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シャングリラ☆クライシス⑤~波濤に咆えて

#アイドル☆フロンティア #シャングリラ☆クライシス #第一戦線

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 ぶくぶく。ぶくぶく。ぶくぶく。
 ぶくぶく。ぶくぶく。ぶくぶく。

 沈んでいく。
 藻掻いても、泳いでも、沈んでいく。
 水面ははるか遠くに輝いている。手を伸ばしても、もう届く位置ではない。

 .。o○ .。o○

 .。o○


 .。o○ .。o○









 .。o○

 何で、|生きる事って苦しい《・・・・・・・・・》んだろう。



「皆さん、アイドル☆フロンティアでの異変はもう聞いているわね?」
 佐々・夕辺(咲梅・f00514)は集まってくれた猟兵たちを見回し、話を切り出した。
「強大なオブリビオン"クオリア・シンフォナー"によって、この世界における重要な存在である"流れ星"が捕まえられてしまったの。予知で見た限り、クオリア・シンフォナーの後ろにも何か存在がいるみたいだけれど……兎に角、今回の脅威を取り除くために力を貸して下さい」
 夕辺が説明する事には、これから繋がる世界は『水底』らしい。
「呼吸は出来るわ。発話も出来る。ただ、周りにはオブリビオンになってしまった人々がいるわ。彼等を助け出さなければならないのだけれど……彼らは貴方がたに、問いを投げて来る。今回の戦いは、"彼等の問いに答える事"よ」
 何を問われるかまでは夕辺には見えなかったそうだ。でも、貴方たちならきっと答えられる。そう信じたグリモア猟兵は、門を作り、きみ達をフロンティアの水底へと送り出すだろう。



 ねえ、どうして苦しいの?
 どうして、生きるって苦しいんだろう。
 辛い事、苦しい事ばっかりだよ。
 ねえ。
 どうして? どうして?
 どうして苦しいのに、生きていなきゃならないの?

 ○o。.
          .。o○


key
 お久しぶりです、keyです。
 今回は戦争シナリオとなります。

○o。. .。o○

●目的
「|過去《うた》を打ち破れ」


●場所
 パレス☆オブ☆ドラゴンの水中です。
 多数の人々が引きずり込まれ、一見清楚なアイドルの似姿をしたオブリビオンになっています(顔はよく見えませんし、あなたの思う『アイドル』へと瞬く間に姿を変えます。)
 彼らがオブリビオン"レッドライオン"の虜になってしまう前に浄化しなければならないのですが、その為には|観客《かれら》を納得させるような|演説《うた》が必要です。

 彼らは問います。
 "どうして人は苦しいのに生きているのか"。
 貴方は答えなければなりません。


●プレイングボーナス!
「水着を着てステージに上がる」
「皆の心を揺さぶる歌を歌う」


●プレイング受付
 受付、〆切はタグ・マスターページにて適宜お知らせ致します。


●注意事項(宜しければマスターページも併せてご覧下さい)
 迷子防止のため、同行者様がいればその方のお名前(ID)、或いは合言葉を添えて下さい。
 基本的にソロ行動ですが、アドリブが多くなる傾向にあります。



 此処まで読んで下さりありがとうございました。
 皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『インディセンシィ』

POW   :    どこまでも一緒に
【煽情的な視線】で射抜いた対象を【精神汚染】で攻撃し、着弾点からレベルm半径内の仲間を【倒錯的な悦楽】で回復する。
SPD   :    いつまでも一緒に
【人気アイドルから複製し編集した歌声】を披露する事で【完成された歌姫】に変身し、戦場内の敵全てを攻撃する【堕落の流星群】を降らせる能力を得る。
WIZ   :    君と一緒に
【優しく穏やかな歌声】を披露しながら視界内の対象1体に【心を見透かすような視線】を向けている間、対象は本人と使用者以外を認識できない。

イラスト:望月らいる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ユラ・ハ
水着――と言っても毛皮を纏ったのみだけれど――を身につけ、ステージへ。

水底へ至れば、問いが聞こえる。
成程、何故苦しくとも生きねばならないのか、と。

人に限らず、それはあらゆる生命の本能だから。
生き続けること。そして子を成すこと。
その繰り返しが、世界を形作っている。

確かに、生きるとは辛く苦しいもの。
けれど、あなた達もまた、それでも生きたいと思っている筈。
あなた達の本能が、生きたいと叫んでいる。
だからこそ、生きねばならない理由を問うてきた。私はそう考える。

生きれば良い。生きてて良い。
私は、あなた達の生を、命を肯定する。
憚ることなど無い。あなた達の思うがまま、生きていけば良い。

此を、歌に乗せ伝えよう。




 .。o○
        .。o○
     ○o。.


 ユラ・ハ(コダマ・f45348)。どうして。
 どうして、苦しいのに生きねばならないの?

