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シャングリラ☆クライシス⑯〜アイスブレイク作戦!

#アイドル☆フロンティア #シャングリラ☆クライシス #第二戦線 #『流れ星』

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#『流れ星』


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●招集:氷に囚われた流星。
 アイドル☆フロンティアの空の果て、割れた先から溢れ出てきたる骸の海。
 侵略神『ヴァラケウス』の目論見により囚われの身となった『|流れ星《シューティング・スター》』が竜に変わっていく。
 星壊神『プラネットブレイカー』の星をドラゴンに変えるユーベルコード『宇宙操作』によって、『流れ星』はプラネット・ドラゴンロード『ブックドミネーター』の外殻に飲み込まれてしまった。
 『流れ星』を助け出すには侵略されたその内面を「アイドルステージ」で取り戻さなければならないが、それを果たすためには外殻を破壊する必要がある。

「……私は……キラリン……」(※唸り声です)

 時間を操る巨大な氷の竜『ブックドミネーター』。
 その巨体は|光の道《アイドルロード》の一角を占拠しており、延々と時間をなぶり続けている。
 内に収まる『流れ星』は意識を失っており、『ブックドミネーター』の自我もない。
 ただ竜の咆哮を唸るのみだが、無意識に一定の時間を無かったことにする強大なユーベルコード『時間凍結』を繰り返し発動し続けている。
 『流れ星』を救出しようと猟兵が集えば、本能的にその武威を振るうことになるだろう。
 氷の爪や巨大な尾、凍結ブレスや雪嵐の如き軌道で射出する多数の蒼氷の塊は、猟兵であっても油断できない脅威であり容易く討ち取らせてはくれない。
 周囲を覆う全てを凍てつかせる冷気で触れた対象にだけ見える蒼氷で出来た過去の強敵を召喚する《氷界顕現》も、『ブックドミネーター』の意思とは無関係に自動的に起動する。
 そして『時間凍結』が行使されれば、それまでに蓄積されたすべてがなかったことにされてしまう。

「ゆえにそれを逆手に取るミッション!
 可能な限り長期間に渡りダメージを与え続け、絶え間ない攻撃で『ブックドミネーター』の外殻が破壊されるまで叩き続けるのであります!」

 グリモア猟兵バルタン・ノーヴェは予知をすることは特にないとばかりに、ガンガンいこうぜと居合わせた猟兵を誘う。

「『流れ星』が眠っている『ブックドミネーター』、噂に名高いオブリビオン・フォーミュラのドラゴンロード態でありますが、ボディの意識もナッシング!
 本来の時間凍結は攻撃を受けた未来を拒否する効果があるらしいデスガ、今回は一定時間で規則的に発動するようなので延々とダメージを与え続ければいずれ力尽きるのデース!」

 一定の範囲内の時間をなかったことにする性質上、その範囲を超えてダメージを与え続ければ打ち消しきることが適わずに撃破されることになる。
 『ブックドミネーター』も、オブリビオン化させられている『流れ星』も、意識がない状態ならば作戦を見抜くことも対処されることもない。
 強大なドラゴンロードの本能的な反射にのみ注意すれば、破壊することは可能だ。

「早くも戦争の主犯あるいは真実の元凶の先兵が見えてきた次第!
 まだまだ戦いは続きマスガ、ここで『流れ星』殿をレスキューできれば一安心するはずデース!
 皆様、よろしくお願いしマース!」

 バルタンは意気揚々とグリモアを起動して、『流れ星』の待つ地点へのゲートを開く。


リバーソン
 こんにちは。リバーソンです。
 マスターとして皆様に喜んでいただけるよう、つとめさせていただきます。

 今回のシナリオは一章構成です。アイドル☆フロンティアの戦争シナリオとなります。
 『流れ星』を飲み込んだプラネット・ドラゴンロード『プラネット・ブックドミネーター』の外殻を破壊することが目的です。
 『ブックドミネーター』にどのような攻撃しても内部にいる『流れ星』に影響はありませんので、ご安心ください。
 逆説的に、『流れ星』に何らかの干渉を試みても『ブックドミネーター』の外殻に阻まれるため、何の成果も得られません。ご注意ください。

 プレイングボーナスは、『「長期間に渡りダメージを与える攻撃」を繰り出す』ことです。
 オープニング公開後の断章はなく、すぐにプレイング受付開始となります。
 プレイングの受付期間はタグにてお知らせいたします。
 皆様、よろしくお願いいたします。
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第1章 ボス戦 『プラネット・ブックドミネーター』

POW   :    ドミネーター・アサルト
【凍結ブレス】を浴びせつつ対象に接近し、【氷の爪】で攻撃する。同時に、敵の攻撃は【巨大な尾】でパリイ可能になる。
SPD   :    時空凍結氷礫
【具現化させた蒼氷の塊】をレベル個に分裂し、【雪嵐】の如き軌道で射出する。個々の威力は低下するが回避困難。
WIZ   :    氷界顕現
【周囲を覆う「全てを凍てつかせる冷気」】で触れた対象と同じ戦闘能力を持ち、対象にだけ見える【蒼氷で出来た過去の強敵】を召喚し、1分間対象を襲わせる。

