シャングリラ☆クライシス⑤〜立ち塞がるは愛の障害
「戦争が始まると日の巡りがあっという間ね。でもこの世界を救う為に、まだまだ頑張らなくっちゃね!」
皆さんに向かってもらうのは、魔法の力が張り巡らされていて呼吸もできる水中のステージ、パレス☆オブ☆ドラゴンよ」
グリモアベースに集まった猟兵たちに、玻瑠璃子・セーラが案内するのは青く澄んだ水中にたゆたう神秘の|戦場《ステージ》だ。
そこはアイドル☆フロンティア最強のオブリビオンのひとり『レッドライオン』が支配するアイドルステージ。『愛情』を司る|神格者《アイドル》である彼女は全人類を分け隔てなく愛しているが──彼女の愛は、その愛によって他者の心を破壊し囚わせる偏愛だった。
「既にたくさんの人々が水中に引きずり込まれて、正気を失ったオブリビオンさんと化しているわ。
レッドライオンさんの愛に囚われて正気を失っているから、ただ戦うだけでは元に戻ってくれないようなの…。
だから今回は『水中運動会』で活躍して、レッドライオンさんから注目を奪う必要があるわ!」
どんな時にも人の心を惹き寄せて目を向けさせる。それこそ魅力的なアイドルの在り方だろう。
「レッドライオンさんと競い戦う競技は障害物レースよ!
絡みついて動きを邪魔する海藻の森に、どこから出るのか分からない間欠泉、それから大きな珊瑚礁の迷路に、回遊する魚さん達の群れを突っ切らなくちゃいけないの。
でも、レッドライオンさんよりも鮮やかに切り抜けたら、きっとオブリビオンさんたちの目を惹くことができるわ!
それから水中のステージだもの、水着で挑むのもとっても素敵になるわね」
もちろんレッドライオンも障害物レースに全力でパフォーマンスを見せてくるだろう。だが猟兵が彼女を上回るパフォーマンスを魅せることができたなら、|観客席《サイリウム》の応援は必ず力となってくれる。
「楽しんで、楽しませるのがアイドルだもの。こんな時こそ笑顔が一番ね。
素敵な活躍を魅せて注目を集めて、オブリビオンさんたちをレッドライオンさんの愛から解放してあげましょう!」
セーラがグリモアを輝かせれば、溢れ出る水泡がアイドル☆フロンティアへの道を描く。
青く澄んだ水中にたゆたうの中に、障害物レースの会場が姿を見せる。
鬱蒼と茂った巨大な海藻の森は見通しも悪く泳ぎを阻み、不規則に熱水を噴き上げる間欠泉は進む事を躊躇わせるもの。大きく美しい珊瑚礁は自然の迷路で惑わせて、魚の群れは楽しげにまとわり付いて邪魔をする。
だが、猟兵たちに乗り越えられない障害はないだろう。レッドライオンという強大な愛の障害を乗り越える為に、猟兵たちは障害物レースへ挑んでゆく。
後ノ塵
後ノ塵です。はじめまして、あるいはこんにちは。
一章完結の戦争シナリオとなります。『レッドライオン』と障害物レースで競うシナリオです。
オープニング公開時からプレイングを受け付け、順次執筆させていただきます。
プレイングボーナス……水着を着てステージに上がる。/水中運動会を制し、オブリビオン化した人々の注目を奪う。
皆様のプレイングお待ちしております。奮ってご参加のほど、どうぞよろしくお願いします。
第1章 ボス戦
『神格者『レッドライオン』』
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POW : レッドシフト
【更なる愛の力】に覚醒して【真紅の最強アイドル】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD : ラブマックスブレイド
【自身の愛情】から【創造したオーラの剣】を放つ。ダメージは与えないが、命中した対象の感情から【愛情以外の全て】を奪う。
WIZ : ラブ・エボリューション
視界内に【愛情エネルギーの小剣群】を召喚する。[愛情エネルギーの小剣群]はレベル秒間存在し、レベルm半径内の全員に【自我破壊】の精神異常を与える。
イラスト:静谷
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
空桐・清導
SPD
アドリブ・連携歓迎
「オレがぁぁあ!水着大会に来たァァ!!」
炎の柄が刻まれた赤い水着を履き、
鍛え上げられたスーパーヒーローボディで現われる
女性の美しい水着姿とは異なるが、
それとは別に目を引くスタイルでいくぜ!
更に水中に飛び込む際にUCを発動
サメの要素を持った姿へと変身!
飛び込んだ瞬間にダイナミックな水しぶきを起こす!
「さあ!ぶっちぎっていくぜ!」
サメとしての力を使って一気に突き進む
腕からサメの歯をつなぎ合わせたようなブレードを造り、
進行上の海藻を一気に切り拓いていく
間欠泉は[気合い]と[根性]でぶち抜きながら直進!
回遊魚の群れはサメのオーラを滾らせて近寄らせない
そのままゴールまで突き進む!
炎の柄が刻まれた赤い水着を履き、鍛え上げられたスーパーヒーローボディをみせながら、パレス☆オブ☆ドラゴンの水上へと現われるのは真紅の超熱血ヒーロー、ブレイザイン!
「オレがぁぁあ!水着大会に来たァァ!!」
空桐・清導が水の柱を立てながら勢い良く飛び込めば、再びその姿を見せるその時、サメの力を持った赤き海の守護者へと変身する!
