サーマ・ヴェーダは古生の思馳か
メルヴィナ・エルネイジェ
メルヴィナとルウェインがお祭りに行くノベルをお願いします。
アレンジその他諸々歓迎です。
●二度目の実家帰り後のメルヴィナ
婚約者の元から実家に帰ってきた(正確には連れ戻された)メルヴィナは、連日のように証人喚問を受けていました。
今日も詰問攻めに合って部屋に戻ってきました。
「毎回同じことばかり聞かれて、もううんざりなのだわ……」
メルヴィナはベッドに腰を掛けるルウェインの膝に顔を埋めました。
「本日もご立派に政務を果たされましたね」
ルウェインはメルヴィナの肩に手を置きました。
「ルウェインは平気なのだわ?」
「殿下の御心労に比べれば、なんのこれしき」
ルウェインもメルヴィナを攫った張本人として、連日のように召喚を受けています。
●気分転換
しかしルウェインは思いました。
このままではメルヴィナの心労は溜まる一方です。
何か気分転換してもらう方法はないかと考えていた時、祭りが近い事を思い出しました。
「メルヴィナ殿下、週末に巷で祭りが催されるそうです。もしよろしければ、ご一緒にお伺いしてみませんか?」
メルヴィナは少し悩みました。
去年までの自分は、祭りなどの賑やかな行事はあまり好きではなかったからです。
でも今はルウェインと一緒なら行ってもいいかなと思えるようになりました。
「行きたいのだわ?」
「はい!」
ルウェインは即答しました。
「そんなに行きたいなら仕方ないのだわ。一緒に行ってあげるのだわ」
「ありがたき幸せ!」
こうしてメルヴィナとルウェインは祭りへ行く約束をしました。
●夏の終わりに
祭り当日。
ルウェインは思わず息を飲みました。
そこには浴衣姿のメルヴィナがいたからです。
「……似合ってないのだわ?」
固まっているルウェインに、メルヴィナは恐る恐る尋ねました。
「とてもお似合いです! 雅で美しく、なんと涼しげなことか! 髪型もお変えになられて……普段とはまた一風違った雰囲気がなんとも!」
あまりにもルウェインが褒めちぎるのでメルヴィナは恥ずかしくなってしまいました。
「恥ずかしいからあんまり見ないでほしいのだわ……」
「はっ! 見ません!」
「やっぱりちゃんと見てほしいのだわ」
「はっ! 凝視させていただきます!」
「それは気持ち悪いのだわ」
「はっ! 普通に見させていただきます!」
「じゃあ……どこにでも連れて行くのだわ」
メルヴィナが出した手をルウェインは握りました。
「では参りましょう! メルヴィナ殿下!」
「殿下はいらないのだわ」
メルヴィナはルウェインに手を引かれて祭りの会場へと歩いて行きました。
●サカバンバスピス掬い
メルヴィナとルウェインはサカバンバスピス掬いに興じていました。
金魚ではありません。
サカバンバスピスです。
エルネイジェ王国ではこの季節の風物詩です。
「トゥ! ヘァー!」
ルウェインは鋭い動きで掬おうとしますが、逃げられたりポイが破れたりで全然上手く行きません。
「そんな力任せにやってはだめなのだわ。優しくそっと手に乗せるようにするのだわ」
メルヴィナはあっさりと掬ってしまいました。
「おお、これぞ海竜の巫女の御業!」