イラスト:木野田永志

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

陽・緋蜂
つまりは瞬間火力も継続火力も大事、って事デスカネ。
なら、フェイにお任せデス。

噴進炎翼で【推力移動】、骸の海を飛んで敵に近づきマス。
凍結ブレスを喰らわないよう、大きく迂回する軌道で近づくのが良いデスカネ。

氷の爪を最大推力でかわしたらUC発動、暗器:小銃の弾丸を浴びせていきマス。
片手はコレの連射を続けて、もう片手から色々暗器(重火器)取り出して叩き込み続けていきマス。
投擲爆弾や爆火槍砲の【爆撃】、機関砲の【弾幕】などなど、デス。
尻尾ではたき落とされる可能性もありマスカラ、尻尾の動作には気をつけつつ攻撃を継続していきマスネ。
他の人との連携も勿論歓迎デス。


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
途轍もない相手ですが、やってみますぅ。

『FAS』により飛行、『FLS』で『FES』『FPS』『FIS』を召喚しまして。
まずは『FPS』で敵方の行動の探査に加え、『時間凍結』のペースを把握しますねぇ。
【アサルト】が行われそうなら『FES』で対冷結界を形成すると共に『FIS』で敵方後方へ転移、『接近』段階を無効化しましょう。
そして【搾薢】を発動、把握したペースを元に『無効化されないタイミング』で多数の『蔓』を巻付ければ、以降倒しきるか『蔓』から逃れられるまで『存在吸収』が継続適用されますので、「解かれる前に次の『蔓』を絡ませる」ことで接触状態を継続、可能な限り削りますねぇ。


レティエル・フォルクエイン
連携&アドリブ歓迎
「アイドルは長丁場だってできちゃうんだから!」
任せておいてとUCで自己強化。
「今のレティちゃんはいつもより身軽なんだよ!」
反射的に攻撃して来たり過去の強敵さんが出てきちゃうかもだけど、レティちゃんは回避率も上がってるし、強化された技能とも合わせて見切って受け流して躱しちゃうよ!
「レティちゃんの歌、受け止めてね♪」
11400倍に強化された歌魔法を多重詠唱して継戦能力も頼って継続ダメージを与えちゃお。
「レティちゃんはアイドルだから、輝きだってすごいんだよ?」
余裕があるならアイドルのオーラからレーザー光線にまでなった光で目潰しもして牽制や味方の援護もしちゃうよ。


儀水・芽亜
|流れ星《シューティング・スター》を呑み込んだ竜殻『ブックドミネイター』。噂に聞く『書架の王』の力を持っているようですが、自我がなければ強敵たり得ませんね。

「全力魔法」「歌魔法」「音響攻撃」破壊の「属性攻撃」「衝撃波」「楽器演奏(竪琴)」「歌唱」でブラストヴォイス。
その竜殻、砕いて差し上げましょう。「継戦能力」で、しっかり歌い続けます。

分裂した氷塊は、「対空戦闘」「対空防御」の応用で防ぎましょう。
竪琴を弾いている状態ですから、武器で弾くのも難しい。とはいえ、この程度なら今までだって乗り越えてきました。今回も突破して見せますよ。

体表を粉砕しては無かったことになる繰り返し。いらつきますね、これ。


フロロン・ピューミリオ
「うう、寒いですわね、あれがブックドミネーター……でも、負けられません! この魔法でアツくシビれさせてあげますわ!」

【ハイパーピューミリオ星人・魔】とその効果でUC【スパーク】を使用


雷の魔法で氷塊を撃ち落とすと同時にエフェクトを演出、また、状態異常力を重視した強化を施し、長く|シビれ《感電》させます。
アドリブ・連携歓迎です。


カンナハ・アスモダイ
※アドリブ連携等歓迎

とんでもないわね
ひとりじゃ難しいかもしれない
だから|契約者《ファン》の応援が必要なのよ!

ゲリラライブ、いっくわよ~!
真夏のビーチを想起させるようなアッツアツな<歌唱><パフォーマンス>を披露し、|契約者《ファン》のテンションをアゲていくわ!
もっと盛り上げていくわよ!
アップテンポでエネルギッシュな<アイドルダンス>を踊る

場のボルテージと、私の<アイドル力>も最高潮にアゲアゲ!
紡いでいくわ乙女結界魔法!天国と地獄!

その冷気で時間すらも凍らせるというのなら、
アッツアツに燃やし続けていくだけよ!
こっちには|契約者《ファン》の応援って言う最高の燃料があるの
持久力勝負なら負けないわよ!


