ハロウィン・スイーツ・コンテスト
●トリック・オア・トリート!
さあさあ、秋の収穫を祝おうじゃないか!
野原も山も朱色に衣替えしたら、いよいよ、夏の終わりと冬の到来を告げる|秋末《しゅうまつ》がやってくる。
人も野も賑やかなるこの日だけれども、夜はとってもとってもとっても危険!
オープン・セサミの呪文がなくとも地獄の門が勝手に開けば、やいのやいとのお祭り騒ぎで彼の世のものが還ってくるぞ。
――| Knock、Knock、Knock《こん、こん、こん》!
扉を叩く音があっても決して開けてはいけないよ? それは彼の世から還ってきた彼の世のものたちなのだから。
だかれどね? 昔の人は考えた。
ならば、夜はお化けたちが驚いてしまうほどに怖い怖いお化けの格好をして、街を練り歩いてしまえ!と。
怖い怖い死者の葬列も、あっという間に楽しい楽しいお化けもどきのお祭りパレードに早変わり!
――|Knock、Knock、Knock《こん、こん、こん!》!
Knockをしたら、お決まりのご挨拶を忘れてはいけないよ?
――|Trick or Treat《お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞ》!
お菓子こそ豊穣の証! 小麦香り立つ美味しいお菓子でカゴをいっぱいにして、秋の収穫を、死者も生者も一緒になって、今宵、祝いつくそうじゃあないか!
――そう、この日は、死者が還ってくる日。
いい奴も危険な奴も、野暮な奴までも還ってくるのさ。そう、骸の海からね!!
●アンハッピー・ハロウィンなんて、いやじゃない?
「バトモン世界でハロウィンのお祭りが開催されているよ!」
真っ赤なアリス服でぴょんぴょん跳ねるのは、フール・アルアリア(No.0・f35766)。
「だけど、お祭りを邪魔しようとする輩が出てくるからぶっ飛ばして! 説明するね?」
毎度、お馴染みのホワイトボードを取り出しまして。ブリーフィングを始めましょう!
――フール曰く。
バトモン世界のハロウィンは【かつて戦争の兵器として生まれてきたバトモンが、今では人類の大切な友達であることを再確認するお祭り】として世界中で親しまれているのだそうだ。
そんな特別なハロウィンのお祭り中に、バトモンたちを洗脳・兵器化を企むオブリビオンが乱入してくるらしい。
「全く、迷惑な話だよね! でもね、大丈夫! バトモンだちにもお祭りはとっても大切で、お祭りをめいっぱい楽しんだバトモンたちは洗脳に抗って、逆にオブリビオン退治をお手伝いしてくれるんだ!」
【絆】を大切に思うのは、決して人間から彼らへの一方通行ではない。バトモンたちに、その想いはしっかりと伝わっているのだ。
「つまり、まとめると……お祭りに参加してめいっぱい楽しんできて! ついでにオブリビオンぶっ飛ばして!って感じ?」
雑ですね。
「僕からご案内するお祭りは――ハロウィン・スイーツ・コンテストだよ!」
文字通り今年一番のハロウィン・スイーツを決めるコンテスト!
お祭り会場は街一番のスイーツ通りで、各お店のパティシエとそのパートナーのバトモンたちによるハロウィンをテーマにしたお菓子が売られているから、お菓子を楽しんで、ついでに投票をしちゃおう!って感じらしい。
「ハロウィン・スイーツって見た目可愛いよねぇ……」
味は勿論、見た目も可愛いハロウィン・スイーツたちがこれでもかとショウ・ウインドウに並んでいる。そんな光景があまりに可愛らしく、いつも賑わうスイーツ通りがいつも以上に大賑わい!
スイーツ・コンテストで優勝したお店の一年間の売り上げは最早、安泰を確約されるようなものだから、店頭での売り込みも多く、焼き立てクッキーや美味しい珈琲、猫バトモンの尻尾がちょろっと覗く愛らしいクレープなども楽しめるそうだ。
「正直、オブリビオンぶっ飛ばすのはオマケみたいなもんだよ。 ハッピー・ハロウィンにするために、みんな、スイーツいっぱい楽しんできて!よろしくね!」
他世界から来た猟兵たちが、自分たちが一生懸命考えて作ったハロウィン・スイーツを楽しんでくれる――パティシエたちもバトモンたちも、より感動するに違いない。
さあ、見て味わって楽しんで! アンハッピー・ハロウィン・フラグなぞへし折ってしまえ!
なるーん
おはこんちばんは、なるーんです。
ハロウィン・パレードを開催するために、オブリビオンをぶっ飛ばしましょう。
第一章:ハロウィン・スイーツを楽しむ
スイーツ通りで開催されるハロウィン・スイーツ・コンテストを楽しみましょう!
ぶっちゃけ投票とかは参加しなくてもいいです。ハロウィン・スイーツを楽しむのが大事!
猟兵たちがハロウィン・スイーツを楽しんでくれた!その事実がバトモンたちを楽しませます。
第二章:オブリビオンぶっ飛ばす
オブリビオンぶっ飛ばす
第二章はサポートも使ってさくさく進めます。
公開後よりプレイング受付、よろしくお願いします。
第1章 日常
『バトモンとハロウィン!』
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POW : 大きな声を出してイベントを盛り上げる
SPD : バトモンと一緒にパフォーマンスを披露する
WIZ : バトモンを連れた他の参加者と積極的に話す
イラスト:del
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フレーネジール・メーベルナッハ
おまつりおまつりハロウィンまつりー♪
ボクもいくいくー♪
ハロウィンだから仮装はしっかり。
黒いベストにジャケット、更にマントを羽織って頭にはカボチャ型の帽子。
ジャクオーってバトモンさんの仮装だよ!
街に出たら早速スイーツ色々食べるよ食べるよー♪
さくさくクッキーにふわふわケーキ、もちもちクレープにとろあまシュークリーム!
どれも美味しいし見た目も可愛いし、どんどん食べたくなるよねなるよねー♪
ってノリで片っ端から食べてくよー。
あ、そこのコおひとつどうかなっ?美味しいよ美味しいよー♪
(通りすがりの人やバトモンにお裾分けしちゃったりも)
あっちには何があるかなあるかなー♪
●スイーツ通りもすっかりハロウィン
煉瓦道がお洒落なスイーツ通りも、すっかりハロウィンに模様替え!
