●白球を追う白黒の海の民
獣人戦線、アメリカ大陸フロリダ州オーランド。
11月でも比較的温暖な気候のこの地にも、少数種族であるシャチたちの街があった。
『そら、ライトいくぞー』
『あいよっ!』
掛け声と共に快音が響き、高く上がった白球が頭上に構えたシャチのグローブにキャッチされる。
街の中にある広い球場で行われているのは野球。この街のシャチ達に合わせ道具もフィールドも大きく広く作られており、一流を目指して日々練習を行っているようだ。
仮初の平和を謳歌しているこのアメリカならではの獣人達の生活――しかしこの平和を無惨に踏み躙るべく、幻朧帝国の鯱のエージェントが逢魔弾道弾を手に密かに迫ろうとしていた。
グリモアベース。
「ビブリオラビリンスって新世界も見つかったみたいだねえ……今回の予知には関係ないけども」
新世界について軽く触れつつ、獣人戦線で発生する事件について猟兵達に呼びかけるのはシャチ獣人のヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)。
「今回事件が起こるのはアメリカのフロリダ州オーランドの近くにあるシャチ獣人が住民の大半を占める街だ。この世界のアメリカはユーラシア大陸の方とは違って|F.O.N《フィールドオブナイン》による仮初の平和を謳歌していて、住民達の生活には余裕があるみたい。それでこの街で力を入れているのは野球、といってもアスリートアースの超人野球とはまた違う獣人達の身体能力の範囲での常識寄りな野球だよ」
そうヴィクトルは街について説明しつつ、次に彼が見た予知の概要を語り始める。
「ざっくりいうと幻朧帝国による逢魔弾道弾を使った破壊工作だね。街の重要拠点に逢魔弾道弾を設置、起爆して街全体を逢魔が辻……オブリビオン蠢く奇怪な魔都へと変えようとしてくるから、設置に来たエージェントを叩いて撃破、起爆させないように対処してほしいってのが今回の大まかな作戦になる。街にやって来るエージェントは『海軍中佐・碓氷勇魚』、彼もまたシャチ獣人で、上手く変装して乗り込んでくるみたいだ。ただ、重要拠点として夕方頃に街の野球場を狙ってくる光景が見えたから、そこで待ち伏せしていれば迎撃は可能だと思うよ。もし可能ならシャチ獣人と一緒に野球楽しんで親交深めておくと避難誘導とか色々楽になるかもね」
そうヴィクトルは説明し、首にかけていた鍵――グリモアを手に持ち、転送の準備を開始する。
「去年のサメに続き先月はカラスとウシが新たに猟兵に覚醒するようになった。シャチもまた覚醒する可能性はあると思うけどもまだまだ俺達猟兵が守って虐殺を阻止しないとならない。地道な戦いになるけれども、どうか頼んだよ」
そうヴィクトルは話を締め括り、猟兵達をフロリダのシャチ達の街へと転送したのだった。
寅杜柳
オープニングをお読み頂き有難うございます。
投打二刀流も普通にいそうな気はします、獣人野球。
第一章はアメリカのシャチの街で野球を楽しみましょう。
特に変わったルールはないようですが、体格に恵まれた者の多いシャチは強打者とか速球派が多いようです。
第二章は逢魔弾道弾を設置しようとやってくる『海軍中佐・碓氷勇魚』との戦いになります。
こちらは断章で冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらもご確認下さい。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 日常
『白球を追いかけて』
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POW : 豪打爆発!力自慢相手に力で挑め!
SPD : 俊足巧打!技巧的な相手に技で挑め!
WIZ : 頭脳勝負!頭脳プレーを得意とする相手に知恵で挑め!
