シャングリラ☆クライシス㉒〜お江戸・お料理物語
●大丈夫?これ、 なるーんさんのシナリオだよ?
飯テロの時間です。
書かずにはいられないのが飯テロです。今回はお味は想像でリプレイを書きます。
メタから始まるオープニングははっちゃけトンチキの時間だよ!
●で、どういうことかというと
「みんな、戦争お疲れ様! アイドル素振りも大変だよね、ちょっと息抜きに料理してみない?」
トンチキ予知担当フール・アルアリア(No.0・f35766)開口一番なんか言い出した。
手元には既に絶版している現代語訳された江戸時代の庶民向け料理本。
所謂、レシピ本なのだがその時代からそういうものってあったのね。
「まあ、これも戦争の一面なんだけど。どういうことかというと――」
フール曰く。
グラン・グリモアは戦場を骸の海で覆いつくし、その中から様々な理由で今はもう地球上に存在しない【かつては存在した町や村】の光景を引きずり出すと共に、自身の戦闘能力を大幅にパワーアップさせるそうなのだが。
その土地に伝わる郷土料理を再現し、グラン・グリモアに食べさせることができれば、失われた筈の過去の一片が取り戻されたことにグラン・グリモアは感激してしまい、そのパワーアップ効果を打ち消すことができるらしい。
「因みに今回は、お腹いっぱいに再現飯を堪能すれば、過去はただ忘れ去られるものではなかったんだ――って安心して、骸の海に還ってくれるよ。ま、懐かしい味にほっとすることってあるよね、そういう感じ」
でね? とフールは続ける。
「今回は江戸時代の町や村が再現されるみたい。江戸時代の庶民料理を食べさせてあげると、満足するみたいだよ。歴史古い商家とか史跡として遺されてるお城を除いて、かつての町並みや村って今はもうそのままの形ではほとんど遺ってないもんね」
お城だって再建されてたりだもんね。
「江戸庶民のご飯は一汁一菜にお漬物が基本スタイル。主食は玄米、タンパク質はメインがお豆腐、魚はなんとまぐろのトロがただ同然だったんだって! 脂が多くて塩が浸透しないから保存効かないって理由らしいけど――醤油味のねぎま?とかで食べてたんだってさ。あとは、お醤油漬けのまぐろが大人気だったみたいだよ? 割と馴染み深いお味だよね、ついでに一緒にご飯食べてくればいいと思うよ!」
大きな大きなクーラーボックスをどんどんっと猟兵たちの前に置きまして。
「江戸時代なら前期後期は問わず! 自分も食べてみたいって料理を作るといいと思うよ。料理器具とレシピ本は貸してあげるね!」
尚、材料はサムライエンパイアから取り寄せました。
「いってらっしゃーい!」
なるーん
おはこんばんちは、なるーんです。
レシピ本は現代語訳×理物語(絶版)です。
料×物語ってタイトルがそのままでいっそ愛らしいですね。
つべで検索するといくつか再現飯がでてくるので参考までに。
適当でもいいし、想像でもいいし、こんな料理を作りたいって方針だけぶん投げて料理詳細はMSにお任せでも大丈夫です。
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プレイングボーナス:失われた場所の郷土料理を再現し、グラン・グリモアに食べさせる。
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プレイングは公開後より受付。進行はまったり。よろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『霊神『グラン・グリモア』』
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POW : グラングリモア・メモワール
【指先】で触れた対象と同じ戦闘能力を持ち、対象にだけ見える【記憶の化身】を召喚し、1分間対象を襲わせる。
SPD : グラングリモア・ホワイトタイド
レベルm半径内に【骸の海】を放ち、全ての味方を癒し、それ以外の全員にダメージ。
WIZ : グラングリモア・スティルアライブ
【骸の海に沈んだ「過去」】から、対象の【過去を失いたくない】という願いを叶える【オブリビオン】を創造する。[オブリビオン]をうまく使わないと願いは叶わない。
イラスト:稲咲
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
あら、江戸時代?アリスの得意料理はスターゲイザーパイとかクリームパイとか|ゼリードイード《うなぎのゼリー寄せ》とかだからなぁ、まぁ、なんとかしてみるわ。
うーん、そうね。|ハレの日《お友達記念日》の御馳走というテイで、おさしみに芋田楽に昆布巻きとちょっと多めにおかずを作りましょ。これに御飯と沢庵としじみのお味噌汁でイキましょう。
食材は聖餐儀式の分け御霊が化術で変じたモノで、|魔術で当時の調理過程を再現するわ。《不思議な呪文、料理、物真似》|せっかくだし霊神様も一緒に料理できるといいわね。《ファンを作る、ファンサ》
で、霊神様と|お食事会《愛を伝える》ね。
●おもてなし
変わらないで。変わらないで――願う心は骸の海よりかつての姿を映し出す。
アスファルトは砂利まじりの土に、観客たちの声は奥方たちの井戸端会議や、表長屋の通りをねり歩く棒手振りたちの掛け声に。
――豆腐は要らんかねー!納豆は要らんかねー!ああ、一丁頂戴な!