軒先に垂れ下がるオレンジ×紫のハロウィンカラーなガーランド、植木の根元にはカボチャのオーナメントがキラッキラに輝いて。
通りに流れるBGMもちょっと不気味で、だけど楽しいハロウィン風!
通りを通る人たちも、売り込みをする店員さんやバトモンたちも、思い思いに仮装してハロウィンを全力で楽しんでいる。
『今年こそは優勝したいね』
『あのお店のチョコケーキ美味しかったよ』
それぞれのパートナーたちに話しかける人間たち、それにこたえるバトモンたちの声だって、BMGに負けじをわくわく高揚に弾んでいた。
――そんな大盛り上がりのスイーツ通りに。
「おまつりおまつりハロウィンまつりー♪」
いえいいえ~い、とノリノリであらわれたのはフレーネジール・メーベルナッハ
(俠気の凶奇の嬌喜の狂姫・f33354)、レンちゃんだ!
黒いベストにジャケット、更にマントを羽織って。頭にちょこんとのったカボチャ型の帽子がとっても可愛い!
「ジャクオーってバトモンさんの仮装だよ!」
だ、そうです。まさにバトモン世界のハロウィンに相応しい仮装!とっても似合うね!
通りがかったジャクオーさんが自分の仮装だと気付くと、嬉しそうにくるくる踊ってたり、飛び跳ねてたり、恥ずかがりやさんな個体は南瓜色のお顔をちょっぴり赤くそめまして照れ照れしていた。
「さあさあ、早速スイーツ色々食べるよ食べるよー♪」
甘くて香ばしい香りが秋風にのって運ばれてくるのだから、さっきからもうレンちゃんの食欲が擽られてばかり。
ちょっと踏み込んだだけで店頭販売の焼き立てクッキーの香りが! ああ、美味しそう!
「クッキーくーださい!」
『はいよー。おや、お嬢さん、この辺じゃあ見ない顔だね? 遠くから来てくれたのかい?」
「そだよそだよー! ハロウィン・スイーツのコンテストがあるって聞いて!」
『そうかい、そうかい。嬉しいねぇ。で、それはまさか、ジャックオーのコスプレかい? そしたら是非、これ食べてみておくれ!』
うちの看板ジャックオーがモデルになってくれたのさ!って店員さんが誇らしげに、ジャックオーフェイスの南瓜クッキーを袋に詰めて渡してくれた。袋を閉じるシールもジャックオー。
「おじさん、ジャックオー好きなの? 好きなの?」
『勿論! こいつがいたから、店を開くって夢を叶えられたのさ』
店員さんの背後からジャックオーがひょっこり顔を出して、えへへ、と照れ笑い。
「ふふふー、両想いだ両想いだー♪」
『茶化すな、茶化すな。15時くらいに南瓜ケーキが焼き上がる、その頃にまたおいで』
「はーい♪」
遠くから来てくれたんだって、良かったな~。そんな店員さんの声掛けに嬉しくなっちゃったジャックオー、カボチャ空中切りのパフォーマンスをお披露目し出して、クッキー屋さんは大盛り上がりした。
「あっちには何があるかな、あるかなー♪」
濃厚バターと南瓜のお味がふわっとお口に広がる、美味しい美味しいさっくさくのクッキーを楽しみながら、レンちゃんがお次に発見したのは。
「わあ、大きいシュークリームだー! すごいすごーい♪」
『いらっしゃい! おひとつどう? ヤタバードモチーフよ、可愛いでしょう?』
黒くてふわふわなシュー生地に挟まれたたっぷり濃厚カスタードクリーム、そこにチョコレートで作られたまあるいおめめと翼がちょこんとのっている。ショーウインドウの中にはシュークリームのヤタバードが、こっち見てた。
可愛い。とても可愛いけれど、なんか、こう、いっぱい集まっていると、おめめの圧が、すごい。
「えーっと、こっち見んなってこういうのだっけ?だっけ?」
レンちゃんと、そして店員のお姉さんと、お姉さんの頭の上にいたヤタバード、みんな一緒にころころけらけら大爆笑したり。
たっぷり生クリームの隙間からゴートニャンがひょっこり覗いてくるような、そんなゴートニャンモチーフのクレープ屋さんでは、栗クレープの濃厚な甘さを楽しんだり。
「ちょっと休憩、休憩。喉渇いちゃった」
通りの小さな公園ではいっぱいのトケロウがお湯を沸かして、コーヒーを振る舞っていたので、ご馳走になったり。
「あ、そこのコおひとつどうかなっ? 美味しいよ美味しいよー♪」
お隣でベンチで休憩していたマキーコスプレの女の子とマキーに、ジャックオーの南瓜クッキーやヤタバードモチーフのシュークリーム――プチサイズ――をおすそ分けして、一緒に食べてお喋りしたり。
「ふふふ、楽しいねー楽しいねー♪」
『うん、このお祭り、毎年とっても楽しいんだよ。ね、マキー』
こくこく頷くマキー。マキーコスプレの女の子は、お菓子のバスケットから小さな箱を取り出すと。
『はい、お姉さん! ここのチョコケーキ、美味しんだよ!』
おひとつどうぞ!ってひとくちチョコケーキを分けてくれた。チョコレートで作られた墓地の上で、小さなマキーがいっぴきのっている。
「わーい、ありがとありがと! うん、美味しいね美味しいね~♪」
でしょでしょー! と3人で15時になるまでお喋りに花を咲かせて。
そうしてそうして、お約束のお時間! 出来上がったジャックオー南瓜ケーキを、レンちゃんと女の子とマキーで、おなかいっぱい楽しんだのだった!
「ちょっと大きすぎたね、ね」
――ケーキの大きさは、なんとLLサイズピザくらいだったので、ちょっとお腹は重いけどね!
大成功
🔵🔵🔵
ギュスターヴ・ベルトラン
ノクもキリエもハロウィンは初めてだし、連れまわしてやらないとな…
ハロウィン仮装はキリエに黒い天使の羽根つきケープ、ノクにボルトが貫通したようなカチューシャつけて、オレは黒いカソック!
…仮装じゃなくて仕事着だって顔で見るのやめような
この後マジ仕事あるからな、一応
ともあれ、お菓子を入れる籠は持ったか?…ヨシ!