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可
合わせ等も自由にどうぞ
数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」
基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。
探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。
情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。
戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。
熊ヶ谷・咲幸(サポート)
お騒がせ☆アイドル×力持ち、12歳の女の子です。
憧れのアイドルになって人々の心に希望を灯せるようになる事を目指しています
イベントなどもアイドルとしての勉強の一環として体当たりチャレンジをします
がむしゃらに頑張るタイプで【怪力】による力技がメインですが、力をコントロールできなかったり等でドジをすることもしばしば。【奇跡のドジ】でいい方向に向かうことも
野生児の過去があり、動物の言葉などもなんとなく分かる時があります。
マスコットのクマリンは「咲幸ちゃん、〜リン、〜だリン」みたいな感じで喋りツッコミ等サポートも兼ねます
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●獣人野球にうってつけの日
獣人戦線のアメリカ、フロリダ州にあるシャチ獣人の街。
この世界の獣人の身体能力などを活かした野球は、|異世界《アスリートアース》の超人野球程ではないけれども観客を魅了するプレーとしては十分以上。
派手なプレーを繰り広げるシャチの彼らは、大きな夢を目指し今日も野球場でバットからの快音や心地よいミットの捕球音を響かせている。
しかしこの街を狙う幻朧帝国の破壊工作が予知されている現在、この楽しくも平和な日々がオブリビオンの危険に脅かされていることは間違いない。
破壊工作の成功という悪しき未来を阻止するためにこの地へと転移してきた猟兵達だが、予知されている夕方の襲撃までには十分時間はある。
この地の獣人たちとの交流も兼ねて獣人野球に参加、襲来するエージェントに備える事にした猟兵達は普通サイズの獣人用のサイズのユニフォームに袖を通し、フィールドに立つのだった。
走者を背負った場面で、バッターボックスに立つのはクリーンナップの強打者。
巨体のシャチが放つ威圧感は、並大抵のコースへの投球ならスタンドへ運んでしまいそうな印象を投手や守備陣に与えてくる。
しかし投手の方もこれまたシャチの巨体。オーバースローで投じられた直球の威力は凄まじく、押し込まれながらも合わせた打者の腕を痺れさせる――しかし打球の勢いはやや殺されているものの、ライトスタンドへと吸い込まれる軌道で伸びていく。
普通の野球ならホームラン間違いなし、しかしライトを守る赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)が素早くフェンスギリギリまでダッシュして身軽に跳躍、打球を見事空中キャッチした。
しかしキャッチを確認した走者は即座に走塁開始、三塁を回り本塁を目指していく。
「中継頼んだよ!」
「任せな!」
空中の緋色からの矢のような送球を二塁で守っている数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)が速やかに中継し本塁の捕手へと正確に投ずる。
グランプリレーサーの動体視力と身体能力、加えてテレパシーにより他の守備の狙いを速やかに理解している多喜は、見事な連携プレーを相手チームや観客に披露している。
『アウト!』
普通なら悠々とホームベースを踏めていたのだろう二塁走者のシャチだったが、猟兵二人の見事な連携により捕殺されてしまう。
「中々アタシ達もやるもんだろ?」
