集え、正義のスポーツマン達!
俺の名はゲットゼッケン(アスリートキャバリア・f45586)。
皆、かつて『クロムキャバリア』世界に存在した競技用(アスリート)キャバリア・リーグ……その競技の一つ、ギガ・ゲートボールが今、復活しようとしている!
ダークリーガーとして復活した競技用(アスリート)キャバリア達がここ、アスリートアースに現れた。そいつらはダーク化選手を増やし、キャバリアに乗せてまで、かつての栄光を取り戻そうとしているんだ。
その手始めとして、ギガ・ゲートボールの試合を開催しようとしている。
皆も知っての通り、ダーク化させられた選手は、試合に勝たなければ解放されない。熱きスポーツマンシップに呼ばれた君たちなら、きっと彼らを救えるはずだ。ダークリーガーの野望を挫いてくれ!
まずは、皆でギガ・ゲートボールを覚えていこう。
ギガ・ゲートボールは、俺たち競技用キャバリアがやっていたスポーツだ。キャバリアと同程度、5mサイズのボールをシュートし、既定の順番でゲートを通過させるのが主な手順となる。
ただ、君たちの知る人間用のゲートボールとは少々違うようだ。
●競技説明!
これだけ知っとけば十分なまとめ:こんにち知られるゲートボールというより、皆には「大玉転がし」の方が感覚として近いかもしれない。
・あらゆる手段でボールを動かし、敵を妨害したり、ゲートを潜らせよう。ゴールポールは進んで狙うのが基本だ。時には身を挺してボールや仲間を守るのもいいだろう。
競技人数:競技は、敵味方のキャバリアそれぞれ5体ずつ、計10体で行う。各々がシュート用の「ハンマー」ないし特注の「シュート用装備」等を持つのが基本。中にはシュートを捨て、守りに特化した性能を持つキャバリアもいた。
自意識を持った競技用キャバリアのスポーツだが、人間もキャバリアで参加できる。もし自信があるなら、キャバリア無しでも構わない。
得点:広いフィールド(開催地により広さは様々)に、1,2,3の番号が振られた『ゲート』と、1本の『ゴールポール』がランダムな位置に建てられる。
・ゴールポールに当てれば3ポイント。どちらかのチームが1度当てると、10分間バリアに包まれ、当てることができなくなる。
・ボールを3つのゲートに潜らせると1ポイント。1→2→3の順でなければならない。途中でゴールポールに当てたり、フィールド外周に当たってしまうと最初からやり直しになる。ゲートはいわゆる門の形をしているが、潜らせる方向は問わない。
試合の運び:試合時間は1試合30分。それぞれのチームはボールを1つずつ持った状態で、スタート位置から同時に行動する。転がしたりシュート(ハンマーで叩く等)したりして、自分のチームのボールをゲートに潜らせれば得点になる。
・自チームのボールをシュートし、相手のボールを弾いて妨害する事が可能。ただし相手のボールやプレイヤーに(故意に)直接触れたり、攻撃するのはルール違反。……が、多少のラフプレーは見逃される。
・直径5mのボールなので、基本的に1体のキャバリアで転がしたりシュートしたりするのは困難である。シュート、シュート後のコース調整にそれぞれ2・3体ずつ割り振るのが一般的。
醍醐味:キャバリアの出力や性能を生かしたその試合は大迫力。高機動・超パワー、目まぐるしい攻防。専用に開発された装備などはそのままチームの『華』となる。
中でも競技用キャバリアが自分で編み出す『必殺シュート』が大きな話題になった。
熱きスポーツマンシップを持った猟兵であれば、キャバリアを通じて(あるいは自分自身で)己のユーベルコードをこの『必殺シュート』に昇華できるだろう。
●説明おわり!
敵は手ごわい。君たちが予想もしないような反則スレスレのラフプレーもしてくるかもしれない。
だが、競技用キャバリアは……いや、きっと君たちなら!汎用キャバリアを通じても、定められた性能を超えたプレーが出来るはずだ。
そして願わくば、俺もこの素晴らしい競技を世界中の皆に……また、楽しんでほしい。
鈴木りゅう
元ネタがわかる人も、わからない人も、振るってご参加ください!
