かって来い」
そんなドワーフの姿に、ダークエルフ達は冷や汗すら流してしまうのだった。
そして、正面。
前線の猟兵達は順調に攻め込んでいた。
ダークエルフの数はかなりのものだったが、猟兵と練度を高めた兵士達の力で確実にその数を減らす。
視力を生かして多くの敵を捕捉したリカルドは【忍法・鏡魔眼の術】を使い、相手の思考を惑わせて自滅へと導く。
「ユーベルコード使っちゃうとお手本にならないから、申し訳ないっすけどね」
後を考えれば、リカルドとしては宿主の為にも戦闘経験を積ませたいところだが、状況によってはやむなしといったところだろう。
だいぶ敵の数が減ってきたことで、小百合子は一気に敵陣営へと切り込み、持ち替えた薙刀を振り回し、残る敵を切り裂く。
「わらわの武芸、侮ってもらっては困る!」
ゾークも前線で戦い続け、敵の攻撃に対してカウンターとして怪力を生かして敵を切り捨てて。
「お前も同じことしてたんだよね? その身にたっぷり教えてあげるよぉ!」
その傷口を、ゾークは妖剣《ガディス》でこれでもかと抉っていくのである。
ある程度敵の数が減ったことを察し、小百合子は兵士達を仰ぎ見て。
「全軍、突撃!」
「「「おおおおおおお
!!」」」
小百合子の号令によって勢いに乗る砦の兵士達は、ダークエルフ達を圧倒していくのである。
大成功
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第3章 ボス戦
『ダークエルフの女首領』
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POW : 「ちょろちょろと煩いハエだねぇ!」
対象のユーベルコードに対し【絡め取るムチでの一撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
SPD : 「お前たち、やっておしまい!」
戦闘用の、自身と同じ強さの【暗殺者】と【ダークエルフ弓兵】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ : 「下僕になるなら命だけは助けてやるよ?」
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【一時的な手下】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
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●現れた女首領
橋の向こうでのダークエルフ達との戦いも、佳境に差し掛かってきている。
間違いなく、猟兵と砦の兵士の混成軍がダークエルフを壊滅に近い状況まで追いやってきている。
だからこそ、そいつもこの場に現れざるを得なかったのだろう。
自らの居城から姿を現したのは、非常に露出の高い褐色の女性。
膝にまで届く薄紫の髪、整った顔立ちに伸びた耳。
ただ、その顔は猟兵達の侵攻と、部下の壊滅もあって酷く歪んでいた。
「やっぱり、猟兵が介入していたのかい……」
苦々しい顔をするダークエルフの女首領。
しかしながら、そいつはすぐに表情を引き締め、しならせた鞭で地面を強く叩きつける。
すると、どこから現れたのか、多数のダークエルフの暗殺者や、弓兵が姿を現す。
さらに、倒れて命を失ったはずもダークエルフもまた、ゆらりと身を起こしてきた。
「お前たち、やっておしまい!」
再度、鞭を叩きつけると、それらは一斉に襲い掛かってくる。
目の前のダークエルフ女首領を倒さねば、この地の人々に未来はない。
猟兵達は一時雑兵を砦の兵士達に任せ、この強敵との戦いに臨むのである。
鍋島・小百合子
POW重視
むう…素肌をあられもせず晒すとはやはり恥を知らぬ者共のようじゃったな
身に刺さる刃の痛みを虐げられた者達の心の痛みと共にしれい!
「身を包む輝きというものを教えて進ぜよう…!」
ユーベルコード「黄金勇霊装」発動
黄金の甲冑を身に纏い、己の勇気に比例した戦闘能力を持って敵を攻撃
基本は鎧砕きを併用した薙刀の串刺しの一撃を叩き込み
飛翔能力で残像を作り出しながら敵を翻弄
暗殺者と弓兵が召喚されたら飛翔能力で敵の視界外まで飛び長弓による狙撃で首領を射抜く(スナイパー・視力込み)
敵の消耗具合を見て機を熟したら飛翔能力で限界まで高く飛び、薙刀による急降下攻撃(串刺しと鎧砕き併用)
「必殺!飛翔竜爪刺!!」
アテナ・アイリス
『セレーネの白弓』に持ち替えて、後方からの【援護射撃】を行う。
首領が戦わないことに違和感を感じ、味方の力も借りて、狙いすました一射を打ち込む。
【属性攻撃】聖なる力を持った『月光の矢』が、首領の左肩に命中し、かすり傷を負わせる。
味方が無茶をして、重傷を負った場合は、【ユグドラシルの葉露】を使って傷を癒す。
「前衛は足りてそうね。なら、これでいいかな。」
「一瞬でいいから隙をつくって。まかせたわよ。」
「(まだよ、まだよ
、・・・・今だわ!)
