モフィンクスの冒険~ハロウィンの球宴
幻武・極
【モフィンクスの冒険】
第11話 モフィンクス・ハロウィン~アスリートアース~
アルダワののんびりモフモフゆるキャラ災魔のモフィンクスの1匹がちょこっとやる気を出し……たのとはまた別の話。
アルダワの大迷宮でのんびりモフモフと過ごしていたモフィンクス達はいつの間にか夏休みや秋祭りがもう終わっていることに、今頃気が付きました。
夏の暑さに負けていたのか?
ダラダラし過ぎていたのか?
とにかく、もうハロウィン目前でした。
ハロウィンといえば、猟兵は全世界を巡りお菓子をねだりに行っていたという数年前の都合のいい解釈の情報を知っていたモフィンクスはいい機会とばかりにそれぞれの世界の夢を見るべく眠りにつくのでした。
ハロウィンパレードといえば全世界を巡っていた時期があったということで、モフィンクスたちも全世界へとお菓子をねだりに夢を見ます。1匹ができたのだから年始の非公式戦争で頑張った?モフィンクスたちも夢渡りができるようになったのでしょう。ただし、フォーミュラが健存な世界は怖いから行くのをやめたようです。
夢で渡ったモフィンクスがその世界のお菓子を手に入れられるのか?
ちょっとした冒険をお願いします。
オムニバス形式で続けていくノベル企画になりますので、納品後にタグで#モフィンクスの冒険 と今回は#モフィンクス・ハロウィン とタグを付けてください。
それでは、どうぞよろしくお願いします。
球児たちの熱い夏が終わり、アスリートアースの野球もペナントレース全日程が終了。
他のチームはすべて敗退し、黄色の虎っぽい球団と、同じく黄色の鷹っぽい球団が日本一をかけ熾烈な戦いを繰り広げた翌日。
夢の中のモフィンクスは関東の某ドーム球場へ降り立っていた――!
「モフ?」
モッフモフの座席で目覚めたモフィンクスは辺りを見回す。
周辺の席はオレンジのユニフォームを着た集団で埋めつくされ、グラウンドでは選手達が野球の試合中だ。今まで夏バテに負けていたモフィンクスは、色々な世界でハロウィンのお菓子を貰うために眠りについたのだが、まさかここもパーティー会場だというのか?
「なんや、こんなとこにモフビットおるやないか!」
隣の席の知らんおっさんが気軽に絡んでくる。かなり酒が入っているようだ。奇跡的にも、モフィンクスのオレンジの体とウサギっぽい外見が、主催球団のマスコット『モフビット』にそっくりらしかった。モフ違いである。
よく見ると、周りのファンや出場選手達もユニフォームに加え、独特の仮装で試合に臨んでいる。
モフビットやタヌキのぬいぐるみを仮装させたり、キツネやコアラの耳を着けたり、クソデカなネックレスを首にジャラジャラかけたり、ツバメなのかペンギンなのか不明な鳥や毛玉の謎生物達が歩いていたりと、あまり他世界では見ない仮装だ。野球ファンの独自文化らしい。
「今夜は『ハロウィン・オールスターナイター』なんや。敗退した球団の夢の祭典やねん……」
頼んでないのに解説してくれる野球ファンたち。モフビットがいるという噂は瞬く間に広まり、モフィンクスの周囲はファン達の撮影スポットと化す。
「モフッ、モフッ!(訳:余はモフビットではない、モフィンクスである!)」
「すごーい、喋り方まで完璧!」
モフビットと勘違いされたまま試合終了。参加した選手達がスタンドに一礼し、サインボールならぬお菓子ボールの投げ入れを開始する。モフィンクスもちょこっとやる気を出し、飛び跳ねてアピールしてみたら、目にとめてくれた選手がいたようだ。
山なりに投げられたボールがモフィンクスの座席へぽふりと落ちる。ボール型カプセルの中には、参加球団のマスコット達を象った可愛らしいキャンディと『ハッピーハロウィン!』の直筆サイン入りメッセージが。
粋なサービスに感動するファン達に囲まれ、モフィンクスもご機嫌で記念撮影に応じたのだった。
成功
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