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食欲と憎悪と諦観と

#サイキックハーツ

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#サイキックハーツ


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「スゥ……この辺にね、美味しいラーメン屋の屋台が、来てるらしいよっ?」
 蛇塚・レモン(白鱗蛇神憑きのシャーマンクイーン・f05152)は迫真の表情で招集に応じてくれた猟兵達へ告げた。
「でねっ? その帰りに猟兵の誰かがダークネスに襲撃されるんだけどさぁ……」
 ちょっと待てぃ!? なんで屋台のラーメンを食った帰りに敵襲を受けなきゃならないんだ!?
「そう言われても、そういう予知なんだよね〜っ。なんか、今回予知された事件はこれまでのようにオブリビオンが猟兵のみんなをおびき出すために、一般人相手に派手な事件を起こすわけじゃなくって。オブリビオンは何らかの手段を使って、はじめから猟兵のみんなを『周囲に人がいない環境』に誘い込んで、そのまま暗殺しようとしているらしいよっ!」
 それが今回、ラーメンの屋台というわけなのか。確かにラーメン屋の屋台って街のど真ん中でキッチンカーのように堂々と営業しているイメージは湧かない。どちらかといえば、ポツンと店と店の間に構えているイメージだ。偏見かもしれないが。

 ともかく、向こうが暗殺してくるつもりならこちらは敢えて打って出て返り討ちにしてやればいいというわけらしい。しかし、自分以外の猟兵が襲われる可能性もあるし、自分自身が標的の場合もある……今回の予知の唯一の欠点は、誰が襲撃されるかが不明という点だ。

「だからみんなには襲われるはずの猟兵を探してもらいたいっていう意味でも、その美味しいラーメンの屋台で一杯食べてきてほしいんだよっ!」
 そういうことならば無視はできない。最悪、他人が襲われて自分がそれを見逃すような状況になったら夢見が悪い。というわけで、猟兵達は食事代を握りしめ、サイキックハーツ世界の美味しいラーメン屋の屋台へ向かうのだった。


七転 十五起
 久々のサイキックハーツ世界のシナリオです!
 お察しの通り、今回のボス戦は猟兵の真の姿(本人に非ず)す。
 なぎてん はねおきです。

●概要
 第1章は最近評判のラーメン屋の屋台でラーメンを堪能します。
 このラーメンに毒は入ってません。替え玉もOKです。

 第2章は集団戦です。食事代を支払ったあなたは、気が付けば周囲に人気がまったくないことに気が付きます……そして完全に周りを取り囲まれている事にも気が付きます! 包囲網を突破しましょう!
(自分が襲われる前提のプレイングもこのシナリオはOKとします)

 第3章はボス戦です。この襲撃事件の黒幕の居場所が特定できました!
 向こうも奇襲を仕掛けてきますが、うまく対処して応戦しましょう!

 それでは、皆様のご参加をお待ちしてます!
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第1章 日常 『絶品! ご当地ラーメン!』

POW   :    こってり濃厚なラーメン!

SPD   :    透き通ったあっさりラーメン!

WIZ   :    オリジナリティに富んだラーメン!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――とある昼下がり。秋風を感じてきた10月半ばの出来事だった。

「なんか腹減んないっすか?」
「腹減ったなぁ」
「ですよねぇ」
 ガタイの良い男3人、白昼堂々の街中で何も起こらないわけがなく……。
「この辺にぃ~、ウマいラーメン屋の屋台ぃ、来てるらしいんすよ」
「あっ、そっかぁ行きてえなぁ〜」
「行きましょうよ。じゃけん寄っていきましょうねぇ〜」
「おっ、そうだな(適当)」
 3人は噂の屋台を発見すると、吸い込まれるように暖簾をくぐって椅子に座る。注文すると、店主の見事な手さばきによってすぐにラーメンが目の前に差し出された。
「うぉ! こってり濃厚スープ、想像以上にすげぇ濃いじゃん……白くてドロドロじゃねぇか(背脂が)」
「あっさり塩味ラーメン、スープが澄んでて俺の顔が映り込んでるっすよ、うへぇぇ(恍惚)」
「俺は店主オススメのカレーラーメンをいただくゾ〜。ズルズルッズルルルッ! ぬはぁぁんいいっすね~。もう一杯!(決断)」
 ガタイの良い男3人が盛り上がっているのを、オラトリオの店主は無言で様子をうかがっていた……。
カシム・ディーン
UC発動中
おいおい…塩とこってりとか複数スープがあるタイプのラーメン屋は外れって聞いた事があるんだがなぁ?
「メルシー唐揚げ拉麺食べたいぞ☆」
そんなんあるのか…?まぁいいや…
僕はお勧めを頂くとしようか?
このカシムさんはグルメだぞ?美味しくなかったら容赦なく辛口評価してやるぞ?

結果
うんめぇぇぇぇぇぇ!!!(食レポはお任せ

【情報収集・視力】
取り敢えず店主はどんな人なのかさり気なく観察しつつ替え玉はしっかりと頂くとしよう
「唐揚げ拉麺美味しいぞ☆」
…そんなにうめーのか?
「メルシーもお勧め食べたくなったぞ☆」
という訳でそれぞれまた頼んで存分にむっしゃぁ!
くっ…全て美味しいとか神か…!
「美味しいは幸福☆」



 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)と相棒のメルシーは、噂のラーメン屋台を発見した。
「おいおい……塩とこってりとか、複数スープがあるタイプのラーメン屋は外れって聞いた事があるんだがなぁ?」
「そうかな? メルシーの知ってるラーメン屋さん、あっさりとこってりが選べるよ? あ、メルシー、唐揚げ拉麺が食べたいぞ☆ ヘイ大将☆」
 メルシーは屋台の暖簾をくぐるなり、唐揚げラーメンを注文した。カシムは遅れて席につくと、メルシーをたしなめるように告げた。
「そんなんあるのか……? あるわけねーだろ」
「……あるよ」
 店主はメルシーの前に唐揚げラーメンを差し出したではないか。
「いやあるんかい! てか出てくるのはえーな!? まぁいいや……僕はお勧めのカレーラーメンを頂くとしようか?」
「……あいよ」
 店主は実に手際の良い所作で一杯を仕上げてゆく。あっという間にカレースープと麺、そしてたっぷりとカレーがかかったラーメンがカシムの前に差し出された。これにカシムはニタニタと笑みを浮かべながら店主へ言った。
「言っておくが……このカシムさんはグルメだぞ? 美味しくなかったら容赦なく辛口評価してやるぞ? カレーだけにな? それだけじゃない……その場でラーメンは残すし、カネもはらわねーからな!? そしてSNSでこの屋台の評判を下げる口コミを書いて炎上させてやる!」
 邪悪な顔のままカシムはカレーラーメンの麺をすすった。