東雲・緑田
アドリブ連携歓迎

◼️心情
これはそう、番組中盤でマスコットが危機から新たな力とか戦士に目覚める展開ですね。
私達も宇宙生物の嗜みとして現地のギルド職員の方と融合したりしましたし。

◼️温もりティ
はい、外は砕氷降り注ぐ上に大気圏の保温効果が怪しいご様子、腹が減ってはなんとやらと言いますし、ここは一つ(光の)道の側でぐりんだ軒でラーメンでおもてなしの用意をさせていただきますね、人心地つけますし。
私は、UCて砕けた外皮やら攻撃の一部をアイドル☆にしていきますね、せっせと、沢山。
自我等無いそうなので、アイドル☆に目覚めますね、これは。
後は、ラーメン屋と言えば応援ですからねぐりんだ星人37兆人(体細胞数)程で


南平岸・月斗
「行くぞ月斗!」
OK! 絶え間なく攻撃を続けるのは僕達の得意技だ!
「無限コンボが今回ばかりは役に立つとはな!」

僕のターン、ドロー!
なるほど、あちらが呼び出した「過去の強敵」は僕と同じカードゲーマー!
前に大会で速攻デッキを使ってきた予選ラウンド3回戦の相手だね!
あの時は負けたけど……今回は違う! デッキがバレてるからね!
《ドラゴンを呼ぶ旋律》発動!《帝竜プラチナ》と《竜神アダム》をコストを踏み倒して召喚!
『はいっ、私の効果で相手の速攻を防ぎます! アダムさん!』
「よく耐えたプラチナ! 行くぞ月斗!」
無限コンボ完成だ!《アダムの炎》を無限に撃ち続け、バーンダメージを継続して与え続ける!


栗花落・澪
【氷花】
2023年の水着

流れ星さんを助けるためにも、絶対負けられない

オーラ防御で身を守り翼で空中戦
まずはシャオさんが隙を作るための時間を稼ぎながら
シャオさんの催眠術の効果を更に高めるために
催眠術と誘惑を乗せた歌唱で囮になりつつ
回避はダンスの要領で素早く身軽に

攻撃防御はシャオさんに任せる代わりに
高速詠唱で炎魔法の属性、範囲攻撃
攻撃と共に冷気を緩和する事でサポート

そしてほんの一瞬でも隙が出来たら指定UC発動
破魔による浄化と貫く槍や光の縄の熱で継続ダメージを与え続ける
攻撃が通る限り、何度でも

僕の広範囲技、逃げられるものなら逃げてみたらいい
僕もシャオさんも、見逃さないよ

…流れ星さんを、返して


シャオ・フィルナート
【氷花】
2024年の水着着用

氷に氷が、どこまで通用するかわからないけど…

氷結耐性、寒冷適応能力で冷気に対抗しつつ
死星眼を発動
生命力を奪いながら催眠術をかけ
敵を少しでも弱体化、混乱させる事で
攻撃の命中率を下げたい…

氷の翼で空中浮遊しながら
氷の羽を弾丸のように射出する遠距離攻撃と
氷麗ノ剣を用いての暗殺術を駆使した早業の薙ぎ払いを適宜切り替え攻撃しつつ
俺や澪さんへの攻撃は剣から放出する水流を瞬間凍結
氷の壁を生成し防御する

お前と同じ、氷…返してあげるね…

指定UCの凍結攻撃発動
大紅蓮地獄って…知ってる…?
過度な寒さは肉体をも破壊する…
どんな攻撃も、流れ星さんに影響無いなら
加減してやる必要も、無いよね…


アルテミシア・アガメムノン
成程、長時間に渡りダメージを与え続ける攻撃が必要だと。
よろしい、それではわたくしは【地母神の戦域】で行きましょうか。

|超克《オーバーロード》で三対六枚の翼を持つ堕天使の姿になりユーベルコードを発動。戦場全体を輝く霧で覆って支配下に置きます。

そして『プラネット・ブックドミネーター』を黄金の神炎により燃やし続けましょう。
「ほほほ、この領域は2時間以上維持が可能です。神炎でじっくり燃やしてあげましょう。ああ、わたくしの方は癒しの風で回復し続けますので判断ミスなどは期待しませんように」

敵の放つ【時空凍結氷礫】も『蒼氷の塊』を具現化させた段階で神炎で焼き尽くしてしまいましょう。
「せめて具現化するのを戦場の外にすれば発動自体はできるでしょうに。意識がないというのは悲しい事ですわね」


イヴ・イングス
【アドリブ歓迎】
ブックドミネーター攻略RTA、はぁじまぁるよー!
継続ダメージなら当然、当たり判定バグを使った無限スリップダメージが一番です。ホント戦闘終了まで無限に残りますからねこれ。GGORTA学会のメンツがバグ修正するなって署名活動してましたからね。
あ、なんか過去の強敵が召喚されてる。私にとっての強敵は自己ベストタイム叩き出した私自身ですね。RTA勢にとっては過去の自分を超えるのが一番難しいんですよ。再現性難しいチャート走ったりしてると特にね。
あ、過去の私そこでオリチャー発動しちゃいます!? じゃあ私はこないだ新しく考えたオリチャーをちょっと後に発動しますよ!
多分これが一番早いと思います!