海の風物詩といえば女性の美しい水着姿であろうとも、ダイナミックな水飛沫と共に登場する清導の姿に沸き立たない観客席などはない。サイリウムはたちまちブレイザインのヒーローカラーに染まりゆく──そんな観客席を見渡して、神格者『レッドライオン』は愛らしい笑顔を浮かべる。
「派手な登場だね!障害物レースのチャレンジャーかな?」
「ああ!オレはヒーロー、ブレイザイン!レッドライオンに挑戦するぜ!」
「受けて立つよ、ブレイザインくん!あなたにも皆にも私の愛を見せてあげる!」
レッドライオンが可愛いウィンクをサイリウムともう一つの観客であるオブリビオンたちへ贈ればたちまちピンクレッドに染まる。
鮮やかな赤と愛らしい赤の二色に染まった声援の中で、二人は泡を吹かす真珠貝のスタートラインへ並び立てば、イルカのホイッスル音がスタートの合図!
「さあ!ぶっちぎっていくぜ!」
ピュイと響いたその瞬間、清導はサメの力を発揮し一気に突き進む!
爆発的なスピードでスタートダッシュを華麗に決めれば、腕から創り出すのはサメの歯を繋いだ鋸歯ブレード。絡み付く海藻の森を切り拓きあっという間に抜けてしまえば、次の障害は熱水を滾らせ吹き上げる間欠泉。
だが清導は間欠泉の熱さなどに怖じることはない──ブレイザインの肉体に滾る熱血は、海底火山よりも激しい熱さなのだから!
「うおおおおおおっ!!」
気合の咆哮をあげると清導は迷わず直進する。火傷すら顧みることなく抜け大きくリードすれば、二つの障害を鮮やかに切り抜けた清導の姿に観客席のサイリウムは真っ赤に染まり、オブリビオンたちも清導の活躍に目を見張る。
だが破竹の勢いの清導の前に、次に立ち塞がる障害は巨大な珊瑚礁、自然の迷路だ。速さだけでは抜けられない障害物に稼いだリードは縮められるが、それでも清導はレッドライオンよりも先に迷路を抜けて、回遊魚の群れの前まで辿り着く。
「このままゴールまで突き進むぜ!」
「させないよ!愛してくれる皆の前で負けられないから!
私の愛は無限大!届いて、ラブマックスブレーイド!」
しかし、ようやく清導の背中に追いついたレッドライオンとて見ているだけでは終わらない。溢れる自身の愛情で形造るのは巨大なオーラの剣。
「サメの速さで振り切らせてもらう!」
「狙ったのはあなたじゃないよ、ブレイザインくん!」
「!?」
そうして創造したオーラの剣の切っ先が向かうのは、清導の向かうその先。レースのゴール地点を優雅に回遊する魚群にレッドライオンの剣は命中する。
オーラの剣は魚たちから愛情以外の全てを奪い──レッドライオンへの愛情が暴走する。
愛に染まった眼はその全てが清導を睨みつけ、勢い良く襲いかかる!
「甘いぜレッドライオン!今のオレは…荒れ狂う海の捕食者だあぁあっ!!」
だがサメとは生態系の頂点であり恐怖の象徴。どれほどの愛情が魚たちを狂わせ突き動かそうとも、生物である限り本能的な恐怖には抗えない!
清導から溢れるサメのオーラに魚たちがたじろげば、サメのスピードで一気にゴールへ突き進む。
鮮やかなその活躍に心を動かされない者がいようか。ブレイザインがゴールのアーチをくぐったその瞬間、歓声はただ一色のヒーローカラーに染まっていた。
大成功
🔵🔵🔵
カンナハ・アスモダイ
※アドリブ連携等歓迎
障害物競走、ね。
お望み通り、魅せてあげるわ。素敵な活躍ってのを!
プリンセスハート!メ~クアップ!みんなに笑顔を!
完全無敵★最強アイドル!悪魔法少女★あすも☆デウス!
当然、この悪魔法少女も水着で参戦させてもらうわ。
あくまでも可愛く、エレガントに抜けさせてもらうわよ!
動きを阻害する障害物は二丁拳銃と投げキッスでズッキュン★したり
時には身を任せ、人魚のような華麗な<パフォーマンス>で観客に<存在感>をアピールするわ。
愛の障害はこちらも愛で乗り越えさせてもらうわよ!
<歌魔法>を詠唱し、乙女魔法を紡ぐ。
乙女魔法!ラブ★イグニッション!
小剣群ごと乙女爆発でズッキュン★やっちゃうわよ!
パレス☆オブ☆ドラゴンは障害物レースの真っ只中!
第一レースを終えてもまだまだ冷めぬ熱気と歓声に包まれるこの水中へ、次の挑戦者として現れたるはカンナハ・アスモダイ。
「障害物競走、ね。お望み通り、魅せてあげるわ。素敵な活躍ってのを!」
どんな障害物が待ち受けていようとも、カンナハの足を止めることはできない。カンナハはエレガントで大人なパレオの水着姿で登場すると、ふわりと浮かび鼓動する二つのハートをキャッチすればピンクの二丁拳銃へ早変わり。
「プリンセスハート!メ~クアップ!みんなに笑顔を!
完全無敵★最強アイドル!悪魔法少女★あすも☆デウス!」
くるりと二丁拳銃を構えてハートを撃ち抜く決めポーズ!
