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燻る戦火とサーカス団

#獣人戦線 #戦後

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#獣人戦線
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#戦後


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「事件発生です。リムは猟兵に出撃を要請します」
 グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、グリモア猟兵のリミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は淡々とした口調で語りだした。
「獣人戦線にて力を失っていたはずのゾルダートグラードに、再侵攻の動きがあります」
 2024年の獣人世界大戦にて超大国ゾルダートグラードは大損害を受け、幼女総統『ギガンティック』も撃破された。
 これによりヨーロッパ戦線におけるオブリビオンの勢力は大きく削がれたものの、特定の地域に限れば戦力を再編成し、侵略行為を企てる軍団がいるという。

「恐らくはこれを足掛かりとして、さらに勢力を盛り返し始めようという魂胆なのでしょう」
 世界大戦以来大きな動きがないとはいえ、超大国との戦いはまだ終結していない。これを機にオブリビオンの勢力が復活すれば、いずれまた大きな戦火が世界中を焼き焦がすだろう。そうなる前に危険な種火は消しておかねばならない。
「ゾルダートグラード軍が攻撃目標に選んだのは、ドイツ西部にある小さな地方都市です」
 現在この街では巡業のサーカス団が公演を行っている。いまだ苦しい日々を送る人々に楽しみや喜びを提供するために世界各地を巡っているのだという。ささやかとはいえ、こうした娯楽を楽しめるようになったのも、超大国が弱体化した影響と言えるだろう。

「せっかくの平和な公演を、オブリビオンに台無しにされるわけにはいきません」
 今のうちにサーカスの会場にお邪魔しておけば、獣人たちと共にささやかな日常の幸せを楽しみつつ、ゾルダートグラードの襲来に備えることができる。早期に敵軍の接近を察知することができれば、街に被害が出る前に先制攻撃を仕掛けることも可能だ。
「敵部隊の規模はそれほど大きくはありませんが、数台のパンツァーキャバリアを保有しています。街ひとつを制圧するには十分な戦力でしょう」
 とはいえ猟兵はこれよりもっと大規模な軍団にも世界大戦では勝利を収めたのだ。正面から挑んでも勝算は十分。
 苦労して再編成した戦力をここで失うことになれば、ゾルダートグラードの勢力復活はまた遠のくことになるだろう。

「人々の平和を守り、超大国が復活する芽を摘むために、皆様の力をお貸しください」
 そう言って説明を終えたリミティアは手のひらにグリモアを浮かべ、獣人戦線のヨーロッパへ猟兵達を送り出す。
 愉快なサーカスと笑いあふれる街に、密かに迫るゾルダートグラードの魔の手。この地が再び戦火に焼かれる危機を、阻止できるのは猟兵だけだ。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」



 こんにちは、戌です。
 今回のシナリオは獣人戦線のヨーロッパ戦線にて、ゾルダートグラードの再侵略を阻止する依頼です。

 1章では獣人達の日常に溶け込みつつ敵襲に備えます。
 シナリオの舞台となる街では現在、巡業サーカス団が公演の真っ最中。現状のささやかな平和を味わうように、人々は愉快なショーを楽しんでいます。
 皆様もこのサーカスを見るのもよし、または飛び入りで参加するのもよし。日常を楽しみながらゾルダートグラード軍の襲来にも警戒してください。

 2章はゾルダートグラード軍との戦闘です。
 前章の警戒活動が上手くいっていれば、街に侵攻される前にこちらから先制攻撃を仕掛けることができます。
 敵はそれなりの規模の戦力を再編成していますが、ボス級のオブリビオンは確認されていません。皆様の実力なら十分に撃退可能でしょう。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 日常 『獣人サーカス』

POW   :    自分も参加して観客を楽しませる。

SPD   :    命知らずの技を見て楽しむ。

WIZ   :    数々の奇術を見て楽しむ。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アラタマ・ミコト
此処は水面に浮かびし蓮の葉の上でございます。
邪なる心の持ち主には決して渡る事の出来ぬ場所にてございます。

……心を無にするのです。
さすれば、あらたまちゃんのこの集中砲火の突破口が僅かにでも見えるかもしれないのです!!



