シャングリラ☆クライシス⑯〜時間凍結の書
「この世界のアイドルやオブリビオンの在り方は特殊だとは思っていたが……」
双代・雅一(氷鏡・f19412)はタブレット端末を手に、いつもの薄笑い浮かべて語り出す。
「骸の海が人々の心から溢れていたのは精神世界からの侵略。そこから人々を救う|神格者《アイドル》を導いていたのが『|流れ星《シューティング・スター》』とスターフェアリー……と言った所か」
煌びやかなステージによる戦いはここまで。第二戦線からは帝竜戦役すら思い起こすレベルでドラゴンが目白押しだ、と雅一は端末の液晶を皆に向けて見せた。
「プラネットブレイカーの能力の一つが、星を竜に変える事。|流れ星《シューティング・スター》も例外では無かったみたいだ。その外殻となるドラゴンの名は……ブックドミネーター。そう、書架の王と同じ名を有する」
猟書家の王であった書架の王ブックドミネーターとこのドラゴンは似た性質を持つ。即ち時間操作。
「氷のドラゴンは時をも凍らせる。凍り付いた時の中で起きた事は無かった事となる。つまり……一定時間は攻撃を無効に出来ると言う事だな」
ただし、ドミネーターの外殻からも攻撃をする際、否が応でも時は動き出す――。
「可能な限り、長期間に渡ってダメージを与え続ける攻撃が一番着実で解りやすいだろう。動き出した隙やタイミングを計るより、数撃ちゃ当たるの精神で動き出した瞬間も攻撃に晒される様にしてやれば、あるいは……」
氷使いの医師は告げる。溶かす勢いで熱い攻撃をしつこく続けてやれ、と。
「それと、この状態では|流れ星《シューティング・スター》の意識は無い。竜としての咆吼を上げるだけ。しかし遠慮はせず行って欲しい。外殻を砕けば救えるはずだから」
巨大な氷の牢獄に囚われた希望の星の輝きを取り戻す為に。
しれっとそんな事を言いながら、雅一は猟兵達を送り出した。
◆
『歴史』は決して失われない。
それは書にのみ刻まれるにあらず。
ヒトの魂が、大地の記憶が――過去を凍らせ、永遠に留め置く。
『オオォォォォンン!!!!』
理性無き外殻が、竜の雄叫びを上げた。
天宮朱那
天宮です。
ドラゴン祭り第二弾。アリスラビリンス以来のブックドミネーター。
プレイングボーナス……「長期間に渡りダメージを与える攻撃」を繰り出す。
ブックドミネーターは一定時間の時間を凍結――つまり停止する事で自分への攻撃を無かった事にします。
時間を消し飛ばしたとか、凍れる時の呪法とかそんなのに近いイメージ。
ただし自分が行動する時を飛ばす事はしないので、飛ばす時間以上にネチネチと攻撃して頂ければ。
ちなみに原作では無かった事にする以前に全員で一斉攻撃して1ターンで致死ダメージ与えて倒したのですよね。流石にそれは無理なので、しつこく攻撃GO。
クソでかいので部位狙いはしやすいかも。容赦無く殴っても中の『流れ星』は無事なんで遠慮無くどうぞ。
大成功でも多少の負傷描写はあるモノと思って下さい。それなりに強い相手ですので。
大丈夫、猟兵は命繋がってれば簡単に死なない!(真の姿解放で全回復するし)
ソロ、或いはペア参加まで。複数合わせは迷子防止に相手の名前(ID)かグループ名記載を。
技能の【】等のカッコ書きは不要。使い方無き技能名のみ羅列は描写がシンプルになります。
オーバーロード非推奨。早期完結優先。
書きやすいプレイングの方から書けるだけ書く感じで。人数入っていても遠慮無く。内容優先ですので。
オープニング公開後からプレイング受付。システム的に閉じるまで。
マスターページやタグ、Twitter(@Amamiya_syuna)などでも随時告知。確認頂けますと幸いです。
第1章 ボス戦
『プラネット・ブックドミネーター』
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POW : ドミネーター・アサルト
【凍結ブレス】を浴びせつつ対象に接近し、【氷の爪】で攻撃する。同時に、敵の攻撃は【巨大な尾】でパリイ可能になる。
SPD : 時空凍結氷礫
【具現化させた蒼氷の塊】をレベル個に分裂し、【雪嵐】の如き軌道で射出する。個々の威力は低下するが回避困難。
WIZ : 氷界顕現
【周囲を覆う「全てを凍てつかせる冷気」】で触れた対象と同じ戦闘能力を持ち、対象にだけ見える【蒼氷で出来た過去の強敵】を召喚し、1分間対象を襲わせる。
イラスト:木野田永志
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
霑国・永一
時間を凍らせるだなんて大したものだねぇ。
俺も時を盗めるようになりたいなぁ。
よぅし先ずはブックドミネーターとやらの命の時間を盗みに行こう!