悪魔法少女★あすも☆デウスに変身すれば、観客席のサイリウムは瞬く間にピンク色に染まっていく。此度カンナハが目指すのは勝利以上に、オブリビオンたちの注目を集めて、あくまでも可愛くエレガントにゴールすること!
「準備はいい?あすも☆デウスちゃん!」
「ええ。いつでも良いわ」
真珠貝のスタートラインにレッドライオンと並び立ち、ひと時の静寂に響くのはイルカのホイッスル音。悪魔法少女はスタートだってエレガントに!悪魔的カリスマオーラを尾びれに飛ぶように進めば、立ち塞がるひとつめの障害は海藻の森。
「私の邪魔はさせないわ!」
アイドルも乙女心もお触り厳禁、絡み付くなんて以ての外!二丁拳銃の銃撃と投げキッスで根本からズッキュン★撃ち抜き倒して道を作ると素早く抜けていく。
熱水滾る間欠泉に差し掛かれば、時には焦らず身を任せるもの。今度は人魚のように華麗に泳いでパフォーマンス。波間をたゆたうように存在感をアピールすれば、マメなファンサに観客のハートをバッチリゲット!
互いに一歩も譲らぬレースはけれど、パフォーマンスならばカンナハのピンク色が多く見えようか。
「すごいよ、あすも☆デウスちゃん!私も負けてられないね!
ここからは本気でいくよ!これが私の愛の革命、ラブ・エボリューション!」
ならばと勝負に出るのはレッドライオン。ありったけの愛情エネルギーで召喚される小剣群は自我を破壊する暴力的なまでの愛の形。
「さあ、避けきれないくらいの愛を受け取って!」
「愛の障害はこちらも愛で乗り越えさせてもらうわよ!」
だが悪魔法少女★あすも☆デウスの乙女心は何人たりとも打ち砕かせはしない。カンナハが奏でる歌魔法は乙女のポップなラブソング。キュートなライブに盛り上がる観客席からの応援を受け止めて、歌い紡げば膨れ上がるのは乙女心の爆発力!
「まとめてやっちゃうわ!乙女魔法!ラブ★イグニッション!」
小剣群なんてまとめてズッキュン★一方的な愛情なんて吹き飛ばし、周囲がハートの水煙に包まれた今がチャンス!珊瑚礁の迷路に体を滑らせて迷路を抜ける。だが巨大な珊瑚礁は一筋縄ではいかないもの。思わぬ時間を取られてしまえば二人は再びデッドレース。回遊魚の群れを抜け、ゴールのアーチをほんの僅か先にくぐったのはレッドライオン。勝敗は決した──されど観客は両者の素晴らしい健闘を称え、はち切れんばかりの拍手喝采を贈る。
「見事だわ、レッドライオン。悪魔法少女を凌ぐだなんてね」
「ありがとう、あすも☆デウスちゃん!すっごくドキドキしたよ!」
観客が見つめる先には──勝利の喝采を浴びるレッドライオンと共に、惜しみない笑顔を向けて並び立つカンナハの姿があった。
大成功
🔵🔵🔵
リリスフィア・スターライト
強気で接近戦が得意でツンデレな人格『リリス』で参加
水中運動会ね
楽しそうだけど水中に引きずり込まれる人達が
出ているのはある種のホラーね
今年の少し大胆な水着姿で挑むわ
大勢の人に見られて少し恥ずかしいけど
レッドライオンとの水中戦、存分に楽しませてもらうわ
魔剣を手に全翼展開で超高速で障害物レースを走破するわ
華麗なパフォーマンスも忘れないわ
向こうがオーラの剣を放ってきても華麗に魔剣でさばいてみせるわ
観客達の視線を釘づけにしてやるわ
例え愛情以外の感情を奪われたとしてもその感情は観客達に向けるわ
彼等の喜びそうなハプニングを演出してみせ
障害を乗り越えるためのエネルギーに変えてやるわよ
これでも恥ずかしんだからね
「水中運動会ね。楽しそうだけど…水中に引きずり込まれる人達が出ているのはある種のホラーね」
リリスフィア・スターライトの人格の一人『リリス』は、熱気に包まれるパレス☆オブ☆ドラゴンの観客を見渡して怪訝な表情を浮かべる。愛情に囚われたオブリビオンたちもサイリウムの輝きも元は人間。明るいこの水中のステージも、それでいてこの世界の滅びを描いているのだから。
「さあっ!次のレースの相手は誰かな!」
「次は私の相手をしてもらうわ、レッドライオン。私はリリスよ。存分に楽しませてもらうわ」
「よろしくね、リリスちゃん!」
次の相手を求めるレッドライオンに、意気揚々と応えるリリスは強気を見せているものの──少し大胆なビキニの水着を大勢の前で披露するのは、正直を言えば少し恥ずかしい。隠しきれない羞恥心に薄く頬を染めて、透けたパレオをつちつい摘んではモジモジ、ハッと気付いて手放すと手持ち無沙汰な腕を組む。そんなギャップのいじらしさも可愛く見えれば、観客席はリリスの応援に揺れ動く。だがそんなリリスの姿はレースが始まるまでの話。
泡を出す真珠貝のスタートラインに並び立ち、イルカのホイッスル音でいざスタートすれば、リリスはすぐさま全翼天開!
リリスのいじらしさはなりを潜め、魔剣を片手に光り輝く翼を羽ばたかせて進む姿は勇ましく──そして目で追えぬほどに超高速!
