アヤカシエンパイアのとある山中、そこに建てられた邸宅。それは強力な妖の出現を監視し即座に対応する為の要衝である。人知れずアヤカシエンパイアの平穏を護る要のひとつ――その邸宅の門扉に禍々しくも突き刺さった矢には文が括りつけられていた。
この邸宅を妖に対する要と知っての所業であるならば、よほどの妖であろう。そうでないならば、よほどの愚か者か。文から漂う妖気は前者であろうと踏んだ当主は、守りを固めると共に一騎当千のつわものである猟兵達へ救援を要請することに決めたのであった。
「皆も知っている通り、アヤカシエンパイアの貴族達は全員がユーベルコード使いであり平安結界を護る戦闘に長けた者達だ。そんな彼らが手を貸してほしいというのだから、猟兵としては見過ごせないだろう?」
宴も開かれているので、少しばかり楽しんでから着替えてもいいし、花嫁衣裳選びに時間を費やしても構わない。妖が現れるのは夜、それまでに支度が出来ていれば問題はないのだから。
そう言って、鴇は煙のように形の定まらぬグリモアを呼びだすと、ゲートを開き猟兵達を見送るのであった。
波多蜜花
閲覧ありがとうございます、波多蜜花です。
お前もアヤカシエンパイアで生贄の花嫁にならないか? というシナリオです、コメディでもシリアスでも、皆様のよきようになさってくださいね。
●プレイング受付期間について
タグでのご案内となります、参照いただけますと幸いです。
●できること
第1章『貴族の宴』
宴を楽しんだり、ガチめに花嫁衣裳を選んだり、楽しく過ごしてくださいませ。できそうだな~という事はプレイングに記載してもらえれば概ね通ります、
POW/SPD/WIZは気にしなくて大丈夫です。
第2章『悪霊陰陽師』
花嫁姿で敵を油断させてからの戦闘となります、シリアスでもコメディでもお好きなスタイルでどうぞ!
第3章『秘境にたたずむ湯治宿』
ボス戦のあとのお楽しみ、秘境の温泉でゆっくり疲れを癒していってください。
宿屋で出来そうな事はだいたい通ります、公序良俗に反するものは通りません。
この章に限り、プレイングでのお声掛けがあれば当方のグリモア猟兵がご一緒します。
POW/SPD/WIZは気にしなくて大丈夫です。
●同行者について
同行者が三人以上の場合は【共通のグループ名か旅団名】+【人数】でお願いします。例:【花嫁3】同行者の人数制限は特にありません。
プレイングの失効日を統一してください、失効日が同じであれば送信時刻は問いません。朝8:31~翌朝8:30迄は失効日が同じになります(プレイング受付締切日はこの限りではありません、受付時間内に送信してください)
未成年者の飲酒喫煙、公序良俗に反するプレイングなどは一律不採用となりますのでご理解よろしくお願いいたします。
それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております!
第1章 日常
『貴族の宴』
|
POW : 大いに飲み食いし、主催者のもてなしを褒め称える
SPD : 他の参加者と共に遊戯や歌に興じる
WIZ : 花や月を愛で、その美しさを語らう
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
白矢羽・尭暁
【主従】
れーくん、花嫁衣裳だって!
れーくんは美人だからどれきても似合いそうだよね
僕はどれにしようかなぁ
え、僕も着るよ?だって妖も油断するっていうし、利用しない手はないよ
僕はこの花の白無垢にしようかな
白地に光沢のある糸で花が縫い取られている…
わ、結構重いな
…でも黒いのも格好いいな
花嫁衣裳っていろいろあるんだね
れーくんのは鳳凰かぁ
君といえば青竜って思うけれど鳳凰も良く似合うよ
れーくんにもそのうちお嫁さんができるのかなぁ
僕もそのうち…とは思うけれど
ふふ、君にずっと守ってもらえるなら僕も、きっと未来にいる子も安心して過ごせるね
それがいつなのかはわからないけれど
その手を取り微笑んで
うん、では行こうか
冷泉・辰乃丞
【主従】
生贄、ならば私が花嫁に(きり
美人…私が、ですか?(己の容姿無自覚
違和感がないと良いのですが
尭暁様もお召しになられるのですか?
尭暁様の美麗さが、妖をより呼び寄せないか心配ですが…
私が傍でお守りいたします
では、私も白無垢を
顔を隠せるよう綿帽子着用
花嫁にしては長身故に、大胆な鳳凰柄で
主の着付けも従者の私が
流石は尭暁様、お美しい
重さに関しては、私は問題なく動けますので
(一見スン顔だが、鍛えておりますし、みたいな得意顔な機微
私は以前も申したように、所帯を持つ予定はありません
尭暁様と、そして誕生された御子様をお守りするべく尽力する所存です
慣れぬ装束、足元にお気を付けください
お手を、と差し伸べながら
●無垢なる色に未来をのせて
アヤカシエンパイアの貴族からの応援要請――そこに一番手としてやってきたのは、本来であれば貴族達がその存在を妖から隠蔽しなければならない皇族の血筋を持つ|白矢羽・尭暁《しらやば・たかあきら》(金烏・f42890)と彼の従者である|冷泉・辰乃丞《れいぜい・しんのじょう》(青の鎮魂歌・f42891)であった。
何か言いたげな貴族に向かって尭暁はただ鷹揚に笑みを向け、辰乃丞は表情を崩さぬまま小さく首を横に振る。それだけで貴族達は何かを悟ったのだろう、諦めに満ちた表情を何とか隠しつつ、せめてもとばかりに見栄えの良い場所へと案内してくれた。
「れーくん、花嫁衣裳だって!」
屈託のない笑みを浮かべ、尭暁がずらりと用意された花嫁衣裳に視線を向ける。古式ゆかしい衣装から、他世界からの文化を取り入れたドレス、和と洋を取り入れた斬新なものまでと集めに集めた婚礼衣装だ。
「これが贄のための衣装だって、贅沢な妖もいたものだね」
身の程知らずな、と尭暁は言葉にせずに目を柔らかく細める。
「贄、ならば私が|花嫁《囮》の役目を引き受けましょう」
「れーくんは美人だからどれきても似合いそうだよね」
パッと表情を変え、尭暁が笑う。
「美人……私が、ですか?」
己の容姿に無頓着な辰乃丞が、美しいのは尭暁様でしょうにと軽く小首を傾げてすぐに元に戻す。そして主に褒められたのだから立派な花嫁になってみせようと、どの衣装がいいかと吟味する。
「私が着ても違和感がないと良いのですが」
顔周りを隠すとはいえ、身長もそれなりにあるのだ。誤魔化しのきく衣装がいいだろうかと、辰乃丞が白無垢とドレスを見比べる。
「僕はどれにしようかなぁ」
「尭暁様もお召しになられるのですか?」
「え、僕も着るよ? だって妖も油断するっていうし、利用しない手はないよ」
それもそうか、と辰乃丞が納得しかけ、いやしかしと眉根を寄せる。
「尭暁様の美麗さが、妖をより呼び寄せないか心配ですが……」
「寄ってくるなら、こちらの思う壺だよ」
「……では、私が傍でお守りいたします」
「ふふ、よろしくね」
僕の従者は心強いね、なんて言いながら尭暁はふと目を向けた白無垢を手に取った。
「僕はこの花の白無垢にしようかな。白地に光沢のある糸で花が縫い取られている……わ、結構重いな」
随分と値の張るものではないかと尭暁が目を瞬かせ、その重さに驚く。もう少し軽いものはないかと視線を彷徨わせると、黒の引き振袖が見えた。
「……黒いのも恰好いいな。花嫁衣裳っていろいろあるんだね。迷っちゃうな」
「そうですね、お色直しという言葉もありますから、実際の花嫁は幾つか衣装を選ぶのでしょう」
とはいえ、今回選ぶのは一つだけ。悩んだ末に尭暁は白無垢に決め、辰乃丞も当たり前のように白無垢を選ぶ。
「顔を隠せる綿帽子が被れるのはやはりいいですね」
柄は高身長ということもあり、大胆な鳳凰柄に決めると尭暁がひょいっと衣装を覗き込んで笑う。
「れーくんのは鳳凰かぁ。君といえば青竜って思うけれど鳳凰も良く似合うよ」
「ありがたきお言葉、では着付けを致しましょう。すべて私にお任せを」
主の着付けであれば、従者たる辰乃丞の役目。それが白無垢であろうとも、着付けるだけの腕は持っているときびきびとした動きで尭暁の着付けを済ませた。
「流石は尭暁様、お美しい」
「ありがとう、でもやっぱりちょっと重いな」
椅子に座って辰乃丞が白無垢を着るのを眺めつつ、尭暁が呟く。
「重さに関しては、私は問題なく動けますので」
心配召されぬよう、と頷くその顔はいつも通りの無表情に近いものだったが、僅かに得意気にも見えて尭暁が頼りにしているよと微笑んだ。
「れーくんにもそのうちお嫁さんができるのかなぁ」
白無垢を身に纏う辰乃丞を見つめ、尭暁がなんとなく思ったことを口にする。
「私は以前も申したように、所帯を持つ予定はありません。尭暁様と、そして誕生された御子様をお守りするべく尽力する所存です」
「僕もそのうち……とは思うけれど。ふふ、君にずっと守ってもらえるなら僕も、きっと未来にいる子も安心して過ごせるね」
血を繋いでいくのも、皇族の役目なれば尭暁に否はない。それがいつなのかはわからないけれど、子孫の暮らす未来が明るいものであればいい。だから、今はまずやってくるであろう妖を倒さなくては。
「慣れぬ装束、足元にお気を付けください」
お手を、と辰乃丞が差し出す手を取り、尭暁が微笑む。
「うん、では――」
妖退治と洒落込もうか、と尭暁は辰乃丞と共に大広間へと向かうのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ナルニア・ネーネリア
猫たちは常にコンビの猫たち
猫たちは猫たちなので猫たちらしくあればなんでもOK
人語は理解するけど返事はにゃー
猫は賢い猫なので猫の可愛らしさを理解している
この世界で多様性なるものが理解されるか知らんけど
猫の尊さは世界共通・奴隷(人類)共通と察する
奴隷より花嫁とは主役と聞いたことがある
しかし猫たちは常に主役、猫たちこそ主役
つまり猫たちが花嫁さんとやらになってみんとす!
ナルニアは和風
ネーネリアは洋風でそれぞれデコデコされよう
さー奴隷たちよ、猫たちを思う存分可愛くするのだー!!
ついでに愛でてよし、撫でてよし、
おやつをよこせ、よきようにせよ(ゴロゴロゴロ
●猫だって花嫁
ナルニア・ネーネリア(GoGo★キャッツ・f41802)は猫である。正確に言えば、ナルニアとネーネリアのどちらかが猫でどちらかがグリムなのだけれど、どっちも可愛いのだから二匹とも猫でいいじゃない案件なのだ。
さて、そんな猫達がグリモア猟兵の話を聞いて、やってきたのはアヤカシエンパイア。猫達は猟兵なので、堂々とした態度で貴族の邸宅に入り、堂々とした態度で広間へと進む。
「猫だ……」
「猫だわ……」
「猫……猫の猟兵……!」
ざわ、とした大広間の中央で、ナルニアとネーネリアは『にゃー』と鳴く。この二匹にとって、人間とは猫を崇め奉り時に可愛がり、時に吸ってきたりする――奴隷のような存在。この世界で多様性なるものが理解されるかは知らぬことなれど、|自分達《猫》の可愛さ尊さは世界共通であり、アヤカシエンパイアであろうとも――。
「か、可愛い!」
「こっちにおいで、美味しい御飯があるよ」
「お魚の骨を取ってあげますからね」
――これこの通りである。
「にゃー」
美味しい御飯も食べたいけれど、過去に聞いた話によれば花嫁とはその場の主役であるとか。しかし猫達は常に! どんな場所であろうとも! 主役なので! つまり? ナルニアとネーネリアが主役な上に、花嫁さんとやらになれば最強無敵の可愛さなのでは?
「|にゃー、にゃんにゃにゃ!《花嫁さんとやらになってみんとす!》」
ナルニアとネーネリアは猫ゆえに、にゃーとしか鳴けないけれど。猫達の意を汲むのが|人間《猫奴隷》なのだ!
「にゃー」
「はい、和風の装いですね」
「なーーう」
「こちらは洋風の装いと、腕が鳴りますわ!」
ナルニアは和風、ネーネリアは洋風で|デコデコ《デコレーション》されたい、そんな二匹の意志を感じ取った人間達はあれでもない、これでもないと奔走する。
「|にゃんにゃ~~~にゃ!《さー奴隷たちよ!》」
「|にゃう、にゃにゃーん、にゃーん!《猫達を思う存分可愛くするのだー!》」
仰せのままに! なんて楽しそうな人間達が、ナルニアとネーネリアを着飾っていく。
黒猫であるナルニアには動きにくくないように配慮した白無垢に角隠し、更には花飾りなんかも付けて可愛さが有頂天。キジ猫であるネーネリアには白い洋風ドレス、レースとフリルがこれでもかと使われた繊細な衣装はかわいさが天元突破。
これには二匹もご機嫌で喉を鳴らすというもの。
「|ゴロゴロゴロにゃ~~~ん《褒めてつかわす、褒美に愛でてよし、撫でてよし》」
「|んにゃ~~んゴロゴロゴロ《ついでにおやつをよこせ、よきようにせよ》」
可愛さをマシマシにした二匹は妖が来るまでの間、存分に撫でられ美味しいものを食べ、この宴を満喫したのであった。
大成功
🔵🔵🔵
神白・みつき
◎
生贄でございますか…
確かに民間の方にお願いすることではありませんね
元より神器に身命を捧げてはおりますが
妖の油断を誘えるよう尽力いたしましょう
花嫁衣裳と聞くと白無垢を想像してしまいますが
思っていた以上に種類が多いのですね
あまり詳しくありませんので
邸宅の方にお話を伺いながら選べたら大変助かります
いつ途絶えるとも知れぬ人生
少なくとも使命を遂げるまではこういった衣装に
袖を通す機会は無いだろうと思っていました
目出度い門出に着る衣装ですから
その先にあるのが不本意な結末であるべきではございません
襟を正し、確と御役目を果たしましょう
●真白な道の先に
「生贄でございますか……」
生贄、という言葉に神白・みつき(幽寂・f34870)は僅かに眉根を寄せる。古来より生贄や供物という文化はどの世界でもあるものだが、妖が求めてきたとなれば確実に人を喰い力にするのが目的だろう。
「どのような目的であっても生贄など許されるものではございませんが……確かにこれは民間の方にお願いする事ではありませんね」
しかも結界を護る貴族の邸宅を狙って、とあれば余計にだ。
「この身は元より神器に身命を捧げてはおりますが、妖の油断を誘えるよう尽力いたしましょう」
花嫁を贄に寄こせとは、強いお灸をすえて差し上げねばと思いながら、みつきは花嫁衣裳が用意されている広間へと向かう。案内されて入ったその部屋にはずらりと花嫁衣裳が並び、聞いていた通り和装から洋装と多種多様だ。
「思っていた以上に種類が多いのですね」
花嫁衣裳と聞いて思い描いていたのは白無垢であったが、色打掛に黒の引き振袖、更には様々な色のウェディングドレスが見えて、みつきはパチリと目を瞬いた。
どれもこれも素敵だと思うけれど、残念ながらみつきは花嫁衣裳に詳しくはない。どれにしたらいいのかわからず、困ったように眉を下げた。
「もしよろしければ、わたくし共がお手伝いいたしましょうか」
「まあ、とても助かります。私だけでは選べなくて……よろしくお願いいたします」
みつきの言葉に女房達が頷いて、まずは和装と洋装のどちらがいいかとみつきに質問していく。みつきが動きやすい方が良いと洋装を選べば、更にその中から彼女に似合いそうな形や色のドレスを持ってきてくれるのだ。
「色はやはり純白の方が花嫁らしさがあるでしょうか?」
「では純白のドレスに致しましょう、形はどのようなものがお好みですか?」
「それでしたら、こちらかと」
女房が出してきたのはエンパイアドレスと呼ばれるもので、胸したから切り替えのあるドレス。確かに動きやすそうだと頷けば、てきぱきと着付けが行われ、切り替え部分には帯で作られたリボンを結べば洋装ながらも和の趣がある花嫁の出来上がりである。
「これはまた……とても素敵です。ありがとうございます」
いつ途絶えるとも知れぬ人生の中で、こんなにも華やかな花嫁衣裳に袖を通す機会は無いだろうと思っていたけれど――鏡の中の自分はどこか嬉しそうにも見えて、みつきは一度目を閉じて。
これは目出度い門出に着る衣装、その先にあるのが不本意な結末であるべきではない。自分が為すべきことは一つ、そう思いながらゆっくりと目を開き。
「襟を正し、確と御役目を果たしましょう」
凛とした声を響かせて、みつきは舞台となる大広間へと向かうべく足を踏み出した。
大成功
🔵🔵🔵
筧・清史郎
【雅嵐】
ふふ、らんらんはもう何度も着ているからな
俺は初めてかもしれない(わくそわ)
初めてのことはなんだって心躍るからな
らんらんの衣裳は華やかだな
よく似合っている、さすが経験者の着こなしだ
藍色の地に金か、相性が良さそうな組み合わせだな(にこにこ)
しかし着用の際、尻尾はどうなるのだろうか…
必要ならば俺が持つぞ(トレーンベアラー的な謎感覚
…そうか、今日は尻尾は隠れているのか(残念そう
俺は…そうだな、白の十二単にしようか
格式が最も高く、皇族のみ許された婚礼の装いとのこと
このような機会だ、それも許されるだろう
ふふ、重さも問題はないな
どうだろう、似合うだろうか?(めちゃ雅やか!