狂気の共演を発動してこの肉体は戦闘狂人格たる真の姿に。
主人格は召喚された分身×148人で頑張らないとだ。
『俺様が気持ちよく壊せるように盗んどけ!』
「はいはい。それじゃその姿と力、盗ませて貰うよ」
分身達は皆ブックドミネーターに! 皆で時空凍結氷礫放ち続けて、それが更に148の分裂するから21904個ほどになるか。相手の蒼氷の塊を相殺に幾分か使っても長きに渡る攻撃には有り余りそうだなぁ。
『俺様はその合間を縫って飛び回り、炎熱でぶっ壊し続けてやらァ! ハハハハッ!』
骸の海なぞ元々熱を感じるものではないが、この空域は殊更に冷え込み、夏をすっ飛ばして冬を感じさせる程。
「時間を凍らせるだなんて大したものだねぇ」
霑国・永一(盗みの名SAN値・f01542)は軽く眼鏡を押し上げながら、目前に存在する蒼き竜――ブックドミネーターの外殻を値踏みする様にまず見つめていた。
「俺も時を盗めるようになりたいなぁ」
無論、時間泥棒とか言うと違う意味になるものの。他人の時間を浪費するだけではなく自在に使える意味ならどんなに良きものか。ついこくりと喉が鳴る。
「よぅし……先ずはブックドミネーターとやらの命の時間を盗みに行こう!」
そうと決めれば、己の肉体はもう一人の己に明け渡す。狂気の共演――戦闘狂たる自分が炎を纏い、ニヤッと強気な笑みを見せながら軽く指を鳴らせば。本来の自分である永一は、148人と言う数え切れない大所帯として分身となってその場に顕れる。
『さぁ、俺様が気持ちよく壊せるように盗んどけ!』
「はいはい」
偉そうに吼える戦闘狂を尻目に主人格達は各々同じ表情に同じ仕草で応えると、視線を凍れる竜に向けた。
「それじゃ、その姿と力――盗ませて貰うよ」
そう告げた時、分身達は一斉にブックドミネーターの『姿』を盗む。同じ外見とユーベルコード。違うのはサイズが少し、目の前のプラネット・ドラゴンロードと比べて小さいくらいだろうか。
「まぁ同じ大きさのドラゴンが百匹もいたら、光の道も大渋滞起こすだろうからなァ、ははっ」
悠然とその様子を見る永一に対し、分身達が変化したブックドミネーターは一斉に時空凍結氷礫を敵の蒼竜目掛けて解き放つ。その数は148の二乗。つまりは万を超える蒼氷が一斉に相手に襲い掛かるのだ。
『グギャアァァァァ!!!??』
理性無き竜が悲鳴を上げる。威力は低いが確実に当ててくるその蒼氷は、時を止めてなかった事にするには余りにも多すぎて余りにも絶え間なく襲い掛かって来るのだから。
そして、その合間を縫う様に一筋の紅き光が駆け抜ける。
「ここまでは前座だ! 本命のこの炎熱でぶっ壊し続けてやらァ!!」
破壊の力をそのまま蒼き竜に叩き付ければ、その巨体が大きく揺れた。
骸の海に響くのは、身を灼かれし竜の咆吼と男の昂ぶる笑いのみ。
大成功
🔵🔵🔵
カンナハ・アスモダイ
※アドリブ連携等歓迎
ええ
私のアッツアツのライブ<パフォーマンス>であっためてあげる
|契約者《ファン》の皆、応援よろしくね!