街を歩けば本当に色々あるな
おばけクッキー、南瓜プリンと…へー、バトモンモチーフのマカロンとかあるんだ
ん、ドライフルーツたっぷりのパウンドケーキにくるみのキャラメルタルト…あー、そこはお前たちが欲しい奴ね
じゃあそれも買おうか
お菓子をそれぞれ籠に入れて貰えて嬉しそうだなぁ
やっぱり連れてきてよかった
クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
仲間にしたバトモン達と一緒にハロウィン・スイーツを楽しむよ♪
【大食い】技能でい~っぱい食べるね★
【存在感/愛嬌】で美味しそうに食べているところを周囲の人やバトモンに見てもらって、お祭りを楽しんでるって感じてもらうよ♪
投票?……あっ(後でしておこうと思っていたが、気づいたら投票時間を過ぎていた)
UCは『クローネちゃんの愛用品★』
【大食い】を100レベルにするよ♪
●スイーツ通りは大賑わい
「ノクもキリエもハロウィンは初めてだし、連れまわしてやらないとな……」
続きましてスイーツ通りを訪れたのは、ギュスターヴ・ベルトラン(我が信仰、依然揺るぎなく・f44004)。彼の傍らには、果たして一体どんな出会いを経たのか、ご縁を結んだ二匹のバトモンたち。
蒼穹の竜鱗はまさに星屑の如くと言えようか、凛々しく格好いいけれどちょっとやんちゃで元気いっぱい! ノクと呼ばれたリンドルムは、頭にボルトくっついたカチューチャを身に着けている。ふんすと鼻息荒くこれから挑むスイーツの数々に気合満々のご様子。
片や瞳の煌きが美しく、慈愛に満ちた気品あふれるカプレリエ。名前をキリエという、世話焼きで穏やかな女の子である。黒い天使の羽根つきケープを閃かせ、いつもの蝋燭のかわりに大きなバスケットを携えている。ふるふるっと震える尻尾がわくわくを隠しきれていなくてとても可愛らしい。
「うん、お前たちの仮装はばっちりだな。オレ? オレは黒いカソックだ!――や、仕事着だろって顔で見るのやめような」
ノクとキリエが、えぇー……? って顔で見上げてくる。 二匹の冷ややかな眼差しがぐっさぐさに突き刺さり、なんだか居たたまれない気持ちになったギュスターヴ。この後マジ仕事あるからな、一応! って言いながらスイーツ通りに踏み入れた。
ああ、途端にふわんと香ってくるお菓子の香りが堪らない! 甘いお砂糖の香り、焼き立て香ばしい小麦の香り、チョコレートのスパイシーな香りまで秋風に踊ってる。一人と二匹の目の色が、がらり、変った。
「お菓子を入れる籠は持ったか? ……ヨシ!」
すすめーっ!
――Trick or Treat! 挨拶交わせばお菓子が増える。歩くだけでもまた増える。
だって、本当にいろんなものがあるんだもの! 目移りする目が足りないくらいだ。
可愛いお化けのアイシングクッキー、猫の尻尾型チョコがポイントの南瓜プリンに、そしてトッツォエル風のマシュマロマカロンまで!
「……トッツォエルって、マリトッツォじゃなかったっけ?」
あえて外していくスタイルなのかもしれない。
「お、この店はまた美味そうだな――あー、そこはお前たちが欲しい奴ね。じゃあ、それも買おうか」
ドライフルーツが宝石みたいにきらきら輝くパウンドケーキ、そしてまるで十字架模様の焼き目が美しい|くるみのキャラメルタルト《エンガディナー》!
これにはノクとキリエがギュスターヴのカソックをくいくい引いて、ほしいほしい! とアッピール。買って籠に入れてやれば、にこにこと笑顔の花が咲く。
「籠の中も目一杯だし、やっぱり連れてきてよかったな」
財布の厚さが目減りしようと、嬉しそうに笑うパートナーの笑顔にゃかえられない。大きなお口と小さなお口とそれぞれで一生懸命タルトを頬張る姿は、何物にもかえがたし、だ。
『ふふ、よかったわね』
店員さんに声かけられるとノクとキリエは力強く頷いて。そして、ありがとう! って伝えるようにギュスターヴにぎゅーっとくっつくのであった。
――さて、そんなタルト屋さんの奥が何やら騒がしい。
わーきゃー様々な声援の飛び交いに、ギュスターヴとノクとキリエ、一人と二匹は顔を見合わせる。
「なんかイベントでも?」
ギュスターヴが訊ねれば、店員さんはそうそう! と手を叩いた。
『今ね、スイーツ大食い大会になっているのよ。折角だから見ていかない? とっても綺麗なお姉さんの気持ちいいくらいの食べっぷりがね、すごいの~』
あんなにも美味しそうに、あれだけ食べてくれるなら作った側は嬉しいわ! と言うものだから、案内されるままにお店の奥のイートインコーナーへ。
そこに居たのはクローネ・マックローネ(| 闇《ダークネス》と| 神《デウスエクス》を従える者・f05148)、そして彼女のパートナーのバトモンたちだった。彼女たちが一列に座るその前には、彼女たちの姿がすっかり埋もれてしまうくらいのスイーツの山!山!! 山!!!
「お、おぉ……」
ぎょっと目を丸くする一人と二匹が見守る中で、色とりどりのマカロンタワーが、焼き立てスコーンのエレベストがみるみる小さくなっていく。
フォンデュ用のチョコレートマウンテンにマシュマロマンは太刀打ちできず、あっという間に小人サイズに。ハロウィン風のお菓子の家は、しっかりと映える角度で写真と撮られてから解体工事屋さんも仰天するはやさと驚愕する巧みさで真っ新な更地と化していく。
吸引力のかわらないクローネ嬢とその仲間たち。だけれども、彼女たちは只、機械的に食べている訳ではない。
「ん~、美味しい~♪ これも美味しい~♪ クリームの甘さが丁度いいねっ♪」
もぐもぐ、ぱくぱく、お菓子の一つ一つにひとくちひとくちに頬を綻ばせながら、それはそれは美味しそうに食べているのだ。
「わ~、これ可愛い☆ チョゴンが輪になって踊ってるみたいだよ♪」
三段チョコケーキの天辺では、チョゴンの形のチョコレートがハロウィンパーティーを楽しんでいて。クローネはしっかりそれも写真に収める。クローネは彼女のチョゴンにケーキを切り分けてあげて、きゃっきゃと喜び飛び跳ねるチョゴンを見てふふっと愛おしそうに微笑む。
――そう、彼女たちは全力で楽しみながら! 全力でお菓子を味わい尽くし、食べ尽くしているのだっ!!