 オブリビオン達が問い掛ける。
 生きる事はどうしてこんなに苦しいのか。光はいつだって束の間だ、あとは闇ばかりなのに、どうして藻掻かなくてはならないのか。

「――あらゆる生命の本能だからだ」

 石を水に落とすように、ユラの答えは真っ直ぐだった。
 人に限らず、"生きる"という事は生命の本能だ。生命は生きる為に生まれてくる。生き続ける事。子を為す事。その繰り返しが世界を作り出し、そうして世界を持続させていくのだと。

「確かに生きるとは辛く苦しいもの。けれど、あなた達もまた――それでも生きたいと思っている筈。あなた達の本能が、生きたいと叫んでいる」

 死にたいと思う者は、同じだけ生きたいと思っている筈なのだ。
 生きたいと叫んでいる"から"、生きる理由を問うているんだろう?

「生きれば良い。生きてて良い。私は――あなた達の生を、命を肯定する。憚る事などない、あなた達の思うがまま、生きていけばいい。誰が否定しようとも、私の肯定は覆らない……生きたいと思う限り、生きていけば良いんだ」

 ユラ・ハ。
 そうして、あなたも生きていくの?

「そうだ。私もまた、誰かに肯定されて生きていく」

 .。o○
       .。o○

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アド改大歓迎・水着姿】

そうだよな、生きてるってつらい事、苦しい事の連続だよな。
為したい事は何も成せず、望まぬ事ばかりやらされて。
答えを求めりゃはぐらかされて、手元に残るは「コレじゃない」何か。
苦しみ生き抜いた先に何があるのか、分かったもんじゃねぇよな。

だからさ、それを「繋ぐ」んだ。
分からない問いなら、自分の思った「手掛かり」を次のヒトへ託すんだ。
なぜ苦しんでも生きるのか、それは「答えを出せる誰かに思いを託すため」。

アタシもただの人間さ、そこまで悟ってるつもりはないよ。
でも、その願いを形に成す程度の力は幸い持ってる。
皆の「今よりちょっとでもいい未来にしよう」って望みをステージに顕現させるよ!




 .。o○
        .。o○
     ○o。.


「――そうだよな」

 数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はあぶくと共に言葉を吐き出した。水中なのに喋れる、というのは猟兵になって幾度も経験した事であるが、いまだに慣れない。
「生きてるってさ、辛い事や苦しいの連続だ。為したい事は何も為せずに、望まぬ事ばっかりやらされて。答えを求めりゃはぐらかされて、最後に手元には"これじゃない"何かが残る……苦しんで生きた先に何があるのか判ったもんじゃない」
 こうして並べると、改めて難しいよな、と多喜は苦笑する。
 けれど、彼女は"だからさ"と言った。
「"繋ぐ"んだよ。判らない問いを投げ掛けられたら、自分の思った『手掛かり』を次のヒトへ託すんだ。"どうして苦しいのに生きているのか"わからないなら、『判らない』を次に託すんだよ。……アタシはそうやって、"答えの出せる誰かへバトンを繋いでいく"のが、苦しくても生きる意味だと思う」
 オブリビオンたちが、じっと多喜の話を聞いていた。
 黒い少女の影たちが、多喜を覗き込んでいる。彼女の言葉に縋るように。溺れ行く人が、藁に縋るように。

「アタシもただの人間だからね、悟ってるつもりはない。……でもね、猟兵ってヤツだもんで……その願いを形に成す程度の力は持ってるつもりだ」

 ――何をするの?

「皆の望みを顕現させる。……ほら、見なよ! 未来への希望ってやつ、あたしがちょっとだけ現すから!」

 黒い影たちは確かに見た。
 水底というステージに、一輪の花が咲いたのを――多喜がたった一つ灯した、絶望を覆すラストピースを。

 たった一輪の花を咲かすために、人は一生をかけて水をやる。
 咲いた花が多分――生きた証、なんだろうな。

 .。o○
       .。o○

大成功 🔵​🔵​🔵​

カンナハ・アスモダイ
WIZ
※アドリブ連携等歓迎

水着を着用し、水底に沈む。
彼女たちに問われる。


……そうね。
生きていく上でそう感じる瞬間は、間違いなくある。

でもね

それ以上に楽しいって、嬉しいって思える瞬間があったから。
その思い出が、私に生きる希望をくれるの。

でも、貴女達がそう思えないって気持ちも分かる。

だから
私が思い出をあげる。


水底の彼女らに向けて歌を紡ぐ。
必死に、絞り出すように<パフォーマンス>する。
絶対に楽しいって思ってもらいたいから。

だから、私を見て。
今だけは!
<存在感>をアピールする。

<アイドル力>の昂りと共に、
<歌魔法>を詠唱し、乙女魔法を発動させる。
乙女魔法!シャイニング★キラキラシャワー!




