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匣の中身はなあに

#UDCアース

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#UDCアース


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●小針と子とコトリバコ
「皆、突然だけど…怖いもの見たさで“出る”って噂されている心霊スポットに行ってみたりとかした事あるかい?あるいは、そうだな………簡易的に手を出せるものであればホラー映画を見る事だったりお化け屋敷にいったりとか、ね」
 グリモアベースの一角、唐突として語り始めたのは戎崎・蒼(f04968)。彼のその問いに対する解は人それぞれであり様々なものであるだろうが、そんな困惑する猟兵達を前に、蒼は尚も続ける。
「今回の予知は、そうゆうモノに関する邪神の復活についての予知だ。………まぁホラーに怪異は付き物、なんて言うには些か不謹慎だけれど」
 そう述べる彼は、見ていた書物からついと視線を外し、今一度君達へと双眸を向けることだろう。

「場所はUDCアース。そこで人知れず邪神復活の儀式が行われようとしていて……なんでも、大規模な儀式を介することなく邪神の復活を試みようとしているらしい」

 彼曰く、それは館というクローズド・サークルで行われ、そのオブリビオンの儀式に関連する虫に関して調査し邪神の撃破を行って欲しい、というもの。
「目的としては不完全に復活した邪神の撃破、これが出来れば最悪の事態は免れると思う」
 ─────最悪の、事態。
 言葉を聞いたとき、その点において疑問を持つ猟兵もいるだろう。するとそれを察したのか、蒼は再び口を開いて話し出す。
「………よく都市伝説である“コトリバコ”って言うのは知ってる?一応知らない人の為にも話すけど、水子の死体を使って作られた、所謂呪術道具っていうやつさ」
 彼はそう言うと資料を見せる。そこには寄せ木細工の箱が1つ描かれているだけの、ただの絵が一つ。……どうやらこれが“コトリバコ”らしい。
「これだけでも危険な代物だとは分かるとは思う。でも最悪な事に、そのコトリバコを模した邪神を出現させ、女子供を死に絶えさせようとしているらしくてね。もし予知の通りに進んでしまえば、周囲への多大な被害は計り知れないことになるだろう」
 ここまで聞けば、改めてその危険性を再認知する事が出来る。同時に、微かにせり上がってきた胃液を呑み込まなくてはいけないような、そんな不気味さも感じるかもしれない。
「そこで君達猟兵の出番という訳さ。是非皆には、協力してどうにか邪神復活を食い止めてほしい。………という事で、最初は幽霊が出ると噂の館に入って探索して貰うよ」
 彼はそう述べれば、タロット状のグリモアを起動し、移送の準備を始めて猟兵達を送り出すことだろう。そうして1人残された彼は、ぽつり、言葉を零す。
「幽霊がいるいないにしても、コトリバコ……“子取り箱”は水子の犠牲によって作られたもの。念の為に鎮魂の言の葉でも述べておこうかな」

「───一二三四五六七八九十、
   (ひふみよ いむなや ここのたり、)
    布瑠部由々良々止布瑠部。
   (ふるべ、ゆらゆらとふるべ)
        ……………………なんてね?」


Parmigiano
 おはこんばんにちは!大変お世話になっておりますParmigianoです。皆様に良いリプレイを御送り出来るよう、精進して参ります。

 今回の舞台もUDCアースです。
 第1章では館の散策をお願いします。
 第2章で、館内の何処からか発生した“虫”について調べて完全復活を阻止して頂き、3章で不完全な邪神を撃破、という流れになっております。

 連携や単騎の場合は申し出をして頂けると幸いです。こういうアドリブNG!など御座いましたら、面倒をおかけしますがご表記の方、お願い致します。

 皆様の素敵なプレイング、お待ちしておりますので、どうぞよろしくお願い致します!
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第1章 冒険 『お化けが出ると噂の館』

POW   :    お化けなんて怖くない!正面突破だ!

SPD   :    お化けに見つかったら大変!俺は床下や天井裏を行くぜ!

WIZ   :    お化けなんてバカバカしい!…おい、もう帰ろうぜ…?

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

四季乃・瑠璃
【ダブル】で常に分身

緋瑪「コトリバコ…邪神の方はともかく、本物は存在するのかな…?」
瑠璃「その可能性ひあると思うけど…今回はそれを模し、利用した邪神だからね。もし本物がいるなら、利用されて怒ってるんじゃないかな」

などと会話しながら二人で館探索。大規模でないにしろ、儀式の痕跡や行われた儀式についての資料等を【見切り、情報収集】で捜索。隠し部屋等も含めて何かが無いか見ていくよ。怪しい壁とかはボムで爆破♪

ドアを開けたら、向こう側にゾンビっぽい何かが「ア”ァー…」とか佇んでて、二人でそっ閉じしたり、「かゆうま」的な教団員の日記が出てきたりとかは…無いかな?

※アドリブ等歓迎



●双声は常闇に響く
 噂の館を前に、ぴょこんと二つのサイドテールが揺れていた。
『コトリバコ……邪神の方はともかく、本物は存在するのかな?』
「その可能性はあると思うけど……今回はそれを模し、利用した邪神だからね。もし本物がいるなら、利用されて怒ってるんじゃないかな」
 最初に言葉を発したのは緋瑪、それに対する解を述べたのは瑠璃だ。…………何故2人になっているのかと言われればそれは、ユーベルコード【オルタナティブ・ダブル】により分身しているからである。
 ────そう、四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)は“2人で1人”の殺人姫。それが彼女の持つ異名であり、彼女にとっての“普通”であったのだ。
 そうして館へと踏み入れ探索を始める2人は、儀式の痕跡やら資料やらを探し始めることだろう。

「この壁とかなんだか怪しい気がしない?」
『うん、何だか叩いてみた感じ音が軽いというか……ここだけ妙に響く、感じがするよね』
 館の中は長らく放置されていたせいか、埃を被って無法地帯と化していた。その中で緋瑪がとある壁を軽く、コン、コンとノックすると響くような、そしてミュートがかりくぐもった音となって返ってくる。………もしかしたら、この向こうには何か空洞があるのかもしれない。
『それならこうしちゃえ♪︎』
 何かあると踏んだ緋瑪は、ジェノサイド・ボムを使用し、思い切りよく爆破!
 粉々に粉砕された壁の中からは、彼女の予想通り新たなドアを見つけることが出来るだろう。
『よーし、ドア発見!』
「わぁ……!本当にあるだなんて…やったね!」
 喜ぶ2人はきっと次に繋がる扉なのだろうと考え、ドアノブに手を掛ける。そしてゆっくりと、慎重にドアノブを回してドアを開く。
 開いた向こう部屋なのか、それとも何かしら待ち構えているのか。

「ア"ァ、アァアア"ぁー……………」

 否、待ち構えて、いた。
 扉を開いた先にはなんと、ゾンビがこんにちは(?)していたのだ!そんな状態に2人は一瞬硬直してしまう。そしてドアをそっと閉じるだろう。………何事も無かったかのように。
「………うん、なんにもいなかったね」
『え、あ、うんそうだね…!なーんにもいなかったよね!!!』
 彼女達はそう現実逃避しているが、本当になにもいなかt…………いや、何も言うまい。そうだ、ゾンビなんていないのだ。ここはゾンビが出るような館では断じてないのだ!(暴論)
「そんな事より他の情報を探そう?」
『うーんじゃあ、資料とかやっぱりあった方がいいかな』
 気を取り直して瑠璃がそう提案すると、緋瑪も同意を示し2人で資料を探し出す。そうして二手に別れて根気よく探していけば、彼女達の努力もあってか、古いノートのようなものを見つけることが出来る。

 これに一喜一憂する2人であったが、そんな彼女達の頭上を羽音を鳴らして蟲が通っていく事だろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​


●公開資料:経過報告書
 一九九〇年 二月二十八日

 文書に有った通りに制作して十日程経過した。しかし、未だ何かの凶兆が起こる様子は見られない。彼奴はこれで憎き彼の者を殺せる、と言っていたが本当にこんなもので可能なのだろうか?

 一九九〇年 三月一日

 今日は少しの変化が見られたように思う。1週間も過ぎれば乾いてしまうものかと思ったが、どうやらそうではないらしい。しかし元々自然な木の色であったのが段々滲んできて赤くなっているのは、気味が悪くも思える。

 一九九〇年 三月二日

 特に変化なし。

 一九九〇年 三月三日

 とうとう全て赤くなった。辛うじて表面上に滲み出ておらず、濡れたりしていない事が幸いだ。相変わらず周囲にはなんの影響も見られない。
 それにしても、同じく研究員のアイツが結婚だなんて目出度いものだ。惚気話を聞くのは疲れたりはしたが、結婚自体は自分の事のように嬉しい。本当に幸せになってほしい。

 一九九〇年 三月四日

 特に目立った変化は見られない。

 (この間の報告がない。空白。)

 一九九〇年 三月十七日

 今日は気分の良くない話を聞いた。結婚したアイツの奥さんが亡くなったらしい。なんでも不審死らしく、身体中から気泡のような発疹がブクブクとなっていたらしい。病気は特定出来なかったそうだ。
 私は今更になって恐ろしくなっている。あの匣が。

 (また空白。)

 一九九〇年 三月二十八日

 嘘だ、なんで

 一九九〇年 三月二十九日

 羽音が五月蝿い。

 一九九〇年 三月三十日

 うるさ い

 一九九〇年 四月一日

 五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿いう

 一九九〇年 四月 日

 しね

 (ここで報告書は途切れている。後は赤黒い染みが邪魔をして、解読が出来ない。)
夷洞・みさき
生贄の為ならわかるけど、虐殺の為の召喚って何が目的なんだろうね。
その辺りの情報が手に入ればいいんだけど。

【目的】
1.敵目的に関わる情報
2.館の地図からコトリバコの位置(侵入に対して警戒色の強い部屋)
3.虫とやらの活動経路(建物内に人以外の為の通路が無いか)

【WIZ】
【UC六の同胞】達も館内捜索を手伝ってもらう。
死した同胞達なら壁の隙間や鍵なんかも関係ないしね。

幽霊ね、己か誰かの咎が禊がれず、海に還れなかった死人達。
いるなら還る手伝いをしたい所だけど。

幽霊の正体見たり枯れ尾花、なんてね。

ねぇ、そこに佇んでいる君はどう思う?
現世にいるのが馬鹿々々しいなら、海に還る禊をしてあげるようか?