『ああ、次はもっとうまくやってやるさ!』
得意げな多喜に悔しがりながらもそう返すシャチ獣人。
そのまま気持ちを切り替えて攻守交替、相手チームが守備に着いて次にバッターボックスに立つのは熊ヶ谷・咲幸(チアフル☆クレッシェンド・f45195)という細身の少女。
お騒がせ☆アイドルな彼女は見かけではそれ程運動が得意とは言えなさそう、というかシャチの投ずる剛球にバットを当てても身体ごと吹き飛ばされてしまうのではないかと不安になる程だ。
『手加減しなくていいか?』
「大丈夫です! これでも力には自信がありますから!」
囁いてくるシャチのキャッチャーにむん、と気合十分に返す咲幸。
ならばとミットを構え全力で投げろと視線を送るキャッチャーに、頷いた投手は巨体を沈みこませアンダースローで速球を投じた。
浮き上がってくるような軌道の白球は球威も抜群、少女の細腕では到底打ち返せそうにない――が、
『咲幸ちゃん、思いっきり振っちゃってリン!』
「えーい!」
ベンチのクマリンからの声援を受けながら咲幸が全力でバットをフルスイング、芯からは少々外れてバットはへし折れるけれども咲幸の類稀な怪力により白球はぐんぐんと伸びていって。
『おーう……見事な場外……』
獣人用のマスクを外しながら呆然と呟くキャッチャー、回収できるのか不安になる飛距離のボールを見遣りながら、咲幸は燥ぎつつぐるりとベースを本塁まで一周したのだった。
成功
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第2章 ボス戦
『海軍中佐・碓氷勇魚』
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POW : 還らじの海
戦場が【味方不在で周囲にいるのが敵対者だけ 】の場合のみ発動可能。【莫大な北極海の海水を召喚、従属させる海王】形態に変身し、推進力・探知力・隠密力・破壊力が5倍になる。
SPD : 攻性反響定位
【頭部のメロン体 】から大音量を放ち、聞こえる範囲の敵全員を【座標と形状を把握した上で恐慌】状態にする。敵や反響物が多い程、威力が上昇する。
WIZ : 降り止まぬ雨よ、戦地を満たせ
【極寒の空気と共に熱を奪う北極の海水の雨 】を降らせる事で、戦場全体が【凍てつくような水温の深海】と同じ環境に変化する。[凍てつくような水温の深海]に適応した者の行動成功率が上昇する。
イラスト:うぶき
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ヴィクトル・サリヴァン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●日も暮れかけた頃に
そんなこんなで野球を通して現地のシャチ獣人達と交流を続ける猟兵達。
日も暮れかけた頃に、その光景を離れた場所から忌々し気に見つめる一人のシャチ獣人がいた。
野球をプレーしている猟兵の姿に悩める彼はオブリビオン、幻朧帝国のエージェントであるシャチの軍人『海軍中佐・碓氷勇魚』だ。
この街を滅ぼすべく逢魔弾道弾を持ち込んできた彼だが、任務の障害になる猟兵達のいる状態では中々行動には移れない。
もうしばらく待つかと一旦離れようとする勇魚。しかしそう上手くいくはずもない。
「……馬鹿な! 何故気付いた!?」
離れようとする勇魚の前にいたのは戦闘準備を整えた猟兵達。獣人野球を行いながら周囲を警戒して探りを入れていた猟兵達はこの不審シャチを発見しフィールドから離れ密かに忍び寄っていたのだ。
もう逃げる事は叶わない、強引に押し通すしかない――そう判断したらしいオブリビオンは銛を構え猟兵達に相対、そして猟兵達もユーベルコードを起動し、平和なシャチの街を守るための戦闘が開始されるのだった。
キノ・コバルトリュフ
キノキノ、火力が足りないんだって?
だったら、焼き舞茸はいかが?
キノ!バルくんどんどん焼いていくよ!!
トリュフ!バルくん、いい焼き加減だね。
キノも奉納の舞いを頑張っちゃうよ!
マツタケ!!おいしく焼けたかな?