熱きスポーツマンシップをぶつけて下さい!私がそれを描き出して見せます。
ルールが複雑かもしれませんが、熟読する必要はありません。気楽に「こんなプレーの情景を書いてほしい!」といった感じで十分かと思います。
第1章 冒険
『その他スポーツを練習しよう』
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POW : 体当たりで果敢にチャレンジする
SPD : 器用にコツを掴みながら練習する
WIZ : ルールや戦術の理解を深める
イラスト:十姉妹
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
大宝寺・風蘭
連携歓迎。
公序良俗に反する行動、利敵行為、過剰に性的な描写はNG。
へらへらしているが、やると決めたことはちゃんとやるタイプ。
民間人への被害を嫌い、救助活動などには全力を尽くす。
使用武器は、木刀のような見た目の革命剣『木刀れぼりゅーしょん』
正規の格闘技の心得はなく、斬撃とパンチ、キックを雑に組み合わせた喧嘩殺法で戦う。
オウガ(二足歩行の人間大の猫のような見た目で、名前はモチズキ)との連携を好む。
冒険では、力任せに障害を吹き飛ばすといった行動が得意。ただし地頭が悪いわけでもないので、搦め手が必要ならその都度考える。
台詞例
「アタシだってヤるときゃヤるんだぜぃ!」
「つまり、全員ぶっ飛ばしゃ解決っしょ」
「おおりゃああーーーーーーーーーーーーー!!!!」
勇ましい声色を響かせ、スポーティなカラーリングの施されたキャバリアがバーニアを吹かす。
「でぃやッッ!」
声色は勇ましいが、声質は意外と可憐だ。大宝寺 風蘭(f19776)は楽しそうに、直径5mのボールを打った。もちろんキャバリアを操作して。
彼女がキャバリアを駆るのはこれで2度目。すっかり慣れたものだ。キャバリアでやるスポーツ、物は試しとやってみれば、荒っぽくてなんとも楽しい。彼女の性に合っていた。その上結構……体全体に『効いてる』気がする。
「このハンマーでぶっ飛ばすってのがいいねぇ!ンでもって、よっ、ほっ!……ほぉぉ~~っとォ!!」
ボールが打たれた方向に2度3度とダッシュ、ボールに追いついて、横から軽めにハンマーで再び打つ。ボール方向の微調整だ。
「結構忙しなく動かなきゃいけねぇんだな。」
ボールは無事、第1ゲートを潜った。他の選手候補から「ナイゲッ!」と称賛が飛んだ。「ナイスゲート」の略なのだろう。既に独自の掛け声が生まれている。
練習が終わってみれば、憑きオウガのモチズキと一緒にいい感じに昂ぶり、ウェーブの髪を泣きぼくろに貼り付けながら爽やかな息をついていた。
自分がこれを続けるか、試合に出るかというのはともかく、今日一日が充実していたのは確かであった。
成功
🔵🔵🔴
迅瀬・ナクタ
「キャバリア用のスポーツなんてあったのか……そうだな。『ラシャ』の事を理解するキッカケになるかもな。よし、オレたち参加しよう。」
普段はトイロボ:【OM-NATAKU】を扱って競技をしますが、今回は【謎のオブリビオンマシン:『ラシャ』】で参加します。
『ラシャ』は自律行動もできますが、ナクタが乗り込んで操縦。
ハンマーを使い、どの程度玉をコントロール出来るのか……他の参加者がいるなら教えをこいつつ、とりあえず練習を重ねます。
元ネタは分からない!が楽しみ!!
アドリブ・連携は歓迎です。
「こーぉやって こーぉやって こーぉやって こう!!」
スポーティなカラーのキャバリアが細かくスラスターを吹かし、転がるボールの側面をハンマーで叩いた。
「これがコツってとこだな!」
スピーカー越しに大宝寺 風蘭の可憐な声が響く。迅瀬ナクタ(f37811)は目を半眼にしながら応答した。
「そ…うか……うん。参考になった……ありがとう。」
風蘭の動きは素人目に見てもセンスの良さを感じさせるが、言葉は無いに等しかった。まぁ、動きが参考になったのは事実ではある。
「つまりこう……か?」
コクピットの中でナクタが呟く。要は、シュートしたボールに追いつき、キャバリアをベストポジションに動かして、ボールを横から叩いてコースを微調整する、という事だろう。ナクタは彼女がやって見せたように、細かくブーストを吹かそうとした。
が、ナクタの乗るオブリビオンマシン『ラシャ』は、予想外の出力で加速し、ボールを追い越してしまった。
「お……!?」
まるで『ラシャ』が張り切っているかのようだ。だがまぁ、おそらく気のせいだろう。むしろオブリビオンマシンというのが元来危険な代物であることを思えば、仮に張り切っていたとしても、いい方向のそれではないだろう。こんな時こそ自分は呑まれず、手綱を握るべきなのだ。
「それなら……!」
ナクタはスピードを落とし、ボールの後ろに位置取る。そして再びスラスターを吹かした。それも先程より強く……同時に構えたロケットハンマーを振るう!
バガン!と重い音がして、ボールはコースをわずかに変え、かつ転がる勢いが増した。
「よし、上手くいったぞ。」
「へェー!や~るじゃん。」
スピーカーから可憐な風蘭の声がした。ナクタは『ラシャ』を操作し「ピッ!」と二本指のサインで返した。
オブリビオンマシンである『ラシャ』は、レンタルできる汎用キャバリアより高出力らしい。単体でもコース調整ができ、なおかつボールを加速させることができるようだ。
出来ることを1つ、確認できたナクタ。『ラシャ』の操作も慣熟できて一石二鳥であった。
練習後、意外と汗びっしょりになっていた首元や頭を拭きながら、ナクタは今日の事を思い返していた。