其処は人々が活気づき、生き生きと生きる江戸時代。長屋が並ぶ城下町。
これより時経てば波乱万丈、戦火に巻き込まれてしまうけれど、このまま止めてしまえばいいの。
『嗚呼、わたしが大好きだった昔の姿。やっぱり時が過ぎることに価値などないでしょう?』
土は無機質なアスファルトに埋められて、あたたかな木造長屋は無個性な集合住宅に――味気ない今より、ずっといい。
(でも、なんだか少し――)
再現度、高すぎるような? ちょっと首を傾げるグラン・グリモア。けれど、すぐに、まあ、いいか。とご機嫌に町を、長屋ひしめく裏長屋の通りを練り歩く。
――トントントン。
壁薄い長屋は生活音を容易く通した。まな板の上で食材を切る音が実に小気味いい。へどからは美味しそうなお味噌汁とご飯の香り。
(お腹が空いた)
グラン・グリモアがそう思ったところで割長屋の一軒の戸が、からり、開く。
「やっと来たのね、待っていたわ」
声をかけて、グラン・グリモアの手を引いて招くのは町娘に扮したアリス・セカンドカラー
(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202)様!小花散る暖色の着物が愛らしい。
『え、え?』
「アリスの得意料理はもっと違うものなんだけど頑張ったのよ。もう少しでできるわ」
居間にグラン・グリモアをちょこんと座らせて。アリスは再び、土間に立つ。
――トントントン。グツグツグツ。
繰り返される小気味よい音と、お腹を空かせる香が長屋の中に響き、立ち込める。
そうして出来上がったお料理は――。
『す、すごい! こんなに、いいの?』
「ええ、今日はあなたとアリスのお友達記念日だもの。ご馳走よ』
おさしみに芋田楽に昆布巻き、ほかほかのご飯に丁寧に出汁のとられたしじみのお味噌汁、そしてちょこんと小皿にのせられた沢庵。
二人そろっていただきます。お味噌汁は心がほっとする優しい味で、ご飯はあたたかで玄米独特の香りが広がる。かりこり、ああ、沢庵を噛むのが楽しい。芋田楽も昆布巻きも、思わず微笑んでしまうくらいに美味しくて。
『――懐かしい味。わたしの大好きな、味』
「ふふ、口にあったようでよかったわ。はい、あーん」
アリスはおさしみをひときれお箸で摘まんで、グラン・グリモアに差し出す。少し恥じらいつつ躊躇いつつ、グラン・グリモアはそれをぱくりと頬張って。
「|食材はすべてアリスの分け御魂《新鮮な食材を用意したの》。どうかあますことなく、美味しく食べてね。|アリスの魔術とあなたの力の相乗効果は抜群みたい《あなたとアリスは相性がいいみたいだから》、きっといい友達になれるわ」
ぷりーず いーと みー。アリスの微笑みの真意に気付かぬグラン・グリモアは。
『あなたが過去を大切に思ってくれるなら』
見事な過去の味の再現に嬉しくってしかたない、といった無垢な笑顔を向けたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
藍ドルキッチンにようこそなのでっす!
本日のゲストはグリモアのお嬢さんなのでっす!
お嬢さん、つまみ食いさせていただくことをお許しくださいなのでっすよー!
お手に口付けるようにチクッと吸わせていただくのでっしてー。
再現してらっしゃる以上、江戸を思ってらっしゃるでしょうからー。
その思い出の味を、藍ちゃんくんも味あわせてもらうのでっす!
見目や料理自身を再現しても、何か違う、となったら違和感大でっすからねー!
