シャングリラ☆クライシス⑲~キミと☆いっしょに
オブリビオンに操られた謎の少女『クオリア・シンフォナー』。
|流れ星《シューティング・スター》の力を奪い、世界中を『アイドルステージ』に塗り替えた彼女は、虚無から『レッドライオン』や『イエロータイガー』といった|神格者《アイドル》を作り出し、限りなく完全なオブリビオンに近い状態となっていた。
「どうして、わたしはわたしを止められないの?」
『記憶を忘れられない』特異体質のため、オブリビオン化しても意識を奪われず、強大な力を持ってしまったクオリアは、今また、新たな神格者を生み出そうとしている。
そして現れた神格者の姿は――あなた。
「戦場にいる猟兵……つまりお前さん達自身だよ」
集った者をぐるりと見渡して、九瀬・夏梅(白鷺は塵土の穢れを禁ぜず・f06453)は予知の内容を説明する。
「姿形はもちろん、戦闘能力やアイドルとしてのスタイル、考え方の癖なんかもお前さん達そっくりだそうだ」
つまり、自分とクオリア・シンフォナー、2人の強敵を相手取ることになる。
頭数だけでも十分に不利な戦いになるのだが。
「でも、自分のことは自分が良く知っているだろう?
そこを突けば、クオリアと神格者の連携を崩したり、勝機を見出せるかもしれないね」
にやり、と夏梅は不敵な笑みを見せる。
「クオリアの戦い方はこれまでのアイドルステージなんかでも分かってると思う。
そんな彼女と自分が共闘したらどうするか……それを考えるといい」
クオリアを倒して止めて、そしてこの『シャングリラ☆クライシス』に勝利すれば。クオリアはアイドルステージの力でオブリビオン化を解除され、特異体質はそのままだけれども、ただそれだけの少女に戻ることができるから。
「頼んだよ、猟兵」
佐和
こんにちは。サワです。
普通の女の子に戻りたいんです!
舞台はやっぱりアイドルステージ。
敵は『クオリア・シンフォナー』と自分そっくりの『新たな神格者』です。
複数人で参加しても、神格者は参加した人数分生み出されます。
こっちが2人で行けば2対2、とはなりません。この場合は2対3ですね。
人数の不利は絶対です。
倒すのはクオリアだけでも大丈夫です。
神格者は、クオリアを撃破すると、元となった猟兵の中に吸い込まれ、消滅します。
というわけで、このシナリオには以下のプレイングボーナスがあります。
【プレイングボーナス】☆
自分そっくりの『新たな神格者』の戦い方を見抜き、敵の連携を崩す。
それでは、ちょっと不思議な共闘を、どうぞ。
第1章 ボス戦
『『クオリア・シンフォナー』』
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POW : ブラック・シンフォニア
【漆黒の最強アイドル】に変身する。隠密力・速度・【ユーベルコード】の攻撃力が上昇し、自身を目撃した全員に【崇拝】の感情を与える。
SPD : クオリア・カプリース
レベルm半径内を【高速回転する時計のオーラ】で覆い、範囲内のあらゆる物質を【時間操作】で加速、もしくは【時間操作】で減速できる。
WIZ : クロノス・アリア
【懐中時計】に宿る【時間操作の歌】を解き放ち、レベルm半径内の敵には[時間操作の歌]で足止めを、味方には【治癒速度向上】で癒しを与える。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
儀水・芽亜
私を複製してきましたか、クオリア・シンフォナー。
眠りの系統は、お互い「眠り耐性」があるので意味はありませんね。
それなら、ナイトメア適合者らしく、ナイトメアライドで勝負です。
|白馬《ナイトメア》に「騎乗」して、「騎乗突撃」でアリスランスによる「ランスチャージ」。正面から正々堂々とぶつかりましょう、虚構の私!