●フリージング・タイム・アウト。
「……キラリン……キラリン……」

 プラネット・ドラゴンロード『ブックドミネーター』。
 内に『|流れ星《シューティングスター》』を収め、無意識に時間を凍結させる冷気を振り撒く氷の竜は、生半可な者では近づくこともかなわず死に絶える脅威だ。
 だが、それに臆することなく猟兵たちは戦場へ駆け付ける。
 |光の道《アイドルロード》を駆け抜けて、十二の煌めきが|戦場《ステージ》に上がる。

「つまりは瞬間火力も継続火力も大事、って事デスカネ。なら、フェイにお任せデス」

 封神武侠界生まれの僵尸娘、|陽《ヤン》・|緋蜂《フェイフォン》(機甲武装的虎尸人小娘・f39902)はプラズマ炎を噴射し飛行を可能とするジェットパック『噴進炎翼』で推力を得て、骸の海を飛行する。
 凍結ブレスを喰らわないよう、大きく迂回する軌道で『プラネット・ブックドミネーター』へと近づいていく。

「途轍もない相手ですが、やってみますぅ」

 童顔且つ小柄ながら桁違いに発育の良い体型の美女、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は三対のオーラの翼型祭器『フローティング・エアロフォイル・システム』にて飛行しつつ、札型祭器『フローティング・リンケージ・システム』を使用する。
 眼下に『プラネット・ブックドミネーター』を収めながら、所持している多数の『祭器』を完全に制御し『祭器』の召喚や空間歪曲障壁の展開を行える『フローティング・リンケージ・システム』の効果によって、様々な属性の結界を展開して魔力矢の形成や破損によるダメージを無効化する能力を有する百数十枚の浮遊する布型祭器『フローティング・エレメンタル・システム』と、各種探知能力を有し情報の概念化や複製・記録を行える百数十個の浮遊する涙滴型の水晶型祭器『フローティング・プローブ・システム』、そして衝撃波の放射や瞬間移動に時空間干渉遮断などを可能とする16本の浮遊する水晶柱型祭器『フローティング・インタディクト・システム』を召喚して、強敵に対処しようとしている。

「アイドルは長丁場だってできちゃうんだから! 任せておいて!」

 サウンドソルジャーから心機一転、完璧で究極の最強アイドルになったレティエル・フォルクエイン(オラトリオのパーフェクト☆アイドル・f15293)は元気いっぱいに笑顔を浮かべ、コンサート用の『黒のアイドル衣装』を着用して文字通りに躍り出た。

「|流れ星《シューティング・スター》を呑み込んだ竜殻『ブックドミネイター』。
 噂に聞く『書架の王』の力を持っているようですが、自我がなければ強敵たり得ませんね」

 かつて銀の雨降る時代を駆け抜けた一線級の能力者。
 儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)は冷静に『プラネット・ブックドミネーター』を見上げて簡素な竪琴『Playland In Sleeping』を小脇に抱える。
 アイドル☆フロンティアの危機を乗り越えてみせようと、金の瞳で敵を見つめている。

「うう、寒いですわね、あれがブックドミネーター……でも、負けられません!
 この魔法でアツくシビれさせてあげますわ!」

 ピューミリオ星のお姫様、フロロン・ピューミリオ(ピューミリオ星人の宇宙プリンセス・f38854)も『プラネット・ブックドミネーター』が撒き散らす冷気に耐え忍びながら、ピューミリオ星で作られたコズミックロッド『ピューミリオ・コズミックロッド』を手にやる気を奮い立てせて光の道に立つ。

「とんでもないわね。ひとりじゃ難しいかもしれない。だから|契約者《ファン》の応援が必要なのよ!」

 カクリヨファンタズム出身のマジカル☆アイドル|上級悪魔《グレーターデイモン》、カンナハ・アスモダイ(悪魔法少女★あすも☆デウス・f29830)は『悪魔的ステージ衣装』に身を包み、存在感のあるパフォーマンスを披露しようと気炎を上げる。

「これはそう、番組中盤でマスコットが危機から新たな力とか戦士に目覚める展開ですね。
 私達も宇宙生物の嗜みとして現地のギルド職員の方と融合したりしましたし」

 魔法の宇宙通商圏【善意の第三国】ぐりんだ星からやって来た群体型不定形生物遊星人の組合員。
 東雲・緑田(マホーの宇宙人の|魔法少女《アイドル》☆斡旋業者・f45150)は光の道の側でぐりんだ軒でラーメンの下拵えをしている。
 なお、眼鏡をしたドラゴンプロトコルの受付嬢はすでに屋台の席に着いていた。

「駆け付け一杯お願いします」
「はい、外は砕氷降り注ぐ上に大気圏の保温効果が怪しいご様子。
 腹が減ってはなんとやらと言いますし、ラーメンでおもてなしの用意をさせていただきますね、人心地つけますし」
「行くぞ月斗!」
「OK! 絶え間なく攻撃を続けるのは僕達の得意技だ!」
「貴様の無限コンボが今回ばかりは役に立つとはな!」

 行く先はラーメン軒ではなくデュエルフィールド。
 Thunderbolt Pros.所属のプロプレイヤー、南平岸・月斗(電波デッキの使い手・f29828)は『プラネット・ブックドミネーター』の『時間凍結』に対処し得る無限ループを叩き込むべくデッキをシャッフルする。
 『デュエルデバイス』を構えて、バトルの準備は万端だ。

「流れ星さんを助けるためにも、絶対負けられない」
「氷に氷が、どこまで通用するかわからないけど……」

 セーラー風とアイヌ風の水着を着て現れた氷花の二人。
 栗花落・澪(泡沫の花・f03165)とシャオ・フィルナート(悪魔に魅入られし者・f00507)は翼で空中を漂っている。
 『流れ星』を助け出すために、力を併せて挑む所存だ。