「うっ………うんめぇぇぇぇぇぇ!!!」

 カシム、即落ち2コマ完敗宣言……!
「かぁぁ〜〜っ! スパイスの効いたカレーが麺に絡んで口の中でマリアージュを奏でてやがる……! 麺をすする際に香織が華から抜けることを計算され尽くしたスパイス配合、完璧じゃねーか! そしてえこのスープ……ずずっ! これは……鶏ガラ出汁に豚骨が混ざって……芳醇な旨味がスパイスとマッチして、コレだけでも立派なスープカレーとして成立してやがる! 美味い! 美味すぎるぞ、カレーラーメンッ!」
 興奮するカシムは思わず替え玉を注文、2杯目も堪能することに。だがその間にも、店主を観察している。
(僕の勘だと、この店主、オラトリオにしては陰鬱なんだよな……雰囲気は悪魔っぽいっていうか? 今のところ、特段変わった気配は感じねーけどな?)
 カシムが店主を警戒する一方メルシーは唐揚げラーメンに夢中だ。
「唐揚げ拉麺、美味しいぞ☆」
「……そんなにうめーのか、それ? 僕も注文してみたくなってきたな……でも3杯目はキツイな」
「メルシーもお勧めのカレーラーメン食べたくなったぞ☆」
 これに店主がそっと一回り小さいどんぶりを見せて告げる。
「ハーフサイズ、あるよ……」
「「オナシャス!」」
 こうして2人は互いの注文したラーメンを思う存分に堪能した。
「くっ……全て美味しいとか、この屋台は神か……!?」
「美味しいは幸福だぞ☆」
 警戒していたカシムも、最後にはただ普通にラーメンを楽しんでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳳凰院・ひりょ
ここ最近温かい食べ物が恋しくなってきた
そんな中で屋台のラーメンは、体と心を温めてくれる事だろう
そんな至福の気持ちに浸っている所を暗殺しようなんて
犯人はなんて卑劣な奴なんだ!
これは一発ぶん殴ってやらないと

隠れた名店というか名屋台はひっそりと居を構えているものなのかな?
この後犯人と一戦交えるという意味でもお腹は満たしておこう
店主さん、オリジナリティに富んだ一品を!
折角来たんだし、ここでしか食べられないようなラーメン食べたいな!
替え玉もオッケーって事だし、しっかり堪能させてもらおう
何度も替え玉を頼み、ラーメンを堪能する

…って、満腹状態だと戦いに支障が出かねない
腹八分目くらいにしておくか!


東雲・緑田
アドリブ連携歓迎

■注釈
緑田星人は平均身長細胞レベルの宇宙生命体が集まって出来たスペオペ所在の生きている惑星です(サイズは木星位)
緑田はその対人インターフェース用の群体で、お約束に則り。現地人(組合員NPCの東雲さん)と融合を果した群体です。
人体の構造と精神をエミュレートしてます(お察し)

■心情
ふむ、憧れの彼とユニットを組んで卒業式の思い出にしつつファンの皆さんとコンプラ的にも完璧な作戦でしたが、何が行けなかったのでしょうか?
わかりません、ならば、基本に立ち返り、ラーメンの今を知る市場調査でしょうか?

■緑田の行動方針はラーメンと魔法少女です?

魔法の屋台でお隣しつつ。客足が落ち着いたら頂いてみます



 鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)はここ数日の冷え込み具合に季節の移ろいを感じていた。
「うう、寒い! こう寒くなってくると最近、温かい食べ物が恋しくなってくるね。そんな中で屋台のラーメンは、体と心を温めてくれる事だろう。そんな至福の気持ちに浸っている所を暗殺しようなんて……犯人はなんて卑劣な奴なんだ! これは一発ぶん殴ってやらないと!」
 グリモアべースで話を聞いたひりょは、食への冒涜を許せなかった。問題の屋台を発見するやいなや、辺りを警戒しながら暖簾をまくって席についた。
(隠れた名店というか名屋台は、こんな感じにひっそりと居を構えているものなのかな? この後犯人と一戦交えるという意味でも、お腹は満たしておこう……)
 ひりょがそんな事考えていると、目の前にお品書きを差し出される。
「……どれにするんだい?」
 どこか親近感が湧く店主に促されて、ひりょはお品書きを突き返しながら答えた。
「店主さん、オリジナリティに富んだ一品を! おまかせで! 折角来たんだし、ここでしか食べられないようなラーメン食べたいな!」
「……あいよ」
 口数少なく店主は調理に入る。屋台の裏から持ってきたのは……巨大な肉塊だった。
「……熊ラーメンでいいかい?」
「熊ラーメン!?」
 まさかの熊肉だった。最近ニュースで数多く目撃情報が出て社会問題になっている熊だ。
「……俺が直々に仕留めた熊だ。少々臭みが残るが、美味いぞ。少し時間がかかるから待っててくれるかな?」
「ええ、もちろんです。なるほど、ジビエラーメンってやつかな? 替え玉もオッケーって事だし、しっかり堪能させてもらおう!」
 期待に胸が膨らむひりょ。完成までしばし待つことにした、のだが……。
「あれ? 隣が騒がしいな……くんくん……あれ? ラーメンの匂い?」
 この香り、どこから?
 ひりょは屋台から一度離れて隣を覗き込む、すると、いつの間にか別の屋台が出現していた。

「どうも、緑田ラーメンです。繁盛しているラーメン屋台の隣で客を掻っ攫おうという合理的かつ効率的戦略のもとで営業を開始します。よろしくお願いします」
 東雲・緑田(マホーの宇宙人の|魔法少女《アイドル》☆斡旋業者・f45150)が堂々と何食わぬ顔でラーメン屋台を始めていたのだ。これにはひりょだけではなく、店主も怪訝な顔をしている。
「……キミ、勝手に隣で営業されたら困るんだけど?」
「出たなオブリビオンめ。ラーメンで地球を支配しようとしている目論見は、この緑田が打ち砕いてみせます」
「ちょっとちょっと! 店主さんがオブリビオンだって? 確かに掴みどころのない雰囲気だけど、初対面の人をオブリビオン扱いは失礼だよ!」
 緑田の言葉にひりょが慌てて制止を求めた。だが緑田は止まらない。