「邪なる者が此方に近付いているのでございますね」
 サーカスの巡業で賑わう都市の郊外を、アラタマ・ミコト(極楽浄土にて俗世に塗れし即身仏・f42935)はひとりテクテクと歩いていた。呑気に散歩しているわけではなく、ゾルダートグラード軍の襲来に備えて陣地を敷いておくためだ。
「此処は水面に浮かびし蓮の葉の上でございます」
 彼女が歩いた周囲の地形は、さながら極楽浄土の如く蓮の葉が浮かぶ水面に変化する。彼女自身はその上に平然と乗ることができるが、他の者はそうはいかない。邪念や煩悩が強い者が乗ろうとすれば、蓮の葉はたちまち沈んでしまうだろう。

「邪なる心の持ち主には決して渡る事の出来ぬ場所にてございます」
 侵略を企てるような悪意に満ちたオブリビオンなら、ここを渡れる可能性は皆無だろう。大きな地の利を得たうえで、アラタマは霊剣・宝剣の数々を展開。いずれも彼女が|極楽浄土《ごっどげーむおんらいん》の|試練《くえすと》を経て現世に持ち帰った、霊験あらたかな|宝具《れああいてむ》である。
「無理に近付こうものならば、この宝剣に貫かれることとなりましょう」
 蓮の上にいる間はアラタマの移動も制限されるが、攻撃の威力・射程は3倍となる。|陀威迦汰那《ダイカタナ》、天叢雲剣、|邪辻免斗聖刃亜《ジャッジメントセイバー》、|宇露菩櫓須無礼怒《ウロボロスブレイド》――こうした宝剣が銃器の射程外から次々に飛んでくるのだ。見た目は極楽浄土でも敵にとっては地獄であろう。

「……心を無にするのです。さすれば、あらたまちゃんのこの集中砲火の突破口が僅かにでも見えるかもしれないのです!!」
 いまだ姿を見せぬゾルダートグラード軍を、堂々と待ち構えるアラタマ。もし敵が彼女の【金葉水連陣】を見て進路を変えたとしても、それならそれで好都合だ。都市への到達を阻害するだけでも市民への被害は減る。そして他の味方が先手を打つチャンスを作れるのだから――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

飯綱・杏子(サポート)
|食材《オブリビオン》がヒト型でなければ料理して喰らうっす
ヒト型の食材を|料理す《むさぼ》るときはこちらがヒト型を辞めるのが|マナー《マイルール》っす

リビングアーマーや宇宙船の類だってきっと貝類みたいに美味しい可食部があるし、出汁や食器としても活用するっす

悪魔だから法や契約には絶対服従するけど、倫理や道徳には頓着しないっす
そして|毒は利かない《【毒耐性】持ち》っす。酔うけど。腐敗も発酵もわたしには一緒っす。|熟成肉《リビングデッド》うまうま

|八つ裂きにされても死なない《【切断部位の接続】持ち》っす

同行者の都合で、ヒト型を性的な意味で食い散らかしてもいいっすよ
白子もミルクも大好きっす



「何をするにしても、まずは腹ごしらえっすよ」
 ゾルダートグラード軍の襲来が予知された都市で、飯綱・杏子(悪食の飯テロリスト・f32261)は食事の支度をする。
 食道楽の悪魔である彼女のモットーは【腹が減っては戦はできぬ】だ。慣れた手さばきで包丁を操り、持ってきた激辛保存食を調理する。
「んー、刺激的っす」
 普通の人間にとってその辛さはもはや劇物と言ってよいレベルだが、彼女は毒物や薬物で酔う特異体質の持ち主。痛みも痺れも酩酊感に変わり、どんなゲテモノも美味しく食べられてしまう。デビルキング法に則り「身体に悪そうなものを食べる私かっこいい」の精神である。

「腹ごなしに運動でもするっすかね」
 特製激辛料理をたっぷり食べて元気いっぱいの杏子は、巡業中のサーカスの舞台に演者として立つ。すうと息を吸って吐き出せば、真っ赤な炎が口から吹き上がった。辛いものを食べた時の比喩表現としてはありがちなヤツだが、悪魔の料理はそれをガチにする。
「わあっ!!」「すごぉい!」
 見事な火吹き芸に観客は拍手喝采。獣人世界大戦の終結以降、100年ぶりに訪れた平和を存分に楽しんでいるようだ。
 彼らはまだゾルダートグラードの軍団がこの街を攻め落とそうとしている事を知らない。知らないまま敵を撃退できれば、それが一番だろう。

