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シャングリラ☆クライシス⑯〜オールアイドル☆総進撃

#アイドル☆フロンティア #シャングリラ☆クライシス #第二戦線 #『流れ星』 #プレイング受付中 #再送歓迎

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●囚われた『|流れ星《シューティング・スター》』
「さあ|流れ星《シューティング・スター》さん、今のうちに逃げて!」
 黒い少女――クオリア・シンフォナーが結界に囚われたスターフェアリー『流れ星《シューティング・スター》』を助け出そうと必死に手を伸ばす。だが、クオリアを蝕んだオブリビオン化の呪縛は『流れ星《シューティング・スター》』にもその影響を及ぼそうとしていた。
「……わわわ、ぼくの体が『竜』に変わっていくキラリン!!」
 『流れ星《シューティング・スター》』の姿が巨大な青いドラゴンへと変化していく。クオリアは時間を操る自身のユーベルコードを使い、どうにか食い止めようとするが焼け石に水。変化を止めることはできない。そして『流れ星《シューティング・スター》』は完全な竜化に至るその寸前、ある結論に至った。
「これはぼくが、流れ星だから……??」

「そして今、|流れ星《シューティング・スター》も竜化した。」
 星壊神『プラネットブレイカー』が呟く。彼の規格外ユーベルコード『宇宙操作』によってクオリア、そして|神格者《アイドル》たちの故郷の星々はドラゴンへと作り替えられ、滅ぼされた。そして、星の力を持つスターフェアリーもまた『宇宙操作』の対象だ。
「猟兵共が迫っている。」
 プラネットブレイカーは|光の道《アイドル・ロード》の遥か彼方を見た。己を駆逐した銀河皇帝。それを上回る存在となった猟兵たちが来る。星を壊す神はいまだ見えざる敵を見据えていた。

●流れ星を取り戻せ
「やべーことになってんな……。」
 いつも明るい柏宮・晴仁(柏宮家の御曹司・f42421)が珍しく深刻な顔をしている。只ならぬ事態に、グリモアベースの猟兵たちにも不安が広がる。
「『流れ星《シューティング・スター》』って超強力なスターフェアリーが星壊神『プラネットブレイカー』ってヤツに捕まってドラゴンにされた。」
 『プラネットブレイカー』の名前にグリモアベースがにわかにざわつく。
「この『プラネットブレイカー』なるオブリビオンもめっちゃ強いんだけど、先に『流れ星《シューティング・スター》』を助けてあげて欲しい。というのも、プラネットブレイカーは星々の力を使って強力なドラゴン軍団『プラネット・ドラゴンロード』を作り出そうとしていて、その中には流れ星《シューティング・スター》の力も含まれている。流れ星《シューティング・スター》を助け出せばこのドラゴン軍団を弱体化させられるかもしれないんだ。」
 なるほど一理ある。しかしドラゴンにされた流れ星《シューティング・スター》をどうやって助け出すのだろうか?答えは地の利にあった。
「|光の道《アイドルロード》の先で、先発部隊が|流れ星《シューティング・スター》を取り込んだプラネット・ドラゴンロード『ブックドミネーター』の外殻を破壊してくれている。そこまでグリモアで転送するから、みんなには『ブックドミネーター』の内部に突入してほしい。」

●ここは究極で最高のアイドルステージ
「信じがたいけど『ブックドミネーター』の内部にはアイドルステージがある。そこで流れ星《シューティング・スター》はみんなを待っている。ただ流れ星《シューティング・スター》もオブリビオンになっちゃって、そのせいで本人……人扱いでいいのかアレ、とりありず本人の意思とは関係なく攻撃を仕掛けてくる。」
 苦い顔の晴仁。それでも説明を続ける。
「流れ星《シューティング・スター》は元々『願い事をしただけの人をアイドルにする力』を持つ超強力な存在だ。一筋縄ではいかない。だからこそ、アイドルステージを利用する。」
 そう、ここはアイドル☆フロンティア、観客の声援を受けて強くなる世界。
「みんなには今まで戦ったアイドルステージでやったこと……ファッションショーやアイドルフェス、その他いろいろを再演して、流れ星《シューティング・スター》の骸の海を祓うんだ!」
 とどのつまり、やることは今までと同じである。

「それじゃ、みんな!流れ星《シューティング・スター》を猟兵のファンにしてやろうぜ!」
 太陽のようなグリモアが輝いた。


武炎鉄
 こんにちわ、武炎鉄です。36作目はアイドル☆フロンティアから第二戦線『流れ星《シューティング・スター》』戦です。ところで流れ星《シューティング・スター》はどうして『ザ・スター』がクロキャバで暴れていることを知ってるんですかね?