「ルウェインが力み過ぎてるだけなのだわ」
メルヴィナは袋に入れられたサカバンバスピスをよく観察してみました。
つぶらな瞳でこちらをじっと見つめています。
「どことなくルウェインに似てる気がするのだわ」
「どうかなされましたか?」
「なんでもないのだわ」
二人はその後も穏やかに祭りを楽しみました。
●似てる
祭りは終わり、二人はメルヴィナの部屋へと戻りました。
「今日からここがあなたのお家なのだわ。仲間もいるから寂しくないのだわ」
メルヴィナは掬ってきたサカバンバスピスを水槽の中に入れました。
先住者の魚たちが興味津々に集まってきます。
けれどサカバンバスピスはメルヴィナを見つめたままでした。
「このサカバンバスピス、メルヴィナをずっと見ていますね。きっとメルヴィナの優しさに感謝しているのでしょう」
ふとメルヴィナはルウェインと無言で目を合わせました。
「メルヴィナ? 何か?」
ルウェインは不思議そうに首を傾げました。
改めてサカバンバスピスを見ます。
相変わらずつぶらな瞳でじっと見つめてきます。
「やっぱり似てるのだわ……」
メルヴィナはだんだんルウェインがサカバンバスピスに見えてきました。
こんな感じでお願いします。
●詰問
どうしてそのようなことをしたのか。
そう問いかける言葉に対する言葉はいつだって決まっている。
自らの心に従ったまでのこと。
しかし、感情とは人間が持ち得るものでありながら、千差万別の万華鏡。
感情と一括りにすることはできても、その内在する心の内訳までもが全て同じであるわけがない。
つまるところ、彼らはこう言いたいのだとメルヴィナ・エルネイジェ(海竜皇女・f40259)は己の感情のことなど聞いていない、国家を陣頭に立つ王族が何故責務を果たさないのかと。そして、責務を果たさぬことの正当なる理由を、彼らの心から汲み取って見せよと言っているのだ。
それこそ無駄だ。
無為な行いだ。
他者の心など完全に理解しきれるものではない。
なにせ、自分の心の奥底すら人間は正しく理解できないのだから。
「毎回同じことばかり聞かれて、もううんざりなのだわ……」
だから、意味のないことだとメルヴィナは議会の証人喚問に何度だって付き合うつもりだった。
そもそも、証人喚問というのが気に食わない。
こちらは被害者だ。
なのに、加害者側が被害者面をしている。
メルヴィナにとっては、そうだったが、国家間に置いてはそうはいかない。
個人の所感など意味をなさない。
「疲れたのだわ」
詰問に近しい議会員たちの糾弾を一身に受けながらも、彼女は強かだった。
彼らにとってメルヴィナは王族であるが、心根は『まだ』小娘程度であると思っている。連日の詰問で心が疲弊すると踏んでいる。
心が疲弊すれば、己達の要求が必ずや通ると思っている。
浅はか。
なぜなら、たとえ海竜教会から実家に戻されたとしても、自室に戻れば。
「ご苦労さまです、メルヴィナ殿下」
ルウェイン・グレーデ(メルヴィナの騎士・f42374)がいる。
彼女の部屋に待機していたのだろう。
いや、待機していた、という物々しい言い方はよくない。
いいのか?
こっちは自室にルウェインがいるんだぞ?