「みなさんも良かったら食べてくださいっす。火が吹けるだけじゃなくてケガも治るっすよ」
「本当かい?!」
 演目を終えると杏子はサーカステントの外で自分が食べたのと同じ激辛保存食を振る舞う。色んな意味でインパクトの大きい料理だが、治療効果もあるので決して身体に悪いものではない。先程のパフォーマンスが目に焼き付いた観客の中には、率先してチャレンジする者もいた。
「うおー、辛っ!」「マジで火が出た!」
 楽しそうに火を吹いている人々を見て、杏子も楽しそうに目を細め、そして視線を町の郊外のほうに移す。こうしている間もゾルダートグラードの軍団は近付いているだろうが、こちらの戦闘準備も整っている。いざとなったら全員で火を吹きかけてやろう。

「どんな|食材《オブリビオン》が来るんすかね。楽しみっす」
 悪喰極まる食道楽の悪魔にとっては、オブリビオンも食材の一種。リビングアーマーや宇宙船、パンツァーキャバリアだろうと貝類みたいに美味しい可食部があるし、出汁や食器としても活用できる。何が出てこようが全て狩り尽くして、美味しくいただいてしまおう――。

成功 🔵​🔵​🔴​

アトシュ・スカーレット(サポート)
性格
悪ガキから少し成長したが、やっぱり戦うのは好き
大人に見られるように見た目的にも精神的にも背伸びしている
目の前で助けられる人がいるなら積極的に救おうとする
口調は「〜だな。」など男性的

戦闘
【呪詛(腐敗)】と「棘」を組み合わせ、万物を強引に腐敗させる方法をついに編み出した
前衛も後衛もやれる万能型だが、前衛の方が好き
複数の武器を同時に操ることも可能
高速戦闘も力任せの戦闘も状況に応じて使い分ける
(装備していれば)キャバリアにも対応可
光や聖属性は使えません

非戦闘
聞き耳などを駆使した情報収集を中心とする
化術で動物に化けて偵察することも



「敵を探せばいいんだな。任せろ」
 再編成されたゾルダートグラード軍の部隊を探しだし、都市への襲撃を未然に防ぐ。そのための偵察役として呼ばれたアトシュ・スカーレット(神擬の人擬・f00811)は、自信のある様子でクールに答える。どうせなら直接戦うほうが好きだが、この手の情報収集も苦手ではない。
「今日は狼にしとくか」
 アトシュが愛用するベースリボン「Schwarz」には、化術をベースにした外見変化魔法が付与されている。それを利用して人から動物に姿を変えた彼は、足音をひそめながら偵察を開始する。事前情報が確かなら、敵はすでに近くまで来ているはずだ。

(町中で戦いになって、巻き添えをくう奴らが出るのも寝覚めが悪いしな)
 血気盛んで好戦的なアトシュだが、目の前で助けられる人がいるなら積極的に救おうとする、お人好しな一面もある。
 悪ガキ時代に比べれば大人になって多少成長もしたのか、慎重な歩みで気配を隠し、五感や技能を駆使して敵を探す。
「……今、なにか聞こえたな」
 軍隊がそれなりの規模で行軍していれば、まったく察知されないのは不可能だ。大地を踏みしめる音と震動、そしてなにか大きな機械が駆動するような音を聞き取ったアトシュは、敵側から逆に発見されないよう物陰に隠れながら近づく。

(いたな。あいつらか)
 発見したのは軍服に身を包んだオブリビオンの兵隊と、そいつらが操縦する数台のパンツァーキャバリア。物々しい大砲を搭載した、さながら「歩行戦車」と言うべき形状の機体だ。あれの射程範囲に入ったが最後、都市は火の海と化すだろう。
(ここで仕掛けてもいいが……)
 呪詛と「|棘《ソーン》」の力を組み合わせたアトシュのユーベルコードは、万物を強引に腐敗させる。キャバリアのような大型の目標にも対応可能で、1人でもゾルダートグラード軍に遅れを取らない自信はあった。しかし、1人では討ち漏らした敵が市街地への突入を優先した場合、抑えきれる保障がない。

「ここは一旦戻るか」
 昔なら迷わず突撃したかもしれないが、大人として精神的に成長(背伸び)したアトシュは、冷静に報告を優先した。
 敵を逃さず、確実に全滅させるために。ゾルダートグラード軍の移動ルートと速度をしっかり頭に入れて、彼は都市に引き返す――。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『試作兵器実験用パンツァーキャバリア』

POW   :    試作型荷電粒子砲収束式
敵を狙う時間に比例して、攻撃力・命中率・必殺率が上昇する【荷電粒子】を武器に充填し続ける。攻擊すると解除。
SPD   :    試作型荷電粒子砲連射式
レベルm半径内の対象全員を、装備した【大口径荷電粒子砲】で自動的に攻撃し続ける。装備部位を他の目的に使うと解除。
WIZ   :    近接防御火器システム
【全身に装備されている対空機関砲】で射撃している間、射程範囲内の味方全員の行動成功率を若干増やし、敵全員の成功率を若干減らす。