では参ろうか(謎に美しい所作
終夜・嵐吾
既に花嫁衣裳経験者のわしにぬかりはない
あれは水着か…ん…いやその前にしとるな…しとったな…
わしはもう白無垢は何回か着とるし(?)ええかな~
じゃから色打掛にするかの~、派手なやつがええな!
赤もええけど~赤はの~
橙か~明るい色はなんか好きじゃないの~
あっ、これは地味に見えて派手じゃ!
藍地に金と銀で派手な刺繍がしてあるの!ずっしり…重いの…
でもこれにしよ、わしに似合うものはわしが一番わかっとる!
尻尾? 尻尾は持たんで大丈夫じゃよ
打掛の下にあるからの
せーちゃんはどれにしたんじゃ~?
十二単とは豪奢な…
めちゃくちゃ似合っとるよ、さすがせーちゃんじゃな
なんかこう、まぶしさが…ある、の?
うむ、いくかの!
●煌びやかで、雅やか
ずらりと並んだ花嫁衣裳を前にして、筧・清史郎(桜の君・f00502)は初めての花嫁衣裳体験にわくわくそわそわしながら、共にやってきた終夜・嵐吾(灰青・f05366)を見遣った。
「らんらんは何を着るのだ?」
「そうじゃの~、わしは花嫁衣裳経験者じゃからな~どれがええかな~」
なんとこの美丈夫、既に花嫁衣裳経験者である。どうして。
「白無垢も何回か着とるし……あれは水着か……ん……いや、その前にしとるな……しとったな……」
白無垢風花嫁水着、何を言っているのかと思うかもしれないが本当に白無垢風花嫁水着なので、これはカウントに入る。ドレスも着ているし何だったら予行練習もしたな……と嵐吾が少しばかり遠い目をして、花嫁衣裳を眺めた。
「ふふ、らんらんはもう何度も着ているからな」
白無垢風花嫁水着の原因は清史郎なのだが、それはそれ。
「む、もしかしてせーちゃんは初めてかの?」
「ああ、俺は初めてかもしれない」
うっかり何処かで着ていたとしても、覚えていないのであれば今回が初めてだ、と清史郎が微笑む。
「初めてのことはなんだって心躍るからな」
そう、それが花嫁衣裳を着ることであっても、だ。
「そうじゃの~、それじゃあどれにするか選ぶとするかの~」
さっさと決めなければ一日中掛かってしまいそうな衣装の数に、嵐吾はまずは和風か洋風かと清史郎に問う。
「そうだな……洋風も捨て難いところだが、今回は和風がいいな」
「それならこっちじゃの~」
白無垢に色打掛、引き振袖、更には十二単などもあり、嵐吾は白無垢は何回か着ていることだし色打掛にしようと決める。
「せーちゃん、わしは色打掛に決めたんよ。どうせなら派手なやつがええな!」
「どれ、色打掛か。これもたくさんあるのだな」
まずは柄、そして色も多種多様で、清史郎がどうするのだと視線を向けると、嵐吾は衣紋掛けに掛けられた打掛にざっと視線を走らせた。
「赤もええけど~赤はの~」
「ならば、橙はどうだ?」
「橙か~明るい色はなんか好きじゃないの~」
赤に橙、水色に薄黄色、ピンクに黒にと眺めていき、嵐吾が視線を止めたのは藍色の打掛。
「あっ、これは地味に見えて派手じゃ! 藍地に金と銀で派手な刺繍がしてあるの!」
「藍色の地に金か、相性が良さそうな組み合わせだな」
「そうじゃろ、そうじゃろ。わしはこれにきめ……ずっしり……重いの……」
そうじゃった、着物は重いんじゃ……と嵐吾が腕の中の重みにへこたれそうになりつつも、これが一番似合うんじゃ! と意気込んだ。
「だが……着用の際、尻尾はどうなるのだろうか……」
「尻尾?」
「そうだ、必要ならば俺が持つぞ?」
花嫁のドレスの裾を持つかのように、清史郎がジェスチャーでこう、としてみせる。
「せーちゃん、尻尾は持たんで大丈夫じゃよ」
「何故だ?」
「打掛の下になるからの」
「……そうか、今日は尻尾は隠れてしまうのか」
どこか残念そうな顔をする清史郎に、あ、これもふりたかっただけじゃの、と嵐吾が察してススス……と着替えに向かった。
「尻尾はなくとも、らんらんの衣装は華やかでいいな。さて、俺はどうしたものか」
嵐吾とお揃いで色打掛にするのもいいが、初めての花嫁衣裳だ。ここはやはり白がいいのではないか、と清史郎が白い衣装を物色していると、手慣れた女房達に着付けてもらった嵐吾が戻ってくる。
「おお、さすがらんらん! よく似合っている、これが経験者の着こなしというやつだな」
「そうじゃろ、わしに似合うものはわしが一番わかっとる!」
「これで尻尾があれば、もっとよかったと俺は思うぞ」
「そうじゃの~~?」
そうかの~~? という顔をしつつ、嵐吾は曖昧に笑う。どうせなんかあとでもふられるんじゃろ、わし……という諦念を感じられる笑みだった。
「ところでせーちゃんはどれにしたんじゃ~?」
「俺か? 俺は白の十二単にしようかと思う」
「十二単とは豪奢な……」
白の十二単といえば、皇族のみに許された婚礼の装い。けれどここに用意されているということは、皇族からも許しがあるという事だ。
「俺も着替えてこよう」
優秀な女房達が総出で着替えを行い、あっという間に清史郎を美しい花嫁に仕立て上げる。
「ふふ、重さも問題はないな」
戦うのにも支障はない、これならば妖の油断も誘えるというものだ。
「らんらん、どうだろう、似合うだろうか?」
「めちゃくちゃ似合っとるよ、さすがせーちゃんじゃな! なんかこう、まぶしさが……ある、の?」
上品な光沢を放つ白の十二単、それを着こなす清史郎の立ち姿は雅の一言に尽きる。二人が並び立てば、煌びやかな上に雅やかで、これならば妖も極上の贄と油断すること間違いなしだ。
「では参ろうか」
「うむ、いくかの!」
しゃなりしゃなりと美しい所作を見せながら、二人は今夜の舞台となるであろう大広間へと向かう――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
弓弦葉・晴周
花嫁衣裳でございますか
ふふ、麗しい花嫁が既にいらっしゃるようですし
私は宴を楽しませていただきますね
花嫁衣裳に袖通す皆様を眺めておりますと、思い出しますね
我が主が婚礼の儀式を挙げた時の事を
お相手の姫君は私の親類でしたので、お相手に問題はなく
何より、月の君が姫の心を掴むのに、それはもう懸命で
苦手なお歌は…結局お上手にはなりませんでしたが
それでも、月の君の誠意と想いが実り、
晴れの日を迎えられた時は、この晴周の喜びもひとしおでございました
月の君の御子様である尭暁様もいずれは妃を迎えるでしょうが
その時は、必ずや我が主にも――
ふふ、これ以上は言いますまい
華やかな皆様の御姿を眺めつつ、ゆるりと過ごしましょう
●麗しきは月
大広間の宴は賑やかで、妖が生贄を求めて来襲するなどとは思えぬほど。しかし弓弦葉・晴周(月に焦がれる・f43172)は知っている、この宴はこれから戦う者達の士気を鼓舞するものであり、妖の油断を誘う為のものであると。
「しかし……花嫁衣裳でございますか。ふふ、麗しい花嫁が既にいらっしゃるようですし、私は宴を楽しませていただきますね」
大広間の目立たぬ場所に座り、適度に料理を楽しみながら着替えが終わった猟兵達の花嫁姿に晴周が小さく微笑む。
「花嫁がこれだけいれば、妖も油断することでしょう」
その油断を突いて死角から攻撃すれば……と策を講じていた晴周がふと顔を上げると、白無垢が目に入って動きを止めた。
「……思い出しますね、我が主が婚礼の儀式を挙げた時の事を」
今でも鮮明に覚えている、月の君の婚礼。お相手となる姫君は晴周の親類で、なにひとつとして問題はなく、周囲の誰からも認められた美しき姫であった。
「何より、月の君が姫の心を掴むのに、それはもう懸命で」
文や贈り物は元より、珍しい菓子が届けば真っ先に姫君にと心を遣わせていたもの。思い出すと、その可愛らしい姿に思わず笑みが零れてしまうくらいだ。
「苦手なお歌は……結局お上手にはなりませんでしたが」
しかしそんな完璧ではない部分も、姫君の心に響いたのだろう。月の君の誠意と想いは姫の心に花を咲かせ、実を結び。とうとう晴れの日を迎えた時には、感情を露わにすることのない晴周であっても心が震えたものだ。
「あの時の喜びは……そうですね、月の君の御子様が御生まれになった時と同じくらいでしょうか」
ちらりと見えた金糸の如き煌めきに、晴周は小さく唇の端を持ち上げる。
「月の君の御子様である尭暁様もいずれは妃を迎えるでしょうが……その時は、必ずや我が主にも――」
言いかけた言葉を途中で止め、晴周は外へと視線を向ける。東から昇った月が、もうすぐ中天へさしかかろうとしていた。
「ふふ、これ以上は言いますまい」
言葉にせずとも、これは必ずや叶えること。
妖が来るまでのもう暫しの時間を、華やかな花嫁達の姿を眺めつつゆるりと過ごそうと晴周は口を閉ざし、用意された膳に再び手を付けるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
八坂・詩織
◯
花嫁衣装、かぁ…
まあ相手もいない私には関係ない話ですね。
と、素通りしようとしたけれど。
(…でも、白無垢はちょっと着てみたいんですよね)
いやいや結婚前に花嫁衣装着ると嫁に行き遅れるとかなんとか聞いたことあるし、とか葛藤しながらも。
…結局来ちゃった…
いやこれはあくまで囮のためですから!
でもやっぱり、ずらっと並ぶ花嫁衣装の数々を見ればつい心が浮き立ってしまうもの。
あー、ドレスも綺麗だな、和装ドレスもいいし…
って、はしゃぐ歳でもないでしょもう…
気恥ずかしくなりつつもごく淡い水色の掛下に純白の白無垢を合わせて。
わ、自分で言うのもなんだけど
綺麗…
(でもこの姿をあの人が見てくれるわけじゃないんですよね…)
●隣に立っていてほしいのは
一部屋を埋め尽くすほどの花嫁衣裳を前にして、八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)はどうして来てしまったのだろうか……と過去の自分を振り返る。
「花嫁衣裳、かぁ……」
グリモアベースでこの依頼の話を聞き、まず思ったのは相手もいない自分には関係ない話ですね、である。足を止めるまでもなく、素通りして違う依頼を聞いてみようかなんて思いはしたけれど。
花嫁衣裳の種類が豊富という言葉が耳に飛び込んできて、ふと白無垢姿の自分を思い浮かべてしまったのだ。
「……悪くないのでは」
だって、ちょっと着てみたいじゃないですか白無垢……! と思う傍らで、結婚前に花嫁衣裳を着るとお嫁に行き遅れるなんて話もあるし、でも無償で、しかも|大手を振って着れる機会《生贄として花嫁姿になるという建前》なんて滅多にないし……などと葛藤しつつ、詩織は開かれたゲートに飛び込んでしまったのである。
「いやこれはあくまで囮のためですから!」
猟兵としてのお仕事なのだから、何もやましいことなんてないのだと気合を入れて、詩織はずらりと並ぶ花嫁衣裳を選びにかかった。
「あー、白無垢がいいと思っていたけれど、ドレスも綺麗だな、和装ドレスもいいし……」
相手がいなくたって、ずらりと並ぶ花嫁衣裳を前にして心が浮き立たないわけがない。あれも素敵、これも素敵とついつい色々手に取って、鏡に向かって当ててみたりして。一通り楽しんだ後に、ハッと我に返ったのである。
「って、はしゃぐ歳でもないでしょ、もう……」
いくつになったって花嫁衣裳は心浮き立つものだから、何も恥ずかしがることはないのだけれど詩織は気恥ずかしさから頬を赤く染めて、それでも囮の為だからと白無垢を手に取った。
合わせるのはごく薄い水色の色掛下、本来であればそれも真っ白であるべきだけれど、それは本番に取っておきたいだなんて乙女心。女房達に着せてもらい、鏡の前に立ってみれば――。
「わ、綺麗……薄い水色がサムシングブルーにもぴったりで……」
自分で言うのもなんだけれど、本当にそれは自分によく似合っていた。本番だってこっちの方がいいんじゃ……? なんて思ってしまうほど。
「でも……」
ふっと視線を落とし、詩織は脳裏に浮かべたあの人がこの姿を見てくれるわけじゃないんですよね……と吐息を零す。
「い、いえいえ、今日はそういうのではないですから!」
妖を倒す為に来たのだから! と自分に活を入れ、詩織は大広間へと向かうのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ミルナ・シャイン
頼典様(f42896)と
花嫁衣装!もちろんとっても興味ありますとも!
頼典様も女装して囮されますの?それはちょっと見たいかも…
お化粧はわたくしにおまかせを、去年いただいた京紅つけてみます?
