●きつねのよめいり
しゃら、しゃら、揺れる花飾り、揺れる狐尾。
白打掛に角隠し。
寄り添う男は黒五つ紋付き羽織袴で誇らしげに。
狐の娘が野点傘を寄り添う二人に差し掛け、歩む道。
行列成して歩むは、二人を祝うが為。
笛の音、太鼓の音。
今日は、今日は、夫婦の始まりの日。
堅磐に常磐に命長く、子孫の八十連屬に至まで。
夜の守日の守に守幸へ賜へと、恐み恐みも白す。
さあ、さあ、祝え。
新しき旅路を祝え。
そこに交じるは、季節外れの風鈴の音色。
りーん、りん。
骸の海に眠った筈の過去が、滲む音。
眠る霊を呼び醒ます、不気味な音。
●コン
「センセ達は、花嫁行列って見たことがあるっスか? お式を挙げる前に神様のモトまで行列を作って歩いて行くってモンなんスけど」
別の世界の人は見たことが無いかもしれないっスけど、とっても綺麗なんスよ、と付け加えて。
眸を糸の様に細めて笑う小日向・いすゞ(妖狐の陰陽師・f09058)。
「そゆ訳で! 今日集まってくれたセンセ達には、サムライエンパイアで行われる妖狐の花嫁行列を守って欲しいっス!」
花嫁行列の途中に現れる、多数のオブリビオン――兜風鈴。
このふわふわ浮く風鈴は、一匹一匹は大した敵では無いのだが。
その音色で亡霊を呼び出すという特性を持っている。
「折角のお嫁入りなのに、途中でオブリビオンに襲われて、下手したら死んじゃうなんて最悪じゃないっスか」
しっぽを揺らして、いすゞはネ、と首を傾ぎ。
「でも、センセ達が行けばもう、ドカーン! パッカーンっスよね! 逆に忘れられない良い思い出になるかもしれないっスよ!」
擬音に合わせて拳を降りかざしてから、彼女は猟兵達にしっかりと向き直る。
といっても、眸はほとんど開いちゃいないが。
「じゃ、センセ達、準備は良いっスか? いっきますよォー」
掌の中で、グリモアが瞬き。コーン、といすゞのぽっくり下駄が音を立てた。
絲上ゆいこ
こんにちは。
絲上・ゆいこ(しじょう・-)です。
いすゞをどうしてもお披露目をしたい気持ちが抑えきれず、狐様のシナリオでございます。
●やること
サムライエンパイアで、狐の嫁入りを邪魔する無粋な風鈴達をとっちめてやって下さい!
沢山いるので無双状態です。
もう、ぱっかーんで、どっかーんです。
●三章について
今回のお話が無事に成功すると、三章は花嫁行列にお呼ばれされる事となりそうです。
式を終えればごちそうも用意されているようなので、食いしん坊さんも是非。
もはやお祭りなので、めでたくぱあっといきましょう!
いすゞは、お声掛けがあれば三章のみ参加させていただきます。
それでは、皆様の素敵なプレイングをお待ちしております!
第1章 集団戦
『彼岸の兜風鈴』
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POW : 風鈴の音が響き渡る
予め【風鈴の音を響かせ続ける 】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : 風鈴の音が共鳴する
【共鳴振動となる甲高い風鈴の音 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : 風鈴の音が死者を呼ぶ
【黄泉の国 】の霊を召喚する。これは【悲鳴】や【武器】で攻撃する能力を持つ。
👑11
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●山奥の社に続く、田舎道
遠く響く龍笛の音は、まだ遠く。
生い茂る緑。
切り開かれた登山道めいた逕路、りんと響く風鈴の数は両手の指では足りぬであろう。
行列が、風鈴達の群れに届くまではまだ少しだけ時間がある。
しかし彼らがこの社に続く道を歩む限り、悲劇は起こる。
彼ら――、猟兵が居なければの話だが。
ティエル・ティエリエル
「もうすぐここに花嫁さんが来るんだよね?いいなー、綺麗なんだろうなー♪」
まだまだ幼くたって女の子。花嫁さんには憧れるよ♪
それを邪魔しようとオブリビオンなんてボクが蹴散らしてやるんだもん!
得意の【SPD】を活かした戦い方だよ。
【スカイステッパー】と背中の翅を羽ばたかせて空中を縦横無尽に飛び回るよ♪
それで、「フェイント」「見切り」「カウンター」を駆使して兜風鈴を蹴散らしていくよ。
【風鈴の音が共鳴する】を使われたら、レイピア型の獣奏器を振って風鈴の音に対抗するよ☆
リュヌ・ミミティック
ん、おーっ花嫁さん、綺麗、綺麗!
まかせて、まかせ、て!
「ん、おー!ここは、任せて!
悪い奴は、たおし、ちゃ、うよ!」
出来れば皆、一カ所にまとまるか、大丈夫そうなら逃げてほしいな…
逃げれそうになくて、一カ所にまとまる感じなら、そちらに敵を生かせないように護りたいね。
響き渡らせようとする兜風鈴を最初に撃破、したいな。
槍で攻撃して行こう。
「ん、おー…さくっと、たおさせて、もらう、ね!」
死者が呼ばれたりもするんだよね?
なら、フォックスファイアで何体か巻き込めたらいいな。
逃げようとする敵がいたら猫憑き季月にも助けてもらおう
。
「ん、猫憑き季月、よろし、ね!」
戦況を、混乱、させちゃ、え!
リダン・ムグルエギ
良いわね、結婚式って
少し前にA&Wの世界でも結婚式を見てきたけれど
動画映えもするし、その世界の衣装は新デザインの参考にもなる
デザイナーにとっては美味しい題材だわ
ただ正直、面倒くさいのよね…モンスターの相手って
餅は餅屋
戦闘が得意な人にお任せして
アタシはアタシの仕事をするわ
SPDもWIZもそうだけれど、今回の敵の「音」の攻撃は庇うのが難しいわ
だから、アタシは行列参加者に防音性に優れた布製のヴェイルを手持ちのミシンや糸を使って作り配布して守ろうと思うの
「防具強化」は得意なの
それに…えっと、ツノカクシ?だっけ
作るついでにこの地方の衣装の意匠、教えてもらえないかしら
アドリブや他猟兵、一般人との対話大歓迎
「もうすぐここに花嫁さんが来るんだよね? いいなー、綺麗なんだろうなー♪」
「ん、おーっ! 花嫁さん、綺麗、綺麗!」
翅をぴんと伸ばした橙色髪の妖精と小さな妖狐の少年が並び、瞳の上に掌を当てて遠見のポーズ。
ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)と、猫のぬいぐるみを抱いたリュヌ・ミミティック(妖狐の竜騎士・f02038)は、遠くに見える行列に手を大きく振った。
「あなた達、アタシは少し花嫁さん達を護るためにお話してくるわ。ここは任せて良いかしら?」
リダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)は二人に尋ねながらも、既に道を歩みだしている。
「ん、おー! ここは、任せて! 悪いやつは、たおし、ちゃ、うよ!」
「ええ、幸せを邪魔するオブリビオンなんてボク達が蹴散らしちゃうよ!」
天真爛漫な二人は素直に頷いて、黒い風鈴達に向き直る。
小さくたって、幼くたって、女の子はいつだってレディ。
花嫁にだって憧れちゃう。
「さあ、来なさいっ、ボクが相手だよっ!」
そんな憧れを、過去の記憶なんかに砕かせてたまるものか。
りん、りーん。
重なる音は不吉を呼ぶ。
過去に倒れたモノを呼び覚ます、悲しい音。
小さくたって、幼くたって、ティエルも猟兵。
その小さな体を生かして、亡霊の伸ばした腕を避け、躱し。
「ん、さくっと、たおさせて、もらう、ね!」
小さな妖精に翻弄された敵群を、リュヌの狐火が薙ぎ払う!
「た、あっ!」
亡霊をすり抜けて。ティエルの向かう先は、兜風鈴だ。
「リュヌ!」
「ん、おー!」
一気に踏み込み近づいたリュヌの肩を蹴り、勢いを保つティエル。
竜槍を突き出したその先に、ティエルはレイピア型の獣奏器を降り落ち――。
上から、横から。
風鈴を叩き割る!
「次、行こうっ!」
「ん!」
何しろ、敵の数は膨大だ。
小さな妖精と、小さな妖狐は亡霊達に立ち向かう。
この先には、大切な大切な日を迎える人達がいるのだから、通すわけにはいかないのだ。
響く雅楽の前に、立ちふさがるリダン。
今回の敵の、特に『音』は庇う事が難しい。
餅は餅屋。
戦闘が得意な人には戦闘を。
アタシはアタシにしかできない仕事を。
江戸幕府より与えられた、『天下自在符』を見せれば話は聞いてもらえるだろう。
「こんにちは、少し止まって貰えるかしら……そうね。でも、雅楽の調べは止めずに聞いて貰えるかしら?」
せっかくのお祝い事を、壊したい訳じゃない。彼女たちのお祝いは、お祝いのままにして欲しい。
リダンは防音性に優れた布製のヴェイルを手早く彼らに手渡すと、被る様に声を掛けた。
防御強化は得意なのだ。
「結婚おめでとう。心からお祝いするわ。……ツノカクシ? だっけ、この地方の衣装の意匠の話、聞かせてもらえないかしら?」
「……ええ、もちろん!」
オブリビオンが現れたと聴き、少しばかり顔色を変えた旦那に比べ、お嫁さんは堂々としたものだ。
ああ、気丈なお嫁さんだ、彼は尻にひかれてしまうかもしれないな。
でも、やっぱり良いわね、結婚式って。
少し前にアックス&ウィザーズでの結婚式も見たけれど。
やはり、別の世界の衣装は刺激になる。
ファッションブランド・GOATiaのデザイナーとしては、やはり美味しい題材だ。
リダンは首を傾ぎ。
花嫁にふふ、と笑いかけた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
秋稲・霖
幸せに肖れるとか最高っしょ!
うまいもんもいっぱいあんなら尚更
っつーわけで、とっとと無粋な奴は倒して楽しもーぜ
…雨とか降んないと良いなあ、狐の嫁入りってだけに
敵がいっぱいいんなら、俺も攻撃に回るぜ
俺の周りを舞ってる紙人形達──式神が武器、この世界にふさわしそーな、陰陽師ってやつなんだわ、俺。一応
つよそーなやつが出てきたら怖いし、そん時雑魚残ってたらめんどーだし
露払いは任せとけ。攻撃の技能フル使用して、敵が強くなろうがなんだろうが俺の式神が全部燃やしてやる!
あー…ハレの日っつーんでしょ、こーゆー日
やっぱそんな時に悲しい顔とか見たくないだろ、みんな笑顔でいて欲しいって感じ!
※アドリブ歓迎です
鼠ヶ山・イル
きつねの嫁入りかあ、目出度いじゃん。雨降りながら晴れてたりする?
それに風鈴おばけ、ね。花嫁行列の賑やかしなら丁度いいのにな。
んじゃお掃除しましょうかねっと。
オレの魔法、ちょっと受けてみなって。
「ある作家の感動を、お前にも与えてやるよ。喜べよ?」
昼顔の矢で、このしゃらくさい風鈴どもを丁寧に撃ち落としてやるよ。
……行列には、あんまり近寄らない。
大事に大事にされてる花嫁さん見ちまうと、オレ、
……欲しくなっちまうかも。
コノハ・ライゼ
おやこれまた縁起の良い
イイネ、喜ばしいのはとても良い香り
無粋な輩にゃ一匹残らずご退場願いマショ
【WIZ】わんさか居るならコイツの出番だ
【彩雨】発動、広範囲へ氷の針を降らすヨ
【高速詠唱】で手早く次々降らせたいねぇ
ああそう言えば、天気雨も狐の嫁入りというよねぇ
祝い事にふさわしく、虹色の水晶針の恵みを受けるとイイ
花嫁行列は勿論仲間にだって傷ひとつ付かない方がイイよね
余程は無いと思うケド
危険がありゃ【かばう】で身の安全を確保
ボクは【激痛耐性】があるから全然ヘーキ
ああでも不思議だネ
なんだかとても懐かしい気がするヨ
(サムライエンパイアの出ですが記憶がありません)
揺れる風鈴の数は数多く。
呼び起こされた亡霊が、武器を片手に。
ヒヤリとした空気を撒き散らしながら鼠ヶ山・イル(アヴァリティアの淵・f00273)に迫る。
その横から庇う形で駆け込んだコノハ・ライゼ(空々・f03130)が柘榴の名を付けた石刃を振り下ろして、霊を霧散させた。
ありがと、と零すイルに、ドーいたしまして、なんてコノハが応じ。
「しっかし狐の嫁入りかあ、目出度いじゃん」
「イイネ、喜ばしいのはとても良い香りだねぇ」
ゆらり揺れる風鈴の動きは、統率されたモノとはとても呼べぬ。
しかしそれでも、数だけは居るもので。
コノハとイルは、遠く聞こえる笛太鼓の音が同じ位置で留まっている事に気がついた。
それは戦う術を持たぬモノが、過去と戦う方法なのかもしれない。
喜ばしい日を、悲しき日にしないために。
花嫁行列もまた、『おまつり』を諦めはしていないようだ。
「んじゃ、喜ばしい日に相応しくない奴らはお掃除しましょうかね」
瞳を細めたイルは、この風鈴達も花嫁行列の賑やかしなら丁度良かったのにな、と付け足して。
「ある作家の感動を、お前にも与えてやるよ。喜べよ?」
朝の陽光に目を細め、闇夜に瞼を閉じるまで。
イルは魔導書を捲り、囁いた。
――花弁に浮いた雫が、ほたりと落ちる。
昼顔の矢が、風鈴を次々に貫き落とす。
「全部倒せば、うまいもんも一杯あるんだろ? 幸せに肖れるとか最高っしょ!」
その横を紙人形――式神を周りに舞い纏わせた妖狐の陰陽師。
秋稲・霖(ペトリコール・f00119)がすり抜け駆け、陽気に笑う。
その幸せに肖るためには、しなければいけないことはまだまだ在るけれど。
「露払いは任せとけ、っと!」
指で指示を出すと、紙人形をがペタペタと風鈴に貼り付き回る。
全部綺麗に燃やしてちょーだい。
大きな音を響かせ、青紫色の炎に巻かれて爆ぜ割れる風鈴。
「こーゆー日のコト、ハレの日っつーんでしょ? ……雨とか振んないと良いなあ」
「ああ、天気雨も狐の嫁入りというよねぇ。――でもアレは吉兆の現れらしいヨ」
祝い事にふさわしい、虹色の恵みを。煌めくアメを、ご堪能あれ。
立ち向かってきた亡霊ごと、太陽を透かし、色彩を煌めかせる氷針が風鈴達を貫き割る。
しゃら、しゃら。
割り砕けた氷と風鈴が混じり、ひどくキレイな音を立てる。
一匹、コノハの針が割り損ねた風鈴にぺた、と式神を貼り付け爆ぜさせた霖は、肩を竦めて笑う。
「そっか、吉兆か……」
遠く響く囃子の音。
彼らはまだ、結婚式というお祭りを、絶望に塗り替えては居ないのだ。
「こんな日に、悲しい顔なんてみたくないもんな! とっとと無粋な奴は倒して楽しもーぜ!」
な、と。更に式神を展開する霖。
「そうだねェ。お祝いの余興としては無粋だが。場の盛り上り的には悪くナイ」
忘れられぬ結婚式になるであろう。
くくく、と愉快そうに笑って更に掌を広げたコノハは、少しだけ空を見上げた。
空の色は青。
ああ、不思議だな。
なんだかとても、とても、懐かしい気がした。
鼓膜を震わす、祭囃子。
それは、祭りの中心人物が愛されている証拠。大切にされている証拠。
「……」
魔法書を握る手に、少しだけ力が籠もるイル。
ああ、音が聞こえなくなる程に戦闘に没頭しよう。
あの音は、大事に大事にされている音。
知らないでいたい、見ないでいたい。
欲しくて、欲しくて、狂ってしまいそうになるくらいならば。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
斎部・花虎
晴れがましい日だ、門出の刻だ
花嫁行列の無事、おれたちで護ってやらねば
そうして少しだけ、笑う
目出度いものは嫌いじゃないんだ
己が影より虎のかたちをした【影の追跡者の召喚】
――さあ征け、その牙で砕いて仕舞え
闇色の背を撫ぜて送り出す
風鈴の音が止むまで帰ってくるなよ
とろり双眸眇めながら
黄泉より出でし死者の霊には破魔で対抗を
嗚呼、嗚呼、哭くんじゃない
それはあまりにもおれたちを苛む――それに、縁起が宜しくない
再び根の国にて眠りに就け
影の虎と共に駆け、風鈴を調子よく割れたら上々だ
幸せなふたりに、まだ彼岸は遠くて良いんだ
周囲も見回しつつ、他者の援護が可能であれば行おう
破魔が通じる様であれば防御の加担を
ルシオラ・セレナディウム
花嫁! 花嫁行列……! 憧れですわ。
いつか、わたくしも綺麗なドレスを着て、愛しいあの方と素敵な婚儀をあげるのです。
もし邪魔をする者がいたとしたら千年呪っても呪いきれないですわね。
何としても花嫁行列を邪魔をする者たちは阻止して差し上げなければ。
とはいってもわたくし、荒事は得意ではありませんの。
ですから仲間のサポートをしたいと思いますわ。
“生まれながらの光”で傷ついた仲間を癒して、より長く戦場に立って頂けるようにし、敵をどんどん倒して頂こうと思います。
疲れすぎて倒れそうになっても、わたくしのドールのシュエットが支えてくれるはずですわ。
シュエット共々、参列するのに相応しい服で参りましょう。
岡森・椛
花嫁行列、とても素敵…!
実際に見てみたかったの
なによりも、せっかくのハレノヒが悲しい日になったら駄目だもの
私の力をこんな風に使えるなんて嬉しいな
行列が兜風鈴の群れに届かない様に現地へ急ぐ
敵と行列の間に挟まる様な位置での交戦を心掛けると安心かな?
鳴り響く風鈴の音に注意して、敵の動きを予測する
不意を突かれないように周囲もしっかりと警戒
敵の数が多いから周囲の人たちと声を掛け合って連携したいな
連携した人には有難うとお礼する
敵の死角を意識しながら【影の追跡者の召喚】で攻撃
倒せそうな対象>味方が攻撃した対象>手近な対象
の優先順位で攻撃して、迅速に数を減らしていく
確実に命中させてどんどん倒していけるといいな
嗚呼、晴れがましい日だ、門出の刻だ。
遠くに見える行列は止まってはいるが、祭囃子は続いている。
「向こうに見えるのが花嫁行列ですわよね?」
いつか、わたくしも綺麗なドレスを纏って、愛しい愛しい婚約者と素敵な婚儀を。
憧れの交じった視線に、鉱石の瞳を輝かせるルシオラ・セレナディウム(紫の星月夜・f05931)の言の葉。
「わあ……、とても素敵……!」
実際に見てみたかったの、と岡森・椛(人間の精霊術士・f08841)が感嘆の声を漏らして。
「折角のハレノヒが悲しい日にならないように、頑張らなきゃ……!」
オブリビオンと戦う力を素敵なモノを護るために使える事に、嬉しさとが緊張が入り交じる。
ちりんと揺れた兜風鈴に、椛は影の追跡者を纏わせ。
「花嫁行列の無事、おれたちで護ってやらねば」
杖をぎゅっと握りしめる椛に。碧翠の眸を伏せた斎部・花虎(ヤーアブルニー・f01877)は雰囲気を和らげて、少しだけ笑った。
目出度いものは嫌いじゃない。
ふ、と細く息を吐くと花虎は一気に踏み込んだ。
風鈴の召喚した亡霊の間合いの一歩手前で急制動をかけると、逆水平に薙ぎ払われた亡霊の槍を上体を前に屈めるようにして避け躱し。
そのままサイドステップに繋いで。握りしめた縛霊手――甕星を叩き込むと、亡霊と風鈴ごと砕き潰す。
更にステップ、虎色が跳ねる、揺れる。返す手でもう一体。――叩き壊す!