緋色に輝く刃で行く手を阻む海藻の森を素早く切り拓き、間欠泉も噴き出す前に飛び抜ける。そんなリリスの姿にレッドライオンも負けてはいられない。
「私だって本気で行くよ!レッドシフト!真紅の愛で駆け抜ける!」
レッドライオンが更なる愛の力に覚醒すれば、その姿は真紅の最強アイドル!爆発的に増大した能力で一気に距離を詰めリリスに肉薄する。
「さあ追いついたよ、リリスちゃん!」
「いい気迫ねレッドライオン。それなら、私の全てをぶつけるわ!」
凄まじい速度で並び泳ぐ二人は互いを押し合いへし合い、互いに互いの動きをさばきながらヒートアップ!時にパフォーマンスを見せるかのように間欠泉を飛び抜けて、一歩も譲らず珊瑚礁の迷路へと辿りつく。
観客からの応援もほぼ互角となれば、いち早く迷路を抜けるまで。そうして運良く先に迷路を抜けたリリスが、今改めて披露するのは観客の目を釘付けにする華麗なパフォーマンス!光り輝く翼で飛ぶように泳ぎ回遊魚たちと戯れのダンスを楽しめば、サイリウムはリリス色に染まって観客の声が湧き上がる。
遅れて迷路を抜け出したレッドライオンが姿を見せるがゴールのアーチはもうすぐそこだ。
「先に行かせてもらうわよ…って、きゃあっ!?」
しかしここでリリスにハプニング!悪戯な回遊魚がリリスのパレオを咥えて引っ張れば、あえなく結び目が解けてしまう。些細なハプニングといえど羞恥心を強気で隠していた、リリスのベールが剥がれ落ちれば、改めて認識するのは観客という大衆。
「み、見てるんじゃないわよ!」
慌てて体を隠してツンデレ台詞も飛び出せば、観客からは歓声が上がるもの。オブリビオンの注目も集めてサイリウムの応援も集まれど、その隙にレッドライオンはゴールのアーチへ。
「先に行くねリリスちゃん!」
「しまった!」
勝利の喝采を浴びるのはレッドライオン──けれど恥じらうリリスの可愛さも確かに観客の記憶に刻まれるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
金城・ジュリエッタ
競技というなら我々アスリートの領分!
わたくしの美しき肉体美の躍動で、観客の皆さんを魅了してみせましてよ!
水着はいつもの勝負服にて。
流石に上着は脱ぎますけれど。
トライアスリートとして鍛えた【水泳】の技にて泳いでゆきます。
障害は全部真っ向突っ込んで【気合い】で振り切ります!珊瑚礁の迷路も【根性】で正解のルートを引くまで全ルート踏破の勢いで泳ぎ抜きます!
脳筋と思いますか?実際その通りですわ!
ですが真っ向より障害にぶつかり乗り越える、その姿に惹かれる観客もおりましょう!
ついでにUCでの強化もしますわ!
正々堂々レッドライオンさんに打ち勝ち、わたくしのアスリート魂を見せつけてやりましょうとも!
熱狂のパレス☆オブ☆ドラゴンに響き渡る高笑い──どよめく観客が声のもとに視線を向ければ、そこに現るは鍛え抜かれたダイナマイトボディのアスリート。
金城・ジュリエッタはきらびやかな上着を華麗に脱ぎ捨て、いつもの勝負服ことその|水着《スポーツウェア》で障害物レースに参戦する。
「競技というなら我々アスリートの領分!
わたくしの美しき肉体美の躍動で、観客の皆さんを魅了してみせましてよ!」
ここが|競技《レース》の場だと言うならば、全力で挑まねばアスリートがすたるもの!これまでとは一味違う選手の登場に、どよめく観客はしかし一瞬で期待の色に染まりゆく。
「強敵の登場だね!負けないよ!」
「正々堂々といきましょう!」
火花を散らす二人の選手がいよいよ真珠貝のスタートラインに並べば、鳴り響くイルカのホイッスル!
スタートダッシュならぬスイムで先手をゆくのはジュリエッタ。歴戦のトライアスリートとして鍛えた水泳の技で速く美しく泳ぎゆき、障害物に真っ向から突っ込んでゆく!
泳法は見事でもあまりにもフィジカル任せなジュリエッタの『脳筋』は、いっそ滑稽と見なすものもいるだろう──だが彼女は|脳筋《フィジカルエリート》のアスリート!そのマッスル・ロジックに余計な思考などは不要。正面から全てを受け止め全てを振り切ることこそ、ジュリエッタを体現する在り方だ!
「何事も!この障害も!筋肉で解決ですわ!」
動きを阻む海藻など笑止千万とでも言わんばかりに、絡み付く海藻を筋肉と気合いで引き千切って泳ぎきり、次なる障害物である熱水吹き出す間欠泉に挑む手段もやはり気合いの一択。脳筋過ぎる泳ぎはもはや明らかな不利であろうとも、その逆境にジュリエッタの身体能力は燃え上がって増大してゆく!
奇策など不要と言わんばかりに、真正面から障害へぶつかり乗り越えるジュリエッタのその姿に──惹かれるのは観客席のサイリウムたちだけではなく、愛情に囚われたオブリビオンも…そしてレッドライオンすら例外ではない。
「私の愛も燃え上がってきた!レッドシフト!追いつくよ!」
ジュリエッタの姿に闘志を燃やし、更なる愛の力に覚醒するレッドライオンは、真紅の最強アイドルへと変身する!爆発的に増大した能力で一気に距離を縮めにいけば、両者はあっという間に珊瑚礁の迷路へ。巨大な天然の迷路に挑むジュリエッタがこの障害をどう乗り越えるのか──固唾を呑んで観客が見守る中で、ジュリエッタの選択はもちろんただ一つ!