とまあ、そんなメンタル具合のメルヴィナはハッキリ言って無敵であった。鋼のメンタル。議会員たちの糾弾も見事に弾ききっていた。
というか、糾弾とは言っても半分も耳に入っていなかった。
彼女の強硬な態度に議会員たちは攻めあぐねるがゆえに、連日の喚問を定める他なかった。疲弊を待つしかないという戦法を取らざるを得なかった時点で彼らの思惑、目論見がご破算になっていることは言うまでもない。
メルヴィナは、自室で直立不動しているルウェインに駆け寄る。
「ルウェイン、立って待っていなくっていいと言ったのだわ。あなただって召喚を受けているのだ。疲れているのだわ?」
「いいえ。滅相もございません。メルヴィナ殿下の……」
「今は自室なのだわ」
「いえ、そうは……」
「自室なのだわ。もっと言えば、二人きりなのだわ」
「……メルヴィナのご心労に比べれば、なんのこれしき、というところです」
「もっと」
「メルヴィナのことを思えば、なんてことはない、と」
「座るのだわ」
そう言ってメルヴィナはルウェインをベッドに腰掛けるように命じる。
彼女の言葉からして、ここでは皇女であるとか王族であるとかの身分は気にしないでいいと言っているようなものであったが、手綱はしっかり握っていると示すようであった。
ルウェイン自身は、それを特に気に留めていない。
男子なるものであれば、などとつゆとも思っていないのだ。むしろ、それが当然ですが、何か? という忠犬具合である。
「はっ! し、失礼いたします!」
「何度もこうしているのにまだ慣れないのだわ?」
「それは……! その!」
腰掛けたルウェインの膝に持たれるようにしてメルヴィナは顔を埋める。
ルウェインの体が跳ねたようだった。
そっと彼女の肩に手を置くルウェイン。
じんわりと伝わるルウェインの掌の熱にメルヴィナは頬を緩め、顔を横にしてルウェインを見上げる。
「ルウェインは平気なのだわ?」
「ハッ! まるで羽のような軽さでありますから!」
「重さの話ではないのだわ。連日の召喚……疲れるのだわ。あなたにも辛い思いをさせてしまっているというのは……」
ざわざわと心が揺らぐ。
議会員たちに何を言われても揺らがなかった心が、今、漣のように揺らいでいる。
ルウェインの心が折れてしまわないか。
他ならぬ己が原因で。
それはいい。己が原因でルウェインが心を揺らすのはいい。問題は、己以外の存在がルウェインの心を揺らすことだ。それは許さない。揺らしていいのは自分だけだ。自分だけがルウェインに。
「殿下の御心労に比べれば、なんともありません。些かも傷一つ付けられることもありません! 殿下のご寵愛を受けた身! メルヴィナ殿下以外に傷を付けられる謂れなど!」
むっはー!
ルウェインは鼻息荒く言い切る。
彼の様子にメルヴィナは苦笑いするしかない。どうしてこんなに愚直なのだろうかと思わないでもない。
が、それでも。
心苦しいのは変わらないのだ。
もっと、と願う自分の心の醜さをルウェインは受け入れてはくれているが、甘えてばかりはいられないのだ。
一刻も早く、この無駄な詰問を終わらせなければならない。
何か、切欠が欲しい。
議会員たちを黙らせることのできるような、そんな切欠が。
そんなことを思えば、メルヴィナの眉間にはシワが寄っていくし、その眼差しは剣呑さを帯びるだろう。
その様すらルウェインは美しいと思ったが、しかし彼女の心労が溜まる現状は憂慮すべき事態である。
何か気分転換でもしたほうがいいのではないかと思ったのだ。
そもそも実家に戻されて以来、メルヴィナは議会に呼び出されては自室を行ったり来たりを繰り返しているだけなのだ。
これでは気が滅入ってしまう。
「メルヴィナ殿下」
「……」
「あの……殿下?」
「メルヴィナ」
「……メルヴィナ、その週末に巷で祭りが催されるようです。もしよろしければ、ご一緒にお伺いしてみませんか?」
ルウェインの言葉にメルヴィナは悩んだ。
とは言え、少しだけである。
そもそもメルヴィナは祭りという賑やかな催しがあまり好きではなかった。
賑やかさというよりは、静かな方がよかった。
末妹と姉の間に挟まれているから、余計にそう思ったのかも知れない。
けれど、折角の誘い。
これはデートというやつである。
あれ!? 誘われてる? ルウェインから?
メルヴィナは、はたと気がついた。
「行きたいのだわ?」
「はい!」
駆け引きのつもりでの返答。
けれど、そんな駆け引きの言葉すらルウェインはすっ飛ばしてくる。即答である。そんなにか。そんなに自分と……とメルヴィナは悪くないなと思った。
なら、言い訳にはちょうどいい。
ルウェインが自分とデートしたくてしたくてたまらないっていうのならば、まあ、やぶさかではないのだわ、とばかりに息を吐き出す。
はー、しかたない。
しかたないなー。ルウェインがそんなに自分とデートしたいだなんて知らなかったのだわー。あー、私はそんなに祭りとか好きでもないけれど、ルウェインが? デート? したい? っていうのなら?