イラスト:良之助

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 事前の陣地構築や偵察の結果、猟兵たちはゾルダートグラード軍に先制攻撃を仕掛けるチャンスを得た。
 敵はまだ都市に到達しておらず、今なら市民や市街地に被害を出さずに戦えるとなれば、やらない理由はない。

 敵部隊の主力は『試作兵器実験用パンツァーキャバリア』が数台。
 左腕を肩ごと換装する形で搭載された試作型荷電粒子砲が最大の武器で、その火力は折り紙付きだが拡張性は失われている。頑丈な装甲と多脚による安定した攻撃を持ち味とする、移動砲台と呼ぶべき機体だ。

 あれを全機破壊することができれば、あの部隊も二度と再編は不可能だろう。
 ゾルダートグラード復活の機運をここで挫くべく、猟兵たちは奇襲攻撃を開始する――。
鳥居・祐介(サポート)
戦闘スタイルは所謂「タンク」タイプです。
武装はほとんどが収納可能もしくは不可避なため一見丸腰に見え気弱でおどおどした外見で油断を誘って敵を引きつけ味方の突破や攻撃のための囮になります。
攻撃に対しては【激痛耐性】で多少の攻撃には怯まず耐え必要とあらば【怪力】で押さえつけます。
こちらの意図や強さを見抜く的にはグレートソードを抜いて大振りな攻撃を仕掛け否が応でも意識せざるを得ない状況にします。
ダメージが蓄積し瀕死になったら『風魔神顕現(アウェイキング・フレスヴェルク)』にて高い戦闘力を待つ風が人の形を成したような魔神を召喚して敵を薙ぎ払います。



「あ、あれを破壊すればいいんですね……」
 平和を謳歌する獣人たちの都市に迫る、ゾルダートグラード軍の残存戦力。その主力となる『試作兵器実験用パンツァーキャバリア』の進路に、立ちはだかったのは鳥居・祐介(「風魔神に憑かれし者・f05359)だ。所謂「タンク」タイプの戦闘スタイルを取る彼にとって、防衛戦は得意分野になる。
「なんのつもりだ、ありゃあ?」「知るか、吹き飛ばしてやれ!」
 気弱でおどおどした外見の祐介を、敵は脅威と考えずに油断している。かの歩行戦車に搭載された【試作型荷電粒子砲収束式】の威力を知っていれば、丸腰の人間を恐れるほうが無理な相談だ。だが、その侮りこそが彼らの致命傷となる。

「撃てェッ!!」
 充填を完了した荷電粒子砲が、砲手の号令と共に閃光を放つ。単一目標のためにエネルギーを収束させた一撃は、たかが歩兵1人を吹き飛ばすには過剰過ぎるほど。ゾルダートグラード軍にとってそれは本命である都市を攻める前の試射のつもりだったのだろう。
「だ、大丈夫、です……」
「なにッ?!」「バカな!」
 しかし爆煙と閃光の中から出てきたのは五体満足の祐介。風の精霊魔法による不可視の鎧「ウインドプロテクション」が、砲撃のダメージを軽減したのだ。彼は決して非武装で来たわけではなく、武装のほとんどが収納可能もしくは不可視のため、丸腰のように見えていただけだ。

「くそっ、どういう事だ?」「撃てッ、撃ちまくれ!」
 予想外の事に慌てた他のパンツァーキャバリアからも、次々に【試作型荷電粒子砲収束式】の砲撃が放たれる。たった1人でそれを受け止める祐介の防御力と、激痛にも怯まない度胸は大したものだが――流石にここまでされて無傷とはいかないか。
「そ、そろそろ限界です……! 僕に宿りし風魔神よ……契約に従い、今こそ力を貸してください!」
 だが、自分が追い詰められるのも彼にとっては計算の内。祐介が瀕死に陥ると【風魔神顕現】が発動し、彼に取り憑いた魔神「フレスヴェルク」が召喚される。気弱な宿主を鍛えるためと称してなかなか力を貸してくれない変わり者の魔神だが、その実力は折り紙付きである。