仲間が潰されたりん、と震える風鈴。
嗚呼、嗚呼、哭くんじゃない。
ぞわぞわと背を震わせ、頭に響く音。
音が刃と貸す。
一番近くに居たぷつん、と花虎の肌が爆ぜるように切れ、血が溢れ落ちる。
「それ以上は、させないよ!」
脳を震わせる音は、背筋が怖気を掻き立てる。息を飲んで杖を振るった椛から、魔力が膨れ上がった。
その瞬間、まさに『影』より。
影の追跡者が、音を立てる風鈴を叩き壊す。
音より解放された花虎が、小さく吐息を漏らしてから――。
「征け」
闇が溶け駆けた。
「わっ」
椛の真横に迫っていた亡霊が、花虎の影によって噛み砕かれ。
「……有難うっ!」
お礼を言いながら椛が、返す手で杖を本体の風鈴に叩きつけると、割り砕く。
しゃらしゃらとこぼれ落ちる欠片。
「お二人とも、大丈夫ですのっ?」
ルシオラは決して荒事は得意では無い。
だからこそ、全力で皆の支援を行おう。
輝く光は皆を癒やし、傷を塞ぐ。
倒れそうになれば、シュエットも居るのだから。
糸を引くと風鈴の音からルシオラを護るように、その黒い外套に彼女のセレナディウムの体を覆い隠すパペット。
「ええいっ!」
椛が一気に影を放ち、敵群を薙ぎ払い――。
例えば、ルシオラの婚儀を邪魔をするものが居たとしたら。
ルシオラは何千年呪っても、呪いきれないであろう。
「……さあ、その侵略行為、阻止して差し上げますわ!」
「ああ、幸せなふたりに、まだ彼岸は遠くて良い」
再び、根の国にて眠りに就くが良い。
花虎は眸を眇めて。
「うん、がんばるっ!」
魔力を膨れ上がらせた椛が、大きく頷いた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
クリストフ・ポー
花嫁行列に先回りして兜風鈴を強襲するよ!
風鈴は一つだと風情がある素敵な音色だと思うけど、
こうも数が多いと耳障りでしかないねー。
「おまけに嫁入りの邪魔とは「馬に蹴られろ」案件かな?」
速やかに、クイックリーに、さっぱりと…
埒が開かないなら、埒を開けよう
って、誰の言葉だったかなー?忘れちゃった☆
「踊ってくれるかい?アンジェリカ」
【ブラッド・ガイスト】を発動
アンジェリカの封印を解き殺戮捕食態にして戦う
エスコートは無論僕だ!
「僕の花嫁も強くて美しいだろう!」
君等には充分、いやもったいないぐらいにエレガントだね
アンジェリカの刃を存分に堪能してくれたまえ♪
メヤ・トゥスクル
花嫁行列、みたことない、けど。
きれいなものなら、いちど、見てみたいかな。
きっと一度きりのたいせつな思い出で、壊したら、だめなものだから。
起こして、ごめんね。鳴り止んで、くれるかな。
元の場所に、還って、くれますか。
ここは、生きている人たちの、世界だから。
つれていこうと、しちゃだめだよ。片道切符を切るには、まだ早いから。
WIZ重視
……僕も、ちゃんとたたかえるかな。
【サモニング・ガイスト】「――来て、くれますか。」
【炎】や【槍】が、風鈴の音を、鳴り止ませてくれますように、
だれかの悲鳴は、かなしいし、嫁入りには、にあわない。
*アドリブ、ほかの人とのふれあい、嬉しい。
玖・珂
慶事とあらば護らねばなるまい
過ぎた音色が二人を分かつ権利などないのだから
しかし斯うも数が多いと
先ずはこれを討って、こっちを討つ
次へ征く軌道上であれを討ち
そこのを討つ序にあちらと衝突させて討つ
などと効率良い倒し方は無いか考えてしまうな
いずれにせよ時間を掛けている暇はない
片目に花が開けば
手近な風鈴に黒爪を立てて砕いてゆこう
――祝いの鐘にしては、些か悪趣味ぞ
彼岸と此岸の違いは何であろうか
骸の海を認識するほど曖昧になってくる
「花嫁行列、ここだと、みえないな」
風鈴の音に混じり。
遠く響く神楽は聞こえど、姿は見えぬ。
メヤ・トゥスクル(憑代・f09104)は、シユを抱えて。またあとで見れるかな、なんて考える。
綺麗な物なら一度見てみたい。
きっと、二人の一度きりの大切な思い出なのだろうから。
「たいせつなものは……壊したら、だめなものだよね」
小さく呟くメヤの前に、振りかざされる亡霊の槍。
「――踊ってくれるかい、アンジェリカ!」
クリストフ・ポー(美食家・f02167)の願う言葉に応じて、まるで踊るように亡霊を断ち切るからくり人形。
――アンジェリカ。
「しかし、嫁入りの邪魔とは『馬に蹴られろ』案件だねー」
封印の解かれた彼女をエスコートするのは、クリストフしか居ない。
黒檀の髪を靡かせて。
指先に結んだ操り糸を引き絞りながらクリストフは肩を竦める。
「そうだな、慶事とあらば護らねばなるまい」
過ぎた音色が、二人を分かつ権利などないのだから。
黒爪の名の通り、十指を覆う鐵の装甲。
玖・珂(モノトーン・f07438)が頷きながら、黒爪で風鈴を薙ぎ払う。
「それにしても、数が多いな」
どうにかして、動線を結んで敵を効率よく討つ事は出来ぬものか。
等と考えを巡らせては見るが、時間を掛けている暇は無い。
花嫁行列は、そこに迫り、待っているのだから。
「起こして、ごめんね。でも。……鳴り止んで、くれるかな」
メヤの声。
彼らの居るべき場所は、現代では無い。
過去から呼び覚まされた風鈴達も、風鈴の呼ぶ亡霊たちも。
「でも。ここは、生きている人たちの、世界だから。つれていこうと、しちゃだめだよ」
――来て、くれますか。
メヤが願いを籠めて呼び出すのは、古代の戦士の霊だ。
同じく過去に沈み、過去に沈むべきモノ達を鎮める、過去の戦士。
「片道切符を切るには、まだ早いから」
りん、と切なく揺れた音が、戦士の炎に立ち消える。
嫁入りに相応しくない、悲しい声を響かせないように。
僕もちゃんと、たたかえているかなあ。
そこにりん、とひときわ大きく響いた音が重なった。
鼓膜から、体の奥から、脳の中をかき混ぜるような居心地の悪い音。
「過ぎた音色は、――祝いの鐘にしては、些か悪趣味ぞ」
珂は白いロングケープを揺らして、鋭い呼気と共に重心を低く落として構え。
強く引いた腕で、大きく範囲を掬うように黒爪を叩き込む。
珂の囁きに重ねて刃を振るったのはクリストフのからくり人形、アンジェリカだ。
剣を掲げた亡霊を断ち切り、身を震わせて音を響かせる風鈴を断ち切り。
「どうだい、僕の花嫁は強くて美しいだろう!」
いやあ、敵には勿体無い程にエレガントだと、自身も踊るようなステップを踏みながらクリストフは笑う。
「速やかに、クイックリーに、さっぱりと。――埒が開かないなら、埒を開けよう!」
誰の言葉だったかなんて、忘れてしまったけれど。
「さあ、踊ろうアンジェリカ!」
「一体一体は酷く脆いようだし、……地道に潰すしかあるまいか」
地道な動きこそ、一番効率の良い動きとなろう。
観念したように呟く珂の片目に、ピキと音を立て花が開く。
――さようなら。
珂を養分とする花は、命を削り。珂の身体能力を、戦闘能力を膨れ上がらせる。
「過去に沈め」
嗚呼。
彼岸と此岸の違いは何であろうか、骸の海を認識するほど曖昧になってくるようだ。
りんりんと響く風鈴の音は、酷く耳障りであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
ビッグ・サン
風鈴の音で死者を呼ぶ技に興味をひかれて依頼を受ける
「風鈴が亡者を呼ぶのなら、先にこちらで呼んでしまいましょうじゃありませんか」
花嫁行列より少し先でビッグが呪文を唱えると、ぼこぼこと地面が盛り上がり、亡者が姿を現した。
半ば腐ったもの、骨だけのもの、実体を失った亡霊、そういったものを引き連れて風鈴たちに向かっていく。
死体を呼ぶもの同士の死体合戦が始まる。
「風鈴が亡者を呼ぶのなら、先にこちらで呼んでしまいましょうじゃありませんか」
ふわふわと浮くウサギのぬいぐるみに、風船を手に持った少女――の、人形が淡々と呟いた。
ウサギのぬいぐるみに被せた、ヒーローマスクのビッグ・サン(永遠を求める研究者・f06449)は風鈴達を尻目に、地に掌を寄せる。
安らかなる眠りより覚めよ、死者ども。
そしてそして朽ちたる肉体に宿る苦しみから逃れたくば、――我が命に従え。
ビッグの呼びかけに。声も無く、蠢きながら。
地から這い出す、小さな亡者たち。
ちりん、りん、りーん。
不気味な音を重ね響かせる風鈴が、呼び出した亡霊へと。ビッグの呼び出したアンデッド達が殴りかかっては、その場で崩れ、地へと帰ってゆく。
「さて。風鈴くん達の亡霊と私のアンデッド、どちらが強いでしょうかね?」
表情の変わる事の無いウサギのぬいぐるみは、少女の人形を侍らせた侭。
再び地面へ手を翳し――。
成功
🔵🔵🔴
戒原・まりあ
折角の慶事、穢される前に片付けなくちゃ、ね。
白無垢の花嫁にも黒紋付の花婿にも、赤い血は不似合いよ。
霊には霊を。召喚された黄泉の国の霊に、【サモニング・ガイスト】の炎と槍とをぶつけるわ。
その間に風鈴の方へ媒介道具からの【衝撃波】を放つわね。
呼び出し続けられたら敵わないもの、どちらも叩かなくちゃ。
悲鳴や風鈴の音は、自分の声でかき消すか、【オーラ防御】で防ぐか、できないかしら。
静馬・ユメミル
過去は未来を邪魔しちゃいけないみたいですよ
猟兵ってそういうものらしいです
【つぎはぎウサギのベイン】にかかった【封印を解き】静馬さん全開です
幽霊みたいな【騎士】さんと、骨しか残ってない【蛇竜】さんを【リザレクト・オブリビオン】で呼び出します
見た目悪いけど、静馬さんには、いい人たちです。都合の
禍々しい剣と刺々しい牙を振りかざし、仲良し連携【2回攻撃】で風鈴割りに興じてもらいます
自分は戦えないので風鈴の音が届かないぐらい離れておく
あ。静馬さん、応援しているので
それでも傷ついて2人が消えたら最終手段
うさぎのベインに【呪詛】を込めて、敵に投げます
これが静馬さんの知性ですよ
一人称:静馬さん
アドリブ歓迎です
「折角の慶事ですもの、穢される前に片付けなくちゃ、ね」
白無垢の花嫁にも黒紋付の花婿にも、赤い血は不似合いだ。
黒髪を揺らした戒原・まりあ(御名を呼ぶ・f00556)は、桃色の瞳を小さく伏せて言い。
「はい、過去は未来を邪魔しちゃいけないみたいですし、阻止はしなければいけないです」
どこか他人事のように応えた静馬・ユメミル(くもりぞら・f09076)は、つぎはぎで修繕されたウサギのぬいぐるみを掲げた。
ちりん、りん。
音を立てる季節外れの風鈴。
一瞬の間。
呼び起こされた亡霊がまりあを睨めつけ、武器を振り上げた。
「あら、不躾なお方。ご挨拶の方法もしらないのかしら」
「わあ、危ないですね」
まりあがのんびりと肩を竦め、ユメミルものんびりとした口調で。
つぎはぎのウサギのぬいぐるみ――ベインに封じられた力を解放する。
「出て来て下さい、騎士さん、蛇竜さん」
ユメミルの召喚に応じた死霊騎士と、骨の蛇竜が亡霊へと食らいつくように得物を振りかざした。
ごう、と鈍い鈍い轟きを響かせて。
騎士の禍々しき剣筋が亡霊を掻き消し、蛇竜が本体の風鈴を噛み砕き。
「あら、ありがとう。助かったわ」
「いえいえ、どうせ倒すものですし。まりあを助けて、彼らも多分喜んでいますよ。見た目悪いけど、静馬さんには、いい人たちですし」
都合の、と付け足すユメミルはやはり何処か他人事。
「そう、では二人にもお礼を言わなければいけないわね。……ありがとう」
「それはそうと。あの二人を呼んでる時って静馬さん、戦えないのですよね」
まりあの礼に対して、応援してまーすと、両手を振ってから音の聞こえない範囲まで逃げようとするユメミル。
音は、どこまでも追いかけてくるもので。
「あら」
りん、と大きく響く音。ユメミルも例外では無く――。
「あー」
まりあが古代の戦士を呼び出し、音を発した風鈴本体壊すも、間に合いはせず。
攻撃を受けると消えてしまうユメミルの騎士達は、敢え無く溶け消え。
「……仕方無いわね、一緒に戦いましょう。あなたも守ってあげるわ」
「それはとても、静馬さんも助かります」
まりあの提案に都合がよくて、とは付け足さなかったが、ユメミルの赤い瞳は悠々と語っている。
ウサギのぬいぐるみを抱き直すと、ユメミルは前を向き直り。
「少し試してみたい事もあるのよね、攻撃は任せたわ」
「わかりました、やってみましょう」
まりあが首を傾ぎ、ユメミルが頷いた。
オーラ防御で音は防げぬだろうか。
試してみる価値は、きっとあるだろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
絢辻・幽子
ふさふさの尻尾と、いつもはしまっている狐耳もゆらゆらと
狐の嫁入り、ですか…ふふ、あこがれますねぇ
とっても大事な式を台無しにされては困ります。
えぇ、とても困ります。同じ狐のよしみとしても、ね。
鳴るモノは、ぎっちぎちに縛ってしまえばよいのです
封じてしまえばよいのです。
風鈴ならば、舌をお椀の部分に当てなければ音は死ぬはずです。
あなたのお口が他にあれば別ですが……
私の拷問具の糸は紐ですから、まぁ首吊りの、ですけど
それに私のからくりもおりますので
子どもが蝶々を捕まえるようにあなたを捕まえてあげましょう。
両手の指で足りないくらいいるのなら、できるだけ
連携を心がけるのもよさそうでしょうかね。
ユト・リーィング
こりゃ、同じ狐として手助けしなきゃなんねぇな?
邪魔するやつは・・・狐の騎士がお守りしますよ。
風鈴とか今の時期ないっしょ!
潰してやるぜ!
大剣を振り回して【 突き刺し】したり【 怪力】で振り回します。
よっしゃ1匹!2匹!
数えながらガシャガシャ潰していく。
攻撃こそ防御なり!
二人の大きな狐尾と、耳が揺れている。
厳かに響き続ける囃子の音は、途絶える事が無く。
「ふふ、あこがれますねぇ」
絢辻・幽子(幽々・f04449)がクマの目立つ目元を細めると、暗い色のワンレンボブがゆらゆら揺れ。
蜘蛛の糸の名を持つ紐を、ぎゅうと引き絞った。
狐の嫁入りだなんて、なんて良い響きなのだろう。
普段は閉まっている耳を出してしまう程には、同族意識を覚える響き。
とってもとっても大切な同胞の式を台無しにされる事は、けして気分の良い事では無い。
「こりゃ、同じ狐のよしみとして、手助けしなきゃなんねぇな」
剣を握ったユト・リーィング(妖狐の剣豪・f00959)は、幽子と背中合わせで勝ち気に笑う。
「大切な式は、狐の騎士がお守りいたしましょう!」
「なら、私は邪魔なものを封じてしまいましょうか」
鳴るのならば、縛ってしまえば良い。
指先に紐づくからくりの糸、首吊り用の拷問具の紐。
まるで、子供が蝶を捕らえるように。
幽子が腕を交わして指先を引けば、からくりが駆ける。
「っしゃ、季節外れの風鈴なんて、ぶっ潰してやるぜ!」
幽子のからくりが捉えた風鈴を、ユトは力任せに剣を振り回して叩き潰し。
「いっぴ、きめっ!」
踏み込む。
そのまま身を捩って旋回すると、返す腕で逆袈裟斬り。
「っしゃ、二匹目っ!」
「後ろです」
幽子の小さな声音に重ねて。
りん、と一瞬舌を震わせた風鈴を捕らえる、首吊り用の紐。
もちろん椀に舌を当てなければ、風鈴は鳴らす事が難しくなる。
彼女の絡みつかせた紐は、ギチギチに風鈴の動きを封じ込めているようで。
「あなたのお口は、1つみたいですね」
舌を縛り上げてしまえば、当然。風鈴は静かになった。
もちろん、咎力封じの効果もあるのだろうが――。
「サンキュー! さんびきめっ!」
礼と共に。円を描いて剣を振るうユト。
がしゃん!
ユトの一撃は、幽子の捉えた風鈴が弾け割れた。
ああ、テンションの煩い人と組んでしまったなあ、と。幽子の桃色の瞳が語る。
「攻撃こそ最大の防御っ!」
そんな事つゆ知らず、ユトはからからと笑って。
更に敵へと向かって、駆け出した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジェイクス・ライアー
これがただの風鈴であれば、婚姻を彩る風流な光景だっただろうに。
婚姻の場にそぐわぬ招かれざる客にはご退場願おう。
【SPD】
本来ならば愛銃を使って始末したいところだが、銃声が行列に聞こえてしまうのも無粋だろう。なるべく音を立てずに、始末したいところだ。迅速にな。
【指輪に仕込んだ鋼糸】で風鈴一体を絡めとり、他の風鈴にぶつけて攻撃するのはいかがかな。ガラスの砕ける音くらいなら、行列までは届くまい。
音での攻撃は厄介だ。事前に敵情報を入手しているのであれば、耳栓を予めつけて多少でも威力減少に努めたい。
アドリブ歓迎
オブシダン・ソード
いやぁ、風流な音色だね。でもそういうのは、祝福的なやつだけにしてほしいな
人の結婚に横槍入れるもんじゃないよ?