料理は食べる側の視点や感じ方もおっきいでっすし!
後は教えていただいた王道の庶民料理を作りつつも、体験させていただいた思い出の味に寄せてきまっしょー!
ではでは一緒にいただきます!
●どきどき★|藍ドル《アイドル》キッチン
それは突然の暗転。
ぐるり晴天は夜空に、ゆらゆらと揺れる灯篭の灯りだけが暗闇を照らす。
ひとり夜歩きに不安はあれど、眠らぬ街の夜歩きですら危ないのだから、灯り少ない|昔《今》だってきっと然程は変わらない。
なにより灯り少なければ星空がこんなに綺麗なのだから――。
『やっぱり|昔《今》がいい。文明の灯りは星空すら奪うんだもの』
提灯片手にお江戸を歩くグラン・グリモア。表通りに出たところで、ぱっと闇を切り裂く光が瞬いた!
思わず手をかざして光を遮るグラン・グリモア。
「藍ちゃんくんでっすよー!」
嗚呼、つまりその光の正体は、お月様が藍ドル照らすポットライトになったのだけのこと。
ばばんと登場、紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)――みんなの藍ドル藍ちゃんくんだ!
彼が立つ場はどこでもステージ! 再現でしかない風景は相応しき様へとメタモルフォーゼ★
見た目こそ|昔《今》の時代を踏襲しつつ、|最新《今》の設備をばっちり備えたレトロ風キッチンの中央には。
濃紺に麻の葉文様の着物とフリルエプロンで着飾った藍ちゃんくんが、きらっとポーズを決めていた。
「本日のゲストはグリモアのお嬢さんなのでっす! つまみ食いを許しくださいなのでっすよー!」
『ゲストってな――っ!?』
驚くグラン・グリモアの手をとって、丁寧に口付けてカプッとかじる藍ちゃんくん。
痛みよりもその行動にさらに目を白黒させるグラン・グリモア。
えへへ、と藍ちゃんくんは悪戯に微笑む――お嬢さんの想い、ばっちり受け取りましたでっすよー!
「再現してらっしゃる以上、江戸を思ってらっしゃるでしょうからー。その思い出の味を、藍ちゃんくんも味わわせてもらったのでっす! 見目や料理自身を再現しても、何か違う、となったら違和感大でっすからねー!」
つまるところ再現料理をより完璧に仕上げるため、ということです。
そうなのよ、昔と今では食材の保存方法が全然違うからね! 今より塩分濃くってしょっぱかったり、食材の食感だって多少は違いましょう。あたればがちで洒落にならないお豆腐だって、冷蔵保存のないこの時代から売られてたってんだから驚きだ――食あたりで亡くなっている人もいそうだけれども、おいておいて。
「お嬢さんの江戸を思う気持ち、とっても切なくってちょっとしょっぱくってあったかいのでしてー! お嬢さんの心がほっとする料理を振る舞ってみせるでっすよー!」
待っててほしいのでっす! と藍ちゃんくんはグラン・グリモアをゲスト席――これまた長屋風の居間風に飾られたコーナー――に座らせると、早速とお料理を始めた!
材料はグリモア猟兵が用意したもの。
玄米は土鍋で炊いて、その間に大根菜のお味噌汁と|再びでんがく《・・・・・・》を作る。用意するお漬物は大根の塩漬け。味噌に酒を少々入れて煮詰めて味噌だれを仕込み、切った豆腐に串さして火にあぶる。焦げ目ついたら醤油を塗って、軽く炙って味噌塗って――再びでんがくのよい香りが食欲をそそって仕方ない。
再びでんがくは調理が簡単な上に材料は安く、栄養もあり、腹持ちもするということで庶民の食卓のど定番だったそうな。
さて、出来たお料理はお膳に乗せまして。
「ではでは、一緒にいただきます!」
『い、いただきます……!』
グラン・グリモアが真っ先にお箸を伸ばしたのは、再びでんがく。ぱくっと一口頬張ったところで、きらきらと瞳が輝いた。
「お味はどうでっすかー? お嬢さんが体験したお味通りだと嬉しいのでしてー!」
グラン・グリモアはこくこくと頷いて、にこり笑う。
『これ――これが、この味が、ずっと食べたかったの!』
ファンの花咲く笑顔は、アイドルにとってご褒美だ。藍ちゃんくんも思わずにこり。
「それならよかったのですよー!」
大成功
🔵🔵🔵
フィーナ・シェフィールド
アドリブ歓迎!