●このシナリオは戦争シナリオなので、1章で完結します。
●OP公開と同時に受付開始します。断章はありません。
●プレイングボーナス:戦場①〜⑨の全てのプレイングボーナスが有効
●なお、プレイングボーナスは複数条件を満たすとさらに有利になります。
●プレイングには『どの戦場のプレイングボーナスを使うか』をご明記ください。
●今回は完結を優先させるため、全採用できない可能性があります。なのでオーバーロードは非推奨です。
●連絡事項はタグでお知らせします。
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第1章 ボス戦 『流れ星』

POW   :    ビームがでちゃうキラリン!
戦場を【アイドルステージ 】と同じ環境にし、自身の攻撃に「敵から受けたダメージ」を加算する【|星の光《スタービーム》】を付与する。
SPD   :    めがまわるキラリン〜!
【頭部の宝石 】を構えて回転し、射撃を防ぐ【ぐるぐるサイクロン】を発生させる。レベル秒経過すると超威力の【|星の爆発《スター・ボンバー》】を繰り出せる。
WIZ   :    トゲトゲがとまらないキラリン!
【トゲトゲ|星屑《スターダスト》 】を生やした【|星光《スター・イルミネイション》】形態に変身する。毎行動時、敵味方問わずランダムな対象を合計10回攻撃する。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シャオ・フィルナート
【氷花】⑥
※「…」多用の感情の無い淡々口調だが言葉は柔らかめ

2024年の水着着用

俺は…感情も、表情の作り方もわからないけど

氷麗ノ剣から放出する水を氷の魔力で瞬間凍結
氷の花や鳥、蝶などを作り
本当に風に靡いたり飛んでいるかのように空中操作
同時に流れ星さんの攻撃への盾にしながら
一部の氷はかき氷を作るための材料に

俺、氷と水しか使えないけど…
凍らせるのは、得意だから…

かき氷の上には澪さんの出した花を乗せてもらう

ん…澪さんの花、やっぱり綺麗だね…

後は澪さんの破魔の光に合わせて水飛沫をあげて虹を作りつつ
流れ星さんには指定UC
手のひらから放出する冷気で凍結攻撃

澪さんの望みを汲んで、せめて優しくするね…


栗花落・澪
【氷花】⑥
今年の水着
どうせなら応援バトルにも学園祭にも対応してあげる
クレープ作りまーす!

催眠術と誘惑を乗せつつ希望を紡ぐ歌唱で
流れ星さんの気を引きつつ混乱で集中力をかき乱し
持ち込んだ材料でクレープを焼いてる間
パフォーマンスと攻撃回避を兼ねて可愛いダンス

ここからが僕の特別

果物達を花の形に飾り切りし
聖痕の力で足場に花園を生成
今回は全部食用花
砂糖漬けにしてもそのままでも
具材に乗せればクレープブーケの完成
シャオさんのかき氷にもお花乗せてあげるね

更に高速詠唱で水魔法
水の魚達を自由に泳がせ
応援が高まったところで指定UC
破魔の光で優しく浄化攻撃

流れ星さんも食べれるなら
最後にクレープくらい、食べてく?



●集え!赤獅子学園
 『ブックドミネーター』の内部に突入したシャオ・フィルナート(悪魔に魅入られし者・f00507)と栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は予想外の光景を見た。
 模擬店が並び、青春の悩みを抱えた学生服のオブリビオンたちが闊歩する。まるでどこかの学園祭が丸ごとステージ上に再現されたようだ。
「生徒会長がお見えになったぞ!」
 そして取り巻きの学生オブリビオンを引き連れるように現れたのは、白い学ランを羽織った『|流れ星《シューティング・スター》』だ。
「もしかして、助けに来てくれたキラリン?」