それじゃ僕はどかーんっていうかずばーっといってみようか
錬成カミヤドリ
黒耀石の剣の列を召喚するよ
せっかく風鈴鳴らしてくれてるからね、音色の聞こえるところに向かってぶんぶんさせてもらおう
木々の合間を縫えるほど精密に操る自信はないけど、やってみようの精神
取りこぼしは自分の手と足と本体(黒剣)で潰していこう
行列が来る前になるべく減らせると良いなー
あとは面白そうなことしようとしてる人が居たら乗っておく
がんばれがんばれ(鼓舞)
アドリブ等歓迎です
「いやあ、風流な音色だね。これが、祝福的なやつなら最高だったのに」
「そうだな。これがただの風鈴であれば、婚姻を彩る風流な光景だっただろう」
フードを目深に被ったオブシダン・ソード(黒耀石の剣・f00250)の言葉に応じながら。
いかにも紳士然とした立ち振舞いのジェイクス・ライアー(素晴らしき哉・f00584)は耳に耳栓を詰め終えたその指で、ワイヤの仕込まれた指輪に触れる。
「人の結婚に横槍を入れるのは、あんまり気分の良いもんじゃないよね」
両掌を合わせたオブシダンは、遠くの目には見えぬ行列の囃子に耳を傾け。
「婚姻の場にそぐわぬ招かれざる客にはご退場願おう」
小さく頷いたジェイクスがワイヤを口端に一瞬咥えると、一気に放つ。
一体の風鈴を絡め取ったワイヤを、そのまま他の風鈴に叩き込み――。
ぱりん、とガラスとガラスが叩きつけられる綺麗な音が、小さく生まれた。
この程度の音であれば、行列まで響く心配も無いだろう。
「じゃ、僕はずばーっといってみようかな」
オブシダンが言葉を紡げば、掌に魔力が揺れる。
ヤドリガミたる自らの本体を撫ぜ、魔力が小さく渦を巻かせて。
イメージする、自らの形を。
イメージする、空中に浮く刃を。
オブシダンの周りに、濃い魔力の匂いが漂い。
パキパキと音を立てながら。
黒耀石から削り出した原始的な剣が、幾本も空中に錬成される。
生まれた刃は、全く同じ形の剣が十数本。
「念力はとても得意って訳じゃないけれど、やってみようか!」
唇を勝ち気な笑みに歪めた彼は指揮をするかのように、鼓舞に自らを奮い立たせるように。
自らの掌で握りしめた本体で、風鈴の音先を示すと、幾本もの剣が空中を駆け奔る。
その横で、ワイヤを使いゆっくりと風鈴を破砕するジェイクス。
「……もしかして、音を殺して倒そうとしてる?」
「ああ、私の愛銃だと少し音が大きすぎるものでな」
オブシダンの質問に、朗と応えるジェイクス。
愛銃を使うよりは、手間もかかりはするが。折角のめでたき門出の日に銃声を耳にさせるのは、酷く無粋に思えたのだ。
へえ、とオブシダンは相槌を一つ。
剣を操り、風鈴を叩き斬りながら。
思いついたように、ジェイクスへともう一つ尋ねて見せた。
「僕の本体なら。きっと音を殺していても、ワイヤーよりもっと効率良く敵を倒す事が出来ると思うよ」
タタリガミたるオブシダンは、ヒトの体を得ながらも。
誰かの望みを叶えるモノとして、一つの武器として振るわれることを望んでいる。
彼の持つ矜恃を理解した。
ならば、君が望むのならば、僕が君の剣になろう。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
星宮・亜希
好きな子がいる身としては人の結婚を阻止するなんて絶対に考えられないですね!
普段はグリモアベースに引きこもってばっかりですけど、ここは私が出るしかないですよ!
「人の恋路を邪魔する奴は……馬に蹴られて骸の海に堕ちなさい!」
まずは台詞と共に『槍投げ5』を使って、できれば複数の風鈴達を一直線に『吹き飛ばし2』ます。
敵が風鈴の音を鳴り響かせるとしたら【疾風怒濤】を状態異常特化で使用。
流れている風の動きを意図的に止める事で相手の風鈴が鳴り響く事を阻止します。
後は飛び交う風鈴達を『空中戦3』を展開し、アッカで各個撃破します
もし行列へ攻撃が危害が及びそうな場合は、『オーラ防御8』を使用します。
ミシェル・キャリバン
「花嫁行列! いいじゃあないか、結婚、幸せなふたり、良いねぇ」
女の死骸を動かし愛に生きる黒粘体。日傘を差して顔を隠し、花嫁行列が隘路に差し掛かる前に風鈴たちを潰しに行く
◆無粋だね、と零して、女は掌や足元から幾条もの黒い粘体の触手を放ち、邪魔な風鈴を撃ち落とす。鳴る時間が長く、行列に近しい風鈴から潰す。触手で風鈴を貫ければ、内部より燃やす
◆甲高い音が響けば、触手が間に合えば潰すが基本回避を優先。黒い粘体を使って女の身体を風鈴より遠ざける。死んだ女の方が大事なので
◆花嫁行列が来る前に戦いが終われば行列をにたにたと見惚れ、見送り、そのあとを追うように歩く。歩いて、また風鈴が出れば倒す
英・明夜
せっかく、二人の目出度い門出なんだもん、戦うにしても、あんまり、こわーい感じにはしたくないよね。
ちょっと痛くても、大丈夫だよ!、って、すぐに笑顔を向けられるように、なるべく頑張るね。
近くに居たり、纏まってる兜風鈴が居たら、なぎなたでバシっと払って行くね。
囲まれないように気を付けて、出来たら、猟兵の皆と、背を預け合って戦えると良いな。
離れた場所に居る敵や、なぎなたを振り払った直後で体勢が整ってない時には、フォックスファイアでドーンとやっちゃうね!
猟兵たちで、調を奏でるみたいに、ぽーんぽんと行きたいねえ。
でも、どんな時でも、花嫁道中の皆が怪我をしないように、それを一番に注意しなくちゃね。
足止めを食う行列より、程近く。
ここより先を通る事は、風鈴達には叶わせはしない。
絶対に。
「ああ、いいじゃないか。結婚。幸せなふたり。……良いねぇ」
上品な黒いドレスに身を包み。
日傘を差すミシェル・キャリバン(弔い火・f09208)は、穏やかに呟いた。
自らの愛は、結婚や幸せな二人としての着地点は見えはしない。
しかし、だからこそ。人の愛や幸せは尊く感じるのかもしれない。
「……無粋だね」
そのような。愛を、幸せを汚す存在は、あまりに無粋であるようにミシェルは思う。
「戦うにしても、あんまりこわーい感じにはしたくないよね」
英・明夜(啓明・f03393)は薙刀を両手でぎゅっと掴んで、意気込みを瞳に宿して。
折角、二人のめでたい門出の日なのだから。
怖い思い出になんてしてほしくない、と。
そこに一気に飛び出したのは、星宮・亜希(双星の守護天使・f00558)の姿だ。
「人の恋路を邪魔する奴は……馬に蹴られて骸の海に堕ちなさいッ!」
亜希は、普段はグリモアベースに引きこもってばかりだ。
しかし、しかし。亜希には、好きな人がいる。
亜希は、人の結婚を邪魔する輩が居ると聞き、居ても立っても居られなくなったのだ。
咆哮とともに、星を模した聖なる槍を敵群に叩き込み。風鈴達が吹き飛び爆ぜ割れる。
「わっ、元気一杯だねぇ」
亜希の勢いにすこしビックリした明夜も、負けてはいられないと。
駆け込んだ勢いそのまま、流れるように薙刀で円を描く。
りん、と音が軽やかに響き、明夜の背の後ろに亡霊が現れ――。
「……!」
「少し、危ないよ」
ミシェルの黒くぶよぶよとした指先から黒いタールが一直線に伸び。
亡霊を貫き掻き消した。
「ありがと、うっ!」
小柄な上半身を前に屈めて。
ミシェルの一撃でかき消える寸前の亡霊の腕の下をすり抜けた明夜は、亡霊を呼び震える風鈴に頭から薙刀を叩きこむ!
ぐしゃ、と音を立てて空中から地に叩き込まれ、動かなくなる風鈴。
それでも幾多の風鈴はまだ無事な侭。
り、り、と舌を震わせはじめ――。
破壊も回避も間に合わぬ、と判断したミシェルは女の身体より大きく黒い粘体を膨らせて『自ら』を犠牲に『自ら』を庇うように。
「させませんっ! 風よ、――私を導いて!」
亜希が強化の言の葉を紡げば、膨れ上がる彼女の風の魔力。
風鈴を揺らす風を飲み込み、少しでも彼らが揺れる事を阻止するように。
り、り、り、り、り。
しかし、幾重にも重なる風鈴の音は風だけで揺れている訳では無い。
音が膨れ、脳を揺らす。
「う、うーっ、音が! 大きすぎるよっ!」
「全くですっ」
耳を塞いでも無駄なら、身体が痛めどもそのまま駆けよう。
薙刀を握りしめる明夜が放つ狐火と。オーラ防御を反射的に花嫁行列方面に張ってから滑空した亜希が、同時に敵群に突っ込んだ。
槍と炎が風鈴達の土手っ腹に炸裂する!
一瞬の間。
音が収まった瞬間に、ミシェルが幾本ものタールを槍状に変えて風鈴を貫いた。
「この身体を、……彼女を傷つけようとしたな」
低い声音、ミシェルは風鈴達を睨めつけて。
「元よりただで返すつもりはなかったが、――覚悟はいいね」
ずる、と黒いタールを震わせる。
ミシェルは敵軍を貫き、駆け回り。
遠目に心配してくれている様子の花嫁に気がつくと、明夜は大きく手を振った。
「……大丈夫だよ!」
ちょっといたくたって、平気。
いたくないって、笑えるよ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
ワン・シャウレン
晴れの場に黒い風鈴とは風情がないの。
出所を弁えられぬは無粋よ。
場所も自分で選べぬならばせめて、
わしの方で華々しく退場を手伝ってやろう。
行列に先行して風鈴の群れへと急行。
他の者もいれば協力姿勢。
ウィザード・ミサイルで風鈴の音のより五月蠅い敵か、弱っている敵から狙っていく。
まとめて当てれるようなら、それも積極的に狙う。
技能もスナイパーなど有用ならば活用。
霊の召喚に対しては距離を取りつつ、射撃継続。
ふん、数と騒々しさだけはそれなりじゃの。
砕き甲斐があるわ。
目的通りに数を減らしていっても油断はせず、
新手には注意しておくとしよう。
ペチカ・ロティカ
りん、りん、りん。
さすがにちょっとうるさいの。神聖さの欠片もないのね。
ペチカだって、花嫁行列とやらが見たいのよ。
【ブラッド・ガイスト】で武器の封印を解放
りんりんうるさいやつらを、音ごとがぶっと飲み込んでやるの。
うるさいやつらは閻魔さまに舌を抜かれちゃえばいいのよ。
…あら?舌を抜かれるのはうそつきさん?(まあなんでもいいの)
とにかく、ちょっとはしずかになったかしら?
(アドリブ・共闘歓迎)
「晴れの場に黒い風鈴とは風情がないの。出処をわきまえられぬは無粋よ」
柔らかい色の金髪がワン・シャウレン(潰夢遺夢・f00710)の動きに合わせて、ふんわりと舞った。
足取りはしっかりと。
りんと鳴いた風鈴を睨めつける視線。
「場所も自分で選べぬならばせめて、わしの方で華々しく退場を手伝ってやろう」
怒りに似た声音とともに魔力を膨れ上がれば、生み出された炎の矢が幾本も放たれた。
軽い音を立てて砕ける風鈴、耐え忍び身を震わせる風鈴。
りん、りーん、りん。
「……さすがにちょっとうるさいの。神聖さの欠片もないのね」
ペチカ・ロティカ(幻燈記・f01228)だって花嫁行列が見てみたい。
でも、この風鈴達が、邪魔をするならばそれどころでは無く。
ああ、りんりんりんりん。
命を灯されたこの身体を痛めつける、不快な音。
「もう!」
自らの血液を代償に、ペチカは武器の封印を解き放つ。
「うるさいやつらは閻魔さまに舌を抜かれちゃえばいいのよ」
舌を抜かれるのは嘘つきだっただろうか、うるさい奴らだっただろうか。
ペチカにとって、そんな事どっちでも良い事であった。
なんでもいいの、と大口を開けて風鈴を噛み砕き、潰す事には代わりが無いのだから。
「ちょっとはしずかに、なったかしら?」
「いいや、まだまだ」
ペチカに向かってりりん、と身体を震わせた風鈴を、亡霊ごと貫く炎の矢。
「ふん、数と騒々しさだけはそれなりじゃの。砕き甲斐があって結構じゃ」
仲間たちの動きにより、ずいぶんと風鈴の音が響く数も減ってきている。
しかし、まだ全てでは無い。
片足をあげて構えたワンが、周りを見渡し。
その背を護る形で立つペチカは、魔女を縛りつけた十字の杭をぎゅっと握りしめる。
さあ、あともうひと踏ん張りだ。
「お前、わしに合わせるのじゃ」
「お前じゃなくて、ペチカはペチカなの」
背を合わせたまま、二人は軽口を叩き。
「……ふうむ、失礼。ペチカ、合わせるのじゃ!」
「仕方ないのねえ」
爆ぜる炎の矢。
ワンとペチカは風鈴の群れに向かって、同時に駆け出した!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ギド・スプートニク
シゥレカエレカ(妻)と共に
花嫁行列か、なかなか興味を唆られる文化だな
>そうだな。尤も――
如何なる世界の花嫁とて、きみを前にすれば霞むものだ
……と胸中付け加えて
>同感だ。では悪魔祓いといこう
サムライエンパイアではこの手の魔物を物の怪と云うのだったか
個性的な見た目をしている
1匹くらい持ち帰ってみるのも面白いが、そうもいくまいか
ユーベルコードの炎の魔術にて70もの炎を生み出す
それを敵へ放つのではなく、空中へと静止させる
これだけ数が多ければ制御の必要もあるまいよ
後は任せるぞ、シゥレカエレカ
燃え爆ぜて消えよ
塵は塵に。亡霊は骸の海へと還るがいい
シゥレカエレカ・スプートニク
ギド(夫)と一緒に!
見て見てギド!この世界の花嫁さんも綺麗ね!
いすゞちゃんもちょっと自慢そうだったの、わかるわ
…でも、ギドが此処に連れてきてくれたの、うれしい
わたしはこういう、乙女の恋を邪魔するものが許せないの!
どんな世界でも花嫁さんの邪魔はしちゃダメなんだから
「さあ、どうか伏せててね」
「ちょっとお天気は荒れ模様!」
ギドのユーベルコードとわたしのユーベルコード、エレメンタル・ファンタジアの合わせ技!
ギドの炎を巻き込んで、わたしの大竜巻はもっともっと渦を巻くの
邪魔者は全部吹き飛ばしちゃえ!
…ギドがちょっと物欲しそうにしてたから、ちょっと念入りにね
動く鈴くらいならわたしでも作れるもん
山間に響く、風鈴の音も数を減らし。
皆より離れた場所に立つ、猟兵が二人。
夫のダンピールの頭上できらきら輝く翅を大きく広げて、くうるり旋回する妖精。
「見て見てギド! この世界の花嫁さんも綺麗ね!」
シゥレカエレカ・スプートニク(フェアリーの精霊術士・f04551)は、まるで幼い少女みたいにはにかんだ。
「そうだな。ああやって行列を作って歩いて行くのは、なかなか興味の唆られる文化だ」
尤も――。
如何なる世界の花嫁とて、きみを前にすれば霞むものだ。なんて。
ギド・スプートニク(意志無き者の王・f00088)は胸中だけで妻に甘い言葉を付け加え、どこか眩しそうに眸を眇めて。
「いすゞちゃんもちょっと自慢そうだったの、わかるわ。楽しそうだし、綺麗だし、皆とっても幸せそうだもの」
シゥレカエレカはうっそりと言葉を重ねながら。
ギドの肩上で小さな体を休め、彼の首筋に身体を寄せて座った。
「……それに、ギドが此処に連れてきてくれたの、うれしい。わたしはこういう、乙女の恋を邪魔するものが許せないの!」
だって。どんな世界でだって、花嫁さんの邪魔をして良い道理なんて無いのだから。
それはシゥレカエレカ自身の生き方を重ねたとしても、絶対なる正解に思えた。
「同感だ」
く、と喉を鳴らすギド。
どこか普段よりも柔和な雰囲気で同意を重ねてから、ようやく服裾を翻して。
りん、りん、りん。
数を減らしたとは言え、まだ風鈴達は冥府を呼び響かせている。
「では、悪魔祓いといこうか。――サムライエンパイアではこの手の魔物を物の怪と云うのだったか?」
実に、個性的な見た目をしていると、ギドは付け加え。一匹くらい持ち帰っても面白そうだとも、思うだけ。
「ぜーんぶやっつけちゃうわ!」
「ああ」
お姫様、お手をどうぞ。
自らの肩口に伸ばしたギドの指を支えに立ち上がった、シゥレカエレカがそのまま彼の指先に腕を回して。
立ち上る魔力の匂い。
次に彼が何をしようとしているかは誰よりも解っているつもりだ。
だって、シゥレカエレカはギドの妻なのだから。
纏い集めるギドの魔力は、嵐の如く。
ぼ、ぼ、ぼ、と火の粉が空気に爆ぜる音が幾つも響き、数十本もの炎の矢が宙に生み出される。
これだけ敵の数が多ければ、制御の必要もあるまいと。
「後は任せるぞ、シゥレカエレカ」
「ええ、まかせてギド。今日のお天気は荒れ模様よ」
シゥレカエレカは人差し指を立てて、くるりと世界をかき混ぜた。
渦巻く魔力は大竜巻。
炎の矢を巻き込み、風鈴を巻き込み――。
「――燃え爆ぜて消えよ」
「邪魔者は全部吹き飛ばしちゃえ!」
風の音、割れる音、燃える音。すべてが夫婦の言葉が重なる。
塵は塵に。亡霊は骸の海へ。
「…………」
必要があるのか、無いのか。
念入りに、竜巻へ注ぎ込む魔力を更に増やした、シゥレカエレカの視線は少しだけ攻撃的に揺れる。
だって、ギドがちょっと物欲しそうにしていたの様に見えたから。
……動く鈴くらい、わたしでも作れるもん。
大切な人の指の上で、腰掛けた妖精は全てを凪がんと、腕を振るう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『用心棒』
|
POW : 剛なる居合い
【居合い 】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 飛刃縮地の構え
自身に【修羅の気 】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 死者の誘い
【用心棒が殺した死者 】の霊を召喚する。これは【悲痛な叫び声】や【生前持っていた武器になりそうな物】で攻撃する能力を持つ。
👑17
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
●骸の海の用心棒
りいん、と最後の風鈴が崩れ落ち。
「……おわったの、でしょうか?」
角隠しの上に、リダンお手製の防音ヴェイルを羽織った花嫁が首を傾ぎ。
「いいえ、まだ動かないで!」
リダンは腕を伸ばして静止する。
全て風鈴を倒した筈だと言うのに、不気味な気配は膨れ上がり続けている。
それは、違和感に近い感覚。
「お主らが、某を起こしたのか?」
しゃり、とガラスを踏みしめる音を響く。
過去が滲み出し、形と成った化物。
まるで人のような姿を取るそれは、低く低く構えて。
全てを理解した表情で、加虐に唇を笑みへと歪めて見せた。
「某は、ただの用心棒。――お命頂戴仕る」
膨れ上がるは、修羅の気配。
猟兵達は感覚だけで理解する、風鈴達はこいつを呼んでいたのだと。
こいつが今からこの場を、滅茶苦茶にしようとしているのだ、と言う事を。
リダン・ムグルエギ
あー…無理
アタシじゃ絶対勝てない手合いだわ
さっき聞こえた炎や風を操った人達は近くのはず
ならアタシが描くべき戦術(デザイン)は…
行列の位置と現状周知
敵の情報収集
そして、少しの足止めね
「お願い、この画面にアレを映し続けて!