京紅『紅桜』をお揃いで差して。
今回は和風に挑戦してみようかしら。白無垢も着てみたかったんですのよね。
白無垢に淡いピンクの掛下で可愛く、頼典様から贈られた白紫陽花の髪飾りをつけて。
頼典様も白無垢どうですか、頼典様には差し色で赤を入れた白無垢が似合うと思いますの!
綿帽子を被れば顔も隠せますし。
まあ…どうしましょう、あまりに美しすぎて妖に目をつけられてしまいそう。
ああ泣かないで頼子お姉様、わたくしがお守りしますから!
八秦・頼典
ミルナ様(f34969)と
生贄たる花嫁を捧げよ…か
妖が人身御供を求める話はよくあるけど、まさか白羽の矢が立ったのが平安結界の護り手たる貴族の屋敷とはね
知らずに射ったかそれとも挑戦状か…何はともあれ面白そうな事件に変わりない
無用な混乱を避けるべく位階は隠して…勿論ミルナ様だけを囮とせず化粧を専門家のミルナ様に委ねてボクも花嫁姿に扮しよう
折角だから勧められた差し色違いの白無垢を選んでみたり、生贄に選ばれて嘆く姉妹の姫君を演じてみたり
ボクが贈った紅で自分が紅差しの儀をされる側になるとは数奇な物だけど…うん、中々の美女じゃないか
ああ、ミルナ
貴方も選ばれるだなんて姉の頼子は悲しいです、よよよ…なーんてね
●共にふたりで
アヤカシエンパイアの平安貴族であり陰陽師でもある八秦・頼典(平安探偵陰陽師ライデン・f42896)は、平安結界の重要さもそれを護る役目を負う者達の強さも、どちらも充分に理解している。だからこそ、妖が人身御供を求め白羽の矢を立てたのが護り手たる貴族の屋敷であることに軽く首を傾げた。
「生贄たる花嫁を捧げよ……か。知らずに射ったかそれとも挑戦状か……」
どちらにせよ、面白そうな事件だと頼典は唇の端を持ち上げ、共にやってきたミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)へと声を掛ける。
「さて、ミルナ様は花嫁衣裳に興味はおありかな?」
「花嫁衣裳! もちろんとっても興味ありますとも!」
ぴちり、と人魚の尾を跳ねさせてミルナが力いっぱい頷いた。
「では宴会よりもボクらは花嫁衣裳が用意されている広間に参りましょうか」
お手をどうぞ、と頼典が手を差し出せば、ミルナの白く細い指先がその手を取ってうきうきそわそわと広間へと向かう。待っていた女房がそっと襖を開けると、ずらりと並んだ花嫁衣裳にミルナが藍玉の瞳を瞬かせた。
「まあ……まあまあまあ! 花嫁衣裳がいっぱいですわ!」
「これはまた、よく集めたものだね」
和風に洋風だけではなく、和風のドレスなんてものまでずらりと揃えられていて、どれにしようか悩むのは必至だ。
「どれにしようかしら……!」
「迷うね、ボクに似合うのはどれだろうか」
「頼典様も女装して囮されますの?」
ミルナの少し驚いたような言葉に、頼典が優しく微笑む。
「勿論、ミルナ様だけを囮とするようなまねはしないよ。隣で守るならボクも花嫁に扮するべきだからね」
「それはちょっと見たいかも…あ、いえ、頼典様も女装されるならお化粧はわたくしにおまかせを、去年いただいた京紅つけてみます? 京紅『紅桜』をお揃いで差して」
「心強いな、専門家のミルナ様にお任せするよ。ボクが贈った紅を揃いでつける……ふふ、特別な感じがするね」
絶対にわたくしがします! というミルナの気概を感じ、頼典が頷く。それから、改めてどの衣装にしようかと二人で花嫁衣裳を吟味することにした。
「ミルナ様は和風と洋風ならどちらがいいかな」
「どちらも素敵ですけれど、今回は和風に挑戦してみようかしら。白無垢も着てみたかったんですのよね……白無垢に淡いピンクの掛下で可愛く、頼典様から贈られた白紫陽花の髪飾りをつけて……」
「ミルナ様の白無垢……似合うと思うよ」
「頼典様も白無垢どうですか、頼典様には差し色で赤を入れた白無垢が似合うと思いますの! 綿帽子を被れば顔も隠せますし」
美容系の専門学校に通うミルナの意見はセンスもよく、何より彼女と差し色違いの衣装とあれば頼典に否はない。
「では、ミルナ様と揃いの衣装としようか」
まずはお化粧、とミルナが鮮やかな手付きで頼典に化粧を施し、そして女房達が着付けを手伝う間にミルナも化粧をし、白無垢を着こなせば――そこには美しい白無垢姿の花嫁が二人。
「仕上げに紅をさしましょう、頼典様」
「ふふ、ボクが贈った紅で自分が紅差しの儀をされる側になるとは数奇な物だけど……これもまた一興だね」
鏡に映る己の姿は美女そのもので、頼典が笑う。
「うん、中々の美女じゃないか」
「まあ……どうしましょう、あまりに美しすぎて妖に目をつけられてしまいそう」
「ミルナ様の方が美しいよ。そうだ、折角だから生贄に選ばれて嘆く姉妹の振りも良いかもしれないね」
そう言うと頼典が口元を手で隠し、僅かに高い声で演じてみせる。
「ああ、ミルナ。貴方も選ばれるだなんて姉の頼子は悲しいです、よよよ……」
「まあ、泣かないで頼子お姉さま、わたくしがお守りしますから!」
頼典にのってミルナがそう言うと、二人で顔を見合わせて笑いだす。
「なんてね、遊んでいないでそろそろ行こうか」
「はい、頼典様」
大広間には平安貴族が多くいるだろうから、なるべく無用な混乱を避ける為に正一位の位階は隠しておかなくては……と思いながら、頼典はミルナの手を取り大広間へと向かうのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シリルーン・アーンスランド
背の君陸井さま(f35296)と
花嫁衣裳、特に和装に興味がありますの
式で纏いましたはドレスにて
そわそわし居りましたら
陸井さまがお誘い下さいました
でも恐らく陸井さまはわたくし一人で参ることに
ご懸念ありお声掛け下さったのです
本当に何年経っても過保護でらっしゃいます
「何て素晴らしいご衣裳でしょう」
拝見するどれも素晴らしく惑っておりましたが
いつの間にか陸井さまが身丈も正確に合うものを
お選びあそばし
甘いお顔で似合うよなどと仰せにて
この後の事はおいて嬉しさが先立ちます
でも、それはそうとして
わたくしのサイズを常に正確に把握しておいでの異能は
どう培っておいでなのでしょう
伺っても今日もはぐらかされてしまいました
凶月・陸井
愛する妻のシリルと(f35374)と
シリルが依頼を見てそわそわしていたから
折角だから花嫁衣裳を着に行くかと誘ってみたよ
だけど多分、シリルは生贄を求める妖退治に
向かっていただろうから
そんな妻を心配して声をかけたのもあるけどね
「それじゃあ、エスコートさせていただくよ」
結婚式を挙げた時の花嫁衣装もよかったけど
他の様式も着せてあげたいんだ
シリルは日頃は洋装が多めで
それも似合っているし素晴らしいけど
戦う際に纏う和装も本当に何時も見惚れるから
沢山の衣装に目を輝かせる妻に、笑みが零れる
迷っている様子だからそっと白の引き振袖を取り
これは絶対に似合うよと伝えて
サイズの件は秘密だ
「愛する妻の事だから、解るんだよ」
●花嫁衣裳をもう一度
愛する妻の望みであれば、どんなことでも叶えてあげたいと思うのは当然のこと――それは凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)にとっても例外ではなく、シリルーン・アーンスランド(最強笑顔の護り風・f35374)が興味を持ったであろう依頼に目を通す。
「なるほど、花嫁衣裳か」
銀の雨降る世界で挙げた結婚式、その時にシリルーンが選んだのは純白のレースで飾られたドレス。今でも目を閉じれば、その美しさを鮮明に思い出せると陸井は小さく微笑む。
「となると、和装に興味があるのだろうね」
結婚式以外で花嫁衣裳を着る機会は中々ない、それが生贄となる為の花嫁衣裳――正確に言えば妖を油断させるための罠だが――であったとしても、だ。
「それにシリルは花嫁衣裳を着れなかったとしても、生贄を求める妖退治に向かうだろうし」
一人で向かうだけの実力はある、けれどそれと心配する気持ちは別物。陸井はさり気なさを装って、折角だから花嫁衣裳を着に行くかと、シリルーンを誘ったのだった。
「まあ、よろしいのですか?」
「勿論。それじゃあ、エスコートさせていただくよ」
和装が気になるとそわそわしていたシリルーンにとって、愛する旦那様からのお誘いを断るなんてことは勿論なく、二人はアヤカシエンパイアの貴族の邸宅へと訪れていた。
花嫁衣裳が揃えられている広間へと案内され、二人は女房の後ろをついて歩く。シリルーンはちらりと陸井を見上げ、恐らく自分が一人で向かうことを心配してくれたのだろうと思う。本当に、何年経っても過保護でいらっしゃいます、と嬉しさとくすぐったさを感じ、じんわりと胸の奥があったかくなるような気持ちになって、小さく笑った。
「こちらにございます、どうぞお好きなものをお選びくださいませ。選びましたら、お声掛けくださればわたくし共が着付けいたします」
「ありがとうございます」
女房の言葉に礼を言い、二人で広間に入ると目の前に広がっていたのは和装洋装を問わぬ花嫁衣裳の数々。
「まあ、本当にたくさんありますのね」
「本当だ、和装にドレスに、選び放題だな」
思わず陸井の視線が向いたのは、白のレースがふんだんに使用されたドレス。それはあの日、シリルーンが纏ったドレスに似ていたからだ。
「なんだか懐かしい気分になるな」
「陸井さまが望むなら、もう一度着てもいいですわ」
和装をと思ってきたけれど、洋装でもと言うシリルーンに陸井が小さく首を横に振る。
「結婚式を挙げた時の花嫁衣装もよかったけど、他の様式も着せてあげたいんだ」
「陸井さま……」
「シリルは日頃は洋装が多めで、それも似合っているし素晴らしいけど……戦う際に纏う和装も本当に何時も見惚れるから」
黒地に桜の振袖に臙脂色の袴姿のシリルーンは大和撫子も斯くやという美しさで、陸井は何度だって彼女に惚れ直しているのだ。
「だからね、ぜひ和装をと思っているよ」
「陸井さま……はい、そういたしますわね」
夫に喜んでもらおうと、シリルーンはどれがいいかと和装の花嫁衣裳を眺めて歩く。白無垢も素敵だし、色打掛だって目を引いて、どれにすればいいのかと迷ってしまうほどだ。
楽しそうなシリルーンの様子に陸井が笑みを零し、決めきれないと嬉しい悩みを口にする彼女にそっと白の引き振袖を手渡す。
「これは絶対にシリルに似合うよ」
「まあ……なんて素敵なんでしょう」
迷っているうちに陸井が選んでくれた衣装は身体に当ててみれば確かにシリルーンによく似合っていて、陸井を見上げれば『ほらね』と得意そうに甘い笑顔を向けるものだから、シリルーンは嬉しさに頬を赤く染めて白の引き振袖にすることにした。
女房達に着付けてもらえば、身丈も丁度良くまるでシリルーンの為に誂えたかのよう。
「相変わらず、陸井さまはわたくしのサイズを常に正確に把握しておいでですわね……」
特技とも、異能とも呼べるそれは、いったいどうやって培っているのかとシリルーンが陸井へ問い掛ける。
「それはね、愛する妻のことだから、解るんだよ」
「もう、陸井さまったら」
今日もはぐらかされてしまったわ、とシリルーンが小さく頬を膨らませると、それすらも可愛らしいと陸井が笑う。
「いつか教えていただきますからね、陸井さま」
「はは、お手柔らかに頼むよ」
愛おし気に陸井がシリルーンの手を取って、まるで結婚式場に向かうかのようにエスコートをしてくれる。その優しさに、この後の事を考えつつも嬉しさが先立って、シリルーンは蕩けるように微笑んだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
浅間・墨
ロベルタ(f22361)さん。
確かに妖に対して抗える方々からの要請とは気になります。
相当強力な実力者なのでしょう。少し緊張してしまいますね。
それはそうと貴族のお屋敷に到着した後の様子が少し妙です。
衣装を変えるのはいいのですが…何故白無垢なのでしょう?
ロベルタさんに伺おうにも彼女は見当たりません。どこへ?
そして私に着付けをして頂いている方々は問答無用ですし…。
髪型を整える際に数年ぶりに前髪を上げて視界が広いです。
「…なるほど」
身形を整えたあとで初めてその意図を教えていただきました。
見染められたのでもなくお家騒動でもないようで…安心です。
「…その…」
質問できそうな雰囲気なので疑問に思ったことを幾つか伺います。
例えば。
囮に使用する部屋の広さや部屋に武器を隠しておけるか…等々。
可能ならばその部屋を少し見せていただけるか聞いてみますね。
その最低でも愛刀を隠す場所を確認しておきたいので。
もし難しい場合は出たとこ勝負で何とかしようと思います。
あ。食事は控えますね。折角の和装を汚してしまっては困ります。
ロベルタ・ヴェルディアナ
墨(f19200)ねー。
「どれも動き難そうだよねぃ~。」
墨ねーは和装なら僕は洋装かな。うー。スカートが多いじぇ。
僕の武器が両脚って考えるとスカート型の花嫁衣装はねぃ。
「ズボンの花嫁衣裳って…流石に無いよねぃ?」
一応貴族の人達に聞いてみるよ。あったら儲けな感覚だねぃ。
衣装を探して貰ってる間に妖のことを聞いてみようかな。
「脅してきた妖って見当がついてるの?」
特定は難しくても目星はついてるかな…って聞いてみるじぇ。
相手をなるべく知っておくことは有利になるからねぃ~♪
可能なら戦闘方法とかも知りたいな。…やっぱり難しい?
顔とか身形だけでも知っておきたいかな。…なるべく。
「そっか♪ ありがとーねぃ」
情報が無くても少なくてもお礼は必ず言うじぇ。
…。
聞いた時の表情でも情報を得られるかなと考えてたり。
例えばお家騒動とかだったら妙な感じになるかなーって。
考えすぎならいいんだけど一応ね~♪
「さて。墨ねーは…おぉ!! 綺麗な花嫁さんだじぇ!!」
え?事情説明?…そーいえば言ってなかったねぃ。墨ねーには。
●花嫁様は名探偵!?