「な、なんだぁアイツは……」「か、風が急に……!!」
 風が人の形を成したような姿で顕現した魔神は、その権能を以て戦場に嵐を呼び起こす。ゾルダートグラードの兵士が危険を察知した時には、彼らのパンツァーキャバリアはご自慢の荷電粒子砲ごと巻き込まれ、塵芥の如く薙ぎ払われた。
「「ぎゃぁぁぁぁぁッ!!!?!」」
 風音にかき消される断末魔の悲鳴。1人の人間と1体の魔神によって、ゾルダートグラード軍の侵攻は大きく躓いた。
 風の中心に立つ祐介のことを、もはや丸腰のザコと侮る者はいまい。ここから先へは一歩も進ませないと言うように、彼はおどおどしながらも地面を踏みしめた――。

成功 🔵​🔵​🔴​

早乙女・カリン(サポート)
私がアスリートアースのプロバトロワシューター早乙女カリンよ👾

バトロワシューターらしく基本は銃火器を使った中遠距離戦闘を得意とするわ!!

少し本気になった時は体内に蓄積された電気でビリビリ痺れさせちゃうぞ⚡️👾⚡️

戦闘以外でもカリンはゲーム実況なんかで活躍してる人気ストリーマー様ですのでー👾どんな依頼や案件もNG無しでいっぱい参加出来ちゃいます👾ピンチや逆境な戦場でも撮れ高に変えてやります💕

今ならお好きなユーベルコードも使いたい放題!バトロワランカーの力が必要になったらいつでも声かけてね!



「私がアスリートアースのプロバトロワシューター早乙女カリンよ👾」
 平和な街に戦火が迫っているとの話を聞いて、別の世界からサポートに駆けつけた早乙女・カリン(PREDATOR Ⅵ・f37832)。プロプレイヤーにして有名配信者でもある彼女は、ちょっと生意気そうな笑顔で挨拶すると、ゾルダートグラード軍の前に立ちはだかる。
「なんだ、あの女は?」「構うか、消し飛ばしてやれ!」
 敵軍の主力を担う『試作兵器実験用パンツァーキャバリア』が、四本の脚部でズシンズシンと前進する。その全身に装備されている対空機関砲は、人間相手に使えば死体の原型も残るまい。主武装の試作型荷電粒子砲に至っては言うまでもなくだ。

「それじゃバトロワランカーの力、見せつけちゃおっかな💕」
 対するカリンの装備は競技用のモデルガンだが、アスリートアースのプロアスリートとは、常識を覆す超人たちのことを指す。バトロワ式SMG・KARIN Editionを構えた彼女は、バトロワシューターらしく中遠距離戦闘を仕掛けていく。
「うざってぇ!!」
 キャバリアの装甲を貫くほどの威力はないが、煩わしさを感じたパイロットは【近接防御火器システム】を起動。嵐の如き弾幕が全方位に展開され、友軍の援護と敵の妨害を同時に行う。これでは普通の歩兵は近付くこともできまい。

「ふーん、そーゆーことするんだ。じゃあ少し本気出しちゃおっかな」
 敵の弾幕を華麗に避けるカリンの体から、青白い電流がバチバチと迸る。改造手術で科学人間となった彼女は、体内に蓄積された膨大な生体電流を電撃として放出する能力を獲得した。それを応用すれば電子回路にハッキングし、電子制御された機器を自在に操ることも可能だ。
「な、なんだ?」「おい、動かなくなったぞ!」
「ふふ……既にこの子達の支配権は私に移ったわ!」
 電撃を浴びたパンツァーキャバリアが次々に不調を訴え、パイロットの操縦を受け付けなくなる。電気エネルギーが動力の物品である限り、カリンの【カ式黑客術】は絶対的だった。得意満面の笑みを浮かべて、彼女は敵機の全機能を掌握する。

「ほーほー、面白い武器積んでるじゃん。私にも使わせてね⚡️👾⚡️」
「な、なにをする気だ……やッ、やめろ!」
 カリンが目をつけたのはキャバリアの片腕を丸ごと換装する形で搭載された大砲。荷電粒子を撃ち出す兵器なんて、まるで彼女に「どうぞお使いください」と言っているような代物だ。慌てるゾルダートグラード兵たちを無視して、限界以上の電力をチャージさせ――。
「はいズドーン💕」
「「ぐわあああぁぁぁぁッ!!!!?」」
 砲身の自壊と共に放たれた出力120%の荷電粒子砲は、周囲に展開するゾルダートグラード軍をまとめて蒸発させた。
 焦げ臭さとイオン臭が立ち上る中、カリンは「対戦ありがとうございました👾」とVサイン。プロバトロワシューターの新たなる伝説が、リアルの戦場に刻まれたのだった――。