アタシは万魔電(スマホ)をオンエアモードにしてお婿さんへ託すわ
映像をSNSやいすゞさんを経由し全猟兵へ流して現状や敵の戦い方の情報共有を図るの
「後、今からの戦いを…彼女には見せないであげて
そして、コード
花嫁達へ配ったヴェイルに仕込んだ暗示の模様を見た用心棒や霊の五感から…行列の人達の情報を消し去る事で守りたいわ
催眠術は得意なの
後は…えぇ
面倒だけれど
全力で避けて逃げて時間を稼ぐわ!
大きく膨れ上がる殺意が、肌を粟立たせる。背筋に氷柱を刺しこまれたような悪寒が走り。
――あー、無理。アタシじゃ絶対勝てない手合いだわ。
護るべき人々の前の手前、声には出しはしなかったが。
リダンはその中でも『自分の戦える方法』を模索する。
風鈴退治で離れている猟兵達も居るが、近くで戦っている猟兵達も多い。
現れた用心棒は、アタシ達の目の前。
そもそもこの行列は、偶々オブリビオンの発生に立ち会ってしまっただけで。
けして、狙われている訳では無い。
つまり。
囮が居れば、行列を狙う可能性は比較的低めであろうとリダンは判断する。
「その上でアタシが描くべき戦略、――デザインは」
敵の情報収集、及び、行列の現在の状態を伝える事。
そして――。
「お願い、この画面にアレを映し続けて!」
「こ、こうでござるか?」
そう言って、リダンが夫に手渡したのは。
全ての世界から動画投稿できる機能と、絶対に壊れない事がウリのスマートフォン。
万魔電だ。
見慣れぬ機械に目を白黒させる夫に、持っているだけで良いから、と付け加え。
このスマートフォンで動画を配信する事で。
離れて戦う猟兵達にも現在の状況を伝え、用心棒の戦い方を伝える事ができるかもしれない。
「後は……。今からの戦いを、お嫁さんに見せないで欲しいわ」
ハレの日位、綺麗なものだけ見ていてほしいもの。
――ゴートリック・ファウスト。
配布したヴェイルに仕込んだ模様は、用心棒の五感から行列の気配を奪うであろう。
あーあ、面倒だけれど。
次にしなければならない事は。
「じゃあ、頼んだわ!」
皆が駆けつけるまで、全力で避けて、避けて、避けまくる囮になる事!
大成功
🔵🔵🔵
コノハ・ライゼ
あは、は!面白れぇ、あのチビ兜よかよっぽど美味そう!
ちらと後ろ見る
コイツは綺麗には倒せないだろうから
どうか花嫁行列からは見えませんように、と
【WIZ】
敵を行列に近付けさせない為にも
【月焔】を障壁の様に燃え上がらせ動きを鈍らせる
次いで『高速詠唱』『2回攻撃』で数個に分散させた炎を撃ち込み
仲間が攻撃する隙を作ろうか
勿論自分も遠くから炎放つだけじゃ面白くない
「氷泪」で『傷口をえぐる』からの「柘榴」での『生命力吸収』
ああこんな濁った血じゃ、ハレの日の良い香りを消してしまう
反撃はもし受けても身体への傷ばかり
生憎そーゆーのに痛む心は持ち合わせてねぇの
……その無念ごと、喰らってやるよ
(アドリブ歓迎)
リュヌ・ミミティック
ん、おー……用心棒、って、まもる、ひと、のこと、だよ、ね?
ん。僕も、おな、じ!
貴方、が、護って、るのは、なに?
ん、僕、が、護る覚悟、と、貴方、の、覚悟
どちらが、勝つ、か、勝負、だ、よ!
猫憑き季月で、攻撃がいきそうな味方を庇ったり、攻撃をしようとする振りをしたりしてフェイントしてみようかな
味方の攻撃の隙、作りたい、な!
勿論、僕だって、ダフィットと攻撃、する、ね!
「ん、おー…猫憑き季月、ダフィット、一緒に、がんば、ろ!」
貴方、の、一撃、と、僕の、一撃、どっちが、強い、かな?
負ける気は、しない、けれ、ど、ね!
ワン・シャウレン
何かおる、とは思っとったが、そういう輩か。
…ほう、鞍馬(f02972)おぬしも来おったか。
確かにぬしに似合いの手合いじゃの、目聡い事。
まぁ、ならば行くとするかの。
…名乗りには付き合うとしよう。ワンじゃ。
腕に覚えはありそうじゃが、わしも近接戦は望むところ。
とはいえ鞍馬言うところの抜刀というやつは些かやり辛い。
そちらは鞍馬に任せ、敵が他を絡めて来た所でミレナリオ・リフレクションを仕掛けよう。
技能の【見切り】【カウンター】等が有用なら活用。
見切りならばわしも得手よ。
鞍馬と協力しての戦闘。
狙い通り有利を取れれば、踏み込んでの掌底打ちと行かせて貰おう。
鞍馬・景正
◆同行
ワン嬢(f00710)が猛者と死合っている匂いを嗅ぎ付け推参。
兵法数奇ばかりは私の業ゆえ、ご勘弁くだされ。
――ええ、参りましょう。
◆戦闘
抜刀術の遣い手とみた。
間合が読めぬのは聊か厄介だが――
「返答は不要なれど、名乗っておこう……鞍馬景正、流派は鞍影心流」
刀に反りを打たせ、同じく居合の構えで対峙いたす。
なまじ、抜かせて勝つという事も容易ではないと見た。
ならば狙うは一定――【燕切】にてその小手を刈り、返す刃で面貌を割る。
【見切り】にて敵の起こりを察し、【早業】【先制攻撃】で先手を奪う事も心掛けよう。
うまく斬り込めれば、止めはワン嬢の打撃に譲りましょう。
ベルベナ・ラウンドディー
転送されたはいいが
集団戦は苦手なので日和見決めていたところです
だが剣客相手なら話は別
このままではいすゞさんに申し訳が立ちませんし…
…一手御指南願いたく推参しました、用心棒殿
〇戦術
バイクによる騎兵戦【騎乗】
遠間よりユーベルコードで牽制
爆発を交えた高速接近・刀による一撃離脱を繰り返す
飛ぶ斬撃も高速移動も速度勝負で負けるものかよ
敵圏内30cmは死地と見た
鎖を手繰りつつ【残像】を伴う身体捌きで間合いを外せればベター
離脱を許さぬならバイクのスピンで強引に引き剥がす
用心棒を相手取りたいのが本音だが…
召喚物の対応は…遅刻した身分だし優先する(汗
その際、猟兵と標的の受け渡しの旨は口頭で明確に行う
戦術は上述同様
戒原・まりあ
もう、さっきの兜風鈴たち、とんでもない置き土産ね。
ただの用心棒さんが、花嫁行列に一体何の御用かしら。
過去が起こされたところ、生憎だけれど、また眠っていて頂戴。
嘗ての死者の霊にせめて【破魔】の【祈り】を捧げつつ
手傷を負った人へ向けて、深手の人から順に【生まれながらの光】を。
花嫁行列の皆さんはまだ防音したまま、下がっていてね。
万一敵の叫び声や衝撃波に巻き込まれたら其方も癒すわ。
引き続き【オーラ防御】を試みつつ、
【目立たない】ようにして攻撃は他の方にお任せしたいところだけれど
近付かれそうになったら、【衝撃波】で応戦します。
玖・珂
誰の用心棒をしているのやら
ハレの日に刀傷沙汰は無粋の極み
目覚めて早々にすまぬが、もう一度眠って貰うぞ
囮となっている猟兵の状況が危うければ
用心棒との間へダッシュで割って入りかばう
居合いは避けず、敢て黒爪で受け止めるぞ
威力は消し切れまいが激痛耐性と覚悟で耐えてみせよう
爪と刀が触れたなら支度は整った
自身の肌に浮かんだ黒の枝葉を用心棒へ伸ばし絡ませ
白炎の花を燈す
華燭、……には程遠いが送り火にはなろう
ユト・リーィング
(f04006)キール、(f00428)オリオ と参加
後ろを任せて自分は前衛で暴れる。
骨のありそうな敵が出てきたなぁ、遊ぼうぜ?用心棒さんよぅ。
【 怪力】で振り回し【 串刺し】にしたり【 カウンター】攻撃もする。
オリオ、キール!サンキュな!
後ろに届くように楽しそうにお礼を言ったり
女神の祝福で先を見て剣を降る。
自分が怪我しても気にしないスタンス。
攻撃こそ最大の防御なり、手を緩めないことで相手に隙を与えるようにする。テメェの好きなようにはさせねぇ!
騎士として祝いの席を血で汚して横槍を入れるたぁ、許さねぇ!
キール・ラトシエ
オリオさんと共にユトさんの加勢に来ました。
出会い頭にジャッジメントクルセイドで奇襲
ただの用心棒……。
というには些か纏う気が尋常じゃありませんね。
戦闘はなんとなく近づかせたらやばい気がしますのでこちらに向かってくる場合は引きながらウィザードミサイルによる弾幕で距離を取り、ユトに切りつけに行っているのならばウィザードミサイルを一束にして一つの炎の槍にして横やりを入れます
殺した相手を召喚してこようとも、私のウィザードミサイルは60発。一気に攻撃可能です。出してもすぐに打倒して見せます
とどめは任せます
ユトさん行ってください
オブシダン・ソード
僕は手を貸すと言ったんだ。二言はないよ、ジェイクス・ライアー
ああ、良いだろうとも。『僕が君の剣になる』
僕の器物、黒耀石の剣を彼に預ける。好きに使うと良いよ
それで、何か策はあるの?
――いやあ、今回の相棒は中々に人が悪い
剣術が得意そうな相手だし、僕も相手してもらおうかな
錬成していた複製品の黒剣を手に、用心棒に挑む
君みたいのはずっと寝てないとダメでしょ
暴れたら満足して、また土に返ってくれない?
僕も長いこと埋葬されてたけど、ああいうのも静かでいいものだよ
軽口は叩くけど勝てる気はしてない
ああ、痛そうだなあ
ぶった斬られた辺りで真の姿…ジェイクスの手元の剣に戻る
さあ行こうか、相棒
吠え面かかせてやろうじゃない
斎部・花虎
髪が風を孕んで膨らむ、肌を虎の縞が這い回る
瞳孔が縦に窄まって
獣の如き、それがおれのまこと
用心棒と名乗るには、おまえ些か顔が恐ろし過ぎはしないか
命が欲しくて堪らないのか
――遣れんなあ、遣れんのだ
はれの日におまえの居場所はないよ
居合いの間合いに入らぬ様に注意を払う
間合いの外より呪符と聖別された小刀を投げるを試みる
巧く身体のどこかに留められれば良いが
難しければ――まあ、間合いに飛び込むも吝かではない
往くぞ
一撃が叶えば己が影より獣を引き摺り出そう
いらせられませ、闇御津羽
醜悪な獣よ、あれを喰らってやってくれ
嗚呼、でも、今日ははれの日
…多少は行儀良く頼む
むりか そうか
オリオ・イェラキ
ユトさまと、キールと供に
まぁまぁ、この方が式の邪魔を?
花嫁は幸せなものよ
わたくしも覚えがありますの
だから許せませんわ
キール、弾幕合わせますわ
メテオリオの星をミサイルと共に降らせますの
ふふ、素敵な光景でしょう?
ユトさまは用心棒を優先なさって
屍の処理はわたくしが率先して狩りますわ
死後も囚われるなんて、可哀想
この夜空に抱かれてお眠りなさい
黒き大剣で、一思いに
勿論、用心棒へも攻撃を
ユトさまと連携しながら剣撃と致しましょう
主に敵の剣をわたくしの大剣で受け止めるのを優先して
ユトさまが攻撃しやすいように、サポートを
さり気なく斬りつける所作も忘れずに
わたくしは星夜、あなたが観る最期の夜
さようなら用心棒さま
ジェイクス・ライアー
オブシダン・ソード(f00250)との共闘だ。彼の本体は私が装備する。
作戦は以下の通り。
オブシダンには囮として用心棒を引きつけてもらう。そして一撃、わざと、喰らってもらう。
獲物を仕留めた瞬間はどんな強者でも一瞬の隙ができるはずだ。
それを見計らい、私は【忍び足・暗殺】スキルを使用し間合いを詰め【千軍万馬】を使用し死角から斬りかかろう。
愉快だな。愉悦に浸る男の顔が歪むのは。
卑怯と罵られようと知ったことではない。仕留めるか仕留められるか、それが全てだ。
オブシダンも、再生できるとはいえ、悪いことをしたとは思うが、ふふ…恨まないでくれよ。〝自分を使えば効率よく敵を倒せる〟と言ったのは君の方じゃあないか。
鼠ヶ山・イル
ええ?なんかやべーの来ちゃったな。
用心棒ってフツー逆だろー!花嫁さんを守れって!
んでも、時間稼ぎしてくれてる人、超カッケーじゃん。お疲れっと!
オレは接近戦がマジで苦手だから、誰かのサポートに回りたいな。
本に挟んでる栞の護符を使って、奴のユーベルコードを封じる。
でも結構発動し続けるの厳しいからさ、相手が技を使った瞬間に封じて、
決定的な隙を作るっていう役割でいけねぇかな。
特にあの居合斬りとか、強力な分封じられたらでけぇと思うんだ。
ま、上手くいったら、なんだけど。
用心棒の本質も失った人斬りの残滓風情が。
今すぐ冥界に還してやるよ。
英・明夜
『用心棒』だなんて、一体、何を守ってるの。誰の為に戦うの?
花嫁花婿さん達のこと、首を長ーくして待ってる人達も居る筈だよね。
その人達も、心配させないようにしなくっちゃ。
用心棒が他の猟兵に向けた攻撃の合間を狙って、しゅぱぱっと護符を投げ付けるね(投げるの、ちょっとだけ得意だよ)。
護符を当てるのに成功したら、七星七縛符!
皆の為に、隙を作れると良いな。
用心棒が呼び出した霊たちを攻撃しないといけない時は、ごめんね、って声を掛ける。
恨み持つ相手に呼び出されるなんて、また苦しめられるなんて、
どんなに苦しいだろう。
明夜には、その苦しみも恨みも晴らしてあげることは出来ないけど。
ごめんね、きっと、仇は取るからね!
岡森・椛
風鈴をやっつけられてほっと安心
でもすごく強そうな相手が…大丈夫、怖くないよ
一緒に戦える人達が沢山いるもの
気合が入って力が湧いてくる
状況を伝えてくれたリダンさんに手早く感謝を伝えて一気に畳み掛けるね
駆け付ける間も動画で用心棒の動きを研究しておくよ
【巫覡載霊の舞】を使い全身全霊を込めて薙刀を振るい、攻撃
例え命を削っても、負ける訳にはいかないもの
仲間と連携して花嫁行列の皆さんを必ず守るよ
私の想いを力に変えて戦うの
用心棒の挙動に注意して攻撃はしっかりと回避したい
私は当て放題の的じゃないからね!
それに出来るだけ行列から引き離す形で戦いたいな
おめでたい日にこんな戦いは似合わない
きっと皆の共通の想いだよね
メヤ・トゥスクル
起こしたくは、なかったし。
死者を、呼んでほしくも、なかった、な。
死者を、苦しめないで、ほしかった。
――安らかに、眠っていて、ほしかった。
でも、あなたには、きっと。
僕の声は、届かないだろう、から。
戦いは、得意じゃない、けど。
あなたは、死者を、眠らせてくれないだろうから。
止めるために、戦う、ね。
あなたは、強いから。
僕だけじゃ、勝てないかも、しれないけど。
みんなが、力を合わせれば、きっと。
あなたを、倒せる。
――【サモニング・ガイスト】。
何度も呼んで、ごめんなさい。
でも、力を、貸してくれます、か。
死者の魂を、これ以上、辱めないためにも。
安らかに、眠って貰うためにも。
その【炎】で、魂を鎮めて、弔って。
ギド・スプートニク
シゥレカエレカと
護るべき者も無くして用心棒とは片腹痛い
やっている事は只の人斬り――貴殿はそれで満足か?
いいや、答えは聞くまい
元の存在がどうで在れ、歪んだ魂は骸の海へと還すのみ
シゥレカエレカに刃を向けられた場合は刀を手で掴んで止めるなど、身を挺して守る
調子に乗るなよ下郎
貴様は我が妻へと刃を向けた
それだけで万死に値する
怒りで感情が昂ぶり瞳は金色に
鎖など拷問具によって応戦
『意志無き者の王』による自身の拷問具の支配、パフォーマンスの向上
『咎力封じ』にて動きを封じたら、血の槍(拷問具と同じ材質、血の杭のようなもの)で敵の腹を穿つ
磔刑だ、楽に死ねると思うなよ
*不明点お任せアレンジ歓迎
シゥレカエレカ・スプートニク
夫、ギドと
…なるほど、あの子たちはあなたを呼んでたのね
用心棒って言うくらいだから何かを守っているの?
そうだとしても……いえ、詮ないことだわ
だってわたしたちもヨウジンボウ、なんだから!
抱いていたギドの指から飛び立って詠唱を開始
狙うのは…カタナを持つ、その腕!
氷と鎌鼬のエレメンタル・ファンタジアにはあいにく、薬を塗ってくれる子はいないの
でもその代わり、血も出ないわ
傷口からカチコチに凍りついて動けなくなっちゃうけど!
…ねえ、おイタは駄目よ。花嫁行列には似合わないもの
ギドがダメージを負っていたらシンフォニック・キュアを
彼の耳許まで飛び戻って、彼にしか聞こえない歌声を
……ありがとう、ギド 守ってくれて
手負いの蒼山羊が駆ける、駆ける。
振り下ろされる刀を、鎖鎌で捌き――、捌けない。
痺れた手首への追撃、鎖鎌が弾き跳ぶ。
ああ、これは、遊ばれている。
「鬼事は終わりか、山羊よ」
それは、好都合。
「まだ、よ……ッ!」
後はもう、振り向かず駆けるしか無い。
行列から、少しでも遠く、少しでも距離を。
仲間達に、少しでも近く、少しでも距離を。
膨れ上がる殺気。もう一撃くるのであろう。
「……ク、ハハ!」
何故か用心棒は笑った。
痛みは、来ない。
●
刃が重ねられる鋭い音が響く。
「ハレの日に刀傷沙汰は無粋の極み。――目覚めて早々にすまぬが、もう一度眠って貰うぞ」
リダンを背に庇う、白き羅刹。
用心棒の狂刃を黒爪で押し止めたのは、珂だ。
敵を睨めつけると、珂はその自身の肌に浮かぶ黒枝葉を真直に伸ばし――。
「まいのぼれ」
燃え、爆ぜ、花を咲かせる白炎。
重ね、踏み込んだイルより矢の如く護符――蓮華栞が放たれた。
「増えるか、お主ら」
知らぬ技に警戒したのか。
用心棒は纏めて斬り避けながらバックステップを踏み、強面をどこか楽しげな笑みの形に歪め。
「面白い、某と斬りおうてくれると言うか」
「ええ? なんかやべーの来ちゃってない?」
なになに、ばーさーかーみたいなやつ?