「成程、長時間に渡りダメージを与え続ける攻撃が必要だと。
 よろしい、それではわたくしは【地母神の戦域】で行きましょうか」

 そして満を持して姿を現すのは、デビルキングワールドの|デビルキング《7thKING》。
 アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)は、即座に|超克《オーバーロード》する。
 三対六枚の翼を持つ堕天使の姿になり、到着と同時にユーベルコードを発動した。
 『プラネット・ブックドミネーター』を含む戦場全体が、視界を妨げない輝く霧で覆われる。

「この戦場はわたくしの支配下にあります」

 《地母神の戦域(ティアマト)》。
 154分後まで、敵は魂魄まで焼き尽くす金色の神炎の攻撃を、味方は状態異常完全回復を含む超再生の癒しの風の回復を受け続ける。
 時間すら凍て付く極寒のフィールドが、アルテミシアの支配下に置かれた。
 『プラネット・ブックドミネーター』が金色の神炎により燃やされ始め、そしてそれはずっと続くことになろう。

「ほほほ、この領域は2時間以上維持が可能です。神炎でじっくり燃やしてあげましょう。
 ああ、わたくしの方は癒しの風で回復し続けますので判断ミスなどは期待しませんように」
「ブックドミネーター攻略RTA、はぁじまぁるよー!」

 そしてアルテミシアの癒しの風を浴びながら、最初の一杯目『緑田ラーメン』(未知との遭遇味)をいただいたイヴ・イングス(RTA走者の受付嬢・Any%・f41801)は颯爽とTAS(とりあえず、アタックする、スピードラン)を決める。
 すなわちバグを攻めるのだ。

「……キラリン……キラリン……」

 こうして集結した猟兵たちの凄まじい気配に『プラネット・ブックドミネーター』はただ咆哮を唸り、迫る猟兵たちに無意識の迎撃を繰り出してくる。
 ここに『流れ星』を救い出す戦いが始まった。


●エンドレス・コンテニューアタック!
 『プラネット・ブックドミネーター』が空中にいる猟兵たちに向けて《ドミネーター・アサルト》、すなわち凍結ブレスを浴びせかけつつ接近しようとする。
 その瞬間、るこるは『フローティング・エレメンタル・システム』で対冷結界を形成すると共に『フローティング・インタディクト・システム』で敵の後方へ転移して回り込み、氷の爪を回避する。

「まずは敵方の行動の探査に加え、『時間凍結』のペースを把握しますねぇ」

 回避したるこるが『フローティング・プローブ・システム』による情報収集を開始する中、緋蜂は氷の爪を最大推力で躱して反撃にユーベルコードを発動する。

「ストライク・イェーガーを発動デス」

 半径134m内の対象全員を、自身の袖の中に隠した『暗器:小銃』で自動的に攻撃し続ける。
 弾丸を連射して浴びせ続け、もう片手から他の『暗器』を取り出して叩き込み続けていく。
 『|機関砲《ガトリングガン》』による弾幕や、『投擲爆弾』と『|爆火槍砲《ロケットランチャー》』の爆撃など、巨大な尾でパリィされても構わずに撃ち込み続け、そしてはたき落されないように挙動に気をつけて攻撃を続けて行く。

「シャオさんが隙を作るための時間を稼がなきゃ」

 澪は、シャオが《ドミネーター・アサルト》の標的にならないように囮となるべく、誘惑効果を乗せた歌唱を紡ぐ。
 ブレスも爪もダンスの要領で素早く身軽に回避して、シャオの準備が整う時間を稼ぐ。
 そしてシャオは凍て付く冷気を持ち前の氷結耐性と寒冷適応能力で対抗しつつ、右眼の『死星眼』を発動する。
 金色に光るその目の視界に『プラネット・ブックドミネーター』を収め、生命を奪いながら催眠をかける。

「敵を少しでも弱体化、混乱させる事で。攻撃の命中率を下げたい……」

 澪の歌には、シャオの催眠術の効果を更に高める狙いもあった。
 シャオは冷たく輝く氷の翼『ange de verre』で空中浮遊し、動きを鈍らせる『プラネット・ブックドミネーター』に向けて氷の羽を弾丸のように射出する。
 爪が尾が届くくらいに接近された時には『氷麗ノ剣』を用いての暗殺術を駆使した早業の薙ぎ払いを繰り出して、剣から放出する水流を瞬時に凍結させることで氷の壁を生成し防御する。
 攻撃に対する防御はシャオに任せて、澪は炎属性の魔法を高速詠唱で広範囲に放つことで、氷竜への攻撃と共に味方に及ぶ冷気を緩和するというサポートをしている。
 無感情に猛威を振るう『プラネット・ブックドミネーター』だったが、そのブレスも爪も誰かを捕えることはなかった。

「……キラリン……キラリン……」

 だが、だからこそ。
 『プラネット・ブックドミネーター』は躊躇なく無意識に次なる迎撃手段を発動する。
 周囲を覆う全てを凍てつかせる冷気で触れた対象と同じ戦闘能力を持ち、対象にだけ見える蒼氷で出来た過去の強敵を召喚し、1分間対象を襲わせるユーベルコード。
 《氷界顕現》が展開される。