「世界樹よ、力を貸して!」
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です。
ゾーク・ディナイアル
お山の大将が出てきたみたいだねぇ、手下をワンサカ連れてぇ!
んじゃ、コッチも本気でヤっちゃうかぁ!
☆戦術
SPD勝負
UC【ハルシオン起動】で試作人型魔導騎士ハルシオンに搭乗して戦うよ。
「」
スラスターを吹かせ飛翔し、巧みな『騎乗・操縦』技術で高機動『空中戦』をしながらハイ・ビームライフルを『クイックドロウ』で『二回攻撃』して乱射。
「キャハハハ!消えてなくなれぇ!」
接近して敵の攻撃を『野生の勘』で『見切り』躱して、『怪力』機構でビームサーベルを振るい『カウンター』で斬り裂いたり、ビームサーベルを突き刺して『傷口を抉る』ように焼き切りダークエルフを消滅させる。
「これでボクの勝ちぃぃ!」
※アドリブ歓迎
ラッセル・ベイ
死んだ者をまだ扱き使うのかね?
これではキリがない……さっさと親玉を倒してしまおう
●戦闘(POW)
まずはフラムに火炎ポーションを付与し、属性力の向上
トーテムの力も合わさり、強力な炎を纏うだろう
その鞭では私のフラムは絡め取れん。燃えるだけだぞ
グラウンドや私自身を狙っても無駄だ
「ストレングス・ルーン」を起動した今、その程度で止まりはせん
怪力で鞭を引き千切ってくれよう
基本に忠実、且つ堅実に
バッシュで崩してから【フラムブラスト】で斬り裂く
単純ではあるが、これを防ぎ切れる者などそうはおらんぞ
余裕があれば兵士たちの支援も
他のダークエルフも爆炎魔法で一気に薙ぎ払ってくれよう
かなり疲れたな……少し働き過ぎたか?
アネット・レインフォール
▼心情
成る程…兵士達の方は問題なさそうだな。
油断ならない相手のようだが、これでようやく専念出来るというものだ。
それは兎も角、ダークエルフは何故露出が少ない装備を好むのだろう?
速度重視の意見は聞いた事があるが…謎だな。(割と真剣顔で)
▼行動
攻撃手が十分と思われるので俺は引き続き、攻撃の無力化を優先しよう。
首領のPOW・SPDには遠近問わず【雷帝ノ太刀】で応戦し、
他の攻撃に移れないよう手数を削ることで仲間達へのフォローとしよう。
相殺されるなら、それこそ狙い通りだ。
連携上、隙を作る必要があれば【雷刃衝】を2回攻撃で追撃(引火)し、
敵の意識を仲間達から逸らそう。
▼他
連携を重視、アドリブ歓迎
リカルド・マスケラス
「さて、と。ここからの戦いは、ちょっと参考にならないかもしれないっすね」
ボス敵戦は愛用の武器、鎖鎌を持って戦闘。この戦闘では猟兵の本気の戦いを体感してもらうっすかね。猟兵でないと届かない領域もあるって知ってもらうってことで
ブラックコートの効果で身体を借りてる兵士へのダメージをかばう
鎖分銅の【ロープワーク】で動きを封じ、鎖鎌で【なぎ払い】という【2回攻撃】を行う
ユーベルコードはムチで相殺されないよう、敵がある程度動きを封じられたタイミングで攻撃
「倒すのがもったいない美人さんっすけど、村を守らせてもらうっすよ!」
【正義代行】で身体を借りている兵士含め、兵士達の村を守りたい気持ちを乗せて一撃を放つ。
●多数の手下を従えて
佳境を迎えるダークエルフ達との闘い。
猟兵に続いて戦う兵士達は、思った以上に善戦していたようで。
「成る程……兵士達の方は問題なさそうだな」
すらりとした体形にクールさを感じさせる剣豪の青年、アネット・レインフォール(剣の教導者・f01254)はつけ焼き刃の訓練でも、彼らがうまく技術を吸収してくれたのだと認める。
ダークエルフ達は油断ならない相手ではあるが、後は兵士達にこの場を任せられるとアネットは判断し、敵の居城から現れた女首領に注意を向けた。
「やっぱり、猟兵が介入していたのかい……」
褐色の肌を大きく露出させた女首領は分の悪い戦況を見て僅かに顔をしかめるが、すぐに表情を引き締める。
しなった鞭が地面を叩きつけると、どこからともなく新手のダークエルフが出現する。
ナイフや長剣を持つ暗殺者、それに弓兵達がそれぞれ猟兵達の前に布陣していく。
また、力尽きたはずのダークエルフ達も、虚ろな瞳で身を起こして構えをとってきていた。
「お山の大将が出てきたみたいだねぇ、手下をワンサカ連れてぇ!」
相手と同じく、褐色の肌を持つ銀髪のエルフ、ゾーク・ディナイアル(強化エルフ兵の出来損ない・f11288)がハイテンションに告げる。
