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シャングリラ☆クライシス⑱〜|愛の鎧《ドレス》革命

#アイドル☆フロンティア #シャングリラ☆クライシス #第三戦線 #神格者『レッドライオン』

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#神格者『レッドライオン』


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「シャングリラ☆フロンティアもいよいよ終盤ね!頑張っていきましょう!」
 この世界を危機に陥れた戦争もついに第三戦線へと突入し残された時間も差し迫る中、それでも玻瑠璃子・セーラは集まった猟兵たちへ笑顔を向ける。未だ予断を許さない状況であろうとも、猟兵たちの力があれば最悪の結末は回避できるのだから。

 しかしそれでも待ち受ける敵は依然として強大だ。セーラは気持ちと共に笑顔を引き締めて、猟兵たちが立ち向かわなければならないオブリビオンの詳細を広げ始める。

「クライマックスの舞台の一つは|神格者《アイドル》『レッドライオン』さんの待ち受けるアイドルステージよ!
 最終決戦が迫る今、レッドライオンさんは限りなく完全なオブリビオンに近い状態になっているわ。
 今の彼女は濃密な『愛のオーラ』を放出して、近付く者全ての心を圧倒的な愛ひとつで破壊しようとしているの。
 第一戦線で戦った方もいるでしょうけれど…きっと、以前とは比べ物にならない程に危険な存在よ」
 全てを愛したいと、心の全てを愛に染め上げて──その先に待つものが心の破壊であろうとも、今や限りなく完全なオブリビオンに近付いたレッドライオンは、己の愛に疑問などない。
 ただ愛を通し、受け入れて、愛し続けるという『愛』しか、その胸にはないのだから。

「レッドライオンさんのその『破滅的な愛の侵蝕』から逃れるには、同じだけの熱量で対抗するしかないの。愛には愛を、それも『たくさんの愛』が必要よ。
 つまり、観客席からの応援を自分の体に集めて『|愛の鎧《ラブマックス・ドレス》』を纏って戦うしかないわ!」
 もはや愛以外が届かぬオブリビオンに、対抗する方法はただ一つ。
 猟兵たちもまた同じだけの愛と熱量でパフォーマンスを観客席へ見せつけて──レッドライオンの愛のオーラを防ぐ鎧を纏い、愛に抗うしかない!

「愛ってとっても素敵なものよ。けれど心を破壊する愛なんて、ちっとも素敵じゃないわ。
 たくさんの応援を集めて、観客席からの素敵な愛で無敵の『愛の鎧』の姿に大変身しちゃってね!」
 そうししてセーラは猟兵たちへの信頼を笑顔に浮かべると、グリモアを輝かせる。くるりと指先をひと回しすれば、水泡が導くのはアイドルステージへの扉。

「頑張って!皆さんならレッドライオンさんの愛に負けないって、信じているわ!」

 ──アイドルステージに花開くのは濃密な『愛のオーラ』を放出する|神格者《アイドル》の姿。
 近付く者の全ての心に愛を、愛を、愛を、愛を!

「私は皆を全部を愛してる!だから、このままずっとずっと愛してあげる!
 世界が終わるまで…ううん!世界の全てが終わったって、いつまでも──いつまでも!」
 それは限りなく完全な|オブリビオン《アイドル》の姿──。


後ノ塵
 後ノ塵です。はじめまして、あるいはこんにちは。一章完結の戦争シナリオとなります。『|神格者《アイドル》レッドライオン』との戦闘です。
 オープニング公開時からプレイングを受け付け、順次執筆させていただきます。

 プレイングボーナス:観客席からの応援を力に変え、|愛の鎧《ラブマックス・ドレス》モードのアイドルに変身して戦う。

 皆様のプレイングお待ちしております。奮ってご参加のほど、どうぞよろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『神格者『レッドライオン』』

POW   :    レッドシフト
【更なる愛の力】に覚醒して【真紅の最強アイドル】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    ラブマックスブレイド
【自身の愛情】から【創造したオーラの剣】を放つ。ダメージは与えないが、命中した対象の感情から【愛情以外の全て】を奪う。
WIZ   :    ラブ・エボリューション
視界内に【愛情エネルギーの小剣群】を召喚する。[愛情エネルギーの小剣群]はレベル秒間存在し、レベルm半径内の全員に【自我破壊】の精神異常を与える。

