シャングリラ☆クライシス⑯〜願い星へ捧ぐアンコール!
「はじめましてキラリン──!
…なんだけど、たすけてキラリン~!!」
プラネット・ドラゴンロード『ブックドミネーター』の外殻に飲み込まれてしまっていた|流れ星《シューティング・スター》。猟兵たちの活躍によって、ようやく外殻から解放されたのは──束の間のこと。ひび割れ崩れる竜の外殻から飛び出した流れ星は、明るい笑顔で飛び出した挨拶をすぐさま崩す。大きな涙の粒を浮かべて助けを乞う流れ星の体は、その強力な力の全てを無差別な敵意に変えて|オブリビオン《・・・・・》としての力を振るっていた。
●
「皆さんのお陰で、プラネット・ドラゴンロード『ブックドミネーター』の外殻の破壊は大成功よ!
…けれど、流れ星さんの体は既にオブリビオンと化しているの…」
玻瑠璃子・セーラは笑顔を浮かべて猟兵たちの功績を祝うと、しかしすぐさまその表情を暗く陰らせる。強大な敵を打ち破っても尚、流れ星の体はオブリビオンとして存在するのだった。
「オブリビオン化した肉体には流れ星さんだって逆らえないわ。
しかも、流れ星さんは『願い事をしただけの人をアイドルにする力』を持っている程の強力な存在なの!
流れ星さんはどうしたって本人の意思に反して、皆さんに強力な攻撃を繰り出してくるわ」
オブリビオンとなった流れ星はその表情を悲しみに曇らせながらも、可愛さに似合わぬ強大な力を容赦なく猟兵に振るってくるだろう。
「普通ならとても対抗できないかもしれないけれど…ここはアイドル☆フロンティアだものね!
とっても素敵なパフォーマンスで観客席から応援の力を集めれば、流れ星さんの侵略された内側を『アイドルステージ』で取り戻してあげることができるわ!」
けれどどれほど強大な敵が相手だとしても──この世界を味方につければ、猟兵たちに怖いものなどはない。セーラはにっこりと笑顔を浮かべる。
「皆さんはこれまで、どんな素敵なパフォーマンスを魅せてきたかしら?
いつも通りのパフォーマンスでクオリティを魅せるのも、新しいパフォーマンスにチャレンジするのも素敵よね。
とーっても素敵な衣装をお披露目するのだって、とってもキラキラ輝いてみえるわ!」
このシャングリラ☆クライシスという戦争の中で培った経験も、これから積み上げる経験も、流れ星へと輝き魅せれば|人々の無意識《サイリウム》は猟兵たちを応援し、その応援は流れ星をも超える力をくれるだろう。
「皆さんは猟兵さんだもの。大変な戦いの中でも観客席にパフォーマンスを魅せるのを忘れなければ、必ず流れ星さんを取り戻せるわ!」
セーラは指先をくるりと回してグリモアを輝かせる。溢れ出る水泡が導くのは骸の海の奥地──オブリビオンとなり涙を浮かべる流れ星へと繋がる|光の道《アイドルロード》。
「頑張ってね!この世界と流れ星さんに、笑顔を取り戻しましょう!」
後ノ塵
後ノ塵です。はじめまして、あるいはこんにちは。
一章完結の戦争シナリオとなります。流れ星との戦闘だかパフォーマンスだかのシナリオです。どちらかというとパフォーマンス重視になると思われますが一応これも戦闘シナリオです。
オープニング公開時からプレイングを受け付けています。こちらは戦線ではなく戦争の締め切りに間に合うように順次執筆させていただきます。
プレイングボーナス:戦場①〜⑨の全てのプレイングボーナスが有効。
先頭か末尾に数字の記載があれば助かります。
皆様のプレイングお待ちしております。奮ってご参加のほど、どうぞよろしくお願いします。
第1章 ボス戦
『流れ星』
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POW : ビームがでちゃうキラリン!
戦場を【アイドルステージ 】と同じ環境にし、自身の攻撃に「敵から受けたダメージ」を加算する【|星の光《スタービーム》】を付与する。
SPD : めがまわるキラリン〜!