アド絡み歓迎


シェーラ・ミレディ
【WIZ】
ふむ、コトリバコか。なんとも扱いに困る物品だ。
ただ破壊するだけでは、産声をあげることすら叶わなかった命を貶めることにもなろうし……嗚呼、悩ましい……。

ともあれ、先ずは館の探索からだな。
視力、暗視、情報収集。目に付くものを隈無く調べていくぞ。何か隠している痕跡がないか、という点にも注意しておこう。
幽霊がいるというのなら、第六感も働かせようか。引っかかるものがあるかもしれない。

……特に、幽霊が苦手というわけでもないのだが。水子の霊だと思えば……痛ましい、なぁ……。
せめて、冥福を祈ろうか。

※アドリブ&絡み歓迎



●針の筵に座るのは
 怪しげな雰囲気漂う館の前に、新たな猟兵達も続々と到着して集ってきていた。

「ふむ、コトリバコか。なんとも扱いに困る物品だ」

 依頼内容を再三確認しつつ、ポツリと言葉を零したのはシェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)。彼もまたグリモア猟兵のうち一人であるが、今回は依頼を請負う猟兵として参加していた。
 そんな彼は、またも思案しつつ口を開く。
「ただ破壊するだけでは、産声をあげることすら叶わなかった命を貶めることにもなろうし……嗚呼、悩ましい……」
 そう、彼が悩んでいるのは、そのコトリバコの処理についてであった。ただ単に破壊すればそれで終わり、というなら別だがこれに関してはそんな単純なものではない。────何故なら、その匣は水子の犠牲によって作られた物なのだから。

「それにしても、生贄の為ならわかるけど、虐殺の為の召喚って何が目的なんだろうね。………その辺りの情報が手に入ればいいんだけど」

 それに対し、その目的自体に首を傾げるのは夷洞・みさき(海に沈んだ六つと一人・f04147)だ。生贄を募り差し出させる事を目的とした召喚なら分からなくもないが、それが周囲の人間の虐殺を目論んでいる為というのだから、彼女にとっては益々意味が分からなかった。
「まぁ兎も角調べない事には何も始まらないよね」
 そう述べるみさきは、言うや否やユーベルコード【忘却祈願・我は我等なり(ボウキャクキガン・シチニンミサキ)】を使用して、六人の咎人殺しの霊体を召喚する。

『─────澱んだ海の底より来たれ。身を裂け、魅よ咲け。我ら七人の聲を、呪いを、恨みを、羨望を示そう。忘却した者達に懇願の祈りを込めて……!』

 どうやら、そうして召喚した彼等にも手伝ってもらうようである。確かに人手は多いに越したことはない。
「成程、霊体なら壁や隙間とドアの鍵なんかも関係ないし、僕達の調べられない範囲を調査出来るという訳か。考えたな…みさき」
「お褒めの言葉をありがとう。……後は幽霊なんかにも話は聞けるんじゃないかっていうのもあったんだけどね」
 ユーベルコード使用の理由は、その方が有利且つ有効的に活用出来るからだ。それを理解し共有しあった2人は、話しつつ自分達の調べられるだけの情報を隈無く捜索していく。
「(何かを隠すような仕掛けが、こういった所には存在する場合もあるが……)」
 ここで、壁に指をなぞらえていたシェーラがある1点に着目する。そこはなんの変哲もない壁だけがあり、特に不審な点は見当たらない。が、よく見れば壁の塗装がある1点の右側、左側とで新しさが若干違うように感じる。
「(此処を破壊する他確認する手立てはない、か。なら壊すべきだろう)」
 彼はそれを確認すると、彩色銃技専用の銃を等間隔で撃ち込み、壁を破壊!ドォン!と大きな音と共に崩れ落ち、そして現れたのは新たな通路。
「へぇ、こんな所に通路があったなんてね」
 これに関心をしつつも、みさきが通路へと踏み入れれば、短い廊下になっておりすぐ先には次なる扉があったのだった。
 そしてその扉を開ければ、彼等の思っていた通りに新たな空間が現れる。
「────酷い惨状だ。もしかして此処でコトリバコを作っていたのか?」
 一瞬の異臭に少し顔を歪めるもシェーラがそう言った。周囲には幾つもの血痕が残っており、銀色のトレーには臍の緒等が見受けられる。……部屋の形状は手術室のような所だと考えてくれてかまわない。それ故コトリバコを作る為に、水子の解体をした場所なのではないかと推測したのであった。
「……特に、幽霊が苦手というわけでもないのだが。水子の霊だと思えば……痛ましい、なぁ……。せめて、冥福を祈ろうか」
 幽霊が居そうな程の暗がりで、彼はそんな風に考える。望まれて生まれてきた筈の命が、こんな場所で葬られたのだ。胸が痛むのも無理はない。シェーラがそうやって手を合わせて冥福を祈っていると、みさきが何か思案していたのを口に出す。
「ならその水子の為にも早速話を聞こうか」
「話を、といっても誰に聞くんだ?此処には僕等以外には誰も…………」
「いるよ」

 彼女は淡々とそう述べると、シェーラの前を通り過ぎて誰もいない筈の空虚な空間に話しかけるだろう。

「ねぇ、そこにいる誰かさん?話を、事の顛末を僕達に話してくれる?幽霊の正体見たり枯れ尾花…………どうか不安が杞憂になるような話が聞きたいし、ね」

 それは紛れもなく、そこにいる誰かへと向けられた言葉であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


●公開資料:とある研究員の供述
 ある部屋に佇む霊体による証言はこうだ。

『俺のせいじゃない!アイツらが殺れっていったから仕方なくやったんだ!しかもアイツらは法螺吹きの大嘘吐きだったんだ、俺は騙されただけ騙されただけ…………………だ、だって知らなかったんだ!なんで俺が死ななきゃいけなかったんだ!アレを使って死ぬのは女子供だけじゃなかったのか!!?なんで俺がなんでお』

 (以下同じような事を繰り返し述べている)
木目・一葉
あのコトバリバコと対面する日がくるとは
気を引き締めよう
特に僕は女性だから相性はよくない
ミイラ取りがミイラにならないよう注意だ

【SPD】
まずUDC組織や館周辺の人から丁寧な【礼儀作法】と【コミュ力】で【情報収集】
館と土地に伝わる噂話の確認、館の地図を入手したい
館の潜入は屋根から
僕はフック付ワイヤーを屋根へ射出し【ロープワーク】で登る
屋根裏の入り口は【失せ物探し】で見つけ、侵入しよう
屋根裏、上の階と【暗視】しつつ【忍び足】で移動し、【失せ物探し】で調査していこう
またコトリバコや他の敵の呪詛に常に警戒し、【呪詛耐性】と【オーラ防御】で備えておく
館内で不審な動く影があれば『影の追跡者達の召喚』を行う


庚・鞠緒
POW

ホラー、ね
好きだったよ猟兵になるまではよ
なんつーか、現実にいて倒せるモンとわかっちまったから全然楽しめなくなったンだよな

ンなことはどーでもいいか
館ン中しらみつぶしに探すぞ
完全に【第六感】や【野生の勘】頼りってわけにもいかねェし
そうだな…幽霊が出るってンならおおよそそういうのは
「音」か「姿」だ、ましてや虫がキーポイントなんだろ
だったら、どこかで虫が這う音でも聴こえてこねェかってとこを意識しつつ探すか
ああ鍵のかかってる部屋とか普通にぶち破って入っからな
乙女の【怪力】舐めンじゃねーぞ

ビビる理由もねェっつーか
むしろ何か出て来いって捜査してるわけだしな



●五月蝿い蟲の羽音
「あのコトバリバコと対面する日がくるとは…気を引き締めよう。特に僕は女性だから相性はよくない。ミイラ取りがミイラにならないよう注意だ」

 そう細心の注意を払って館に踏み込むのは、木目・一葉(生真面目すぎる平凡な戦士・f04853)。コトリバコという物があるとは知っていたものの、実際にそれに挑むのは始めてである彼女は、自身が女性であるという点において気を付けながらも入る。そして時を同じくしてやってきた猟兵達、庚・鞠緒(喰らい尽くす供物・f12172)にも声を掛けるだろう。
「僕はこうゆうお化け屋敷みたいな…ホラーな雰囲気は大丈夫だけど………あなたは大丈夫かい?」

