3
最高のバカンス朝ご飯~海

#ブルーアルカディア #ノベル #猟兵達の夏休み2025

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ブルーアルカディア
🔒
#ノベル
🔒
#猟兵達の夏休み2025


0



皐・芽衣



桜田・鳥獣戯画



明石・鷲穂



生浦・栴



ルイーグ・ソイル



ノアール・ブランシュ



八重垣・菊花




 ランチやディナーを共にすることはあれど、朝食となるとなかなか機会がない――と桜田・鳥獣戯画(水着姿)は思った。
「寝癖交じりの仲間の寝ぼけ顔を見ながらの食事も良いものだ」
 そしてここはバカンス先――素敵な朝ごはんも楽しみのひとつと思っていると。
「ここ寝ぐせついてるんよ」
 八重垣・菊花がぴょんとジャンプして鳥獣戯画の寝ぐせをちょん。
「何!? 私の後ろ髪がハネているだと!?」
 どこだ、と押さえたのはちょっと違う所。跳ねはそのまま。
 それもまたバカンスの醍醐味――かもしれない。
 そんな醍醐味から始まる朝ご飯。皆で楽しむものは何にする? という御話で。
「朝食を制する者は一日を制すって言うしな!」
 菊花はにこっと笑顔。でもそれもちょっと違う、なんて誰も言いはしない。
「夏のバカンスに相応しい朝食といえば、おしゃれパンケーキとかそういう……」
 想像したのはフルーツにヨーグルトと色鮮やかでお洒落なもの。焼き立てオムレツ、朝からお肉だってあったり。
 でも、そこに海鮮市場がある――そして。
「折角なので、いつも食べてるやつよりいい白米を用意させてもらったっすよ~!」
 ルイーグ・ソイルが片手で大丈夫か? という大きさの、藍色模様が渋い器に炊き立てのごはんをもって向かっていくのを見てしまったら――もう頭もお口も海鮮丼!
「丼は食を制すって言うしな!」
 菊花も元気に市場へ一直線。
「こんな美味しそうな海鮮見たら我慢できるわけないやん! うちも海鮮丼にするー!」
 気持ちは、海鮮一色!
 鳥獣戯画もオリジナル丼を作ることを理解し後に続く。鳥獣戯画はまず市場内をくるりと見回した。
 よし、一番盛り上がっていそうなコーナーに行こうと目星をつけて、出陣。その手に丼(大)を手にいざ、征かん!
 その後をゆるりとついていく明石・鷲穂は、思う。
「朝から炭酸で重いよなぁ」
 はじけてお腹が膨れるとお腹を撫でながら思うのだ。だから鷲穂は選んだ、日本酒を。
 炭酸じゃないのでオッケーな飲み物を!
「冷えてるから美味いんだ。魚(肴)が新鮮なら、酒だって新鮮に決まってるんだ」
 市場にあるものとの相性は抜群。うん、これは最高の選択。間違いないと足取りは軽い。もう飲んでるぞこれ。
「刺身って、美味いんじゃよなぁ……」
 海の香り――皐・芽衣の頬は美味しい物の予感に緩む。
 刺身。それは地元では食べる文化がなかったが、皆と出会ってから知った味の一つ。しかし皆が手にしているのは丼、ご飯だけ。
「……まずはご飯だけ? どういうことじゃ?」
 まさかこのご飯だけ……と芽衣の耳がぴるっと動く。しかしどうすればいいかはすぐに分かった。
 あ、ギガと思えば何やら市場の兄ちゃんと話をして。手にした丼の上に新鮮な魚介をのせてもらっている。
「海老カニイカタコまぐろはまちホタテサーモンうにいくら……」
 そして呪文のように連なるネタ。
「苦手な食材はなし!」
 それじゃおまけと兄ちゃんがさらに甘エビをのせて、すでに豪華丼だ。
「なるほど! オリジナル丼作り大会か!」