 あまりの光景に言葉も出ないシャオの傍らで、多くの戦場を渡り歩いた澪はここがどこのアイドルステージか当たりを付けていた。
「もしかして『サンシャイン☆フェス』?」
 『サンシャイン☆フェス』はアイドル同士の対バンフェスに特化したアイドルステージ。とりわけこの『超銀河学園祭』は『青春』をモチーフとしている。
「正解!私の持てる力をすべて使って再現したよ!」
 どこからか|神格者《アイドル》『レッドライオン』の声がした。きょろきょろと周囲を見渡す2人に対し。レッドライオンが話を続ける。
「『|流れ星《シューティング・スター》』を救いたい。それがクオリアと私たちの願い。それを叶えられるのは猟兵、あなた達だけなの。」
 不意に現れた赤い光がシャオと澪を包み込んだ。と、2人の衣装が水着姿へと変化する。シャオはダークブルーのパレオ、澪はオレンジで縁取りされた白いパティシエモチーフの水着だ。

「今日は銀河に轟く赤獅子学園の学園祭、貴様ら出し物の準備は出来ているだろうな!」
 『|流れ星《シューティング・スター》』の傍らにいた、堅物眼鏡の学生オブリビオンが2人に問いかける。
「はい!」
 澪が気前のいい返事をした。
「何をするつもりだ?」
 シャオがそっと澪に尋ねる。
「クレープ屋さんだよ。」

「さあさあ、美味しいクレープはいかが?」
 手際よく生地を作りつつ、客を呼び込む澪。その後ろではシャオが『氷麗ノ剣』を成形し、大気中の水分を集めて氷の塊を作り出した。それを花や蝶、鳥といった氷の彫刻へと加工する。店の前に置かれた氷の彫刻は、シャオの手によって操作され実際に空を飛んだり、花びらが舞い散ったりといった仕掛けが施され、学生オブリビオンと観客の目を引いた。
「フルーツクリームいっぱい~♪ 愛と希望を包んで~♪」
 澪の呼び込みはいつしか歌へと変わっていた。その歌声には催眠と誘惑の作用が込められている。いつしか学生オブリビオンたちはクレープ屋の前に行列を作り出していた。
 踊りながら、鉄板に生地を流してトンボで薄く丸く焼き上げる。舞うように果物をナイフで刻み、クリームと共に盛り付けてクルクルと巻けば、特製クレープの出来上がりだ。
「かき氷も…あるよ…。」
 シャオが残った氷の塊を使い、かき氷を作る。シャオの水着と同じような、ブルーハワイとブルーベリーソースのかかった青いかき氷だ。こちらも学生オブリビオンたちには人気があるようで、次々に売れていく。

 『|流れ星《シューティング・スター》』の身体がウニのように変化する。『|星光《スター・イルミネイション》』形態だ。この棘1本1本が|星屑《スターダスト》となっている。
「わわわ~! トゲトゲがとまらないキラリン!」
 強烈なスピードで転がりだす『|流れ星《シューティング・スター》』。それはまるでボウリングのように学生オブリビオンたちを跳ね飛ばし、または轢いていった。
「誰か止めてキラリン~!!」
 オブリビオン化した今の『|流れ星《シューティング・スター》』では、自分の意志で動きを止めることができない。そして『|流れ星《シューティング・スター》』は勢いを加速させたままクレープ屋へ突っ込もうとしていた。
「こっちに来たか……!」
 『氷麗ノ剣』を構えたシャオが澪を守るように立ちはだかる。
「危ないキラリン!逃げるキラリン~!」
 だがシャオは慌てることなく『氷麗ノ剣』を振るうと、『|流れ星《シューティング・スター》』本体を傷つけることなく|星屑《スターダスト》のみを切り刻んだ。そして手のひらを向けてユーベルコードの力を解放し、優しい冷気を放つ。
「今は…眠っていて…。」
「ね、眠いキラリン……」
 元の姿に戻り、その場でコテンと寝落ちする『|流れ星《シューティング・スター》』。
「ここからが僕の特別だよ。」
 澪の足元に花園が広がる。咲いた花は全て『エディブルフラワー』と呼ばれる食用花だ。エディブルフラワーを一輪ずつ丁寧に積み上げ、花の形に飾り切りした果物と共に、クリームを包んだクレープの上に乗せていく。こうしてクレープで作られたブーケが完成した。その美しさに客席から溜息と驚嘆の声が上がる。残った花と果物はシャオの青いかき氷に飾り付けられ、涼しげな姿に凛とした美しさが加わった。