まず、試合に『ラシャ』で参加するのは問題なさそうだ。むしろ汎用キャバリアをレンタルするより高性能だ。その分やはりじゃじゃ馬だが、そこを何とかするのがキャバリア乗りだろう。
基礎練習後の練習試合では、『ギガ・ゲートボール』の危険さもわかった。ボールが2つ。チームがそれぞれ動くと、意外と接触が多い。ボールの衝突、ボールに轢かれるキャバリア、位置取りで不意に衝突するキャバリア。
ナクタの『ラシャ』とて、幾度もの衝突に耐えられるような頑丈さは無い。特に勢いのついたボールに衝突されれば、大破どころか死の危険もある。
それらを踏まえて……やはり可能なら、ダークリーガー達との試合には出場すべきだと思う。
今日の練習試合。危険ではあったが、楽しかった。遠慮なくボールをシュートする爽快感。渾身のシュートがぶつかり合う緊張感。これは確かに『楽しいスポーツ』である。
だが、それを使って世界滅亡を企む者達がいる。それがナクタには許せなかった。
アスリートの一人として。彼の心の奥に今、熱きスポーツマン魂が燃えていた。
成功
🔵🔵🔴
シン・クレスケンス(サポート)
◆人物像
落ち着いた雰囲気を持つ穏やかな青年。
窮地でも動じず冷静な状況判断で切り抜ける。
◆行動
探究心や知識欲が旺盛(どの分野でも)。
魔術の研究者でもあり、魔術とそれに通じる学問や技術に特に目がなく、それらの品や事象の情報を仕入れてはUDC『ツキ』と精霊『ノクス』を伴い、各世界を飛び回っている。
ツキ曰く、ワーカホリック。
意外とアクティブで運動能力も高く、スポーツや野外活動をしている姿も。
コンピュータを使っての情報収集の他、柔和な雰囲気と人当たりの良さで対人の情報収集や説得に回ることも。
◆口調
・シン→ステータス参照
(※使役は呼び捨て)
・ツキ→俺/お前、呼び捨て
だぜ、だろ、じゃないか?等男性的な話し方
神秘的なフォルムを持つキャバリアが、フィールドを鋭く、そして優雅に滑る。
シン・クレスケンス(f09866)の駆る魔術師型キャバリア『lua cheia』、通称『ルナ』である。
「キャバリア戦闘においては極論、スピードがモノを言いますが……。」
『ルナ』はシンのユーベルコード【<ruby>異界の剣の召喚<rt>サモン・ケイオスコード</rt></ruby>】により生成された槌を振るう。猛スピードで転がるボールが絶妙な角度で打たれる。打ったボールは相手チームのボールに当たり、自分のボールは狙った方へ、相手のボールは明後日の方へ転がる。相手チームからは悲鳴が聞こえた。
「パワーも要るとは、面白いですね。」
シンと相性のいい専用キャバリアは、練習試合では大活躍であった。シンの魔術による高機動、そして突破力。だが相手チームも負けてはいない。飛びぬけて性能がいい筈の『ルナ』でも、圧倒は出来なかった。
それはひとえに、チームワーク。相手は群の力で、こちらに迫ってくる。それならばと、シンもサポートを意識し、チーム全体の能力を底上げするように試合を続ける。
優勢だ。確かに優勢なはずだった。だが、思うように点は取れない。
こちらがシュートすれば、負けじと相手もシュートする。勢いはこちらが明確に上だが、相手チームはキャバリアの負担も厭わず、危険と隣り合わせのプレーで喰らいついてくる。
ルール上、相手チームのキャバリアやボールに触れることはできない。つまり彼らのプレーを意図して妨害することは難しい。唯一と言って良い、ボールに迫る彼らの前に出ての妨害を試みる。だが、それすら彼らは、一瞬の隙をついて前に出るのだ。この時多少接触する事もあるが、不可抗力なのでファウルにはならない。
この捨て鉢とも言える、しかし確かに『勝利』を見据えてのプレーに、シンの胸奥もジリジリと熱くなってきた。
これが。
この熱さが。
「これが……スポーツの力……!」
気づけば額からとめどなく汗が流れ、全身の血が高揚感に沸いていた。
「浸ってる場合か、そら横に来てるぞ!!」
いつも内にいるUDCの『ツキ』が、横から野次を飛ばしてくる。この油断ならない相棒も、いつのまにか夢中で試合を追っているようだ。
荒い息をつく中、ふっと口元に笑みを浮かべ、シンは返した。
「わかっていますよ、対策は完璧です……!」
これが練習試合だとはもう誰も思っていない。そこに見るのは、勝利のみだ。
成功
🔵🔵🔴
豊川・芳仁
アドリブ/連携可
(『銀牙号』に搭乗済み)
「なるほど、『キャバリア野球』にも相通じるスポーツと見た。」
ハンマーの代わりに巨大化したバットを装備。UCを発動し、独特の構えからボールを打ち出す。
ボールの転がる軌道とゲートへの通し方を軸に確認を繰り返す。
「ボールの軌道は弾道計算を応用するとして、問題は連携か。」
積極的に声を出し、集団戦術で対応しようとする。
練習終了後も素振りを繰り返して状況に応じたバッティングを出来るよう、自主練習を行う。
始まった練習試合。
|豊川芳仁《とよかわよしひと》(f41321)は愛機『銀牙号』内で、不敵に微笑んだ。
「なるほど、『キャバリア野球』にも相通じるスポーツと見た。」
これまでの練習で、コツは掴んだ。シュートにパワーと同時にコントロールも要求される……選手の|打法《バッティング》が試されるというわけだ。
「さて、勝負の……時間だ……!!」
『銀牙号』用の巨大なバットを携え、向かいに立ったチームメイトと一緒に構える。その鉄の体躯に、稲妻が迸る……ように見えた!
「!|猟兵打法《イェーガー・バッティング・フォー》ォォォォォォォムッッ!!」
芳仁の操縦に合わせ、『銀牙号』が野球そのものの……否、野球のそれよりも大きく脚部を開き、腰を入れて───打った!!