「なるほど、あちらが呼び出した「過去の強敵」は僕と同じカードゲーマー!
 前に大会で速攻デッキを使ってきた予選ラウンド3回戦の相手だね!」

 月斗の前に召喚されるのは、過去の強敵だ。
 氷で出来たカードゲーマーは、デュエルデバイスを構えてバトルの構えを見せている。
 コイントスの結果、月斗が先行となった。

「あの時は負けたけど……今回は違う! キミのデッキがバレてるからね!
 僕のターン、ドロー! 《ドラゴンを呼ぶ旋律》発動!
 《帝竜プラチナ》と《竜神アダム》をコストを踏み倒して召喚!」
『はいっ、私の効果で相手の速攻を防ぎます! アダムさん!』

 制圧を仕掛ける月斗が繰り出したのは、《Infinity Dragon Flame》(リュウジンアダムノムゲンバーンコンボ)。
 670本の効果ダメージを持つ竜属性の無限コンボを決めれば、さらに増殖する炎の矢を放つユーベルコードだ。
 『プラチナ』が全てを凍てつかせる冷気と対戦相手の速攻攻撃カードの猛攻を防ぎ、その後『アダム』が《アダムの炎》を無限に撃ち続け、過去の強敵諸共『プラネット・ブックドミネーター』にバーンダメージを継続して与え続ける。

「よく耐えたプラチナ! 行くぞ月斗!」
「無限コンボ完成だ!」
「あ、なんか過去の強敵が召喚されてる。私にとっての強敵は自己ベストタイム叩き出した私自身ですね」

 そしてイヴの前に現れたのは、過去のイヴ。
 現在のイヴと少し違うその存在はオブリビオンではないにせよ、敵対するために呼び出された存在だ。
 『プラネット・ブックドミネーター』を守るようにイヴに向けてRTAを開始する。

「RTA勢にとっては過去の自分を超えるのが一番難しいんですよ。再現性難しいチャート走ったりしてると特にね。
 あ、過去の私そこでオリチャー発動しちゃいます!? じゃあ私はこないだ新しく考えたオリチャーをちょっと後に発動しますよ!
 多分これが一番早いと思います! はい勝った」

 と、凄まじい速度で作業を開始するイヴ(現在)とイヴ(過去)。
 ほとんど差異の無い二人であったが、成長したイヴ(現在)の新しいオリジナルチャートが運よく功を奏した。
 3秒ものアドバンテージを得て、《イリュージョンエッジ(カッコイイナマエガツイタアタリハンテイバグ)》が炸裂する。

「継続ダメージなら当然、当たり判定バグを使った無限スリップダメージが一番です。
 ホント戦闘終了まで無限に残りますからねこれ。GGORTA学会のメンツがバグ修正するなって署名活動してましたからね」

 それは、攻撃が命中した対象に攻撃エフェクトのバグで残留する当たり判定を付与し、判定148m以内に対象がいる間、残留する当たり判定によるスリップダメージによる追加攻撃を与え続けるユーベルコードだ。
 イヴ(過去)の手が間に合わず、『プラネット・ブックドミネーター』に攻撃がHIT。
 残留するエフェクトがしっかりと『プラネット・ブックドミネーター』にダメージを与え続けて行く。

「今のレティちゃんはいつもより身軽なんだよ!
 レティちゃんは大空にだって飛び立っちゃうんだからねっ」

 レティエルも、《氷界顕現》で召喚された過去の強敵と対峙するとユーベルコード《有翼飛翔(ユウヨクヒショウ)》を発動する。
 翼を用いて空をも飛ぶ事で回避率が10倍になり、時速570kmの飛翔能力を得ると骸の海を華麗に舞うのだ。
 更にはレティエルの持つ全て技能レベルが自分のLv×100倍、すなわち1140レベルになる自己強化ユーベルコードの効果によって、以前には厳しい戦いを繰り広げた相手の攻撃でも見切って受け流して躱していく。

「思い出してくれたんだね、キミが何だったのかを。そう、キミこそ愛と希望の灯火、魔法少女……」

 一方で、せっせと沢山温もりティを淹れる緑田は、《目覚める☆本当のキミ♪(ハレーションミラクル)》て召喚された過去の強敵たちを次々にアイドル☆にしていく。
 対象に唐突な|魔法少女《魔法のアイドル☆》設定を生やし、自身とのテレパシー会話を可能にするユーベルコードによって、蒼氷で出来た魔法少女に転身していくのだ。きっとクールタイプだろう。
 魔法少女の使命と能力が芽生えた過去の強敵は、推し化の状態異常によってぐりんだ星人37兆人(体細胞数)程の応援を受けて『プラネット・ブックドミネーター』に反抗する。

「……キラリン……わたしは、ブックドミネーター、キラリン……!」

 そして、じわじわと猟兵たちの攻撃によるダメージを受けていく『プラネット・ブックドミネーター』が『時間凍結』を発動させる。
 これまでに受けた攻撃、その未来を拒否するために一定の時間を無かったことにする。
 緋蜂たちが叩き込んだダメージをリセットして無傷の姿を晒した、その瞬間。
 るこるはユーベルコードを発動する。