「ああ、平気だよこんなモン。………ホラー、ね。好きだったよ猟兵になるまではよ。なんつーか、現実にいて倒せるモンとわかっちまったから全然楽しめなくなったンだよな」

 凪いだ瞳を周囲に向ける鞠緒は、さも怯えた様子もなくそう述べる。(全体的に薄暗いこの館内は普通であれば怯えたり怖がったりするのであろうが、残念ながらこの場にいる女性は臆す事なく突き進む“強き女性”。よってか弱い描写などありません!以上!)
「まぁ地図もあるし、確かにそんなに怖がる所はないかもしれないな」
 それを意に介さずふむ、と頷く一葉は入手した館内の地図を広げていた。実は彼女がこの地図を手に入れたのは、UDC組織や周辺の人から情報収集をしたときであった。

 時を遡る事数十分前。一葉と鞠緒は周辺住民に聞き込み調査を行っていた。
「失礼、少しお時間を頂いても?」
「ええ構わないけれど……なにかお調べになっているのかしら?」
 そう礼儀正しく一葉が声を掛ければ、その気前の良い婦人も快く了承してくれるだろう。
「実はあの噂の館についてなんですが………なにか噂話だとかご存知ありませんか」
「あそこはねぇ、昔に何だか不気味な実験めいたものを行っていたのよ。だって思わないでしょう?見た所普通の屋敷なのに、実際は研究所だなんて!」
「研究所だったのかよ?」
「皆きっとそうだって言ってたわ。なんの研究所だかは分からなかったけれど…霊感の強い友達があそこには近づくなっていって聞かなかったもの。──なんでも声が聞こえたんですって、赤ん坊の声が!」
 2人はここで顔を見合わせた。だが婦人はその様子に気付く事はなく、鞠緒の唐突な疑問に対して相槌を打って話をしてくるだけであったが。兎にも角にも、他に地図とかはないかも聞けば、婦人はそれにも答えてくれた。
「あの館内の地図が欲しい?なら、ここの図書館になら地図があった筈よ」
 そうして地図を得、また貴重な話を伺う事の出来た2人は、再び新たな情報を探すため今一度館に戻ってきたのだった。

「僕は屋根裏から調べて行こうと思う」
「ンじゃ俺は館ン中を虱潰しに調べて探すぞ」
 館に再三侵入した2人は、それぞれ役割を決めて行動する事にした。そうやって決めれば、早速一葉がフック付ワイヤーを射出してロープワークで登っていく。ものの数分で屋根裏へと侵入した彼女は、暗視をしながら忍び足で進んでいく事だろう。その様子を見届けた鞠緒は、視認出来るだけの館内を見渡す。
「(こっちはこっちで探したい所だけど…なンもねェな、不自然な位に)」
 最初に入った部屋は、本当に家具の一切のない真っ白な部屋だった。薄暗いのに真っ白な部屋は、なんだか異様に落ち着かなく不気味にも感じる。
「おい、なんかあるか?今ンとこ、呪詛みたいなモンも感じねーけど」
 一瞥もくれず天井裏にいる一葉に聞いてみるが、彼女もまだ何も感じる事はなかったようであった。2人は仕方なく次の部屋に進もうとするが、どうやら鍵がかかっている。だがこの部屋には家具の一切がない為、鍵を得られる何かしらが存在しない。最初であるのに八方塞がりか───とそう考えた次の瞬間。

 ドゴォン!!!!

 鞠緒がドアを蹴破って、破壊したのだった。見事に粉砕されたそれは、むしろドアの跡形もない。
「乙女の“怪力”舐めンじゃねーぞ」
 ────こうして無事に(※ドアは無事ではない)進む事が出来た2人だったが、次の部屋で唐突に蟲の羽音を聞くだろう。それは何かの羽音。

 だが同時に擦れる音も聞こえる事に気付くのだ。

「待って!こんな物が屋根裏に………」
「これは……なんだ?資料か?」

 それを聞いたのと同時に屋根裏にある隠し部屋にあった資料を一葉が見つけたのだった。そうして、一旦屋根裏から降りた一葉と、下の部屋を探索していた鞠緒の2人はその資料に目を通すだろう。
 ───こうして新たな情報を入手出来たのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


●公開資料:子取り箱の呪術付与について

 - コトリバコの作り方 -
 ①寄せ木細工の箱の中に、動物の雌の血を入れて満たす 
 ②水子の死体の一部を入れる(入れる人数に寄って呪いの強さが変わる) 
 ③決して開けられないよう厳重な封をする 
 ④殺したい人物に渡し、もっともらしい理由をつけて身近に置かせる 
 ⑤呪われた者は血を吐き、苦しみ悶ながら死ぬ 
清川・シャル
f08018カイムと第六感連携

コトリバコなんて趣味の悪い物、現代にまだあるんですね~
某掲示板のオカルト板での昔の話だと思ってました
…オブリビオンよりも人の怨念の方が怖いと思ってるシャルです
悪意は殴れませんからね

さて、霊体自体は怖くないので正面から行きましょう
SchallVoiceとamanecerで鎮魂歌を歌いながら進みます
…気休めかもですけどね?
情報収集で館の間取り図手に入るでしょうか?
間取り通りなら天井裏か床下とか…
空気の流れとか…
視力、聞き耳、第六感、野生の勘
ある意味失せ物探しって使える?
何かの痕跡あれば追跡でもいいですね

…ねぇカイム。怖いなら怖いでいいんだよ?ホラー苦手でしょう?


カイム・クローバー
恋人のシャル(f01440)と行動。
コトリバコって言葉に聞き覚えが無い訳じゃねぇが、その手の話題にゃ全く触れて来なかった。言っとくが怖い訳じゃない。……苦手なだけだぜ?
【P】
決まってる。誰がお化けなんざビビるかよ!(しかも彼女の目の前で!!) お化けなんざ十中八九、オブリビオンに決まってんだ。さっさと出て来やがれ! 【情報収集】【第六感】【追跡】【忍び足】、UCで捜索。周囲の音には全力で気を配り、常に銃には手をやっておく。閉まってる扉には【鍵開け】を使用して中に入り、強引に情報取集。
絶対に彼女から離れないようにする。いや、ほら、何かあったら大変だろ?断じてビビってる訳じゃねぇからな?



●1つ余計に聴えるもの
 移送され、目映い光の後に目の前に現れたのはくだんの館。それを前にして2人の猟兵が集っていた。
「コトリバコって言葉に聞き覚えが無い訳じゃねぇが、その手の話題にゃ全く触れて来なかった。言っとくが怖い訳じゃない。……苦手なだけだぜ? 」
 誰に聞かれるでもなく怖くない!と言い張るのは、歳若き仕事人、カイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)だ。
「コトリバコなんて趣味の悪い物、現代にまだあるんですね~。某掲示板のオカルト板での昔の話だと思ってました」
 一方それに対し、なんてことはない風に館の前に佇んでいる猟兵がもう1人おり、それが清川・シャル(バイオレットフィズ・f01440)だった。そんな凸凹コンビは、館に慎重に踏み入れつつも会話を続ける。
「寧ろオブリビオンよりも、人の怨念の方が怖くないですか?…………悪意は殴れませんからね」
「いいや、人の怨念で出来たお化けなんざ十中八九オブリビオンに決まってんだ。つまり、お化けが出るんじゃなくてオブリビオンが出る」
 シャルのその言葉に、半ば緊張した様子で返答するカイム。…………彼は、どうしてもお化けが出ると信じたくないようだ。
 兎にも角にも、不気味さを仄かに感じさせる館に踏み入れた2人は早速行動を開始する事だろう。

「さて、霊体自体は怖くないので正面から行きましょう」
 意気込むシャルはそう言うや否や、amanecerを呼び出してSchallVoiceも活用し、鎮魂歌を奏で始める。宙に浮かぶスピーカーとウーハー群からは、彼女から紡がれる美しいレクイエムが絶え間無く流れていくだろう。そうして歌いながらシャルは考える。
「(まぁ、気休めにしかならないかもですが)」
 それでも、と彼女は思うのだ。それは怨念の篭った魂を諌める為でもあるが、この世に生まれる事すら許されなかった水子の魂を救って上げたいと思う彼女の根幹に基づいたものなのかもしれない。
 そうして歌を歌い上げながら、彼女は情報収集を始める。
「館の間取り図とか手に入るでしょうか…?」
 出来るのであれば、手に入れておきたいものではある。何もない状況下では八方塞がりに成りかねない事は彼女自身、重々承知の上であるからだ。手頃よく発見した、古び埃を被った机を探す事数分。なんとか地図のようなものを見つける事が出来た。
「それがこの館の地図か?……つっても、結構古びちまってるせいで所々訳わかんねぇな」
「そうですね……解読不能な所は、どうにか別の部屋とか通路を探してみましょう」
 2人はそう言うと、別の部屋にも捜査にあたってみる。その一時も離れる事無く行動する様子は正しくカップルそのものであり微笑ましい……とは思うものの、如何せんカイムの距離が近い事に気付く。
「ええと……カイム?」
「いや、ほら、何かあったら大変だろ?それに、婚約者を守れないだなんてそんな風には成りたくない………断じてビビってる訳じゃねぇからな?」
 シャルが彼の顔を覗き込むようにして聞くと、明らかに慌てふためいた様子で返答する。これはいつもの余裕そうな顔が剥がれたカイムだ。
「…ねぇカイム。怖いなら怖いでいいんだよ?ホラー苦手でしょう?」
 これには彼もぐうの音も出ない。何故なら怖いから、の一言に尽きるだろう。他の人に虚勢を張るのなら、多くの場合バレないかもしれないが、何せ彼女が相手では完全にバレてしまうだろう。というか他の依頼でもボロが出てしまう程なのだから、バレない訳がない。
「………なんか悪ぃな」
 格好悪い所を見せたくはなかったろうがこればっかりは仕方ない。カイムは少し項垂れそうになりつつも、次々と部屋をシャルと共に踏破していった。だがここで鍵のかかっている部屋が見つかるだろう。
「……あれ、ここ鍵がかかってますね」
 ガチャガチャとドアノブを数回捻ってはみるものの、開く気配はどうやらない。
「なら俺に任せてくれ」
 これにカイムが対処を申し出ると、ものの数分で鍵を安易に開けてしまった。さすが便利屋Black Jack、(お化け以外には)怖いもの無しである。────次いでであるが、ユーベルコード【陰に潜む自身(ドッペル・ゲンガー)】により、分かった情報もあった。それは段々と鍵のある部屋が多くなってきているという事だ。もう1人のカイムがそれを確認してきたようだ。
「なら、それだけ重要な情報がある、という事でしょうか」
 こてん、と首を傾げてシャルはそう言うと、失せ物探しの要領で周囲を捜索し始める。野生の勘やら第六感やらで、隈無く探していくシャルだが、そう簡単には見つからない。しかし彼女も探すのを諦めかけたその時、フローリングの木目の間から、紙の端が少しだけ顔を出しているのを見つける。