美味しそうに食べている姿って、見るだけでお腹が減るもんだし、同じものを食べたくなるもんだよね。ごくり、とノクが喉を鳴らしたのをギュスターヴは聞き逃さなかった。
「ま、待て、ノク、落ち着け。お前にはあの量は無理だって、ノク。ノクーーーっ!!」
ああ、駆け出したノクくんは止まらない! ぼくもーっ! ってテンションで飛び込んできたノクくんに、大食い大会を見守るお客様たちやクローネたちは歓迎ムード!
「うん、一緒に食べよ♪」
って迎えられたらもう、あとは、勢いの儘、大食い大会は進むばかり。
まあ、お腹いっぱい食べられるのも豊穣があってこそ! 豊穣を祝う秋末のお祭りを楽しむって目的には外れちゃいないので、いいんじゃないかな!
――そんな大盛り上がりの大食い大会は、投票時間を過ぎても尚、白熱していく一方だった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
榛名・真秀
創良先輩(f43923)と
スイーツコンテストと聞いて!
わあ、創良先輩見てくださいよ
可愛くて美味しそうなスイーツがいっぱい!
もうこれは片っ端から食べるしかないですね!
わたしの仮装はネムネズミ風にねずみカチューシャつけたゆめかわコーデです!
先輩は?
なるほどです!
それにしてもほんといろいろなバトモンがいますね
みんな働いてて偉いなあ
プチリン可愛い♪
はい、もう猟兵生活満喫してますから!!
食べてばっかりって言わないでくださいね
役に立ってます!たぶん!
では、お待ちかねのスイーツ食べ比べ…
どれも見た目も可愛いし、味も最高!!
うーん、どれも美味しいから全部投票してもいいのかな?
一つを選ぶのならよーく考えて選ぶね
橘・創良
真秀さん(f43950)と
異世界のハロウィン、興味深いよね
真秀さんほどはたくさん食べられないけど
楽しませてもらおうかな
僕の仮装はダストルーをイメージしたシルクハットにマントの怪盗風だよ
それにしても本当にたくさんのバトモンが人と一緒に共生しているんだね
バトモンたちを守るためにもお祭りを楽しもうか
猟兵になって真秀さんは各世界のスイーツを食べれるようになって幸せそうだね
僕も物語以上に刺激のある毎日は楽しいよ
ああ、このクッキーは可愛くて美味しいね
お土産に持って帰ろうかな
真秀さんのお気に入りはあった?
確かにどれも美味しいね
見た目や味、アイデアどれで評価するかで変わってくるかな…
ふふ、僕も選べそうにないや
●スイーツの食べ比べ、ハマるよね!
「スイーツコンテストと聞いて!」
スイーツあるところに榛名あり! ばばんと登場、榛名・真秀(スイーツ好き魔法使い・f43950)!
ネムネズミ風にねずみカチューシャつけたゆめかわコーディネートが超・可愛い!
ふわふわきらきらわた飴みたいなカチューシャからまる~いお耳がぴょっこりしていて、いいね!
「異世界のハロウィン、興味深いよね」
称号にしっかりスイーツ好きと明記されているくらいスイーツ大好きな真秀ちゃん。
テンションあっげあげの彼女の傍らには橘・創良(静謐の泉・f43923)が穏やかに微笑んで居る。
ダストルーイメージのシルクハットにマントの怪盗風がばっちり決まっている!
さて、仮装もばっちりの二人は早速、スイーツ通りへ。
スキップ・ステップ・ぴょんぴょんと足取り軽く踊るように跳ねるように、ご機嫌にスイーツ通りを歩く真秀ちゃん。
ショーウインドウにはマルリンのハートマークがあしらわれたマシュマロマカロンが並んでいたり。
キセコーンを象った大きなキャンディは輝き具合まで本物のよう!
「わあ、創良先輩見てくださいよ! 可愛くて美味しそうなスイーツがいっぱい!もうこれは片っ端から食べるしかないですね!」
「そうだね。真秀さんほどはたくさん食べられないけど、楽しませてもらおうかな」
心が弾めば声音も弾む。真秀の満面の笑顔と楽しそうな声音に創良も頷いた。
食べ歩きに適したクッキーの袋をそれぞれひとつずつ抱えて、スイーツ通りをてくてくと歩く二人。
カブトマルの形をしたクッキーは、濃厚なバターの味がする。
「ああ、このクッキーは可愛くて美味しいね。また後でお土産用に買って帰ろうかな」
「バターの味が濃厚ですよね、さっくさくですし! それにしても、ほんといろいろなバトモンがいますね。みんな働いてて偉いなあ、プチリン可愛い♪」
「本当に。たくさんのバトモンが人と一緒に共生しているんだね」
わざわざ探すことをしなくても、たくさんのバトモンたちの姿が目に入る。人と同じくらい当然のようにバトモンたちが居るのだ。
店頭のイートインコーナーでプチリン風のプリンをお客様に運ぶプチリン。
ゴミミックがすすーっと駆け寄ってゴミを回収し、メェメイドがテーブルを綺麗に片付けていく。
働くバトモン以外にも、スイーツ通りにはいっぱいの人とバトモンたちが居て、みんな思い思いにスイーツを楽しんでいた。
「バトモンたちを守るためにもお祭りを楽しもうか」
「はい、先輩!」
暫くスイーツ通りで食べ歩きを楽しんだ後、ネムネズミのようなゆめかわな店装に誘われて喫茶店に入る二人。
丁度、ひとくちサイズのスイーツ・ビュッフェを開催しているとのことで、休憩も兼ねてイート・イン!
なんといくつかの店舗とコラボしての開催、ということで!!
「ス、スイーツ食べ放題でスイーツ食べ比べができる!?」
はい、そういうことです!