「死んだ者をまだ扱き使うのかね?」
眼鏡を吊り上げ、ラッセル・ベイ(ドワーフのルーン鍛冶師・f12407)が女首領へと問いかける。
「どのみち、躯の海から還ったオブリビオンさ。アタシ含めてね」
そんな答えに、ラッセルはなるほどなと返す。
「それは兎も角、ダークエルフは何故露出が少ない装備を好むのだろう?」
大きく肌をさらす女首領の姿を、アネットは冷静に分析する。
速度重視という意見も聞いたことがあったアネットだが、謎だと割と真剣な顔で考えていたようだ。
それに対しても、女首領は素直に答えてくれる。
「欲望のままに肌をさらして、何が悪いんだい?」
「むう……、素肌をあられもせず晒すとはやはり、恥を知らぬ者共のようじゃったな」
武者鎧を纏う鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)は、目の前の相手に呆れとも嫌悪感ともとれる印象を抱き、やや顔をしかめる。
「さて、と。ここからの戦いは、ちょっと参考にならないかもしれないっすね」
そう本来の体の持ち主に話しかけるのは、兵士の一人の体を借りた白い狐の仮面のリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)だ。
「この戦闘では、猟兵の本気の戦いを体感してもらうっす」
リカルドは愛用の鎖鎌をもって戦いに臨む。猟兵でないと届かない領域もあるということを兵士に知ってもらうということだ。
「前衛は足りてそうね。なら、これでいいかな」
腰まで伸ばした髪を低い位置でポニーテールに束ねたアテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)も『セレーネの白弓』に持ち替える。
アテナは後方に位置し、援護射撃の構えだ。
「そろそろ行くよ、お前たち!」
「身に刺さる刃の痛みを、虐げられた者達の心の痛みと共にしれい!」
呼び出したダークエルフをけしかけてくる女首領に対し、小百合子はユーべルコードを行使し、仲間と共にこの難敵へと立ち向かうのである。
●狙いすまし、一転攻勢を!
向かい来るダークエルフの軍勢に対し、猟兵達は次々に攻撃を仕掛けていく。
小百合子が向かってくる敵に対抗すべく、黄金に輝く甲冑を身に纏う。
自身の勇気をもって戦闘能力を向上させる上、常人ではあり得ぬ飛翔能力を生かし、残像を伴いながら敵へと襲い掛かる。
「身を包む輝きというものを教えて進ぜよう……!」
敵が着用する鎧を、小百合子は愛刀の長刀『竜王御前』で砕き、さらにその刃を突き出して敵の体を貫いていく。
前に出てくる暗殺者達は数をもって、猟兵達へと圧倒してくる。
後方から矢を射かけてくる弓兵を含め、その力は先程まで戦ってきた雑兵よりも手強い。
「んじゃ、コッチも本気でヤっちゃうかぁ!」
ゾークは全長7mもある灰銀色の試作人型魔導騎士『ハルシオン』を変形させ、それに搭乗した。
「切り札ってのはさぁ、あると使いたくなっちゃうんだなぁ、これが!」
彼女はハルシオンの『高機動用大型スラスター』を吹かせて飛翔する。
そして、見事な操縦技術で高軌道空中戦を仕掛け、専用『ハイ・ビームライフル』を素早く連続して乱射していく。
巧みな操縦技術でゾークは大きな起動兵器を操り、暗殺者や弓兵の攻撃を巧みに躱して。
「キャハハハ! 消えてなくなれぇ!」
楽しげにビームを発射するゾークの姿は、トリガーハッピーかと思わせる。その性格も、強化改造された故のものなのだろう。
戦場ではゾークの存在感がかなり強いが、他メンバーも負けてはいない。
リカルドは借りている兵士の肉体にダメージがいかぬよう漆黒のコートを纏い、いかなるダメージも自らのものとするようにしていた。
肉体を貸す兵士は戸惑いながらもリカルドの意志のまま、まるで流れに身を任せるように体を動かす。
鎖分銅を使って動きを封じ、さらに鎖鎌で前方の敵を次々と薙ぎ払うという状況が続くのは先ほどと変わらない。
一度倒した雑兵達などはむしろ弱体化すらしており、少しずつリカルドは相手を押してすらいたようだ。
そんな前線の仲間達を見つつ、アネットは敵陣のさらなる弱体化へと当たる。
「参式・雷帝ノ太刀」
アネットが放つ稲妻を纏う居合斬りによる剣閃は、相手の体すらも縛り付けることもある。