蒼眸を細めたイルはえーっと悪態をつくように、更に蓮華栞を構える。
あっ、そうだそうだ、忘れずに。
「んでも、アンタ超カッケーじゃん! お疲れっと!」
「もう! さっきの兜風鈴たち、とんでもない置き土産ね。大丈夫かしら、あなた」
「……なんとかね」
イルが軽い勢いで労い。
まりあがその生まれながらの光で、リダンを癒やす。
「それに、ただの用心棒さんが花嫁行列に一体何の御用かしら?」
桃色の眸を細めて、まりあが尋ねるとリュヌが首を傾げて尋ねた。
「ん、おー……用心棒、って、まもる、ひと、のこと、だよ、ね?」
「そうだ、そうだー! 用心棒ってフツー逆だろー! 花嫁さんを守れって!」
リュヌの呟きにイルがヤジを飛ばすと、ははは、と敵は笑う。
「ただの用心棒……、というには些か纏う気が尋常じゃありませんね」
そこへ駆け込んできたキール・ラトシエ(古き知識を読み求める者・f04006)が、指差す先。
用心棒に天光が落ち。光を捌く様に刃を一つ振るうと、更に彼は笑った。
「いいや。某は、ただの用心棒。しかし、誰に何を頼まれたか等忘れた、解らぬ、覚えておらぬ」
しかし、と付け加え。
用心棒は、更に叩き込まれた珂の黒爪を反らし捌きながら、言葉を次ぐ。
「この場の命を全て頂戴しろと、仰せつかったのだ!」
咆哮に似た言葉と共に、地を蹴れば用心棒の影が膨れ上がる。
影が形作るのは、用心棒と同じく一度死した亡霊達だ。
一気に呼び出され溢れた彼らは、手の武器を猟兵達に構え。
あ、あ、あ、あ、あ。
痛い、苦しい、どうして、なんで。
憤激の声を。
欝憤の声を叫ぶ。
風鈴を倒して、ちょっと安心した所だったと言うのに。
椛は薙刀をぎゅっと握りしめて深呼吸を一つ。
「リダンさん、状況を伝えてくれてありがとう」
背を震わせる威圧も、皆がいれば怖くない。
亡霊を呼び出しているのは用心棒だ。
つまり、彼を止めなければいつまでもこの悲しい声は響き続ける。
「……行くよ!」
先行する形で椛が駆け出し、迷わず狙うのは用心棒だ。
「ん、僕達、が、護る覚悟、と、貴方、の、覚悟。――どちらが、勝つ、か、勝負、だ、よ!」
リュヌがつぎはぎ猫のぬいぐるみ――猫憑き季月を片手に、一気に地を蹴ると跳ねた。
一気に駆け寄ってゆく椛を狙った亡霊に、猫憑き季月が猫パンチをお見舞いすると、亡霊が掻き消え。
「ありがとうっ」
手早い椛の礼の言葉。
逆方向から飛びかかってきた亡霊を、竜騎士の槍で貫き。
椛と合わせる形でユトも駆ける。
同時に交わされた槍と薙刀が、用心棒を狙い――!
「……ッ!」
掌の中で柄を回した用心棒は、逆手に握り直した刃を逆袈裟に振り上げる事で、二人の刃の軌道を撫で反らす。
ぞろぞろと柄と刃が噛み、音を立て。
次手を警戒した三人は、同時に距離を取り合った。
「風鈴と違って骨のありそうだなァ、遊ぼうぜ? 用心棒さんよぅ」
一番始めに、再び踏み込んだのはユトであった。
槍のリーチは刀身よりも長い分、刃だけで戦うのならば有利であろう。
その分踏み込まれる事を、警戒せなばならぬが――。
「ああ、某もそういう遊びは嫌いでは無い。全ての命、刈り取ろうぞ」
ユトの瞳には、未来が見える。
――早い!
が、それよりも敵の踏み込みは上回っていた。
鎧の上より叩き込まれた刃圧が内蔵を圧迫するような痛みをユトに与える。
が、攻撃した瞬間というのは隙とも成るもので。
「――花嫁行列の皆さんは、必ず守るから!」
一緒に戦える相手が沢山いる事は、勇気を産む。
力が湧いてくるようだ。
深く踏み込んだ椛が振るう薙刀は、衝撃派を生み、強かに用心棒を弾き飛ばす。
「猟兵は当て放題の的じゃないからね!」
「攻撃は最大の防御ってなァ!」
けほ、と咳に痛みを混ぜ溶かし。
ユトは更に攻める、攻める、攻める。
「――騎士として祝いの席を血で汚して横槍を入れるたぁ、許せねぇからな!」
「あは、は!」
構え、笑いながらも。
「面白れぇ、あのチビ兜よか、よっぽど美味そう!」
コノハは、遠くに見える行列に視線を一つ。
用心棒にしても、亡霊たちにしても。コイツらはどうやったって綺麗には倒せないだろう。
鉱石の刃――柘榴を手に。
行列へ続く道に死者達を阻む形で放った青白い炎は、障壁と化す。
どうか、この戦いが花嫁行列に見えぬように。
と、コノハは心の中だけで呟いた。
「まぁまぁ、この方々が式の邪魔を?」
夜色の髪を揺らして、オリオ・イェラキ(緋鷹の星夜・f00428)はキールの横に立つ。
花嫁は幸せなもの。
それは確かな実感として、オリオにも覚えの在る事だ。
だからこそ、邪魔をする者を許せはしない。
「キール、弾幕を合わせますわ!」
「はい、オリオさん。ユトさん、後方は任せて、用心棒に集中して下さい」
「おお、オリオもキールも、サンキュな!」
キールの声かけにユトが大きな声で応じると、オリオとキールが頷きあった。
――さぁ。お往きなさい、わたくしの星達!
重ね、炎の矢が空中に幾つも、幾つも燃え盛る。その数、実に60本。
キールが指揮者のように杖を掲げ――。
ああ。死後も囚われるなんて、可哀想に。
「――この夜空に抱かれてお眠りなさい」
「すぐに打倒して見せましょう!」
キールの杖と、オリオの夜色の大剣が同時に振るい落とされる!
ひらひら、ひらひら、全てを飲み込む黒い花弁が爆ぜ。
星の輝きを纏う黒薔薇の花弁と、数十本もの炎の矢が、亡霊達に降り注ぐ。
メヤは細く息を吐き出すと、黄昏と冬空の色の眸を一度閉じて。
「起こしたくは、なかったし。死者を、呼んでほしくも、なかった、な」
「そうだね、……恨みを持つ相手に呼び出されるなんて、また苦しめられるなんて」
可愛い霊符を手に、明夜はメヤの吐露に頷いた。
死者を苦しめないで欲しかった。
――安らかに、眠っていて欲しかった。
彼自身も過去に死した者であろうに。
「どんなに苦しいだろう、……ごめんね」
明夜の破魔の力を宿した霊符が、亡霊達を貫けば、溶け消えるようにその姿を失う亡霊たち。
メヤは、皆と刃を交わす用心棒を真っ直ぐに見つめる。
「あなたは、死者を、眠らせてくれないだろうから。……止めるために、戦う、ね」
呼びされた亡霊達の怨嗟の声、折れた刃。
途絶えた筈の、悲痛たる生。
「――何度も呼んで、ごめんなさい。でも、力を貸してくれますか」
メヤがシユをぎゅっと抱きしめる。
呼び出された古代の霊達は、メヤの思いに応え炎を渦巻かせる。
怨嗟の声、恨みの声。
「明夜には、その苦しみも恨みも晴らしてあげることは出来ないけど。……ごめんね、きっと、仇は取るから!」
ああ、死者の魂を、これ以上、辱めないためにも。
彼らは倒さなければいけない。
●
「ああ、良いだろうとも。僕は手を貸すと言ったんだ。二言はないよ、ジェイクス・ライアー」
『僕が君の剣になる』。
「僕を預ける。好きに使うと良いよ」
ヤドリガミたるオブシダンの器物、そのモノ。
壊れるとオブシダンはだいぶピンチになる代物だが、自身が信頼した相棒ならば預ける事は吝かでは無い。
それはそうと、首を傾げ。
「……それで、何か策はあるの?」
「ああ、作戦は――」
ジェイクスより作戦を聞いたオブシダンは、ふは、と声を漏らして笑った。
「卑怯と罵られようと知ったことではない。仕留めるか仕留められるか、それが全てだ」
オブシダンの本体である黒耀石の剣を携え、あくまでも紳士的な佇まいでジェイクスは応え。
「――いやあ、今回の相棒は中々に人が悪い」
剣術が得意な相手ならば、とオブシダンはその複製品を携えて。
二人は足早に田舎道を、歩み行く。
●
撒き散らされる殺気は、酷く心地の悪いものだ。
遠目に見える亡霊達と、猟兵に囲まれた用心棒。
「……なるほど、あの子たちはあの人を呼んでたのね」
「護るべき者も無くして用心棒とは片腹痛い事だな」
ギドの指先に座った侭、シゥレカエレカが頷いた。
「……でも今は、わたしたちがヨウジンボウ、なんだから、守らなきゃね!」
「……ああ、その通りだ」
妻の言葉にギドは瞳を細めて頷き。
「さあ、行きましょうギド! おイタは駄目よね。花嫁行列には似合わないもの!」
シゥレカエレカの言葉に、ギドは更に田舎道を駆ける。
「用心棒と名乗るには、おまえ些か顔が恐ろし過ぎはしないか」
髪が風を孕んで膨らむ。
虎の縞が肌を這う。
獣のように、縦に走る瞳孔は。
花虎の真の姿だ。
「人相が悪い方が好都合でなァ、それに命を奪うにはどのような人相でも構わぬだろう?」
喉を鳴らして、く、と笑う敵を見る獣の瞳。
呪符を手に花虎はほうと息を零す。
「命が欲しくて堪らないのか。――遣れんなあ、遣れんのだ」
はれの日に、おまえの居場所はないよ。
そこに、猟兵と亡霊を掻き分けて、宇宙バイクV-RAXXが鈍いエンジン音を響かせた。
集団戦は苦手だが、剣客相手ならば話は別だ。
同じく剣を得物とする者同士。
「……一手御指南願いたく推参しました、用心棒殿!」
ベルベナ・ラウンドディー(ドラゴニアンの剣豪・f07708)の声音。
「お、ラァッ!」
少々粗暴な声音と共に。
駆けながら放つオーラは炸裂を生み、オーラの鎖で互いを繋ぐ。
バイクを思い切り引き上げると、車体が浮き。
爆風にまぎれて刃を振り抜く!
「その様な馬、初めて見たな」
用心棒の何処か楽しそうな声。
オーラの鎖を撓らせ、殺気が膨れ上がる。
「……ハァッ!」
剛なる居合い。
空間事断ち切る様な殺気を撒き散らし。
その居合いはベルベナのバイクをギリギリ捉えきれず、オーラの鎖が千切れ落ちる。
「次は、合わせて見せる」
「……ああ、次も喰らいはしませんよ」
二人の視線が交わされた、その隙に。
居合の間合いに入らぬように。
一撃を放ち終えた瞬間に踏み込んだ花虎が、災厄を招く呪符を小刀で繋ぎ止める。
「――いらせられませ、闇御津羽」
あれを、餐え。
影に囚えられた獣が花虎に呼応し、用心棒へとその牙を剥いた。
交差する刃と影の牙。
「何かおる、とは思っとったが、そういう輩か」
風鈴の欠片を踏みしめ。
大量発生している亡霊に、魔導蒸気機械を叩き込んだワンが金髪を風に靡かせて呟き。
「抜刀術の遣い手の様で」
「……ほう、鞍馬おぬしも来ておったか」
亡霊を刃で一刀両断する、端然なる面持ちの羅刹。
鞍馬・景正(竜胆の剣・f02972)の相槌に、ワンが小さく笑みを浮かべた。
「確かにぬしに似合いの手合いじゃの、目聡い事よ」
「兵法数奇ばかりは私の業ゆえ、ご勘弁くだされ」
同時に襲いかかってくる亡霊を貫く刃と、魔力を宿した上段蹴り。
「まぁ、ならば行くとするかの」
「――ええ、参りましょう」
振り向く事も無く、二人は地を蹴り上げる。
「返答は不要なれど、名乗っておこう。……鞍馬景正、流派は鞍影心流」
「……わしは、ワンじゃ」
景正とワンの名乗りに、鷹揚に振り向く用心棒。
刀に反りを打たせ同じく居合の構えで対峙した景正に、用心棒は凛乎として笑った。
「――来い!」
とは言え、抜かせて勝つ事は中々難しくあろう、と景正は冷静に判断している。
ならば狙うは一点。
敵が握った柄を――。
見えた。
腰を落として構えた景正が、武州下原を突き出した。
目にも留まらぬ早業を、更に上回る速度で小手を刈り上げ。
更に踏み込み、返す手で用心棒の貌へ刃を通す。
「……!」
貫かれた小手。
左目と頬を割かれた用心棒は鮮血をぱ、と零しながら、一歩下がりながら刃を引き抜いた。
生まれる斬撃による衝撃波。
「いいや、見切りならワシも得手よ」
ワンは笑う。
軽く跳ねて、舞踊の様に。
刃のように鋭い蹴りに魔力を纏い。同時に生まれた衝撃波は、斬撃の衝撃波とぶつかり掻き消える。
瞬間、更に踏み込んだワンは掌底打ちを叩き込む!
「……面白い」
内蔵に衝撃を叩き込まれる痛み。
貌より夥しい血を零しながらも、用心棒はまだ笑う。
振り向いた瞬間に、後ろに現れた相手へと斬撃を放った。
「……ッ!」
ギドの指先から舞った瞬間を狙われ、息を飲むシゥレカエレカ。
「……貴様」
小さな妻に刃が叩き込まれる寸前に、間に割り込むと交差した腕でガードをあげ。
一本腕を差し出す事で肉を断たせ、筋と骨で刃を受け止めたのはギドであった。
「調子に乗るなよ、下郎。――貴様は我が妻へと刃を向けた。それだけで万死に値する」
金瞳は怒りに揺れ。
強く噛み締められた奥歯がギリ、と音を立てた。
「貴様の元の存在がどうであれ、歪んだ魂が無事骸の海へ還れると思うな」
腕より溢れる鮮血がギドの拷問具と化し、ギドは低い声音で囁く。
●
ギドが拷問具を放つ。
しかし、片目を失ったとは言え剣筋は健在なもので。
全ての拷問具を斬り捌き落として、用心棒は邪魔な血を拭った。
「氷と鎌鼬のエレメンタル・ファンタジアにはあいにく、薬を塗ってくれる子はいないの」
小さな身体に一杯に、魔力を宿し。
シゥレカエレカはくるくると飛び回りながら、翅を広げてその腕を振るう。
「でもその代わり、血も出ないわ。傷口からカチコチに凍りついて動けなくなっちゃうけど!」
冷気が刃と貸して放たれ、狙った腕を庇った用心棒の傷口が凍りつく。
「ううむ、流石に多勢に無勢と言うものか。――ならば」
再び膨れ上がる影。
先程倒されたばかりの、見覚えのある亡霊達が再び呼び覚まされ――。
なんで、また、苦しい、ああ、助けて。
「折角眠れたのに、……また呼び覚ますだなんて、本当に酷い人ね」
破魔の祈りを捧げるまりあは、ギドの傷を聖なる光で癒やし。
メヤが苦しげにぎゅうと服裾を握りしめ、眉を寄せた。
ああ、また。
死者をまだ眠らせてくれない。
隙を見せたように見えたメヤに、亡霊が鍬で襲いかかり――。
「ごめんなさいね。……生憎だけれど、また眠って頂戴」
まりあが聖なる光を放つ事で、防御と成す。
「ん、おー……猫憑き季月、ダフィット、一緒に、がんば、ろ!」
リュヌのドラゴンランスのダフィットと、猫憑き季月が同時に跳ねて亡霊を切り裂き。
「いやあ、また沢山呼んでくれているね」
困ったように笑ったオブシダンが、黒剣を構えて。
跳躍から一気に、刃をまっすぐに用心棒へと振り下ろした。
「また新手か、お前たちも「沢山呼んでいる」ではないか」
交わされた刃が噛み合い、刃と刃が擦れる音を耳障りに響かせて返す手で再び刃がカチあった。
「君達みたいのはずっと寝てないとダメでしょー、暴れたら満足して、また土に返ってくれない?」
僕も長いこと埋葬されてたけど、ああいうのも静かでいいものだよ、なんて。
軽口を叩きながら突き出された刃を避け交わし、後方へと半ば転ぶように蹴り跳んだ。
片手でなんとか体制を立て直して向かい合うオブシダンと用心棒。
一撃が重い。
……ああー、勝てる気がしないなぁ。
再び跳躍。肩口を狙って刃を突き下ろすも、軽いステップで躱される。
勢いがあまり、今度は本当に足元を滑らせ。
「……しま、っ!」
咄嗟にあげる黒剣。
用心棒の影が落ちる。
「お前は、弱いな」
人を斬る喜びに、人を見下す感情に、溺れた声音を漏らす用心棒。
そして、そのまま。
黒剣ごと、オブシダンの身体が貫かれ。刃がぱきりと2つに割れ落ちた。
げぼ、と鮮血を吐き出し、身を縮こまらせるオブシダン。
「止め、」
もう肩を一差し、腕を、首を。
「――愉快だな。愉悦に浸る男の顔が歪むのは」
その瞬間。
背後に迫っていたジェイクスが『オブシダンの本体』で用心棒の背を袈裟斬りにした。
先程まで倒れていたオブシダンは、もう居ない。
彼の実体は、今は器物――、ジェイクスの掌の中にある黒耀石の剣だ。
ジェイクスとオブシダン、彼らの作戦はこうだ。
『オブシダンには囮として用心棒を引きつけてもらう。そして一撃『わざと』喰らってもらう。――獲物を仕留めた瞬間はどんな強者でも一瞬の隙ができるはずだ』、と。
ヤドリガミの肉体は仮初の物だ。
損傷しても、本体の器物を破壊されない限り再生するという特性を使った、力いっぱい捨て身の囮作戦。
その隙を見計らい、得意の暗殺スキルで間合いを詰めたジェイクスが斬りかかる、と言う作戦が上手くハマった。
「さあ行こうか、相棒。吠え面かかせてやろうじゃない」
「ああ、任せてくれ」
返す手で逆袈裟に背を更に斬り重ね。
溢れる血に、ぐら、と揺れる用心棒の身体。
「……用心棒の本質も失った人斬りの残滓風情が。今すぐ冥界に還してやるよ」
「花嫁花婿さん達のこと、首を長ーくして待ってる人達も居る筈だから。そろそろ終わらせちゃわないとね!」
三つ編みを揺らして駆け込んだイルの栞と、明夜のあまりにかわいい霊符が用心棒の動きを封じ食い止める!