真秀は早速、大きなお皿にスイーツをあれこれと持ってきた。
お皿の上にはお菓子のバトモンたちがたくさん!見ているだけでも楽しくなっちゃうスイーツたちに、真秀の頬は緩むばっかり。
創良はさりげなく飲物を二人分用意して、フォローばっちりだ。
「では、早速、いただきます!お待ちかねのスイーツ食べ比べ……ん~、どれも見た目も可愛いし、味も最高!!」
「猟兵になって真秀さんは各世界のスイーツを食べれるようになって幸せそうだね」
「はい、もう猟兵生活満喫してますから!!あ、でも、食べてばっかりって言わないでくださいね? 役に立ってます!たぶん!」
「多分じゃなくてきっとそうだから大丈夫だよ。僕も物語以上に刺激のある毎日は楽しいよ」
創良も少量のスイーツを楽しみながら、真秀の食べっぷりを楽しむ。きっとこんなにも美味しそうに食べる様子だって、物語の中だけでは体感以上を味わえまい。
真秀だけじゃあない。スイーツビュッフェを楽しむ人とバトモンたち、店舗代表と名札をくっつけたバトモンたちが自分のお店のお菓子を売り込んだり、食べて貰えて喜ぶ様子だって。
この賑わいは、物語以上だ。
「先輩、投票どうしよう?」
「ああ、そうだった。真秀さんのお気に入りはあった?」
「うーん、どれも美味しいから全部投票したいくらいです」
「確かにどれも美味しいよね。見た目や味、アイデアどれで評価するかで変わってくるかな……」
「ですよね。でも、アンケート用紙、名前だけしかかけなくて」
選べない! って頭を抱える真秀。創良はそうだ、とぽんっと手を打った。
「僕も選べそうにないからね。もう一通り食べてくるのはどうだい? 」
「は、そうします!」
真秀は良案に目を見開いて、再びスイーツビュッフェに向かっていくのであった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ザイーシャ・ヤコヴレフ
【ゲーマーズ】
ふふ…今年の仮装は|殺人鬼《ウビーイツア》…ザイチカとお揃いの怖い怖いウサギさんの殺人鬼よ
|血糊《お化粧》もばっちりだし、あとは先に来てると思い込んでるウィルに見つけて貰うだけ…なぁに、ザイチカ?
ウィルが見つけられなかったらどうするのって…勿論、後ろからコレに決まってるわ♪(ナイフをキラーン)
あーあ、|меня заметили《見つかっちゃった》
もう被ってる必要はないし、ザイチカが持っててね?
そうね…この如何にもハロウィンらしくてグロかわいいストロベリー味の心臓グミかな
あ、この実物大の脳マシュマロもかわいい♪
試験管に入ったブラッドオレンジソースをたっぷりかけて…はい、あーん♪
ウィル・グラマン
【ゲーマーズ】
ひゃっほー、今年もハロウィンがやってきたぜ!
オレの仮装は…じゃーん、黒い猫耳フード付きのドラキュラだ!
ザイーシャも来てるはずだけど何処に…って、何かウサギっぽい被り物を被ってるのがちらちら見てるけど…多分アレだなきっと
おーい、ザイーシャー
そんなとこに隠れてないでお菓子を食いに行こうぜー
うお、スッゲー!
見ろよ、バトモンの形をしたハロウィンのお菓子があるぜ!
なんか食べるのがもったいねーけど…いっただきまーす♪
バトモンのお菓子以外にも色々あっけど、どれに投票するか迷うな…ザイーシャは何が気に入った?
お、おう…ザイーシャらしいじゃねぇか
(拒否ったらヤベー事になりそうなので恐る恐る実食
●ハロウィンといえば――
「ふふ……」
な、な、な、なんかおるーーーーっ!!
思い思いの仮装で賑わうスイーツ通りに、なんか、おる。
怖い仮装だってそりゃあいるけれど、纏う雰囲気が段違いのなんかが、おる!!
大きな兎の被り物、千切れた片耳からさらさらの髪がお耳のかわりにぴょんと出ていて。
|血糊《お化粧》ばっちりの風貌、そして迫力は|さながら静かなる丘のマーダーラビット《本場にも負けないホラー具合》、そのお隣にも似たような雰囲気の|うさぎさんのぬいぐるみ《ザイチカ》。
「今年の仮装は|殺人鬼《ウビーイツア》……ザイチカとお揃いの怖い怖いウサギさんの殺人鬼よ」
うさぎさんの正体はザイーシャ・ヤコヴレフ(|Кролик-убийца《殺人バニーのアリス》・f21663)。
――なるほど、お揃い。いや、お揃いなのはわかるのだけれども。そしてやっぱりマーダーラビットさんだった。
「あとは先に来てると思い込んでるウィルに見つけて貰うだけ……なぁに、ザイチカ? ウィルが見つけられなかったらどうするのって……勿論、後ろからコレに決まってるわ♪」
ナイフがキラーンと輝いた。
ふふ、ふふふ、危険な妄想に零れる妖しい微笑。ゆらり、ゆらり、わざと身体を大袈裟に揺らす不安定な歩き方。
うわぁ、ホラー……。
ザイチカも真似したり、そして通りがかりのホラー系バトモンたちがその演出を手伝ったりしてみるのだから、余計だった。
一方、その頃。
黒猫耳のフードを被ったドラキュラ少年――ウィル・グラマン(電脳モンスターテイマー・f30811)が、ゆめかわ店装の喫茶店の物陰からそれを見ていた。
ザイーシャも来てるはずだけど何処に……ってきょろきょろ探していたら、見つけちゃったよ、うさぎさん。
「な、な、何かウサギっぽい被り物を被ってるのがちらちら見てるけど……多分アレだな、きっと」
いつもだったらザイーシャ! ってすぐ声をかけるのだけれど、ホラー系バトモンたちが作り上げる演出があんまりにもホラーで、ちょっと躊躇っているウィルくんである。
トケロウが下から灯照らすから逆光不気味に兎顔が浮かびあがり、シェイドールがザイーシャの影を大きく大きく大きく見せる。メイリッジがザイーシャの笑い声に声を重ねて多重声音、シャレコーベンが不気味なBGMを添える。
――ああ、なんか此処だけ全く別方面で人とバトモンたちの絆が魅せられている。
だけど、知っている。わかっている。このまま声をかけない方が危ない。ウィルくん、意を決して。
「おーい、ザイーシャー! そんなとこに隠れてないでお菓子を食いに行こうぜー!」
多分、ザイーシャちゃんは隠れているつもりだった。ホラー系バトモンたちがノリノリにのっちゃったので、隠れられてはいないけど。
「あーあ、|меня заметили《見つかっちゃった》。もう被ってる必要はないし、これ、ザイチカが持っててね?」
被り物をとったらいつもの可愛いザイーシャちゃんである。
ザイチカに被り物を放りつつ、終わり? 終わり? と彼女を見上げてくるバトモンたちに、|Спасибо, что поиграли со мной!《遊んでくれてありがと!》、と軽くご挨拶をして。
そうして、ザイーシャとウィルは|Съешь меня!《Eat me!》 とショーウインドウに立ち並ぶお菓子たちをハントしに行くのだった。
「うお、スッゲー! 見ろよ、バトモンの形をしたハロウィンのお菓子があるぜ!」
ショーウインドウに並ぶのはバトモンの形したハロウィン・スイーツたち!