「当然、根・性!ですわ!!全ルート踏破の勢いで泳ぎ抜きます!」
|脳筋《フィジカルエリート》の筋肉はすべてを解決する!行き止まりに辿り着こうとも鮮やかなターンでスピードを落とさず泳ぎ抜くジュリエッタの姿は美しさすら見いだせよう。そしてその脳筋の魅力に目を離せぬ観客からの応援は──ジュリエッタにさらなる力を与えてくれる!
ほぼ全てのルートを網羅したというのにも関わらず、ジュリエッタはレッドライオンよりも早く迷路を抜けて──最後の障害物として待ち受ける回遊魚の群れはもはや、ジュリエッタの脳筋の前ではその役目を全うする事は敵わない。
「これがわたくしのアスリート魂ですわ!」
正々堂々ひたむきに競技に挑む姿をレッドライオンにも観客にも見せつけて、ゴールのアーチをくぐったジュリエッタは、見事な勝利を飾るのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
ふむ、アイドルとしての魅力で勝てるとは思わないけど、
水中の障害物競走ならまだ勝ち目はあるかな。
水着は何着か持ってるけど、完全に水中でやるなら人魚の姿のやつでいいか。
さて、競走なら速度重視で【瞬迅斬鰭】がいいかな。
海藻は鰭で切って進めばいいし、間欠泉は万象喰らいで熱を吸収しよう。
珊瑚礁の迷路は第六感と野生の勘を頼りに進もうか。
魚の群れは…普段だったら蹴散らす所だけど観客が居るからねえ。
発電器官を使って近寄るとちょっとビリっとする程度の電撃を纏って、
後は単純に全速力で泳いで速度で振り切ってしまおうか。
姿も心も、状況によってその魅力は変わるもの。
たった一人の愛だけで、すべてを満たすなんてできないよ。
「ふむ、アイドルとしての魅力で勝てるとは思わないけど、水中の障害物競走ならまだ勝ち目はあるかな」
たゆたう人魚の姿と深海色の水着でレースに挑むのはペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード。
加熱し続けるパレス☆オブ☆ドラゴンの障害物レースに現れ続ける挑戦者の姿にも、レッドライオンは連戦の疲れたなど感じさせぬ笑顔をみせる。
「まだまだ行くよ!次の相手は素敵な人魚さんだね!」
「ペトだよ。胸を借りるつもりで挑ませてもらうよ」
「よろしくね、ペトちゃん!」
二人の間に穏やかな笑顔が零れ落ちるのはしかしここまで。泡を出す真珠貝のスタートラインに並べば、真剣勝負のスタートだ。
イルカのホイッスル音を合図に真っ先にスタートを切るのは|瞬迅斬鰭《フィン・リッパー》を纏いしペトだ。
速く、鋭く。美しく鮮やかに水を切って泳ぐ人魚は刃物のように鋭いヒレによる素早い一撃でスピードを落とさず海藻の森を切り抜ければ、次の間欠泉はペトの万象を食らうその身体で受け止め熱を吸収する。凄まじい速度で水中を進む姿は、それでいてたゆたうように身軽で優美。
「すっごい!全然追い付けない…!」
注目も歓声もペトのもとへ集まれば、その応援はペトの泳ぎをさらに加速させて、どんどんレッドライオンを引き離す。
珊瑚礁の迷路だって、第六感と野生の勘が冴え渡れば難なく進めるもの。だが連戦続きのレッドライオンはいよいよ迷路の道筋を覚えはじめているとなれば、ペトがゴールに辿り着く前には抜けられる。
「もうあんなところに!大変、全力でいくよ!届いて私の愛、ラブマックスブレイドー!」
レッドライオンが自身の愛情で形造るのは溢れんばかりのオーラの剣。大きく振り被って剣を投げれば容易く躱され、レッドライオンの愛はペトへは届かずとも、回遊魚の群れは一方的な愛にも応えてくれる。
オーラの剣の切っ先に触れて愛情以外のすべてを失った魚群は一斉にペトに飛びかかり──そして弾かれたように離れた。
「普段だったら蹴散らす所だけど観客が居るからねえ。ちょっとビリっとしておいで」
発電器官でペトが纏うのは僅かな電撃。それはほんの少し痺れるだけで、魚たちが傷付かずに動きを留めるもの。
「そ、そんな…!」
「姿も心も、状況によってその魅力は変わるもの。
たった一人の愛だけで、すべてを満たすなんてできないよ」
他者を傷付け、傷付けさせるレッドライオンの愛情に、ペトがお返しするのはちょっとビリっとするけれど、傷付けはしない優しさだ。
優しい電撃で回遊魚を無効化したあとは、全速力で泳いで振り切ればペトは滑らかにゴールのアーチをくぐり抜ける。
勝利の歓声は惜しみなくペトへ贈られる。観客の心に満たされるのは、誰も寄せ付けない程に速く、けれど優しく美しい人魚の活躍だった。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
【氷花】
2021年水着
僕はあんまり物理的な対策出来ないから
シャオさんと協力して突破したいな
指定UCで下半身が魚の人魚の姿に変身
背にシャオさんを乗せて優雅に、けれど素早く泳ぐよ
お願いね
間欠泉は聞き耳で音を聞き分け位置把握し回避
迷路もマイクを用いて歌唱する事で
音の反響の仕方を聞き分けルートを探る
相談なんていちいちしなくても自然と役割分担
あとはシャオさんを信じて進むだけ!