 じゃあ、この赤シャリ大盛りでお願いします! と芽衣はお願いして丼の重みににっこにこ。
 この上に何を乗せるか。芽衣は魚にはあまり詳しくない。店員さんと相談しつつ、彩り重視でいくかとふんわりとイメージ。
「その白いの、隣の白いのも別の魚か、それも」
 タイ、ハマチ。今日は太刀魚もある。芽衣はそれもと早速プラス。
 そんな皆の様子に。
「ふんふん、食事を調達して宴会するワケね!」
 ノアール・ブランシュはどうしようかなぁと悩む。市場で完成品を買うのもあり。
「釣るとか捌くとか、ゴドゲではシステムでポンとできちゃうけどココではそうはいかないしぃ」
 ノアールのホームはGGO。そこで当たり前の事はここではそうではないから体験するのみ。
 活気ある市場で、そこそこ大きい丼に白飯をどーん。この上に美味しいものを、何にしようかとうろうろ。
「あっ、おにーさんが魚捌いてる! ねね、それなんて魚? 生で食べて美味い? 買ったらココに乗っけてイイ?」
 今日入った新鮮なそれは鯛。ご飯の上にのっけたら最高! 卵の黄身をのせてもあうとの言葉にそれ頂戴! とノアールの丼に最初のひとつ。
「鯛げっとぉ! 他のおすすめある?」
 それならとこの調子でずいずいと話しかけて、甘エビやマグロ、他にも色々増えていく。
「あ、菊花じゃん」
 すでに丼にいくつか乗せていた菊花。菊花もノアールと目があって、どんな感じ? と互いの丼はやっぱり気になるのだ。
「ノアールさんのおススメってどれやろか?」
 オススメを聞くのであれば、自分のオススメも言わなければ。
「うちはこのサーモン(多分)やね、海鮮丼には欠かせへんと思うんよ」
 サーモン色の艶やかな身。それもおいしそうとノアールは思いつつ自分の丼を見て。
「あーしのお勧め? イカかなぁ」
 透き通っててすげぇ綺麗なんよと。それに味見もちょっとさせてもらったから美味しいのももう知っているのだ。
「サーモンもイイな、欠かせないのわっかるー♪」
 それも乗せちゃおうかなと思って――はっとする。
 上に魚介類。でもここにたらさねばならぬ物――そう、醤油!
 美味しい醤油でもいいし、秘伝の丼のタレとかあったらサイコー。と、探していたら。
「あっ、蟹汁美味そう」
 違うものに目移りし。美味しそうな香りがしたので仕方ない。そこで足を止めていると。
「あ、ノアール。何見てるんじゃ。良いのあったかの?」
 通りかかった芽衣も足を止めて、ノアールが見るものを覗き込む。
「蟹汁? わしも後で買いに来ようかの」
「やぁメイメイ! いいよぉ、あーしがメイメイの分も買っとくぜ」
「――本当かの? 嬉しい!」
 海鮮丼に蟹汁。最高の朝ごはんが待っている――しかし、芽衣の丼はまだ完成していないのだ。
 あとはエビ。茹でたエビも生エビもどちらもおいしそう。そこの魚ものせて、大事なものも忘れていない。
「最後にいくら!」
 できた、と芽衣は笑み零す。と、完成している横で再び蟹汁の現場。
「あっ、汁物!」
 ノアールが蟹汁を貰っているのを目撃してルイーグもそこへ。その手の丼はまだご飯が見えているので未完成。地元の漁師お勧めのネタをホイホイのせているのだがまだまだ大きな器は余裕がある。
「ルイーグも気になるん? 蟹汁大人気やな!」
 ちょっと味見してみるかい? と言う店の声にルイーグは大きく頷く。お椀一杯分貰ったなら、ズズーッ! と一気に飲み干し、ぱぁっと笑顔に。
「これは美味いっす! 魚介だけじゃなく、野菜もたっぷり入っていて満足度が高い!」