モチョモンの顔が描かれた|大判焼きとか今川焼きとか回転焼きとかベイクドモチョチョとか《名前の呼び方で戦争が起こるあのあのお菓子》とか、 バケラーのメレンゲドールのった一口サイズのショートケーキ、ダストルーのシルクハットをモチーフにしたダークチョコレートのケーキ、そしてバラテラスのメレンゲドールがハロウィンカラーのドレスを纏う豪華なマリアージュケーキまで!
「なんか食べるのがもったいねーけど……いっただきまーす♪」
ウィルとザイーシャはダストルーのダークチョコレートケーキを食べたり。 バトモンモチーフ以外のお菓子も勿論、見て回ったりして。
「はい、ウィル。あーん」
「ん」
お化けのピックが可愛いスイートポテトとさくさく芋けんぴのアイスサンデーなどを楽しんでみたりして。
「バトモンのお菓子以外にも色々あっけど、どれに投票するか迷うな……ザイーシャは何が気に入った?」
たっぷりスイーツ通りを楽しんだ二人は、蜘蛛の巣や死神風にコーディネートしたガイコツ標本を飾る、本格的で不気味な店装の喫茶店で小休止。飲み物メニューを見ながらウィルが話しかける。
「そうね……この如何にもハロウィンらしくてグロかわいいストロベリー味の心臓グミかな。あ、この実物大の脳マシュマロもかわいい♪」
スイーツメニューを見ていたザイーシャの表情がうっとり恍惚に笑む。え、実物大? 驚いたウィルがメニューを覗き込む前に、ふふって笑ってザイーシャがメニューをClose! さらっとOrder! 悪戯に微笑むAliceはなんともSweet!
「どうせなら、食べてみましょう?」
そして間もなくテーブルに運ばれてきた脳みそマシュマロに、試験管に入ったブラッドオレンジソースをたーーーっぷりかけるザイーシャちゃん。血まみれ脳みそにナイフとフォークを入れまして、一口大に切り分けましたら。お約束。
「はい、ウィル。あーん♪」
「お、おう……ザイーシャらしいじゃねぇか」
本日何度目かの甘~いやり取り。拒否ったらヤベー事になるのはやっぱりわかっているウィル君は、おそるおそるとそれを口に運ぶのであった――。
「あ、美味い!」
「ふふ、よかった」
尚、見た目があれでサイズがちょっとでっかいけれど! お味はとっても美味しかったそうです!
大成功
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第2章 ボス戦
『英雄看護師「リカバリーO」』
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POW : ダメージの方は期待しないでね
【自身が視線】で射抜いた対象を【自身のバトモンが着弾点周辺を回復する技能】で攻撃し、着弾点からレベルm半径内の仲間を【技能の効果】で回復する。
SPD : ちょっとの間強くしてあげるわ
【自身のバトモンの技能】が命中した対象を治療し、肉体改造によって一時的に戦闘力を増強する。
WIZ : さあ、皆立ち上がって!
【回復能力を持ったバトモンの技能】によって【回復効果】を発生させ、自身からレベルm半径内の味方全員の負傷を回復し、再行動させる。
イラスト:シャルフィー
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ブルーノ・ビアンペサント」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●それは公園にいた――
スイーツ通りの途中にある小さな小さな公園に、それは居た。
『食べ過ぎちゃってお腹苦しい子はいないかしら? お注射で楽にしてあげるわ』
集会テントの下、黒いナース服のおねえさんが注射片手に通りを行き交う人々とバトモンたちに声をかけている。
(うふふ、まさに場所に相応しい救護よねぇ。これで怪しまれずにバトモンたちを兵器にできるわ)
微笑みの裏に隠された企みは、あまりにこのお祭りの場に相応しすぎる振る舞いが故に、怪しまれることもなく、勿論、気付かれることすらもなく。
『さっき食べ過ぎて苦しいって言ってたね。ちょっと診て貰う?』
小さなお腹をぱんぱんにして、きゅいきゅい、みぃみぃ、鳴くバトモンたちと彼らを心配する人の行列が、瞬く間にテント前に構築される。
『ちょっとちくっとするわよ。はい、テントで暫く休んでいてね。次の方~』
注射を受けたバトモンたちは集会テントの下のパイプ椅子に座って、小休止。時間が経てば経つほど、お腹の苦しさが段々と楽になってきたと喜んだ。効果はばっちりだからこそ、更に患者は増えていく。
ああ、この女はまこと始末が悪いこと! 注射の中身の|半分《・・》はしっかり消化促進のお薬なのだ。食べすぎを楽にしてあげるという声掛けに嘘偽りが全くない。
女はただ言っていないだけ。バトモンたちの意思を段々と奪っていく危ないお薬が|半分《・・》含まれている、と言っていないだけで、責務は果たしているのだ。
『あ、あれ。どうしたの? 大丈夫?』
やがてたっぷり時間が経ってからバトモンたちに変化が現れる。
頭を抱え、ぶんぶんと首を振り、光ないうつろな目が人間たちを見る。表情は何かに抗うように苦渋、とにかくその場から離れようと転んでしまいながらももがくバトモンたちまでいた。
女は微笑む。
『うふふ、人とバトモンたちに絆なんて不要よ。彼らは兵器なんだから、私が正しい使い方をしてあげるわぁ~』
――しかし、女は人とバトモンたちを甘く見過ぎていた。
苦しむバトモンたちに迷わず駆け寄る人間たち。ぎゅっと抱きしめて、彼らと手をつなぎ、彼らの名前を呼んで。
そして。
『何をした! この子たちはもう兵器じゃない! 友達だ!』
『そうだ、そうだ! 頑張れ、頑張れ! 今日は、友達だって確認するための、お祭りだよ!』
はっと目を見開くバトモンたち。目に光が戻る。
――そうだ、そうだった。今日は【友達】だって確認するための、お祭りだった。一生懸命考えたお菓子を、みんなが可愛いって言ってくれた。今年は街の外からお客さんも来てくれて、彼らも美味しいって言ってくれた! この街のお祭りを、自分たちを連れていない人間たちまでもが、楽しんでくてれた!