レッドライオンさんの剣は回避を優先しつつ
高速詠唱で破魔を乗せた光魔法を魚群の形状に生成
周囲の守りも兼ねつつレッドライオンさんに向かわせる事で
浄化による精神関与効果の緩和兼優しく攻撃狙い
オブリビオンさん達も僕の魚達と遊んでみる?
シャオ・フィルナート
【氷花】
2024年水着
※「…」を多用した感情の無い淡々口調だが言葉自体は柔らかめ
相手は基本名前+さん呼び
移動は人魚の澪さんに任せ
海藻は氷麗ノ剣の鋭い薙ぎ払いで水流を伴う鎌鼬を発生させ
切断と同時に断片を水流で巻き取り通り道から除外
魚達は動物と話すスキルの応用で意思疎通試してみるよ…
遊んでほしいなら、遊んであげる
でも…今は、勝負中だから…終わったらで、いいかな…
それとも、俺たちと一緒に泳ぐ…?
暗殺者だし、視力も暗視も自信はあるから…
そういう意味の助言でも、澪さんを手伝うね…
自我破壊が精神攻撃なら
蒼魔で戦闘力に変換する事で中和するよ…
妨害は、しない…澪さんが嫌がりそうだから…
正々堂々…だよね…?
障害物レースの戦績はいよいよ猟兵たちがリードを奪い、観客の熱狂にはさらなる拍車がかかる。観客席のサイリウムはカラフルに染まりつつも、愛情に囚われたオブリビオンたちは未だ健在。レッドライオンはもちろん、猟兵たちもまだまだ止まれない。
「まだまだ盛り上がっていくよー!」
アイドルらしく観客を煽るレッドライオンからさらなる注目を集めるべく、このパレス☆オブ☆ドラゴンに踏み込むのは、天上から降りたような天使の水着姿の栗花落・澪と、深海のように青い踊り子の水着姿のシャオ・フィルナート。
「君たちが次の挑戦者?」
「うん、そうだよ。よろしくね、レッドライオンさん。頑張ろうね、シャオさん!」
「…うん。澪さんと…がんばる、よ…」
最強のアイドルと可愛らしくも美しい少年たちは一体どんな活躍を見せるのか。観客が心を期待に彩り沸き立つ中で、三人は真珠貝のスタートに並び──イルカのホイッスルが響き渡る!
「水の精霊よ、力を貸して!」
スタートと同時に澪はキラキラ輝く水流の変身アクト。マジカルつゆりん☆アクアフォーム!下半身を魚に変えてみせるのは美しい純白の人魚の姿。
「行こうシャオさん!」
「任せ、て…」
頷くシャオを軽々と背にのせて泳ぎ出す澪の姿は力強く優美で、そしてひと足先をいっていたレッドライオンを難なく追い抜く素早さ!
信頼している相手ならば相談なんてしなくても、自然と役割分担できるもの。海藻の森へと近付けば今度はシャオの出番。氷麗ノ剣の鋭い薙ぎ払いで発生させるのは水流の鎌鼬。鮮やかに海藻を切り裂き巻き取れば、後には断片すら残さず快適な通り道が開通する。
「簡単に先へは行かせないよ!私の愛で止まって!ラブマックスブレイド!」
しかし海藻をひとつも絡み付かせることなく通り抜ける二人の後へ追い縋るレッドライオンは、溢れる自身の愛情でオーラの剣を形造り振り上げる。命中すれば愛情以外を奪うその攻撃はけれど、人魚の澪であれば回避なんて容易いもの。勢いよく振り切り距離を離した澪は、さらに破魔を乗せた光魔法を高速詠唱。編み出した光り輝く魚群は自他の守りも兼ねた浄化の魔法だ。一部をレッドライオンへ向かわせれば傷をつけない優しい攻撃で惑わして、精神関与効果の緩和への布石としながら、一部を観客へと向かわせて光の魚群による幻想的なパフォーマンス。
「オブリビオンさん達も僕の魚達と遊んでみる?」
余裕たっぷりのウィンクでファンサービスもすれば、アピールまでばっちり!勢いを増す応援の力で加速しながら間欠泉へと辿り着く。ここでは急ぐばかりではなく冷静に聞き耳を立てて位置を把握すると慎重に回避する。
次に待ち受ける珊瑚礁の迷路では澪とシャオの二人三脚。澪はマイクで歌声を大きく響かせ反響音でルートを探り、シャオは暗殺者だからこそ自信の視力で目敏く薄暗い迷路を見分けて、レッドライオンを引き離す。
最後の障害物は回遊魚の群れ──澪が優しく泳いで近付けば、シャオは両手を広げて穏やかな眼差しで語り掛ける。
「遊んでほしいなら、遊んであげる…。でも…今は、勝負中だから…終わったらで、いいかな…。それとも、俺たちと一緒に泳ぐ…?」
指先で優しく撫でれば、魚達は頷くように体を揺らして澪とシャオの後方へ。光の魚群と青い魚群が並べば影絵のように幻想的に水中を彩る。
あとは真っ直ぐゴールするだけ。だが最後まで、その愛情を闘志に燃やすレッドライオンは二人に強力な障害として立ち塞がる。
「逆境を乗り越えてこそアイドルだよね!私の愛は止めさせない!ラブ・エボリューション!」