イラスト:静谷

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

熊ヶ谷・咲幸
お騒がせ☆アイドル×力持ち、12歳の女の子です

がむしゃらに頑張るタイプで【怪力】による正面突破や力技がメインですが、力をコントロールできずにドジをすることもしばしば。【奇跡のドジ】でいい方向に向かうことも
【チアフル☆ザンバー】で高速飛行を行うことができ、不慣れで変な軌道で飛んで奇跡のドジでうまく回避できる時も。
ロッドから超巨大な光の刃を展開させることで相手を叩き斬る事もできます。

ユーベルコードは指定した物や公開されている物をどれでも使用します。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


リリスフィア・スターライト
強気で接近戦が得意な人格のリリスで参戦

愛のオーラで前よりも手強くなったようだけど
今度こそレッドライオンを助ける為に
バトルもパフォーマンスも全力でね

善の魂に呼びかけ愛の鎧を纏わせてもらうわ
最終決戦に相応しいアイドル衣装で挑ませてもらうわ
愛に抗わせてもらうわ

華炎連斬で接近戦を挑むわ
愛の鎧による姿もアピールしながら
剣術に炎のコンビネーションによる連続攻撃を叩き込むわ
一撃一撃に思いを込め反撃は華麗に回避していくわ
窮地に追い込まれても強気な態度は崩さず
逆転劇を披露して観客達の視線を釘付けね
アイドルの経験としては不足しても
戦闘経験では劣っていない筈よ
愛しかないなんて感情が無いのと同じだわ

アドリブ、連携歓迎



 神格者レッドライオンが待ち受けるアイドルステージへと飛び込むのは、リリスフィア・スターライトと熊ヶ谷・咲幸。

「愛のオーラで前よりも手強くなったようだけど…だからこそ全力で行くわよ!」
「はいっ! あたしも全力で頑張ります!」
 立ち塞がるレッドライオンは以前よりも強敵となろうとも、一つ意気込む二人の気持ちは一つ。レッドライオンを助けるために、彼女の愛に全力で立ち向かい乗り越えるだけだ。

「観客席ー! 応援が足りないわよ!
 私達のステージ、目に焼き付けなさいよねーっ!」
 早速リリスは観客席のサイリウムへ大きな声で呼びかけ囃し立て、咲幸はチアフル☆ロッドをくるりと回して箒サイズに巨大化させる。

「チアフル☆クレッシェンド、飛びまーす!」
 二人で一緒に跨れば、チアフル☆ザンバーでアイドルステージをぐるりとひとっ飛び!
 誰にも読めない変則的な軌跡を描きながら観客席の上まで飛翔して思い思いにアピールすれば、サイリウムは即興のコラボレーションパフォーマンスに輝き出す──応援の力が二人に与える新たなドレスは、最終決戦に相応しいアイドル衣装。

「このドレスなら、愛のオーラなんて怖くないです!」
「当然だわ。行くわよ、クレッシェンド!」
「おりゃあああっ! 突撃ー!!」
 煌めく|愛の鎧《ラブマックス・ドレス》を身に纏った二人には恐れる愛などなにもない。咲幸は怪力でロッドの軌道を急転換させ、そのまま空中からステージへ急降下。箒から飛び降りたリリスは落下と同時に魔剣を大きく振り下ろす。

「焼き払い斬り裂いてあげるわ!」
 空中から舞い降りる華麗な斬撃。着地と共に魔剣を切り上げながら、愛の鎧をアピールするかのように翻し踏み込み連続攻撃を放てば、鮮やかに戦う剣士の姿にサイリウムの高揚も高まってゆく。
 そしてリリスの連撃を受け止めたレッドライオンの体には、愛のオーラの上から刻まれた負傷が見えるだろう。──けれど、レッドライオンは己の負傷になど構うこともなく、嬉しそうな笑顔を見せた。

「すごい…痛いくらいにリリスちゃんの愛を感じるよ!
 だから、私の本気の愛も見せてあげる。レッドシフト!」
 濃密な愛のオーラは密度を増して、レッドライオンは更なる愛の力に覚醒する。その姿はまさしく真紅の最強アイドル。

「私の愛を届けるよ、リリスちゃん!」
「おあいにく。アイドルの経験としては不足しても、戦闘経験では劣っていないわ!」
 爆発的に増大した戦闘能力でひと息にリリスへ近付くと、愛のオーラを纏った攻撃を繰り出してゆく。
 歴戦の戦闘経験でリリスは華麗に回避するも、最強アイドルへと姿を変えたレッドライオンの猛攻にはなかなか反撃のチャンスを見い出せず、リリスはあっという間に追い詰められる。
 だが防戦一方の劣勢にもリリスの眼差しは曇らない。このステージは、リリス一人のものではないのだから。