特大に重い音が響く!それは野球のミート音には似ても似つかない音だった筈だが、不思議とそれを連想させる……誰が聞いても「あ、これいい”当たり”だな」と感じる音であった。
シュートされたボールはゲートへのコースから外れるかと思いきや、絶妙なカーブでゲートを通過し、そして続く第2ゲートへ近づいてゆく。すかさずチームメイトが追い付き、追撃を入れる。あっという間にゲート2つを通過した。
「……よし。」
期待通りの結果に頷く芳仁。なお、初撃を打った2機は既にボールへ向かっている。ここに集う選手達は、ほとんどが他のスポーツ経験者だ。芳仁も、そして一緒に初撃を打ったチームメイトも、経験則でもって身体が次の行動をとるのだ。
《おまえさん、やるな!》
「ん?」
隣のチームメイトから通信が入る。
《俺のシュートも計算に入れて、ボールにかける回転を微調整したな?そのキャバリアも中々イイ。》
「……ふ。わかるか。」
試合中だが、芳仁は短く返答した。『銀牙号』は、華々しく活躍する助っ人達のキャバリアのような美しさはない。だが見る者が見れば、その信頼性の高さや整備の丁寧さが見て取れる。そんな手をかけている愛機が仕事だけでなく、スポーツで存分に動かせるというのは、やはり気分のいいものだった。
それに……こうして常に愛機を動かしていると、どんどん機体が|温まっていく《・・・・・・》のがわかる。それは単なる物理現象に過ぎないが……実際に追従性が上がると、自分の身体を動かしている感覚になっていくようだった。それが『人機一体』などとは、歴戦のキャバリア乗り達を思えばお世辞にも言えないが。
そんなことをふと思い、軽く頭を振る。そんなのは今考えることではないからだ。
相手チームは強い。助っ人として来た|猟兵《イェーガー》が、縦横無尽の活躍をしている。機体の性能差が圧倒的な上、操縦技術も相当なものだ。だがまぁそれはいい。いずれ味方として共に戦うなら、これほど心強い事は無い。重要なのは、それに自分が喰らいつけるか、だ。
金の為に強化人間になったが───
嫌々スポーツをしているわけではない。胸の内には常に、勝利への炎が燃えている。
依然転がり続けるボールの前に躍り出る。
「|猟兵《イェーガー》……! |打《バッティング》ゥゥ………!!」
再びバットを構え、振りかぶった。
「|フォーォォォォオオオム《法》!!!!」
…………試合後。
キャバリアの下で、工事用のウォーハンマーを振る芳仁の姿があった。
試合結果は、些細な事だ。重要なのは、各々の課題である。
芳仁はハンマーを構える。フォームは野球のそれではない。彼なりに、このスポーツに真摯に取り組んでいるのだ。
野球と違い、フィールドの状況に応じて適切なシュートを打つには、やはり咄嗟の判断力が試される。それは自身のユーベルコードとは相性がよろしくない。……だが、活かせないというほどでもない。その手段が、今の自主練だ。
様々なパターンを想定し、あらかじめリハーサルしておくことで、対応力を上げる。これはそういう練習なのだ。そしていつか来るであろう、最大の必殺技を活かすためにも。
……気づくと、そばに人が立っている。いかにも快活そうな少女だ。試合中、元気に汎用キャバリアで跳ねまわっていた。彼女も手にハンマーを持って笑っている。
少女は、無言でハンマーを構え、振った。どうやら心意気は同じらしい。周囲を見ると、他にも今日出場した選手達が何人か、ハンマーやバット片手に集まってきていた。
芳仁はふっと声なく笑うと、再びハンマーを構えた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『鋼鉄走者『メタルマッスル』』
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POW : オレ様の本気だァ!
【高温の熱】を纏った真の姿に変身する。変身中は負傷・疲労・致命傷の影響を一切受けず、効果終了後に受ける。
SPD : そのままオブジェだァ!
自分の体を【高速回転】させる攻撃で、近接範囲内の全員にダメージと【金属化】の状態異常を与える。
WIZ : オレ様は無敵だァ!
【金属の心臓】の継続時間に比例して、自身の移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘が上昇する。
イラスト:塒ひぷの
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠テフラ・カルデラ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「さぁーいよいよ始まります!新時代……いや忘れ去られし旧時代から復活を遂げたスポーツ、『ギガ・ゲートボール』が、現代において初の公式戦。急遽新設された新時代ゲーター(ギガ・ゲートボールプレイヤー)チーム対、ダークリーガーチームの対決です!
実況はわたくし、エキサイト大好き男・タミック・ザッキャマ!解説は歴史学者のオキナ・ドーバンさんでお送りします、オキナさん、今日はよろしくお願いします!」
「オキナです、よろしくお願いします。」
「早速ですがオキナさん。私もダークリーガーの宣戦布告からこのスポーツを知りましたが、これは本当に存在したスポーツなのでしょうか?」
「驚くべきことです。これは神話の世界、神々の間で繰り返されてきた戦争と語られる資料が残っております。今回の事があるまで、まさか意志を持ったキャバリア達のスポーツだとは思いませんでした。」
「戦争、ですか?」
「はい。私も双方の練習風景(見学自由)を見ましたが、謎のダークリーガー率いるダーク化選手たちは、神話の再現とまではいきませんが、それに迫る迫力を感じる、激しい練習風景でした。世界の命運がかかっているとはいえ、新時代ゲーターチームには厳しい戦いになるかもしれません。」
ダークリーガーが用意した特設スタジアムに、満員の観客。そこへ入場する両チーム、一気に歓声に包まれた。
世界の危機だというのに、この世界の住人は気楽なものだ……と、思うかもしれないが、そうではない。世界の危機であっても、スタジアムに来て盛り上がらない人間などありえないのだ。それはスポーツ観戦者の矜持でもあり、世界の為に集い戦う選手達への礼儀でもあるのだ。
もちろん、単に盛り上がりたい気持ちも半分以上ある。それがここ、アスリートアースという世界の住人だ。
そして、試合が始まった。
両チーム、初手からボールをぶつけあう激しさを見せ、会場が大いに盛り上がる。出だしは新時代チームがリード、そしてゲート付近に差し掛かった時。
───ドガァァァァン!!!!
「あーーーーーっとぉーー!?どぉーしたことだァー!?フィールドが爆発したぁー!!」
「こ、これは……!まさしく神話の再現です!」
「オキナさん、これはどういうことでしょうか!」
「過去に発掘された粘土板に、激しい爆発の中戦い合う風景が描かれていました。あれはつまり、この光景……フィールド各所に地雷が埋まっているのです!さしずめ『マイン・デスマッチ』と言うところでしょう!」
「なんとぉーーー!?こんな試合はアリなのかァー!?」
その言葉に、監督席にいた謎のダークリーガーが答えた。
「アリだ。」
「アリだったぁーーーーー!!!今入った情報によりますと、これは公式ルールに則った、試合形態の一つです!!」
「どうやら地雷をモロに踏んでも、一発でキャバリアが大破するような威力ではないようです。しかし、動きは確実に鈍くなっていくでしょう。」
「あまりの出来事に、新時代ゲーターチーム唖然としております!その隙にダークリーガーチームがフィールドを上がる!そしてシュートォーーー!!!ゴールポールを奪ったぁーーーー!!!ダークリーガーチーム先制!3ポイントが入りましたー!!!」
「こ、これは!」
「オキナさん、どうしましたか!?」
「ダークリーガーチームの彼らも地雷を喰らいましたが、それほど怯んでいませんでした。彼らのキャバリアは装甲と重量を重視しているようです。」
ダークリーガーチームの主将、”鋼鉄走者”『メタルマッスル』が、特に一回り大きいキャバリアのコックピットから吼える。
「ムゥゥフハハハハハハハハ!!!オレ様軍団はァァ……無ゥ敵だァァァ~~~~~~!!!」
「ダークリーガーチームがゴールポールをゲットしましたがぁ、新時代チームも地雷を受けながらも、ゲートを通過してゆくー!」
「しかし、試合はカスタムされたキャバリアで構成されるダークリーガーチームが有利です。新時代チームは厳しい……!」
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前半15分終了時、得点は7対2でダークリーガーチーム優勢となった。
世界の命運、それは参加してくれる人達次第!絶体絶命の得点差をひっくり返す救世主は君だ!