アヤカシエンパイアの平安貴族からの応援要請、ロベルタ・ヴェルディアナ(ちまっ娘アリス・f22361)からそう聞いて浅間・墨(人見知りと引っ込み思案ダンピール・f19200)はそれならば助力するべきでしょう、とロベルタの誘いに一も二もなく頷き、件の邸宅へとやってきていた。
「墨ねー、これが白羽の矢が立ったとかいう傷跡かねぃ?」
「……確かに……矢の痕が見えますね」
門の傷痕に墨が頷くと、ロベルタはひょいっと中へと入る。その後ろをついて歩きながら、墨は屋敷の人々を遠目に見遣りロベルタへと視線を向けた。
「……あの貴族の方々もユーベルコード使いなのですよね? 妖に対して抗える方々からの応援要請とは気になります」
「なんかめっちゃ強い妖らしいじぇ」
「……ええ、相当強力な実力者なのでしょう」
そう思うと、少し緊張してしまいますね……なんて思いながら屋敷の中に入れば、女房達が二人を案内してくれる。
「お待ちしておりました、ではお衣装を用意した広間へご案内いたします」
「よろしくだじぇ!」
「……衣装部屋……? ロベルタさん、衣装とは……」
「衣装チェンジなんだじぇ!」
墨の求める答えではない言葉を元気よく言うロベルタに墨が少しばかり困惑しつつ、案内されるままに通された広間に墨は前髪に隠された瞳を瞬いた。
「……花嫁衣裳……ですか?」
眼前に広がるのは白い花嫁衣裳から色鮮やかな花嫁衣裳まで、このアヤカシエンパイアの世界以外からも集めたのか、洋風のものまで取り揃えられている。
「どれも動き難そうだよねぃ~。墨ねーはどれにするんだじぇ?」
「……私は……」
どれにする、と言われても花嫁衣裳に着替えるだなんて聞いていない墨は着替える必要はないのでは、とロベルタに視線を送る。
「ん? あ、墨ねーは和装の方が動きやすかったりするのかねぃ」
「……ええと、洋装か和装かと言われれば……そうかもしれません、が」
そう言うことではなく、と続けようとした墨の言葉を遮って、ロベルタが女房達に笑みを向けた。
「おねーさんたち、墨ねーは和装がいいみたいだじぇ!」
「まあ、それでしたら白無垢がよろしいのではないでしょうか」
「白無垢……うん! 墨ねーにはこれが似合うんだじぇ!」
これ! と指さされた衣装は純和風の白無垢で、墨が何か言うよりも先に女房達が手早く墨を脱がせ、白無垢へ着替えさせていく。
「……あ、あの、衣装を変えるのはいいのですが……」
百歩譲ってまあいいとしよう、と墨はロベルタに声を掛ける。
「……何故白無垢なのでしょう?」
墨ほどの手練れであれば女房達から逃げ出すことも可能であったが、彼女達を傷付けるような真似はしたくなかったし、何よりロベルタがこれだと決めてくれたので、されるがままになりつつそう言うけれど――ロベルタからの返事は無くて。
「……どこへ?」
「もう一人のお嬢様でしたら、自分の衣装を見繕いに向かわれました」
「……そうですか……」
自由なロベルタのこと、落ち着いたら理由も教えてもらえるだろうと墨は女房達に身を任せ、着替えが終わるのをただひたすらに待つことにした。
そんな墨を知ってか知らずか、ロベルタは他の女房と話をしながら自分の衣装をどうしようかとドレスを眺める。
「墨ねーが和装なら僕は洋装かな。うー。スカートが多いじぇ……」
ロベルタの武器はこのすらりと伸びた両脚、そう考えるとスカート型の花嫁衣裳は武器を殺すも同然だ。
「ズボンの花嫁衣裳って……流石に無いよねぃ?」
「ございますよ」
「あるの!?」
ダメ元の質問だったが、聞けばパンツスーツタイプの花嫁衣裳というものがあるらしい。それがいい! とロベルタが言うと、すぐに女房達が持ってきてくれて、ロベルタのサイズに合わせて裾上げをしたりウエストを詰めたりとしてくれる。その間に、ロベルタは世間話のように今回の妖について質問することにした。
「脅してきた妖って見当がついてるの?」
「見当でございますか? 私共は詳しくは聞いておりませぬが、どうやら過去に当家を逆恨みした陰陽師が妖に身を落としたのではないか……なんて話もございますね」
「へー敵は陰陽師ってことかねぃ?」
「当主様はそう睨んでおいでだと聞いております」
「なるほどねぃ……顔とか戦い方とかは知ってる?」
「申し訳ございません、そこまでは……」
「そっか♪ ありがとーねぃ」
本当に知らないのだろうとロベルタがあたりを付けると、礼を言って自分の支度が済むのを待つ。体のラインにぴったりとフィットするパンツスタイルに、オーバースカートになったペプラムベアトップス。それにヒールのある靴を合わせ、ヴェールを被れば花嫁の出来上がり。ヒールは妖と戦う寸前まで脱いだ状態にはなるけれど、それくらいは些事というものだ。
「おー! めっちゃ綺麗なんだじぇ♪ さて。墨ねーは……おぉ!! 綺麗な花嫁さんだじぇ!!」
「……ロベルタさんも大変お綺麗です」
「へへーありがとねぃ! 墨ねーが前髪あげてるのちょー珍しいんだじぇ~~」
「……私も数年ぶりに前髪を上げて視界が広いです」
ちょっと恥ずかしいけれど、白無垢であれば髪は結い上げ前髪も綺麗に上げるもの。角隠しのお陰で俯けば顔を隠せるけれど、それはなんだかもったいない気がして墨はロベルタを見遣る。
「……ところでロベルタさん。この花嫁衣裳の事情説明を……」
「え? 事情説明? ……そーいえば言ってなかったねぃ。墨ねーには」
大抵いつも事後承諾なのだが、それは置いておいて。ロベルタは妖が求めるのが生贄の花嫁であること、そして妖がもしかしたらこの邸宅の貴族に逆恨みをして妖に堕ちた陰陽師かもしれないことを伝える。
「……なるほど。見染められたのでもなく、お家騒動でもないようで……一安心です」
本当に嫁入りだなんてことになったらどうしよう、なんて考えていた墨はほっと胸をなでおろす。それから、妖が生贄を求めてくるならば、迎え撃つ場所や武器をどうしておくかなどを女房達に問い掛けた。
「それでしたら、こちらに」
迎え撃つは大広間、宴は最高潮といったところだろうか。しかしよく見れば酒精を口にする者達は酔っ払っているようでもなく、理性はしっかりと持っているようだと墨は思う。
「武器はこちらに」
ふかふかの大きな座布団、少しはみ出る分は白無垢の裾で隠せるだろう。既に花嫁衣裳に身を包んだ猟兵達が妖の出現を警戒しつつ、楽に口に運べる軽食を摘まんでいるのが見えた。
「お食事は如何なさいますか?」
「……ありがとうございます、私は控えさせてもらいますね」
折角の和装を汚してしまっては大変だと、墨がやんわりと断る。
「僕はもらうんだじぇ!」
その隣で、腹が減っては戦が出来ぬだよねぃ、とロベルタが笑う。
「……では、ロベルタさんには食べやすいものを……」
出来るだけ衣装を汚さず食べられるものを……と墨が言葉にせず伝えると、心得たとばかりに女房達が頷いた。
月はもうすぐ中天に差し掛かる頃、あまり待たずに妖が出てくるだろうと墨はロベルタの分まで油断せず事に当たろうと、決意を新たにするのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
都嘴・梓
【煙響】◎
飲んでるフリしてたらまさかの相棒酔ってた
待って待って漣ちゃん待ってお願いしっかりして?!(ひそひそ
俺お仕事だからねって言ったよね!?(こそこそしてるけどたぶん漣聞いてくれない
えっ
え、何…なにその含—
は?え?待って?俺190だよ?待って?タッパ考えて?
漣の性癖が変わってるだけかな~?
逆に考えな?俺より漣のが小柄だし線細いしセーフだって
俺がやったら俺が俺捕まえなきゃじゃん頼むお願いやめ…
あーもう!じゃーんけーん、ぽん!
勝ち
っっっっし!!(感極まりすぎ
はいはい漣諦めてー
折角なら白無垢いっとく?漣色白いし、きっと似合う
指輪、つけっぱなしだと怪しまれるかな…
ちょいと重いかもだけど、いけそ?
俺の可愛い漣なんだから、バケモンになんざ見せてやりたくないけど…今日は人助けだから、ちょっとだけ。ね
負け
くっっっっっそ!!なん!で!
もし俺でもOKだったらどんだけニッチな妖だよ!
いいよぉもう。好きにして
ンでも漣、後で覚えといてね(ニコ
可愛い可愛いオヨメサンの俺が素敵な旦那様搾り取りに行くからね(ニッコー
一ノ瀬・漣
【煙響】◎
宴参加でほろ酔い中(熱燗1合飲んだ
あははは海の幸山の幸満載でサイコー
へーきへーき♪
んじゃあーそろそろお仕事しますかぁ~
でね、オレさぁ
前からずっと思ってたんだけど…
梓って…花嫁衣裳めっちゃ似合うんじゃない?(まじまじ見て
妖艶な雰囲気あるし、なにより顔がいい
高身長でスラッとしててさ、絶対似合うよー
えぇー?オレぇ?ないないー
荒ぶるロッカーだよ?髪だってツートンだしー
その点、梓は普段からスーツだし?
清楚な感じあるからありよりのありだってぇ!
んー…しょーがないなー
なら男と男の勝負といこうじゃん
ジャンケン1回勝負!勝っても負けても恨みっこなし!
せーの!じゃーんけーん…ポン!(結果お任せ
勝ち:
やったー!(拳掲げガッツポーズ
ほらほら早速選ぼ!
ここはやっぱ白無垢だよねぇ
あ、メイクはオレがしてあげる
最高の花嫁さんにしなきゃね!
…え?梓サン?何か笑顔怖いよ!?
負け:
はぁ!?えぇー…マジでぇ!?
うぅ~~しゃーないか…
白無垢!?…うぐぐ…指輪は…外したくない
あーもー分かったよ!オレも男だ!腹括ってやる!
●ほろ酔いコミュニケーション
賑やかな宴会場へと通されて、都嘴・梓(|嘯笑罪《ぎしょうざい》・f42753)と一ノ瀬・漣(Pour une infante défunte・f44080)は目立たぬように少しばかり端の席へと座る。
「すっご、海の幸山の幸満載でサイコー」
「いいとこの料亭並みだね~」
船盛のお刺身に、煮付けに焼き魚、山菜の盛り合わせや天ぷら、肉がメインの寄せ鍋。それから、日本酒がたっぷりと。
「敵が来るまでにいっぱい食べちゃお、お仕事だから動けなくならない程度にだけどね」
「うんうん、いっただきまーす!」
梓が言うと、漣が早速とばかりに箸をつける。
「んー、美味しい!」
「我が家で食べるのとはまた違う味で、これはこれでありだな~」
山の中とはいえ、海も近い屋敷だからこその料理だなと梓が満足気に舌鼓を打っていると、給仕をしてくれていた女房達がお酒を注ぎに来てくれる。この後の戦いを思えば断るべきだが、飲むふりをしておけばいいかと注いでもらうことにした。
女房達はぐるりと宴会場を回り、酒や食べ物が足りていないところはないかと目を光らせている。徳利が空になった頃を見計らい、お代わりを出してくれるのだ。
「気の利く女中さん達だね~、ほどほどに飲んでるフリをしておかないとだ」
「ん-、お酒も美味しくってサイコ~~!」
「えっ」
「ん?」
「待って待って」
「梓も飲みたかった? これ空になっちゃったんだけどー」
ひら、と漣が徳利を振って見せると、すっと女房がやってきて中身が入っているものと交換していく。
「あははは、お代わりきたよー」
「漣ちゃん待って、お願いしっかりして!?」
お猪口に注ごうとした漣を小声で止めて、梓が漣を見る。
「俺、お仕事だからねって言ったよね!?」
「へーきへーき♪」
「すっごい、なにひとつ平気じゃなさそう!」
飲んでるフリをしていたら、まさかの相棒が酔っていた件について――なんて脳内で言っている場合じゃないと、とりあえず梓は水を貰って漣に飲ませる。
「へーきって言ってるのにー。仕方ないなぁ、んじゃあーそろそろお仕事しますかぁ~」
「あっよかったお仕事する気はあった」
飲んじゃってるけど。
「あるよーお仕事! でね、オレさぁ」
にこーっと笑って、漣が梓の手を取った。
「えっ」
やだ、酔ってるうちの子可愛い……と思ったのも束の間、漣がにこにこしたまま言葉を重ねる。
「前からずっと思ってたんだけど……梓って……」
「え、何……その含み――」
「花嫁衣裳めっちゃ似合うんじゃない?」
きゅるん、とした曇りなき眼で見つめて漣がきゅっと手を握るものだから、梓は何言ってるのこの子という気持ちと可愛いという気持ちがせめぎ合うという、感情の振れ幅に風邪でも引きそうな気分だ。
「妖艶な雰囲気あるし、何より顔がいい」
「は? え? 待って?」
いけない、流されるところだったと我に返って梓が漣を正気に戻すべく手を握り返す。
「俺、190だよ? 待って? タッパ考えて?」
「えー、高身長でスラッとしててさ、絶対に合うよー」
「うーん、これは漣の性癖が変わってるだけかなー?」
「一般論だよ?」
一般論なわけはないだろう、と梓は思うが相手は酔っ払い。ここはなんとか言いくるめていくしかないなと判断し、漣の手をにぎにぎしながら言う。
「逆に考えな? 俺より漣のが小柄だし線細いしセーフだって」
「えぇー? オレぇ? ないないー。荒ぶるロッカーだよ? 髪だってツートンだしー」
あははと笑って漣が手を横に振り、更に梓の手に重ねる。
「その点、梓は普段からスーツだし? 清楚な感じあるからありよりのありだってぇ!」
ね? なんて首を傾げての上目遣いは反則だと梓が天を仰いで呻く。
「俺がやったら俺が俺捕まえなきゃじゃん、頼むお願いやめ……」
死活問題である、と流されそうになる気持ちを抑えて梓が漣と視線を合わせれば、漣の唇からしょーがないなーと言葉が零れた。
「よかった、わかってくれて」
「なら、男と男の勝負といこうじゃん!」
「なかったか~~」
「ジャンケン一回勝負! 勝っても負けても恨みっこなし! いくよー、せーの!」
「あーもう! しゃーねぇ!」
ここでジャンケンをしなければ、不戦敗で自分が花嫁衣裳を着ることになるだろう。それくらいなら、イチかバチかのジャンケン勝負にのるしかないと梓は覚悟を決める。
「じゃーんけーん!」
「じゃーんけーん」
ぽん! という言葉と同時に、二人が出したのは――。
「|パー!《57》」
「|グー!《24》」
一瞬の沈黙の後、開いた手を握り締めた梓が小さくガッツポーズを決めた。
「っっっっし!!」
「はぁ!? えぇー……マジでぇ!?」
|ジャンケン《ダイス》運悪すぎでしょーとブツブツ言う漣を宥めるように、梓が勝者の笑みを見せる。
「はいはい、漣諦めてー」
「うぅ~~しゃーないか……」
ジャンケンで、と言い出したのは自分だし、不正なしの真剣勝負だ。
「三回勝負にしとけばよかったかな……」
なんて言いつつも、漣は梓と共に衣裳部屋の方へと向かう。控えていた女房が襖を開けば、和装に洋装と選り取り見取り。
「どうする? 折角なら白無垢いっとく? 漣色白いし、きっと似合う」
「白無垢!? ……うぐぐ……」
「指輪、つけっぱなしだと怪しまれるかな……外した方が」
「指輪は……外したくない」
やだ、と唇を尖らせた漣に梓が小さく笑って、じゃあレースの手袋で誤魔化すかと提案する。
「この白無垢がいいんじゃないか? ちょいと重いけど、いけそ?」
「うぐぐ……あーもー分かったよ! オレも男だ! 腹括ってやる!!」
「それでこそ漣だ」
白無垢姿が見れる、と梓はにこにこしつつ準備を手伝い、着付けを女房達に任せた。
「……どう」
しっかりと着付けされ、梓の前に出てきた漣は美しい花嫁そのもの。
「……めちゃくちゃ綺麗」
「そ? ならいーけど!」
「うーん、俺以外のやつに見せるのがもったいなくなってきたな……」
「何言ってんの、減るもんじゃなし」
「減る、俺の可愛い漣なんだから。バケモンになんざ見せてやりたくないけど……今日は人助けだから、ちょっとだけ。ね」
「……どうせすぐに倒して脱ぐって」
角隠しに隠された漣の顔を覗くようにしてきた梓に、漣は頬を染めつつ視線を逸らす。そんな姿も可愛いな~と思いつつ、梓は|花嫁《生贄》を狙ってやってくる敵が現れる宴会場へと漣の手を引いて戻るのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
楊・暁
【朱雨】◎
宴から藍夜と抜け出し
まぁ、昔からこの手の話は良くあるよな
…って、やっぱり俺が花嫁役って前提なんだな…
まぁ、一度本番やってるし
任務ならやるしかねぇけど…
でも、俺男だぞ?バレたら怒らせるんじゃねぇか?