 上から優しい破魔の光が降り注ぎ、『氷麗ノ剣』が放つ水飛沫が反射して虹を作り出す。アイドルステージは今や美しき天上世界のよう。
「おお……これこそ銀河級に相応しい出し物……。」
 堅物眼鏡の学生オブリビオンが涙を流し、浄化されていく。他の学生オブリビオンもクレープやかき氷の美味しさと美しい風景に心が祓われていく。
「うー、うん……。いい匂いがするキラリン。」
 クレープの甘い匂いに誘われて、『|流れ星《シューティング・スター》』が目を覚ました。
「クレープ、食べる?」
 澪がクレープのブーケを差し出す。
「こっちも……あるから……。」
 シャオはかき氷を差し出した。
「いただきますキラリン!」
 口の周りにクリームを付けながら、『|流れ星《シューティング・スター》』はクレープとかき氷を幸せそうに味わった。
「美味しかったキラリン!ありがとうキラリン!」
 感謝の言葉は、観客が最も沸いた瞬間だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

カンナハ・アスモダイ
WIZ
※アドリブ連携等歓迎
戦場⑤・⑦


ここで助けなきゃ悪魔法少女の名がすたるわ。
|骸の海《かこ》を乗り越えて、あなたの心に歌を届けてみせる!

プリンセスハート・メ〜クアップ!
みんなに笑顔を!完全無敵★最強アイドル!
悪魔法少女★あすも☆デウス!

|契約者《ファン》と流れ星に届くよう
心を、強い感情を込め、抑揚たっぷりの<歌唱><パフォーマンス>を披露するわ。アカペラでね。

いつもこの世界を支えてくれたあなたを
今度は私たちが助ける番
だからお願い


目を覚まして!

<歌魔法>を奏で、声援で高まった<アイドル力>と共に乙女魔法を紡ぐ。
乙女魔法!フローラル★乙女シャワー!



●悪魔は水底に躍る
 ここは神秘のアイドルステージ『パレス☆オブ☆ドラゴン』。どのような仕掛けかは分からないが、このステージは大量の水で満たされている。そして|神格者《アイドル》『レッドライオン』の力により、演者も観客も皆水中での呼吸が可能になっている。
「ここで助けなきゃ悪魔法少女の名がすたるわ。|骸の海《かこ》を乗り越えて、あなたの心に歌を届けてみせる!」
 決意と共にステージへ向かうカンナハ・アスモダイ(悪魔法少女★あすも☆デウス・f29830)。アイドルの誇りと矜持にかけて、『|流れ星《シューティング・スター》』を助け出す。その顔に迷いはない。

「プリンセスハート・メ~クアップ!」
 掛け声とともに、カンナハの服がステージ衣装――今回は水中ステージに相応しく、群青色のレースを多用したパレオだ――へと変化する。
「みんなに笑顔を!完全無敵★最強アイドル!悪魔法少女★あすも☆デウス!」
 ステージ上で名乗りを上げ、決めポーズを取るカンナハ。その姿に観客から声援が飛ぶ。
「可愛いキラリン!」
 ステージ上の『|流れ星《シューティング・スター》』もまた、キラキラとした眼差しでカンナハを見つめていた。

 静かに前奏が流れ出し、カンナハが歌いだす。悪魔的カリスマオーラの込められた歌声には、大魔法に匹敵する魔力が込められている。その魔力は観客を魅了し、骸の海に囚われた『|流れ星《シューティング・スター》』の心をも動かす。
 カンナハの傍らにいる『プリンセスハート★XENOM』が躍るように宙を舞う。その姿はまるで人魚姫と戯れる熱帯魚のよう。
(いつもこの世界を支えてくれたあなたを)
 願いを持つ人々にアイドルの力を与え、世界が骸の海に沈むことを防いできた『|流れ星《シューティング・スター》』。
(今度は私たちが助ける番)
 リズムが少しずつ早くなり、メロディも激しさを伴ったものに変化していく。
(だからお願い、目を覚まして!)