「ペースは把握しました。大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『魔樹の加護』をお与え下さいませ」

 《豊乳女神の加護・搾薢(チチガミサマノカゴ・シュウダツノカズラ)》。
 形成した830本の白色の蔓で触れた敵に、拘束による行動不能と存在吸収による内部破壊ダメージを与えるユーベルコードだ。
 最大で830mもの長さを有する『蔓』は自在に操作可能で、存在吸収は植物が栄養を取り込む際に近くカロリーに変換される。
 情報収集によって把握した『時間凍結』のペースを元に、無効化されないタイミングで多数の『蔓』を巻付けることを狙っているのだ。

「これ以降は倒しきるか『蔓』から逃れられるまで『存在吸収』が継続適用されますので、「解かれる前に次の『蔓』を絡ませる」ことで接触状態を継続、可能な限り削りますねぇ」
「ここからが本番デスネ、ガンガンいきマスヨ」
「行くぜ、アダム!」「おお、月斗!」
「ピューミリオ星人のエネルギー! このロッドに込めて放ちますわ!」

 るこるが割り出した『時間凍結』のカウントを基に、猟兵たちは一気に攻勢に出る。
 仲間たちが再攻撃を繰り出して行く中、フロロンは他のユーベルコードと同時に使用するユーベルコード《ハイパーピューミリオ星人・魔(ハイパーエイリアン・ピューミリオ・マジック)》を発動する。
 ユーベルコード1回分だけ、光り輝く触手のエネルギーを『コズミックロッド』に装填することで自身に状態異常力を重視した強化を施し、『コズミックロッド』から雷の魔法を放ち、半径141m以内の敵全員にダメージと感電の状態異常を与える《スパーク》を使用する。
 猟兵の攻撃をパリィしようと振り回される『プラネット・ブックドミネーター』の巨大な尾に雷の魔法が突き刺さり、|シビれ《感電》させる。

「シビレてくださいませ!」
「……キラ、リン……」

 電撃を浴びて硬直した竜の、一瞬生じた隙を澪とシャオは見逃さない。
 空中を泳ぐ二人は息を合わせてユーベルコードを発動する。

「貴方はもう、逃げられないよ……」
「お前と同じ、氷……返してあげるね……」

 澪が放つのは戦場全体を満たす破魔の光と、天から継続的に降り注ぎ続ける光の巨大槍。
 そして光の縄による拘束と灼熱の継続ダメージで攻撃する《裁きの陽光(サバキノヒカリ)》による継続ダメージを与え続ける。
 そう、このユーベルコードの攻撃は、いずれかひとつでもダメージを与えられれば何度でも再攻撃できるのだ。

 そしてシャオが放つのは、《大紅蓮・弐ノ型(ダイグレン・ニノカタ)》。
 足止めも可能な敵を凍結させる鋭い冷気を放ち、命中した敵を現実離れした冷たさで身体損壊を起こす氷に包み継続ダメージを与える。
 自身が『死星眼』を発動していると威力が上昇し、氷の竜の氷結耐性さえも貫き裂傷を与える。

「僕の広範囲技、逃げられるものなら逃げてみたらいい。僕もシャオさんも、見逃さないよ」
「大紅蓮地獄って……知ってる……?
 過度な寒さは肉体をも破壊する……どんな攻撃も、流れ星さんに影響無いなら加減してやる必要も、無いよね……」

 破魔の光に包まれた『プラネット・ブックドミネーター』は、灼熱の炎と身体をも引き裂く寒気。
 双極のダメージを帯び、全身に亀裂を生じだしていく。

「……キラリン……キラリン……」

 長期間に渡りダメージを受け続けた『プラネット・ブックドミネーター』は、間もなく次の時間凍結を発動する。
 だが、すでに継続ダメージの時間は無視できない範囲に及んでいる。
 竜の吐息が虫の息になるそこへ、アイドルたちが終わりを突きつける。


●カーテンコール・アイドルライブ!
「ゲリラライブ、いっくわよ~!」

 カンナハは真夏のビーチを想起させるようなアッツアツな歌唱パフォーマンスを披露して、|契約者《ファン》のテンションをアゲていく。
 アップテンポでエネルギッシュなアイドルダンスを踊り、|戦場《ステージ》全体を沸き立たせる。

「もっと盛り上げていくわよ!」

 場のボルテージもカンナハのアイドル力も、最高潮にバイブスアゲアゲだ。
 《氷界顕現》の全てを凍てつかせる冷気を吹き飛ばし、召喚された過去の強敵も意に介さず、ユーベルコードを歌い出す。

「紡いでいくわ乙女結界魔法! 心の芯からアッツアッツにしてあげるんだからね!
 《天国と地獄/paradis ou l'enfer(パラディ・アンフェール)》!」

 悪魔法少女★あすも☆デウスの激熱パフォーマンスで領域内に炎と癒しを与える結界魔法。
 自身がライブパフォーマンスを行っている間、半径166m以内の対象全てにあらゆるものを焼き尽くす地獄の業火によるダメージか、あらゆる傷を癒す聖なる光による治癒を与え続けるのだ。
 蒼氷で出来た過去の強敵は瞬く間に蒸発し、ステージが明るく照らされる。