迷路を抜けたレッドライオンが召喚するのは視界いっぱいの愛情エネルギーの小剣群。自我を破壊する精神異常が二人へ襲い掛かるが、澪の光の魚たちが緩和してくれる。さらにシャオが鋭い冷気で澪ごと全身を覆い包めば、小剣群の精神ダメージを受け止め中和する蒼魔の力は、二人の能力を増強してくれる。
「妨害は、しない…澪さんが嫌がりそうだし…正々堂々…だよね…?」
「うん!ありがとうシャオさん!あとは全力で進むだけだよ!」
信頼する友と協力すれば恐れるものなんて何もない。だから、クライマックスも二人で一緒に!レッドライオンを大きく引き離し、澪とシャオは楽し気に魚の群れも引き連れてゴールのアーチをくぐってゆく。勝者へ贈られる拍手と歓声の中で、二人と友達になった回遊魚たちも光の魚たちも、楽しそうに幻想的に二人の勝利を踊り祝っていた。
大成功
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アーデルハイド・ルナアーラ
【エンター・ザ・ステージ】3人組
水着で登場(全身イラストあります)
私はアーデルハイド! 年齢的にはギリギリだけど、この美貌とみなぎる生命力はアイドルにだって通用するはずよ! 三人とも水着、綺麗よね! 素敵でしょう!?(周囲に圧をかける)
さあ、かけっこなら誰にも負けないわ!
珊瑚の迷路はウィザードらしく知恵で突破するわ!
とりゃー! ウィザード・ミサイル!(とにかくでかい岩を投げまくり、壁を破壊してまっすぐ進んでいく)
エメちゃん、お魚さんは生で食べたらおなか壊すわよ! 食べるのは今度にしましょう!
三人で仲良くゴール!
エメ・パラディール
【エンター・ザ・ステージ】
「私の名前はエメ・パラディール!私達猟兵の輝きはアイドルにだって負けてないぞ!」
当然水着を着用!いざ戦場へ!
猟兵のかっこいい姿を囚われた人々に届けてみせる!
まずは開幕ドカンとかますぞ!
サーフブレイドを使用して、海藻の森を切り裂き一気に突き抜ける!
「必殺、サーフブレイド・大切断!」
間欠泉は野生の勘と気合と根性!勢いそのまま駆け抜け!
珊瑚礁の迷路はどうしよう、絶対迷っちゃう!二人ともいいアイディアないかな?
お魚さんの群れはおいしそう、じゃなかった!でも楽しげならこっちもエンジョイ!
お魚さん達と一緒に踊りながらみんなでゴールだ!
雛里・かすみ
【エンター・ザ・ステージ】
皆の注目を集めるステージかぁ、ちょっと緊張するわね。
まぁ、アイドルには年齢なんて関係ないわ、自分を応援してくれる方々に
ファンサービスをしてあげれば、誰だってアイドルになれる可能性を秘めている!
私は、水着で参加するわね。水着着たことが無いんだけど
ちょっと大人びた感じに赤いビキニで参加してみようかな。
珊瑚礁の迷路、凄く綺麗だけど、
何処を通って来たのか、迷ってしまうわねぇ……。
三変の境地を使って、脚力強化形態になるわね。
これで、水中でも脚をばたつかせて素早い推進力を得る事を試みるわ!
エメさん、お魚料理は今度作ってあげるわ。
アーデルハイドさん、壁を破壊してくれて頼もしいな!
「皆の注目を集めるステージかぁ、ちょっと緊張するわね」
障害物レースの熱気が渦巻くパレス☆オブ☆ドラゴンで、雛里・かすみは緊張に強張る肩をぐるりと回す。あれこれ多趣味に関心を高くもっていても、初めてのステージでサイリウムで埋まった広い観客席とオブリビオン化した観客の群を見れば、多少は緊張だってしようもの。
「大丈夫だ、かすみさん!私達猟兵の輝きはアイドルにだって負けてないぞ!」
だが、かすみの緊張を解すようにエメ・パラディールは拳を握る。だって猟兵はキラキラでイケイケなのだから!怖じる事はひとつもないと、エメは猛々しく名乗りを上げる。
「私の名前はエメ・パラディール! 私達の輝く姿を刻みにきたぞ!」
「私はアーデルハイド! 年齢的にはギリギリだけど、この美貌とみなぎる生命力はアイドルにだって通用するはずよ!」
エメに続くのはアーデルハイド・ルナアーラ。三人の中で唯一三十路へ到達しているが故にちょっぴり切ない本音がもれていようが、三者三様の美貌はどんな花にもアイドルにも引けを取らない彩りだ。
「そうね。アイドルには年齢なんて関係ないわ、自分を応援してくれる方々がここにいるもの」
アーデルハイドの言葉にかすみは頷く。そこにパフォーマンスがあって、見てくれるファンがいるならば。ファンの声に応えてファンサができれば、年齢も性別も関係ない。誰だって、猟兵だってアイドルになれる可能性を秘めている!