 最も盛り上がるサビに合わせ、『|流れ星《シューティング・スター》』の身体から|星屑《スターダスト》が生え、|星光《スター・イルミネイション》 形態へと変化する。
「わわっ!トゲトゲがとまらないキラリン!」
 転がり出そうとする『|流れ星《シューティング・スター》』の頭上に、薔薇の蔦が絡み付いた漆黒の鳥籠が落下した。
「ごめんなさい、でも今はこうするしかないの。」
 『|流れ星《シューティング・スター》』の耳元で、クオリアの声がした。持てる力を振り絞り、彼女がアイドルステージに介入してきたのだ。
「私たちの願いはあなたを救うこと。今それができるのは六番目の猟兵だけ。だからこの歌を聴いて欲しい。」

 カンナハの歌が佳境に入る。観客との掛け合いであるコールアンドレスポンスも冴えわたり、いよいよクライマックスだ。『|流れ星《シューティング・スター》』も、漆黒の鳥籠の中で何処からか取り出したサイリウムを振り、ノリノリだ。
 最後の音と共に決めポーズを取ると、それに合わせ『プリンセスハート★XENOM』から地獄の獄炎が吹き上がる。水中で獄炎とはどういうことなのかと疑問に思われるかもしれないが、そこは『レッドライオンが何とかしてくれた』ということで。

「す、素晴らしい歌だったキラリン~!」
 感激のあまり涙を流す『|流れ星《シューティング・スター》』。彼を閉じ込めていた漆黒の鳥籠は、いつの間にか消えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キラリン・ブリッジ
むむ、直接攻撃して来るなんて、
マスコットの風上にもおけないのさ

とはいえ流れ星をこのままにはしておけないし
SNSの皆も力を貸して欲しいのさ
トゲトゲ星屑は凄く居たそうだし全力で避けるのさ
でも逃げてばかりだと竜化した流れ星は助け出せないから
誰よりも強くなりたいという呼びかけをSNSを通じて拡散させるのさ
猟兵隊とも力を合わせてソーシャル・レーザーを発射するのさ
願いを叶える皆をキラキラな希望を、ボク達の手で届けてあげるのさ

流れ星とはスターフェアリーとして親近感も沸くし
あとで一緒にドーナッツを食べるのさ

「ボクもやる時はやるのさ」

アドリブ、連携歓迎


熊ヶ谷・咲幸
ステージ④⑤⑥3枚抜きです!
「正気かリン!?」とマスコットのクマリン
「1個だけに絞れなかったので一気に回りましょう!クマリン写真撮影お願い!」
あとは学園祭と運動会を往復!
屋台のかき氷で頭痛を起こし綱引きでは怪力無双
借り物競走で複数の借り物を一気に背負って走ったりお化け屋敷に入っては大絶叫
研究展示をボケーっと見た後はリレーでとにかく全力疾走
全部水着姿で
最後に応援合戦で流れ星さんにエールを送る
「この世界はまだまだ楽しいことはいっぱいあります。流れ星さん、あたしと、いや猟兵みんなで色々回りましょう!」
サイリウムに呼びかけ、一緒に流れ星に骸の海に負けないでと応援します
骸の海を浄化して追い出せないかな?



●君は最良で最善のアイドル
 真珠と珊瑚で煌びやかに彩られたアイドルステージ『マーメイド☆ラグーン』。真夏の海辺を照り付ける太陽のようなステージ照明に照らされて、水着姿の熊ヶ谷・咲幸(チアフル☆クレッシェンド・f45195)が現れた。傍らには『八朔の熊妖精はっさくま』、その名も『フラクトクマリン』通称『クマリン』とキラリン・ブリッジ(スターフェアリーのインターネット☆アイドル・f45167)が宙を舞うように控えている。
「写真撮影会と運動会、学園祭全部やります!」
 咲幸の唐突な宣言にクマリンとキラリンが面食らった顔をした。
「正気かリン!?」
「流石に3つ同時は骨が折れると思うぜ?」
 クマリンは相棒の正気を疑う顔を浮かべ、キラリンもこれから起きる苦労を察しての同情半分でクマリンに同意した。
「1個だけに絞れなかったので一気に回りましょう!クマリン写真撮影お願い!」
 言うや否や、咲幸はクマリンにカメラを渡し『マーメイド☆ラグーン』へと駆けだした。
「手伝おうか?」
 何事かを察したキラリンが、自ら手伝いを申し出た。
「……お願いするリン。」