【頭部の宝石 】を構えて回転し、射撃を防ぐ【ぐるぐるサイクロン】を発生させる。レベル秒経過すると超威力の【|星の爆発《スター・ボンバー》】を繰り出せる。
WIZ : トゲトゲがとまらないキラリン!
【トゲトゲ|星屑《スターダスト》 】を生やした【|星光《スター・イルミネイション》】形態に変身する。毎行動時、敵味方問わずランダムな対象を合計10回攻撃する。
イラスト:まめのきなこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ユウ・リバーサイド
②
アドリブ絡み歓迎
即興劇のお相手をお願いするよ
救出まであと少し、お互い頑張ろうか
♪遠い平穏
鳴り響いていた銃撃音
陥落間際の島の密林を舞台に
流れ星くんに敗残兵を
俺は追跡側の一般兵
♪降伏しろよ
てめぇの上官も全部死んだ
異国で死ぬ事はねぇ
叫ぶように歌いステージ中に声を届け
訴える思いをダンスで現し
相手からの攻撃は射撃を避けるように
軽技で転がり回避
避けれない分は王子様の碧き煌めきをオーラに変え纏い防御
少しだけ切なげに転調
♪お前の手帳、拾っちまったんだ
写真に一緒に写ってるの
家族だよな
決死の覚悟で飛び出して流れ星へと
♪もう俺にはお前を撃てねぇよ
心眼で骸の海吹き出す急所を見抜き
抱き止める仕草に隠してハートで貫く
「流れ星くんは敗残兵、俺は一般兵で即興劇のお相手をお願いするよ。救出まであと少し、お互い頑張ろうか」
「ありがとうキラリン!お願いするキラリン~!」
今にも暴れ出しそうな体を抑えて泣きべそをかく流れ星へ、ユウ・リバーサイドは手早く配役するとさっそく朗々と歌声を響かせる。
「♪遠い平穏 鳴り響いていた銃撃音」
そうして語り出すのはミュージカル仕立ての即興劇。そこは陥落間際の密林の島──。
重々しい足取りのダンスステップで、背丈ほどの草を掻き分け汗を拭えば、湿気に覆われた茹だるような蒸し暑さが目に見える。
「♪ああ ようやく見つけた」
疲労を滲ませた歌声を響かせて、|一般兵《ユウ》は肩で息を吐く。見つけた追跡対象に目を向ける瞳は、けれど迷いを露わに目を僅かに伏せるけれど、ひと呼吸を置いて見上げる視線は、今度はただ真っ直ぐに|敗残兵《流れ星》の瞳を見つめた。
「♪降伏しろよ てめぇの上官も全部死んだ 異国で死ぬ事はねぇ」
武器を手放すように両手を広げる振り付けで、叫ぶような歌声で。ステージ中に声を響かせ語るのは、流れ星が演じる敗残兵のその苦境、待ち受けるその運命。
悲壮が滲むミュージカルの背景に、観客席のサイリウムもまた控えめな色に沈みこむ。
「♪降伏なんてしない ぼくは生きてるキラリン」
ユウが悲壮に響かせるメロディに、だが敗残兵は抗うような攻撃的な怒りの歌声を響かせて、流れ星の体はトゲトゲ|星屑《スターダスト》を生やした|星光《スター・イルミネイション》形態へと輝き変身する。
「♪何故って? 国の為に最後まで 戦う為キラリン!」
流れ星の体が星の光に煌めけば、トゲトゲ星屑の攻撃がまるで激しい銃撃戦の如き勢いでユウへと襲いかかってゆく。
乱反射する煌めくトゲの連射を、ユウは射撃を避けるように転がり避けながら吐き捨てるように歌声を響かせる。激しい戦闘の攻防と共に描かれるストーリーに、観客席のサイリウムは光を潜めた。
「♪俺を殺せば英雄か それとも てめぇが死ねば英雄か?」
揺れる歌声と立ち上がるユウの仕草はまるで泥の中から這い上がるような、悲壮感に満ちた背景を滲ませる。親指を立て人差し指を伸ばして、ピストルに見立てた手の形を流れ星へと突き付ける。
「♪いいや 無駄死にしかならねぇんだ!」