…藍夜…(溜息
お前、結構酔ってるだろ…
ったくしょうがねぇなぁ…(苦笑
藍夜の十八番(熟考し始めると止まらない)が始まったなと思いつつ話を聞き
確かに、ただの獣にしては考えが人に近いな
昔から人間を観察してきた存在か…人間と近しかった存在か…
――って、結局そこは拘るんだな…
お前との式じゃねぇし、俺はなんでも良い
…と言うより、藍夜の方が拘りたいんじゃねぇのか?(苦笑から見透かす様なにまり笑顔
珍しく酔ってる最愛の人が愛しく可愛くて
今ならなんだって希望を聞いちまいそうだ(実際聞く
でも、拘ったのを|他の奴《敵》に見られて良いのか?(くすくす
抱擁には破顔して
藍夜にだけ向ける甘い声と眼差しで
背中へ腕回し
ふふ、なら今度一緒に勉強しような
今はまず、とっとと終わらせよう
|戦闘服《花嫁衣裳》、最高の選んでくれよ?
御簾森・藍夜
【朱雨】◎
よくある伝承の一つだが、花嫁を求めるというのは婚姻という儀を以って人類というか、この一族側にマウントでも取る気の妖ということだろうか?
…で、心音が花嫁役、か(息をするように勝手に言って
わかる
分かるとも
生憎俺の大きさではさすがに妖も分かるだろうし、何より心音は可愛い
でも気付いて文句言ったら奴の頭狙って一発撃とう
可愛い心音に何の文句があるんだ(宴会で若干悪酔い気味
…しかし、古典的な手法だが効率よく贄という糧を手に入れる手段としてはアリだろう
だが、獣がこの発想へ至るか?
それとも神崩れか?
…寧ろ、手法が人間臭すぎる
まぁいいか
それで心音、何を着たい?白無垢か?それとも百花繚乱の打掛も悪くない
綿帽子があれば耳も目立ちにくいのだろうか
でも可愛いからそのままでも良いな?な(珍しく酔い始めてにこにこ
分かっているとも
俺はほんばんをしたから怒ってなんかない(むす
拘りたいとも
だが、その凝った愛らしさを他人に振りまかれるのも嫌だ(心音を腕の中に閉じ込めて
…幻の作り方でも研究しておけばよかった(ぼそ
●我が胸の花よ
貴族の邸宅で行われている宴は最高潮の盛り上がりを見せ、和歌を詠む者やひとさし舞う者、竜笛を吹く者などが拍手喝采を浴びていた。
「盛り上がってるなぁ」
「平安貴族の嗜みとあって、見応えはあるな」
宴席の程よい場所で彼らの芸を見ていた楊・暁(うたかたの花・f36185)がそう言うと、御簾森・藍夜(雨の濫觴・f35359)が注がれた酒をくいっと飲み干して頷く。
「もう少し楽しみたい気持ちもあるが、そろそろ準備をしないとな」
「ん、花嫁衣裳を見に行くか」
立ち上がり、女房に案内を頼みながら二人が宴席を抜け出して衣裳部屋へと向かう。
「しかし……よくある伝承の一つだが、花嫁を求めるというのは婚姻という儀を以って人類というか、この一族側にマウントでも取る気の妖ということだろうか?」
「まぁ、昔からこの手の話は良くあるよな。なんとなく恨みを感じる気もするけど」
生贄を花嫁として差し出す、といった昔話はよくあるもの。神の花嫁にするということで、これは神事であるとか送り出す者の罪悪感を軽くするとか、そういったものなのではないかと暁が考えていると藍夜が何気ない風に言葉を続ける。
「……で、心音が花嫁役、か」
「……って、やっぱり俺が花嫁役って前提なんだな……」
息をするように勝手を言う藍夜に、暁がやや諦めにも似た表情を浮かべて彼を見上げる。
「まぁ、一度本番やってるし、任務ならやるしかねぇけど……」
その本番をした相手でもある藍夜は結婚式の日を思い出し、可愛かったな……今も勿論可愛いが、と妻の可愛さを噛み締めた。
「でも、俺男だぞ? バレたら怒らせるんじゃねぇか?」
「怒る……??? 俺の可愛い心音に何の文句があるんだ」
「いや、男だから。藍夜も男だけどさ、俺の方が花嫁に化けるのは向いてるだろうし異論はないんだけど」
「わかる、わかるとも。生憎俺の大きさではさすがに妖も分かるだろうし、何より心音は可愛い」
「藍夜ー?」
何を分かっているんだろう、と暁がややじっとりとした瞳を向ける。
「でも気付いて文句を言うようなら妖の頭を狙って一発撃とう。夫として当然の権利だ」
あっダメだこれ、結構酔ってる。
「藍夜……ったく、しょうがねぇなぁ……」
溜息まじりに笑いつつ、それでも一番に自分のことを考えてくれる藍夜に暁は怒るに怒れず、まぁ俺でいいかと頷いた。
「……しかし、古典的な手法だが効率よく贄という糧を手に入れる手段としてはアリだろう。だが、獣がこの発想へ至るか? それとも神崩れか?」
生贄を求めるだけの知恵ある獣だとして、花嫁という指定をするだろうか。神として奉られていたのならば可能性もあるが……と、藍夜が熟考するように呟きだす。こうなると、藍夜の思考がある程度纏まるまで止まらないことを知っている暁は藍夜の十八番が始まったなと思いつつ思考整理の手伝いをするように相槌を打つ。
「確かに、ただの獣にしては考えが人に近いな」
「ああ、寧ろ――手法が人間臭すぎる」
「となると、昔から人間を観察してきた存在か……人間と近しかった存在か……」
ある程度、敵がどんな存在であるか絞れたな、と藍夜が考えを止めると同時に衣裳部屋へと到着する。
「まぁいいか。まずは衣装を決めないとな」
「よし。それじゃ、どれにするか決めるか」
女房が襖を開けば、ずらりと並んだ花嫁衣裳――和装洋装何でもござれといった品揃えに暁がぱちりと瞳を瞬く。
「貸衣装屋よりも種類が豊富じゃないか……? よくもまぁこれだけ集めたもんだな……」
「ふむ。なるほど。それで心音、何を着たい? 白無垢か? それとも百花繚乱の打掛も悪くない」
敵の事など何処へやら、藍夜は衣装を眺めつつ暁へと問い掛ける。
「綿帽子があれば耳も目立ちにくいのだろうか……でも可愛いからそのままでも良いな?」
「――って、結局そこは拘るんだな……お前との式じゃねぇし、俺はなんでも良い」
「本当に?」
「……と言うより、藍夜の方が拘りたいんじゃねぇのか?」
なぁ? と、藍夜の心を見透かすように、暁がにんまりと笑みを向ける。
「当たり前だ、俺の最愛だぞ? 拘りたいとも。あと、俺はほんばんをしたから怒ってなんかない」
「ふ、はは」
珍しくほろ酔いで、自分以外の為に花嫁衣裳を着るという妻にほんのりと拗ねている最愛が愛しいやら可愛いやら、暁は今ならなんだって藍夜の希望を聞いてしまいそうだと笑ってしまう。
「でも、拘ったのを|他の奴《敵》に見られて良いのか?」
ちょっとした意地悪を言ってくすくすと笑っていれば、すっぽりと藍夜の腕の中に招き入れられる。
「その凝った愛らしさを他人に振りまかれるのも嫌だ。……幻の作り方でも研究しておけばよかった」
「ふふ、なら今度一緒に勉強しような」
藍夜の拗ねた声に、甘い抱擁に、暁は破顔しながらそう言って彼の背中へと腕を回した。
「……する」
暁からの甘い声と眼差しに機嫌を直した藍夜がこくりと頷くと、暁がぽんぽんと背を叩いて視線を花嫁衣裳へと向ける。
「今はまず、とっとと終わらせよう。|戦闘服《花嫁衣裳》、最高の選んでくれよ?」
婚礼の為の衣装ではなく、戦う為の衣装を。
暁の気持ちに触れて、藍夜は強く腕の中の最愛を抱きしめると、一番綺麗にしてやると囁いた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『悪霊陰陽師』
|
POW : 赤鬼剛力薙
【赤鬼型式神の太い腕】の横薙ぎで、近接範囲内の全員を攻撃する。近接攻撃を仕掛けてきた敵には先制攻撃可能。
SPD : 青鬼乱撃陣
【青鬼型式神の鋭い爪や角】で近接攻撃する。低威力だが、対象が近接範囲から離脱するまで何度でも連続攻撃できる。
WIZ : 陰陽爆砕撃
【青鬼の鋭い爪や角】で装甲を破り、【赤鬼の怪力】でダウンさせ、【陰陽爆砕符】でとどめを刺す連続攻撃を行う。
イラスト:黒丹
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●宴もたけなわ
宴会場は相変わらず盛り上がっている――ように見せかけ、貴族達は刻一刻と迫る妖の出現に備えていた。そしてそれは、猟兵達も同じ。花嫁に扮した者は座敷の中央に並んで座り、そうでない者はいつでも戦闘に参加できるように宴会を楽しむふりをし、近くで目を光らせる。
満月が中天へと差し掛かり、薄っすらと雲に覆われたその瞬間。強い風が吹き荒れ、御簾が激しく揺れ動いた。
『花嫁をいただきに参ったぞ』
薄闇に紛れ、赤鬼と青鬼を従えた『悪霊陰陽師』がその姿を現す。陰陽師らしい衣装を身に纏ってはいるが、その身体は闇に吞まれたかのように真っ黒で表情は窺えない。しかしその声音は喜色に震えているようにも思えた。
『クックック……結界を守る平安貴族であっても、我の力には恐れをなしたと見える。ふ、フハハハハ! ハーッハッハァ!』
高笑いの中に、花嫁の数多くない? という動揺を隠して悪霊陰陽師は座敷の中央へと進んでいく。
『さあ、花嫁よ。我が手を取り共に来るがよい……!』
勝ち誇ったような声を響かせる悪霊陰陽師を倒すならば、油断している今が好機。猟兵達は各々の考えのもと、悪霊陰陽師へ戦いを仕掛ける――!
ナルニア・ネーネリア
猫たちは猫たちなので猫らしくあれば何でもお任せ、返事はにゃー
手を取るに来るがよい、とか言ったにゃ?
猫たちににゃんだか偉そうにゃ
偉そうな奴はしつけてやらんといけにゃい
何故ならば二足歩行の生き物は奴隷だから!
……二足歩行だよにゃ?まあ、そんなことどうでもいいにゃ
とりあえず、そのなんだかでっかくって真っ赤な手に、お手くらいしてやるにゃ
今はとってもご機嫌な猫たちゆえ、特別サービスにゃ
ほい、手ぇえええっ!!(W肉球ぱんち)
ほぉれ、肉球ぷにぷにに誘惑されるにゃ
ついでにグリムロアで燃やしてやるにゃ
おめかしした猫たちは華麗に縦横無尽に大暴れにゃ
にゃーーーーーーーーฅ^•ω•^ฅฅ^•ω•^ฅ
●お猫様は大暴れ
美しい花嫁猫になったナルニア・ネーネリア(GoGo★キャッツ・f41802)は存分に撫でられ、美味しいものを食べ、もう後はすやすやと寝る、くらいの気持ちであった。
しかしそこに現れたのは、花嫁を生贄として寄こせという妖『悪霊陰陽師』の声。これにはナルニアもネーネリアも耳をぴくりと揺らし、後ろへ寝かす。
「|……にゃーん?《猫たちににゃんだか偉そうにゃ》」
「|なうなう、なーう《偉そうなやつはしつけてやらんといけにゃい》」
こちとらお猫様ぞ?? そこは『手を取り共に来るがよい』ではなく、『どうか一緒に来てください』であってしかるべき。二足歩行の生き物は全て猫たちの奴隷なのだから! ナルニアとネーネリアの心はひとつ、わからせてやんよ、であった。
「|……にゃ、にゃんにゃ?《……二足歩行だよにゃ?》」
「|にゃーん?《たぶん?》」
細けぇことはいいんだよ、精神。どちらにせよあれは倒すべき相手、ナルニアとネーネリアが躾けるには何も問題ない。ふかふかの座布団から立ち上がった二匹は悪霊陰陽師のもとへ、尻尾を揺らしながら近付いた。
『む? ……猫??』
猫が花嫁姿をしている?? 花嫁が飼っている猫か何かか、と悪霊陰陽師がクエスチョンマークを浮かべた瞬間である。赤鬼型式神の大きな手に向けて、二匹が目を光らせたのは。
「|にゃあああああああん!《ほい、手ぇえええっ!!》」
花嫁姿を満喫し、上げ膳据え膳されたナルニアとネーネリアのご機嫌は上を向いていたので、これは特別出血大サービスの――『お手』という名のW肉球ぱんち!
『な、何を!』
ぷにっ。ぷにぷにっ!
「|にゃ! にゃにゃーー!《ほぉれ、肉球ぷにぷにに誘惑されるにゃ》」
これには悪霊陰陽師の式神たる赤鬼もメロメロ、二匹へ攻撃するにもその怪力が発揮されないのだ。
『青鬼!』
名を下された式神、青鬼がナルニアとネーネリアへ鋭い爪を伸ばす。
「にゃーん!」
しかし、鋭い爪なら二匹だって負けていないし、ついでに|霊妖術《グリムロア》で燃やされるしで、式神もたじたじである。普通の猫であっても可愛いというのに、今宵の二匹は花嫁衣裳でおめかしをしていて無敵そのもの。
「にゃーーーーーー!」
「にゃんにゃんにゃ~♪」
悪霊陰陽師、何するものぞとばかりに、可憐に、華麗に、縦横無尽に大暴れ――!
大成功
🔵🔵🔵
ミルナ・シャイン
頼典様(f42896)と
頼子お姉様を妖の嫁に差し出すわけには、ここはわたくしが参りますわ!
庇うように前に進み出て。
連れていく前に、お色直しをさせてくださいませ。
では、お色直し!『オーシャンプリズムチェンジ!』
UC「ヒロイン変身」で尾びれを人間の足に変えアイドル姿プリズム☆アクアに変身!
残念、わたくし貴方の花嫁にはなれませんの。既に先約ついておりますので!ね、頼典様?
恋への憧れに比例して強くなるプリズム☆アクア、花嫁衣装のおかげで恋への憧れ最高潮!