「嗚呼、……ちゃんと、届いたな」
珂の黒爪が交わされ、黒の枝葉に再び白炎の花が燈される。
「華燭、……には程遠いが送り火にはなろう。――まいのぼれ」
白い花、白い炎の花弁。
ゆれる、揺れる。
「まだだ。お前には、まだ罪がある。……磔刑だ。楽に死ねると思うなよ」
冷たく響く、ギドの声音。金の瞳に籠もる怒気。
再生仕切っていない腕より血の槍を生成すると、できるだけ酷く抉るように。
深く深く、用心棒の腹を貫き止める。
ソレを見て、花虎の影の獣も黙っては居なかった。
「闇御津羽。……でも、今日ははれの日。……多少は行儀良く頼む」
嗚呼、むりか。
むりだな。
むりでした。
影の獣は激しく、敵へと喰らいつく。
「げ、ほ……ッ!」
言葉にならない言葉で呻く用心棒は、囚えられた身体をなんとか捩る。
手は、なんとか届く。動く、ならば。
笑う。
「か、は、……お主ら、……強いなァ」
上半身を捻り――、最後の力を振り絞り、刃を手に。
「一人位、某におくれ」
「何を……!」
踏み込んだオリオが横より黒剣で刃を受け止めるが、生まれた剣圧による衝撃波が駆ける事は止められなかった。
一番近くに居たコノハの腹が、ぱくりと裂ける。
彼はどこか憐れむように瞳を細め――。
「生憎そーゆーのに痛む心は持ち合わせてねぇの。……その無念ごと、喰らってやるよ」
柘榴を振るえば、用心棒のなけなしの体力を啜る刃。
――ああ、こんな濁った血じゃ、ハレの日の良い香りを消してしまうだろう。
「次も喰らわぬ、と申しましたよね」
「幕引きといこうぜ」
ベルベナが刃を構え、ユトの槍と同時に交わされ――。
そして用心棒の身体は、膝をついて崩れ落ちる。
「わたくしは星夜、あなたが観る最期の夜。……さようなら、用心棒さま」
「……おやすみなさい、せめて、安らか、に」
オリオとメヤの祈るような声に合わせて。
崩れ落ちた身体は、さらさらと溶けて骸の海と還って行く。
傷ついた猟兵達と、戦いに踏み固められた田舎道だけを残して、何事も無かったかのように。
「……折角のおめでたい日、……なんとか守れた、よね?」
椛が首を傾ぎ。まりあが大きく頷いた。
「ええ、ええ。勿論。敵以外、だれも亡くなっていないもの」
「オレは割と傷ついてまぁーす」
裂けたコノハの腹を癒やすまりあ。
でもあなた、そんなに痛そうじゃないじゃないの。と、まりあがかんばせを傾けて少し笑った。
ギドの耳元、くうるり舞ったシゥレカエレカは、彼の首筋に唇を落とし。
ああ、わたしの為に傷ついてしまった身体。
ああ、わたしの愛しい人。
「……ありがとう、ギド。守ってくれて」
夫にだけ、聞こえる癒やしの歌を。シゥレカエレカは歌う。
大成功
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第3章 日常
『狐の嫁入り』
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POW : 紙吹雪や折り鶴シャワーを撒く
SPD : 花嫁行列が来るよ、と先々に告げて回る
WIZ : 行列に合わせて音楽を奏でる
👑11
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●冬きつねの嫁入り
「オブシダンも、再生できるとはいえ、悪いことをしたとは思うが、ふふ……恨まないでくれよ」
ジェイクスが、黒曜石の剣と化したオブシダンに肩を竦めて笑う。
なんたって、『自分を使えば効率よく敵を倒せる』と言ったのはオブシダンの方なのだから。
「だからってあそこまで執拗に刺されるとは思わなかったよね、性格が悪いよ、アイツは。性格が」
「ん、おー! お祭り? お祭り?」
リュヌが猫憑き季月を抱えて首を傾ぎ。
「……うん! これで無事、花嫁行列の続きが始められるよね!」
椛が大きく頷いて、行列を見やった。
先程よりも、ずっと楽しげに奏でられる雅楽。
しゃら、しゃら、揺れる花飾り、揺れる狐尾。
白打掛に角隠し。それに、特製のヴェイルを飾り付けて。
寄り添う男は黒五つ紋付き羽織袴で誇らしげに。
狐の娘が野点傘を寄り添う二人に差し掛け、歩む道。
行列成して歩むは、二人を祝うが為。
笛の音、太鼓の音。
今日は、今日は、夫婦の始まりの日。
堅磐に常磐に命長く、子孫の八十連屬に至まで。
夜の守日の守に守幸へ賜へと、恐み恐みも白す。
山の上の神社には、もうごちそうも用意されているらしい。
さあ、さあ、祝え。
新しき旅路を祝え。
玖・珂
今日この日、白は花嫁の色だ
白い身形の私は控えよう…………とは思えど、一目見くらいは観たいな
クライミングやジャンプで、遠方からでも行列が見える高台へ
祝い事や笑顔とは良いものだ
晴れの日に降る雨を、狐の嫁入りと呼ぶこともあるそうだが
長杖の羽雲を軽く掲げ魔法で雪を招いてみる
風花もよかろう
――恐美恐美も白さく
――病悉除き 寿命長延 福禄圓満にして
夫婦となるもの、祝うものに至まで
過ぐ年も、迎える年も
歩むみちに幸多からん事を
リダン・ムグルエギ
も、もうしばらくの間は頑張らないわ…
ぐったりしつつも携帯でハレの日の様子は撮影
このために来たんだもの
…無事でよかった
宴も大事な資料
存分に楽しむわ
いすゞさんは急な連絡、それも戦いの映像なんて送ってごめんなさいね
まりあさんは回復ありがとう
と、感謝に挨拶を
でも、興味はすぐにこの地の文化や意匠に
あら、コレ美味しい、何を使ってるの?
あの紋様ステキね。どんな意味があるのかしら…
色々聞いて回ります
今回の宴、ステキだったわ
他にも素敵なイベント、教えてくれないかしら?
他の人との会話アドリブ大歓迎
この世界のアイテムで霊帯かフードを作る予定です
何かいいお名前や設定があれば、リプレイ内でオススメしてもらえると幸いです
リュヌ・ミミティック
ん、おー、よかった、よかった!
(教えてもらって、納得して尻尾ぶんぶん)
「ん、おー……凄、く、凄、く、素敵、素敵だ、ね!」
(瞳きらきら、尻尾がさらにぶんぶんふられ)
猫憑き季月、ダフィット、紙吹雪を一緒にやろう。
(ん、2人、が、幸せに、過ご、せ、ます、よう、に!)
そんな願いを込めて、2人へ紙吹雪を。
「ん、おー、お2人と、も、お幸、せ、に、だよ!」
困難を乗り越えた2人なら、きっと、きっと幸せになれるよって、伝えたいなっ
ご馳走も、食べていいのなら、ダフィットと猫憑き季月と一緒に、食べさせてもらおうかな!
素敵と素敵が合わさって、今日はいっぱいいっぱい、幸せな一日だね。
朽守・カスカ
嫁入りを守るため、と息巻いてきたものの大変出遅れてしまったか
でも、折角の慶事なんだ
せめて御祝いの手伝いだけでもしてゆこう
さぁ、そこの道行くキミよ
これから、花嫁行列がくるよ
耳を澄ましてごらん
笛の音、太鼓の音が聞こえるだろう?
目を凝らしてごらん
紙吹雪や折り鶴が舞っているだろう?
ふふ、所縁がなくても大丈夫さ
(私だってなんの縁もないけれど)
この目出度いひとときを祝うのに
言葉と笑顔さえあれば、それだけで充分さ
そうして山の上の神社まで行列が行くのを見送れば
そっとそのまま離れよう
ふふ、この素晴らしいひとときを
少しでも手伝えてとても嬉しい、な
どうか、アナタ達の門出が
末永く幸せに続くよう願っているよ
おめでとう
絢辻・幽子
POWで
こーん、こん、なぁんて。
ふふ。狐の夢、いいえ、女の子の夢
白昼夢、美しい夢みたいな現実
狐の嫁入りなんて素敵ですね
籠につめた、紙吹雪に、折り鶴、白い花を
ポンポン菊とかまんまるで可愛いですよねぇ
ふわふわ、ひらひら
小さい子が見ているようなら、さぁご一緒に
あ、怖い人じゃないですよ?
クマは、ありますが。いい人(自己申告)ですよー
旅路を祝う背を押す吹雪を花を
行く先を冷やすような風ではなく
あたたかな吹雪を。
こんな賑やかさなら、歓迎です。ふふ。
コノハ・ライゼ
ジンノ(神埜常盤・f04783)と連れだって
治してもらって服も綺麗にしたのなら、もう血の匂いもしないだろう
また漂い始めた幸せの香りを、満足気に一度吸い込んで
へぇ、花嫁行列って触れ回ってイイの?
じゃあ神社まで賑やかに知らせながら行こうか、ジンノ
周りをくるくる回りつ詠いつ、ご馳走に期待膨らませ
(式では静かにしてるヨ)
ジンノ、日本酒はイケる?祝いの席じゃ、たんと呑むがよい!
飲む前から出来あがってるかのテンションで
そういやジンノって名前や格好がこの世界っぽい
なんか縁があったり?
オススメ料理とか知る人ぞ知る的なの知ってたら教えてヨ!
オレねぇ、食べるのだあい好きなの
美味しい時はヤな事忘れちゃうデショ?
神埜・常盤
コノハ君(f03130)とご一緒に
門出の日は矢張り賑やかに!
笑顔も沢山咲かせないとねェ
というわけで、神社へ向かう道中
明るく花嫁行列の触れ回り
コノハ君は元気が良いなァ
僕も負けずに元気よく太鼓でも叩きながら
皆の気を引いてみようか
祝う者は1人でも多い方が良いだろう?
無論、酒の好き嫌いはしないとも!
既に酔ってそうだが、君もどんどん飲め飲め
あァ、縁というか母が東洋の者でねェ
僕はこの世界の者では無いが不思議と
親しみを感じるのさ
然しこの地との縁なら君が……まァ、いいか
鯛の塩釜焼きなんておススメだよ
ふぅん、君の食への執着はそういう訳か
僕にも美食が幸福を齎すのは分かるとも
今日はたらふく存分に付き合おう
ハバムル・アルコーン
【無花果】の子達と一緒に行動するよ
嫁入りかぁ...いやーめでたいね、あたしも祝福するよ
...あたしにもいい出会いないかなぁ。
【バトルキャラクターズ】で呼び出したドット絵の小人たちにも紙吹雪を舞わせて手伝わせつつ、あたしもみんなと協力して紙吹雪を舞わせるよ。
勿論ごちそうもたっぷり頂こうかな!
あたしドラゴニアンだから、食べる量もそれなりに多くって...
【無花果】のみんなで依頼出るのは初めてだしいっぱい楽しもう。
え、あーんしてってズズちゃん...あ、あーん...(激しく恥ずかしがりながらも口を開ける)
やられっぱなしも悔しいからそのあとは食べさせあいっこしよう。
ルシオラ・セレナディウム
お二人の門出を邪魔する者を排除することができて良かったですわ!
一切合切、幸せな未来に襲い来る過去を滅して、真白に
漉き立ての雪紙にお二人の色で、線で、美し未来を描いて頂けますように……
純白の和紙で折り鶴を折り、オーロラにきらめくセレナディウム片と共に撒きます
聖なる光を籠めて生命が宿るように
シュエットと一緒に和風のお祝いの装いで参列しましょう
鶴の群れと舞うように
和の花嫁装束の素敵なこと!
花婿もなんと凛々しいいでたちかしら
愛しき方とわたくしの婚礼もこのように美しいものでありますように
その日を夢見てお祝いを
花嫁花婿にセレナディウムで出来たふたり狐の置物をお祝いにお贈りします
アデル・タイアン
キツネのヨメイリ?
嫁、いり?
不思議な言葉
この紙を撒けばいいの?
(ぶわっとひとまき)
……。なんて、素晴らしい景色
みなのとも合わさり、とても綺麗
雪景色のよう、いいえ、花が舞っているよう
嫁入りといえば、こういえばいいのか、おめでとう
馳走も、たくさん
みたことがない料理がいっぱい
(もぐもぐ
どれも美味
ジェイクス・ライアー
こうして祝いの時を迎えられたことは何よりの幸いだ。
夫婦の門出を遠くから見届け、ひとつ馳走をいただいたら静かに帰ろう。
…ああ、だが菓子はいらないよ、すまないね。甘いものは苦手だ。そう、折角なら肉がいい。疲れた体を癒してくれるからな。
ごちそうさま。
…さて、用事は済んだ。長居は無用だ。
ーーそう、だがもし、帰る前にオブシダンを見かけたら労いの言葉をかけなければな。
〝袖触れ合うのも他生の縁〟という言葉をこの国で聞いた。
数多の世界の中で、また縁が繋がることがあったならばまた力を貸して欲しい。
さらばだ、相棒。
岡森・椛
私達、守れたんだ…と、花嫁行列を見て改めて感激
素敵な日をこの手で守れる事
その為の力があってよかったと思う
初めてのお仕事、頑張ってよかった
POW使用で、紙吹雪や折り鶴を心を込めて撒くの
その中に、紅葉の形の折り紙もいくつか混ぜておこう
少し季節外れだけど、これは私からのお祝い
紅葉の花言葉の一つは『大切な思い出』だから…
これからの旅路が幸せいっぱいでありますようにと祈りを込めて
きっと私が祈るまでもなく幸せだろうけど、幸せは無限大だから
沢山の想いが重なれば、もっと幸せになれると思うの
いすゞさんも一緒にお祝いしよう!
ほら、数えきれない幸せを新郎新婦に降らせようね!
ごちそうはどんなものなのかな?
気になるよね
秋稲・霖
【WIZ】
よっしゃごちそう!!目一杯幸せに肖らせてもらうぜ
どんなごちそうがあるんだろーな、めっちゃ楽しみだぜ
けど、敵は倒したって言ってもとっとと神社に行って食べるだけ食べるのもアレっつーか
俺の腕の…や、喉の見せ所ってやつ?
歌でお祝い、確りさせてくれよな!
雰囲気壊さないように、永遠の幸せを願って
おめでとーございまっす!二人で歩幅合わせて、最高の旅路を!
やっぱ花嫁姿って超綺麗だよなー。大切な人の晴れ姿ってやつを見られるって思うと…こーゆーの、マジで憧れるかも
※アドリブ、他参加者との絡み歓迎
戒原・まりあ
おめでたい事は皆で共に出来たらとてもいいと思うの
きっと他の私だって楽しみたい筈
【オルタナティブ・ダブル】で呼び出して、一緒に紙吹雪を撒きましょう
二人の門出を祝って
いすゞちゃんもやらない?とお誘い
そーれっ
「おめでとう!」の声は何人分になるかしら、ふふ
先の戦いで光を使って疲れていたのも事実で
おいしいごちそう、ぜひ頂いちゃう
もうひとりのまりあとあれがおいしかったとかじゃあ取ってくるとか言いながら
ねえいすゞちゃん、あなたのおすすめはあるかしら
花嫁さんも花婿さんも、綺麗ね
女の子だもの、やっぱりあこがれちゃうわ
英・明夜
明夜、行列の後ろを歩きながら、お歌を唄う人が居るなら、合わせて唄うね。
この世界で定番の民謡…みたいな、嫁入り歌なら知ってるから、それなら一人でも大丈夫だよ。
楽器は得意なものが無いけど…あのね。
鈴のことが嫌な記憶にならないように、歩みや音楽に合わせて、鈴をしゃんしゃん♪鳴らすね。
鈴の音が、お祝いの言葉と音楽と、皆の笑顔の記憶になりますように。
ひとつ鳴らすのは、新しい夫婦の幸せの為。
ふたつ鳴らすのは、二人が健やかであるように。
みっつ鳴らすのは、子々孫々の繁栄の為。
ずっとずっと続いてく道。皆が笑顔でありますよう。
…あとね、こっそり、願掛け。
いつか、明夜も、素敵な旦那さんと出会えますように。
ズズ・アンダーレイ
【無花果】の皆さまと。
わたくし結婚式に立ち会うの、初めてなんですよね
刹那的な愛を求め合うのではなく、永遠を誓う…
これが正しい人の営み…
祝福の紙吹雪を、ありったけ
人の幸せに立ち会えて、
その上ご馳走まで頂けるなんて悪いですね
美味しそうなお食事が並んでいたら、
際限なく手を伸ばしてしまいそうです
はしたない姿をお見せして、ごめんなさい
わたくしではなくて、半分はお腹の子(UDC)のせいなんです
…何かおかしなこと言いました?
あら、いーちゃん(f00273)はお酒を飲むんですか?
わたくしにもお供させてくれないかしら
…ふふ、冗談ですよ
むーちゃん(f04301)、こちらとても美味しいですよ
はい、あーんしてください
カチュア・バグースノウ
【無花果】のみんなと!
和式の結婚式も素敵!
静かで厳かで…パーティーっ気なところがあるのもいいわ!神聖な点は洋式とおなじだけど
あ〜あたしも結婚した〜い
紙吹雪をめいっぱいのお祝いの心とともに!
行く末に光あれ!
ご馳走におっさけ〜!
乾杯はお酒が飲めなくてもできるわよ〜!
はい、かんぱーい!
ズズとハバムルは見せつけちゃって〜ひゅひゅー
ソフィアもこっちきて一緒に食べましょ!
楽しいことはみんなで共有しないと!
イルは飲めるのね!乾杯!
…乾杯は何回してもいいのよ!あたしが決めたんだけど
和式のお酒はあんまり飲んだことないけど、この甘さとスッキリとした飲み口が最高よね!
いいわね…ほんと泣けてきた(ぐすっ
ソフィア・シュミット
【無花果】のみなさんと参加します
結婚式とはこういうものなのですね
参加するのも初めてですし、文化の違いはあれどこういうのはとてもいいですね
ソフィアも幸せに力添えしましょう
折り鶴シャワーというものに使われるのは作り方がわからないのでみなさんに聞きましょうか
子どもたちも一緒に作ったらきっと楽しいと思います
【無花果】の皆さんも楽しそうでほっこりします
お酒を飲んだりお料理を食べたりこういう催しならではの楽しさはいいものです
ソフィアはいいのかって?