「マヒ攻撃」の「武器に魔法を纏う」槍で、複製体の私の肌に僅かでも傷を付けられたら勝ちです。相手もそれくらいの厄介なことをしてくるでしょう。「見切り」で絶対に傷つけられないように。
そして、すれ違った先にはクオリア・シンフォナーがいるはず。その本命へ向けて、槍を突き立てます。本命はこちらですよ。
「私を複製してきましたか、クオリア・シンフォナー」
対峙した儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)は、目の前の2つの人影を見て淡々と告げた。
黒く落ち着いた、でもアイドルらしい華やかさが随所に添えられた服を纏う、どこか花影な長髪の少女は『クオリア・シンフォナー』。その背には、時計を思わせる黒い魔法陣が展開され、手にした懐中時計と共に時を刻んでいる。
その隣に肩を並べるのは、銀誓館学園事務職員制服に身を包み、落ち着いた緑色の短髪に小さくヘアピンの花を咲かせた、凛々しい金の瞳の女性。手にしたアリスランス『ディヴァイン・ユニコーン』は美しい鴇色に煌めいていた。
そう、芽亜と全く同じように。
クオリアが生み出した、芽亜と同じ姿の|神格者《アイドル》。
その能力も芽亜と同等と聞いている。1対2の不利な戦い。
(「眠りの系統は意味はありませんね」)
何人いようとも簡単に相手を無力化する方法は、芽亜自身に耐性があると分かっているから使えず。数的不利なまま挑むしかない状況だけれども。
(「アイドルというなら、姿は昔の私を複製した方がよかったでしょうに」)
卒業したゴスロリ少女な自身を思い出して苦笑する余裕が芽亜にはあった。
「それでは、ナイトメア適合者らしくいきましょうか」
そして選択したユーベルコードは『ナイトメアライド』。自身の2倍はある純白の白馬を傍らに召喚し、芽亜はひらりと騎乗する。
見れば、神格者も同様に|白馬《ナイトメア》に跨ったところだった。
見た目は普通の少女のようなクオリアだが、今はオブリビオンと化している、共に戦える存在。彼女を守らなくていいのなら、そして、彼女が時間操作による補助を得手とするならば、自分なら自ら打って出る。そう考えた、その通りに。
「正面から正々堂々とぶつかりましょう、虚構の私!」
同じ鴇色の槍を手に、2人の芽亜はぶつかり合った。
アリスランスには、共に、麻痺の魔法が纏われている。肌に僅かに傷をつければ勝ちという厄介な戦い。それを互いに見切り、絶対に傷つけられないようにと防御し、かすり傷でもつけようと攻撃を繰り出していく。
互角の、気を抜けない戦い。延々に続くような攻防だったが。
神格者にはクオリアがいる。
高速回転する時計のオーラで辺りを覆うと、時間操作で神格者の槍を加速させる。
スピードの上がった攻撃を、芽亜が僅かな傷1つなく防ぎ続けるのは至難。
ゆえに神格者に軍配が上がるかに思えた、けれども。
神格者にはクオリアがいる。
新たな神格者を生み出した者が。
そして、生み出されたばかりの神格者は、クオリアを撃破すれば消えてしまうから。
「本命はこちらですよ」
神格者の槍を避ける動きでそのまますれ違った芽亜は、一気にクオリアとの間を詰めて。時間操作の影響が自身に及ぶ前に、鴇色の一撃を繰り出した。
大成功
🔵🔵🔵
椎那・紗里亜
もし私がクオリアさんと共闘するなら。
敵の目を自分に引き付け、死角からブラック・シンフォニアが仕掛ける。
彼女を見てしまい、崇拝の感情で動きが鈍った相手に同時攻撃。
と言ったところでしょう。
相方を守りつつ最大限に力を発揮させる戦い方は厄介ですね。
……仕方ありません。
接近して閃光百裂掌を放つ神格者の私。
自分の技とは言え、この手数を捌くのは容易ではありません。
……死角からクオリアの気配!