「これは…………」
「コトリバコに関する情報、か…………」

 ─────そうして見事に資料を見つける事が出来た2人であったが、何か言い知れようもない不快感を覚えたのだった。

●公開資料:子取り箱の伝承について

 この小箱の呪いは呪詛の中でもかなり強力なものであり、作った本人でさえ制御できず下手をすれば自分たちをも殺しかねない危険な代物である。 
 例として、村の子供が間違えてコトリバコの一つを持ち帰ってしまい、その日のうちにその家の女子供が死に絶えたという伝承がある。 

 また、時間が経過しても呪いの強さは衰えることはなく、神社や寺などで長い永い年月をかけて少しずつ清めることでしか呪いを薄めることは不可能である。 

 なお、何人の水子の死体を使用するかによって呪いの強さが大きく変化する模様。 
 一人から順に「イッポウ」「ニホウ」「サンポウ」「シホウ」「ゴホウ」「ロッポウ」「チッポウ(シッポウ)」「ハッカイ」という順番で名前が変わっていき、呪いも強力になる。 

 ─────特に「ハッカイ」は非常に危険な代物であり、呪詛を伝えた人物が二度と作ってはならないと念を押した程。 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『虫の知らせ』

POW   :    周辺に同様の虫がいないか調べる

SPD   :    解決に繋がる虫の情報がないか本やネットで調べる

WIZ   :    虫に何らかの魔術や呪詛、儀式的な気配がないか調べる

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 館内を散策する事によりそれぞれ情報を得ることの出来た猟兵達であったが、不気味な気配を探知し感覚を研ぎ澄まさせる。
 澄ましてみれば、それは徐々に近付いて大きな騒音と成って耳を劈くだろう。

 五月蝿いと感じる程のそれは、精神を削り取る為のものなのか、それとも別の理由があるからなのか。

 ……君達はその真相を確かめなければならない。
 然して猟兵達は子取り箱と蟲の関与について、──────第二の関門へ挑むのであった。
四季乃・瑠璃
【ダブル】で分身
緋瑪「箱に虫と関連する話なんてあったかな…?」
瑠璃「私達が知らないだけかもしれないけど…どうかな?後、資料が正しければ…箱を研究員が作った可能性もあるかも…?」
翡翠「だとしたら、結構不味い事になってるかも…」

最初に自立人形起動。第三人格の翡翠に入って貰い、人手を増やす。
近くの部屋等に件の虫がいないか確認し、【マヒ攻撃、毒使い】で麻痺毒を散布して虫を捕獲。
瑠璃が捕獲した虫に魔術的な痕跡が無いか【高速詠唱、ハッキング、情報収集、全力魔法】で調査。
翡翠がネットで虫について【情報収集】
緋瑪は二人を守り周辺警戒。

緋瑪「そういえばゾンビって…」
瑠璃「アレは夢だったんだよ…」

※アドリブ等歓迎



●何処からか湧く蟲
 さて、順調に歩を進めた四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)とその別人格、緋瑪であったが、進めていくに当たって手に入れた情報に首を捻っていた。
『箱に虫と関連する話なんてあったかな…?』
 不思議そうに言ったのは緋瑪だ。───そう、彼女の知る限り、“コトリバコ”の記述には1文字も“蟲”だなんて出た事がない………それ故頭を悩ませるのも仕方がなかった。
「私達が知らないだけかもしれないけど…どうかな?後、資料が正しければ…箱を研究員が作った可能性もあるかも…?」
『だとしたら、結構不味い事になってるかも…』
 対して、瑠璃が知らないだけかもと考えつつ加えての可能性を示唆すれば、緋瑪はうーん…と再び晴れない表情で不安の意を述べた。

 そうして、一抹の不安がよぎるものの調査を開始する2人だが、ここで人手を増やした方が良いだろうと考えた。なにせ相手は周囲を飛び回る蟲だ。小さい敵ほど捕まえ辛いものもないだろう。
 そう瑠璃と緋瑪は考えを纏め、人手を増やす為に憑依型自立人形・シスターズを起動したのだった。そして、憑依させた別人格に蟲の捜索や調査を手伝ってもらえるよう頼み込む。
「という事で手伝ってもらえないかな?」
[別に構わないよ。それにしても………“蟲”か。現在地であるこの部屋でも羽音を聞いたって2人は言っていたし、周囲の部屋も然り、案外近くにいるのかもしれないね?]
 新緑の目を瞬いて言った3人目の人格・翡翠は、周囲を見渡しながらそう述べる。
『なるほど……なら手分けして調査した方が効率がいいよね』
[でも、三人共全員が調査に当たるのは難しいかもしれない。いつオブリビオンが出ても可笑しくない状況下でバラバラに行動するのは合理的ではないし、ね]
「そうだよね。────って、あ。蟲!」
 3人でどうしたものかと話していれば、偶然にも飛び回る蟲を見つける事が出来た。視認したが一瞬、早速蟲を麻痺毒を使用し捕まえて調べ始める。
「というか、これは………蝿?」
 蟲を捕まえたものの首を傾げてそう言う瑠璃は、特殊な蟲でない事を確認した。
 一般的にも見た事がない人がいないであろう蟲である。
「普通の蝿に見えるけど………調べた方がいいよね?」
[理由はなんであれ、調査した方がいいだろうね。私はネットで情報収集をしてみるよ]
『えーっと……じゃあわたしは2人を守るね!』
 瑠璃は魔術的な痕跡等が無いかを調べ、翡翠がネットで情報収集を試みる。そして緋瑪は周囲を警戒しながらも2人の守備に当たる事で、円滑に調査を進める事が出来るだろう。
 その蟲にはやはり、“蝿”に見えるような術が施されており、正体は未確認生物で等しく“蝿に近い何か”である事が分かったのだった。こうして蟲の新たな情報を得る事が出来たのである。

『そう言えばゾンビって……』
「アレは夢だったんだよ……」

 ふっと思い出され、その度に顔を覗かせるゾンビを信じまいとする瑠璃。そう、あれは泡沫の夢。夢………なのだ。
 こうして情報を得たのであったが、ゾンビの存在は未だに滅しておきたい瑠璃達なのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​


●公開資料:フランチェスコ・レディの実験

 実験でレディは、6つのびんを用意し、それを3つずつ2グループに分けた。
 それぞれのグループの1つめのびんには未知の物体を入れ、2つめには魚の死骸、3つめには生の子牛肉の塊を入れた。

 そして一方のグループはびんの口に目の細かいガーゼをつけて空気しか出入りしないようにし、もう一方には何もつけないでそのままにしておいた。

 ─────数日後、びんの口に何もつけなかった方はハエが自由に出入りできたため蛆がわき、ガーゼで覆った方には蛆はわかなかった。

 次に彼は、蛆を捕らえてそれが変態するのを待つ実験を行った。蛆はハエになった。
 さらに死んだ蛆やハエを動物の死体や生肉と一緒にガーゼをかけたびんに入れておいたが、蛆はわかなかった。

(ここでト書のように以下の記述のある付箋が貼ってある)

 ・あれに群がる蟲は非常に蝿と似ている。疑似化させるのであれば、之が適任である。
庚・鞠緒
POW

コトリバコの情報はあったけど、虫ねェ
イっちまったヤツの妄想って線もあっけど…ウチの耳にも聴こえるってことァそういうわけじゃなさそうだ

といっても探索中に羽音を聞いた以上の手がかりがイマイチなァ…
…ま、繊細な調査はほかのヤツに任せるとして、思いっきりやるか

天井裏は調査済みなわけで、残りは床下と壁の中だ
一応壁叩いて聞き耳立てて音が違うところがねェかとか
家の間取り確認して不自然なスペースがねェかとか確認して
でもなきゃ【第六感】でウチの鉤爪で壁切って開けてみたり
床板引っぺがして地下室でもねェか探してみるか
どーせ今更資産価値がどうとかうるさく言うやつもいねェだろ
遠慮なんてしないぜ