ユウは再び叫ぶように歌声を響かせる。敗残兵の悲痛な運命への反抗を、迷いと苦悩から這い上がるように腕を伸ばして。訴える思いを表現するダンスに再度迫るのは容赦のないトゲの星屑。
巧みに踊り回避しながらも追い詰められるその最中、王子様の碧き煌めきをオーラに変えて纏い防御するユウの表情は、痛みを堪えるように表情を歪めるけれど──その眼差しが見つめるのは、流れ星の瞳だけだ。
防ぎ切れなかったトゲの星屑に服を裂いた程度、だがまるで大きな傷を受けたようにユウは足元をフラつかせる。ユウが表現するのは、今まで追いかけ続けた敗残兵に銃を突き付けられても、戦意を失っているひとりの哀れな一般兵の姿。
「♪どうして キラリン!」
それは一体何故なのか──観客が浮かべる疑問を、流れ星もまた叫ぶように歌声へ乗せる。
ほんの少しの静寂の後、ユウが応え響かせる歌声は少しだけ切なげに転調したメロディ。
「♪お前の手帳 拾っちまったんだ」
柔らかな歌声を響かせながら、ユウはピストルに見立てた片手を下ろし、パントマイムを思わせる振り付けでもう片方の手を広げる。
「♪それはぼくの 大事なものキラリン!」
「♪そうさ 写真に一緒に写ってるの 大事な家族だよな」
いよいよクライマックスへと近づく即興劇──トゲを放つ流れ星の体がどれほど危険であろうとも構わず、ユウは決死の覚悟で飛び出した。
「♪大事なのは お国か名誉か? いいや違うね」
振り絞るような歌声に、懸命に思いを重ねるパフォーマンスに、観客席のサイリウムは光り輝き応援はユウに煌めく力を与えてくれる。
その役は血と肉に成り、戯曲は真実へと至る──希望の感情を込めてユウが響かせるのはスカイクリーパーの希望の歌声。トゲの星屑がいくらユウの体を射抜こうとも、希望を抱いて前進を続ける限り、ユウが負傷に挫けることはない。
トゲの負傷を急速回復させながら、ユウは心眼で流れ星に巣食った骸の海を見抜き定める。流れ星を抱き止める仕草に隠すのは、瑠璃揚羽のような碧き祈りのハート。
「♪もう俺にはお前を撃てねぇよ」
|演技《うたごえ》とは裏腹に、ハートで貫くのは浄化の一矢。碧く眩い光が照らすのは、とある密林で描かれた物語──悲壮な兵隊達が繋ぎ止めた、小さくも確かな希望の絆。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
【天使組】⑧
パフォーマンスでも戦闘でも
慧華ちゃんとならきっと大丈夫!
いつも通り頑張ろうね
流れ星さんを救うために
慧華ちゃんと合わせて歌唱しながら
流れ星さんの攻撃はダンスように身軽に回避
体力温存のため時折空中戦も混ぜながら
パフォーマンスを重視するね
高速詠唱で紡いだ水魔法で鳥や蝶等を生成
空中で操りながら
慧華ちゃんが凍らせた個体は攻撃への盾も兼ねて
流れ星さんにじゃれつきに行かせるね
更に聖痕の力で足場に希望を花言葉に持つ花々の花園を生成し
指定UC発動
美しい破魔の光で流れ星さんを包み込んで
優しく浄化するね
うん、そうだね
どんなに絶望的な状況でも
希望を持っていればきっと、救われる
少なくとも僕は、そう信じてるよ
朱雀・慧華
【天使組】⑧
うん!澪とは戦い方もちょっと似てるし
パフォーマンスならお手の物だよね!
連携なら任せてね♪
澪と合わせて歌唱しながら
体力温存のため空中戦
先攻で指定UCを発動し
七色空絵筆で空中に桜の木々や、澪と同じ蝶や鳥
舞い散る花弁、兎や狐等小動物等思うままのアートを描き
まるで本物のように動かしながら
小動物や飛行生物等
ある程度自分の意思で動ける子達は攻防兼ねて
流れ星さんにじゃれつかせておくよ
合間に澪の作った生き物も一部氷魔法の属性攻撃で凍結させるね
流れ星さんも少しは楽しんでくれてるかな?