「そんなに行きたいなら仕方ないのだわ。一緒に行ってあげるのだわ」
勿体ぶった言い方になってしまう。
それでもルウェインの顔が喜色満面になるのだから、絆されているのはどっちなのかわからない。
「ありがたき幸せ!」
本当にもう、しかたないのだわ――。
●夏の終わり
ルウェインは、息を呑んだ。
息を呑んでいる場合ではない。わかっている。わかっているのだが、喉に言葉が詰まってしまっている。いや、言葉だけならば吐き出すだけでよかったのだ。
けれど、彼の喉に支えていたのは言葉だけではなく幸福感また一緒だったのだ。
「……似合ってないのだわ?」
心配げな顔で此方を見ているメルヴィナ。
その姿にルウェインは心を奪われていた。
そう、そこには浴衣姿のメルヴィナがいた。
彼女がよく身にまとう召し物の色。
青、藍、その生地の上に踊る花柄と麻の葉模様。
袖は尾鰭のような意匠を取り込んでいるし、花結びの帯に飾られたパールがキラリと輝いている。
それに首元を覆うレースの上品さに加えて、結い上げられた御髪の流麗なことと言ったら言葉を失うに値するものだった。
それら全てを統括するように彼女の瞳の色がルウェインだけを見ているのだ。
これが幸福でなくてなんだというのだ。
彼女が己を見ている。
固まってしまう。
どうしたって、息を呑んだ後、息を吐き出すことも忘れてしまっている。
そんなルウェインにメルヴィナは恐る恐ると指を伸ばす。
はっ! ルウェインは身の硬直を振りほどいて一層背筋を伸ばした。
「とてもお似合いです! 雅で美しく、なんと涼し気なことか! 髪型もお変えになられて……普段とはまた一風違った雰囲気がなんとも!」
あれやこれや。
ルウェインは己の語彙力が続く限りにメルヴィナを褒めちぎった。
それはもう怒涛の勢いであったし、波浪のごとく彼の心にメルヴィナへの思いを膨れ上がらせるものであったのだ。
しかし、そうも情熱的に褒めちぎられてはメルヴィナも赤面するしかなかった。
頬が熱い。
真赤に染まった頬を見ないでほしい。
「恥ずかしいからあんまり見ないでほしいのだわ……」
「はっ! みません!」
ルウェインは首が90度を超えるほどに振る。首がねじ切れちゃう。
「やっぱりちゃんと見てほしいのだわ」
「はっ! 凝視さえていただきます!」
ぐりん! と首が戻る。
ちょっとおもちゃの人形みたいであったが、見ると言ったら今度は瞼をカッ開いているものだから、逆に。
「気持ち悪いのだわ」
「はっ! 普通に見させていただきます!」
見られている。
ルウェインが自分だけを見ている。その事実にメルヴィナは心地よいものを感じていたが、同時に居心地の悪さも感じていた。
見てほしいが、見てほしくない。
矛盾した心が乙女心だというのならば、自分でもどうしようもないものだと思う他なかった。
こんな感情を抱くのは、全部ルウェインが悪い。
原因がルウェインなのだから、悪くないかも知れないと思ったが、やっぱり悪い。
息を吐き出す。
他責したって意味などない。メルヴィナは諦めたように手を差し出す。
「じゃあ……どこにでも連れて行くのだわ」
その言葉は他の者が聞いたのならば、大胆な誘いの言葉であった。
だが、ルウェインはいつものように笑う。
「では参りましょう! メルヴィナ殿下!」
「殿下はいらないのだわ」
「メルヴィナ、行こう!」
ルウェインも祭りの熱気に当てられているのだろうか?