望まぬ結婚式はお開きにさせていただきますわ!
【武器巨大化】で巨大化した盾による【鉄壁】の守りで連続攻撃を防ぎ、【シールドバッシュ】で反撃しましょう。
八秦・頼典
ミルナ様(f34969)と
いけません、やられてしまえば貴方までもが娶られることに…!
さぁて、芝居に興が乗ってきたところでネタバラシかな?
ボクも『形代将来』でお色直しと行こうか
種と仕掛けは簡単、護符装束と同じように形代で花嫁衣装を作っていただけだけさ
一体何者か?
貴殿が恐れをなしたと言っていた結界を守る平安貴族と愛しき姫さ
この程度の変装を見破れないのは節穴だったか、それともボクの変装がそれほど上手かったかはともかく…ミルナ様はボクが先約済みだから諦めるのだね
如何に強力な式神と言えども攻撃が当たらなければ意味はない
形代らが四方八方から襲い掛かり、視界を封じたり纏わりついたりでミルナ様を手助けするよ
●花嫁様のお芝居道中
ふかふかの座布団にミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)と並んで座り、僅かに俯き顔が見えないようにしつつ、八秦・頼典(平安探偵陰陽師ライデン・f42896)は現れた『悪霊陰陽師』をそっと窺い見る。
『クックック……結界を守る平安貴族であっても、我の力には恐れをなしたと見える。ふ、フハハハハ! ハーッハッハァ!』
並み居る花嫁の数に少しばかり動揺している節はあるが、これだけの数の生贄を捧げるということは敗北を認めたも同義、という解釈をしたのだろうと頼典は小さく笑う。
『さあ、花嫁よ。我が手を取り共に来るがよい……!』
もう一歩前に出て、悪霊陰陽師は花嫁に向かって手を差し出す。それを合図としたように、ミルナがすっくと立ち上がり頼典を庇うように前に出た。
「ああ、どうか頼子お姉様だけは見逃してくださいませ……!」
楚々とした仕草で、悪霊陰陽師へと願い出る。
「いけません、貴方だけが犠牲になるなんて……」
なんとか高めの声を作りつつ、ミルナの芝居に乗るように頼典が立ち上がって首を横に振り、口元を手で隠す。奥ゆかしい姉のように見えるだろうかと、ちらりと悪霊陰陽師へ視線を向けた。
「いいえ、いいえ! 頼子お姉様を妖の嫁に差し出すわけには、ここはわたくしが参りますわ!」
『くく、美しい姉妹愛というわけか』
面白い、と言うように悪霊陰陽師が手を二人に向ける。
『姉でも妹でも構わぬが――どちらが来るのだ?』
「頼子お姉さま、どうかわたくしにお役目を務めさせてくださいませ……!」
「いけません、貴方だけを娶らせるわけには……共に参りましょう」
健気な姉妹が手を取って、頷き合う。
『腹を括ったようだな。ククク……さあ、来るがいい!』
「わかりましたわ。でも……連れていく前に、お色直しをさせてくださいませ」
ミルナがそう言って、差し出された手を見て微笑む。
『お色直し? ふむ、構わぬが』
「ありがとうございます。では、お色直し! 『オーシャンプリズムチェンジ!』」
凛とした声を響かせて、ミルナがユーベルコードを発動させる。キラキラとした水飛沫がミルナを包み、彼女の尾びれを足へと変化させ、南国の海を思わせるベアトップワンピースのステージ衣装へと一気にチェンジしていく。
「きらめく恋を歌う人魚姫、プリズム☆アクア! 海と愛する人を守るため戦いますわ!」
『な、何!?』
「さぁて、芝居に興が乗ってきたところでネタバラシかな? ボクも『形代招来』でお色直しと行こうか」
白無垢衣装がバラバラに解かれていくと、いつもの頼典が身に付けている衣装へと早変わり。
「種と仕掛けは簡単、護符装束と同じように形代で花嫁衣装を作っていただけだけさ」
ふっと笑みを浮かべ、頼典が悪霊陰陽師に向かって言えば表情の窺い知れない敵が怒りを滲ませる。
『き、貴様ら……! いったい何者だ!』
「いったい何者か? 貴殿が恐れをなしたと言っていた結界を守る平安貴族と、ボクの愛しき姫さ」
「そういうことですの。残念ですが、わたくし貴方の花嫁にはなれませんの。既に先約がついておりますので! ね、頼典様?」
「ああ、ミルナ様はボクが先約済みだから諦めるのだね」
しかし、と頼典が笑う。
「この程度の変装を見破れないのは節穴だったか、それともボクの変装がそれほど上手かったかはともかく……ここで貴殿は終いだ」
形代は既に、貴殿を囲い込んでいるのだから――。
『猪口才な! この程度で我を倒せるつもりか!』
怒りのままに悪霊陰陽師が青鬼型式神と赤鬼型式神を仕掛けるが、四方八方より襲い掛かる形代を振り払うのは手間。一つ一つは弱くとも、何せ数が多いのだ。
「望まぬ結婚式はお開きと参りますわね? 貴方の目論見――ここで壊させていいただきますわ!」
恋への憧れに比例して強くなるプリズム☆アクアの力、とくとご覧くださいませ! とミルナが盾を巨大化させ、青鬼と赤鬼の攻撃をしのぐ。
「花嫁衣裳のおかげで、恋への憧れも最高潮ですの!」
それに頼典が操る形代のお陰で、動きやすさは段違いだ。
「こんな都都逸をご存じですかしら。人の恋路を邪魔するもの奴は――馬に蹴られて死んじまえ、と言うのですわ!」
悪霊陰陽師へと近接したミルナが巨大な盾で、それこそ馬に蹴られるが如く悪霊陰陽師に殴りかかるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
神白・みつき
◎
お越しになったようですね
お相手を務めましょう
勿論、花嫁としてではなく猟兵として
悪霊陰陽師が接近してきたところを狙って
薙刀にて[なぎ払い]と同時にUCを使用
相手も近接戦を望むのならば好都合です
[受け流し]と[カウンター]を併せて応戦いたします
敵の攻撃は間断ないですが威力が低いのならば
いくらかの負傷は甘んじて受けましょう
攻撃と攻撃の継ぎ目を狙い
こちらの刃を確実に当てることに尽力いたします
宴の空気に油断をいたしましたね
その慢心、今は最大限に利用させていただきます
この一太刀は花嫁からのせめてもの手向けと思ってくださいませ
●花嫁からの手向け
純白のドレスに身を包み、静かにその時を待っていた神白・みつき(幽寂・f34870)は『悪霊陰陽師』の生贄たる花嫁を求める声に顔を上げる。
「お越しになったようですね」
随分と花嫁を待たせる花婿だと目を細め、確りとお相手を務めてみせましょうと微笑んだ。
「――勿論、花嫁としてではなく猟兵としてですが」
相手がこちらへ近寄ってくるまでは、ただただ大人しく従順な花嫁を演じてみせようと、みつきはか弱くも悪霊陰陽師に恐れを抱くかのように下を向いた。
『さあ、今宵我が花嫁となる者よ』
まるで花嫁を選ぶかのように、こちらへ近付いてくる悪霊陰陽師を今すぐにでもねじ伏せたいのを堪え、みつきは自分の方へとやってくるのを待つ。そして、今この瞬間! と感じ取ったそのとき、みつきは隠していた薙刀を握り締め、悪霊陰陽師に向かって薙ぎ払うと同時にユーベルコードの力を開放する。
「瞬きすら許しはしない」
敵が怯んだその隙を突き、みつきが立ち上がり一気に距離を詰めると燃える花弁を放ちながら、悪霊陰陽師に打ち込む。ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつめを、というところで青鬼型式神の爪に弾かれた。
『己、何奴か!』
「問われて答えるのも烏滸がましいですが……そうですね、六番目の猟兵と名乗りましょうか」
名乗ったところで、みつきが再び薙刀を構え、青鬼の爪を華麗に捌く。受け止めた感じ、威力は大したことはないが、連続攻撃で襲ってくるのが厄介といったところか。僅かに間合いを取れば止む攻撃に、なるほどと頷く。
「いいでしょう、いくらかの負傷は甘んじて受けましょう」
すっと薙刀を構え、覚悟を決めてもう一度踏み込む。燃える花弁がひらり、はらりと散って、青鬼の攻撃と攻撃の継ぎ目をねらって刃を確実に当てていく。
「宴の空気に油断をいたしましたね」
『ハッ! これしきの攻撃、痛くも痒くもないわ!』
「ふふ、その慢心――今は最大限に利用させていただきます」
みつきのユーベルコード、|灼桜一閃《シャクオウイッセン》は四回攻撃、そしてその全てが当たれば完成する能力。
「この一太刀は花嫁からのせめてもの手向けと思ってくださいませ」
優雅に微笑み、みつきが四度目の攻撃を悪霊陰陽師に放つ。
『何……グォォ……!!』
がくりと膝を突き、悪霊陰陽師がみつきを見上げる。
「ですから、慢心はするべきではないのです」
果たして、その言葉は悪霊陰陽師に届いていたか、いなかったのか――。
大成功
🔵🔵🔵
八坂・詩織
○
私が花嫁で本当にいいんですか?私は冷たい女かもしれませんよ…?雪女ですから。
|起動《イグニッション》!
髪を解き、瞳は青く変化。防具『雪月風花』を纏う。
…誰ですかお色直しとか言うの。
白無垢も悪くなかったですけどね、貴方に見せたかったわけじゃないので。見てほしい人は今ここにはいな…って、そんなのはどうでもいいですけど!
さて何故満月の日を指定したのかは知りませんが。悪手でしたね。私は雪女で月光の魔女、こういう日は力が増すんです。
近接範囲内に近づかないよう距離を取りルナティック・マグネタイトの月光の刃で攻撃。
満月は一晩中出てますから今夜は時間無制限で刃を繰り出せます。
一晩中鬼ごっこといきましょうか?
●雪花に舞う
白無垢姿で座る八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)の指先がぴくりと動き、僅かに瞬く。
「来ましたね」
小さく呟いた声は強い風の音に掻き消され、すぐに響いてきたのは生贄たる花嫁を求めてやってきた妖『悪霊陰陽師』の声であった。
『さあ、花嫁よ。我が手を取り共に来るがよい……!』
花婿としては最低な言葉ですね、と詩織は最低評価を付けつつ立ち上がり、前へと進む。
『くっくっく……さあ、手を取るがいい』
従順にも自分の言葉に従った花嫁と思ったのだろう、悪霊陰陽師が僅かに詩織へと歩み寄る。
「私が花嫁で本当にいいんですか?」
『何だと?』
「私は冷たい女かもしれませんよ……? 雪女ですから」
僅かに気温が下がったような感覚に、悪霊陰陽師がほほう、と笑う。
『お主も妖であったか、ならば我が配下に向かえるのも吝かではないぞ』
「お断りします、貴方と一緒にしないでくれますか?」
眉間に皺を寄せつつ、詩織が髪を解く。
「|起動《イグニッション》!」
イグニッションカードを掲げ、詩織が高らかにそう告げれば白無垢姿から一変、袖と裾にピンクの花と蝶があしらわれた白い着物姿へと変化する。それと共に瞳も青くなり――雪女という言葉が真実であることを表していた。
「……誰ですか、お色直しとか言うの」
いえそんな、誰も思っておりませんとばかりに平安貴族達がそっと目を逸らす。
「コホンッ、まあいいでしょう。白無垢も悪くはなかったですけどね」
少しばかり動き難いし、それに。
「貴方に見せたかったわけじゃないので。それに見てほしい人は今ここにはいな……って、そんなのはどうでもいいですけど!」
悪霊陰陽師に向かって、詩織が余計なことを口走りつつもはっきりと言い放つ。雪女だからといって、悪さをする妖怪と一緒にしてもらっては困るのだ。
『我を謀ったか!』
「謀るも何も、最初から私は貴方の仲間ではありませんから」
『ぬうう、許さぬぞ!』
人の話を聞いていませんね、と呆れ気味に溜息をひとつ零し、詩織が悪霊陰陽師に微笑む。
「さて、何故満月の日を指定したのかは知りませんが……悪手でしたね。私は雪女で月光の魔女、こういう日は力が増すんです」
こんな風に、と詩織が全身から月光の魔力を放つ。それは彼女の能力を倍増させ、月光の刃を生み出し悪霊陰陽師を攻撃する。鋭い刃に切り刻まれながらも、青鬼型式神を放つが詩織はその爪が届く範囲から絶妙なタイミングで離れてはやり過ごす。
「満月は一晩中出てますから、今夜は時間無制限で刃を繰り出せます」
本来であれば、167秒間の制限があるのだが、月が出ている間はその制限もない。
「一晩中鬼ごっこといきましょうか?」
鬼さんこちら、手の鳴る方へ――詩織は悪霊陰陽師が力尽きるまで、まるで舞うように月光の刃を操り、敵の攻撃を躱し続けた。
大成功
🔵🔵🔵
白矢羽・尭暁
【主従】
高笑いって悪者が決まってするよね、あとで負けちゃうのに
あんなふうに笑うの、楽しいのかなぁ…僕もやってみようかな?
…いや、しない、しないよ!
それに今は花嫁だからね。花嫁は高らかに笑いはしないだろうし
従順な花嫁のふりをして仕掛けよう
まぁ、貴方様が…大勢娶られるということはさぞ甲斐性のある御方なのでしょう
近付いて、絶対当たる距離にきたら霊波光線を
今日は血を流すのは無粋だからね、これしかない
ちょっと加減ができないけどごめんね
その爪も何もかも霊波光線で消してしまえば怖くないしね
れーくんなら僕が何処に放ってもきっちり避けてくれる
ふふ、花嫁の姿でもやっぱりれーくんはれーくんだ
どんな格好でも頼りになる
冷泉・辰乃丞
【主従】
…尭暁様も、あのように高笑いをなされるのですか?