江戸時代の料理…帝都が成立する前の前の時代、かな?
当時を再現するために、町の人に色々とお話を聞いて、作ってみましょう。
通りを歩いていると、一軒の屋台を発見。
「すみません、お一ついただけますか?」
うん、やっぱり出来立ては美味しいですね。これにしましょう!
と、言うわけでグラン・グリモアに振る舞うのはこちら。
「じゃーん、黄金色に輝く天ぷらです!」
獲れたての海老や小魚、イカなどを捌いて衣をつけて、精製したゴマ油で丁寧に揚げます。
「どうぞ、揚げたてを召し上がってください♪」
江戸時代の方って、ご飯をたくさん召し上がっていたそうですね。
どんどん揚げるので、何杯でもお代わりしてください☆
●天ぷら、いいよね!
再びでんがく――。
江戸のソウルフードを心行くまで楽しんだならば、情景の|刻《トキ》は再びぐるりと朝に、昼にと巻き戻る。
――豆腐は要らんかねー!納豆は要らんかねー!ああ、豆腐一丁頂戴な!
表長屋の通りをねり歩く棒手振りたちの掛け声。陽が昇れば瞬くに人々が活気づき、生き生きとした営みをみせる。
さて、そんな通りを町娘に扮して歩くのはフィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)。
「江戸時代の料理……帝都が成立する前の前の時代、かな?」
その通り! サクラミラージュが成り立つふたつ前の時代だけれど、江戸と明治がとっても長いのでその分、文明格差の幅がすごいかもしれない。だってね、草履が踏むのは土だもの。通りはほぼ未整備さ! 華やかな帝都に果たして未整備の道などあるんかね……地方の村ならわんちゃんかな?
とにかく、フィーナさんはそんな未整備な土の感触をちょっと楽しみながら、いざ再現料理の手がかりを得るために聞き込み調査をしていた。
さて、あれやこれや、と聞き込みしていく中でもいまいちフィーナの勘はこれだ!と告げない。困りましたね、と町を彷徨う中、ふと目に付いたのは一件の屋台。店先では人々が、揚げたての天ぷらをさくさくっと美味しそうに頬張って、幸せそうに笑んでいる。
「すみません、お一ついただけますか?」
――あいよ、ってお皿に盛られた天ぷらは、とってもとっても美味しかった。
江戸時代では庶民のファーストフードとも言えるのが、天ぷらだ。揚げたてならば、きっと喜んでくれるに違いない!
「と、言うわけで――じゃーん! どうぞ、黄金色に輝く天ぷらです!揚げたてを召し上がってくださいね♪」
熱いから気を付けて、ぱちんとウィンクのおまけつき! フィーナさんのファンだったら絶叫もののファンサです★
『わぁっ!!』
大盛に盛られた天ぷら!これにはグラン・グリモアも感嘆の声をあげる。
ああ、揚げたての天ぷらからはお腹を空かせるゴマ油の香ばしい香り! 海老や小魚、イカなど具も様々に、さあ、味付けは馴染みの天つゆで! ほかほか炊き立てご飯も忘れてはいません。
『いただきます!』
ひとくち食べれば、笑みも零れる。m'aider、m'aider――嘆いては、ほろほろ零れていた赤い涙も引っ込むほどの、かつての味わいだ。衣は敢えて薄く、食材の風味を残すのが江戸時代風! 食材と衣と油、そして油の香りが口内で織りなす美味しさのハーモニー! それらをしっかり吸い込んでまとめてくれるのが、炊き立てご飯なのです!