●特徴:フィールド中に地雷が仕掛けられている。キャバリアさばきが試されるぞ!もちろん生身での活躍も歓迎だ!
●こんなのもOK!
・応援によるユーベルコードでの援護もOK。チームの勝利は、サポーターにだって手伝える!
・ 損傷したキャバリアの修理・応急措置などの裏方も大歓迎!チームを支えるいぶし銀も素敵な役回りだとここに主張する。
さぁ、ここから逆転だ!!!
豊川・芳仁
アドリブ/連携可
「トラップの打破、俺のやることは決まったようだ。」
UCを発動し、装甲を5倍射程半分のブルドーザー形態で地雷除去を行う。爆発は衝撃吸収で持ちこたえる。
「俺のことは気にしなくていい。」
集団戦術で仲間の補佐に回りつつ、弾道計算とスナイパーで敵のミスを誘発させるようにボールの位置を設定していく。
(さて、そちらさんの集中力とチームワークは如何ほどか。)
ミスと仲間割れを誘発したら逆転のチャンス、エンジン重撃でゲートにボールを叩きこむ!
「お前、少し頭冷やしてこい。」
迅瀬・ナクタ
「チッ、もともと何度も衝撃に耐えられないとは思っていたが……まさか地雷とはな……だが、避ければいい。このために練習したんだからな。行くぞ!|じゃじゃ馬《ラシャ》!オレを乗せてフィールドを駆けろ!仲間と共にな!」
前章に引き続き【謎のオブリビオンマシン:『ラシャ』】に乗り込んで操縦。
幾度もの衝突に耐えられるような頑丈さは無い。という弱点について、なら避ければいいという考えで対処
UC【Attack from evasion】を使用。
試合の中で地雷の位置や相手の動きを予測し回避、そのままUCの効果で命中率・回避率を3倍にします。
UCの効果で3倍になった回避力でさらに地雷や相手のラフプレーによる接触を回避し、3倍になった命中率で正確なシュートやパスを行います。
アドリブ・連携歓迎です。よろしくお願いいたします。
フィールドにアナウンサー・タミックの声が響く。
「お待たせしましたぁ!ハーフタイムも終わり、後半戦がいよいよスタートします!!後半に入り、新時代ゲーターチームには選手交代があるようです!」
「おお?あのキャバリアは……豊川選手でしょうか?前半姿が見えなくて心配しましたが、彼のプレイが見られるとあれば楽しみです。」
キャバリア内で、芳仁が呟く。
「トラップの打破、俺のやることは決まったようだ。」
《ザザッ……本当にやるのか?あんた。》
独り言のつもりっだったが、ナクタに聞かれていたようだ。スピーカー越しに、ほんの少しだけ心配してそうな声色が聞こえてきた。芳仁はふっと笑い答えた。
「俺のことは気にしなくていい。そっちはどうだ?」
「チッ……もともと何度も衝撃に耐えられないとは思っていたが……まさか地雷とはな……だが、避ければいい。このために練習したんだからな。」
「……その意気だ。ボールは頼むぞ。」
「さぁー後半戦のホイッスルが今鳴りました!」
「おお?豊川選手はシュートポジションに付きませんね、彼は安定感のあるいいシュートをしていたのですが。」
「おおっとぉ!?豊川選手のキャバリア、形が変わって行きます!!これは珍しい!豊川選手の『銀牙号』は変形するキャバリアだぁぁ~~~!!」
「あんな構造で変形なんて出来るのか……いやいやゴホン、実際に変形しているんですから、出来たんでしょうなぁ。」
「装備換装ヨシ!変形開始!」
芳仁がコックピット内でユーベルコードを発動すると、『銀牙号』はそのボディを折りたたんで行き、ブルドーザーの形へ姿を変えた!エンジン音が唸る!
2本足から車輪となった『銀牙号』は、動き始めのボールより、それを追うキャバリアより速く走り、どかんどかんと通り道の地雷を踏み抜いていく!ただ踏み抜くだけでなく、芳仁の絶妙な操縦は『銀牙号』を地雷の衝撃から逃がすようにしている。これにより、受けるダメージは軽減出来ているようだ。
「新時代ゲーターチーム、豊川選手の先行により実にスムーズだぁ~~~!!」
「1機で地雷を引き受けるのは心配ですが、豊川選手は実にうまく動かしていますよ。」
「ハーフタイムを挟み、ゴールポールは復活しております!新時代チーム、ゴールポールに一直線だぁ~~~!!」
だが、ダークリーガー達もそれをおとなしく見ているわけではない。
「オレ様はァァ~~~~~~……!!!」
一回り大きいキャバリアに登場する主将『メタルマッスル』が、大きく助走をつける。
「無ゥゥゥてぇぇぇぇきぃぃぃぃダァ~~~~~~!!!!!」
『メタルマッスル』は得意のユーベルコードを発揮し、猛烈にボールを打つ。今までにないその勢いは、新時代チームのボールへと真っ直ぐ向かっていた!