その瞬間、意識をスイッチ。
「面倒じゃのう……」
現れた|シャーリア《ダークネス》は展開する魔方陣で
神格者の攻撃をブロック。
その内の一枚を刃の様にクオリアに向けて飛ばします。
「崇拝?効かんのう」
「だってわし、目閉じてるもん」
現れた|神格者《アイドル》は、椎那・紗里亜(言の葉の森・f43982)の姿をしていた。
それを紗里亜が認識した瞬間、神格者は襲い掛かってくる。
放たれる閃光百裂掌。サイキックエナジーで練られた発勁を宿した手掌が秒間百発の勢いで繰り出され。紗里亜もそれに応じるけれど、この手数を捌くのは、自身の技とはいえ容易ではない。
対応に手一杯となり、神格者に集中せざるを得ないその状況で。
死角から迫る、漆黒の最強アイドル。それは、『クオリア・シンフォナー』が変身し攻撃力を上げた姿『ブラック・シンフォニア』。
隠密力や速度も上がっているため、その気配に紗里亜が気付いたのはすぐ傍に接近されてから。咄嗟にその動きを捉え、黒い姿を目に映した瞬間。
湧き上がる崇拝の感情。
心の揺らぎに紗里亜の動きが鈍り。
生み出された隙へと神格者とクオリアの同時攻撃が繰り出された。
「――といったところでしょうか」
もし自分がクオリアと共闘したら、と考えていた紗里亜は、その結末に頷く。
敵の目を自分に引き付けて相手を守りつつ、相手の力を最大限に発揮させる戦い方。
「我ながら厄介ですね」
自分ならそうする。ということは神格者はそうする。
紗里亜は、クオリアの前に現れた自分そっくりな神格者を見て。
「……仕方ありません」
襲い掛かって来る神格者の閃光百裂掌を捌いた。
予想通り、手一杯になった死角から感じるブラック・シンフォニアの気配。
その瞬間。
紗里亜はそちらを見ずに『闇堕ち』した。
「面倒じゃのう……」
まとめて結い上げていた茶髪がばさりと解け、手や身体の力が抜け、やる気なく目を閉じて気怠げに呟く。
と同時に、魔法陣が展開され、神格者とクオリアの攻撃をブロックした。
狙っての防御というよりも、常に周囲を拒絶しているかのようなタイミング。周囲を鑑賞し、知識は集めるけれども、それ以外の干渉は一切受け付けないという、まるで引きこもりの観測者ような、一方的な行動。
紗里亜――いや、|シャーリア《ダークネス》は、心底煩わしそうに息を吐くと。
目を閉じたまま、周囲を見ることすら面倒くさそうに、クオリアに向けて魔法陣の一枚を刃のように飛ばした。
その黒い姿を見なければ、崇拝することもないから。
大成功
🔵🔵🔵
フリル・インレアン
ふえ?クオリアさんはツイてないですか?
そうですね、あんな運命は可哀そうですよね。
そうじゃなくて、私がなんだかんだで出遅れて第一戦線にいなかった事がツイてないですか?
どんなに記憶を忘れられないとしても会ったことがなければ知らない。
だから迂闊に私の神格者を作ってしまうって、まるで私が疫病神みたいな言い方ですよね、アヒルさん。
実際にそうだしって、なんでクオリアさんに同情して……すみません、ごめんなさい。
それで私達はどうするんですか?
アヒルさんが私の神格者さんを突いてダメージを溜めるからド派手な魔法陣の魔法を撃てばいいんですか?
威力はステージが、隙は私の神格者が作るから安心しろって、複雑な気分です。
「ふえ? クオリアさんはツイてない、ですか?」
両手の中にちょこんと収まったアヒルちゃん型ガジェットを見下ろして、フリル・インレアン(大きな|帽子の物語《👒 🦆 》はまだ終わらない・f19557)は首を傾げた。
があ、としか聞こえないガジェットの鳴き声をフリルは唯一正確に理解できる。
そう、何を言っているのかは分かるのだけれど。
「そうですね、あんな運命は可哀そうですよね」
があ。
「そうじゃない、ですか?」
その意図を汲み取るには、時間がかかったり、結局分からなかったりするわけで。
「私がなんだかんだで出遅れて第一戦線にいなかった事がツイてない?