「とと、と、止まってええ〜!」
「ええぇっ!? クレッシェンドちゃん!?」
 その時、激しい攻防の上から飛び込んでくるのは、奇跡のドジによって何故か操縦を失い暴走気味なチアフル☆ロッドと咲幸の姿。思わぬ方向からの凄まじい速度の突進に、攻勢のリズムを崩されたレッドライオンがたたらを踏んだ。

「愛に抗わせてもらうわ! 焼き払い斬り裂いてあげる!」
「く…っ!」
 僅かにうまれたその隙に、リリスが爆炎と共に放つ魔剣の斬撃は華炎連斬。レッドライオンに命中したリリスの攻撃はたった一度では止まらない。爆炎に退くレッドライオンへ大きく踏み込み切り返し、燃え盛る炎と剣術による絶え間のないコンビネーション!

 劣勢からの予想だにしない逆転劇に、観客席の目が釘付けになれば応援の力は二人へ漲り──愛の鎧はより一層の煌めきを放ってゆき──その煌めきの中で、咲幸は漲る力のままにチアフル☆ロッドを怪力で無理やり振り上げる。止まらないなら──もう止める必要なんてない。狙いは一つ、真紅に燃え盛るあのステージ!

「止まらないなら、このまま真っ直ぐ、振り下ろす!
 リリスさん、いきまーす! ザンバースラッシュ☆フォルテッシモーッ!!」
 迫る刃への防御も回避も、リリスがさせはしない。応援によって力を増し続ける連撃に牽制されるレッドライオンへ、咲幸が放つのは濃密な愛のオーラをも貫く巨大な光の刃──。

「愛しかないなんて感情が無いのと同じだわ」
 煌めく光の中でリリスは呟く。言葉は未だレッドライオンの心の奥底には届かずとも、二人のアイドルの愛はそのオブリビオンへ確かなダメージを与えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カンナハ・アスモダイ
ええ、私も貴女のこと愛してる
でも一方的に愛されるだけなんて
アイドルとしてのプライドが許さないわ
だから今度はこっちの番よ!
精一杯の愛、受け取って頂戴!

|契約者《ファン》の皆も負けじと応援よろしくね!


燃え盛るようなアッツアツの<アイドルダンス>
そして情熱的な愛を込めた<歌唱><パフォーマンス>で
|契約者《ファン》とレッドライオンの心を鷲掴み!

|契約者《ファン》の皆の応援でいい感じに温まってきたわ!
燃えるように紅い|愛の鎧《ラブマックス・ドレス》を身に纏い、<歌魔法>を紡ぐ

いくわよ!貴女の心、芯の芯まで温めてあげる!
結界乙女魔法!天国と地獄!
愛情エネルギーすら薪にして
アッツアツの愛を貴女にお届けよ!


神臣・薙人
愛は尊い
その気持ちを否定したくはありません
でも人の心を壊すほどの愛は
暴力に等しいのではないでしょうか

ステージへ上がり観客席へ挨拶を
和装アイドルです
よろしくお願いします
その後
蟲笛で白燐蟲を呼び出して
周囲に光を散らします
音色に合わせて動くよう指示

周りの注意が集まったら
レッドライオンさんへ呼び掛け
貴方の愛はどのようなものですか
人の心を破壊するほどの愛は
みんな同じ形をしてはいないでしょうか

私は様々な形をしているから
愛は尊いのだと信じたい
貴方に勝ってそれを証明したい

愛の鎧を纏えたら
掌を切ってレッドライオンさんに触れ
夢幻桜花使用
自我を破壊される前に知覚を奪います
後は白燐蟲で攻撃を
少しでも届くと信じています


ソニア・コーンフィールド
よりオブリビオンに近づいてるけど…救えるなら救いたいよね。
アイドルとして頑張るのはちょっとドキドキするけど頑張る…!

電撃と閃光で煌びやかにアイドルステージに参上!
視覚的に注目集めた上で明るくハイテンポな歌を歌って観客席に声を届かせるね。
手を振ったり等のファンサービスも忘れずに、高らかに命の歌を歌い上げて少しでもこちらに応援を引っ張り込む!
向こうの愛の量には勝てないかも、それでも観客からの声に応えさらに張り切るのがわたしの思うアイドル!
その力で愛の鎧モードに変身して…UC起動!
無限に進化するガジェット…可愛い感じの杖に希望の力纏わせて愛の剣を弾きつつレッドライオンに一撃を!