「我々、緑田星人は平均身長細胞レベルの宇宙生命体が集まって出来たスペオペ所在の生きている惑星です。ちなみに母星は木星くらいの巨大惑星です。この緑田はその対人インターフェース用の群体の1体であり、現地人と融合を果した姿です。我々は人体の構造と精神をエミュレートしてます。その結果、そこのオラトリオもどきのオブリビオンにはラーメン対決を申し込むのが最適だと判断しました」
「やばい、この人、会話が成立しないぞ!」
「……営業妨害なんで通報するね」
 店主は携帯電話で警察へ通報。一方、ひりょはちゃっかりとラーメンを注文していた。
「念の為、こっちも注文しておくね……あ、塩バタコーンラーメンだ! いただきます!」
 ひりょは熱々のラーメンを豪快にすすれば、塩味と濃厚なバターの風味にご満悦だ。
 だが現場の混乱ぶりに緑田は首を傾げている。折角、麺類用のユーベルコードを用いたにも関わらず、夢を叶える勇気の力どころかカオスしか生まれていないからだ。
「ふむ、憧れの彼とユニットを組んで卒業式の思い出にしつつ、ファンの皆さんとコンプラ的にも完璧な作戦でしたが、何がいけなかったのでしょうか? わかりません、ならば、基本に立ち返り、ラーメンの今を知る市場調査でしょうか?」
 そう言うと、緑田はいきなり自分の屋台を離れて素知らぬ顔で隣の屋台に入り込む。
「店主、緑田にタンメンを1杯お願いします」
「お前に喰わせるタンメンはない! 帰れ!」
「そう言わずに。緑田の作った濃厚塩ラーメンと交換しましょう。物々交換は原始的な商業活動です。今すぐあなたは行うべきです。楽しんで」
「要らないから。というかラーメンを食べるのにラーメンを持ってくるな! 翻訳アプリの直訳日本語みたいな喋り方を止めてくれ!」
「あじゃぱー」
 もう何が何やら。そうこうしているうちに警察が駆け付け、緑田を尋問する。
「道路使用の許可証は? あるの?」
「誰に対しての許可がいるんです? そんなことよりラーメン食べますか?」
「はい道路交通法及び飲食店無許可営業並びに食品衛生法など諸々違反で逮捕!」
 こうして緑田は留置所へ送られていった。
「なるほど、今のラーメントレンドは取調室の中で味わうのですね。ドラマという媒介で観たとおりです」
 緑田は納得顔でパトカーに押し込まれて警察署へ向かっていった……。
 なお、数時間に及ぶ取り調べでまったく刑事との会話が成立しなかったため、彼は留置所に2泊3日することになる。

「なんだったんだ、あれは…って、満腹状態だと戦いに支障が出かねないや。腹八分目くらいにしておくか!」
 ひりょは「ごちそうさま、美味しかったです!」と店主にお礼を告げると、代金を置いて気分よく帰ってゆくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『黒紋狼』

POW   :    黒炎狼
自身の【白い炎】を捨て【完全なる漆黒】に変身する。防御力10倍と欠損部位再生力を得るが、太陽光でダメージを受ける。
SPD   :    邪黒爪
【黒い爪】が命中した敵から剥ぎ取った部位を喰らう事で、敵の弱点に対応した形状の【スサノオ進化体】に変身する。
WIZ   :    葬灰煙
かつて喰らった「【ノーライフキング】」の魂を纏い、2倍ダメージ・2回攻撃・自動反撃を有した【葬灰煙】を装備する。

イラスト:dys

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ラーメンを食べて気分が良くなった猟兵達。
 しかし、急に一般人が周囲から消え去っていることに君達は気付くだろう。

 AOoooooooN!

 どこからともなく狼の遠吠えが聞こえる。それも、だんだんと近付いてくる。しかも一匹だけではなく、無数にあちこちで聞こえてくる。
 もしかしたら、どこかで猟兵が襲われているのでは?
 そう気付いた君達は、急いで胸騒ぎがするほうが悔いへ走る。
 もしくは、君達を敵は狙っているのかもしれない……。
皇・銀静
銀盗
UC発動中
……ちっ(心底忌々し気に舌打ち
「主ー☆おこぷんみたいだけどどうしたのかな☆」
…別になんでもない(実は拉麺食べたかった人
「(察してるけど言わない下僕)大丈夫だよ主☆主のイライラを晴らせそうなわんわんが一杯いるみたいだよ☆」
…此奴ら…スサノオか
以前に此奴らの集合体と戦った事はあるが…闇落ちして碌な事にならなかったな(びき

襲われてるのおはスケベクズ小僧か
(そして意図に気付く)
(グリム…力は隠せ。ぎりぎりで往くぞ)
「(畏まり☆)」
銀静はドラウプニルで射撃攻撃
グリムはメリケンサックで殴りかかっての攻撃
基本的に力押しで敢えて技能は隠して苦戦しながらぎりぎり勝つ流れを演じる
ある意味戦いを楽しみ


カシム・ディーン
銀盗
UC継続中
美味かったなー
「唐揚げ拉麺も良かったぞ☆また食べたいねー☆」

(気づけば囲まれていて…)
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の陣形
立ち回り
動き
そしてその目的と役割を分析
他の視線や観察している者がいないかも捕捉(但し気付いた様子は見せない