夷洞・みさき
人を呪わば穴二つ。だったかな。

コトリバコと虫の関連が見えないけれど…呪いであるなら、
僕の領域ではあるかな。

【WIZ】
彷徨う死人の死因を調べる。
呪いで狂っていても【呪詛耐性】を込めた釘を刺せば落ち着くかもしれない。

本当に彼らは”呪い”で死んだのだろうか。
コトリバコは標的が呪いを考えると、彼等が死んだのは”おかしい”。

つまり別の何か、それこそ呪いでもなんでもない様な。
仮に虫だとしても只の虫じゃないだろうし、それらを呼んだ形跡を探そう。
この隠し通路なら、コトリバコ作成に誘われて死んだ人の想いを集める仕組みもあると思うんだ。

だから同胞達、咎人を裁く為の証拠探しと行こうか。

宝探しみたいで、懐かしいね。



●殺人蟲
 順調にコトリバコの情報を得た庚・鞠緒(喰らい尽くす供物・f12172)と夷洞・みさき(海に沈んだ六つと一人・f04147)の2人の猟兵は、周囲の異変に気付き尚も探索を続けていた。
「コトリバコの情報はあったけど、虫ねェ」
 軽く掻くようにしながらそう述べる鞠緒は、虫の聴覚情報の共有をしながら考える。
「イっちまったヤツの妄想って線もあっけど…ウチの耳にも聴こえるってことァそういうわけじゃなさそうだ」
 最初こそ妄想という線も視野に入れていたが、音は自分達にも聴こえているのだ。先ずは無いとみて間違いはないだろう。それに対して、そうだね、と相槌を打ちつつ別の言葉をみさきが続ける。
「人を呪わば穴二つ。だったかな。────コトリバコと虫の関連が見えないけれど…呪いであるなら、僕の領域ではあるかな」
 やはり彼女からしても、コトリバコと蟲の関連性には疑問を持たざるを得ないようだ。彼女が疑念を感じていた事からもそれは見て取れる。

 兎も角、新たな情報を得る為にも2人は探索を開始する。(………彼女達は元々別行動であり、偶然にもみさきのいる場所へ鞠緒が合流した事で、協力体制を築いて現在に至っている。)
「といっても探索中に羽音を聞いた以上の手がかりがイマイチなァ…」
 鞠緒は周囲を見渡しながらそう言う。確かに、これといって確信に迫るような情報が得られていない以上詳しく調査をした方が良さそうだが、そこは趣舎万殊。個人の出来る事をやった方が賢明かもしれない。
「(…ま、繊細な調査はほかのヤツに任せるとして、思いっきりやるか)」
 鞠緒もまたそう考え、天井から床下や壁へと視線を向ける。
「(天井裏は調査済みなわけで…………残りは床下と壁の中か。何にせよ、虫ならどっちでも入る隙があるっつー訳だ。後は何処にその隙があるかってのが重要んんだろうが)」
 コンコン、とノックするように壁を叩いてみるも、劣化した壁の音が聞こえるだけで不自然な様子はない。それを確認すれば、今度は家の間取りを確認し始めるが、やはり此方も不可解なものではなくごく一般的なように感じる。
「(こりゃ本格的にねェな。………それか隠蔽すんのが上手いのか)」
 そう半ば情報は得られないかもしれねェな、と思案しつつ自身の第六感を信じて調査を進める。
 が、ここで床下の一点が脆くなっているように感じた場所を見つけた。しかも小さな穴があるようにも見受けられる。
『なら、確認するしかねェよな。─────切れろッ!!』
 視認した刹那、鉤爪で鋭く床の一部が抉り取られ切断された。それは彼女のユーベルコード【Follow the Reaper(フォロー・ザ・リーパー)】によるものであったが、見事にその床下に隠された何かを暴くには十分過ぎる攻撃であった。
「……………なんだこれ。……蟻か?」
 蟻にしては少し赤味を帯びているそれは、確かに虫ではあるが羽音の正体とは違う気がした。そう思いながらも鞠緒は、一旦情報共有をせんと考えみさきの元へと近付いていく事だろう。

 一方その頃、みさきはといえば館の探索中に見つけた情報から調べていた。
「成程。冷静に考えてみれば、あれは呪いではなかったのかもしれない、と」
『あ、あぁ。………でも何が原因かなんて分からない。もし死因を調べたいなら、放置されたままの死体があるからそっちを調べてくれ』
「分かったよ。確かに司法解剖的に調べた方が早そうだしね」
 本当に彼らが呪いで死んだとは考えにくい。何故ならコトリバコは呪いの媒体を作った本人には、基本的に呪いは付かないはずであるからだ。
 そうして呪詛耐性の針を刺す事で霊を落ち着かせ、死体の情報を得たみさきは、早速死因を調べてみる事だろう。
「(…………酷い腐れようだし、喰われようだ。それと水泡状の瘍が沢山出ているね)」
 視認する限りは、虫が群がり酷い状況であるのも分かったが、微かにどんな状態で死に至ったのかが分かった。
 そうすればみさきは分かる筈だ。これは呪いでもなんでもない、虫による死因であると。
 加えて鞠緒からの情報で、確実に死因と蟲についてが明らかになれば、みさきの推察が益々的中していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


 ─────そしてみさきは確認していくのだろう。
「鞠緒君が教えてくれた“蟲”のお陰で彼の死因が分かったよ。………多分その死は、激しい痛みを伴った筈だ」
 同胞と共に殺人蟲を暴き裁くように、霊体の死を慮るように。

「しかして此れは、赤褐色の悪魔の体をした魔術によって創られた蟲だった」

●公開資料:殺人蟲
 呪詛を吸収した虫は、“殺人蟲”となる事が判明した。そしてそれは記述にある虫によく類似している。情報は以下の通りである。

・アカカミアリ
 体長3mm~5mmの赤褐色を帯びた蟻。
 アルカロイド系の毒を持ち、刺されれば激しい痛みを伴う。
 また、患部は水泡状に腫れ、場合によってはアナフィラキシーショックを起こす事もある。

 死体に群がっていた虫も同様であり、迂闊に触ってはいけない。それは人肉をも喰らう脅威となってしまっていた。

・シデムシ(死出虫)
 体長3mm~最大3cmの黒く平たい蟲。
 本来であれば動物の死体を餌とし、その死体で繁栄している蝿の幼虫なども喰らっている。
 しかし呪詛の関係か、人体の死肉をも喰らう甲虫と化している。
清川・シャル
f08018カイムと

蟲…
どんな姿なんでしょう
うるさいの好きじゃないんですよね
必要な分をカイムが捕まえたら、
amanecerで虫除け超音波でも出して追い払っておきますか
気配だけ追跡とか

たすき掛けして、手袋します
体液とか嫌なので微量の氷ミストで若干凍らせながら

全力魔法、情報収集、第六感、野生の勘、医術(虫の構造的な意味で)、視力、失せ物探し(呪術の痕跡探し的な意味で)…
魔法で逆探知を試みますね

厄介そうなら最終…破魔

毒あったら嫌だから毒麻痺耐性

呪詛の気配が酷ければ、カウンター、呪詛で呪詛返し
抵抗とかうざいなら気絶攻撃

カイムのネットの情報収集結果は私が覗きます
生贄とかなら個体数が面倒だなぁ


カイム・クローバー
シャル(f01440)と行動
ん?何だ、この音…待て待て待て、近付いてきてねーか、これ!?何だってんだ!(銃口を向ける)
【S】
こいつは…虫…か?何匹か捕まえたが、シャルがこいつを調べたいらしいから、このまま解体するぜ。虫ぐれーは何てことねぇし。実験場だからメスねーかな?ありゃ、使うが無けりゃ俺のダガーで解体。解体前に写メ取っとくか。携帯でオカルト掲示板にアップして【情報収集】、グロ注意で情報求めるぜ。
その間に解体だ。シャルが言うには腹に仕掛けが施し易いそうだ。呪術の類はさっぱりだが、シャルなら何か掴めるかもしれねぇ。っつー訳で腹を中心に解体。時間が立ったら掲示板を…怖いからシャル、覗いてくれ



●呪詛と蟲と内部形態
 館内の探索を進めることで、コトリバコに関する情報を得る事が出来た2人は、引き続き“蟲”の調査に当たっていた。
 しかし調べていくとある事に気付ける。
「ん?何だ、この音………待て待て待て、近付いてきてねーか、これ!?何だってんだ!」
 そう、どんどんと蟲の羽音が近付いてくるのだ。その蟲の羽音に気付いたカイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)は、早速周囲に銃口を向けながら蟲の捕獲にも取り組む事だろう。
「蟲…………細微で視認出来辛いですけど、一体どんな姿なんでしょう」
 そんなカイムの様子を見て同様に手伝っているのは清川・シャル(バイオレットフィズ・f01440)。彼女も捕獲しようと奮闘するものの、中々にすばしっこい蟲は容易に捕まってくれる気配などない。そうして暫く孤軍奮闘すること数分。
「よっ、と!─────こいつは…虫…か?」
 ここでやっとカイムが蟲を捕まえる事に成功したのだ。……それは視認する限りは見た事のないように感じる蟲。飛んでいるが蜂とは似つかないし、かといって蛾のように大きい訳ではない。
「実践躬行。ここは解体した方が分かるかもしれませんね……という事で解体して見ましょう」
「確かに、百聞は一見にしかずって言うしな。ならここらへんに……なんかあった筈……よし、メスと後はピンとかもあるぜ?」
 2人でそう思案し、実行に移したのは解剖をするという事であった。解体をするという危険を顧みない思い切りの良い決断に、カイムも対応すべく道具をかき集めていく。運良く実験場のような場所とあってか、医療器具のその他諸々拝借する事が出来るだろう。
「まずは解剖する前に写メって、情報がないか掲示板に載せてみるか」
 カイムはそう述べると、オカルト掲示板にグロ注意のタグを付けて情報を求める事に。しかし彼女の方はと言えば羽音が五月蝿く集中が出来ない状況下に不満を口にし、対策を考えていた。
「解体するのにちょっと他の蟲が邪魔ですね……少し追い払いましょうか」
 そうシャルが思い至ると、amanecerから虫除け超音波を流す事で蟲を追い払う事だろう。そして大体の蟲が周囲からいなくなったのを確認し、自身の身に纏う着物の袖をたすき掛けして手袋も着用する。