『ふふ、思わずご飯が進んでしまうの。止まらない』
「大丈夫ですよ! ご飯も天ぷらもまだまだたくさんありますから、 満足するまで食べてくださいね!』
お鍋いっぱいの油に具材をいれるフィーナに、グラン・グリモアはこくりと頷いて。
『ありがとう。でも、どうか貴方も食べて。みんなで一緒に食べるのが江戸風よ』
フィーナはきょとりと大きな瞳をさらに大きくして――そうしてふたりの女の子たちはまるで友達のように一緒に食卓を囲んで、揚げたての天ぷらに舌鼓を打つのであった。
大成功
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夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
成程、面白そうですねぇ。
やってみましょうかぁ。
【奘珤】で[グルメ知識]と[郷愁を誘う]を取得する装飾品を作成、着用して参りまして。
折角ですから、『鋤焼』を[料理]してみましょうかぁ。
食材は現地の「ももんじや」等を回り入手出来た品は其方、不足する分はご用意頂いた分を使いますねぇ。
調理法は「鉄板焼き」に近く、使い古した『鋤』の刃を鉄板に使い、炭火で焼いたそうで。
味付けは砂糖が無い以外の調味料は然程変わらず、食材は地域ごとの肉類(現代でいうジビエ)や魚が多く、農作業の合間に食べられたとか。
[グルメ知識]で肉と調味料の相性を確認しつつしっかり焼き上げますので、皆で頂きましょう。
●鋤で焼くからすき焼きです!
「成程、面白そうですねぇ。やってみましょうかぁ」
グリモア猟兵の案内にノリ気で答えてくれたのは夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。食事とはまさに豊穣が司るものだろうから、確かにるこるさん向けの依頼なのかも? 折角ですからぁ、とるこるさんは江戸時代の一般的な装いに。淡い藤色の|矢絣《やがすり》模様がなんとも淑やかな着物は、豊穣を体現する身体を持ちながらも落ち着いた雰囲気のるこるさんに相応しい。髪を軽くまとめて、るこるさんは柔和に微笑む。
「材料もできるだけ現地調達で参りましょう。不足分はご用意いただいた分を使いますねぇ」
保存技術のない江戸時代では食材の鮮度こそ大切ですし、より高い再現度を目指すなら確かに現地調達がいいかもですね!
さて、るこるさん。食材調達に『ももんじや』等を回ることにした。
ももんじや、とは――農家のひとが仕留めた農害獣(猪や鹿)や他いろいろな動物のお肉を食べさせたり、売っていたりしたお店です。今でいうお肉屋さんみたいな。るこるさんの作ろうとしているお料理には、お肉が大事なのです! 町であれやこれやと鮮度の良いものを買い込んで、るこるさんが次に訪れたのはとある農家。使い古した鋤をおひとつお借りして、しっかり洗い清めて火を焚きつけたら――さあ、お料理開始です!
今から何を作るのかって? そりゃあね、鋤焼ですよ、すき焼き! 江戸の頃は農作業の合間に食されていたそうです。地域ごとのお肉やお魚を鉄板がわりの鋤に並べたら、食材が最もおいしくなる塩梅で調味料を加えていく。ぐつぐつ、ぐつぐつ。ぐつぐつ、ぐつぐつ。嗚呼、ふんわりと広がる鋤焼きの美味しい香りに――。
『――お邪魔してもいい?』
つられたようにあらわれたのは、グラン・グリモア。
「ええ、勿論ですよぉ。みなさんで頂きましょう」
『……、手伝うわ』
るこるさんは焦がさないように調理する手を止めず、手隙な片手でグラン・グリモアをおいでおいでと手招いた。ぴょこぴょことすっかり無防備に近付いてきたグラン・グリモアは、お米よそうね、と釜のお米をうつわに盛っていく。
『さっきまでもね、たくさんの懐かしい味を味わったの――懐かしかった。懐かしくて、嬉しくて』
ええ、ええ――るこるさんは頷く。
『過去は、忘れられるばかりではないのね』
「ええ、そうですよぉ。少し、味見しますか?」
こくりと頷くグラン・グリモアに、るこるさんはお肉を小皿に少し取り分けてから、あーん。
グラン・グリモア、素直に口を開けて、あーん――もぐり。
『ふふ。うん、鋤焼き、美味しい。ねえ、はやく食べましょう?』
お砂糖のない鋤焼きはちょっとだけしょっぱくって。だけれども、グラン・グリモアにとってはこれが食べたかった鋤焼きのお味。農家の人とるこるさんと、グラン・グリモアと――みんなで食卓を囲んで、団欒を楽しんで。
そうして――そうして、懐かしいお味をお腹いっぱい、心ゆくまで味わったグラン・グリモアは。
『とってもとっても満足したわ。次は、そうね、お菓子がほしい。次会うときはよろしくね!』
ちゃっかりリクエストして、ご機嫌に骸の海へと還っていくのであった。
大成功
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