(…メルシー…存分に「手を抜く」ぞ)
「(ああ、そういう事だね☆)」
今回はカシムが鎌剣
メルシーがソードブレイカーを使っての近接攻撃

鎌剣を力任せに振るって自動反撃も食らってぼろぼろに
メルシーも短剣でちまちま攻撃でぎりぎりぎりぎりを狙いつつ
念動力は最小限で留める

(ご丁寧に「敵」に情報なんぞやらねーよ)
「(ご主人サマってばたまに警戒心凄いんだぞ☆」



 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)と相棒のメルシーは、屋台のラーメンを存分に堪能した後に、腹ごなしのためいつもより寄り道をしながら帰る途中であった。
「美味かったなー」
「唐揚げ拉麺も良かったぞ☆また食べたいねー☆」
 主従共に大満足であたりをブラブラしていると、カシムはメルシーへ小声で囁く。
(おい、囲まれてるぞ……)
(そうだね……そこの裏路地に入ったら戦闘開始かな?)
 カシムは自分が標的にされていることに気が付くと、敢えて狭い通路へと敵を誘い込んだ。
「隠れてねーで出てこい! メルシー! 魔力を回すから蹴散らせ!」
「了解だよ、ご主人サマ☆」
 カシムの叫びに呼応して、狼タイプのダークネス「黒紋狼」の群れが姿を表す。かつて喰らったノーライフキングの魂を纏い、2倍ダメージ・2回攻撃・自動反撃を有した葬灰煙を装備する。
 これを前に、カシムは再びメルシーへ耳打ちする。
(……メルシー……存分に「手を抜く」ぞ)
(ああ、そういう事だね☆)
 恐らくこの状況を黒幕は「観察」していると破断したカシムは、わざと鎌剣を手にとって身構える。逆にメルシーがソードブレイカーを使っての近接攻撃を狼の群れへ仕掛けていった。

 皇・銀静(陰月・f43999)は血の匂いがする場所へ引き寄せられていた。自分を高めるために戦闘が起こる場所を転々とする彼が駆け付けると、見知った顔の連中が「柄にもなく」傷だらけで戦っているのを目撃する。
「……ちっ。襲われているのはスケベクズ小僧と変態イカれ女か。あんな駄犬如きに何をてこづっているんだ?」
「ぷぷぷ〜☆ メルシーってば雑ぁ魚雑ぁ魚☆」
 連れのグリムがボロボロのメルシーを見て、思わず噴き出す。
「主〜? さっさと片付けて、あの二人に恩着せがましくラーメン奢らせようよ☆」
「うっ……ちっ、別に屋台のラーメンなんぞ興味はない……」
「嘘は良くないよ☆ てか大丈夫だよ主☆ 主のイライラを晴らせそうなわんわんが一杯いるよ☆」
「ああ……此奴ら……スサノオか。以前に此奴らの集合体と戦った事はあるが……闇落ちして碌な事にならなかったな」
 当時を思い出して余計に苛立つ銀静。すぐさま全力で反撃の暇を与えることなく叩き潰そうとしたが、すぐに違和感を覚えた。
(おいグリム……なにか「視線」を感じないか……? これは、まさか?)
(うん、そのまさかじゃないかな?)
 あの狼の群れをけしかけた首謀者が、どこからか戦況を見守っている……その考えに至ると、銀静はカシム達の苦戦の意味を理解した。
(面倒臭いな……おい……「全力は出すな」よ?)
(かしこまり☆)
 そうと決まれば銀静は「動かない」。敵には自身を術者だと錯覚させるために、グリムを使役させる形で攻撃に向かわせる。
「グリム、殴りかかれ。反撃ダメージは全てお前が肩代わりするんだ」
「えっ!? いいの!? やったぁ!!」
 グリムはメリケンサックを握りしめて突撃すると、噛まれたり反撃を喰らってすぐに傷だらけになる。
「痛いの気持ち〜♥」
 しかし母神譲りのマゾ気質が、ダメージを快楽へ転化させてしまうので恍惚の表情を浮かべ得てしまうグリム。これでは確かに強いのか弱いのかが鑑別できない!
 助太刀に気付いたカシムとメルシーも、これには目を疑ってしまう。
「おい、公開ドMショーはいいから真面目絵にやれって!」
「なるほど、その手があったか……メルシー、脱ぎまぁす!」
「やめろぉぉぉ! 何してんじゃボケぇぇぇ!」
 鎌剣を力任せに振るって自動反撃も食らってぼろぼろになったカシムのツッコミが裏路地に轟く。
 カオスな状況でギリギリの戦いを繰り広げる2組は、なんやかんやでようやく狼の群れを追い払うのだった。
(ご丁寧に「敵」に情報なんぞやらねーよ)
(ご主人サマってばたまに警戒心凄いんだぞ☆)
 銀静とグリムも面倒な事に巻き込まれたとげんなりしている。
「おいガキ……助けてやったんだからラーメンを奢れ」
「ジロー系で勘弁してあげる☆」
「おまっ、恩着せがましく年下にメシ奢らせるとかプライドねーのか?」
「ご主人サマ、そう言わずに☆ だって銀ちゃんって戦闘バカの無職だから☆ 無一文なんだよきっと☆ カワイソ〜☆」
「誰が無一文だ!? 無職でもないのだが……!? てか銀ちゃんって呼ぶなキチガイ女……!」
「主は猟兵の依頼報酬でちゃんと食っていけるし! あと主は『職業:猟兵』ですぅぅぅ!」
 2組はいがみ合うと、取っ組み合いの喧嘩に発展。小一時間は殴り合った後、疲弊した2組は全身字だらけになりながら、奢る・奢らないの中間を取ってファミレスで好きなものを互いに注文し合うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

東雲・緑田
アドリブ連携歓迎
お昼なのでSPD対応

前章の緑田は留置所で模範囚をしています、善良な宇宙生物なので(話が通じるとは限らない)

■心情(UCで本星とのメッセンジャー緑田星人を生成しての交信中)
GGOプラグイン使用での対人インターフェースにて致命的エラーが発生しました。
以後より現世界へのコンバートを再開します。

■所在地、屋台からニュルッと

さて、現地法に基づき先程の緑田にはお勤めしてもらい。

しかし、ジビエラーメン…成る程そう言うのもあるのですね。
このような場面に出てくるのでてっきり一般の方ではないかと思いましたが…

おや?
狼型モンスのような声が?