「ああーーーっとダークリーガーチーム仕掛けたぁーーーー!!!新時代チームのボールに向かってシュート!このまま当たれば、新時代チームのキャバリアが危ない!かといってボールに当たってしまえば起動が変わってしまうーー!!」
「いけません!避けるにしても、周りは地雷だらけです!」
ダークリーガーのシュートしたボールが、新時代チームに迫る!ルール上、新時代チームはダークリーガーチームのボールを直接叩くことはできない。
ナクタは素早く周囲を見渡し、チームメイトに向かって叫んだ。
「みんな、今安全なポイントを指定した、そっちに避けろ!」
チームメイトはそれに従い退避する。ナクタの言う通り、爆発は起こらなかった。───だが、ナクタのキャバリア『ラシャ』だけは、ボールに追従していた。
《ザッ……ナクタ!!》
チームメイトが叫ぶ。ボールが後方から迫る。このままいけば直撃……さすがにそれはないとしても、衝突したボールがどう転がるかはわからない。近くにいるのは危険だった。
「ここは任せろ!」
チームメイトを静止し、タイミングを計る。………………ここだ。
───ゴガァン!
ナクタはボール同士の衝突の寸前、軽やかに空中へ跳んだ。その瞬間、ユーベルコードが発動する!
「『Attack from evasion』……ッ、そのボール、利用させてもらう!」
そのまま空中で、回転を加えながらロケットハンマーを吹かし打った!
───コォォン!!!
ベストな角度で打たれた新時代チームのボールは、ゴールポールへ一直線に向かう。そう、芳仁が「均した」道だ。一方ダークリーガーチームのボールは……衝突の衝撃か、その場に静止してしまっていた。そして───
「ゴォォーーーーーーール!!!やりました!新時代チーム、ゴールポールにシュートが決まり3点ーーー!!」
「ああ!危ない!」
「……え?」
解説のオキナが気づく。ダークリーガーチームが、静止したままのボールに迫っていた。このままシュートされれば、『ラシャ』が吹き飛ばされてしまう。点を取るためには第1ゲート……逆方向に打つ必要があるが、ルール上『どこに打ってもいい』のだ。相手チームのキャバリアに向かって打つのは『アリ』なのだ。
「ムゥゥハハハハハ!!!さぁ行けェお前達ィ!!!」
「「「「おう!!」」」」
『メタルマッスル』の号令で突っ込んでくるダークリーガーチーム。やはり狙いは『ラシャ』だ。
「させるかぁぁ!!」
そこへ、新世代チームも『ラシャ』に突っ込んできた!……庇うつもりだろうが、ナクタとしては庇ってもらわなくても、回避することは出来る。ユーベルコードが発動した今、その自信があった。
「……!?」
そう思ったが……違う!その意図を察したナクタは、彼らの判断に身を任せた。
『ラシャ』は、突っ込んできた味方キャバリアの組まれたボディに脚をかけ、跳んだ!
「これはぁぁーーー!!ナクタ選手のキャバリアが、駆け付けた味方3機を足場としてジャーーーーンプ!!さながら即席のカタパルトだぁぁーーーー!!」
ナクタをサポートしたチームメイトは、突っ込んだ勢いのままダークリーガーのシュートしたボールを回避する。当然ダークリーガーチームのボールは何もない所を転がっていった。
「な、なにィィィィ~~~~~!!?!?」
「そっちに送るぞ……!!」
ゴールポール付近で待機していた芳仁は、『銀牙号』をブルドーザー形態からキャバリア形態に戻し、バットを振り抜いた。ボールは第1ゲート方面に向かう!
「ナクタ選手、第1ゲートに向かうボールの合わせ着地!そのままシュートー!!1機だけですが、力強いシュートです!」
「ナクタ選手のキャバリアは、パワーもスピードも優れています。このまま試合を引っ張って行って欲しいですね。いやそれにつけても素晴らしい、素晴らしいチームワークです!」
ナクタは操縦席で微かに笑い、愛機に語りかける。
「行くぞ!|じゃじゃ馬《ラシャ》!オレを乗せてフィールドを駆けろ!」
第1ゲートに向かい、チームメイトも集まってきた。これで7対5、一気に勝ちの目が見えてきたのだ。
「───仲間と共にな!」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
神崎・伽耶(サポート)
『あたしに名案があるわ!』(明るくニヤリ)
アドリブ連携OK。
普段の口調は姉御肌(あたし、キミ、だ、だね、だろう)。
テンションが上がると、~や!、?が増加します。
通常は、後先考えず反射的に行動します。
身体張ることを厭わないので、いつも少しだけ薄汚れています。
年下や人外(?)には少しだけ優しく、フォローしたり庇ったりします。
行動原理は好奇心、攻撃よりは防御が得意で、遊撃的なポジションを好みます。
機動力、観察力を生かし、バフやデバフを多用した、トリッキーな攻めを得意とします。
常識のある奇人変人ムーヴで描いていただけると大変喜びます。
いっそNPCだと思っていただいてもヨシ!