常夏のハワイを想起させるような
トロピカルでアゲアゲな<歌唱>パフォーマンス
太陽のように煌めく|笑顔の魔法《とびきりのえがお》を添えてね
キラッ★
もっともっとアゲてくわよ!準備はいい?
|契約者《ファン》のテンションに呼応するように
アチアチの<歌魔法>を詠唱
<アイドル力>をバチバチに高めていくわ!
いくわよ!乙女結界魔法!天国と地獄!
時間すら凍らせる程に冷たいというのなら
それを上回るアッツアツのハートで温め続ければいいのよ!
この胸のドキドキ、例え神だろうと止めることはできないわ!
|光の道《アイドルロード》は闇を貫く希望。人々の想いがアイドルに力を与える。
「ええ、私のアッツアツのライブパフォーマンスであっためてあげる!」
カンナハ・アスモダイ(悪魔法少女★あすも☆デウス・f29830)は大きく自分に向けて振られるサイリウムに応える様に両手を挙げて声を上げた。
「|契約者《ファン》の皆、応援よろしくね!」
凍てつく様な氷の竜が咆哮を上げて道を塞ごうとも恐れる事は無い。だって|契約者《ファン》の応援がある限り――これっぽっちも負ける気がしないのだから!
それは常夏のハワイを早期させる様なトロピカルでアゲアゲな楽曲。
燦々と煌めく太陽の様に明るく元気良く、|笑顔の魔法《とびきりのえがお》が輝けば観客達のテンションもすっかりアゲアゲで、サイリウムも激しく動き、骸の海を煌々と照らす。
「もっともっとアゲてくわよ! 準備はいい?」
カンナハの歌声が響き渡り、それに対するその熱を帯びた歓声は本当に物理的な炎となって燃え上がる。
「いくわよ! 乙女結界魔法! |天国と地獄《paradis ou l'enfer》!!」
敵が、ブックドミネーターが時間を凍らせる程に冷たいと言うのなら、それを上回るアッツアツのハートで温め続ければ良いだけの話。
ライブが、カンナハの熱の籠もったパフォーマンスが繰り広げられる限り、ステージが盛り上がりを続ける限り、地獄の業火が蒼きドラゴンを炙り続けるのだ。
『グオォォォォォッッッン!!!??』
時と止めても尚も逃れられぬ高熱に、外殻の竜が身悶え悲鳴を上げた。
「この胸のドキドキ、例え神だろうと止めることはできないわ!」
決めポーズと共に、大きな拍手が観客席から鳴り響き。流れ星救出まで近付いていく。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
【氷花】
攻撃を無かった事にされるのは厄介だけど
全快じゃないだけマシ、かなぁ…
出来る事しようか、シャオさん
オーラ防御で身を守り翼で空中戦
ブックドミネーターさんの攻撃は基本的に回避重視
防御はシャオさんを信じて任せるね
代わりに高速詠唱の炎魔法で冷気の緩和を狙ったり
シャオさんが回避や防御中の隙を埋めるように
多重詠唱で破魔と催眠術を乗せた光魔法を連射
浄化ダメージと共に混乱を狙えないかな、って
更に隙が出来た瞬間指定UC発動
光の縄で動きを封じ
破魔による浄化と貫き続ける巨大槍、灼熱の継続ダメージを与え
攻撃が一つでも通る限り何度でも追撃し続けるよ
あんまりこういう戦い方は好きじゃないけど
今回は、許してね
シャオ・フィルナート
【氷花】
※「…」多用の感情の無い淡々口調だが言葉は柔らかめ
(~なの?~だよ、~だよね等)
凍結勝負は、不毛だと思うけど…
負けたくもないから…
ん…俺に、出来る事…
氷の翼で空中浮遊しながら急所を見抜き
氷の羽を弾丸のように連続射出する遠距離攻撃と
暗殺術を駆使した氷麗ノ剣の早業での薙ぎ払いを適宜切り替え
回復の隙を与えないよう連撃
更に死星眼発動維持でブックドミネーターを常に視界に入れ
生命力を奪い続けながら催眠術による混乱と弱体化狙い
冷気には氷結耐性、寒冷適応能力で対抗