フィールドでしたね。
丁度よいので内から破裂させてジビエ肉です



 ――GGOプラグイン使用での対人インターフェースにて致命的エラーが発生しました。
 ――以後より現世界へのコンバートを再開します。

 東雲・緑田(マホーの宇宙人の魔法少女アイドル☆斡旋業者・f45150)は群体である。故に留置所へ収監された緑田とは別の緑田が調査に動く。屋台の近くの側溝からニュルンとこんにゃくゼリーめいて出現した緑田は、引き継がれた記憶を整理した。

「なるほど、地球上に存在するこの国家の現地法では、道路を使用する時にヤクショコージに連絡しないといけないのですね。緑田達の言語ライブラリによれば、ヤクショは『役所』、コージは『公司』を意味すると推測されます。2つとも公共機関を指し示すとされ、それを束ねる重鎮の人物がヤクショコージなのでしょう。緑田達はこれでより現地人に近付けました」

 外宇宙人の誤った地球の常識がインプットされたところで、誰もいなくなった隣の屋台に座って勝手にラーメンを貪る。無銭飲食!
「おかしいですね、先程まで店主がいたはずなのですが。まあいいでしょう。きっと緑田達用に取り置きしてくださったに違いありません。地球の現地人、とりわけニホンジンは親切丁寧でなにか自分に落ち度があるとすぐに腹を掻っ捌いて詫びるという理解不能な礼儀作法を持つそうですので、緑田がラーメンを食べられなかった事を店主は悔やんで残してくれた日がありません。そして店主は腹を掻っ捌くためにどこか人目につかない場所へ隠れたのですね。生麦ほうれん草ラッキョウ」
 恐らく南妙法蓮華経と言いたかったのだろう……。
 早速、熊のジビエラーメンを食する緑田。独特の獣臭さがラーメンスープから感じる滋味深い味わいだ。
「しかし、ジビエラーメン……成る程そう言うのもあるのですね。このような場面に出てくるのでてっきり一般の方ではないかと思いましたが……おや? 狼型モンスのような声が?」
 いつの間にか緑田は周囲を狼の群れに囲まれていた。彼はラーメンを完食すると、肉体の一部がドロドロのスライム状の粘体に変化してゆく。
「私達は緑田星人、群体である私達は個であり全、私達は貴方達の認識によれば、そう、スライムのような生き物の群体が人に擬態しています。丁度よいので内から破裂させてジビエ肉です」
 狼の群れは気付いた。自分達の周囲に、無数の緑田星人が存在していることを。そしてその本体がミクロ単位の生命体であることを。気付いたころにはもう時既に遅し。緑田星人達の体内侵入を許した狼の肉体が、突如として膨張した後に炸裂! 内部から全裸の緑田星人が飛び出してきたではないか。
「あなたも緑田達になりませんか?」
 この瞬間、狼の群れは手を出してはいけ得ない相手に喧嘩を売った事に深い後悔の念を胸に抱え、そして全ての個体が緑田星人へと成り代わられていった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳳凰院・ひりょ
誰かが襲撃を受けている?それとも…俺が誘い出されている…のか?
どちらかはわからないが、この狼達を何とかしない事には首謀者にたどり着けないだろう
それなら、やる事は一つ!

敵の使って来る葬灰煙はどの程度の射程があるのかわからない
接近戦を避けUCを発動させつつ護符による遠距離攻撃で応戦
UCの追加攻撃の聖なる光に浄化作用も付与しておく
敵が喰らった魂を浄化する事で葬灰煙の無効化を狙う
聖なる光一回では無理かもだけど、絶え間なく追加攻撃が入れば!
UCの効果を継続させるため、敵との距離は一定を保つよう心掛け
ただし、一対多数になる可能性も考えると可能な範囲でだが

葬灰煙を無効化出来たら刀による接近戦で確実に仕留める



 鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は襲いかかるスサノオの群れに、どこか拭いきれない違和感を抱いていた。
「これは……誰かが襲われているというよりも……俺が誘い出されている……のか? どちらかはわからないが、この狼達を何とかしない事には首謀者にたどり着けないだろう。それなら、やる事はひとつ!」
 ひりょは携帯型破魔刀を鞘から抜き払い、黒紋狼の群れの前で身構えた。
「敵の使って来る葬灰煙はどの程度の射程があるのかわからない。だったら接近戦を避けるべきだ……!」
 すぐさまひりょはユーベルコードを発動させ、護符による遠距離攻撃で応戦する。対してノーライフキングの魂を纏った獣の群れは反撃するべく身構える。こうなったらどちらが早いかで勝負が決まる。
「聖なる光も宿して、護符で攻撃だ!」
 光り輝く護符を手裏剣めいて乱射すれば、獣の群れに命中して消えない聖痕を刻みつける。するとそこから浄化の光が溢れ出し、纏っていたノーライフキングの魂が消滅してゆくではないか。
「やった! 狙い通りだ! 纏っている魂さえ消してしまえばユーベルコードを封じることが出来る!」
 最初こそ浄化を優先するため、敵との距離は一定を保つよう心掛けるひりょ。段々と浄化された個体が増えてゆくと、あとは一気呵成に刀による接近戦で確実に仕留める。
「来い! ユーベルコードがなければ、ビーストマスターの俺の前で動物が叶うはずがないぞ!」
 最初の数匹の首を刎ね飛ばしたあとは、相手を戦慄サせるべく脚の腱を斬ったり峰打ちを繰り出すひりょ。そうしているうちに獣の群れはひりょの力量に気付きはじめ、到底敵わないと悟って逃げ出してゆくのだった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『聖魔人『黄昏』』

POW   :    闘気刀
【オーラで出来た巨大な刀による一撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に使用者の回復と聖魔の力が降り注ぎ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    精霊王乃太刀召喚
【精霊力を込めた携帯型破魔刀】から、斬撃・投擲・盾受けに使える【偉大なる精霊王の太刀】を具現化する。威力を減らせばレベル×1個まで具現化可能。
WIZ   :    聖魔光照射
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【破魔】+【貫通】+【生命力吸収】属性の【灰色の破壊光線】を、レベル×5mの直線上に放つ。

イラスト:ジョンハッピー

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鳳凰院・ひりょです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 かくして首謀者が放った獣型ダークネスの群れは撃退できた。
 鳳凰院・ひりょは敢えて群れを全滅させずに追い払ったのは、逃げた個体が必ず首謀者の元へと逃げ帰ると直感で理解していたからだ。

 そしてその直感は的中する。
 なんと獣の群れは先程のおラーメンの屋台があった場所へ戻ってきていた。そして、その群れを手なづけているのは、あのラーメン屋の店主だった。

「まさかこうもあっさりやられて帰ってくるなんてな……ん? キミは……そうか、ようやく会えたな?」

 ニィ……と歯を見せて、充血した眼を爛々と見開いて背中の翼を広げる。天使のつばさの中に悪魔の翼も混じっている……堕天使? いや、悪魔と天使のハーフ? もしくはそのどちらでもない異端の存在なのだろうか?
 ともあれ、ひりょと瓜二つのダークネスがそこに立っており、今にも猟兵達を殺そうと襲いかかりそうである!
 猟兵達よ、全力を賭して暗殺事件の首謀者を撃退せよ!
カシム・ディーン
おいおい…ひりょじゃねーか…レモンの彼氏と同じ面だとはな
「どうしようご主人サマ!?メルシー達ひりょ君には一度も勝てた事ないんだよ!?」(大嘘。模擬戦した事もない
うぐ…だ、だが…偽物なら彼奴より弱い筈だ!それなら何とかなる筈だ!