『あ、あら?』
――バトモンたちの眼差しが怒りに満ちて。女を、見る。
『あ、あらあらあら~? う、嘘でしょう?』
女は、人とバトモンたちを甘く見過ぎていた。そりゃあ全員が全員、兵器化できるとは思っていなかったが。
兵器化に成功したバトモン一匹くらい現地調達できるだろうと、マジで甘く見過ぎていた。
『わ、私、私! 手持ちのバトモン持っていないわっ!!』
つまり女は無抵抗! 女が使えるスキルは治療に関することだけ。ざ★フルボッコタイムである。
さあ、お祭りを台無しにされた怒りに満ちたバトモンたちと、悪いオブリビオンにお仕置きしてしまおう!
食後の運動には、きっと、いい具合に違いない!
ギュスターヴ・ベルトラン
バトモンは戦争のための道具じゃねえだろ
始まりがそうであったとしても、戦争から百年を経た今としては赦しと共生の証だ
そこんところが分からねえオブリビオンには、歪みの果てに生まれた【奇蹟】の姿を見せて……ノク、お腹いっぱいなのはわかったから、ちょっと位はカッコつけさせてくれ
ともあれだ
【祈り】を捧げてUC発動、ノクをメガシnじゃなくて、リンドルム・アステル形態に
メテオラだと殲滅力特化すぎて他の人たち巻き込みかねないからな!
…ま、さっき食べ過ぎてたから運動させるのも兼ねるが
キリエはオレのキャンドル使って【結界術】で結界はって…ノクは【バハムートの風】を起こせ
ヨシ!いいぞ、そのまま躯の海まで吹っ飛ばせー!
クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【WIZ判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
戦力となるバトモンを確保できていれば、そのバトモンを回復して戦わせ続ける事ができたんだろうけど…
残念だったね★
一方的にボコボコにさせてもらうよ!
チョゴン!キミに決めた!
チョゴンと一緒にリカバリーOと戦うよ♪
UCは『チョゴンのチョコとばし★』
飛ばしたチョコを【硬化】させて付着した部位を動けなくするよ♪
●悪者退治ーTurn01
ギュスターヴは並んでいた。もうしっかり食べすぎてお腹ぽんぽこにしたノクを連れて。
ぽんぽこなお腹をさすさすしながら、てっくてくのっそのそ歩くノク可愛いなとかちょっと思ったりもしながら。
そしてクローネもまた並んでいた。自分につられてうっかり食べすぎちゃったパートナーたちを連れて。
――つまり、悪い看護師さん改め英雄看護師リカバリーOの暴挙を目の前で目撃したのである!
リカバリーO、どこまでも見通しが甘い女であった。または、どこまでも不運というべきだろうか。
とにかく。
「バトモンは戦争のための道具じゃねえだろ」
怒れるバトモンたちを庇うようにリカバリーOの前に立ちふさがるギュスターヴ。
「始まりがそうであったとしても、戦争から百年を経た今としては赦しと共生の証だ」
過去は変えられない。始まりは確かに戦争のための兵器だったのは事実だ。
だけど、それから百年、彼らと人は確かに絆を育み、共に生きるパートナーとして支え合って生きてきた。それもまた、変えられない事実であり――きっとずっとこれから先も続く尊い絆なのだ!
ギュスターヴだって、ノクとキリエというかけがえのないパートナが居る。彼らを物だと軽んじられ――
「そこんところが分からねえオブリビオンには、歪みの果てに生まれた【奇蹟】の姿を見せて……」
た怒りがあったし、格好良くキメたいと思っていたんだ、ギュスターヴは。
「ぴゃっくっ!!!!!」
ノクくん、神タイミングでとってもとっても大きなしゃっくりをした!!
ノクくんはびっくりしているのか、お目目をまんまるくしてギュスターヴを見上げていた。
キリエちゃんもびっくりしたお顔で、毛をぶわわって逆立ててギュスターヴを見上げていた。
二匹とも、いま、すごいおおきなしゃっくりでた! みたいなお顔です。可愛いね。
「……(ぱしゃり)」
『……っふ』
「可愛いね★」
「おい、笑うな。そこ、可愛がるな。ノク、お腹いっぱいなのはわかったから、ちょっと位はカッコつけさせてくれ」
緊張感ブレイクに思わずリカバリーOも笑み。
こっそり先駆けるバトモンを選んでいたクローネも、思わずと呟いて。
ギュスターヴは咳払いしつつ、反射で取り出したスマホをポケットにぶち込む。
ノクくんはこくこく頷いて、お口をお手手でふさいた。キリエちゃんもそれをお手伝い。
「と・も・あ・れ・だ!!」
「悪~いお姉さんは一方的にボコボコにさせてもらうよ! チョゴン、キミに決めた!」
ギュスターヴの威勢を引継ぎ、空気を切り換えたのはクローネ&チョゴン!
クローネの影から飛び出したチョゴンは、リカバリーOに溶けたチョコレートを飛ばした!
『きゃあっ!! あ、足が、動かないっ!』
熱々のチョコレートは冷たい外気に晒されて、みるみる固まって、逃げようとしていたリカバリーOの身動きを封じる。
「ふふん♪ 戦力となるバトモンを確保できていれば、そのバトモンを回復して戦わせ続ける事ができたんだろうけど……残念だったね★」
『っく』
そう、クローネの言う通りリカバリーOの本領は、戦力がいてこそのもの。戦力となるバトモンが居なければ、何もできないのだ!!
「とは言え手加減するつもりはねえがな。ノクをメガシnじゃなくて、リンドルム・アステル形態!」
危ない危ない。
クローネ&チョゴンの先制の間、ギュスターヴの祈りを受けたノクはリンドルム・アステル形態へと変貌する。
風を切り裂く飛翔の化身、空翔ける王者の風格!リンドルム・アステル形態は翼のはためきひとつで、バハムートの風なる旋風を巻き起こす!