よろしくお願いします。
「新時代ゲーターチーム、さすがに厳しいーーー!!仲間たちの手を借りてまた一人、交代用のボックスに入ります!」
「しかし、控えの選手はもういない筈です。超人スポーツには飛び入り参加が可能ですが、キャバリア乗りのアスリートというのは……おお!?」
「おおーとぉ!?入れ替わりであれはぁ……あ~れ~はぁぁ~~……なんなんでしょう!?」
退避したメンバーに代わり出てきたのは、キャバリアと言って良いのかもわからない、もふもふとした珍妙なマシン。
それは、新たに飛び入り参加した猟兵、神崎伽耶(f12535)の乗るオブリビオンマシン、カピバラ型もふもふ兵器【きゃピバラきゃばりあDeathDeathDestroy】であった。
そのコックピット内で、伽耶が自信満々にニヤリと笑う───
「あたしに名案があるわ!」
…………
いきなり出てきた場にそぐわないマシン。敵はおろか味方ですら思考停止してしまった。が、新時代チームとしてはどんな形であれ、戦力補充はありがたい。
特に、かのキャバリアは飛行型。空を飛んでいる。何かやってくれそうな気配はビンビン感じる。
そんな気配に敏感なアナウンサー、タミックはここぞとばかりに盛り上げた。
「飛び入り参加のキャバリア、なんと空を飛んでいます!……今情報が入りました。パイロットはカンザキ・カヤ選手、うら若き女性であります!どんなプレーを見せてくれるのかーー!!」
物珍しさの塊のような機体に、スタジアムも一気に盛り上がった。
さて、現在の戦況は膠着している。7対5でまだダークリーガーチームが有利だが、新時代チームは後半戦すぐのゴールポール得点という状況で、逆転の可能性が高まった。ゲーム終盤にもう一度ゴールポールが復活する。その時に打ち込めれば逆転だ。
それまではゲートを通過させて得点を……と考えるところだが、当然敵も邪魔をしたり、得点を得たりするだろう。故に……
今はどちらも互いにボールをぶつけ合い、キャバリアを潰し合わんとする消耗戦だった。ルール上無しではない。むしろギガ・ゲートボールという競技は、この間接的な潰し合いがメインコンテンツの一つであると言っても過言では無かった。
だが、そこでも新世代チームが一歩劣る展開となっている。フィールドに埋められた地雷だ。敵も味方も同じように踏むが、いくら踏んでもタフに耐えるダークリーガーチームに対し、新時代チームは|芳仁《よしひと》の『銀牙号』による地雷除去戦法を駆使しても完全ではなく、一度踏んでしまえば大きな戦力ダウンに繋がってしまった。ついさっき交代したのも、これが原因であった。
伽耶はダークリーガーチームの間をびゅんびゅん飛び回り、ユーベルコードを発動させる。
「|Ghost Chace《ゴースト・チェイス》発動!さぁ……追跡、開始よ!」
「なんだ……?一体何してるんだ?」
チームメンバーから疑問の声が上がる。
実は飛び回るカピバラから小さな何か───【|紫影の追跡者《シャドウチェイサー》】が召喚されている。周囲の選手たちは飛び回るカピバラを目で追うのに必死で、人間よりもなお小さいそれに気づくことは無い。
彼女の作戦はこうだ。
「相手チームに監視を付けたわ!これで誰がどう動くか丸わかり。そして……こうよ!!」
ピュイイーーーー!ドカドカドカァン!!
ドドドドン!……ズガガドカァァン!!
「おおーっとぉ伽耶選手ぅー!フィールドにレーザーや誘導弾の嵐を撃ち込んだー!これはアリなのかぁー!?」
「これは……アリです!攻撃はあくまでフィールドに対してであって、ダークリーガーのキャバリアにはダメージがありません!」
「しかし、フィールドに撃ち込んで何を……い、いえ!あれはぁー!?」
ダークリーガーチームは混乱の極みにあった。
「ヌゥゥーーー!?、う、動きづらい……!!」
ダークリーガー側のフィールドは足場がメチャクチャであった。キャバリアの歩行や、シュートの精度にも問題が出る。さらに爆炎・土埃で視界も悪くなっていた。
伽耶の【Ghost Chace】は、ダークリーガーチームのキャバリアに”当てないように”、すべての敵チームの動きを把握し、的確にフィールドだけを攻撃できたのだ。
「そしてぁぁ~~~~~、こうだぁぁ!!!」
ダークリーガーチームが動けなくなったと見て、伽耶は”攻撃”に転ずる。愛機にハンマー等の打撃武器はない。故に己の身一つで……ボールに突撃!ダークリーガーチームのキャバリアを狙う!!
───ドグシャァァーーッッ!!
「ぐぎゃあああああ!!!」
だが、ボールは思いのほか重くて頑丈だった。空を飛べる分、重量が軽い【きゃピ(中略)troy】は逆にボディ(というかカピバラの頭)が凹んでしまったのだった。
「───油断したわ!やるわね!」
なんとか『身代わり伽耶ちゃん人形』のお陰で機体ダメージは半減された。ご愛敬である。
「めげないヤツだ……」
そんな彼女に、チームメイトも逆に感心したという。
成功
🔵🔵🔴
夜鳥・藍(サポート)
生まれも育ちもサクラミラージュ。誰かの願いで転生した元影朧。そのため影朧には同情しがち。
それなりの良家の出で言葉遣いは丁寧。だが両親とは違う種族で生まれたのを悩み高等部(高校短大相当)卒業を機に家を出ている。現在は帝都で占い師。
もふもふ大好き。
実家ではいろいろ我慢してたのもあって、飼えなくとも一人暮らし&猟兵となったことで爆発しがち。
猟兵になっていろいろ経験し悩みを乗り越えた。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭いません。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動は絶対にしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
彼女は、いてもたってもいられなかった。その姿を一目見て、その活躍を二目見て、気づけば駆け出していた。
「交代をッッ!!」
傷ついていた選手のキャバリアの腕を取り、振り回し投げ飛ばし、交代用ボックスに放り込む。そんな無法な飛び入りをしたのは、|夜鳥《やどり》 |藍《あい》(f32891)。泥臭く暑苦しいスタジアムのフィールドにはとびっきり似つかわしくない、普段は物静かな乙女であった。
すかさず実況のタミックが叫ぶ。
「新世代ゲーターチーム、残り時間もわずかの中、ここで新たな交代!!キャバリアは前半退場し、応急処置が取られたものだが、選手は謎です!!」
「た、確かに先程ボックスに入った機体はボロボロでしたが……。」
元々彼女はグリモア猟兵に呼ばれこの世界に来ていたが、さっきまで観客席にて事の成り行きを見守っていた。来たときは自分には不釣り合いな世界だと思っていたが……実はずっと、強烈な「自分はこの世界に居なければならない」という予感を感じていた。その答えが、その「さっき」現れたのだ。
あの、『すごくおおきなカピバラ』(※神崎伽耶のキャバリア)をもふらんがため。
チームメイト達も混乱している中、藍はスタジアムの熱狂も、実況解説の声も、味方の問いかけすらも。すべてが耳に入っていない。完全に自分の世界である。
一応、ずっと見ていたのでルールは大体わかった。つまり、相手チームのボールは吹き飛ばし、自分チームのボールは───
「あれに……当てればいいんですね?」
唐突に放った一言に、チームメイトの一人、豊川|芳仁《よしひと》が困惑する。
「へ?ああ、まぁそうだが……バリアが解けるにはあと1,2分ってとこか。そろそろ仕掛けてえが……。」
「わかりました……では、その時間を稼ぎます。」
「どうやって?」
「思い切り……」
───フィールドに、風が集まってきた。
「打ちます。」
このスタジアムに充満する、熱気……土埃……風……それらが収束し、藍のキャバリアを渦巻く。
キャバリアで一歩、踏み込む。夜鳥 藍のユーベルコードが、キャバリアを通してハンマーに注がれる……!