 砂浜で波と戯れるようにはしゃぐ咲幸。クマリンはその様子をカメラに収めていく。レフ板を持ったキラリンが絶妙な加減で光を当てると、水飛沫がキラキラと夢のように輝いた。
「楽しそうキラリン!」
 咲幸の楽しそうな姿に惹かれて『|流れ星《シューティング・スター》』が姿を現した。
「一緒に遊ぶキラリン!」
「いいよ!楽しもう!」
 キラリンがどこからか仕入れたビーチボールを2人のもとに投げ入れる。楽し気に遊ぶ2人の姿を、クマリンは無心で撮影し続けた。
「ネットの『お前ら』も力を貸して欲しいのさ。」
 クマリンが撮影した写真を、キラリンがSNSにアップする。すると瞬く間に大量の『いいね!』とコメントが押し寄せた。
「もうバズってるリン!」
「キラリンさん凄い!」
「凄いのは咲幸なのさ。」
 事も無げに返すキラリン。その様子を『|流れ星《シューティング・スター》』が嬉しそうに眺めていた。

「お次は運動会と学園祭です!」
 咲幸の言葉に合わせ、ステージが変化する。客席から向かって上手側が『パレス☆オブ☆ドラゴン』、下手側が『サンシャイン☆フェス』という、過去に例のない変化だった。
「欲張りなアイドルも嫌いじゃないよ。」
 どこかから『レッドライオン』の声がした。
「まずは運動会!」
 何処からともなく現れた、体操服姿の学生オブリビオンたちが手際よく綱引きの準備を始めた。
「最初の種目は綱引き!みんな頑張ってね!」
 レッドライオンのアナウンスに合わせ、大勢の学生オブリビオンたちが綱の横に並ぶ。一方、咲幸は一人だ。
「大丈夫なのか?」
 不安そうなキラリンに対し、クマリンは悠然と構えていた。
「まぁ見てるリン。咲幸はこの手の勝負、負けたことがないリン。」
 そして合図のピストルの音が鳴る。
「ふんぬ~!」
 全力で綱を引っ張る咲幸に、人数で勝る学生オブリビオンたちが押されている。じりじりと列の先頭がセンターラインに引きずられていく。そして、先頭の足がセンターラインを越えた時、試合終了のピストルが鳴らされた。
「本当に勝ったよ……。」
 力持ちは恐ろしい、そう心に刻みつけられたキラリンであった。

「次は学園祭!」
 今度はステージ上に2台のイスとテーブルがセットされ、その上に山盛りのかき氷が置かれた。
「今度はかき氷早食い競争だよ!」
「俺の相手はお前か。」
 大柄な、見るからに『番長』といった感じの学生オブリビオンが進み出てきた。
「負けないからね!」
 気合いを入れ、咲幸はかき氷と向き直る。
「よーい、ドン!」
 レッドライオンの合図で2人は同時に食べ始めた。いきなり飛ばしていく番長に対し、咲幸は懸命に食らい付く。と、番長がこめかみを抑え、スプーンを持つ手が止まった。
「今のうちに!」
 かき氷を一気にかき込む。頭痛がするのは我慢の上だ。その加速に客席から歓声が上がる。
「いいぞー!」
「頑張れー!」
 観客の応援を受け、咲幸がラストスパートをかける。
「ごちそうさまでした!」
 あれほど山盛りに盛られたかき氷が器からすっかり無くなった。そして少し遅れて番長もかき氷を食べきった。
「お前、やるじゃねぇか……。」
 握手を求める番長に、咲幸は笑顔で答えた。
 その後も運動会では借り物競走で複数の借り物を一気に背負って走り、リレーでは|星光《スター・イルミネイション》形態に変身した『|流れ星《シューティング・スター》』に追いかけられて全力疾走。学園祭ではお化け屋敷に入り大絶叫、疲れて研究展示をボケーっと見たりと、2つのステージを反復横跳びするように、忙しく往復する咲幸と3匹の妖精たち。

 ステージの照明が夕暮れへと移り替わる。もうすぐ、最後の演目が始まる。
「最後は応援合戦です!」
 黄色のポンポンを手に、チアダンスを踊る咲幸。
「この世界はまだまだ楽しいことはいっぱいあります。」
 今回のステージ上だけでも色々なことがあった。そのいずれもが、慌ただしくも楽しい出来事ばかり。
「流れ星さん、あたしと、いや猟兵みんなで色々回りましょう!」
 咲幸が『|流れ星《シューティング・スター》』に手を差し伸べる。『|流れ星《シューティング・スター》』は迷うことなく、差し出された手を取った。
「いい感じのムード、盛り上げていくのさ。」
 夕暮れが夜空へと変化していくステージ上空へ向け、キラリンが猟兵たちや観客の願いの詰まったソーシャルレーザーを放つ。レーザーは真っすぐに伸びあがると、花火のように大輪の花を咲かせた。それに合わせ、『|流れ星《シューティング・スター》』も|星の光《スター・ビーム》を夜空のようなステージへと解き放った。