主がお望みなのでしたら…と真面目に見守るも
ええ、そうですね
淑やかに参りましょう
尭暁様に付き従い、まずは花嫁の如く振舞いを
そして尭暁様が仕掛ける直前に術の詠唱
青龍による水の渦を成して敵を捕縛し攻撃
尭暁様が光線を当てやすいよう動きを封じる
光線の範囲外から術を織り成しながら
身を挺し、常より重い衣装纏う主を守護
私は普段から慣れておりますので、動くのに何ら支障はありません
私は、平安貴族であり陰陽師でありますが
青鬼や赤鬼など、恐るるに足らず
それに何より、私は尭暁様の従者
麗しき花嫁の主には、決して近寄らせはしません
…今の私も、装いは花嫁ではあるのですが
●麗しき花嫁達の戯れに
現れた妖、『悪霊陰陽師』の高笑いを聞きながら、白矢羽・尭暁(金烏・f42890)はにこやかな表情を崩さぬまま、隣に控えている冷泉・辰乃丞(青の鎮魂歌・f42891)に小さな声で話し掛ける。
「高笑いって悪者が決まってするよね、高笑いをする決まり事でもあるのかな?」
「……そのような決まり事はないと思いますが」
「不思議だよね、あとで負けちゃうのに。もしかしたら、あんなふうに笑うの、楽しいのかなぁ……僕もやってみようかな?」
もしかしたら楽しいのかも、と尭暁が思うのも仕方ないほど、悪霊陰陽師は勝ち誇ったような高笑いを上げている。まだ花嫁を手に入れたわけでもないというのに。
「……尭暁様も、あのように高笑いをなされるのですか?」
主がそう望むのであれば、見守るが従者の務め――と、辰乃丞が尭暁を見つめる。
「あんなふうに……」
自分が高笑いを? と、想像してから尭暁は小さく首を横に振った。
「……いや、しない、しないよ!」
だってあれ、ちょっと格好悪いよね? と辰乃丞へと視線で問う。それに応えるように、辰乃丞は重々しく頷いた。
「尭暁様がされるのであれば、あのような下賤さはないと思いますが」
どういうパターンで想像しても、なんかちょっと遠慮したいかも、と尭暁は思う。
「いや、止めておくよ。それに今は花嫁だからね、花嫁は高らかに笑いはしないだろうし」
やっぱり高笑いは悪役に任せるよと尭暁が笑った。
「ええ、そうですね。淑やかに参りましょう」
そうとなれば、可憐に、乙女らしく。
『さあ、我が手を取るがいい!』
悪霊陰陽師の言葉に尭暁が楚々と立ち上がれば、辰乃丞も続くように立ち上がる。
「まぁ……貴方様が……大勢娶られるということはさぞ甲斐性のある御方なのでしょう」
高めの声を作り、相手を持ち上げるような言葉を紡げば、悪霊陰陽師は気を良くしたように鷹揚に頷く。
『少しは分かっているようだな、こちらに来るがいい』
静々と、尭暁が前へと進み出れば合わせるように辰乃丞も進み出て、尭暁が仕掛けるタイミングを計る。
『少し背が高いようだが、まぁいい。美しい白い肌をしている、後ろの者も手入れを良くされているようだ』
綿帽子や袖から覗く肌に良家の娘だと判断したのだろう、悪霊陰陽師が尭暁に手を差し伸べるのを見て、辰乃丞が気付かれぬよう小さな声で術の詠唱を行う。
「天ノ辰星、水渦烈烈、急々如律令」
その詠唱は素早く、小さな声でありながら正確。詠唱が終わると同時に猛る青龍が現れ、悪霊陰陽師へ水の渦を放った。
「さすがれーくん」
悪霊陰陽師が油断する瞬間を狙い、術を放つ。それは尭暁が仕掛けるタイミングを完璧に把握した動きで、更には悪霊陰陽師の動きを封じるおまけ付きだ。
「今日は血を流すのは無粋だからね、これしかないんだ。ちょっと加減ができないけど――ごめんね?」
ふわりと笑い、尭暁が霊波光線を悪霊陰陽師へと放つ。
『何……っ!? 謀ったな!!』
慌てて青鬼型式神を尭暁に、赤鬼型式神を辰乃丞へ向かわせ対応するけれど、少しばかり遅い。
「その爪も何もかも霊波光線で消してしまえば怖くないし、れーくんなら僕が何処に放ってもきっちり避けてくれるからね」
尭暁が放った霊波光線は半径1メートルの全てを消滅させるもの、その範囲外ギリギリを見抜き、辰乃丞は赤鬼型式神を相手取る。
「常より重い衣装ではありますが、私は普段から慣れておりますので」
動くのに一切の支障はないと、言葉通りに辰乃丞は軽やかに鬼を捌いてみせる。平安貴族であり陰陽師たる辰乃丞にとって、青鬼も赤鬼も怨霊も恐れるような相手ではないのだ。
「ご安心ください、麗しき花嫁の主には、決して近寄らせはしません。……今の私も、装いは花嫁ではあるのですが」
「ふふ、花嫁の姿でもやっぱりれーくんはれーくんだ。どんな格好でも頼りになる」
なんて頼もしい僕の従者、と尭暁が満足そうに頷いて。
「それじゃ、もう少し頑張ってもらおうかな」
「尭暁様の望みのままに」
互いが互いの期待を裏切らぬよう、尭暁と辰乃丞は悪霊陰陽師を追い詰めていく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
楊・暁
【朱雨】◎
折角藍夜に我慢させてまで花嫁姿に化けてんだ
極力ギリギリまで油断させて隙を狙わねぇとな
背丈は少し屈み気味で低く見せかけ
藍夜との意思疎通もアイコンタクトか小声で
敵への応対は極力声は出さずジェスチャーで返すぞ
着物の裡に隠した愛刀も
そのまま気づかれねぇように十分注意しねぇと…
って言ってる傍からぶっ放した藍夜に瞠目
えい、ってお前…
ちょっとじゃねぇだろそれ…
全くしょうがねぇなぁ…(苦笑
抱き上げられたまま愛刀を片手で横一文字に構え
早業でUCによる先制攻撃
付与する状態異常は超捕縛
上等だ
そっちが真っ向勝負なら、こっちは先手打つだけだ…!
身動き取れなきゃ連続攻撃もできねぇだろ
適当なところで花嫁衣装も解いて正体バラし
まぁ男だって分かりゃ興味も失せるだろ
失せなかったら…そのときは藍夜が脊髄反射しそうだな(笑
俺達への敵からの攻撃は気配感知して早業で結界術で防御
藍夜はいつもみてぇに攻撃が最大の防御!だろうし
その分、俺は防御優先で動くぞ
悪いな、俺はもう|藍夜のもの《伴侶持ち》なんだ
花嫁なら他を当たってくれ
御簾森・藍夜
【朱雨】
……えいっ
?
やだな心音大丈夫だ、ちょっと手が滑っただけだ
ははは
何故か無性にイラッとしてつい体が勝手に…
従姉妹に仕込まれた技術が役立つこともあるのかと俺は今感動している
見なくても撃てるようになれ…あの|姉《鬼》はそう言っていたんだ
ふふ
珍しく穏やかな笑顔で夢UC
焦らず迷わず間違いなくUC
何がいただきに参ったぞだふざけた真似を
古典的な手法だがあまりに古典で驚くほどだ
正々堂々としすぎていて、いっそ潔しとさえ評価ができん
あまりにチープ
あまりに短絡的
実に意外性の無い奴め
しれっと心音を抱き上げて片手間にUC
迷 間髪入れずに撃ちながらら決して心音は離さない
二回目だからと言っていたが、何度でも愛おしい
●花一輪は君のもの
散々迷ったものの、白無垢姿は自分だけのもの、と言い張る御簾森・藍夜(雨の濫觴・f35359)が楊・暁(うたかたの花・f36185)に選んだのは百花繚乱の色打掛。赤と黒の縦ぼかしの生地に花模様が施された美しい衣装で、暁によく似合っていた。
座敷の中央に並べられた白い座布団の上、花嫁達が並ぶ中でもよく目立っていて、少し離れた場所から見守っている藍夜は妻が綺麗で満足気でもあり、自分の為ではないというのが腹立たしいやらで情緒が忙しい。
その視線を一身に受けつつ、暁はなんとか打掛の裡に隠した愛刀に気付かれぬよう細心の注意を払いつつ、妖が現れるのを待つ。
「極力ギリギリまで油断させて隙を狙わねぇとな……」
何せ、折角藍夜に我慢させてまで花嫁姿に化けたのだ、即座に見抜かれたり攻撃し損ねては化けた意味がないというもの。作戦を練りつつ、ふと強い風が吹いたその瞬間――赤鬼と青鬼の式神を引き連れた『悪霊陰陽師』が現れる。
『花嫁をいただきに参ったぞ』
その言葉に、暁が顔を俯かせたままちらりと藍夜へと視線を向ければ、今にも悪霊陰陽師へユーベルコードを撃ち込みそうになっている藍夜が見えて、暁は必死にアイコンタクトで抑えろと伝える。それが伝わったのか、渋々といった表情で藍夜が僅かに頷いた。
ほっと息をつき、暁が悪霊陰陽師の声に応えて立ち上がる。少し屈み気味で背を低く見せかけつつ、お淑やかな振舞いになるように足を踏み出す。ここからが正念場だと、暁がいつでも愛刀を取り出せるようにして、また一歩と近付く。
『さあ、花嫁よ。我が手を取り共に来るがよい……!』
花嫁は自分のものと信じて疑わない悪霊陰陽師の物言いに、藍夜が静かにキレた。
「……えいっ」
「えっ」
悪霊陰陽師に向かって梟葬の銃口を向ければ、不可視の狙撃弾が放たれる。
『!? 何事だ!!』
どこからか攻撃されたという事実に、悪霊陰陽師が警戒するように周囲を見回す。その正面で、嘘だろ、そんなお前って顔をして暁が藍夜を見遣れば、何か問題でもあったかというような顔で藍夜が見返した。
「えい、ってお前……」
いやもう完全に敵は警戒している、俺の苦労は?? と思っていると藍夜が暁の隣へ堂々とやってきて、首を傾げる。
「? やだな、心音。大丈夫だ、ちょっと手が滑っただけだ、ははは」
「ちょっとじゃねぇだろそれ……」
「何故か無性にイラっとしてつい体が勝手に……」
本当に無意識だった、と藍夜が言いつつ、さり気なく悪霊陰陽師から暁を引き剥がす。
『貴様! 我の花嫁に何をする気だ!』
悪霊陰陽師が藍夜にそう言った瞬間、再び不可視の狙撃弾が悪霊陰陽師を襲う。
「ら、藍夜?」
「従姉妹に仕込まれた技術が役立つこともあるのかと俺は今感動している。見なくても撃てるようになれ……あの姉鬼はそう言っていたんだ」
確かに藍夜は暁だけを見ていたし、完全に悪霊陰陽師の方は見ずに引き金を引いていた。
「反射というのかな、これは」
「はぁ……全くしょうがねぇなぁ……」
こうなったら作戦は変更だと、暁が呆れたように、けれど何処か嬉しそうに笑う。
「ふふ、では遠慮なくだ」
穏やかな笑みを浮かべたまま藍夜が引き金を引き、その狙撃弾は悪霊陰陽師に全て着弾する。
『貴様……貴様ァ! 許さぬぞ!』
「許さないのはこっちだ何がいただきに参ったぞだふざけた真似を古典的な手法だがあまりに古典で驚くほどだ」
よっぽどストレスが溜まっていたのだろう、藍夜がノンブレスで悪霊陰陽師にぶちまける。
「わぁ……」
すごい、止める隙がない。
「正々堂々としすぎていて、いっそ潔しとさえ評価ができん。あまりにチープあまりに短絡的」
『なんだと!』
「実に意外性の無い奴へ」
『ぬううう、青鬼! 赤鬼! やれ!!』
我慢の限界とばかりに悪霊陰陽師が鬼型の式神をけしかけるが、藍夜は暁を抱き上げて距離を軽く取ると片手間とばかりに式神を撃ち抜いた。
『我の邪魔をする貴様、何者ぞ!』
「この世で一番可愛い心音の夫だが!?」
まだ酔ってんのか? と思いはしたが、藍夜はいつもこんな感じだなと暁は何か言うのをやめ、抱き上げられたまま愛刀、一刃赤心を片手で横一文字に構える。
「魅入ってろ。――気の済むまでな」
刀からおぼろげに揺らめく狐炎が幾つも揺らめき、その美しさに気を取られるよりも早く悪霊陰陽師へと放たれた。
『このような狐火如き!!』
「上等だ、侮ったこと後悔すんなよ!」
真っ向勝負とくれば、先手を打つのみ。狐炎は悪霊陰陽師を燃やし尽くすかのように襲い掛かり、身動きが取れぬように纏い付く。
「ハッ、身動き取れなきゃ連続攻撃もできねぇだろ」
「さすが、俺の心音」
『おのれ、おのれおのれぇ!! 花嫁は我のものだ!!』
「へぇ、これでも?」
暁が笑うように花嫁衣裳を解き、いつもの服装を見せつけた。
『……男だと!?』
「そういうこと、生憎花嫁にはなれなくてな」
男だとネタバラシをすると、更に悪霊陰陽師が激昂したように式神を繰る。
「男とわかったら興味をなくすとは……心音の良さがわからんとみえる」
わかったらわかったで激怒するくせに、と暁がじとりと見れば、笑顔が返された。
「あー、もーしょうがねぇな……! いくぞ、藍夜!」
「任された」
間髪を容れず引き金を藍夜が引き、暁が敵の攻撃を結界術を用いながら悪霊陰陽師を追い詰めていく。
「悪いな、俺はもう|藍夜のもの《伴侶持ち》なんだ。花嫁なら他を当たってくれ」
「そういうことだ」
不可視の狙撃弾と狐炎が重なるように放たれ、悪霊陰陽師は狐炎に包まれながら怨嗟の声を上げるのみ。
「心音」
「ん? なんだ?」
「二回目だからと言っていたが、何度だって心音の花嫁姿は愛おしいものだな」
「……帰ったらゆっくり聞いてやるから」
だから今は目の前の敵を倒すぞ、と暁が藍夜の腕の中で笑った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
一ノ瀬・漣
【煙響】◎
白無垢重っも…!動きづら…!
ねぇ梓…
敵出てきたし、これもう脱いでいい?
ちょっ…!話聞いて――なっ、ば、ばか何言ってんのこんな時に…!
ひょあっ!?(抱き上げられて
吃驚するけど、微かに梓が左眼気にしてる様子に気づいて
(…?気のせい…?)
とりあえずここはさっさと片付けよっと
エレキは三味線に見えなくも…ない?いけそ?
…梓ぁ
陰陽師ってさ、あんな近接武闘派だっけ…?
もっとこう、映画とかだと遠距離技メインだった気がするんだけど…
ああ、あの邦画の…
ま、いっか(諦め
それはそれでオレに有利なワケだし?(にま
陰陽師なら式とか術とか放って欲しいんだよねー
様式美って知ってる?その期待に応えるのがプロってもんでしょー?
…あ、さては陰陽師目指してる系?
プロになりたいならそういうとこも押さえとかなきゃ
敵の言動から情報収集して心情面での急所を見抜く
あとはUCで敵の心を震わせるほどに声を届かせる&ファンを作る
梓の左眼も気がかりだから回復も確りと
大丈夫、一人じゃないよ
赤鬼青鬼も一緒に|連れてって《討伐して》あげる♪
都嘴・梓
【煙響】◎
UC1:身支度
UC2:悪食
んー?
でもさぁ、可愛いね
白くてふわふわで…あー、なんかこれ解いて俺のにするんだなぁと思えばあいつらが欲しがるのもなんか分かるかも
ククを敵を眺めながら笑って漣の指先を撫でてから、にっこり笑って抱き上げて
最近ちょっとおかしい左目のことは後回しで“いつも通り”に
やだね
本当は見せてやるのだって惜しいんだ、無料のサービスは此処まででーっす! っと
チクチクズキズキ、ついこの間から左目の奥が痛いけれど退く気無しUC1
人から何か盗ろうってんなら
—腹ァ括らなきゃ。ダメダメ、貰えて当たり前なんて…誰に教わったのかなー?
呼ばれて漣を見れば、綿帽子を脱いでいつものイケメンでなんか余計可愛い
ん?…あれじゃない?宗派の違い?
アハハ、あーこの間見たのそうだったよねぇ
キラキラシャンシャンな東洋の魔法使い的な!
あと—…窃盗は、立派な犯罪
そりゃあもういつの時代でも
…―いーけないんだ。いけないんだ♡
悪い子はー、どーしちゃおっかなあー?UC2
|反省部屋《胃袋》でー…
|来世《・・》に期待して?