※アドリブ絡み等お任せ



「みーんなーっ!愛してるよーっ!」
 真紅のステージでレッドライオンは笑顔を向けて大きく手を降る。濃密な愛のオーラの放出は未だ留まることなく、オブリビオンとしての姿はステージに健在。だからこそ、彼女のステージに|猟兵《アイドル》たちは迷い無く飛び込んでゆく。

「ええ、私も貴女のこと愛してる」
「あすも☆デウスちゃん!」
 悪魔の翼を広げ颯爽とステージへと降り立つのはカンナハ・アスモダイ──キュートなアイドル、悪魔法少女★あすも☆デウス。

「嬉しいよ、私の愛が伝わってるんだね!」
 カンナハの言葉にレッドライオンは愛のオーラを振り撒きながら喜ぶも、そんな愛が溢れる姿の前でもカンナハの眼差しは鋭い。愛されるのがアイドルの本懐でも──愛すのもまたアイドルなのだから。

「一方的に愛されるだけなんて、アイドルとしてのプライドが許さないわ!」
 笑顔のカンナハは啖呵を切って|文明の利器《マイク》を掲げれば、雷鳴がステージを貫き轟き煌びやかな閃光が一瞬で視界を埋め尽くす。
 そして、ここにいるアイドルはレッドライオンだけではない。光のシルエットから登場するのは二人のアイドルの姿。

「ちょっとドキドキするけど頑張る…!」
「私も頑張ります。よろしくお願いします」
 ファンシーなオレンジ色のドレスで元気いっぱいに飛び出すソニア・コーンフィールドと、シックな和装アイドルの装いで丁寧に観客席へお辞儀をする神臣・薙人。
 衣装も生まれも種族も違えども、共に並ぶ三人のアイドルの心はただ一つ。

「私たちの精一杯の愛、受け取って頂戴!」
 カンナハの掛け声でソニアが再びステージに雷撃を轟かせれば、観客席の注目は一斉に三人のもとへ。薙人の奏でる蟲笛の軽やかな音色でスタートするのは、即興のコラボレーション・アイドルライブ!

 明るい笛の音色に呼び寄せられた白燐蟲の残花が、淡い光を纏いながら楽しげに舞い踊る。空中を転がるような姿はまるで白い音符のよう。リズミカルな残花の動きに合わせて、淡い光の中でカンナハとソニアも軽やかに可愛いアイドルダンスを見せてゆく。
 楽し気なダンスパフォーマンスにサイリウムが色とりどりに輝き出す中で、イントロが過ぎれば一歩前に出たソニアが明るく歌い始めるのは命の歌。

「皆に届けたい、わたしの思いだよっ!」
 小さく弾ける雷鳴と共に、ソニアは楽し気な歌声を高らかに響かせる。緊張に少しだけ上擦る声もまたソニアの愛らしさを際立たせるもの。笑顔を絶やさずに飛び跳ねて、フリの間にも聞こえる歓声へ観客席へと大きく手を降れば、パフォーマンスもファンサービスも張り切るソニアのアイドル姿に、サイリウムは鮮やかなイエローオレンジに踊り出す。

「貴女の心、芯の芯まで温めてあげる!」
 徐々に高まる声援に、次はソニアとカンナハがハイタッチ。位置を切り替えて転調し、今度は燃えるようにアツいカンナハのソロパート。
 燃え盛るようにアッツアツの激しいアイドルダンスに、情熱的な愛を込めたその歌唱はあっという間に観客席のサイリウムをピンクレッドに染め上げる。
 更にカンナハとソニアは薙人の手をとって、今度は観客席へ向かって三人で空中浮遊のパフォーマンス!
 白燐蟲の残花も三人の後ろから楽しげに光を散らしていけば、流星のように煌めく演出はアイドルたちの煌めきを引き立てて、サイリウムはよりいっそう鮮やかな三色のイメージカラーに揺れてゆく。

 それは観客席のサイリウムを、そして何よりレッドライオンの心を鷲掴みにするアイドルたちの姿──熱気に包まれるステージがますます情熱的にヒートアップすれば、いよいよ高まりきった応援の力は三人の体に煌めく炎の円を描いてくれる。

「さあ、|契約者《ファン》の皆の応援でいい感じに温まってきたわ!」
 サイリウムの応援の力はそして、燃えるように紅い|愛の鎧《ラブマックス・ドレス》へと形を変える!
 紅く煌めく揃いの|衣装《ドレス》を翻し、アイドルたちはレッドライオンのステージへと飛び込んでゆく。

「すごいよ!みんなの愛がどんどん伝わってくる!だから、もっと…!みんなも私の愛を受け取って!」
 猟兵たちのパフォーマンスに魅入っていたレッドライオンは瞳を輝かせる。|神格者《アイドル》相手にも決して臆さず懸命にすべてを見せて、観客の心を揺らすアイドルたちの姿に、彼女は愛を感じずにはいられない。そんな姿も愛してる…愛しているから──もっと愛を!