「そうよ! 今だって水着でバッチリ決めてるし、三人とも水着、綺麗よね! 素敵でしょう!?」
勢いの良い言葉は周囲に圧をかける言葉であれど──大きく谷間を見せるセクシーな黒い水着とホットパンツのアーデルハイドも、ビキニにボーイッシュな短パンと透けピンクのキャミで可愛くアレンジしたエメも、シンプルながらも大人びた赤のビキニでエレガントに決めたかすみも、誰の目から見ても素敵な水着姿だ。
水着姿に盛り上がる歓声は応援の力となれば、三人の準備は万端!
「それじゃ最後の障害物レース、いっくよー!」
レッドライオンの合図でいよいよ三人は真珠貝のスタートラインへ!
「さあ、かけっこなら誰にも負けないわ!」
「猟兵のかっこいい姿を囚われた人々に届けてみせる!」
「フフ!もうスタートは取らせないよ!真紅の愛は止まらないから──レッドシフト!」
イルカのホイッスル音が水中へと響き渡り、レッドライオンはこの最後のレースにスタートから本気を見せる!更なる愛の力に覚醒して真紅の最強アイドルに変身すると、あっという間に三人を引き離すレッドライオン。だが三人だって負けてはいない。全速力で水中を駆け出して海藻の森へ。
「ドカンとかますぞ! 必殺、サーフブレイド・大切断!」
エメは大剣を前方に投げてサーフボードのように乗り込むと、二人の手を取り水中を飛翔する。そのまま海藻の森へ勢い良く突撃し、海藻を切り裂き一気に突き抜ける。レッドライオンとの距離を大きく縮めながら、次に待ち受ける間欠泉は──熱水が噴き上がる瞬間に野生の勘で察知しながら、あとは気合と根性!
「行っくぞー!」
三人並んで勢いそのまま駆け抜ければ、次に立ち立ち塞がるのは気合と根性だけではどうにもできない、巨大な珊瑚礁の天然迷路だ。
「どうしよう、絶対迷っちゃう! 二人ともいいアイディアないかな?」
「そうね……凄く綺麗だけど、何処を通って来たのか、迷ってしまうわねぇ……」
レッドライオンはもう先に迷路の中を進んでいる上、連戦で正解のルートはすっかり把握済みだろう。いち早く抜けなければ勝機はない。
「私に任せて! 珊瑚の迷路はウィザードらしく知恵で突破するわ!」
しかし立ち止まってなどいられない今この時、そう宣言するのはアーデルハイド。その堂々とした姿に、どんな知恵をみせてくれるのかと、三人を見守る観客は期待に心を躍らせて──そして次の瞬間、思わぬ形で思いっきり裏切られる!
「とりゃー! ウィザード・ミサイル!」
勇ましく叫んで持ち上げるのはそこら辺に転がっていたとにかくでっかい岩!物質強化《エンチャント・ウェポン》で高まった攻撃力は言葉通りミサイルのように珊瑚礁の壁を破壊して大穴を開けていく!
「さっすがー!」
「頼もしいわ、アーデルハイドさん!」
観客にとっては予想だにしない強引な大脱出であろうとも、互いをよく知る仲良し三人にとっては間違いのないナイスアイディア!アーデルハイドの鮮やかな知恵に拍手を送りながら大穴をあけて先に進めば、新ルートを進む道中に出くわしたレッドライオンも思わず動きを止めて、目をぱちくりさせるばかり。ついでに穴ボコだらけの珊瑚礁の迷路の壁が崩れ落ちれば、もはやレッドライオンの記憶はアテにならないだろう。
そうしていよいよリードを奪い、迷路を抜けた三人の前には回遊魚の群れが待ち受ける。
「お魚さんの群れはおいしそう、じゃなかった!」
「エメちゃん、お魚さんは生で食べたらおなか壊すわよ! 食べるのは今度にしましょう!」
「ええ。お魚料理は今度作ってあげるわ」
食欲を刺激されるエメを和やかに止めながら、最後の障害物を乗り越える為に、かすみは三変の境地で脚力強化形態へと変身する。
「さあ行くわよ」
「ええ、三人で仲良く!」
「みんなでゴールだ!」
「ちょっと待ったー!」
かすみを中心に三人は手を取りあって、最後の障害物へ挑むその時──追い付いてくるのはようやく迷路を抜けたレッドライオン。
「もうっ、ステージを壊すなんて!でもいいよ!
…最後に勝つのは私の愛だから。いくよ、ラブマックスブレイド!」
レッドライオンは自身の溢れんばかりの愛情からオーラの剣を創造し、勢い良く三人へと放つ。それは命中すれば愛情以外の感情をすべてを奪うもの──だが、三人の友情は誰にも奪わせはしない!
「甘いわ、レッドライオン。私達は一人じゃないの」
「今日の最後の一投よ! いっけぇー!!! ウィザード・ミサイル!!!」
アーデルハイドの投げた大岩はオーラの剣へ命中し、三人はエメの大剣へ飛び乗った。勢いを付けて進む大剣の速度に、かすみの脚力によるバタ足はさらなる飛翔に及ぶ推進力を与えてくれる!
「楽しかったよレッドライオンー!」
回遊魚の群れを吹き飛ばしてくるくる踊らせる程の勢いで、追いすがるレッドライオンを引き離した三人は笑顔でゴールのアーチをくぐる。レッドライオンの愛情を寄せ付けずに、友情で掴んだその勝利。彼女たちの眩しい笑顔に、観客席のサイリウムは溢れんばかりに彩り輝いているのだった。
大成功
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