どういうことですか、アヒルさん」
フリルの中に疑問符は増えるばかり。
があ。
「どんなに記憶を忘れられないとしても、会ったことがなければ知らない。
そうですね。当たり前です」
があ。
「だから迂闊に私の神格者を作ってしまう……
って、まるで私が疫病神みたいな言い方じゃないですか!?」
ぷんすか怒るフリルを気にもせず、ガジェットは相対する敵に視線を送った。
記憶を忘れられないという特異体質のため強大なオブリビオンとなってしまった『クオリア・シンフォナー』と。おどおどとした様子で立っている、大きな帽子を被った気弱そうな|神格者《アイドル》。
姿だけでなく、おそらく能力も、そして性格も映したような神格者の様子を確認してから、ガジェットはまた、フリルに向けて呆れたように、鳴く。
「実際に疫病神だし、ってなんでクオリアさんに同情して……」
ガジェットは今度は鳴かずに、じっとフリルを見つめ。
「すみません、ごめんなさい」
泣き出しそうな顔でしゅんとしたフリルは、俯きながら謝ったのでした。
待つことしばし。
「それで……私達はどうするんですか?」
フリルが落ち込みから慣れた様子で戻ってくる。
ようやくか、といった雰囲気で、ガジェットは鋭く鳴き。
「アヒルさんが私の神格者さんを突いてダメージを溜めるから、ド派手な魔法陣の魔法を撃てばいいんですね?」
分かりました、とフリルはユーベルコードを準備した。
使うのは、ふええ劇場『魔法少女フルフリ☆フリル』。
敵に一定ダメージを与える度に3枚の強化のカードが現れるもので。フリルはそこから必殺技のカードを選ぼうと構えて。
ふと、思う。
「でも、必殺技とはいえ、大丈夫でしょうか?」
過った不安。だってガジェットは神格者に攻撃するつもりのようだけれど――フリルとの相性を考えたら最適なのですが――クオリアへの対応を全く何も考えていない。さすがに何もせず正面から挑んではクオリアに回避されてしまうだろう。
そこに対して、ガジェットからは何の指示もなかったが。
があ。
「威力はステージが、隙は私の神格者が作るから安心しろ?
あっ、アヒルさん!?」
首を傾げるフリルの前で、ガジェットが飛び出した。
一気に神格者に向かっていくと、そのおでこにぶつかるように黄色いくちばしをスコンと当て。そこからさらに連続で突いていく。
なんとなく自分がされているような気がして、痛くないおでこを押さえるフリル。
似たような動作をしつつ、さらにガジェットから逃げようとした神格者は、慌てた拍子にすっ転び。何故かクオリアを巻き添えにして見事にひっくり返った。
フリルは何もしていない。ガジェットも神格者への攻撃しかしていない。
神格者自身が作り上げてしまった、ものすごく大きな、隙。
「……複雑な気分です」
フリルは、ガジェットの言う『ツイてない』クオリアを見て。
目の前に現れた3枚のカードから、必殺技のカードを引いた。
大成功
🔵🔵🔵
木元・祭莉
おー、ふたりめのアンちゃん(f16565)!
色違いなおいらもいるね。
ん、次の衣装は黄緑もイイかも!
さてと。
初対面の相手、おいらたちならまず様子見するよね?
それで友好的なら、敵味方関係なく仲良くなるよね?
ん、料理出されたならお菓子も出しちゃおう♪
軽くボードゲームしてみたり♪
うわ、00!
ギャー、たまこが出たー!?(二人とも逃げ出す)
ふー。どこのたまこも狂暴で困るよね!
と、なんか意気投合。共同戦線。
やぶさか☆ツインズ、ダブルまつりんバージョン!
クロス双子、別アン☆バージョン!
究極、やぶさか☆カルテット、降臨!!
あれ、クオリア姉ちゃんどこ?(ナチュラル仲間外れ)
あ、やる気が切れてる?
倒そう!(てや!)
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と、まつり…ん、が、2人
わたしも2人
クオリアは…あ、1人(こく
あちらのわたしはクオリアとどう連携する?