「”エレメンタル”……”ファンタジア”ーーーーッ!!」
そのハンマーがボールを打った瞬間、フィールドの大地が爆発した。
暴風が突き抜け、ダークリーガーチームのキャバリアは吹き飛ばされないように踏ん張るので精一杯である。
爆発した大地が暴風と合わさり、ボールそのものが砂嵐となってダークリーガーチームのボールに当たる!砂嵐は尚もその勢いを止めない。驚くばかりのスタジアムに、実況席が鋭く切り込んだ。
「なんとも凄まじいーーー!!!これぞ超人スポーツ、ボールが砂嵐となってダークリーガーチームのボールを連れてゆくーーー!!!」
「超人スポーツの技がキャバリア越しにも発揮される……この試合中、何度もあった光景です。遥か神話の時代にはこれが日常的に行われていたのでしょう!つくづく失われたのが惜しまれます。」
「しかしオキナさん、我々は、今まさに復活の瞬間に、立ち会っているのかもしれません!」
「ええ……まったくです!」
「さぁー謎の飛び入り選手のシュートでぇ、ダークリーガーチームのボールが壁に激突ー!!新世代チームのボールは、反動でフィールド中央に戻ってきます!そして今……ゴールポールが、復活したぁーーーー!!!」
新世代ゲーターチームが、素早くポジションにつく。これまでの激闘に加え藍の『エレメンタル・ファンタジア』で、フィールドの地雷はほとんど0に近い。その分フィールドのコンディションは最悪になってしまったが……
ここに集った新生ゲーターチームの前には、些細な障害であった。
成功
🔵🔵🔴
数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」
基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。
探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。
情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。
戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。
「試合終了間近、新世代ゲーターチーム最後のチャーンス!!ゴールポールへ一直線だぁぁーーー!」
「ですが油断はできませんよ。ダークリーガーチームも諦めておりません、敵ながら見事なスポーツマンシップと言えるでしょう!」
解説のオキナが言う通り、油断はできない。地雷やその他諸々のせいでフィールドが耕され、さながら畑のようになっている。先程はダークリーガーチームのボールを壁際へ押しやり、新世代チームはゴールポールへ迫っているが……状況は芳しくない。フィールドの状態が最悪なため、何度シュートしても思うようにスピードが出ないのだ。
「ムゥゥハハハハハ!!お前らァ!!!これで終わりかぁ!?」
「No・No・No・Noォォーーー!!!」
ダークリーガーチームは体勢を立て直し、重量級ゆえの出力で以て追い上げる。シュートというよりもう本当に大玉転がしのように、ボールにかじりつきハンマーで打ちまくり、我らここにありと言わんばかりの勢いだ。これでダークリーガーでさえなければ、界隈を盛り上げる花形チームであったろう。
「あいつらもしつっこいなぁ!」
愛機のサイキックキャバリア、『JD-Overed』のコックピット内で汗だくになりながら、|数宮《かずみや》|多喜《たき》(f03004)は吐き捨てた。
思った以上に過酷なスポーツだったが、それでも負けられない意地がある。自分のより劣るキャバリアで死力を尽くし倒れたチームメイト達を見た。何度吹き飛ばしても食らいついてくるダークリーガーチームを見た。
ならば自分がここで手を抜くことはできないのだ。それに───
《ザザッ……数宮、準備は!?》
「ああ、コツは掴んだ。いけるよっ!!」
《よくわからんが、頼む。》
───『相手を攻撃してはいけない』というこのギガ・ゲートボールのルールでは、愛機『JD-Overed』のフルスペックを発揮できない。……しかし試合を通して、キャバリアの性能が決め手になるわけではないことが分かったのだ。重要なのは”心”。古くは|競技用《アスリート》キャバリア自身の。今にあってはパイロット達……つまり多喜自身の心持ちが、戦況を動かすのだと。故に、多喜はそれを|繋げる《・・・》ことにした。
「|超感覚網《テレパシー・ブロードリンク》……!」
ダークリーガーチームが迫る。
「ムゥゥハハハハハハ!!!!さぁ~吹き飛べィ!!!」
しかし!
「……ムゥ!?」
新世代チームがボールから離れ、横一列に並んでいく。ボールに取りついているのは多喜だけだが、ダークリーガーチームは思わず、横に並んだ新世代チームの面々を|見てしまった《・・・・・・》。
「───今ぁぁ!!」
多喜のキャバリアがハンマーをボールに叩きつけた。それも通常ではありえないスピードで何度も。
ご・が・が・ごごん!!!
|超感覚網《テレパシー・ブロードリンク》の効果は、自分を主として味方を”テレパスのネットワーク”で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた|害意《・・》の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加するというものだ。
今は敵味方共に5人ずつ。つまり、多喜は”ボール”に対し、5連撃を叩き込んだのだ!
「悪いね……みんなとはもう、繋がってるのさ!」
成功
🔵🔵🔴