 オレもこれを、とルイーグは蟹汁をゲットし、そしてまた丼を満たす旅へ。そんな美味しさを叫ぶ声に鳥獣戯画も導かれる。
「くっ……味噌汁はないのか!! 要るだろ味噌汁!!」
 あるよ~とノアールは手を振って、ギガだんちょも蟹汁ならあるぞと推してみる。
「蟹汁! それで!」
 即決――なら鍋でもっていきなと店から借りて。ありがと~! とノアールは御礼を言って鍋に入れてもらう。
 蟹汁もゲットして後は何があるかなと見ていたノアールの目に、それは突然飛び込んできた。
「うわぁデケェ貝! これ、みんなの前で焼いたら盛り上がるんじゃねーかなー」
「ノアール、なに見てんだ?」
 貝だよ! と答えてあれこれ目についてどんどんと買ってしまう。丼の上もいっぱいだけど、その他にもいっぱい。あと貝売りがあれこれ上手に薦めてくる。
「財布の中身? 知らんな!」
「貝? 目利きだなぁ! どんどん皿に積んでけ、おれ出してやろ」
 そのかわり、とおすそ分けしてくれな! と鷲穂はにかっと笑う。
「マ? もち美味い貝はみんなで食うが?」
 ありがてぇ! と言いながらじゃあこっちも追加! とサザエも一緒に。
 と――ふわりと良い匂いがしてきて、釣られるように足がそちらへ向く。
 どこから――と視線巡らせると生浦・栴が何かをしていた。
 栴は折角の海。だから海鮮メインになる者が多いと踏んで――肉を狩ってきていたのだ。あくてぃぶに。
 早いうちに山に出てキジを二羽確保。それをさばき――半身の塩焼きを二つ丁度焼いている所。市場には肉を得手とする者もいる。手を貸してくれと言えばもちろんと残りはお任せ。
「なに、持ち込み品を裁いてもらっている?」
「栴、何してもらってんだ? 調理?」
 芽衣と鷲穂はひょいと覗き込む。
「のせる?」
 程よく焼けたその肉を、スライスして――丼に添えるのもあり。
「それ、わしのもあったりするのかの? やった、ありがとのぅ。――キジか!」
 芽衣はぱっと笑顔浮かべて礼を言う。海鮮丼、そしてキジ――幸せなひと時になるのは約束されたも同然。
「へぇ……おれも食べたい。な? コレと交換。な! な!」
 鷲穂は酒を示しておねだり。すると鷲穂にはもっと良い物を用意しようと告げる。
「良い物? 楽しみにしとく……!」
「酒は俺も用意して居るので後程」
 皆も分け合って食べる分を余分に用意している風。そう言いながら――ところで、と栴は視線を動かした。
「彼方でタコに絡まれて居るのは団長か?」
 えっ? と視線がそちらに向く。
「今から捌くとなると相当新鮮よなあ」
 とのほほんと言われるが、鳥獣戯画はピンチ(?)だった。
 活きのいい海の生物も好き。だから生け簀にいる食材(あくまで食材)も見たいなとうろうろしていた所、脱走蛸に出会いなぜか絡まれているのだ。しかも丼を持っている手ににょろっと上がってきている。
 そしてそのまま、良い匂いにつられて。特に気にしてない様子(つよい)の鳥獣戯画は、栴は何にしたんだと聞いてかくかくしかじか。
「何!? 食材を捕獲して持ち込み!? 誰だそのデキる男は! 一つください」
「俺です、一つどうぞ」
 なんてやりとりをしつつ丼の上にまた一つ。
 そしていよいよ――丼やいろいろもってごはんの時間。
「ずいぶん賑やかな食卓になったな~!」
 栴は別皿にも用意してきたキジの叩きをテーブル中央へ。
 その隣にルイーグも塩辛。そして貝焼きも次々と。
 あーしは、これ! とノアールは貝を。目の前で焼けば楽しさもあるだろ! と笑って。
 しかしちょっとだけ恥ずかしさも。みんなの配慮が上手――でお、ノアールは気にしない。