「あとで一緒にドーナッツ、食べない?」
 キラリンが『|流れ星《シューティング・スター》』を誘う。ネタが被っているとはいえ、同じスターフェアリーとして親近感もあり、放っておくこともできない。キラリンの照れ隠しのような発露に『|流れ星《シューティング・スター》』は笑顔を見せた。

 遠くで、クオリアと2人の|神格者《アイドル》が優しくステージを見守っていた。彼女たちの願いは、六番目の猟兵によって果たされたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユウ・リバーサイド
②⑤
アドリブ絡み、歓迎

俺が助けるなら即興劇しかない
相手からの反応には窮地の閃きで対応

黒い男性用水着に白いパーカー
化術で、肌の一部に鱗を浮ばせマーマンに
海の生物達の幻影をステージに揺蕩わせ

♪海の星よ
なぜ暴れ回る?

泳ぐようなダンスの動きで攻撃を回避
かわせなかった分は王子様としての碧い輝きをオーラとして纏い防御
スタント的に魅せる軽技で衝撃を殺す

♪海も地上も空も変わらぬ
溢れる悲しみも不自由も
それでも其方が救おうと願い
哀しみに抗い続けたことを知っている

希望の力を鼓舞する歌魔法を
歌声をステージ中に届かせ

(君を蝕む、侵略神による世界の理を壊す)
革命剣を碧く強く輝かせ
心眼で見抜いた、骸の海が吹き出す場所を貫く



●ラスト・エチュード
 さて、ここまでいい感じで駆け抜けた『|流れ星《シューティング・スター》』だったが、一つ大事なことを忘れていた。
「そうだ!『侵略神』と『星壊神』の目的を猟兵に伝えるキラリン!」
 『|流れ星《シューティング・スター》』の意志に合わせ、ステージが変化する。そこはミュージカルシアター『ドリーミング☆ミュージカル』。|神格者《アイドル》『イエロータイガー』が支配する、夢幻の劇場。
 猟兵よ来たれ、今こそ我知る全てを伝える時。『|流れ星《シューティング・スター》』はその時が来るのを待っていた。

「これは……?」
 ユウ・リバーサイド(Re-Play・f19432)は困惑していた。今回彼は多くの戦場を渡り歩き、『ドリーミング☆ミュージカル』では本業の役者としてその実力を発揮していたのだが、暗闇に包まれたこの場所に違和感を覚えた。何だったら『出遅れた』ような感覚すらあった。
「ようこそ猟兵キラリン。」
 舞台最上段をピンスポットが照らす。そこには『|流れ星《シューティング・スター》』が佇んでいた。
「猟兵のみんなに伝えたいことがあるキラリン。それは『星壊神』と『侵略神』の目的キラリン。」
「目的、だって?」
 驚くユウ。あのスターフェアリーはどこまで真相を知っているのだろうか。
「もう少し、もう少しでぼくは完全に骸の海から解き放たれるキラリン。骸の海の支配から脱しつつある今がチャンスだキラリン。」
 かつて獣人戦線に出現した『はじまりの猟兵』は、あえて猟兵に倒されることで消滅までの刹那、オブリビオン化の影響から脱し真実を語ったという。それと似たようなものだろうか。
「生きたままオブリビオンにされたぼくは、今倒されても死ぬことはないキラリン。だから遠慮はいらないキラリン。」
 『今倒されても死ぬことはない』という発言に、ユウは安堵した。

「待ってろ『|流れ星《シューティング・スター》』!必ず助け出してやるからな!」
 ステージの最上段まで駆け上がろうとするユウ。彼の前に、動く虎のぬいぐるみの群れが立ち塞がる。
「盛り上げる要素はあった方がいいよね。」
 どこからか、イエロータイガーの囁く声がした。
「そういう問題かぁ?」
 一瞬悩んだが、ここはアドリブで盛り上げていくと決めた。闘気を身に纏うと、立ち塞がるトラのぬいぐるみたちを突進で蹴散らしていく。その姿に観客は声援を送った。
 最上段まで到達したが、それでもなお『|流れ星《シューティング・スター》』のいる場所には僅かに届かない。ユウは意を決し、高く飛び上がった。