しかし全てを薙がんとする旋風は、キリエによる灯あたたかな結界により遮られ、バトモンたちには秋のそよ風。ふわりふわり、とその身を撫でる程度だ。
「ヨシ!いいぞ、そのまま躯の海まで吹っ飛ばせー!」
「さあ、チョゴン! 一緒に行っくよー★」
リンドルム・アステル形態の風にのり、クローネ&チョゴンが疾風の如く駆け迫り――バトモンたちと心を通わせた猟兵たちの猛攻が、リカバリーOに襲い掛かる!
大成功
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フレーネジール・メーベルナッハ
そんなコトしてもバトモンさん達は思い通りにならないよー、残念でした残念でしたー♪
それじゃーお腹ごなしに、悪いお姉さんをフルボッコだー♪
バトモンのみんなも一緒に、やっちゃおうやっちゃおうー♪
人数多い方が楽しいよねー♪ってコトで、鏡鬼で分身も追加して、右から左から凶星剣でざくざくいくよー。
もちろんバトモンさん達にも思いっきりやってもらうつもり。それはもう気が済むまでね!
え、ボクが何で参加してるかって?
お仕事なのとー、食後の運動とー、あと楽しいから!
ざくざく殺るのって楽しいよね楽しいよねー?
どーせすぐには死なないだろーし、どんどん殺るよ殺っちゃうよー♪
立川・登玲奈
●SPD
うーん…まさか救護所の親切そうなおねーさんがオブリビオンだったなんて
でも凄いよね
普通だったら注射されると怖がるのに、あのおねーさんは怖がらせずちゃんと打つんだもん
オブリビオンにならなかったら良いお医者さんだったんだろうけど…昔の事にもしもは禁物だよね
いくよ、デンレッサ!
友情シンクロ、バトモン・フュージョン!!
バトモンを連れていないみたいだけど…本来はバトモンに打つ駐車で自分にドーピングしてるのか逃げ足は速いみたいね
なら、先手必勝の『電光石火』!
どんなに肉体改造したって…すぐに追い付いちゃうもんね!
あなたの敗因はひとつだけ、バトモンの兵器としか見てない事
ビリっと痺れる一撃、いっくよー!
●悪者退治ーTurn02
ずたずたに傷ついた身体を引きずり、公園よりなんとか逃げ出したリカバリーO。
バトモン用の注射を自らにうつことで無茶な肉体改造を施して、逃げ出したのだ。
――いずれ反動がくるかもしれないが、とにかくこの場を逃げ出してしまえばいい!
されど、みすみす猟兵たちが、そしてバトモンたちが見逃すはずもなく。
空からはバイタンやラードンなど飛行できるバトモンたちが追跡し、追い立てる。
そして地上では――
「こんなコトしてもバトモンさん達は思い通りにならないよー、残念でした残念でしたー♪」
ぴょっこり身軽なレンちゃんが先回り!
狭い路地へと逃げ込んだのが仇となったのか、どこまでも不運な女である。
『っ、抵抗もできない人をここまでボコボコにする? もう、どっちが悪者かしら』
「えー、ボク、正義の味方じゃないよないよー?」
「それに、おねーさんだって十分、卑怯なことしてたよ?」
踵を返そうとしたリカバリーOの退路を塞いだのは、立川・登玲奈(閃光迅雷デンセッカーズ・f45443)。
「逃げ足だけは速いみたいだけど、それなら先手必勝の『電光石火』! どんなに肉体改造したってすぐに追い付いちゃうもんね! いくよ、デンレッサ!」
友情シンクロ、バトモン・フュージョン!! デンレッサと融合合体した登玲奈がまさに光の速さでリカバリーOに迫る!
『っく、ああもう、うっとうしいわねっ!!』
洗脳の薬剤が入った注射器を投擲するも、デンレッサと心を通わせた登玲奈に当たる筈もなく。
「あなたの敗因はひとつだけ、バトモンの兵器としか見てない事! ビリっと痺れる一撃、いっくよー!」
『きゃぁあああっ!』
ばりばり雷纏った登玲奈の蹴りがリカバリーOを貫いた!
吹っ飛ばされたリカバリーOが、それでもしぶとく痺れる身体を引きずって逃げようとするも、レンちゃんがえへへっと微笑んだ。
「まだまだ行くよ行くよー♪ それじゃーお腹ごなしに、悪いお姉さんをフルボッコだー♪ バトモンのみんなも一緒に、やっちゃおうやっちゃおうー♪」
レンちゃんがぱっちん指を鳴らすと、空より飛行バトモンたちの強襲!
彼らの爪が、嘴が、翼がリカバリーOを切り裂き、啄み、動きを阻む!
その隙にレンちゃんが増える増えるよ、| 鏡鬼《ドッペルゲンガー》! たくさんのレンちゃんが凶星剣でざっくざくにリカバリーOを千切りだーーー!!
「人数多い方が楽しいよねー♪ ざくざく殺るのって楽しいよね楽しいよねー♪」
『やめ、やめてっ!! バトモンもいない貴方がなんでっ!!』
「えーー? お仕事なのとー、食後の運動とー、あと楽しいから!」
大きな大きなカボチャのケーキ―をお腹いっぱい食べたんだー♪ ってまるでお友達とお話するようなフランクさで、切り刻みながら笑うレンちゃん。鈍く煌く銀色の瞳には、理性や正気の欠片もない。
「これでお仕舞お仕舞ーーっ♪」
どーせすぐには死なないだろーし、なんて勢いで切り刻んでいたけれどいよいよ小言も悲鳴も僅かな囀りさえ聞こえなくなっちゃえば、いくつものレンちゃんが一斉にリカバリーOに向かう。
ずどん、と分かたれた身体から毀れるのは、真っ赤な真っ赤なキドニーパイ!
「あー、楽しかった楽しかったー♪」
って背伸びするレンちゃんの傍らで。
「こ、怖がらせないでお注射できるんだから、オブリビオンにならなかったら良いお医者さんだったんだろうなー……」
ぴえって尻尾を逆立てた登玲奈ちゃんが、お目目をお手手で隠していたのであった。
何はともあれ、これにて邪魔者は片された!
秋末のお祭りはまだまだ続く、さくっとぱぱっと仕切り直して――
|Have some pomegranate pie!《美味しい美味しい柘榴のパイでも召し上がれ!》
大成功
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