幸せそうな光景でとても満足ですよ
でもせっかくだから少しいただきましょうか
ペチカ・ロティカ
複製した己の映し身、ランタンに薄紙を被せて。狐火をまねてみたりして。
ゆらゆらゆれる17つのともしびを、行列の先触れに。
進んでいく行列を確認しては、そわそわと
みんな「め」がおそろいなのね。にこにこのキツネ目なの。
いすゞや妖狐のひとだけじゃなくて、ほかのひとたちも。
―そう。そうなの。これが、『さいわい』なのね。
ふわふわして、あたたかくて。すてきなもの。
これがずっと続きますように、っておねがいしに行くの。
よかった、わかって。ペチカもこれで、こころを込めておいわいできるのよ。
はじまるふたりに、さいわいあれ。―って。
…いすゞもいつか、あれを着るのね?(花嫁衣裳を見ながら、うずうずと)
オブシダン・ソード
ふう、どうにか倒せたねぇ、お疲れ様。
みんな無事で何よりだよ僕は穴だらけにされたけど
人間の姿に戻って、行列を拝見
これが守れたんだからまぁ、細かい事は言わないよ
よくやったよねぇ、僕達
ごちそうはもちろん頂きます。
ヤドリガミになって良かったことの一つは美味しいごはんが食べれることだね
いやあ、幸せ
いすゞにもできたら挨拶をしておこうか
無事解決だよ、労いの言葉とかない?
まぁ、ごちそうもあるし十分なんだけど
油揚げ食べる?
ジェイクスにはこちらからも労いを
手に取って戦ってくれてありがとう
君の役に立てていれば、何よりもそれが、僕は嬉しい
機会があったらまた組もう
それじゃあまたね、相棒
鼠ヶ山・イル
【無花果】のみんなと参加
いや~、ここまでの戦い長かったな
ともかく、何事もなく式が執り行われそうで良かったよ
せっかくなんで、うちのシェアハウスのみんなも呼んで祝わせてもらうぜ
ハバムルのドット小人、マジ便利だな
紙吹雪も、雪みたいで綺麗だな
じゃあま、早速ご馳走にありつくとするか!
オレは酒をもらうぜ、お神酒とかいっぱいあんだろ?ん?
お、カチュアもいける口か!いいねぇ、飲み比べだ
ソフィアも楽しんでるか~?和食とかって新鮮だろ、いけいけ食え喰え
おおお?ズズとハバムル…お前らよく喰うな
てかズズのその銀色 いやな、なんでも…
やっぱお祝い事ってのは、楽しいのが一番だな
大事に、大切に送り出されて…あーあ
欲しい。
ギド・スプートニク
シゥレカエレカと
花嫁行列を眺め
妻の様子を伺う
私たちは結婚式のようなものを挙げていない
彼女もそういったものに興味や憧れはあるのだろう
招くような知人も居らず
照れくささもあり機を逸していたが
シゥレカエレカ、きみも参加してくるか?
私も、そうだな
着飾ったきみの姿を見たいと思う
もしかしたら断られるかも知れないが、妖精の森のご家族もお呼びして
出来る事なら、我々の婚姻を認めて欲しい
叶わずとも。それはとても哀しいことだが
それでも改めて、きみと祝言をあげたい
それは形ばかりの、まやかしに過ぎぬ事やも知れぬが
ずっときみの傍に
その誓いを形にしたい
どうだろうシゥレカエレカ、私の我儘を聞き届けてはくれまいか
*アドリブ歓迎
ワン・シャウレン
恙なく済んだようじゃな。
まぁ、本番はこれからか。
律儀な奴じゃのぅ(鞍馬見遣り、ついで周囲を確認し)ふむ…音楽。
ここのものは知らぬが、真似て合わせるならばさして難しいことでもない。
顔を見せる程でもないが、賑やかしに混ざってやるわい。
すまぬが残っておる楽器でもあるかの?
ないなら大人しく、
借りられれば、演奏しつつ行列を見守るとしよう。
……花嫁か。
……あの人は、こういうのも望んでおったのじゃろうか。
これはわし、叶えてはやれんかったのう…
鞍馬・景正
籠釣瓶が如き居合の業でした――骸の海とやらは宏大のようです。
さておき、これで心置きなく祝言が挙げられましょう。
このまま立ち去るのも不躾なれば、何か一働きしていきますか。
◆
【POW】
紙吹雪を地道に裁断していくのも良いですが――ひとつ趣向を凝らしますか。
行列の頭上に位置取るような樹や屋根の上で。
刀を抜き、即席で紙吹雪を刻んで降らせていきましょう。
後はワン嬢と共に洞房花燭の宴に向かう二人を見送りますか。
――冬に雷震々として 夏に雪降り 天地合すれば
乃ち敢えて 君と絶たん
斯様な夫婦として末永く在らん事を祈っております。
……我が父母のように年甲斐もなく睦まじいのも考え物ですが。
シゥレカエレカ・スプートニク
ギドと
怪我をしてない方の肩にお邪魔して
ギド、見て!あれが花嫁行列ね!
いすゞちゃんは神様の元に行くのに…って言ってたけど、集落中にお披露目するって意味もあるのかしら
幸せのお裾分け、って感じ!
…ふふ
それ、ギドの我儘じゃないでしょう
やあね、そんなにわかりやすかった?わたし
花嫁さんってやっぱり憧れちゃう
もちろん、わたしはもうギドのお嫁さんなんだけど!
みんなにお祝いされて、…そう、わたしの幸せを分けられるような
…ううん。わたし、あなたにまた哀しい思いをさせることが嫌なの
だからそういうの、挙げなくていいって思ってた
ふたりきりでもやっちゃおうか、ギド
だって、花婿さんの衣装のあなた、絶対特別格好いいもの!
ユト・リーィング
【 女神の祝福】で通る道に回り込んで、たくさんの紙吹雪を2人に届くようにばら蒔く。
よ!ご両人!素晴らしいな!
おめでとうさん!
(時々中に紛れ込んでいる折り鶴は金・銀で艶やかに)
二人を見送ったあとに
お嫁さんの友達とか紹介してもらいたいもんだなぁ・・・と本音が漏れる。
「本当に、皆様ありがとうございました」
「まことかたじけない。この恩義、命救われた事。忘れはしないでござる」
新しき夫妻は、丁寧に礼を重ね。
猟兵達に礼も兼ねて、祝いの列に。そして祝言の席の参加を願う。
そして猟兵達は――。
「――しかし。籠釣瓶が如き居合の業でした、骸の海とやらは宏大のようです」
「恙なく済んだようじゃな。……まぁ、本番はこれからか」
景正の言葉に、金糸の髪をかきあげたワンは、華やかな行列を見やる。
祝福に満ちた音で溢れる、道程。
景正は刀と脇差の収まりを確かめるように柄に触れてから、瑠璃色を一度伏せて。さておき、と頭を上げた。
「これで心置きなく祝言が挙げられましょう」
祝う行列に、狐火が燃える、花が舞う。
全てを幸福で塗り替えるように。
輝かしい未来を祝福するように。
「しかし。このまま立ち去るのも不躾なれば、何か一働きしていきますか」
言うが早いか。一気に踏み込むと、跳ねた景正。
身軽に樹上まで数歩で駆け跳び登り、放り投げた紙へと刀を走らせた。
舞うは、花道を彩る紙吹雪。
ひらひら、ひらひら、と。
それは華やかに太陽の光を浴びて、花弁の如く。
「お前も律儀な奴じゃのぅ」
言って肩を竦めるワンも、吝かでは無さそうであるが。
ワンは、映画が好きだ。
そりゃあジュブナイル映画だって、――ロマンス映画だって。
「ふむ……」
道行く雅楽隊にワンは願い、龍笛を一本拝借する。
サムライエンパイアの音楽は知らぬが、真似て合わせるならばさして難しい事でもなかろうと。
賑やかしに混ざってみようか。
樹上の景正の横に腰掛けて、歌口に唇を落とす。
ひゅうるり、ひゅるり。
新たに生まれる旋律は、紙吹雪に交じって祝福の音を響かせる。
「……花嫁か」
続く行列。
嫣然と顔を上げたワンは細く、細く呟いた。
――あの人は、こういうのも望んでいたのだろうか。叶える事の出来なかった願いに、思いを馳せて。
花弁の如く、散る紙吹雪。
――冬に雷震々として、夏に雪降り。天地合すれば、乃ち敢えて、君と絶たん。
手を止め、鐃歌を唇に乗せる景正。
「斯様な夫婦として末永く在らん事を祈っております」
願いを、祈りを、祝福を。
しかし、と景正は少し肩を竦めて。
「……我が父母のように、年甲斐もなく睦まじいのも考え物ですが」
「何かえ景正、そりゃ少し面白そうな話しじゃのう?」
指を止めて、詳しく聞かせてみせるのじゃ、とワンが悪戯げに瞳を揺らした。
●
「さぁ、そこの道行くキミよ。これから、花嫁行列がくるよ」
耳を澄ましてごらん、笛の音、太鼓の音が聞こえるだろう?
朽守・カスカ(灯台守・f00170)の歌う様な節に乗せた言葉に、ランタンがゆらゆら揺れる。
目を凝らしてごらん、紙吹雪や折り鶴が舞っているだろう?
山上の神社に続く道のり。
カスカはくすくすと笑う。
「ふふ、所縁がなくても大丈夫さ」
なんだって、私だって何の縁がないんだから。カスカは悪戯げに肩を竦めて。
「この目出度いひとときを祝うのに。言葉と笑顔さえあれば、それだけで充分だろう?」
そう言ってミレナリィドールの少女は、誘うように歩を進めて瞳を細めた。
ユトの楽しげな声が響き、紙吹雪が舞った。
「よ、ご両人! 素晴らしいな、おめでとうさん!」
紙吹雪を彩る金銀の折り鶴が、太陽の光をキラキラと照り返し。
ヤドリガミたるペチカは、映し身――ランタンに薄紙を被せて。
ゆらゆらゆれる17つの灯火が、行列を先触れる。
祝う者は一人でも多いほうが良いだろう。
神埜・常盤(宵の帳・f04783)の叩く太鼓は、皆を鼓舞するかのように空気を震わせる。
傷を癒やし。綺麗な服に着替えたコノハが、その周りをくうる、くる。
「神社まで賑やかに知らせながら行こうか、ジンノ!」
唄いつ、回りつ。
「コノハ君は元気が良いなァ」
これは負けていられないぞ、と更に力強く響く、常盤の太鼓。
さァ、愉しい式の始まりだ。
幸せの香りを胸いっぱいに集めて、歩む道。
夜明けの色の瞳には、興味の色を宿して。
行列と並んで灯火と歩むペチカは、そわそわキョロキョロ。
「みんな『め』がおそろいなのね。にこにこのキツネ目なの」
「うん?」
首を傾ぐいすゞ。
ペチカの言葉は横を歩く彼女の様に、妖狐がみんな元よりの狐目という意味では無い。
見上げれば妖狐以外の者も、妖狐の者もみーんな、ニコニコの狐目なのだ。
胸の前で掌をぎゅっと握って。
あ、とペチカは気づいた表情。
胸の奥でふわふわするモノの尻尾を捕まえた。
「――そう。そうなの。これが、『さいわい』なのね」
ふわふわで、あたたかくて、むねのおくがぎゅっとする、すてきなもの。
「じんじゃについたら、おねがいしに行かなきゃ」
これがずっと、続きますように、って。
ああ、よかった、わかって。これで、ペチカもこころを込めておいわいできるもの。
「はじまるふたりに、さいわいあれ、――って」
「そうっスねェ、きっと叶うに違いないっスよ」
くくく、と喉を鳴らして、いすゞが笑った。
それを見て、まどろみ色の瞳を細めてペチカはこっくり頷く。
「……いすゞもいつか、あれを着るのね?」
「……その日が来ると良いっスけどねェ」
ペチカの目線の先は、花嫁衣装。
自分にいつか、そんな日が来る事は想像もつかないと。いすゞの尾が、ゆうるり揺れた。
「ねえ、」「いすゞちゃんもやらない?」
まりあ、と、まりあ。
おめでたい事は皆で共有したい、それはきっと『他のまりあ』も同じはず。
門出を祝って。
オルタナティブ・ダブルで顕現した『もうひとりのまりあ』と一緒に紙吹雪の籠を持つまりあは、同時にいすゞに声をかけた。
「いいっスね、ペチカセンセも一緒にどうっスか?」
「……それを、まくの?」
まりあの声かけに、いすゞが耳をピンと立てて。こっくりと首を傾げるペチカ。
「やってみるの」
重なる祝いの言葉は、幾らあっても良いもので。
「そーれっ」
おめでとう、の言葉が沢山重なり、紙のあたたかい吹雪が祝福を彩る。
「ああ、それにしても花嫁さんも花婿さんも、本当に綺麗ね」
うっそりと呟くまりあもやっぱり女の子。
素敵な結婚式に憧れてしまうのは、仕方ない事でしょう?
ドット絵の小人達が、紙吹雪を舞わせて走り回る中。
「キツネのヨメイリ? 嫁、いり?」
不思議な言葉だ、と。
おとぎ話に出てくるお姫様みたいな、綺麗な金髪を揺らして。
ミレナリィドールの少女、アデル・タイアン(ミレナリィドールの精霊術士・f10904)は首を傾げた。
そう。
こーん、こん、なぁんて。
「ふふ、狐の夢――いいえ、女の子の夢ですよ」
困ったように下がった眉、揺らぐライラック色に笑みを乗せて。
籠に詰まった、紙吹雪に白い花。折り鶴。
ポンポン菊はまぁんまる。
不思議そうにするアデルに、幽子は、籠の中身を手渡した。
「さぁ、ご一緒にお祝いしましょう」
あっ、怖い人じゃないですよ。瞳の下を染めるクマはあるけれど、いい人です。
なんて。聞かれてもいない言い訳を、口に。
「……この紙を、撒けばいいのか?」
そんな幽子に気づいているのか、居ないのか。
アデルはマイペースに、行列へと吹雪を散らしはじめた。
全部全部、お祝いの言葉に乗せて。夢みたいに、幸いの雨を降らせましょう。
白昼夢。いいえ、いいえ。美しい夢みたいな現実。
「……なんて、素晴らしい景色」
思わずアデルが漏らした言葉に、幽子は頷く。
「ええ、そうですねぇ」
雪景色のよう。いいえ、いいえ。花が舞うように。
音に、花が、列が交じる。
幸いの旅路を祝う、背を押す吹雪に、花を。
行く先を冷やすような風ではなく、あたたかな吹雪が彩りを添える。
「嫁入りといえば、おめでとう、というのだな?」
「ええ、そうですよー」
幽子が目尻を落として、アデルに向かって瞳を柔らかく細めた。
「――こんな賑やかさなら、歓迎ですね。……ふふ」
花散る道、行列は先へ、先へ。
人々の幸いの声と、思いを乗せて。
「ふふ、この素晴らしいひとときを、少しでも手伝えてとても嬉しい、な」
神社へたどり着いた行列を、遠巻きに。
幾重にも重なる鳥居をくぐる行列を見守ると、踵を返すカスカの姿。
――どうか、アナタ達の門出が、末永く幸せに続くよう願っているよ。
「おめでとう」
●
粛々と行われる厳かな式。
祝詞に合わせ、杯を交わし――。
もうしばらくの間は頑張らない、とぐったりとしていたリダンも真剣に撮影だ。
だって、リダンはデザイナー。
情報を集めて、題材の参考に。そのために来たんだから。
とは、言え。
「……本当に、無事で良かったわねー」
「……私達、守れたのね……」
知らず、拳を握りしめて呟いた椛に。
「ええ、お二人の門出を邪魔する者を排除することができて良かったですわ」
シュエットと揃いの和装に。身を包んだルシオラが頷いて、言葉を返した。
一切合切。幸せな未来に襲い来る過去を滅して、真白に。
漉き立ての雪紙にお二人の色で、線で、美しい未来を描いて頂けますように。
ルシオラの祝いの吹雪は、キラキラと鶴と光が舞う。
素敵な日を、この手で守れた事。
今は、本当に。
その為の力があってよかったと、椛は思う。
「ん、おー、よかった、よかった! 凄、く、凄、く、素敵、素敵だ、ね!」
無邪気に瞳を輝かせて。
猫憑き季月とダフィットと一緒に、紙吹雪を撒くリュヌの姿。
そんな無邪気な姿に、椛は思わず肩の力を抜き――。
そこで初めて気がついた。
ああ、私、すごく力が入っていたのね。
「……初めてのお仕事、頑張ってよかった」
「ん! 守れて、よかった!」
一緒に、とリュヌに勧められるがままに。一緒に紙吹雪に、折り鶴を撒く椛。
紅葉の形の折り紙を、新たに混ぜて。
少し季節外れのお祝い、『大切な思い出』。
「ん、おー、お二人と、も、お幸、せ、に、だよ!」
――二人のこれからの旅路が、幸せでいっぱいでありますように。
困難を乗り越えた二人なら、きっときっと、沢山幸せになれるから。
「ね、いすゞさんも一緒にお祝いしよう!」
「はいっス、あっしは笛でも披露しようつスかねェ」
沢山の想いが重なれば、きっと、もっと、もっと。
数えきれない幸せを、二人に降らそう!
いすゞの奏でる旋律に、再び太鼓の音が始まる。更に琵琶の澄んだ音色が、交わり響き。
風鈴の――、鈴の音が嫌な思い出にならぬように。
明夜が重ねる、鈴の彩り。
鈴の音が。お祝いの言葉と音楽と、皆の笑顔の記憶になりますように。
「ひとつ鳴らすのは、新しい夫婦の幸せの為」
この世界で定番の、嫁入り歌。
戦巫女たる明夜の澄んだ声音に、雅楽隊が旋律を合わせた。
お、と気がついた霖は調子を合わせ。
和音に朗々と、響き重なる二人の歌声。
ふたつ鳴らすのは、二人が健やかであるように。
みっつ鳴らすのは、子々孫々の繁栄の為。
ずっとずっと続いてく道。
皆が笑顔でありますよう。
あと、これはオマケ。
こっそり、こっそり願掛けを。
いつか、明夜も、素敵な旦那さんと出会えますように。
「おめでとーございまっす! 二人で歩幅合わせて、最高の旅路を!」
そして。にへっ、と笑った霖が、ひときわ大きな声を張り上げると。
思わず、ぽろりと涙を一筋零す花婿。
「……もぉう、なんでアンタが泣くのよ」
「い、いや、思わず。……御配慮の程まことにかたじけなく」
くすくす笑う花嫁と、取り繕おうとする花婿。
親族から優しい野次が飛ぶ。
こほん、と咳で仕切り直し。
「本日祝う為に集まってくれた仲間達、我々を救ってくれた猟兵殿達、心遣い誠に感謝するでござる」
さあさ、コレより始まるはただの宴。
騒げ、祝え、歌え。
二人の未来に、祝福を!