●凍てつく雨をも焦がし
猟兵に発見されたエージェントは動揺しつつも即座に反撃を選択する。
オブリビオンのシャチ軍人が銛を掲げれば凍てつく空気が吹き込んできて、そして海水の雨が降り始める。
熱を奪い取っていく北極の海水、それがもたらすのは極寒の深海環境への激変。
「ナメコ!? ひんやりし過ぎかも」
ぶるりと身を震わせながらキノ・コバルトリュフ(|キノコつむり《🍄🍄🍄🍄🍄》の星霊術士・f39074)が呟く。
この雨が齎す凍える深海環境は陸の生き物には少々厳しく、対するシャチ獣人にとっては朝飯前の環境なのだろう。自身にとって有利な戦場へと塗り替え勝機を掴もうとするという意図なのだろう。
しかし、この寒さはたまらないとキノコつむりの少女は星霊術師としての召喚術で丸っこいペンギンのような星霊ディオスを呼び出して、キノへと降り注ぐ雨は水球の形に集められていく。
『なっ……!』
極寒の空気はまだ残るけれども、火を消す雨が一時降り止んだならそれで十分。
「キノ! バルくんいくよ!!」
そう呼びかければキノの大きなキノコ笠の下に隠れていた黒猫の星霊バルカン『バルくん』がひょいと地面に飛び降りて、シャチの軍人の周囲を旋回するように走り始める。
同時にキノが始めるのは舞、【神火大嵐舞】のユーベルコードにより創世記の炎渦を召喚するための奉納の舞だ。
集めきれぬ冷たい雨の中を駆け抜けていくバルくんが炎を纏いながら旋回、その軌跡に炎の帯が残ってやがて巨大な渦としてエージェントの勇魚を包み込み償却していく。
「トリュフ! バルくん、いい焼き加減だね」
全力で奉納の舞を続けながらバルくんを応援するキノ。敵の頭上には未だ凍れるような雨は降り続いているけれども、それすらも強大な炎渦は蒸発させる勢いだ。
『くっ……だがまだ!』
炎渦に包まれながら水の魔術で自身を海水のボールで覆いダメージを軽減しながら、エージェントは旋回するバルくんから逃れ炎の渦の外へとどうにか脱出する。
しかし凄まじき焔の勢いによるダメージは無視できるようなものではないらしく、身体のあちこちを火傷に爛れさせながらキノを睨みつけている。
「マツタケ!! おいしく焼けたかな?」
そんな憎悪の視線もなんのその、旋回を止めて戻ってきたバルくんを迎えながら、召喚を解除して舞を終えたキノは明るく言ったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アイクル・エフジェイコペン(サポート)
猫っぽい舌足らず口調にゃ。こんにゃ感じで、可能なら末尾だけじゃにゃくて途中にも入れてほしいにゃ。めんどいならいいけど。
ちなみに機嫌悪い時は「に゛ゃ」って濁点入る感じにゃ。
正直状況とかよくわかってにゃいけどなんとなく気に入らない顔してるからぶっ殺すに゛ゃ。
パワーイズジャスティス。真正面から行っておもいっきり攻撃するのみにゃ。ユーベルコードは何使ってもいいにゃ。
基本はむちゃくちゃ猫かぶってかわいい子演じてるものだから、なるべくスマートに『せーとーはなれでぃー』的な感じで戦おうとするけど、むちゃくちゃ怒ったら地が出てむちゃくちゃ口が悪くなる。
「ぶっ殺おおおおおおす!●ぁぁぁぁぁぁっく!!」
●淑女も時には怒るもの
火傷を負いながら炎の渦を脱出したシャチの軍人エージェント『海軍中佐・碓氷勇魚』へと果敢に切り込んでいくのは小柄なドワーフの少女アイクル・エフジェイコペン(クロスオーバー三代目・f36327)。
「ぶっ潰してやるにゃ」
小柄で可愛らしい外見ながらも放つ言葉は物騒そのもの、やや不機嫌そうな彼女は腕に装着したバトルガントレットを握り込み、そして片腕で持ったシールドを構え身を低くして飛び込んでいく。
大柄なシャチ獣人にとって常人と比較しても小柄なドワーフの彼女は少々狙い辛い。その上でシールドでガードしながら飛び込んできているので銛も弾かれてしまう可能性は高いだろう、と即座に判断したのか、頭部のメロン体から大音量を放つ。
その音は周囲の敵や地形の形状を把握するための反響定位であると同時、敵を恐慌状態に陥れ戦場を混乱させるユーベルコード。シールドでも反響する音までは防ぎきれないだろう。
しかし、その反響定位の爆音を打ち消すようにアイクルはユーベルコード【正統派なレディの大激怒】を起動し叫ぶ。
「ぶっ殺おおおおおおす!」
『ぐわっ!?』
Fから始まるとても正統派な淑女とは思えぬ暴言を叩きつけられたオブリビオンは、物理的な圧力すら伴う音に弾かれ強烈なダメージをまともに喰らって怯んでしまう。
半径163メートル以内に対する高威力無差別攻撃、一般人などは既に避難済みで遠慮なく叩き込んだそれに重ねるようにアイクルはシャチの懐に飛び込んで、ガントレットの拳をシャチの腹に叩き込み殴り抜いた。
ドワーフの少女の一撃は体重差を無視しエージェントを大きく吹き飛ばす。数度バウンドしつつもふらつきながら体勢を立て直した勇魚が睨みつけてくるが、
「……に゛ゃに睨んでるのに゛ゃ?」
アイクルはそれに負けず一層不機嫌に睨み返し、オブリビオンへと更なる追撃を仕掛けていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
納花・ピンチン(サポート)
ブギーモンスターの勇者×殺人鬼
布を被ってから11年が経ちましたわ
普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと
……って、勉強中なんですわ!