成功 🔵​🔵​🔴​

諏訪野・啓太郎(サポート)
『唯のろくでなしの旅烏ですよ。』
 スペースノイドのスターライダー×電脳魔術士、34歳の男です。
 普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、負傷した仲間には「元気に(俺、~くん、~さん、だね、だよ、~かい?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「唯のろくでなしの旅烏ですよ」
 そう名乗りながらも諏訪野・啓太郎(さすらいのライダー・f20403)は、宇宙バイクに跨り獣人戦線を訪れた。ささやかな平和を味わう獣人たちを、超大国の侵略から守るために。ろくでなしでも見過ごしてはおけぬ外道がこの世界にはいるのだ。
「なんだ貴様は!」「邪魔をする気か!」
 ゾルダートグラード軍の『試作兵器実験用パンツァーキャバリア』は、作戦を妨害する者を見つければ容赦しない。
 搭載された【試作型荷電粒子砲連射式】は、一度起動すれば射程内の対象全員を自動的に攻撃する。生半可な事では近付くことさえできないだろう。

「これでも速さには自信があるぜ」
 しかし啓太郎は敵の大砲にも怯まず【ゴッドスピードライド】を発動、騎乗中の宇宙バイクを変形させて移動速度と戦闘力を増強する。超大国の軍団を相手に多勢に無勢でも、他人とつるむのを好まない彼にとっては悪くないシチュエーションだった。
「吹き飛べ!」
 エンジンの咆哮と共に向かってくる男に、パンツァーキャバリアは荷電粒子砲の掃射を浴びせる。だが当たらない。
 鋭い眼光で射線を見切り、全て紙一重で躱されている。ビビらない度胸と判断力、なにより卓越した操縦技術がなければできない芸当だ。

「そんなんじゃ当たらないぜ」
 手本を見せてやるとばかりに、腕にはめたスーパークラッシャーを構える啓太郎。集束されたサイキックエナジーが光の弾丸となり、パンツァーキャバリアの頑丈な装甲に風穴を開ける。対戦車砲にも匹敵するその威力に、敵兵は驚愕するしかない。
「な、なんだコイツは……うわぁ?!」「たっ、退避ー!」
「逃がすかよ」
 好戦的な性分の啓太郎は、敵が怯んだと見るやガンガン攻める。機動力ではキャバリアに勝る宇宙バイクの利点を活かし、敵を追い立て銃撃を叩き込む。たった1人の騎兵を相手に、ゾルダートグラード軍の侵攻は完全にストップした。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴィルジニア・ルクスリア(サポート)
 サキュバスの悪霊×魔女、16歳の女です。
 普段の口調は「ダウナー(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪い時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
ダウナーだが、猟兵として行動する時はアクティブに行動する。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「せっかく平和になりそうだったのに、再侵攻なんて許せるはずないわよね」
 獣人世界大戦以降、大きな打撃を受けた各超大国の勢力は縮小していた。獣人たちにとっては一世紀ぶりに取り戻したささやかな平穏だが、オブリビオンはこの世界の侵略を諦めたわけではない。再編成されたゾルダートグラード軍の侵攻を阻むため、ヴィルジニア・ルクスリア(悪霊にして魔女・f36395)も戦場に立つ。
「獣人さんたちの代わりに、私が歓迎してあげるわ」
「チッ! 目障りな猟兵め!」「何度も邪魔をしやがって!」
 世界大戦以前から何度も苦渋を舐めさせられてきた猟兵を前に、いきり立つゾルダートグラード軍。目的の都市を攻める前にコイツから消し飛ばしてやろうと、『試作兵器実験用パンツァーキャバリア』に搭載された荷電粒子砲が充電を開始する。

「おひとつ、いかが?」
 キャバリアの大砲が火を吹く前に、ヴィルジニアは持ってきた「毒スイーツ」を差し出す。見るからに毒々しい色のお菓子から、甘ったるい【毒の芳香】が漂う。風に吹かれて香りが敵陣にまで広がると、その効果はたちまち明らかになった。
「ゲホッ、ゲホッ、ゴホッ!!」「こ、こいつは毒ガスか……!?」
 超大国のオブリビオンも毒ガス兵器を使うことはあるが、悪霊にして魔女であるヴィルジニアの毒はもっと悪辣だ。
 むせるほど甘い香りに含まれた猛毒は、心と体の両方を蝕み続ける。キャバリアの中にも芳香は侵入し、パイロットや砲手を蝕んだ。