●お仕事はプロフェッショナルに
強い風に御簾が音を立てて揺れると共に、妖『悪霊陰陽師』が現れる。
『花嫁をいただきに参ったぞ』
赤鬼と青鬼の式神を従えた、悪霊に堕ちた陰陽師――その出現にざわめく広間の中、一ノ瀬・漣(Pour une infante défunte・f44080)は花嫁の介添えです、という顔ですぐ後ろに控えていた都嘴・梓(|嘯笑罪《ぎしょうざい》・f42753)に視線を向けた。
「ねぇ梓……」
「んー?」
「白無垢重っも……! 動きづら……!! 敵出てきたし、これもう脱いでいい?」
小さな声での抗議に、梓が口元を軽く押さえて笑う。
「笑い事じゃないって、これで戦うの無理だよ、どう考えても!」
漣の半ば逆切れにも近い言葉に、既に花嫁衣裳で戦闘を始めている猟兵達を梓がちらりと見遣る。その視線の意図を察し、漣が他所は他所! と梓を睨んだ。
「でもさぁ、可愛いね」
「は?」
「白くてふわふわで……」
「ちょっ……! 話聞いて」
る? と問う前に全く話を聞いていない梓が答えになっていない言葉を紡ぐ。
「あー、なんかこれ解いて俺のにするんだなぁと思えばあいつらが欲しがるのもなんか分かるかも」
|花嫁《生贄》を求める敵を眺め、ククっと笑いながら漣へと視線を戻す。
「――なっ、ば、ばか、何言ってんのこんな時に……!」
まだ酔ってるの? と少しばかり心配になって漣が梓を窺うようにそっと下から覗き込む。上目遣い、というやつだなと梓が思いつつ、漣の指先を指の腹で撫でる。
「あ、梓?」
本当に酔っているのではなかろうか? と、漣が目を瞬くと同時に梓がにっこりと笑って、漣を抱き上げた。
「ひょあっ!?」
「はは、かーわいい声」
可愛いと繰り返し笑いながら、僅かに梓が左目を顰めた。
「……梓?」
急に抱き上げられて驚いたけれど、それよりも梓の様子が気になって漣が名を呼ぶ。
「んー? なーに」
「や、なんでも……じゃない、なんで抱き上げてるんだよ!」
いつも通りの様子に、気のせいかと思いつつも漣が抱き上げられたことに異を唱える。
「だって重くて動けないんだよねぇ?」
「う、やればできる、よ」
「はは、無理しなーい。そして俺は役得!」
なんて押し問答をしている間に、悪霊陰陽師がこちらに気付いた。
『何をしている、我の花嫁だ。こちらに寄こせ!』
「やだね。本当は見せてやるのだって惜しいんだ、無料のサービスは此処まででーっす!」
誰がお前のだ、と梓が中指を立てつつユーベルコードを発動する。チクチクズキズキと、ついこの間からまるで針を刺すように痛む左目に構うことなく蜜馨の紋章がじわりと熱を帯びて、悪霊陰陽師を捉える。
『ならば奪い取るまでよ!』
青鬼型式神の鋭い爪が鈍く光り、その一撃が振り下ろされる――よりも早く、梓の腕に抱き上げられたままの漣が、 ここはさっさと片付けてしまおうとエレキギターを掻き鳴らす音が響いた。
「エレキは三味線に見えなくも……ない? いけそ?」
「いけるいける、かっこいいよ漣」
白無垢姿にエレキギターなんて、ちょーロックだと梓が笑う。
『おのれぇ、寄こせぇえ!』
「人から何か盗ろうってんなら――腹ァ括らなきゃ。ダメダメ、貰えて当たり前なんて……誰に教わったのかなー?」
『そんなもの教わるまでもない、力あるものにひれ伏し、差し出すがいい!!』
攻撃をひらりと躱しながら、梓がやなこったと距離を取る。
「……梓ぁ」
名を呼ばれ、腕の中の漣を見遣ればいつの間にか綿帽子を脱いだ彼が自分を見上げている。そのいつものイケメン顔が、白無垢と相まって余計に可愛い、と真剣な顔をして梓が考える。そんなことを考えているだなんて露知らず、漣が率直な意見を口にした。
「陰陽師ってさ、あんな近接武闘派だっけ……?」
「ん? ……あれじゃない? 宗派の違い?」
「宗派……いやでも、もっとこう……映画とかだと遠距離技メインだった気がするんだけど……あの邦画の」
「アハハ、あー、この間見たのそうだったよねぇ。キラキラシャンシャンな東洋の魔法使い的な!」
しかし、目の前にいる悪霊陰陽師は式神を従えて近接攻撃をバンバン仕掛けてくるタイプで。
「ま、いっか。それはそれでオレに有利なワケだし?」
にんまりと笑った漣に、カッコイー! なんて梓が口笛を吹く。そんな称賛の声を受けながら、漣は悪霊陰陽師へと口を開いた。
「あのさぁ、陰陽師なら式とか術とか放って欲しいんだよねー」
『……いや、この赤鬼と青鬼は我の式だが』
「黙って」
『はい』
姫抱っこされた白無垢の美人に睨まれて、思わず悪霊陰陽師が黙る。
「様式美って知ってる? その期待に応えるのがプロってもんでしょー? その赤いのと青いのが式神って言うけど、もうちょっとカッコイイのないの? 龍とかさ」
『鬼だってカッコイイだろう!』
「漣が黙って聞けって言ってるんだから黙って聞きなよ」
『はい』
梓の妙な迫力がある声に気圧されて、再び悪霊陰陽師が黙った。
「……あ、さては陰陽師目指してる系? 陰陽師になりそこなって悪霊になったとか?」
『ふざけるな、我は歴とした陰陽師ぞ!』
「でも悪霊堕ちしてるでしょ。っていうかさ、プロになりたいならそういうとこ押さえとかなきゃ」
ニーズを読みなよ、なんて言葉に、周囲にいる陰陽師達もなるほど……? と頷いている。
『うぐぐぐぐ、黙れ黙れ! もうよい、こうなれば力尽くで奪ってくれるわ!』
漣の見事な|口撃《攻撃》に、悪霊陰陽師が激昂し、青鬼が爪を振るう。
「奪うって言った? 知らないかもしれないけど、窃盗は立派な犯罪。そりゃあもういつの時代でも、ねぇ?」
悪霊陰陽師の言葉尻を捕らえ、梓がにやりと笑う。
「……いーけないんだ。いけないんだ♡ 悪い子はー、どーしちゃおっかなあー?」
しっかりと下拵えまで済んだ、悪霊陰陽師を梓が見遣って――その肉片を梓が捕食した。
「あ、全部食べられる前にオレの歌も聞いていってねー」
漣がこの場を支配するかのように、歌声を響かせる。その歌声は刃のように悪霊陰陽師の心を震わせて、動きを鈍らせた。
「大丈夫、一人じゃないよ。ご自慢の青鬼と赤鬼も一緒に|連れてって《討伐して》あげる♪」
歌声は益々艶やかに響き、梓への回復も怠らない。どうしても、梓が左目を気にしているようで、漣の心に引っかかるのだ。
「うーん、絶好調~! それじゃ、悪い子は|反省部屋《胃袋》でー……|来世《・・》に期待して?」
期待できるような来世にはならなさそうだけど、と笑いながら梓がごくん、と飲み込んだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シリルーン・アーンスランド
背の君陸井さま(f35296)と
いよいよ参りましたか
離れておわす陸井さまの気も
張っておいでと判ります
というかこれは激烈なお怒りですね
あの方は恐らく嘘言とはいえ華燭の典を
壊すモノに我慢がならぬのでしょう
それはわたくしも同じ
|女《おなご》の一生一番の晴れ舞台の花嫁を
血に沈めるも
素晴らしいお衣裳を台無しにするのも
「許せそうにありませぬ」
呟きのあと面を伏せます
化物の手が顎が我が身に掛かりても
か細く『きゃあ』だの『お許しを』だの
抗う術無き唯の女であるかの如く―
…我慢を
背の君の気が爆発しそうであられますが
侮り言葉で嬲る化物に対しての
わたくしの好機はあと一呼吸、二呼吸…
真正面とその腹をわたくしに晒した、今!
「お下がり!汚らわしき化物風情が!」
突然しおらしさをかなぐり捨て全力にて発し
月の斬撃を放ちます
突き刺さりまた虚空に残る月の刃に飛び
イグニッションカードにて起動!
さすれば美しいお衣裳を一切傷めず
わたくしは身軽に闘えます!
攪乱翻弄し陸井さまの足場ともなり
周囲には害を出さず
月と水の力で葬ってくれましょう!
凶月・陸井
愛する妻のシリル(f35374)と
敵はまんまとおびき出されたみたいだな
ここがあいつにとっての終着点になる
だけど、人生においての晴れ舞台
しかも女性にとっては一番輝かしいその場を
下らない理由の為に壊そうとするこいつに
俺は心底怒っている
その上、作戦っていうのは解っているし
それを納得の上で参加しているんだが
さっきの嬉しそうな妻の顔を思い出してしまって
「誰の、何を、いただくって?」
この距離なら呟く声は敵には届かないだろう
自分でも感じとれそうな周囲の空気が軋む程の怒りも
妻が作戦通り我慢して頑張っているのだから
今は務めて冷静にと頭で考え
吸う息と共に胸にしまい込んでいく
押し込めた怒りは一瞬で距離を詰める為
妻が演技を捨てて切りかかると同時に
引き絞った弓が放たれるかの如く飛ぶ
「本来なら、お前程度には使わないんだけどな」
この程度の敵であれば妻の斬撃と
俺の弾丸で貫いて終わりに出来る
だけど、どうにも、腹に据えかねた
シリルが作った足場で舞い跳び
敵の顔面へ、俺の最大威力を叩き込む
「お前がしでかした事への怒りを知れ!」
●凛と咲く花は貴方の傍らで
大広間の中央に、ずらりと並んだ花嫁達。その中のひとりとして、シリルーン・アーンスランド(最強笑顔の護り風・f35374)は白の引き振袖衣装を纏い、ふかふかの座布団の上に座り敵が来るのを待つ。彼女の後方には花嫁の介添人として、夫である凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)が控えている。
本来であれば隣に座って彼女の美しさを目に焼き付けたいところだが、敵の油断を誘うという作戦の為に陸井は甘んじてその立場を引き受けていた。何より、シリルーンに『陸井さまが背中を守ってくださるなら心強いですわ』と微笑まれては、他の誰にもその場を譲る気もないというものだ。
楽し気な人々の声が、不意に強い風に掻き消される。御簾が大きく揺れ動いた次の瞬間、大広間には妖『悪霊陰陽師』が姿を現していた。
「いよいよ参りましたか」
シリルがぽつりと呟けば、背後に控える陸井の気もピンと張りつめた弓のように感じられ――ふと、シリルーンが瞳を瞬き、そして腑に落ちたように小さく頷いた。
「というか、これは激烈にお怒りですね……あの方は恐らく嘘言とはいえ華燭の典を壊すモノに我慢がならぬのでしょう」
その予想は確りと当たっていて、悪霊陰陽師が生贄たる花嫁達に言葉を投げ掛けるたびに、静かに陸井の怒りが広がっていくようでシリルーンは振り向きたくなる気持ちを押さえて、悪霊陰陽師が油断するその時を待った。
一方、怒気を孕んだ呼気を落ち着けるように、陸井は静かに呼吸を整えながら、まんまとこの場に誘き出された悪霊陰陽師の出方を窺う。ここがあの悪霊陰陽師の終着点になるのは間違いないが――それはそれとして、花嫁を生贄に求めるような敵は徹底的に潰さねばならないと思う。
女性にとっては一番輝かしい場で着るべき衣装だろう、花嫁衣裳は。それを下らない理由で壊そうとする目の前の敵に、陸井は心底許せないと拳を握り締める。この瞬間にも飛び出て捻り潰したいところだが、これも作戦の内。敵が最大限に油断する瞬間を狙って――。
『花嫁をいただきに参ったぞ』
「は?」
思わず低い声が出てしまい、陸井は小さく咳ばらいをする。しかし、花嫁衣裳を選んでいた嬉しそうな妻の顔が脳裏に浮かんで、やはり低い声が口を衝いて出た。
「誰の、何を、いただくって?」
この距離であれば、人々のざわめく声に掻き消され悪霊陰陽師まで届くことはないだろう。しかし、周囲の空気が軋むくらいの怒りはどうにも消せるものではない。シリルーンの後ろ姿を見つめ、陸井は再び怒気を静めるように息を吸って、身の内で怒りの炎を巡らせた。
その気配をしっかりと感じ取りながら、シリルーンも気持ちは同じだと心を寄り添わせる。|女《おなご》の一生一度の晴れ舞台である花嫁を血に沈めるのも、素晴らしいこの衣装を台無しにするのも――。
「許せそうにありませぬ」
そう、静かに呟いて面を伏せ、悪霊陰陽師がこちらへ来るのをひたすらに待った。
『さあ、花嫁よ。我が手を取り共に来るがよい……!』
悪霊陰陽師がシリルーンの前まで来ると、ほう、と一言投げ掛けて黒い手をシリルーンの顎先を捉え、上を向かせる。
「きゃ……っ」
『よい供物ではないか』
「どうかお許しを……!」
身を震わせて、さも抗う術のない無力な女を演じ、まだもう少し……とシリルーンが己の背後で今にも怒気を爆発させそうになっている陸井を思いつつ、時を待つ。
『よいよい、我と共に来るがいい。優しく喰ろうてやろう』
一層恐怖を煽るような言葉で嬲る悪霊陰陽師に対し、シリルーンは密やかに好機を計る。
一呼吸、二呼吸――真正面にその腹を晒した、今!
「お下がり! 汚らわしき化け物風情が!」
その好機はまさに彼女の我慢の限界でもあったのだろう、悪霊陰陽師に見せていたしおらしさをかなぐり捨てると、月光の如き白い閃光が迸る。それはシリルーンが放った月光弾で、悪霊陰陽師の腹を正面から撃ち抜いていた。
『何!?』
悪霊陰陽師が仰け反った瞬間に、陸井の気配が弾ける。引き絞った弓が放たれるかの如く、飛んだのだ。
「本来なら、お前程度には使わないんだけどな」
この程度の敵であれば、シリルーンの斬撃と己の弾丸で貫いて終わりにすることは可能だ。けれど、どうにも、そう。
「お前の所業は腹に据えかねた!」
「その通りですわ!」
シリルーンは放った月光弾の軌跡に残る月の刃に陸井と共に飛び乗り、手にしたイグニッションカードをかざす。
「|起動《イグニッション》」
その言葉と同時に、シリルーンの姿は戦う為の和装へと変わる。
「これで美しいお衣装を一切傷めず、身軽に戦えるというものです!」
「シリル!」
「ええ、わたくしの背の君」
陸井が水の術式を瞬時に練り上げ拳へと纏わせると同時に、シリルーンは再び月の斬撃を放つべく月の光をその身に集める。
「あえかなる月の光よ、斬撃となり敵を討て!」
陸井の攻撃が最大限の力を発揮できるようにと、シリルーンが斬撃を放てば、その軌跡を足場にして舞い飛んだ陸井が悪霊陰陽師の面貌目掛けて爆水掌を叩き込む――!
「お前がしでかした事への怒りを知れ!!」
『人間風情がァァァ!!』
赤鬼と青鬼の式神が二人の攻撃を弾くべく動くが、それをシリルーンの月の光が許さない。最大威力を宿した陸井の拳は、悪霊陰陽師の企みも何もかもを飲み込み、砕いたのである――。
大成功
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