 舞台照明が1人と1匹の姿を逆光に映し出すと同時にユウのシルエットが変化する。黒のボクサーパンツ型の水着に白いパーカーを身に纏い、特殊メイクのように化術を使うことで体の一部から鱗を生やす。男性の魚人、所謂『マーマン』だ。
 照明が戻った時、そこは海の底を再現したアイドルステージへと変化していた。そう『パレス☆オブ☆ドラゴン』だ。
 ユウが差し出した手に『|流れ星《シューティング・スター》』が触れようとした瞬間、彼は|星光《スター・イルミネイション》形態へと変身してしまった。
「海の星よ なぜ暴れ回る?」
 転がる『|流れ星《シューティング・スター》』を軽やかに、踊るようにかわしながら歌うユウ。
「骸の海の抵抗キラリン!」
 真面目に返答する『|流れ星《シューティング・スター》』。それに合わせてユウは歌を続ける。
「海も地上も空も変わらぬ 溢れる悲しみも不自由も それでも其方が救おうと願い 哀しみに抗い続けたことを知っている」
「危ないキラリン!」
 1人と1匹は正面からぶつかるも、ユウは青いオーラを放って|星屑《スターダスト》の棘から身体を防ると、色鮮やかな熱帯魚の群れを幻術で発生させ、周囲に躍らせる。
「君を蝕む、侵略神による世界の理を壊す」
 魔法の歌声を響かせながら、蒼い輝きを放つ革命剣『Esprit blanc』を取り出し、『|流れ星《シューティング・スター》』の胸を一撃で貫いた。

「ありがとうキラリン。これで完全に骸の海から解放されたキラリン。」
 笑顔を取り戻した『|流れ星《シューティング・スター》』に、ユウは安堵の表情を向けた。
「ところで、大事な話があるキラリン。聞いてもらえるキラリン?」
「ああ。」
「『侵略神ヴァラケウス』と『星壊神プラネットブレイカー』がどうして世界を壊そうとしているのか、その目的の話キラリン。」

●無限の世の因縁
「ヴァラケウスとプラネットブレイカーは元々『大神ザウス』と対立していたキラリン。」
 『大神ザウス』。以前『はじまりの猟兵』が語っていた2番目の猟兵『アーカイブ』に属するとされる存在だ。
「この2柱は『大神ザウス』によって別世界に追放されたキラリン。プラネットブレイカーはスペースオペラワールドに、ヴァラケウスはこのアイドル☆フロンティアに。そしてプラネットブレイカーはスターゲイザーに負けたキラリン。」
 善竜スターゲイザー。かの銀河皇帝とその末裔と同じ名を持つ、伝説の存在だ。
「一方でヴァラケウスは『霊神』の側近として、『侵略機動』を使ってみんなの心に骸の海を流し込んでいたキラリン。更には企みが露見するのを防ぐため、ドラゴンブレイカーに|神格者《アイドル》の住む星を|竜《ドラゴン》化させて滅ぼしていたキラリン。」
「ひとつ聞いてもいいか?その『霊神』ってのは何者だ?」
 ユウの疑問に『|流れ星《シューティング・スター》』が難しげな顔をした。
「『霊神』が何者なのかについては、僕たちスターフェアリーにも詳しい事は分かってないキラリン
。唯一言えるのは、『大神ザウス』にも匹敵する強大な力を持ったオブリビオンだってことキラリン。」
 申し訳ない、と言いたげな『|流れ星《シューティング・スター》』に、ユウはそれ以上の詮索を止めた。
「ヴァラケウスの最終目的は『この世界を骸の海で満たし、全ての世界を破壊すること』キラリン。」
「それはもしや『カタストロフ』……!?」
 オブリビオン・フォーミュラに炎の破滅を教え、世界を灼き尽くし消滅する事を目的とする5番目の猟兵『カタストロフ』。『はじまりの猟兵』が語った特徴はヴァラケウスの目的と見事なまでに一致している。

「この戦争の裏に『アーカイブ』と『カタストロフ』の対立が潜んでいる……?」
「その考えは早計かもしれないキラリン。でも、事実だったら……。」
 2人は押し黙ることしかできなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年09月19日


挿絵イラスト