 だってノアールは元気花丸ギャル様なのだから!
 ルイーグはこれは酒のつまみの分っす! と笑顔で。酒を飲むならこれは必須。
「矢張り考えることは同じか」
 沢山並んでいく――その様子に栴はふと笑う。
「皆で持ち寄ると想像以上に壮観よなあ」
 そしてよく焼いたキジ肉の入った深い器もいくつか。
 そこへ熱燗注いで暫し待つ。それがさっき言ってた良い物か、と鷲穂はじぃと見詰めていた。
 キジ酒だと栴が渡せば鷲穂は嬉しそうに。そして菊花も気付く。お肉がある、と。
「山の幸? 抜かりないんよ~! 焼き鳥丼もそそるもんがあるんよ」
 そしてこの海鮮丼の中で一味違った香ばしい香り――栴はそっと菊花の丼へと乗せてやる。菊花はしかも、キジ……とごくり。
「これはおかわり待ったなしやで!」
「あっ、栴、あーしにも肉!」
「おれにも! 約束の肉~!」
 そして約束の酒~! と鷲穂は振舞う。いいな~なんてみる未成年には、これがあると蟹汁を。
「たくさん成長するんだぞ……」
 なんて言いながら、ノアールが持ってきて売れた鍋から蟹汁を開いているお椀へ。蟹汁はまだあるようだ。
「芽衣ちゃんは彩りええねぇ、キラッキラしてるんよ!」
「ふふふ、良い感じじゃろ菊花?」
 しかし隣の芝生はなんとやら。菊花の丼を見て、その艶やかな色に芽衣の視線が釘付けに。
「――あっ、サーモン! わしのと部位が違う気がする。ちょっと交換せんか?」
「もちろん! これは希少部位なんよ!」
 と交換の約束もして。芽衣は鳥獣戯画にも、丼を見せる。
「見てくれギガ、完璧じゃ、宝箱みたいじゃ! ……ちと盛りすぎたかの?」
「宝箱! 良いな!!」
 丼はどれもこれも美味しそう、絶対美味い――そんな鳥獣戯画の耳元にそっと近づいて――菊花は囁く。
「ギガちゃん知ってる? 海鮮丼ってな」
 だし茶漬けも美味しいんやで……という精一杯の低音ボイスの囁き。
「!! 三杯目は、それにする!!」
「皆はいくらを最後に乗せるタイプっすか?」
 皆の丼みつつ、もりもり沢山。その場のノリで次々乗せていった丼を手にしたルイーグ。
 彩? それはなんだろう。食い合わせ? 美味しいものが乗ればすべて美味しいのでは! というわけで後先考えずに、勧められるままにちょっと変わったネタも次々と乗せていった結果、カオスな丼となっていったのだ。
 でもこういうの、テンションが上がる。そしてそれをみた皆も、いいな~! と一緒にテンションもあがっている。
 しかしその丼は、まだ完成していないのだ。
 これから完成のための儀式がある。
「オレは最後に乗せるものを決めてるっす、探し探し……そして、みつけたっすよ!」
 最後の仕上げはこの場で。容器に入れてもらっていたそれを、最後に天辺へ。
 それは――具が大きな、塩辛。
「肝と調味料で漬け込んだ、市場ならではの鮮度高い塩辛を味付けに使う、これぞ通ってやつっす、ふふふ」
 これで完成っす! とルイーグは満面の笑み。
「何、ルイーグは最後いくらじゃないのか。――へぇ、上級者じゃ!」
 芽衣はルイーグの丼、その最後を飾る一品がいくらでないことにぱちり。でもそれもまた個性。
「さすがルイーグさん、ナイス白米や!」
 そして菊花もその手があったかー! なんて思うのだ。
「塩辛、うちは柚子風味の糀塩辛をおススメさせてもらうんよ、あとサーモンの塩辛も最高なんやで!」
「つまみに合いそう」
 と、鷲穂もじーっとルイーグの丼見つめる。
「一口くれ!」
「天辺のいいとこ以外なら応相談っす!」
 なんてお喋りしながら楽しく食べて。