【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の能力と立ち回りを把握

んじゃ…そろそろ本気で往くぞ
【属性攻撃・迷彩】
光水属性を己達に付与
光学迷彩で存在を隠し水の障壁で音や匂いを隠蔽

【念動力・空中戦・弾幕】
超絶速度で飛び回りながら念動光弾の弾幕を叩き込んで
太刀も蹴散らし尽くす
【電撃・二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
鎌剣と打刀による超連続斬撃を叩き込み
金目の物から翼強奪狙
後でレモンにあげるか


東雲・緑田
アドリブ連携歓迎

◼️心情(ぐりんだ軒撤中)
許可がないのに何時までも出店したままなのは善良な宇宙生物である私達としても望むべくではありませんね?
おや、お隣さん。
漸く会えたと言う割には先程熊ラーメンを提供していたような?
健忘症と言う奴でしょうか?
それはそれとして日の本では御礼スパイラルという関係性を構築するのがベターとありましたし、熊ラーメンの御礼としてお釣りがでない金額の提供と、喧嘩のようなので仲裁が良いでしょうか?

◼️魔法少女召喚
同じ顔が二つ…
つまり、火曜日に頻発すると言う遺産相続を巡る骨肉の争いなのでしょうか?
こう言う時はディアウルコちゃんの出番!
報告者さんのライブラリからひりょ推し活ですよ



 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)と相棒のメルシーは、今回の猟兵暗殺事件の首謀者が見知った顔であることに驚いていた。
「おいおい……おめー、ひりょじゃねーか……まさかグリモア猟兵の彼氏と同じ面だとはな」
「あれ? やっぱ騙されないか」
 ラーメン屋の店主もとい聖魔人『黄昏』は悪びれることなく携帯型破魔刀を鞘から抜き祓う。これにカシムは冷笑で返した。
「ハッ、おめー知らねーのか? 猟兵はオブリビオンを見分けることが出来るんだ! 実はさっきの初対面で警戒していた理由はおめーがラーメンに毒を盛らねーか心配してたからだ!」
 カシムの推理は結果的に正しかったのだ。空腹には負けたけど。ここでメルシーが何かに気付いて慌てだす。
「どうしようご主人サマ!? メルシー達、ひりょ君には一度も勝てた事ないんだよ!?」
「ん? そうだったか?」
 模擬戦すらやったことないんじゃないかと首を傾げるカシムに、メルシーが何度も瞬きをする。そして繋がっている魔力回路からメルシーの意識が流れ込む。
(ご主人サマ、うまく話を合わせて! 油断させるためだよ!)
 カシムはすぐに察して取り繕う。
「うぐ……あ、ああ、そうだったな……嫌な思い出過ぎて、カシムさんの記憶から消えかけていたが……くそ、思い出しやがって!」
 大嘘の大演技に、黄昏は「そうだったのか……」と興味深げに様子をうかがっている。
「だ、だが……偽物なら彼奴より弱い筈だ! それなら僕でも何とかなる筈だ!」
「オリジナルに勝てないからって、俺に勝てるとでも? 残念だけど、もう詠唱は始まってるんだ」
 黄昏は破魔刀の柄の部分のシリンダーを指でぐるぐると回転させている。
「これは摩尼車の要領で、詠唱文言が書かれたシリンダーを回転させることで発声に頼らない詠唱が可能なんだ。無限の威力を誇る聖魔光照射を喰らえ!」
 刀身が灰色の光で満たされると、最上段から刃を一気に振り下ろす。光線が切っ先から発射され、そのまま地上へ振り下ろされる!
「メルシー!」
「分かってるよ!」
 カシムとメルシーはユーベルコードで魔力と思考とリンクさせ、マッハ50の超音速でこの斬撃を回避! ゆうに2km以内の物質がバターのように軽々と斬り刻まれてしまう!
「おいおいおいおい! 掠っただけでもやべーぞ! つかそろそろ本気出すぞ!」
「おけまる☆」
 カシムとメルシーは得意の光学迷彩魔術を発動させ、姿を消すのと同時に水の膜を纏うことで音と匂いも遮断する。姿を消した状態で上空へ飛行すると、制空権を握るべく超絶速度で飛び回りながら念動光弾の弾幕を叩き込んだ。
 しかし、光弾を打つ場所から黄昏は場所を推測して刀を振り乱す。
「あっぶねーな! こっちは余裕で回避できるが、あの刀が邪魔だな!」
「てかご主人サマ! あそこに誰かいるよ!」
 メルシーが地上を指差すと、何故かもう一台のラーメン屋台を撤去させる東雲・緑田
(マホーの宇宙人の|魔法少女《アイドル》☆斡旋業者・f45150)がそこにいた。

「許可がないのに何時までも出店したままなのは、善良な宇宙生物である私達としても望むべくではありませんね? おや、お隣さん。漸く会えたとさっき言いましたか? その割には先程熊ラーメンを提供していたような? 健忘症と言う奴でしょうか?」
「またおまえか! あれは言葉の綾だ! 宿縁の相手かどうか、あの時は見定めていたからな!」
 黄昏の弁明に緑田は売れ残りのラーメンをドンブリごと、敵の顔面に叩きつけた。
「そぉいっ!」
「ゲボォッ!?」
 熱々のスープと麺がオブリビオンの顔面と絡まる!
「それはそれとして、日の本では御礼スパイラルという関係性を構築するのがベターとありましたし、熊ラーメンの御礼としてお釣りがでない金額の提供と、喧嘩のようなので仲裁が良いでしょうか? というか同じ顔が二つ……つまり、火曜日に頻発すると言う遺産相続を巡る骨肉の争いなのでしょうか? つまりこう言う時はディアウルコちゃんの出番! 報告者さんのライブラリからひりょ推し活ですよ!」
 なんか急にアイドルがでてきて推しを語りだす緑田。呆気にとられる黄昏を背後からカシムとメルシーが鎌剣と打刀による超連続斬撃を叩き込んだ。
「イヤー!」
「グワー!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

炎武・瑠美
あれはひりょさん?いえ…纏う闘気が暗く淀んでいます
似て非なる者のようですね
闘気が違えば私にはわかります、間違えようがありません!
(といいつつ、本人は天然の為…以下略)

敵は空中戦が可能なようです
こちらも対抗するには…来てください炎竜!
炎竜の背に乗り攻撃を開始
炎竜には聖属性ブレスを放たせ自分は魔道銃で応戦

あれはひりょさんのUC?!
今の私には真正面から受け止める力量はありません
万事休す…でしょうか
烈火?!自分を庇うように突如現れた愛機
巨大剣の一撃を受け大破する姿を愕然と見守る

烈火の犠牲は無駄にはしません!
我に返り反撃に移る
敵がUCを放った瞬間は相手も無防備
その一瞬に賭けUCを敵へと叩き込みます!