 .。o○
        .。o○
     ○o。.

 ただ、黙して。
 オブリビオンが問い掛けてくる声を、カンナハ・アスモダイ(悪魔法少女★あすも☆デウス・f29830)は聞いていた。ただ、ただ、聞いていた。
 その響きは悲痛だ。その問いかけは身を裂くかのようだ。どうして、と、問い掛けるというより嘆く彼女らに、そうね、とカンナハは頷く。

 ――どうして生きているのか。
 ――そう思ってしまう瞬間は、生きていれば必ずある。

「でもね」
 カンナハの言葉が、あぶくに閉じて上へ昇る。
「それ以上に楽しいって、嬉しいって思える瞬間があったから……その思い出が、私に生きる希望をくれるの。その思い出があったから、私は此処まで生きている」

 ――どうして?
 ――あなたは思えるのに、わたし達は|思えない《・・・・》。
 ――どうして。

 大丈夫よ、とカンナハは笑って、腕を広げた。まるでオブリビオンと化した心を、海ごと抱き締めるかのよう。
「私が思い出をあげる。ねえ、私を見て。今だけで良い! 私を、完全無敵の最強アイドル、悪魔法少女★あすも☆デウスを……!」
 海の中に揉まれども、カンナハは――悪魔法少女は、アイドルとして『生きている充実』を伝えようとする。どんなに辛くっても、自分が笑顔をキラキラさせている間は、『生きててよかった』と思って貰いたいから……!
「この瞬間を覚えていて! 楽しい、嬉しいってちょっとでも思ったのなら……それを忘れないで! 私も忘れない! 私は、みんなの笑顔のために……!」

 きらきらきらり。
 星屑が海に降り注ぐ。手を伸ばして、オブリビオンたちはほんの少しだけ微笑んだ。

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大成功 🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
2025年水着着用

生きるって、苦しいよね

理由は十人十色だし
正解も多分無いと思う

僕の場合は…やりたい事があるから、かな

僕は罪を犯した
僕の意思じゃないとしても

だから僕は罪を背負って生きて
僕が不幸にした分だけ多くの人を幸せにしたい
自分勝手な罪滅ぼし

でもそれとは別に
ただやりたい事もあるんだよ
お菓子作りもっと極めたいし
色んな人とお喋りしたいし
…大切な人達と、一緒にいたい

目的って何でもいいと思う
飼い猫を寂しくさせないようにでも
気になってたあの料理を食べたい!でも

誰かのため
何かのため
自分のため
生きていなきゃじゃなくて…生きていたい

人生の終わりに自分に胸を張れる生き方が出来れば
それでいいんじゃないかなって




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        .。o○
     ○o。.

「うん。生きるって苦しいよね」
 悲しむでもなく、諦めるでもない。
 どこか微笑みさえ浮かべながら、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は言葉を舌にのせる。そして、どう続けようか、と数秒続きを舌の上で転がして……|飲み込んだ《・・・・・》。
「理由はきっと十人十色だから、正解も多分同じだけあって……ないのと同じだと思う。だからあくまで僕の場合は、で話すんだけど……やりたい事があるから、かな」
 あのね、と澪が手を伸ばす。
 オブリビオンには触れられない。彼らは影のように、喚き散らしながらすり抜ける。
「僕は罪を犯した。それが僕の意志じゃなくても、紛れもなくそれは罪だ。だから僕は罪を背負って……不幸にした分だけ、多くの人を幸せにしたい。誰かに求められた訳じゃなくて、自分勝手にそう罪滅ぼししようってだけなんだけどね」
 光が降り注ぐ。
 水中に乱反射する破魔の光は、さながら周囲を別世界へと染め上げた。落ちていくというよりは、澪は浮遊している、そう感じる。……オブリビオンはゆっくりと澪の周りを遊泳して話を聞いていた。

「――罪滅ぼし、だけだったんだけどね。やりたい事が出来たんだ。お菓子作りが楽しくなって、もっと色んな人とおしゃべりしたいって思って……だからね、目的って何でも良いと思う」

 例えば、飼い猫が寂しがるから。
 例えば、気になっていた料理を食べたいから。

 "まだ死ねない"。それで良いんだって、澪はゆっくりと吐き出す。

「生きていなきゃ、じゃなくて……"生きていたい"って。そう思って……人生の終わりに自分に胸を張れたら、それで良いかなって」
 その為には、もっといろんな人を幸せにしないといけないんだ。
 澪は笑った。いつも女性然としている彼にしては珍しく……少年らしい、さっぱりとした笑み。破魔の光がきらきらと、海中に反射し、煌き、満ちて――



 .。o○
       .。o○

 そうして底には、"何もない"が残っていた。
 生への嫌悪も、倦厭も、何もない。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年09月20日


挿絵イラスト