「今日のは自信作よ。好きなだけ味わって頂戴」
 甘いものが好きで好きで大好きで、規格外な甘党ゆえに作る手料理は正気度が下がるレベルの危険物になってしまうヴィルジニア。毒と合わせてユーベルコードの域に達した魔女のスイーツを味わった、オブリビオンの末路はひとつ。
「ゲホッ……ぐ、ぐるじ……」
 キャバリアの砲身がガクリと垂れ下がり、光を失う。それは乗っていたオブリビオンが息絶えた事の証だった――。

成功 🔵​🔵​🔴​

禹・黄風
ふむ、超大国が戦力の再確保、ひいては捲土重来を狙おうとしているのなら阻止せねばなりませんね。
大きな相手は少々大変でしょうが…いざ。

都市への侵攻を防ぐよう足止めを優先しつつキャバリアを破壊していきましょう。
あの砲による砲撃は危険そうですから真っ先に潰さねば。
UC起動、如意三節棍を伸ばし左腕の砲塔やその根元の肩部分を打ち据えチャージや狙撃の妨害にかかります。
どこにいようとこの一撃は届き、妨害できたなら前進さえも封じられる。
怯んだならその隙に装甲の薄そうな関節部等を狙い練り込んだ気を籠めた棍で貫くよう破壊していきましょう。
…楽しいサーカスの時間を、人々を守る事が出来たなら重畳。

※アドリブ絡み等お任せ



「ふむ、超大国が戦力の再確保、ひいては捲土重来を狙おうとしているのなら阻止せねばなりませんね」
 獣人世界大戦での大敗以降、多少は大人しくしていたかに見られた超大国だが、水面下では牙を研ぎ続けていたらしい。戦力を再編したゾルダートグラード軍の侵攻を知らされ、禹・黄風(武の頂を・f40009)は戦場へと駆けつけた。
「大きな相手は少々大変でしょうが……いざ」
 敵軍主力は『試作兵器実験用パンツァーキャバリア』。片腕を大口径荷電粒子砲に換装した超火力・重装甲機体だ。
 対する黄風は生身ではあるが、実戦で鍛え抜いた彼の拳法は近代兵器にも劣りはしない。慎重なれど怯懦にあらず、迷いなく歩を進めていく。

「あいつも猟兵か!」「やってしまえ!」
 進路上にトラの獣人を捕捉したゾルダートグラード軍は、機銃を連射しながら【試作型荷電粒子砲収束式】のロックオンとチャージを開始する。砲身に荷電粒子を充填する時間に応じて、攻撃力・命中率・必殺率が上昇する強力な試作兵器だ。
「あの砲による砲撃は危険そうですから真っ先に潰さねば」
 対して黄風の武器は三本の如意棒を鎖で連結加工した「自在三節棍」。ぐっと地を踏みしめ【紫嵐】を発動すれば、全身に練り込んだ気が紫炎の闘気へと可視化される。ここより先は通すまいと、都市への侵攻を防ぐための足止めを優先する構えである。

「――阻む」
 黄風の手元の動きに合わせて三節棍は瞬時に伸び、パンツァーキャバリアの砲塔やその根本の肩部分を打ち据える。
 闘気を乗せた打撃を食らった機体はガクンと斜めに傾き、粒子砲自体の破壊には至らなかったものの、照準がブレてチャージが中断される。
「ぐっ! クソが!」「もう一度充填をやり直せ……ぐわっ!?」
 戦場のどこにいようと黄風の一撃は必ず届き、チャージや狙撃の妨害に成功すれば前進さえも封じられる。都市防衛という今回の作戦にうってつけのユーベルコードと言えるだろう。棒切れ一本で封殺されるゾルダートグラード軍の焦りが手に取るように伝わってくる。

「――貫く」
 敵軍が怯んだならば、その隙に黄風は装甲の薄そうな関節部等を狙い、練り込んだ気を籠めた棍で突く。紫炎の闘気を帯びた打突はパンツァーキャバリアのボディをも貫き、脚部をへし折り、動力炉を破壊し、戦闘不能に至らしめた。
「ち、畜生……ぎゃぁッ!!?」
 慌ててキャバリアの中から逃げ出すパイロットや砲手も、もちろん彼は逃さない。ここで見逃せばどこでまた再起を図るか知れぬ以上、遠慮は無用――吹き荒れる【紫嵐】の射程から無事に逃げおおせるオブリビオンは皆無であった。