 そうして準備が整えば、2人は解剖を開始したのである。
「体液とか出ないと良いですけど……」
「そうだな…でも氷のミストは多分要らないぜ」
「なんでですか?」
「直腸からそのまま掻き出すのだと傷つくかもしれねぇが、引き伸ばして血管を傷つけないようにするからな。仮に体液が出たとして少量の筈だ」
 そう話しながら、解剖皿の代わりにトレーいっぱいに水を入れて蟲を浸す。そして頭部と胸部の間にピンを指すと、メスでスっと切れ目を入れていく。
「うーん……虫の構造的には特別何かがあるって訳じゃあないみたいですね」
 ピンで開いた箇所を固定するようにしながら、そう述べる。前部と後部の消化管をハサミでしょきん、と切り落としていき、より見やすいように絹糸腺等も除去していく。………そうしていくと、刎と内蔵機器に毒が内包されているのではないかと気付く事が出来るだろう。結果として、カイムとシャルは毒性を持つ部位を見つけられたのだから。
「呪術も施されてるっぽいか?」
「施されてますね。しかも多大な情報量の」
 呪術痕の逆探知のお陰か、そう言った事も分かるだろう。
 …………そしてそれは掲示板にも、新たな情報として記述が成される。
「どうだ?何か分かったか?」
 確認をシャルに任せたカイムが恐る恐る聞くと、オカルト掲示板には呪詛と蟲の関係についてやら何やらが詳しく書き込んである事が分かる。
 それは凡そ2人が想像した通りであるのかもしれない。
 こうして2人は新たな情報を得たのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


●公開資料:プロトタイプの蟲について
 呪詛の影響を受ける事でプロトタイプの蟲(オリジナル)が発生した。それに関して記述をしていこうと思う。

 雄・雌ともに、孵化してから死ぬまで動物の血液をエサとする。
 また、数ヶ月~数年は何も食べずに生きることができる、飢餓に非常に強い蟲。多くは、春から秋(3月~11月)にかけて、活動が活発になる。

 ××××(重×熱性××××症×群)とは?
・19××年に初めて感染者が確認された感染症。
・主な症状は発熱と消化器症状で、重症化すると死亡することもある。
・××××の発生状況や診断、治療法等は、多方面に渡り研究調査が実施されている状況だ。

※自身の体重の10倍以上を吸血する非常に危険な蟲である。
シェーラ・ミレディ
集まった情報を確認するに、中々強力な呪具に仕上がっているようだなぁ。
何人の遺体が使われたことやら。……想像するだに、痛ましい。

さて。この気配から察するに、お次は虫か?
こんな屋敷だ、コトリバコとの関連も気にかかる。どれ、僕はその辺りの呪術的な側面から探ってみるか。

『艶言浮詞』を使い、精霊を使役して探索だ。
精霊たちならば、僕よりも魔術的な感覚が鋭いだろうからな。
彼ら、彼女らを手足のように用いて、何らかの痕跡がないか調べよう。

詳細に調査できるなら良し。
精霊が虫の呪詛や瘴気等に穢されるようであれば、UCを即座に解除する。
暴走されると厄介だ。……最低限、影響力が測れたなら良しとする。

※アドリブ&絡み歓迎



●蟲の在り処と子取り箱
 館の探索を行い、合流し猟兵同士協力し合ったり等している最中、シェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)は他猟兵から話を聞きつつ自身が得た情報と照合させていた。
「集まった情報を確認するに、中々強力な呪具に仕上がっているようだなぁ。一体何人の遺体が使われたことやら。………想像するだに、痛ましい」
 その実際に作り込まれたであろうコトリバコの情報を眺めてシェーラは述べる。様々な情報がこれまで出てきていたが、それを鑑みるだけでも沢山の人々を使って“実験的”にコトリバコが作られたのでは?という事は容易に想像出来るだろう。彼はそう思案しつつ周囲を見やる。
「さて。この気配から察するに、お次は虫か?──こんな屋敷だ、コトリバコとの関連も気にかかる」
 元来、コトリバコに蟲が関わるというのは聞いた事がない。シェーラもそれは同じであり、だからこそ気掛かりであった。部屋を一通り闊歩し、また考える。……確かにこれまでの情報のどれもが気になる事ではあるが、考えたとて易々と解決する事でもないだろう。
「………どれ、僕はその辺りの呪術的な側面から探ってみるか」
 彼はそう考え直すと、再び探索に戻る事だろう。

「(ただ、一人の感覚では図りきれない事も多いだろう。それなら精霊の力を借りた方が効率的にも良いかもしれないな)」
 歩を進めるシェーラは考えながら、痕跡の捜索を始める。魔術等の痕跡は試験的にコトリバコを作っていたのだから、在っておかしい事はないだろう。兎も角、何かしらの痕跡がないかを確かめる為にシェーラはユーベルコードを発動させる。
『おいで、僕に手を貸してくれ。』
 詠唱すれば様々な属性の精霊が複数個体、召喚された。これはユーベルコード【彩色銃技・口寄せ・艶言浮詞(アトラクティブガンアーツ・フラート)】によって成された召喚であった。そしてシェーラはそんな彼女&彼等の力を借りようと言うのである。しかし、それにもしっかり理由があった。
「……精霊たちならば、僕よりも魔術的な感覚が鋭いだろうからな」
 つまりは魔術的な観点において採用した、という事であったのだ。その推察はあながち間違っていないようで、精霊達は周囲を何か思わしげに飛び交ったあと、何かを辿るように移動し始める。彼もそれに気付き精霊達の後を追う事だろう。
「これは……もしかして隠し部屋か?」
 冷静に状況を鑑み、シェーラは辿り着いた場所を前に立たずむ。そして彼が聞けば精霊達も頷き返すだろう。加えて、他猟兵が前回のフェーズで手に入れていた情報と今自身の目の前に広がる光景を見比べていき、感覚を研ぎ澄まさせる事であることに気付ける。
「?………何だこの異臭は」
 それは死臭にも似た、つーんと鼻にかかる匂い。その不快感を覚えざるを得ない匂いに、やはり隠し部屋があり、そこに何かしらの死体がある証拠なのではないか、と推測出来る。
 そう考えるや否や、彼は隠し部屋への通路を見つけ周囲に蟲がいないか等も確認しつつ踏み入れていく。少し老朽化が進んだ館のフローリングがミシミシと音を立てていた。
 途中、蟲を視認すればそれは偶然か必然か………蟲が入ったそこは薄暗く視界の悪い隠し部屋であった。
「(どちらと言われれば、明らか後者の方だろう)」
 彼はそう思いつつ、慎重に入っていく事だろう。
 そしてそこには彼の考えた通りに死体があったのである。どうやら途中で見つけた蟲もここが発生源であったようである。
 かなり時間のおかれた死体には、気味が悪い程にワサワサと蟲が群がっていた。
「確かに、蟲が湧いて出る、とは言い得て妙だ」
 それを見て述べる彼は考える。そう、詰まるところ蟲が自然発生的に増えていると考えられていたそれは、全くもって自然発生ではなくこの蟲の生殖活動によるものであったのである。しかしこれが魔術的に何かを施されたのも事実。それを表すかのように、精霊達が此処に来た途端様子がおかしいなのだ。それはだんだんと黒ずみ、瘴気によって穢されているのが理解出来るだろう。
「(!……暴走されると厄介だ、やむを得ないな)」
 そう感じた刹那、暴走しないうちにユーベルコードを解除する。……残念だがもう此処で精霊を呼び出す事は出来まい。
 しかし精霊達によって影響力も測れたので、何も悪い事だけではなかった。それだけの成果を出したのだから。これによってコトリバコが出来た事による蟲が発生し、それに漬け込んで誰か…もしくはコトリバコの呪詛の影響で蟲が驚異的な変貌を遂げたのだと言う事も分かる筈だ。これでコトリバコと蟲については万事解決、と相成る事だろう。

「───だが悪い予感がするのは気の所為、か………?」

 彼がそんな一抹の不安が過ぎるのを残して。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『都市伝説』コトリバコ』

POW   :    カゴメ、カゴメ
全身を【囲む様に子供の霊を召喚、内部を安全領域】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    そして皆いなくなった
【コトリバコから敵対者を追尾する無数の小鳥】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    【常時発動型UC】子取りの箱
【自身から半径レベル三乗mの一般の女性、子】【供を対象に寿命を奪い衰弱させる状態異常を】【付与。また、奪った寿命でレベルを上げる事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。

イラスト:ALEC

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアララギ・イチイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 これまで散々探索を行い、その都度情報を得てきた猟兵達。
 蟲が何故発生したのかは死体を餌として繁殖をする蟲のせいで、………研究員が死んだのも蟲の毒にやられてしまったせいだと知る。
 しかもその蟲達は、今やただの蟲ではない。呪詛によって穢れた、等しくUDCに近しいものへと変容したものであった。