そんなの簡単
初めましてのお友達とは食を通じて仲良しする
ほら、お肉振舞ってる
ずるい、わたしもお振る舞う
【お肉のチカラ】
いざ、お振る舞い合戦
ん、ウェルダン等に焼く時はクオリア、時間操作お願い
これでどの焼き方も均一に出来上がる
わたしの秘蔵のお肉、今日は2倍量
美味しさも2倍
ふふ、やるねわたし…
まつりんの叫び声をBGMに深まるわたしとの絆
Wわたしでくるんとターン、ステップ踏んでWまつりんと合流
そしてカルテット☆ポーズ!(W横ピース
ん、クオリアは食べ過ぎ?
気付けにお肉食べよう
アイドルステージに辿り着いた木元・杏(モフという魅惑の言霊・f16565)は、辺りを見回し、こてんと首を傾げ。不思議そうに、隣にいる双子の兄を指さした。
「まつりんと、まつり……ん、が、2人……?」
そこから動かして次に指さした先にも、木元・祭莉(銃弾を次から次へと叩き落とすなにかの達人・f16554)の姿があって。
そして、その隣にはやはり杏がいる。
「わたしも、2人」
「おー、ふたりめのアンちゃん!」
隣で祭莉も、もう1人の妹を見て声を上げていた。
でも向こうの祭莉と杏には、その後ろにもう1つ人影があって。
それは『クオリア・シンフォナー』。
「クオリアは……あ、1人」
自分達の方にその黒い姿がないことを確認して、杏は、こく、と頷く。
猟兵と同じ姿で生み出されるという|神格者《アイドル》。クオリアの能力を目の当たりにした杏と祭莉は。
「色違いなおいらもいるね」
「ん。洋服の色が違って分かりやすい」
「ふむふむ。次の衣装は黄緑もイイかも!」
「黄緑まつりん……わたしも黄緑?」
「お揃いもイイかも!」
いつも通りな様子で意見を交わし合う。
戦場とは思えない、和やかな雰囲気が漂うのは、杏と祭莉のせいだけではなく。
神格者達によるものでもあった。
何故ならば。
「まつりん。まつりんなら、クオリアとどう連携する?」
「んー、初対面の相手だから、おいらたちならまず様子見するよね?」
「ん。する」
「それで、友好的なら、敵味方関係なく仲良くなるよね?」
「初めましてのお友達とは食を通じて仲良しする」
2人が予想したその通りに、杏の姿の神格者が肉を振舞いはじめ。祭莉の姿の神格者もお菓子を出している。
神格者は姿だけでなく、能力や性格までもが同じなので。
「ずるい、わたしもお振る舞う」
杏は、そんなクオリア達に近寄ると、神格者のようにユーベルコードで貯蔵していた肉を次々と出し。
「いざ、お振る舞い合戦」
宣言に、神格者の杏も、こく、と頷きました。
2人の杏がテキパキと肉を焼き始め、じゅうじゅうと良い音と香りが広がっていく。
焼き手が2倍なら、肉を出す者も2倍。
ゆえに、杏秘蔵のお肉は、いつもの2倍の量があって。
「ん、クオリア、時間操作お願い」
そんな中で、杏が一角の肉を示してクオリアに頼む。
その部分だけ時間の進み方を変えることで、こっちはウェルダン、こっちはレア、と違う焼き方のものが同じ時間で出来上がり。
焼き加減を見る者も2倍だから、食べ頃を見逃すこともなく、これで美味しさも2倍。
「ふふ、やるねわたし……」
杏は、自画自賛すると共に神格者を褒め称えた。
「食べたらボードゲームしよう!」
美味しい楽しい焼肉パーティーが進む中で、祭莉が次に出して来たのは、十面ダイスを2個振って出たイベントをクリアしながらゴールを目指すゲーム。
神格者の祭莉もクオリアを誘い、もちろん2人の杏も参加して、スタート!
歌って踊ってファンサして、お肉を食べてお菓子を食べて。
どんどんゲームが進むそのうちに。
ころん、と祭莉が出したダイス目は『00』。
「うわ」
酷いゾロ目に嫌な予感がしつつ、ギギギ、と振り向いた祭莉が見たものは。
「ギャー、たまこが出たー!?」
双子が住む木元村の守り雌鶏、狂暴で最凶な祭莉の天敵、その名もたまこ!