「もっともっと、私だけを愛して!」
 レッドライオンは更に大きく強く濃密な愛のオーラを放出する。オブリビオンの愛は膨れ上がる力となって、ステージへ降り立つ猟兵たちの視界を埋め尽くすほどの愛情エネルギーの小剣群を召喚する。だがそれがオブリビオンによる自我破壊する攻撃であろうとも、愛のコールにカンナハのレスポンスは決まっている。

「ええ、もっと愛してあげる。アッツアツの愛を貴女にお届けよ!」
 愛のコールに返すのは、当然愛のレスポンス!
 紡ぎ出す歌魔法に情熱を乗せて、結界乙女魔法はあっという間にステージを覆いつくし、あらゆるものを焼き尽くす地獄の業火を燃え上がらせる。レッドライオンの小剣群も愛情エネルギーすら薪にしてカンナハの愛の炎が燃え盛る光景の中で、薙人は一歩前へ出るとレッドライオンに呼び掛ける。

「貴方の愛はどのようなものですか?人の心を破壊するほどの愛は、みんな同じ形をしてはいないでしょうか」
 心を埋め付くす程の愛が、何よりも尊く思えるレッドライオンの気持ちを、薙人は否定する気などないけれど。燃え盛る炎のように、弾ける電撃のように、飛び跳ねる音符のように──愛は同じ形などひとつもなく、きっと人それぞれの形があるのだから。

「私の愛は、みんなの愛だよ!みんなに届く、みんなだけの…私だけの絶対の愛!」
 彼女の人の心を壊すほどの愛と暴力に等しいその在り方はきっと、歪んでしまった愛と形だ。|世界の敵《オブリビオン》へと近付く事で、その愛になんの疑問も抱くことができない今のレッドライオンには、今はまだ届かない言葉であっても──猟兵たちはまだ、彼女を救う事を諦めてはいない。

「私は様々な形をしているから、愛は尊いのだと信じたい。貴方に勝って…それを証明します」
 己の掌を切り裂いた薙人は、決意を胸にソニアと共にレッドライオンへと走り出す。

「私の愛は尽きないよ!私の愛で、もっともっと、いっぱいになって!」
「そっちがその気ならまだまだいくわよ!|契約者《ファン》の皆も負けじと応援よろしくね!」
 レッドライオンから溢れ出すように召喚され続ける小剣群に向かってカンナハは歌い続ける。小剣群を燃やし尽くす業火を潜り抜けてゆく薙人とソニアの前に、レッドライオンはさらに愛情を膨れ上がらせる。

「伝わらないなら、私の愛を伝えるだけ!無限大の愛よ届いて!ラブマックスブレイド!」
「させないよ!無限に進化するガジェットのとっておき、見せてあげるね!」
 愛情から創造したオーラの剣を振り上げるレッドライオンに、ソニアがその手に召喚するのは無限に進化する魔竜の力。ビタミンカラーの可愛い星の杖に形を変えて、希望の力を纏わせると延伸する杖の先でオーラの剣を素早く弾いた。
 弾かれた勢いで大きく体勢を崩したレッドライオンへと薙人は手を伸ばし──その指先が、滴る血液が届いた瞬間、小剣群が一瞬で掻き消える。

「えっ、あれっ?みんなどこにいったの!?」
 驚くレッドライオンの知覚を埋め尽くしているのは消える事の無い桜の花弁。すかさず白燐蟲の残花が襲い掛かるその攻撃も、カンナハの地獄の業火に身が焼ける痛みも、今のレッドライオンには花吹雪が身を切り裂くようにしか感じることはできない。
 そうして花弁に埋まり狼狽えるばかりのレッドライオンの頭上に影が差す。ステージに掲げられる大きな星の杖は、ソニアの胸に煌めく希望の力をめいっぱい!

「受け取って!あなたを救う、わたし達の希望の力!」
 全力で振り下ろされる杖から溢れる希望の力は、眩い光を放ってアイドルステージを覆い尽くす。アイドルを救い、世界を救う──希望の光。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年09月29日


挿絵イラスト