 炎武・瑠美(天然系お嬢様…らしき者・f31245)は偶然にも今回の事件に鉢合わせした。そこには知り合いの顔をしたダークネスが猟兵達と戦い、割とボコボコにされている光景が広がっていた。
「あれはひりょさん? いえ……纏う闘気が暗く淀んでいます。あれは似て非なる者のようですね。闘気が違えば私にはわかります、間違えようがありません! ひりょさんは頭からラーメンをかぶったままきりもみ回転してブロック塀に突撃しませんもの!」
 あまりのやられぶりに天然の瑠美でも見分けがつくらしい。
「うぅ……油断した! だが、そこの女は空を飛べないはずだ!」
 黒白の翼で聖魔人『黄昏』が瑠美の頭上へ舞い上がる。瑠美は敵を見上げると、ルーンの力を高めてゆく。
「敵は空中戦が可能なようですね。ならばこちらも対抗するには……来てください、炎竜!」
 彼女の呼び声に応え、空の彼方から高速で飛翔してくるのは1体の赤き飛竜!
「ドラゴンだって!? それは聞いてない!!」
 黄昏は顔を引き攣らせるが、瑠美はお構いなく炎竜の背に騎乗してみせる。
「さあ、空中戦の開始です!」
 炎竜には聖属性ブレスを放たせ、瑠美は魔道銃黄昏を撃ち落とすべく乱射する。
「町中でドラゴンに乗って戦う奴がいるか……! こうなったら!」
 黄昏は破魔刀に宿した闘気を再冗談から振り抜く。巨大な刃となった一撃が瑠美の頭上を狙う!
「あれはひりょさんのユーベルコード!? 今の私には真正面から受け止める力量はありません。万事休す……でしょうか」
 炎竜も回避が間に合わない、もはやこれまでか?
 そう思った矢先だった。忽然と姿をみせる見慣れたキャバリアが、ひとりでにユーベルコードの刃へ立ち向かってゆくではいか。
「烈火!?」
 そのまま自分を庇うように愛機は巨大剣の一撃を受けて大破……!
 愕然とする瑠美は、怒りに任せて炎龍と共に突撃を開始!
「烈火の犠牲は、無駄にはしません!」
 敵がユーベルコードを放った瞬間は相手も無防備……これはひりょとの手合わせで彼へ伝えていた「特徴」であった。
「その一瞬に賭けて、この拳をあなたへと叩き込みます!」
 炎龍の背から跳び上がり、蒼き炎を纏った拳を振り上げる。
「これぞ我が家極意の秘拳、炎武式・煉獄拳っ!」
 攻撃直後の硬直により、回避が遅れた黄昏の顔面に蒼炎の拳が突き刺さる。そして黄昏は体の内部から煉獄の炎で焼かれて内部破壊ダメージを被る。
「うがぁぁああーっ!」
 焼かれながらアスファルト舗装道路に墜落する黄昏を、炎龍の背中に無事着地した瑠美はしっかりと見届けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

皇・銀静
「アロスティーニ美味しかったね主ー☆」(サイゼリ〇で喜ぶ機神)
……悪くはなかったがな(チキンがお気に召した)

…お前が暗殺者とやら(やっと少しはストレスが解消できそうだと歓喜)
【戦闘知識】
敵の能力や動きの癖を観察

(グリム…お前は下がっていろ)
「(畏まり☆)」

【オーラ防御・リミットブレイク・功夫・蹂躙・串刺し・切断・二回攻撃・属性攻撃】
UC発動
オーラも纏い風を強化

超高速で飛びこぶし心臓をぶち抜く勢いの拳から回し蹴り
鉄山靠等の猛攻をしかける
敵の反撃も気にせず必要時は剣や拳で受け止め生命力を強奪
殺し合いが御所望なんだろ?
なら存分に楽しませてやるよ

(尚2章とは戦い方が全く違うのであった)



「アロスティーニ美味しかったね、主ー☆」
 皇・銀静(陰月・f43999)の相棒であるグリムが喜色満面で語りかけ、その指を銀静へ絡めてくる。
「……悪くはなかったな。特にチキンはなかなかだった」
 グリムの手を鬱陶しそうに振り払う銀静。
 彼らが向かう先は、ラーメンの屋台があった裏路地だ。
「……お前が暗殺者とやらか。やっと少しはストレスが解消できそうだ……」
 銀静は聖魔人『黄昏』を前に殺気を膨れ上がらせる。同時に銀静はグリムへ小声で指示を出す。
(グリム……お前は下がっていろ)
(畏まり☆)
 グリムを下がらせた銀静は、今まで隠していた実力をここで全開放する。
「四門……窮奇……饕餮……橈骨……渾沌……開門……! 須らく叩き潰す……!」
 巻き上がる邪気の風を纏い、今まで抑えてきた苛烈な闘争心が爆発する。超高速で飛翔すると、心臓をぶち抜く勢いの拳を放った。
「せやぁ!」
「ぐぅっ!?」
 破魔刀の鞘で拳をどうにか逸らす黄昏だが、続けざまに放たれた蹴りを避けようと空中へ逃げた瞬間を狙われた。
「空中でもこの技は利くぞ?」
 マッハ16の速度から繰り出される鉄山靠……いや追突!
 黄昏も剣技で対抗しようとするが、銀静の凄まじい連撃は敵の反撃の暇を与えずにダメージを与え、生命力を吸収し続ける。
「殺し合いが御所望なんだろ? なら存分に楽しませてやるよ」
「こいつ……! 今まで手の内を隠していたのか!」
「見張られてると知ってて、馬鹿正直に全力で戦うものか……武を極めんとするとするものなら尚更だ」
 黄昏の懐に潜り込んだ銀静は、その胸元へ掌打を繰り出して敵の体を吹き飛ばしてみせるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳳凰院・ひりょ
なっ!?店主が…俺?!
誰かの写し身と遭遇するかもとは思っていたが…
卑劣な罠を張るなんて、許さないぞ!その性根、修正してやる!オーバーロード!