反射的に逃げ出した祭莉を追って、その白い身体が走る走る。
そして何故か、神格者の祭莉までもが追われて逃げていた。
「たまこ、今日も元気」
悲鳴をBGMにほわほわと眺める杏と神格者の杏は、2人揃って、こく、と頷き。
「ふー。どこのたまこも狂暴で困るよね!」
祭莉と神格者の祭莉は、共同戦線を通して、何か意気投合してます。
なんだかクオリアよりも神格者と仲良くなってません?
絆を深めた2組の双子は、互いに顔を見つめ合い、よし、と集まって。
「やぶさか☆ツインズ、ダブルまつりんバージョン!」
2人の祭莉がアイドルポーズをとって、おひさまのような白炎を広げれば。
「ん。ダブル杏バージョン」
2人の杏も、くるっとターンしてアイドルポーズでキメッ!
そこからステップを踏んで、祭莉達の方へ合流すると。
「クロス双子、別アン☆バージョン!」
祭莉と神格者の杏が、そして杏と神格者の祭莉が、2組で同じポーズを取り。
「究極、やぶさか☆カルテット、降臨!」
そこから4人で、白炎をバックにW横ピースでカルテット☆ポーズ!
アイドルステージにふさわしいパフォーマンスを魅せたやぶさか☆4だったけれど。
「あれ、クオリア姉ちゃんどこ?」
ナチュラルにクオリアが仲間外れですね。
やっと気づいて、きょろきょろと探した祭莉が見つけたのは。
白炎にか4人の姿にかやる気を奪われ、茫然としているクオリア。
「ん、クオリアは食べ過ぎ?」
その様子を勘違いした杏が気遣い。
「気付けにお肉食べよう」
神格者の杏と共に、間違った方向に介抱しようとしていく。
その最中に、祭莉は思い出す。
「あ、確か、クオリア姉ちゃんはこのままじゃいけないんだっけ?」
クオリアがオブリビオンとなってしまっていることを。
元の人間に戻すには、撃破する必要があることを。
確認した杏が、こく、と頷くのを見て。
「それじゃ倒そう!」
「ん」
祭莉と杏は、神格者が見守る前で、クオリアを撃破した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ムゲン・ワールド
アドリブ連携歓迎
「さぁ、お嬢さん。約束通り助けに参りました。この戦いに勝って、あなたを救ってみせます。再度のご無礼を許しください」
(第一戦線のシナリオで「必ず救う」と約束している)
さて、お嬢さんと共闘するならその戦い方は決まっています。UC『ナイトメアビースト・ユニゾン』で背中にクオリアさんを乗せてその身を守るはず。
大切な女の人を守るなら、それがベストですからね。
悪夢爆弾を警戒し、常に走り続けます。命中しても簡単に悪夢に苦しむつもりはありませんが
こちらに軸を合わせてきたら、踏付けとランスチャージを警戒。【パフォーマンス】と【軽業】でサイリウムにパフォーマンスしながら確実に回避していきます。
サイリウムの応援が増えてきたら、敵接近のタイミングに合わせてUC発動。
「その守りはおおよそ完璧ですが、唯一欠点がある。それは、あなたが立ち止まった時、背中のお嬢さんも無防備になるということです」
石化したのを確認したら、お嬢さんを攻撃
「さぁ、一時お眠りください、目覚めたらきっあなたは人間です」
「さぁ、お嬢さん。約束通り助けに参りました」
王子様を演じるかのように『クオリア・シンフォナー』へ手を差し伸べたムゲン・ワールド(愛に生きたナイトメア適合者・f36307)は、真っ直ぐな眼差しで少女を射抜く。
「この戦いに勝って、あなたを救ってみせます。再度のご無礼をお許しください」
紡がれる言葉も、迷いのない声も、クオリアには覚えがあった。
アイドルステージ『アイドルナイツ☆アリーナ』での出会いと戦い。記憶を忘れられない特異体質者であるクオリアの数多の記憶の中でも、印象に残ったものの1つ。