 それを確認した彼等が一堂に会する時、それは目の前に現れたのだ。

『……………………』

 少女の姿を模した“コトリバコ”は何も語らない。だが着実に猟兵達を追い込み倒すことで、完全復活を成し得ようとしている。

 ────いよいよ最終決戦。不完全に復活したUDCを猟兵達は倒さなければならない。そう覚悟を決めた君達は、ぼうと構える“子取り箱”へと向かっていくのであった。
清川・シャル
f08018カイムと第六感連携

本命さんいらっしゃいませ
そしてサヨナラですね
【P】
SchallVoice(歌唱、時間稼ぎ、鎧無視攻撃、先制攻撃、マヒ攻撃、祈り)
amanecer(催眠術、全力魔法、範囲攻撃、恐怖を与える、属性攻撃、衝撃波、破魔)
の組み合わせで子供の霊の浄化と、浄化成功後の音圧での攻撃

近づきたくない…
ぐーちゃんΩでUC(一斉発射、零距離射撃、念動力、目潰し、追跡、毒使い、早業、傷口をえぐる、操縦、スナイパー、クイックドロウ)
アサルトの弾とグレネード弾乱舞です

桜花乱舞(属性攻撃、全力魔法)で氷の矢を風魔法で追い風で攻撃

敵の攻撃対策に氷の盾を
カイムも気にかけておきます
背中は宜しくです


カイム・クローバー
シャル(f01440)と【第六感】で連携して行動
……っ!出やがった!こいつがコトリバコの正体って訳か。やっぱりUDCじゃねぇか。中身が分かりゃ、大した事ねぇ。このままケリ付けるぜ。
【S】
剣を使った近距離戦は分が悪いみてぇだから、距離を離しての銃撃で削っていくぜ。【属性攻撃】【二回攻撃】【なぎ払い】【早業】使ってUC。無数の小鳥ってのがどれぐらいの数か分からねーが、片端から撃ち落とすぜ。余裕がありゃ、直接銃弾をぶち当てるが、【援護射撃】でシャルの援護って形になる。
攻撃には【見切り】…いや、それより…あの箱、破壊できねーかな? 呪詛の魔道具だろうが、呪いの本元だろう?匂いを断つには元からってやつだ



●赤い赤い戦場
 ──────それは只々生気のない瞳を凪いで、紅い着物を僅かにはためかせ現れた。足元まで届く長い髪がゆらりと揺らぎ、その手中には寄木細工の赤が視認出来るかもしれない。
 そう、彼女こそが今回の事件をてびきしたUDCであった。
「……っ!出やがった!こいつがコトリバコの正体って訳か」
「……なるほど。貴方が、なんですね」
 突如として、カイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)と清川・シャル(ピュアアイビー・f01440)の2人の前に現れたUDCは、生きた人間とはまた違った虚ろな瞳で2人を見つめていた。憎悪とも嫌悪とも言える色を含んだ赤色の瞳で。
「今回ばかりは人間の呪術だとかそうゆうのが絡んでくるんじゃねぇかとも思ってたんだが……やっぱりUDCじゃねぇか。中身が分かりゃ、大した事ねぇ。このままケリ付けるぜ」
 少しも怯むことの無いカイムは、余裕綽々といった感じに且つ冷静にオルトロスを構える。その銃口は静かに敵を捉えていた。

「本命さんいらっしゃいませ─────そしてサヨナラ」

 しかしシャルのその言葉によって、コトリバコへの攻撃は開始される。2人には決して相談を行う猶予も与えられていなかったが、示し合わせたように絶妙なタイミングで何らかの合図を出し攻撃をし始めたのだ。 あの言葉こそが合図だったのかもしれないし、ただ単に阿吽の呼吸であるからにして合図などそもそも必要なかったのかもしれない。
 兎にも角にも戦闘が開始した所でまずは、シャルが自身の歌唱によるボイスをSchallVoice拾って、amanecerで拡散させていく。
「(音は人を癒すものにもなりますが、過ぎた大きさになれば人を傷つけます。────魔力構築、ジャミング用意完了、準備は上々ってとこですね)」
 初撃。
 カゴメカゴメを使用し安全領域を作り出していたコトリバコの、その周囲を囲む子供の霊達に向かって放たれる。
 それは鎮魂の祈りを捧げた歌。
 これによってUDCにとっては予想外の、子供の霊が浄化され防御壁が無くなる事態に陥る。加えて、そこに追い討ちをかけるように音圧での攻撃が為される事だろう。…………破魔の力とあらゆる属性が付与されたそれは、効果的にコトリバコへの攻撃となる。
「これで貴方を守る壁は無くなりました………!」
 彼女がそう言えば、オブリビオンも目をギョロりと動かしシャルを捉える。そして高威力な技を出す事が出来る無数の小鳥を、飛ばしてくるだろう。
「─────そうはさせない」
 ドンッ!!!!
 と一発、その小鳥へと見事的中する。それはカイムが放ったオルトロスによる一撃であった。
 だが、それは群れを成し益々猛攻を繰り広げていく。
『そうこなくっちゃあな!………It's Show Time!ド派手に行こうぜ!』
 電光石火の早業の如く放った技は、ユーベルコード【銃撃の協奏曲(ガンズ・コンチェルト)】。オルトロスから放たれる銃弾は、隅から隅へと小鳥を撃ち落としていくことだろう。
「カイム!ありがとうございます」
「おう!…あとはこのまま畳み掛けるとしようぜ!」
 彼の言葉に頷けば、シャルはぐーちゃんΩを構える。そして攻撃の照準をUDCに合わせ、ユーベルコードを使用した。
「(近づきたくない……)」
 先程から感じる睨めつけるような視線を払拭する為、ユーベルコード【爆竜戦華】が放たれたのであった。それはアサルト弾とグレネードの乱射であり、全てを避けるのは、とてもじゃあないが不可能に近いだろう。
 しかし絶え間ない攻撃に痺れを切らしたのか、オブリビオンは無数の小鳥達を増幅させ攻撃を放つ。鴉の濡れ羽色よりも黒いその鳥は、蹂躙せんが為に遅い掛かる。
 だがこれに対処出来ない猟兵ではない。
 シャルが桜花乱舞によって氷の矢を風魔法の追い風で攻撃したのだ。それは一匹一匹を的確に捉え、命中していく事だろう。
「ただ避けるだけが回避とは限りません。攻撃は最大の防御、ですから」
 カイムに背中を預けて彼女は言う。そこからは確かな信頼が汲み取れることだろう。

「(…いや、それより…あの箱、破壊できねーかな? 呪詛の魔道具だろうが、呪いの本元だろう?匂いを断つには元からってやつだ)」

 しかしカイムは考えていた………コトリバコを破壊出来ないかどうかを。そうして銃で狙ってみるも、中々に直撃させてはくれない。この事から、少なくともあれが本体なのではないかと予想出来る。

 こうして彼等はオブリビオンを的確に追い込み、また“本体”を知ることが出来るだろう。改めて、2人はそのUDCを倒す為に向かってゆく事だろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夷洞・みさき
どうも放っておいたら、蟲と君のよる被害は酷い事になっていたんだろうね。
だから、早めに力を落としてもらおうかな。

既に召喚主もいないようだし。君が何の為に呪うのかわかり様もないのかな。

それでも呪い殺すのが君の業なら、
僕は、僕等の業で君を叩きつぶそう。

さぁ、同胞達。ここに咎人が顕れた。

【WIZ】

釘を己に刺して【呪詛耐性】付与。
呪詛で弱体化を避けられない場合は、【UC六の同胞】に攻撃を任せる。

さすがに死人は呪えないよね。

動けるなら車輪による攻撃
衰弱時は【建物内の残る呪詛】と【呪詛耐性】を込めた釘をコトリバコに刺し、敵の内側に呪いを封じ込める。

死んだ人は救えないけど、呪いは此処に棄てて海に逝くといいよ。


木目・一葉
コトリバコと蟲、現す姿は少女
皮肉にすぎる
こんなもの、世に出してはならない

・戦闘
常時発動UCの範囲が広く、危険だ
封印しないとな
前衛で戦うが、無数の小鳥を召喚してきたらすぐ【地形の利用】で周囲の障害物を盾代わりにし、同時に【オーラ防御】をかけた斧も構えて【武器受け】を行う
同時に【カウンター】として素早く影の追跡者を放ち『影人の縫い針』を発動させてUC封印を狙う
また子供の霊を召喚した場合も同様のUCを放つ
小鳥を放つ技は派手だし、子供の霊の召喚も自ら視界を塞ぐのと変わらないから、見つけにくい影の追跡者とそこから放たれる縫い針には対応できないだろう

ここでの記録は回収して処分しよう
これが利用されないうちに



●戦果の封印
「どうも放っておいたら、蟲と君のよる被害は酷い事になっていたんだろうね。────だから、早めに力を落としてもらおうかな。」
 夷洞・みさき(海に沈んだ六つと一人・f04147)はゆらゆらと立ち尽くすオブリビオンへとそう投げかける。被害は相当なものと踏んだのだろう。
「それには僕も賛成だ。何せコトリバコと蟲、現す姿は少女だなんて……皮肉にすぎる。こんなもの、世に出してはならない」
 それに静かな怒りを滲ませながら同意を示すのは、木目・一葉(生真面目すぎる平凡な戦士・f04853)だ。コトリバコとは女子供を使用した呪術道具。そのUDCがそのどちらでもある少女の体を成しているとは、確かに皮肉にも程がある。
「それに既に召喚主もいないようだし。君が何の為に呪うのかわかり様もないのかな」
 みさきはそっと口元に指を押し当て、考えるように述べる。そしてふっと口元で笑うのだ。