無理やり戦わせられちゃうの可哀そうだけど
心だけでも希望を持ってれば
きっと抗えるよ
大丈夫だから
そうだよね、澪
流れ星の中に巣食った骸の海はまだ勢いを留めることを知らず──骸の海からその体を解放するにはまだ遠く。
けれどそんな流れ星を前にしても、栗花落・澪と朱雀・慧華は臆することなく笑顔を絶やさない。
「パフォーマンスでも戦闘でも、慧華ちゃんとならきっと大丈夫!」
「うん!澪とは戦い方もちょっと似てるし、パフォーマンスならお手の物だよね!」
「それじゃ、いつも通り頑張ろうね」
一人では大変なことでも、二人なら。流れ星を救うために、二人は|光の道《アイドルロード》の星空を飛び行き軽やかに響く歌声はソプラノとアルトの二重奏。
広がる歌声の中で、慧華が取り出すのは七色空絵筆。リズムに乗せて空中に描いてゆくのは、桜の木々に舞い散る花弁。桜に住まうのは可愛い小鳥に小動物、花弁と共に踊る美しい蝶々。思うがままに生きる絵画を描いてゆけば、見るものすべてを夢の中に居るかのように誘ってゆく。
本物のように動き回る絵画たちに、澪もまた水魔法を高速詠唱。透き通る水の鳥や蝶々を生成すれば生きる絵画たちと共に踊らせて、慧華と澪は顔を合わせて頷くと流れ星に向かって絵画と魔法を解き放つ。
「流れ星さんにも夢を分けてあげる!」
「まるで夢の中キラリン〜!」
オブリビオンとして無理やり戦わされている、可哀想な流れ星が少しでも楽しめるように。そんな願いも込めて、命のない生き物たちがじゃれついてゆけぱ流れ星は笑顔を浮かべて動きを止める──しかし、そんな笑顔も長くは続かない。
光り輝く|流れ星《オブリビオン》の体に突如、その笑顔が陰りを見せれば|星光《スター・イルミネイション》形態へと変身し、二人に向かってトゲトゲ|星屑《スターダスト》を放出する。
トゲの星屑は生きる絵画たちを瞬く間に蹴散らして二人へ迫る。すかさず慧華の氷魔法が水の生き物たちを凍らせれば、星屑を相殺し氷が砕け散ってゆく。
苛烈な攻撃を目の前にしても、互いを信じる二人の歌声は揺るがない。追い縋るように再びトゲの星屑が迫っても空中を踊りながら巧みに回避して、流れ星の攻撃すらも二人は観客席へ魅せるパフォーマンスへと変えてゆく。
「まだトゲトゲがとまらないキラリン!!」
流れ星の攻撃はまだ収まる事を知らずとも、軽やかな夢の光景の連続に観客席のサイリウムが鮮やかに光り輝けば、応援の力は流れ星の止まらぬ攻撃を容易く防ぐ力を二人に与えてくれるのだから。
「大丈夫。心だけでも希望を持ってれば、きっと抗えるよ。そうだよね、澪」
「うん、そうだね。どんなに絶望的な状況でも、希望を持っていればきっと、救われる」
「うう…二人とも優しいキラリン…」
二人は光の道へ降り立つ。未だ自由になれない体に涙を浮かべる流れ星に、二人は優しい笑顔と共に言葉を向けた。辛く苦しい絶望の中でも希望は決して光を失ったりはしない。
「少なくとも僕は、そう信じてるよ」
「…ぼくも、二人を信じるキラリン〜!」
流れ星の笑顔に澪もまた笑顔を向けて。願いと魔力を込めて聖痕の力を光の道へとかざし、創り描く色とりどりの花園はその名に『希望』を抱く花々。
「貴方の闇に、希望の輝きを」
再び美しい歌声のハーモニーを響かせながら、二人は流れ星へ両手を伸ばす。
それは心に灯す希望の輝き──この世のものとは思えぬ美しい花や破魔の光が降り積もり、悪を浄化する天上世界の美しい光は、色鮮やかな生きる絵画たちと共に流れ星を包み込む。
優しい浄化は確かな希望の光となって、骸の海が巣食う流れ星の体と、その心に灯火を与えてくれていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