あくまでお仕置きをしに来ているから
あまり殺伐とした戦い方はしませんわ
武器も直前で刃を返して叩いたり
その光景はギャグになることが多いですわ
商人街出身、お話しや交渉なんかも好きです
小さなスイーツや飴ちゃんを渡して一緒に食べると
色々話してくれるんですわ
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功の為でも
公序良俗に反する行動はしません
あとはおまかせ
ほないっちょ、よろしくおねがいします
●おイタにはお仕置きを
ドワーフの少女の猛攻に怯むオブリビオンのシャチ獣人、銛で応戦する彼を撃破する為、新たな猟兵がこの地へと転移してくる。
「お仕置きにやってきましたわ!」
少々変わったイントネーションで言いながらやってきたのは可愛らしい知恵の布を被った納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)。
『また新手か……!』
そう呟きつつ勇魚が起動するのは海王形態へと変身する為のユーベルコード。莫大な北極海の海水をこのフロリダの地に召喚してそれを従え纏う彼はそれにより得た破壊力で真っ向からブギーモンスターを圧殺せんと反撃してくる。
形なく莫大な質量をもつ海水、物理的な衝撃では多少砕いたとしても海水の質量に吸収されてオブリビオン本体にはまともに届かないだろう。
津波の如く襲い掛かる海水を前に、しかし勇者のブギーモンスターはデコられた勇者の剣を構え【ブレイブソード】のユーベルコードを起動する。
「やりすぎはいけませんわ!」
上段に構えられた勇者の剣が輝きを帯び、振り下ろしと同時に放たれる光の斬撃が海水を両断していく。
海水は斬撃を打ち消さんと押し寄せてくる。しかしその質量でさえも強烈な勇者の光を完全に打ち消し切る事はできず、極寒の水纏うエージェントへと到達。
『ごふっ……』
「……こんくらい痛かったんやでっ!!」
この戦場にいる仲間たちの負傷、その応報の一撃は大きなシャチのオブリビオンの胴へと鋭い斬撃を刻み込んだのだ。
しかしまだこのシャチのエージェントは諦めてはいない様子でピンチンを睨み返してきていて、まだお仕置きは足らないようだとブギーモンスターの少女は花とリボンの勇者の剣を構え直すのだった。
成功
🔵🔵🔴
熊ヶ谷・咲幸(サポート)
お騒がせ☆アイドル×力持ち、12歳の女の子です。
戦闘時など、アイドル⭐︎フロンティア以外ではコンパクトを力技で【こじ開け】て変身します。そのせいかリボンが絡まるなど不完全な変身も
変身時に出現したキラキラエフェクトはしばらく物質化しており、攻撃を防いだり掴んで投げたり出来ます
がむしゃらに頑張るタイプで【怪力】による正面突破や力技がメインですが、力をコントロールできなかったり等でドジをすることもしばしば。【奇跡のドジ】でいい方向に向かうことも
ユーベルコードは指定した物や公開されている物をどれでも使用します。また、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
シン・クレスケンス(サポート)
◆人物像
落ち着いた雰囲気を持つ穏やかな青年。
窮地でも動じず冷静な状況判断で切り抜ける。
◆戦闘
射撃(愛用は詠唱銃だが、様々な銃器を使い分けている)と魔術による広範囲攻撃が主。
魔力の操作に長け、射撃の腕も確か。
作戦次第では、闇色の武器を召喚(UC【異界の剣の召喚】)して前衛を務めることもある。
◆特技
・情報収集