「それでも呪い殺すのが君の業なら、僕は、僕等の業で君を叩きつぶそう
 ─────さぁ、同胞達。ここに咎人が顕れた」

 こうして戦闘が始められたのだが、一葉は改めて相手の技を視認し思案していた。
「(常時発動UCの範囲が広く、危険だ。一刻も早く封印しないとな)」
 彼女が考えるに、このオブリビオンの持つ技はそれぞれ危険な事は理解でき、それを利用しようとする悪鬼な奴もいないとは言いきれない。その為対処をしなければと考えていたのだった。そうして前線で戦っていると、オブリビオンは無数の小鳥を召喚してくることだろう。
「(来た……………!)」
 すると彼女は軽々と回避し、周囲の障害物をも利用する事で身を守る盾代わりとして活用する。同時にオーラ防御を纏わせた斧を構えて、武器で攻撃を受ける。
 しかし、ただ受けるだけではなかった。
 彼女が狙っていたのは、相手からの攻撃を一時的に受ける事による“カウンター”であったのだ。
『─────疾れ、影のトモダチよ』
 まず前段階的にユーベルコード【影の追跡者達の召喚】を放つ。これは見事的中した。
 そして。
『影よ、仇なす業を縫いつけよ─────!』
 続けて発動したのはユーベルコード【影人の縫い針】。これは影の追跡者が命中した相手のユーベルコードを封印するものだが、コトリバコにはこれが当たっていたので彼女の思惑通り封印する事が出来るだろう。
 なにせ小鳥を放つユーベルコードは派手、子供の霊の召喚も自らの視界を封じているのに同じ。……つまりは見つけにくい影の追跡者とそこから放たれる縫い針には対応できないだろう、という事であった。
 しかしここで終わるオブリビオンではない。
 オブリビオンが無数の小鳥を召喚してきたのである。その容赦のない攻撃が一葉に降りかかる。
「……………!」
 これにみさきが応じる事で対処していく。…………咄嗟にでた攻撃では、意識を逸らす程度にしかならないかもしれないが。
「………UCを封じてくれたのは有難いけれど、君、もしかしてそれは“命を削るUC”だったりしないかい?」
 みさきからしてみれば明らか、ユーベルコードを使う前と使った後では後者の動きが悪くなっていると気付いた。あんななんの捻りもない攻撃を、一葉が避けきれないだなんて、そんな事あるはずが無い。そうこれまで行動をしてきた中で感じていたからだ。
「……………………」
 一葉はみさきの言葉に、少し黙るが、静かに頷き返す。
「ふふ、そうかい。本当にありがとう…でも、後は僕に任せるといい。─────だから、解除して?」
 くすりと微笑み返した彼女は、一葉にユーベルコードの封印解除を促す。一葉は本当に大丈夫なのか、とそう問いかけるが要らぬ心配かもしれない、と感じるかもしれない。彼女もまた、行動を共にしてきてみさきが考えなしにそんなことを言う人物ではない事が分かっていたからだ。
 そうしてユーベルコードの封印を解除すれば、常時発動型のユーベルコードがまた発動することだろう。
 しかしみさきがこれに対処していく。

『澱んだ海の底より来たれ。身を裂け、魅よ咲け。我ら七人の聲を、呪いを、恨みを、羨望を示そう。忘却した者達に懇願の祈りを込めて────』

 そしてユーベルコード【忘却祈願・我は我等なり(ボウキャクキガン・シチニンミサキ)】を使用し、同胞達と共に封印に再び取り掛かるのだ。
 車輪による攻撃をしながら、建物内の呪詛、そして呪詛耐性を込めた釘を隙を見計らって打ち込む事によって、敵自身に呪いを封じ込める事に成功するだろう。

「……………死んだ人は救えないけど、呪いは此処に棄てて海に逝くといいよ」

 こうして彼女たちもまた、コトリバコに多大なダメージを与えユーベルコードも封じる事が出来たのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四季乃・瑠璃
UCの効果で分身。更にシスターズで翡翠継続

緋瑪「コトリバコの噂、というより箱の化身みたいな感じかな…?」
瑠璃「実際に箱は作られたみたいだし、そうかも…」
翡翠「それより、私達は呪いの対象みたいだね…明らかに力が出ない…」
瑠璃「長期戦は不利かも…短期決戦で仕留めよう!」

3人で連携戦闘
攻撃は【見切り、第六感、残像】で回避。
小鳥をK100の銃撃や【範囲攻撃、鎧無視】接触式ボムで敵本体諸共吹き飛ばす。
カゴメも構成する子供の霊をボムや切り札のジェノサイドノヴァで爆破して攻撃。
ラストは魔力を集中した【ジェノサイドブレイカー】で仕留めるよ。

※アドリブ等歓迎

おまけ
放置されたゾンビ「…ヴァァー…」(出番は…)



●絶、反撃の刻を剞む
 いよいよコトリバコの元へと辿り着く事が出来た、ユーベルコードの効果で顕現している緋瑪、シスターズに憑依させた翡翠、そして瑠璃の3人は相手と対峙しつつも話し合う。
『コトリバコの噂、というより箱の化身みたいな感じかな?』
「実際に箱は作られたみたいだし、そうかも…」
[それより、私達は呪いの対象みたいだね…明らかに力が出ない…]
 翡翠がそう言うと、瑠璃と緋瑪の2人も顔を見合わせる。先程から力が出ないと思ったらそう言う訳か!とそういった感じに。
 そう、このオブリビオン。厄介な事に常時発動型ユーベルコードを持ち併せており、女性や子供を対象に弱体化させる力があったのだ。それ故、女性である3人も力が思うように発揮出来ないのである。
「長期戦は不利かも…短期決戦で仕留めよう!」
 これを見た瑠璃は緋瑪と翡翠にそう言うと、2人も頷き返して早速短期決戦に挑むことだろう。

『まずはボムいっくよー!』
 先んじて緋瑪と翡翠がやった事は、ジェノサイド・ボムを魔力により接触式ボムとして生成し、本体へと投げ込むことであった。接触式のため、小鳥に当たれば小鳥諸共破壊し、オブリビオンに当たればオブリビオンへの攻撃となる。
「ううん…………なかなか減らないな、っと。この小鳥も中々に高威力だね」
 一方瑠璃はと言えば、UDC-K100カスタムで無数に召喚された小鳥を各個撃破していた。高威力の攻撃を放つ小鳥は、弱体化している今、当たってしまえばひとたまりもない。
 拳銃を構えて、標準を定める。そして撃つ。
 この繰り返しと、ボムの破壊音が轟と鳴り響く。
「出来ればこのまま倒れてくれるといいんだけど…!」
 少しづつ少しづつ、しかし着実にコトリバコへのダメージを負わせていく3人の見事な連携はどうやら効いているようで、瑠璃も手応えを感じていた。
 が、オブリビオンも一筋縄では倒されない。
[あ………………っ!]
『うわ、弾かれ、た…………?』
 ここでオブリビオンが技を使用してきたのだ。
 子供を召喚し自身の周囲を囲ませる事で、一切の攻撃を受け付けない………カゴメ、カゴメという技を。縦横無尽に放っていた筈のボムが弾かれ、不発弾となって地面に転がり落ち、そこが破壊される。図らずも自身に返ってくる形となった為に、緋瑪も翡翠も思わずよろめいてしまうだろう。
『………これじゃあ、何も攻撃が効かせられないよ!』
[いや、諦めるのは早いよ。ほら、私達には他の人では成し得ないような事が出来るでしょ?──だから、緋瑪も瑠璃も少し頼まれてくれないかな。……私に考えがあるんだ]
「考え?」
 瑠璃が問えば頷き返す。そうして、どうしたものかと考えあぐねていた2人に述べた翡翠は、自分の考えた打開策を話して聞かせた。
「成程…それならワンチャンいけるかも……!」
『わたしも乗った!』
 すると2人もそれに賭ける事にしたようで、早速準備をし始める。
 瑠璃と緋瑪が魔力を凝縮し溜め、分子レベルでそれが視認出来るまで圧縮された時、反撃の鍵となるジェノサイド・ノヴァが生成されたのだ。
[…………2人共、借りるね]
 そうして幾数倍にも威力が跳ね上がったそれを囲む子供に正確に翡翠が投げ込むと、子供が倒れ伏す事で、その絶対的な守備の均衡が崩れる事だろう。

[今だよ!瑠璃!緋瑪!]

 それと共に翡翠の号が飛ぶ。

「行くよ、緋瑪」

「行こう、瑠璃!」

「「これが(私/わたし)達の全力全壊!ジェノサイドブレイカー!!」」

 高濃縮且つ超高威力の集束魔力砲撃が、コトリバコに重く放たれる。凄まじい魔力と威力を纏ったそれは、コトリバコをかなり弱体化させるのには十分過ぎる程の威力であった。
 こうして3人も、思った以上の意趣返しをする事が出来て喜ぶ事だろう。

 ─────背後から来る、とある声を聞くまでは。

「ヴァアアアアアア………………!」

「「「なんで今更出てくるのーーー!?」」」
 コトリバコとの戦いの他に、ひょっこりゾンビとの戦いが幕を開けた瞬間であったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月10日


挿絵イラスト