●
「ねえ、ギド。いすゞちゃんは神様の元に行くのに…って言っていたけれど。きっとあの花嫁行列って、集落中にお披露目して幸せのお裾分けをしているのね!」
妖精の翅をピンと伸ばして。ギドの怪我をしていない方の肩に、座るシゥレカエレカ。
「……本当に綺麗、ね」
式に向かう花嫁花婿をうっとりと見やる妻の様子に、ギドは温容に掌を伸ばし。
「シゥレカエレカ」
なあに、と首を傾ぐ彼の妻。
ギドとシゥレカエレカはこのような式のようなものを挙げてはいない。
招くような知人も居らず、様々な事から機を逃していたが――。
「……私も、そうだな。着飾ったきみの姿を見たいと思う」
彼女の頬へ指を伸ばし、柔く撫でてから。くすぐったそうに身を小さく捩った彼女は、再び指に座り込む。
目線の合う距離まで。彼女を載せた指先を前に、ギドは言葉を次ぐ。
「もしかしたら断られるかも知れないが、妖精の森のご家族もお呼びして。……出来る事なら、我々の婚姻を認めて欲しい」
この祝福の気配に気持ちが飲まれているのかもしれない、とギド自身思う。
しかし、ずっと考えていた本心でもあるのだ。
「叶わずとも。それはとても哀しい事だが。……それでも改めて、きみと祝言をあげたいと思う」
それは形ばかりの、まやかしに過ぎぬ事やも知れぬが。
ずっと、きみの傍に。
「どうだろうシゥレカエレカ、私の我儘を聞き届けてはくれまいか?」
夫の蒼い瞳を見上げて、ふふふ、と。
シゥレカエレカはいかにもくすぐったげに、おかしそうに笑った。
「それ、それ、ギドの我儘じゃないでしょう。……やあね、そんなにわかりやすかった? わたし」
シゥレカエレカは妖精の翅を何度もはためかせて、掌と掌を合わせて口の前に。
表情を見られる事を隠すように口元を覆ったまま、彼を見上げ。
「……花嫁さんってやっぱり憧れちゃう。……あ、違うのよ。もちろん、わたしはもうギドのお嫁さんなんだけど!」
みんなにお祝いされて、……そう、わたしの幸せを分けられるような。
息を吐いてから、首を左右に振るシゥレカエレカ。そんな彼女の言葉を、ギドはじっと待つ。
「……ううん。わたし、あなたにまた哀しい思いをさせることが嫌なの。だからそういうの、挙げなくていいって思ってた」
彼の指先から飛び立つ、シゥレカエレカ。
くるうりくるり、彼の耳元。夫にだけ聞こえる、ウィスパー・ボイス。
――ふたりきりでもやっちゃおうか、ギド。だって、花婿さんの衣装のあなた、絶対特別に格好いいもの!
●
「よっしゃー、ごちそう!!」
霖のハチャメチャに陽気な声。
並んだ食事に、アデルは少し驚いてしまう。
そこには、彼女の生まれた『世界』では見たこともない料理が立ち並んでいたのだから。
それもまた、素晴らしい光景なのだ。
「……どれも美味」「お、ホントだ、旨い!」
二人共、食べ始めるのはやーい。
「本当にごちそうだね……!」
ほう、と椛が目を丸くした。
沢山の人々が集まった分、沢山用意された料理は圧巻だ。
お肉にお魚、山の幸。
きらびやか、とは言えないけれど。
丁寧に作られた事が解る、今日という日をお祝いする気持ちがたっぷりつまった宴料理だ。
「ジンノ、日本酒はイケる?」
居酒屋のコノハは、酒の目利きが利くようで。
ちゃっかりと一番良い瓶を手に確保をしているが。
「祝いの席じゃ、たんと呑むがよい!」
このテンションでへらへら笑うコノハには、実はまだ一滴もお酒が入っていない。
「無論、酒の好き嫌いはしないとも! 既に酔ってそうだが、君もどんどん飲め飲め」
同行者である常盤にすら酔っ払っていると思われているコノハだが。
互いに、グラスに注ぎ合った酒で乾杯。
ああ、戦闘の後の酒ってやっぱりしみる。
思わず綻ぶ笑顔、つまみに煮物を一口。
「そういやジンノって名前や格好がこの世界っぽいヨネ。なんか縁があったりスルの?」
く、ともう一口グラスを煽りながら、尋ねるコノハ。
「あァ、縁というか母が東洋の者でねェ。――僕はこの世界の者では無いが不思議と親しみを感じるね」
「へぇー、ならオススメ料理とか知る人ぞ知る的なの知ってたら教えてヨ!」
似たような料理でも良いから、とコノハは常盤にねだる。
「……この地との縁なら君が……まァ、いいか。そうだね、鯛の塩釜焼きなんておススメだよ」
コノハは少しだけ首を傾げて、すぐにへらへらと笑った。
「エー、取ってこよ! オレねぇ、食べるのだあい好きなの。美味しい時はヤな事忘れちゃうデショ?」
――この地との縁なんて、知らない、解らない。自分なんてモノ。
「……ふぅん、君の食への執着はそういう訳か。僕にも美食が幸福を齎すのは分かるとも」
ならばと立ち上がった常磐は、コノハの後ろに並び歩く。
今日は酒も料理も、たらふく存分に付き合おうか。
「アレと、アレが美味しかったわ」
「じゃあ取ってくるわね」
まりあ、と、まりあ。
先程の戦いの疲労が完全に癒えた訳で無いことは確かで。
もう一人のまりあと、まりあは体力回復がてらご馳走に舌鼓中。
そこへ。こん、こーん。ぽっくり下駄を響かせて歩く狐の少女が横切って行った。
「――あ。やあ、いすゞ」
「おぶしだんセンセじゃないっスかー、ウケるくらい穴だらけだったっスね。生きてるっスか?」
リダンの通信はバッチリ生きていた。
今声をかけてきたオブシダンが、ボコボコになるところもバッチリ配信、バッチリ確認できるほどに。
「生きてる生きてる、見たら解るでしょー。もー、無事解決の労いの言葉とかないの?」
「今回の一件、さすがの手腕っスよセンセ! いやあ惚れ惚れしちゃうっスよー」
「……調子の良い子だなあ」
まぁ、ごちそうもあるし十分なんだけど、と曖昧に笑うオブシダン。油揚げをいすゞの皿にシュートしてやる。
その後ろから、まりあとまりあが二重奏だ。
「ねえ、いすゞちゃん、あなたのおすすめのご飯はあるかしら?」
「おや、戒原……、いや、まりあセンセ達。お疲れ様っス! おすすめご飯と言えば妖狐名物、お稲荷さんっスよ! 狐の好きなもの、と呼ばれるだけあって地域ごとに味が違うんスよー」
「まあ、良いわね、是非取ってきましょう」
ふふ、と笑ってまりあ達が礼を重ね。
入れ替わり、その横から現れた蒼い山羊の姿。
「ああ、ちょうど良かった。まりあさん……達? 回復ありがとうね、本当に助かったわ。それにいすゞさんも、急な連絡に対応してくれてありがとう」
「どういたしまして」「気にしなくていーっスよー」
リダンの礼に、お稲荷さんを摘みながら微笑むまりあ達。
いすゞが仕事っスからね! と瞳を細めて。くくく、と喉を鳴らした。
「あら、それ美味しそうね、中は何が入っているのかしら?」
「これは銀杏……と、鶏肉、あとは人参かしら……?」
「ごまも香ばしいわよね」
「刻んだ干瓢も入ってたっスよ!」
「それにそのお皿の紋様素敵よね、どんな意味が――」
リダンの興味は尽きず。
女が三人よれば姦しいとはよくいったもの。……いや、まりあはもう一人いるけれど。
わいわいがやがや、話も弾む。
「ん、ダフィット、猫憑き季月! むこうに、まんまるなお饅頭、だ!」
大発見。
つぎはぎ猫と白いドラゴンを引き連れた、リュヌが会場を駆けてゆく。
「おおい、リュン坊。あんまり走るなよ、祝の席だ」
「ん、おー……、わか、った! ユトにぃ、も、ごちそう食、べて、る?」
「そりゃあ、もちろん。たっぷりな」
「おいしー、の、おしえ、て!」
注意を一つ、いつもみたいににっと笑うユトに。
ごちそうの案内をしてもらおうと決めたリュヌは、ユトの手に手を伸ばす。
今日は素敵と素敵が合わさって、いっぱいいっぱい幸せな日。
「やっぱ花嫁姿って超綺麗だよなー」
歌っていた霖が小休憩、と。茶を啜りながら、呟くと。
「ええ、ええ。和の花嫁装束の素敵なこと。花婿もなんと凛々しいいでたちかしら!」
二人に贈り物を終えたルシオラが、乙女のため息を一つ漏らして応じる。
「大切な人の晴れ姿ってやつを見られるって思うと……こーゆーの、マジで憧れるかも」
「全くですわ。ああ、愛しき方とわたくしの婚礼も……」
このように美しいものでありますように。その日を夢見て、キラキラと煌くオパールの輝き。
いつもより煌めいているように見えるルシオラに、霖はだよなあ、とカラカラと笑って。
「よっし、この憧れちゃった気持ちをもいっちょ歌に籠めてみっか!」
俺の腕の…や、喉の見せ所ってやつ? なんて。
再び霖は口を開き。
歌を届ける狐は、歌う。
祝福の歌を、祝いの歌を!
歌声の響く主賓達の近くよりも。ずいぶんと離れた端、静かな席。
「ふう、どうにか倒せたねぇ、お疲れ様ー。みんな無事で何よりだったね」
僕は穴だらけにされたけれど、と付け足して。周りを見渡すオブシダン。
わいわい、がやがや、主賓達だけでは無い。
参列客も、猟兵達も。皆、笑顔で楽しむ宴。
「これが守れたんだからまぁ、細かい事は言わないよ。よくやったよねぇ、僕達」
最後に今回の相棒を見上げて、にんまりと彼は笑った。
「ああ。……こうして祝いの時を迎えられたことは何よりの幸いだな」
オブシダンの横に掛けている今回の相棒――ジェイクス。茶を一口啜り。
「猟兵殿たち! できたての揚げ団子はいかがでしょうか? 他にもいろいろありますよー」
そこにぱたぱたと駆けて来る、給餌を行う狐の少女。
「すまないね、……甘い物は苦手なんだ。ああ、そう、折角ならそっちの肉を貰おうかな」
肉は疲れた体を癒してくれる、と。
ジェイクスは、少しだけ申し訳なさそうに少女と目線を合わせて。
「あ、じゃあそっちのお菓子は、僕が貰おうかな」
代わりに手を上げるオブシダン。
「はいっ、ではどうぞっ」
狐の少女がにこにこと給餌を行い。
「ヤドリガミになって良かったことの一つは美味しいごはんが食べれることだよねえ」
いやあ、幸せ、と熱々の菓子を頬張ったオブシダンは口の中を火傷した。
人間初心者だから仕方ないね。
ジェイクスは肩を竦めて、彼に水を差し出し。
「さて、と。……ごちそうさま」
やや涙目で水を飲むオブシダンの横で、黙々と食事を終えたジェイクスは席を立つ。
「『袖触れ合うのも他生の縁』という言葉をこの国で聞いた。――数多の世界の中で、また縁が繋がることがあったならばまた力を貸して欲しい」
真っ直ぐな視線をオブシダンに向けて。
交わす蒼と赤の視線。
「――手に取って戦ってくれてありがとう。君の役に立てていれば、何よりもそれが、僕は嬉しい」
僕は、道具だから。
ただ、一つの武器として振るわれることを望む。
自然と手を伸ばし、握手を求め。
「機会があったらまた組もう。――それじゃあまたね、相棒」
「ああ、さらばだ。相棒」
繋いだ手を、離した。
●
「いや~、長い戦いだったな。ともかく、何事もなく式が執り行われて良かったよ」
イルの言葉を、乾杯に変えて。
「じゃあま、早速ご馳走にありつくとするか!」
かんぱい、と杯を掲げる、シェアハウス無花果荘の面々。
「あー……嫁入りかぁ……いやぁ、めでたいねー」
祝福するよー、と言いながらも。あたしにも良い出会いがないかなあ、なんて。ハバムル・アルコーン(だらしなきゲーマードラゴン・f04301)はジュースを啜る。
「出会い……、あ〜あたしも結婚した〜い!」
出会いと言うワードに、いち早く反応したのはカチュア・バグースノウ(蒼天のドラグナー・f00628)であった。
黙っていれば儚げな可憐な女性だというのに、大きな口で焼き鳥をぱくり。お酒をぐい、と呷って、豪快に息を漏らし。
「和式の結婚式って素敵よねー。静かで厳かで……パーティーっ気がある所もいいわ!」
神聖な点は洋式とおなじだけど、と既に手酌を始めよたカチュアに、イルが、お、と声をあげた。
「カチュアも行ける口か? いいねぇ、飲み比べだ」
「おっけ~い、イルも飲めるのね、乾杯!」
乾杯は何度しても良いと、決めたのはカチュアだ。
事実、この後も彼女は無闇に乾杯を重ねる事となる。酔っぱらいってそんなものだよ。
「あら、いーちゃんとカチュアさんはお酒を飲むんですか? わたくしにもお供させてくれないかしら」
……ふふ、冗談ですよ。と、笑ったズズ・アンダーレイ(悪食胎惰・f06267)がジュースを啜り。
「でもわたくしは結婚式に立ち会うの、初めてだったのですよね。刹那的な愛を求め合うのではなく、永遠を誓う……」
ほう、と息を漏らすズズ。
「これが正しい人の営み……。そんな人の幸せに立ち会えて、その上ご馳走まで頂けるなんて、なんだか悪いですね」
なんだ、このシェアハウスの面々キャラが濃いぞ。
沢山のご馳走を確保しているというのに、どんどん胃に収まってゆくご飯達。
「おおお? ズズとハバムル……お前ら、よく喰うなぁ」
「あたしドラゴニアンだから、食べる量もそれなりに多くって……」
できれば食っちゃ寝してゲームだけして生きていたい気持ちもある程度には腹ペコキャラのハバムルが、里芋の天ぷらを食べる手を止めずにイルの言葉に答える。
こっちの卵焼きもおいしーい。
「……はしたない姿をお見せして、ごめんなさい、わたくしではなくて、半分はお腹の子のせいなんです」
ズズがお淑やかに脚を組み直して言う。
何を言い出すんだ、って顔の皆。
「………何かおかしなこと言いました?」
おかしな事しか言っていないズズ。彼女より何か銀色がまろびでている事を、イルは突っ込もうとするが。
やっぱり突っ込むことを止めて、ただ目を反らして箸を伸ばした。
触らぬ何とか、と言うやつだろうか。
あ、この海苔巻き美味しいな。
「それはそうと、むーちゃん。こちらとても美味しいですよ」
はい、あーんして下さい。
と、ハバムルにお稲荷さんを差し出すズズ。
「え、あーんしてってズズちゃん……」
びくっと肩を跳ねて。
え、え、と頬を染めたハバムルの唇に、ズズの差し出したお稲荷さんが迫る。
わあ、わあ。
「……あ、あーん」
正直とても、とても恥ずかしい。
うう、と頬を染めたまま、里芋の天ぷらを摘み。
「ズズちゃん! これも美味しいから、はい、あーん」
「はい、あーん」
やられっぱなしも恥ずかしいと。
ズズと食べさせ合いっこを始めたハバムル。
もっと恥ずかしい事になっているのだが、本人が納得しているのなら良いのだろう。
「見せつけちゃって〜、ひゅひゅー」
カチュアの雑な野次が飛び。無闇に乾杯とグラスを掲げる、はいかんぱーい。
そんな皆をみてほっこりと笑うのは、ソフィア・シュミット(邁進を志す・f10279)だ。
「ソフィアも、参加するのは初めてだったのですが……、結婚式とはこういうものなのですね」
文化の違いはあれど、こういうのはとてもいいですね、と。
幸福な風景に、眩しそうに瞳を細めるソフィア。
初めて折った折り紙も新鮮で、とても楽しかった。
花嫁行列も幸せそうで、綺麗であった。
幸せな光景。
「そういえば、ソフィアはさっきから何も食べて無くない? こっちきて一緒に食べましょ!」
はた、と気がついた様子で。カチュアがソフィアに声を掛ける。楽しいことはみんなで共有しないと、と酒瓶を掲げて。
「そうだそうだ、ソフィアも楽しめ~、和食とか新鮮だろ、いけいけ食え喰え」
ソフィアは皆の幸せそうな光景だけで、とても満足だと、思ったけれど。
「……でも折角ですし、ソフィアも少しいただきますっ」
ネモフィラを揺らして、こくこくと頷くソフィア。
「おうおう、喰え喰え」
「乾杯はお酒が飲めなくてもできるわよ〜! さあさあ、ほら、かんぱーい」
アルコール臭を漂わせた大人二人がやんやと盛り上がり、ソフィアがわたわたと食べ物を口に運ぶ。
ふ、と。
グラスから顔をあげるイル。
その目線の先は、主賓達。
きらきら、きらきら。
こんなに、皆に祝われ、祝福されて。
幸せそうだ、楽しそうだ、嬉しそうだ。
「やっぱお祝い事ってのは、楽しいのが一番だなァ。――大事に、大切にされてさ」
あーあ。
欲しい。
欲しいな。
その視線を断ち切ったのは、カチュアの酒瓶であった。
「はーあ、イル、飲んでる?」
勝手にグラスに酒を次出すカチュアに、イルは肩を竦めて。
「和式のお酒ってあまり飲んだ事が無かったけれど。この甘さと飲み口最高ねっ?」
「いやー、そうだな、とても旨い」
「……うん、うん、ほんと、良いわよね。……泣けてきたわ」
「カチュア
……!?」
涙目になったカチュアに、目を丸くするイル。
はい皆さん、お酒は程々に。
騒がしい会場内。青髪の後頭部をぽり、と掻いて、小さく小さく呟くユト。
「……しっかし。お嫁さんの友達とか紹介してもらいたいもんだなぁ」
ユト・リーィング、30歳。まだおじさんとは呼ばれたくない微妙なお年頃。
お嫁さん候補募集中です。
●
神社より、少し離れた崖の上に腰掛けた珂の姿。
白い肌、白い髪。今日この日。白は花嫁の色。
珂の身形は少し白すぎると、彼女は式を遠慮して遠目より神社を眺めていた。
遠目に見える皆は、その距離があって尚、とても幸せそうで。
「――祝い事や笑顔とは良いものだ」
青い空、流れる雲。
晴れの日に降る雨の事を、狐の嫁入りと呼ぶ事があるそうだ。
それは、吉兆の現れとも。
「……」
珂は長杖の羽雲で空気をくうるりかき混ぜて、少しばかり魔力を織り交ぜる。
さら、と空より降り落ちる、柔らかな冷たい雪。
それは一瞬で溶け消えてしまうけれど、神社の上まで確かに降り落ちたようであった。
「……風花もよかろう」
――恐美恐美も白さく。
――病悉除き 寿命長延 福禄圓満にして。
珂の囁く、祝詞は風に溶け消える。
「あら、雪?」
まだまだサムライエンパイアの文化に興味の尽きないリダンは、参列者の装束も目ざとくチェック中。
晴れ空の中、こぼれ落ちてきた雪を掌に収めた、瞬間。
目の前の狐が、締めた腰帯が目に入った。
雪模様の散る帯。しかし、帯自体の色は華やかに暖かな色で。
ああ、なんだか今日の式のようだ、とリダンは口角を笑みに上げる。
今日は、今日は、夫婦の始まりの日。
幸せと、祝福に満ちた、声が溢れる喜ばしい日。
夫婦となるもの、祝うものに至まで。
過ぐ年も、迎える年も、歩むみちに幸多からん事を。
大成功
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