「……楽しいサーカスの時間を、人々を守る事が出来たなら重畳」
 破壊されたパンツァーキャバリアの残骸が横たわる戦場で、黄風は仕事を終えた三節棍を手元に戻し、丁寧に一礼。
 街にいる獣人たちは今もまだ平穏に巡業サーカスの公演を楽しんでいるだろうか。ここからでは聞こえないが、微かに感じられる人々の賑わいこそ、彼にとってなによりの報酬であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テレサ・テイルリンク
ささやかな日常を楽しんでいる人達をその武骨な代物で蹂躙しようというのですね。
わかりました。ならばあなた達には、一方的に蹂躙される痛さと怖さを教えてあげます。

UCにより闇の力を強化。
伸ばした腕から念動力を放ち、敵の全身にある砲塔を捻じ曲げ、コードを引き抜き、使用不能にします。
動けなくしたなら、全方向から念動力で潰し、搭乗者ごと圧壊させます。
塊になった残骸は、道にあっても邪魔なだけ。掌にある刻印で骸の海に還します。

あとは、追随の兵士たち。

1人たりとも帰しはしません。
全て、骸の海に還します。



「ささやかな日常を楽しんでいる人達をその武骨な代物で蹂躙しようというのですね」
 ゾルダートグラード軍の『試作兵器実験用パンツァーキャバリア』を睨みつけ、低い声で呼びかけるのはテレサ・テイルリンク(遊撃兵・f45577)。彼女の所属していた分隊は、数年前にゾルダートグラードとの交戦により全滅した。ゆえにこの世界の平和を脅かし、獣人を殺戮する超大国への怒りは人一倍だ。
「わかりました。ならばあなた達には、一方的に蹂躙される痛さと怖さを教えてあげます」
「ハッ! やれるもんならやってみ……ろ……」
 いくら猟兵でもたかが一歩兵が、キャバリア部隊を相手にそんな事ができるはずがない。そう考えたゾルダートグラード兵の言葉は最後まで続かなかった。テレサの全身から湧き上がる【ダークネス】の力が、本能的な恐怖を呼び起こしたためだ。

「…………」
 ユーベルコードにより闇の力を強化したテレサは、無言ですっと腕を伸ばす。すると前方にいたパンツァーキャバリアの砲塔が捻じ曲がり、コードが引き千切られる。【試作型荷電粒子砲収束式】のチャージが中断され、砲口から光が消えた。
「なっ?!」「なんだァ!!?」
 闇の力がもたらす強大な念動力は、見えざる手となってテレサの意のままに動く。敵機の武装を使用不能にしたら、次は脚部をへし折って移動を封じる。試作兵器の試験運用のために頑丈に改造されたキャバリアでも、彼女の手にかかれば飴細工のようだった。

「終わりです」
「ひ……や、やめ……ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」
 相手を完全に動けなくしたなら、全方向から念動力で潰し、搭乗者ごと圧壊させる。敵の攻撃から守ってくれるはずの装甲が、そのまま自分の棺桶になるのは想像を絶する恐怖だろう。ひしゃげていくキャバリアの中から断末魔の絶叫が響き、そして絶える。
「これはもう、道にあっても邪魔なだけですね」
 テレサが掌にある「闇の還印」をかざすと、塊になったキャバリアの残骸は骸の海に還り、屍の欠片すら残らない。
 オブリビオンに対して凶悪に作用するこれらの能力は、テレサ自身が死後オブリビオンになったことで得た力。彼女は己の破壊衝動をオブリビオンに向け、闇をもって闇を討つことを誓ったビハインドなのだ。

「あとは、追随の兵士たち」
「ひっ!?」
 宣言通り圧倒的な力を見せつけたテレサは、残りのゾルダートグラード兵に視線を向ける。主力のパンツァーキャバリアがまったく手も足も出なかった相手に、ただの随伴兵が敵うはずもなく。恐怖に震え上がり、武器を放り捨てて逃げ出しても、もう遅い。
「1人たりとも帰しはしません。全て、骸の海に還します」
「「い、いやだ、やめろぉぉぉぉぉぉっ!!?!!!」」
 闇の力の念動力と刻印によって、愚かなる超大国の兵士たちはみな握り潰され、跡形もなく獣人戦線から消滅する。
 戦闘があったという痕跡すら、ここには残らない。完全なる勝利を収めたテレサは、何事も無かったかのように戦場から去っていた。



 かくして、ゾルダートグラード軍による再侵攻は阻止され、勢力を盛り返さんとする超大国の野望は頓挫した。
 都市の方では、巡業サーカスの公演が何事もなく大盛況のまま幕を下ろし。平和を謳歌する人々の拍手は、いつまでも鳴り響いていたという――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年11月29日


挿絵イラスト