相手との力量差を埋める為にも、こちらも真の姿で立ち向かう事にする…が
これ、周りから見たらどちらが攻撃対象なのか、判別がつかなくなるんでは…
俺は仲間を信じる!と言いきれればいいが、誤射も想定される
俺は、悪い、ひりょじゃないよ?

同士討ちを避けるためにも手を打つか!憑依一体!
UCを発動させ愛機と同化する
こうすれば敵味方の識別もつくようになるだろう

とはいえ、だ
こちらは生身よりサイズが大きくなった分、小回りが相手よりも効かない
愛機の武装で決定打を与えられないかもしれない
それなら…いけ式神達!
自分のオーラで生成したマヒ攻撃纏わせた飛行型式神を複数放つ
式神の攻撃が命中すれば良
万一迎撃されても俺のオーラで生成した式神だ
その場で俺のオーラは迎撃者へと纏わりつき、相手を束縛!

歯食いしばれ!セイグリッド・インパクトっ!
鋼の拳に聖属性攻撃と破魔の力を纏わせ敵へと叩き込む



 鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は目を疑った。
「なっ!? 屋台の店主が……俺?!」
「そうだ……俺はもうひとりの俺! ダークネスとして生まれた、聖魔人『黄昏』だ!」
 それは天使でも悪魔でもなく、かといって人間でもなかった。曖昧な存在は己の存在意義を確かめるべく、同じ顔の存在へ殺意を向ける。まるで、ひりょを殺して成り代わろうとしているかのようも思えた。
「いつか誰かの写し身と遭遇するかもとは思っていたが……そうか、その日が来たのか。でも、卑劣な罠を張るなんて、許さないぞ! その性根、修正してやる! オーバーロード!」
 ひりょは最初から本気を出すべく、いきなり真の姿へと変身した。すると、本当に目の前のダークネスとそっくりな黒白のオラトリオの翼を持つ剣士の姿になった。ひりょはこの場にいたのが自分自身だけで良かったと安堵する。
「これ、周りから見たらどちらが攻撃対象なのか、判別がつかなくなるな……『俺は、悪いひりょじゃないよ?』と仲間に助けを乞うこともせずに済んで良かった……」
 とは言うものの、自分自身を攻撃するという行為は思いの外ストレスを感じるようだ。破魔刀を握る手に迷いが生じているのをひりょ自身が一番理解していた。
「どうした? そっちが来ないなら俺からいくぞ!」
 対して、黄昏は全く躊躇せずに聖魔光を照射してくる。灰色の破壊光線は詠唱時間と主に威力が無限に強化されてゆく。あまり時間はかけられない。
「同じ姿だから俺も無意識に本気を出せないなら手を打つか! 憑依一体・|天魔機神《テネブラエ》! 今こそ、俺の身体を媒介に、その力を示せ!」
 ひりょはユーベルコードを発動させ、愛機キャバリアのルクス・テネブラエと融合合体! 鋼のボディを獲得したひりょは、光と闇の疑似精霊の力を遺憾無く発揮する。これでひりょは目の前の自分を『偽物』とはっきりと判断できるようになった。なぜなら、今の彼の自認はロボだからだ。
 しかし、ひりょは慎重な性格だ。こんな時でも最悪の状況が頭に浮かんでしまう。
(とはいえ……こちらは生身よりサイズが大きくなった分、小回りが相手よりも効かないな。それに敵の体力が見計らえない今、愛機の武装で決定打を与えられないかもしれない。それなら……!)
 ひりょは敵の破壊光線を盾で遮りながら、次なる一手を繰り出す。
「いけ、式神達!」
 ひりょは自分のオーラで生成した飛行型式神を複数体放った。それは麻痺の呪詛を宿しており、破壊光線を放つ黄昏へオールレンジ攻撃を仕掛けた。
「くそっ! 何発も喰らったら動けなくなるな!」
 2発被弾した黄昏の身動きが麻痺で鈍ってゆく。どうにか破壊光線で残りの式神達を撃墜させたが、ひりょはしてやったりの表情だ。
「かかったな? その式神達は迎撃されても、俺のオーラで生成したものだぞ? 破壊された瞬間、その場で俺のオーラは迎撃者へと纏わりつき、相手を束縛する檻と変化する!」
 霊力は呪言となって黄昏の動きを完全に閉じ込め、ギリギリとその体積を圧縮してゆく。中に閉じ込められた黄昏は、次第に収縮してゆく霊力の檻に押し潰されかけてゆく。
「ぐおおおおっ! やめろぉ! 身動きが取れない!?」
 相手の動きが完全に止まった。今が最大のチャンス!
「歯ぁ食いしばれ! セイグリッド・インパクトっ!」
 鋼の拳に聖属性攻撃と破魔の力を纏わせ、渾身のパワーで敵へと叩き込む!
 霊力の檻ごと黄昏の肉体を粉砕し、爆散させてみせた!
「ああ……! ふざけんな……! 俺は、何のために生まれてきたんだ……!? 中途半端な存在のまま、世界から消えるなんて嫌だ……!」
 ダークネスの悲痛な叫び。それを聞いてしまったひりょは、変身を解いて敵へ駆け寄っていった。
「だったら! 俺と一緒に来い! 俺達はきっと、元々はひとつの存在だったはず……何かのヒョ師で同位体として存在したんだろう。だから、また俺になって、一緒に生きよう!」
 黄昏はぽかんと眼を丸くして、自分を討ち果たした相手を見詰める。
「ああ……『俺』は、相当なお人好しだな……バカバカしい……。けど、悪くはないな!」
 黄昏が力なく笑顔を見せた。次の瞬間、その肉体は幻のようにふっと消滅していった。代わりに、ひりょの心にもうひとりの自分の力が流れ込んでくるのを実感する。
「安心してくれ、もうひとりの俺。この力は意味があるって、絶対に証明するから」
 見上げた空には、いつの間には大きな月が浮かび上がっていた。

<了>

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年11月18日
宿敵 『聖魔人『黄昏』』 を撃破!


挿絵イラスト