 蟹汁も皆のお椀へ。そして最後の一杯は鳥獣戯画のお椀に。
 鷲穂はそういやギガはフードファイターだったかぁと、もりもり食べているその大盛を見つめる。
 それもちょっと食べたい、なんて思っていると。
「蟹汁が、ない……ッ!」
「蟹汁は無いけど、これはある」
 栴が作ってくれたキジ酒と鷲穂が渡せば。
「……何ッ酒だと!? その手があったか!!」
 ぐいっと飲んで美味しい! と鳥獣戯画は唸って――でもやはり蟹は恋しい。日本酒も美味しい。蟹は大好物。
 鳥獣戯画は鍋を鷲穂の手からそっともらって、おかわりを貰いに。ついでに日本酒も探しにいく。蟹の甲羅酒にも、キジ酒で気付いてしまったから。
「盛り過ぎはわしだけじゃなかったの!」
 芽衣は皆の丼もみて、まぁこうなるのは当たり前じゃ! と笑み零す。
 そして、あれと気付いた。
 そういえば――朝食の前から、あまりにも自然だから流していたが。
 市場でも買いながら飲んでいたような人もいたような気がしつつ。朝からしっかりお酒が振舞われていることに。
「酒は……酒? 朝から!?」
 大人にはそういう楽しみもあるのかと感心する芽衣。芽衣ももう成人済み――ということは。
「なら、先達の大人達に教えてもらおう。魚に合うのがあるんじゃろ?」
 折角なので飲むと言う芽衣の前にもお酒をおいた鷲穂。
「あっ、ここにも呑兵衛がおったんよ」
 もう飲んでる早い、と眺めつつ。
「お酒ばっかやのうて、おつまみならぬ朝ごはんも必須やで!」
「朝ごはんかぁ。そういやそうだったな!」
 鷲穂は、でも飲みたいから飲む! と笑顔いっぱい。
「鷲穂さんは……相変わらずの呑兵衛さんやねぇ! 迎え酒?」
 菊花はぱちりと瞬いて、でも好きなら仕方ないの心。
「たこわさとか好きやんなー?」
 たこわさと聞いたなら、たこわさが食べたくなる。
 食おうかなと鷲穂は手を伸ばし。美味い、そして酒、たこわさ、酒の半永久機関が出来上がる。
 と、その隣でことんと、杯を置いた芽衣に視線向ける栴。
「黄金の。お主、飲むときは当面は壁の誰ぞを側に置いておけよ」
「……ふわふわしてきた。芽衣ね、ちょっと飲むペース速かったかも?」
 ふにゃりと笑む芽衣。ふわふわした心地に自分が酔っているのはわかる。
 あと汁物も飲め、と言えば言われたとおりに蟹汁に手を伸ばす。
「メイは、意外と飲むなぁ」
 思っていたよりの酒量に感心して鷲穂はその背中を向ける。
「驚いたぞ。背中乗るか?」
「――乗るぅ! 乗せて!」
 ぴょんと芽衣が乗ったなら、まだいけると鷲穂は思って。
「何人かいけるから、楽したいヤツどーぞ!」
「あっお背中うちも乗る!」
 次に菊花もぴょんと乗って、きゃっきゃとはしゃいで。
「山羊のは安全運転で頼む」
 栴は声かけて、は~いと良い返事かえってくるけどしばし見守り体勢。
 きゃっきゃと背中にのりつつ、菊花ははっとする
「この後は海で遊ぶんよ、ほどほどに……」
 そこまでいって、菊花は唸る。
「ほどほどなんて言葉、|壁《うち》にはなかったねぇ……?」
「程ほどという言葉は|壁《うち》の辞書には無かろうなあ」
 そうだな、と頷く栴。
 |壁《ウォール》のみんなは何時だって、全力で楽しんでいるのだから。
 そして今、鳥獣戯画が来れなかった皆用のお土産も抱えて蟹汁と共に帰還――酔い覚ましも兼ねた〆の一杯を美味しく皆でいただいて――海へ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2025年10月15日


挿絵イラスト