爪攻撃は俺と澪さんどちらへの攻撃も
氷麗ノ剣から放出する水流を瞬間凍結、生成する氷の壁で防御
更に指定UCで足止めと継続ダメージの凍結攻撃
猟兵達の攻撃はじわじわと氷の竜を削り、そして炎で炙り続ける様で。
徐々に巨体の動きが鈍っている様子に栗花落・澪(泡沫の花・f03165)はポツリと呟いた。
「攻撃を無かった事にされるのは厄介だけど、全快じゃないだけマシ、かなぁ……」
これまでの戦争の敵の中には時間を巻き戻すタイプの強敵もいた。何をしても死なないのもいた。それと比べれば、永遠に時間を閉ざして引き籠もらずに迎撃してくれている間は攻撃が通るだけ良いとも思える。
「出来る事しようか、シャオさん」
「ん……俺に、出来る事……」
名を呼ばれたシャオ・フィルナート(悪魔に魅入られし者・f00507)は抑揚の無い声色で敵を見据える。見るからに氷属性で、自分の得意とする力と同系統。
「凍結勝負は、不毛だと思うけど……負けたくもないから……」
彼はどこか嫌そうに眉を寄せたが、然程変わらぬ表情の変化は実に読み取り難い。
そして二人は宙を舞う。
澪は自前の翼を広げ、シャオは魔力を展開して氷の翼を形成する。
『ッシャァァァァ!!!』
ブックドミネーターが大きくその顎を開き、凍結のブレスを放つ。直撃を受けぬ様、迫る冷気を見極めながら二人は辛うじて回避するも、オーラを展開した防御すら突き抜けた凍気が身を灼いた。
更に迫り来る氷の爪をシャオが受け止める。氷には氷を。水流を放った先から瞬時に凍らせばそのまま防壁となる。しかし巨大な竜の爪は易々と一時凌ぎの氷壁を砕いてみせた。
「シャオさん!」
「大丈夫……想定内だよ」
最初の攻撃を凌いだ所で反撃にうって出る二人。澪は素早く口訣を唱えると炎の魔法を繰り出し、敵の凍れる時にぶつけ。シャオも剣技と氷羽根の射出による遠近攻撃を巧みに使いながら、連続した攻撃を仕掛けるも。
「全然効いてない……!?」
「小手先の……攻撃だけ、じゃ、駄目って言う事、か……」
澪の光魔法もシャオの死星眼も、時間凍結のユーベルコード相手では歯が立たないのだ。そもそも竜ともなれば、精神作用の術も技能だけでは通用しない。
「となると、本気出すよ!」
「ああ……向こうが動き始めたタイミングで……」
少しでも止まった時間と時間の合間に攻撃をねじ込めればと二人は炎や光の魔法を放ち、氷の羽根を飛ばし続ける。
ピクンと竜の巨大な尾が動く。その瞬間を澪は見逃さない。
「貴方はもう、逃げられない……!」
裁きの|陽光《ヒカリ》――暗い宇宙の様な戦場全体を光が満たす。雨の様に光の槍がドラゴンを刺し貫き、更に光の縄がうねると竜の四肢を捕らえ、首に尻尾に光が巻き付いた。
「この氷……お前は、耐えられる、かな……?」
シャオが仕掛けたのは大紅蓮・弐ノ型。死星眼からの視界に収めた竜に向け、鋭き凍気が駆け抜ければ氷の竜を更に絶対零度の超低温が襲い掛かる。
『ウ、ガァァァ!!??』
澪の攻撃は避けられようと逃げられようと、一つでも当たればもはや逃がさない。次から次へと連続した攻撃がブックドミネーターを捉え、時を凍らせる暇すら与えない。
そしてシャオの冷気に当てられた箇所からブックドミネーターの身体が崩れていく。低温とは分子運動の低下。結合する力をも失えば、あとは崩壊していくのみなのだ。
「あんまりこういう戦い方は好きじゃないけど……今回は、許してね」
澪が崩れていくドラゴンに声を投げかける。その内側より徐々に見えてきたのは、『|流れ星《シューティングスター》』の姿であろうか。
時の牢獄より流れ星を解放し、彼らの時間は止まる事無く前へと進み出す――。
大成功
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