相殺されるだけでも、アネットの思惑通り。
相手の手数が減れば、それだけ前線メンバーのフォローとなり、攻撃のチャンスが増えるのだ。
とはいえ、敵は続々と増えてきている。
「お前たち、やっておしまい!」
さらに、女首領は鞭をしならせ、新たな暗殺者や弓兵。倒れた配下を操ってきていた。
倒しても倒しても、敵が増えている状況に、メンバーも辟易として。
「これではキリがない……さっさと親玉を倒してしまおう」
ラッセルは眼鏡の奥、赤い瞳を鋭くし、炎剣フラムに手早く火炎ポーションを付与していく。
先ほど建てたトーテムポールが依然としてこの場の猟兵、兵士の力を強めており、ラッセルも例外でなく、勢いよくフラムを包む炎が燃え上がる。
直接女首領を攻撃したいところだが、やはり次々呼び出される配下が面倒なところ。ラッセルもフラムを振るい、手前から敵を切り伏せていく。
「世界樹よ、力を貸して!」
そんな中、傷つく前線の仲間の援護をと青白き癒しの光を放つアテナ。
再度、攻撃をと『セレーネの白弓』から矢を飛ばすアテナは、奥の首領がほとんど動いてこないことに気づいて。
「一瞬でいいから、隙をつくって。まかせたわよ」
仲間達へと呼びかけたアテナは女首領目掛け、確実に一矢を命中させるべく狙いすます。
小百合子などは飛翔能力を生かしつつスキルを駆使し、時折長弓で狙撃を女首領へと試みているのだが、相手も危機を察して避けたり、部下を盾として塞いだりしていた。
女首領はできる限り己が傷つかぬよう立ち回っていることもあり、猟兵達はそいつへと一撃を与える為にと連携をとることにする。
その間、ラッセルは手前の敵目掛けて爆炎魔法を放ち、薙ぎ払っていた。
「追式・雷刃衝 -裏-」
アネットも仲間の連携に応じ、さらに稲妻を纏う居合を繰り出す。
放たれるは、神の裁きを模した稲妻の闘気。
それが敵陣へと蒼き炎を燃え上がらせ、猟兵達から注意を反らすこととなる。
(「まだよ、まだよ、……今だわ!」)
敵の注意が散漫になった隙を見計らい、アテナは聖なる力を持った『月光の矢』を射放つ。
戦場を駆け抜けるアテナの矢は狙い違わず、女首領の左肩へと命中した。
「なっ……!」
すると、暗殺者と弓兵が一気に姿を消し、残るはこの場に元々いた雑兵だけとなる。
これならば、女首領に近寄るのも難しくない。
「一気に隙だらけになったねぇ!」
嬉々として躍りかかるゾークは怪力を生かしてビームサーベルを振るい、敵を圧倒する。
女首領は舌打ちすると同時に鞭を打ち付け、ゾークを制しようとしていくが、他メンバー達も間髪入れずに仕掛けてくる。
「その鞭では、私のフラムは絡め取れん。燃えるだけだぞ」
『ストレングス・ルーン』を発動させたラッセルは地盾グラウンドを構え、たかが鞭での攻撃で止まることはないと主張する。
そして、彼は力任せに女首領の鞭を引き千切った。
「なっ……!」
これに目を点にしてしまう女首領へと、ラッセルは盾で強く殴りつけて態勢を崩し、続けざまに炎剣フラムで切りかかる。
「あああああっ!!」
肉の焼ける臭いが周囲に漂い、女首領の絶叫がこだまする。
敵の鞭がほぼ無力化している状況ならばと、リカルドも突撃して。
「倒すのがもったいない美人さんっすけど、村を守らせてもらうっすよ!」
リカルドは鎖分銅で女首領の体を縛り付けて鎖鎌で切りかかると、飛翔能力で高く飛び上がっていた小百合子が急降下してくる。
「必殺! 飛翔竜爪刺!!」
小百合子は長刀『竜王御前』の刃を、相手のふくよかな胸の谷間へと埋め込んでいく。
そして、猛然とゾークが仕掛けてきたことで、皆その場から一斉に飛び退いた。
ゾークは狂気を思わせる笑みを浮かべ、仲間達の告げた傷口を抉るようにビームサーベルを突き刺して。
「これでボクの勝ちぃぃ!」
「ああああああああぁぁぁぁ
…………」
絶叫した女首領は、周囲のダークエルフと共に姿を消してしまった。
程なくして、兵士達の歓喜の声が上がり始める。
彼らは敵の居城へと取り込み、ダークエルフに奪われた物を取り返す。
日用品や食料はもちろんのこと。愛する家族や、伴侶達。
再開を喜び合う人々の傍ら、猟兵達は疲れた眼でそれを眺めて。
「かなり疲れたな……、少し働き過ぎたか?」
ラッセルはその場の仲間と共に、しばしの休息をと瞳を閉じるのだった。
大成功
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