エライアー・ウラヌビロス
⑨
流れ星…多くの営みをきっと見てきたんだろう。
それらに比べたらボクの傷痕の記憶はささやかなものかもしれない。
けど、ボクには大事だから。
改造調整を受ける前の平和な記憶。
研究所、育ててくれた研究者達…当時ボクはオリーブって呼ばれてたっけ。
最終戦争直前の不穏な時期だけど穏やかだった幸福な時間。
問題はその後、長く辛くて苦しい調整があって、頑張って耐えたけども研究所に戻れた時にはもう皆いなくて。
…永遠にもう自分だけ。そんな苦しい傷跡が決別せねばならない記憶。
UCを起動して夢幻の雲を召喚、この記憶の景色も戦場ごと包み込んで砕くよ。
流れ星の竜巻と爆発は宝石の構えとか見て全力で避けるね。
※アドリブ絡み等お任せ
流れ星を見上げ、エライアー・ウラヌビロスが思い馳せるのは、過ぎ去っていったかつての記憶だ。
「流れ星…多くの営みをきっと見てきたんだろう。
それらに比べたらボクの傷痕の記憶はささやかなものかもしれない。けど、ボクには大事だから」
噛みしめるように囁いて、心の中に記憶を描けば|光の道《アイドル・ロード》は瞬く間に記憶の檻を映し出す。
エライアーの始まりは遠く──それは、改造調整を受ける前の平和な記憶。
『やあ、オリーブ。調子はどうだい?』
白い壁に白い天井。たった一体のバトモンの為に設えられた、ひとつの研究所。研究者たちが優しい声色でその名を呼べば、エライアーの胸には温かな気持ちが浮かび上がった。──ああ、そうだった。あの頃のボクはオリーブって呼ばれてたっけ。
白い廊下を進んでゆけば、育ての親である研究者達はこぞって笑顔で声をかけてくれる。見慣れた顔はどれも懐かしく、そして今はただ、切ないばかり。
それは──最終戦争の直前でありながら、穏やかだった幸福な時間。
重い足を進ませれば、耳を引き裂く騒音に振り返る。檻の向こうに見えるのは、見慣れた研究者と、見慣れぬ白衣が揉み合う姿。
『やめてください!』
『邪魔だ!戦争の道具にいつまで情をかけるつもりだ!』
見慣れぬ白衣が研究者を突き飛ばし、オリーブの胸が怒りに震える。しかし唸り声をあげて体を動かしたその瞬間、オリーブは驚き戸惑った。体のそこら中が太く冷たい鎖に繋がれて、身動ぎすらも満足にできないのだから。
『せめて私達も…っ!オリーブ!オリーブ──!』
金属の扉が重々しく閉じて、視界は暗闇に染まった。不安に揺れるオリーブの気持ちは、エライアーの心を締め付ける。
白い壁に白い天井。同じ色の研究所は、これまでとはまるで違うものだった。
用意されていたのは、理想的な戦争生物を造る為の機械的な|改造と調整《カリキュラム》。優しい声でオリーブの名を呼ぶものなどおらず、感情のない声が振られた番号だけを口にする。
不安に震えれば、戦争が終われば帰れると言われた。
苦痛に抗えば、更なる苦しみと痛みが待っていた。
憤怒に暴れれば、知らない傷が増えていた。
非人道的だと糾弾する声を聞いた。次の日、その声を耳にする事はなくなった。
調整の日々は長く、辛く。苦しみが降り積もる度に、オリーブは優しい親達に思い馳せる。
耐えて、耐えて、育った研究所へといつかきっと帰れる事を、優しい研究者たちの笑顔にまた会える事を、それだけを願って──。
『頑張ったな、オリーブ』
だが、ささやかな願いは届かなかった。
「永遠に、もう自分だけ」
記憶の檻に浮かぶ|幻影《オリーブ》が、冷たい声を吐き出した。耐えて耐えて、耐え切って。ようやく研究所へと戻った時には、懐かしいに研究所は空っぽだった。
どこにも居ない。誰もいない。永遠に取り戻せない大切なものは苦しい傷跡となって、そうして心の内側に潜む怒りのままに、天候を自在に操り敵対者に悪夢めいた災害を振りまいた。