そう思いながら、二人は祭り会場へとカラコロと音を鳴らして歩いていくのだった――。
●すくい上げる
「トゥ! ヘァー!!」
ルウェインは手にしたポイを振るう。
うむ、見事なポイさばき。
見るものが見れば、それは見事な金魚すくいの所作に思えただろう。鋭く、速い。掬われたことすら感じさせぬ所作。
だが、彼の手にした御椀には、一匹も金魚が入っていなかった。
いや、そもそもだ。
これは金魚すくいではない。
ルウェインとメルヴィナが興じているのは、エルネイジェ王国名物『サカバンバスピス掬い』である。
サカバンバスピスとは、無顎類である。
なんで?
「そんなに力任せにやってはだめなのだわ」
メルヴィナは、まったく掬うことのできぬルウェインをたしなめる。
彼の動きはどうにも力が強すぎる。
そもそもサカバンバスピスって掬えるものなのか?
「優しくそっと手に乗せるようにするのだわ」
メルヴィナはあれだけルウェインが必死になっても一匹も掬えなかったサカバンバスピスをあっさりと掬い上げてしまっていた。
あんまりにもあっさりと掬うものだから、周囲からは歓声が上がる。
ルウェインの派手な動きにつられて来ていた見物客達だ。
そこにメルヴィナが鮮やかな、いや、たおやかとも言える手つきですくい上げる様を見たのだ。当然湧くに決まっている。
「おお、これぞ海竜の巫女の御業!」
「おおげさなのだわ。ルウェインが力みすぎてるだけなのだわ」
そう言ってメルヴィナは掬い上げたサカバンバスピスを見つめる。
あまり観察したことがなかったが、こんな顔をしていたのかと、つぶらな瞳と見つめ合う。
「どことなくルウェインに似てる気がするのだわ」
「どうかなされましたか?」
「なんでもないのだわ。次はどこに連れて行ってくれるのだわ?」
「次なるは射的など如何でしょうか!」
「いいのだわ――」
●祭りの後
祭りの喧騒を離れて、二人は部屋へと戻ってきていた。
「今日からここがあなたおお家なのだわ。仲間もいるから寂しくはないのだわ」
メルヴィナは、早速サカバンバスピスを自室の水槽の中に移した。
水が僅かに跳ねる音がして、サカバンバスピスが水槽の中に飛び込めば、周囲から先住の魚たちが寄ってくる。
興味津々とサカバンバスピスの周囲には魚が集まってきている。
だが、サカバンバスピスは水槽の硝子越しにメルヴィナをじっと見つめている。
「このサカバンバスピス、メルヴィナをずっと見ていますね。きっとメルヴィナの優しさに感謝しているのでしょう」
ルウェインの言葉にメルヴィナは、無言で彼を見やる。
瞳を見つめる。
「メルヴィナ? 何か?」
無言で見つめられて、ルウェインは僅かに首を傾げる。
そんな彼に構わずメルヴィナはサカバンバスピスと再び目を合わせる。
あいかわらずつぶらな瞳である。
「やっぱり似てるのだわ……」
「自分と、このサカバンバスピスがですか!?」
うん、とメルヴィナは頷く。
なんだか見ていると段々るウェインがサカバンバスピスの面持ちににてくるのだ。
気が抜けるような顔である。
ふ、と呼気が漏れる。
メルヴィナが笑ったのだと、ルウェインは気がついて、少し釈然としなくても他ならぬ彼女が言うのならば、きっとそうなのだろうと考えることはやめた。
差し伸べられた手。
メルヴィナの瞳が己を見ている。
それで十分だった。
衣擦れの音は、かすかに。
けれど、触れる掌の熱は苛烈に。
メルヴィナは、その手を離さない。これは、自分のだと言うように、銀髪をくしゃりと乱すように触れて、僅かに汗ばむルウェインの体温を感じる。
それは確かに夏の終わりを実感させるものだったけれど。
二人にとっては、夜長のはじまりだった――。
成功
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