胸を貫かれる痛みと、甘い口説き文句と共に、クオリアの心に刻まれたのは、かすかな期待――世界を破滅させるオブリビオンの宿命から解き放たれる可能性そのもの。
それをクオリアは思い出し。
だが、ムゲンを見つめるクオリアの目の前に、すっと人影が割り込んだ。
大切なお嬢さんをその背に庇うのは、クオリアが生み出した新たな|神格者《アイドル》。
細く美しい金色の短髪。|司祭平服《キャソック》を纏う、すらりとした細身ながらも頼もしい背中。
クオリアに肩越しに振り返った神格者は。
ムゲンと同じ姿をしていた。
現れた猟兵と姿形も戦闘能力も思考さえもそっくりな神格者を生み出してしまうことはクオリアも自覚していた。
でも。それでも。
自分の傍に立つ、期待を抱かせる姿に、クオリアは揺れ。
「あなたのような可憐なお嬢さんには、笑顔のほうが似合いますよ」
記憶から繰り返される、ムゲンの声と甘い言葉に目を見開いて。
「さあ、お手を」
すぐ傍で差し出された手に、その繊手を重ねてしまう。
そして神格者は、白馬型の|来訪者種族《ナイトメア》と合体すると、その背中にクオリアを乗せた。
(「そうですね。大切な女の人を守るなら、それがベストですから」)
ムゲンの思った通りに。
自分なら、クオリアと共闘するとなれば、そうするから。
予想通りの展開に、ムゲンは走り出す。
白馬のケンタウロスとなった神格者から放たれる悪夢爆弾。それを少しでも躱せるようにと常に駆け続けた。
だが、悪夢爆弾は敵を自動追尾する。自身が使うには便利だが、敵に回すと厄介な攻撃手段は、クオリアの懐中時計から放たれる時間操作の歌による足止めの効果もあり、次々とムゲンに命中した。
でもムゲンは簡単に悪夢に苦しむつもりはない。悪夢を乗り越え、ナイトメア適合者となったのだから。悪夢は確かに見たくもない辛いものだけれども、それに囚われて目の前の助けるべき人を見失うようなことは、しない。
「……どうして」
ぽつり、と零れるクオリアの声。
悪夢に襲われつつも諦めずに向かってくるムゲンに揺れる金色の瞳。
「どうして、倒れないの?」
「何度でも言いますよ、お嬢さん。この程度で私の愛は止まりません」
神格者が放つランスを紙一重で踊るように回避し。
ケンタウロスの蹄に踏みつけられるのをステップで躱す。
その動きすらも美しく。
観客に、そしてクオリアに、魅せるようにパフォーマンスを続けて。
「その憂いのある表情よりも、心からの晴れやかな笑顔の方がもっと美しい。
あなたの傍であなたの笑顔を見るまでは、私は諦めませんよ」
王子様がお姫様に求婚するかのように。
「麗しいお嬢さんを、偽物の王子から取り戻して見せましょう」
大袈裟な動きと台本のようなセリフでも、芝居臭くはない本心からの演出に、観客席のサイリウムがより瞬いた。
応援の力を感じたムゲンは、こちらへと突進してくるケンタウロスを見据え。
ランスチャージを避ける動きも利用して、仕込み杖をスラリと抜き、白馬を貫いた。
「石の中で眠れ……」
込められた悪夢エネルギーが、神格者に石化の状態異常を与える。
白馬の部分から人型の部分まで、あっという間に石と化す神格者。
「その守りはおおよそ完璧ですが、唯一欠点がある。
それは、あなたが立ち止まった時、背中のお嬢さんも無防備になるということです」
完全に石となったケンタウロスに教えるように呟くと、ムゲンはその石の背に乗ったままこちらを見下ろすクオリアを見上げて。
「さぁ、一時お眠りください。目覚めたらきっとあなたは人間です」
避けられぬクオリアに――攻撃を望み受け入れるかのように両腕を広げた少女に、仕込み杖の刃が閃いた。
大成功
🔵🔵🔵