「でも、そんな傷跡は終わりにするよ」
心を苛むその姿を、エライアーは真っ直ぐ見つめる。ただ苦しみを耐えるばかりのオリーブはもういない。ここに居るのは──世界を巡り世界を識る、エライアー・ウラヌビロスなのだから。
オリーブが悲痛に嘶けば悪夢のような雷雲を呼び寄せる。空を轟かせる激しい雷撃はけれど、エライアーにとってはよく知る雷撃に過ぎないものだ。巧みなステップで避けながら、エライアーもまた澄み渡る願いを天へ掲げる。
「こわいものも、やさしいものも、夢の雲に」
夢幻の雲が記憶の檻も包み込み、雲が描き出すのは恐れる存在の幻影。かつてオリーブが縛り付けた鎖が、檻が動きを留めて──その時、記憶の檻は音を立ててひび割れ始める。
ひび割れの先から見えるのは、流れ星の頭部の宝石。凄まじい速度で回転する宝石は嵐を呼び寄せ、眩い星の力を収束させてゆく。
決別には猶予なんてなくて、いつだって突然で、一瞬だ。エライアーは笑みすら浮かべて、迷いのない足取りでオリーブへと突進する。
「さようなら、オリーブ!」
オリーブへ迫るエライアーに向かって、流れ星は|星の爆発《スター・ボンバー》を解き放つ。ギリギリまで引き付けて、回避の瞬間にエライアーが放つのは激しい雷撃。夢幻の雲の攻撃と共に放つ雷撃は、記憶の檻の景色もろとも|幻影《オリーブ》を打ち砕いた。
大成功
🔵🔵🔵
シゥ・フリージア
【氷羽】⑧
2024年水着
あのね、シゥもね、ぱふぉーまんす?できるよ!
シゥ小さいだけど、皆見えるー?
(観客席に可愛い笑顔でファンサ)
空中戦で飛びながら
アマリリスで水まほーの属性攻撃
シャオが氷で凍らせやすいようにするね!
ぴよちゃん隊長達とファル(母親代わりだった灰色狼の霊)にも
おーら防御しながらお手伝いしてもらう(動物使い)
毛並みとっても気持ちいいよ
ながれぼしにももふもふしてあげてね(もふもふガードで足止め)
あぶないかもだけど、皆身軽だし
ファルはふつうの攻撃、すり抜けるようにも出来るだから、だいじょぶ!
最後はシャオの技に合わせて花星世界
沢山の流れ星と花嵐でこーげきするね
ながれぼし、おそろいだねー?
シャオ・フィルナート
【氷羽】⑧
2024年水着
うん、そうだね…シゥさんの方が、俺より上手だよ…
シゥさんの頭を指先でそっと撫でつつ
氷麗ノ剣を用いて接近戦での早業、軽業での暗殺と
放出する水流を即座に凍結させる事による氷壁での攻撃防御
更に背に生成した氷の翼から氷の羽を弾丸のように飛ばす遠距離攻撃をしながらも
シゥさんの魔法や動物達とも連携、流れ星さんの凍結狙い
俺も…動物と会話、出来るから…
ある程度したら演出変化として
遠距離攻撃用の武器である雹燕に持ち替え
鳥の形状をした氷の鎌鼬による遠距離攻撃を行いながら
観客席にも鳥を飛ばすパフォーマンス
…触ってもいいよ
攻撃用以外殺傷力は無いから
最後は、一応優しく、眠らせてあげる…(UC
「あのね、シゥもね、ぱふぉーまんす?できるよ!」
シャオ・フィルナートの周囲をくるりと飛び、元気いっぱいの笑顔を見せるのは小さな少年フェアリー、シゥ・フリージア。深い青花の水着ドレスとツインテールを自慢気に揺らして意気込む姿は小さなお姫様のようだ。
「うん、そうだね…シゥさんの方が、俺より上手だよ…」
「えへへ!ありがとシャオ」
そんなシゥの頭を、指先でそっと撫でるシャオの表情はいつもと変わらぬ無表情でも、その眼差しはどこか優しい。シゥは嬉しそうな笑顔を浮かべると、今度は観客席のサイリウムへと向き直る。
「シゥ小さいだけど、みんな見えるー?」
少しでも大きく見えるように両手を振って、飛び跳ねるように空を飛び、可愛い笑顔でファンサービスをすればサイリウムは応えるように輝きを放ってくれる。