・機械の扱いにも魔術知識にも精通している
◆UDC『ツキ』
闇色の狼の姿をしており、魂や魔力の匂いを嗅ぎ分けての追跡や索敵が得意。
戦闘は鋭い牙や爪で敵を引き裂き、喰らう。
◆口調
・シン→ステータス参照
(※使役は呼び捨て)
・ツキ→俺/お前、呼び捨て
だぜ、だろ、じゃないか?等男性的な話し方
●厄介客は骸の海へとお引き取りを
猟兵達の攻撃にあっという間に負傷が重なっていくエージェント。
だが、任務の為にオブリビオンであり軍人でもあるシャチ獣人は諦める事無く猟兵達の隙を作り出そうとその眼を細め仕掛けるタイミングを観察していた。
そこに放たれる銃撃、闇色の狼型UDC『ツキ』を従えたシン・クレスケンス(真理を探求する眼・f09866)の白銀の拳銃『judicium』の自動詠唱で魔力を帯びた弾丸を勇魚は銛でどうにか防ぐ。
「観察する隙も与えませんよ」
『厄介な……!』
冷静に状況判断し援護射撃で敵の妨害に専念するシン、代わりに飛び込んでくるのはレジェンドパクトをこじ開けアイドル姿に変身した熊ヶ谷・咲幸(チアフル☆クレッシェンド・f45195)。
「悪いことはさせません!」
人々に希望を与えるアイドルたる彼女、華やかな外見には少々似合わぬ野生児めいた俊敏な動きで両足を狙った低空タックルを仕掛けてくる彼女に巨体のオブリビオンは舌打ちをしながら距離を取る。
『とにかく動きを……』
そして再度近づかれる前に勇魚は再度、ユーベルコードによる降りやまぬ極寒の雨を戦場に降らせて深海環境へと塗り替えようとする。
凍てつく海水に包まれた状況でなら高速で泳ぎ一旦離脱する事に賭けたのだろうが、しかしシンはそれを予測していたかのように敵が泳ぎ出す前にユーベルコード【神縛の枷鎖】を起動する。
「神を捕らえし鎖よ、我が名において今一度顕現し彼の者を捕らえよ」
それにより勇魚の死角から白銀の枷と鎖が高速で放たれ、雁字搦めに縛り上げ海底に叩きつけるように俯せに拘束する。
魔力で作られたその枷と鎖は形状こそ異なるがツキの力を封印しているものと同等の魔術。容易に解除できるようなものでもなく、強靭なシャチ獣人の肉体でも引きちぎる事は困難。
『ならばこっちだ!』
俯せに倒された状態のまま頭部メロン体に意識を集中する勇魚、恐慌の力を有する大音量を叩きつける事で周囲の猟兵ごと術者を攻撃、脱出の為の綻びを作ろうとする。
――だが一手遅かった。
『か、寒中水泳は堪えます……!』
大音量を放つ前に極寒の海を泳ぐように咲幸が接近し、海底に這い蹲っているシャチ獣人の太い胴体を背中側から抱え込むように両腕を回し、
「チアフル☆リーインカーネーション!!」
起動するのは同名のユーベルコード。それにより地面に生成されるのは骸の海へ直通のドラゴン界で、そして咲幸が回した両腕に浄化の力が集中していく。
「|骸の海《おうち》に帰って反省してください!」
白銀鎖に拘束された巨体のオブリビオンを抱え上げ、そのまま地面――透過した先のドラゴン界へと叩き落す。
所謂パワーボム、雁字搦めにされた状態でまともにそれを受けたオブリビオンはそのまま骸の海へと送られて、そのまま消滅したのだった。
こうして平和に野球を楽しんでいるシャチ達の街を襲う危険は未然に防がれた。
仮初と言えどこのアメリカで平和な日々を過ごす獣人達の平和がこれからも続くよう祈りつつ、猟兵達はグリモアベースへと帰還したのだった。
成功
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