「その冷気で時間すらも凍らせるというのなら、アッツアツに燃やし続けていくだけよ!
 こっちには|契約者《ファン》の応援って言う最高の燃料があるの。持久力勝負なら負けないわよ!」

 るこるの『蔓』、アルテミシアの金色の神炎、澪の陽光、シャオの大紅蓮に覆われた『プラネット・ブックドミネーター』の身体に、地獄の業火がくべられる。
 『暗器:小銃』の弾丸を間髪入れずに浴びせられ、フロロンの《スパーク》とアダムの炎が撃ち込まれ続け、緑田のスカウトしたアイドル☆たちが魔法攻撃を畳みかける。

「……キラリン……キラリン……」
「その竜殻、砕いて差し上げましょう――コワレロ!」

 そして芽亜は毅然と『プラネット・ブックドミネーター』の前に立ち、《ブラストヴォイス》を叩き込む。
 自身から半径165m以内の敵も味方も全員を高威力で無差別攻撃するユーベルコードは、人間の声帯からこんな音が出るかというほどの絶唱を放つ。
 芽亜は至近距離で魂の力を込めた力ある歌声を、継戦能力を活かしてしっかり歌い続ける。

「……キラリン……わたしは……!」

 圧倒的な歌魔法による破壊属性の音響攻撃による衝撃波に、本能的な危機感を抱いたのだろう。
 『プラネット・ブックドミネーター』は具現化させた蒼氷の塊を無数に分裂させて雪嵐の如き軌道で射出する《時空凍結氷礫》を繰り出した。
 芽亜は竪琴を弾いている状態で、武器で弾くのも難しい。しかし、芽亜は一人で立っているのではない。

「とはいえ、この程度なら今までだって乗り越えてきました。今回も突破して見せますよ」
「せめて具現化するのを戦場の外にすれば発動自体はできるでしょうに。意識がないというのは悲しい事ですわね」

 蒼氷の塊は、具現化させた段階で戦場全体に広がるアルテミシアの神炎で焼き尽くされて消滅する。
 味方のサポートもあって芽亜は回避も防御も気兼ねすることなく、《ブラストヴォイス》を存分に振るわせることに専念できるのだ。
 そして一定の時間が経過して、規則的に時間凍結が発動してひび割れた外殻がいくつか元に戻る。
 しかし、猟兵たちの継続した攻撃は『プラネット・ブックドミネーター』を破壊する寸前にまで積み重なっていた。

「体表を粉砕しては無かったことになる繰り返し。いらつきますね、これ」
「だけどもう一息よ! ラストスパートね!」
「オッケー! レティちゃんの歌、受け止めてね♪」

 最後の一押しを決めるのは、11400倍に強化された歌魔法を多重詠唱で積み重ねるレティエルだ。
 増強された継戦能力も頼って延々と溜め込んだ『アイドルオーラ』は、レーザー光線にまでなった光を放ち存在感を醸し出している。

「レティちゃんはアイドルだから、輝きだってすごいんだよ!
 そう、パーフェクト☆アイドルなら……継続ビームも撃てちゃうんだからっ!」

 |七芒星《ヘプタグラム》型の太いビームが『プラネット・ブックドミネーター』を貫通する。
 蓄積されて来た継続ダメージにトドメの一撃が加えられ、あっという間に全身が爆発四散する。
 ドラゴンロードの外殻は破壊され、骸の海にアイドル力の煌めきが華々しく広がっていくのだった。


●アイスブレイク・コンプリート!
「……流れ星さんを、返して」
「……キラリン~」
「……うん、無事みたいだね……」

 澪の言葉に応じるように、『プラネット・ブックドミネーター』の外殻が砕け中から『流れ星』が零れ落ちる。
 意識を失っているためそのままフワフワと宙を漂っているが、無事である様子だ。
 ただ、『流れ星』の中には未だ骸の海が巣食ったままであり、本来の姿のままオブリビオンと化している。
 侵略されたその内面も『アイドルステージ』で取り戻す必要があるため、完全に救い出すまでには間を置く必要があるだろう。

「御役目完遂デスネ」
「お疲れ様ですぅ」
「レティちゃん大勝利!」
「これでひとまずは大丈夫そうですね」
「みなさん流石ですわ! すごかったのですわ!」
「ええ! みんなの絆の力なんだから!」
「ああ! 楽しいデュエルだったぜ!」
「ほほほ、完全勝利ですわね」
「これでタイマーストップです。完走した感想ですがやはり十人以上で囲んで叩けばたいてい何とかなると思いますね」

 眠り続ける『流れ星』の対処を後日に回して、崩壊していく『プラネット・ブックドミネーター』を尻目に猟兵たちは帰路に着く。
 意識がないとはいえ脅威的なドラゴンロードと長時間に渡り戦い続けたことによる疲労を癒すべく、戦場をあとにするのだった。

「自我等無いそうなので、アイドル☆に目覚めますね、これは」

 そして緑田は、戦いで砕けた『プラネット・ブックドミネーター』の外殻をもアイドル☆にしようと目論んでいるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年09月14日


挿絵イラスト