応援の力が早くも少しづつ集まるのを感じながら、再びシャオへと向き直る。小さくも頼もしいシゥの手と、シャオの指先でハイタッチをすれば二人の気合も充分。
「それじゃー、いっくよー!」
妖精の羽と氷の翼で、二人は流れ星へ向かって|光の道《アイドルロード》の空を飛ぶ。シゥが小さな手で少女の精霊を誘えば、一輪のアマリリスへと姿を変えた。茎を両手で優しく握り、流れ星へ放つのはありったけの水の魔法。
迸る水の柱と共に、流れ星へと接近するシャオが振るうのは氷麗ノ剣。シゥの水魔法に凍結させた氷のつぶてを潜ませながら、軽業と暗殺術の目にも止まらぬ水流と氷の刺突を流れ星へ浴びせてゆく。
「あわわっ!すごい勢いキラリン〜!でも…ぼくのトゲトゲがとめられないキラリン〜!」
激しい水と氷の連撃を、流れ星は避け切ることもできずに目を回すも、オブリビオンの体は星の光に輝きを放つ。瞬く間に|星光《スター・イルミネイション》形態に変身すると、流れ星の体は空中を転がりながら、トゲトゲ|星屑《スターダスト》を撒き散らしてゆく。
「ぴよちゃん隊長達ー!ファルー!おてつだい、だよー!」
トゲの星屑にシゥが呼び寄せるのは頼もしい動物の仲間たち。その体にオーラ防御を纏いながら、星屑の隙間を狙って流れ星へ体当たりを食らわせる。
「足場にも…盾にも、使って…」
その隙にシャオは水流を次々に凍結させて空に氷柱の森を作り出す。深海色のパレオを大きく揺らし人魚のように森を羽ばたきながら、死角から氷の羽根を弾丸のように放ち攻撃してゆく。
リズムを刻むように飛んでは跳ねる身軽な動物たちと、巧みな連携で絶え間なく攻撃を与えながら、シャオはちらりと視線だけで観客席へと振り返る。
楽しげな動物たちの姿にサイリウムはますます輝きを増している。けれどその応援が最大になるには、あともう少し。
シャオが氷麗ノ剣を水に解いて持ち替えるのは、燕の翼を模した美しい氷扇。舞うように扇を泳がせて、燕の形状をした氷の鎌鼬を流れ星に放ちながら、観客席にもプレゼントするパフォーマンス。
「…触っても、いいよ…そっちに…殺傷力は、無いから…」
サイリウムのひとつが氷の燕に触れれば、燕は声もなくひと鳴きすると観客席の上に列を作って飛び遊ぶ。淡雪を降らせる燕のパフォーマンスに観客席が一斉に沸き立ちサイリウムが輝けば、高まる応援も戦闘もいよいよクライマックス!
シャオは再び流れ星へと向き直り、氷の燕による遠距離攻撃で流れ星の体を凍えさせてゆく。いよいよトゲの星屑が勢いを失い始めたら、二人は最後の仕上げに向かってゆく。
「ながれぼしにも、もふもふしてあげてね!きもちいーよー!」
シゥのお願いに答えるのは、母親代わりだった灰色狼の霊。ファルは氷柱の森を飛び出すと、迫る攻撃を霊体の体ですり抜けて、流れ星の体を豊かな毛並みで包み込むように攻撃を防ぎ足止めする。
「これでさいごだよ!精霊さん、おねがい!ながれぼし、おそろいだよー!」
シゥの小さな願いに精霊が応えれば、無数の流れ星と花嵐の柱が、幾何学模様を描き複雑に飛翔する。流れ星の凍えた体では逃げることのできない星と花の嵐の中で──シャオの体のどこから漂う優しい冷気が流れ星を包み込む。
「優しく、眠らせてあげる…」
優しい冷気が誘うのは、眠るような穏やかな凍結。星光形態は徐々に解けて、流れ星の姿を取り戻す。
「キラキラで〜もふもふでキラリン〜!それにとっても、眠いキラリン…」
小さく丸くなって、流れ星は眠るように瞼を下ろす。それは春を待つ為に──オブリビオンとしてではなく、再び流れ星としてこの世界へと輝く為に。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