シャングリラ☆クライシス⑨〜†Storia Nera†
絢爛豪華な舞台世界。
其処に姿を|顕現《あらわ》すは、夢幻にして無限の|創造工房《イマジン・アトリエ》。
題材は|喜劇《コメーディア》にして|悲劇《トラゴエディア》。過去には影が付き纏い、刹那、心に深く、深く疵痕を遺すのだ。
|進軍《すす》むには、己の|闇影《かげ》に克たねばならぬ。
|漆黒の暗闇《テネブラエ・アトラエ》さえも|従属《したが》えて、|我は此処に在り《エゴ・スム・ヒック》と示すのだ。
●
「……GGOの外でもこの姿なの、ちょっと吃驚しちゃった」
何やら見ない顔がグリモア猟兵として立っているが、これはあくまでGGOでのアバターとしての姿らしい。身バレが怖いのでアバター名のシトロン・モーンフルー(シーサイドスーサイドマーメイド・f41912)と呼んでほしいとか。
出で立ちは男性型の天使に抱えられた、海月の人魚のような――海月は魚ではないが、その辺り突き詰めると長くなるのでこう表する――彼女は、どうやら統制機構で地下アイドルをやっているようだ。なんとも綱渡りのようなことをしているが、その縁で多少アイドルに知見があるだろうと、グリモアが彼女を選んだのかも知れない。
ともあれ、シトロンは続けた。
「……もう知ってるかも知れないけれど、この世界の最強格アイドルのひとり『クオリア・シンフォナー』の用意した、アトリエ型のステージがあるの。皆にはそこに行って、このステージが展開する魔法結界に打ち勝って、彼女の力を削いでくる……というのが、この世界、ひいてはグリモアに、求められてることみたい」
成程。
確かそこは、踏み入れた者の心の中にある『忘れなければならない記憶』を反映した魔法結界を展開し、戦意を奪ってしまうステージだという。
それは抗い難い幸福の残滓であったり、心を抉り足を留める傷や過ちの記憶であったり……そういったものを乗り越えなければならないわけだ。
自身の捨て去り難い記憶と決別し、前に進む――ならば覚悟を決めて進まねばなるまい。
「うん、覚悟は必要だよね。……というわけで、これを見て」
ん?
猟兵たちは、シトロンにノートを手渡された。
そこにはなんというかまあ、『夢と希望を持って、前を向いて進もう!』的な、よく言えば率直な、悪く言えば浅く薄っぺらい、少年漫画アニメのオープニングテーマを作ろうとして失敗したかのような、そういった歌詞のようなものが幾つか書かれていて、中には見るに堪えなくなったのか、ページが破かれた跡もある。
そしてそれを手渡してきたシトロンが、|海月《グリモア》を手に遠い目をしている。
「……こういうことだから」
ドウイウコトナノ。
「私は転移維持のために、ステージに立てないから。フェアじゃないと思って見せたの。……皆にはこれから、自分の『忘れたい黒歴史』と戦ってもらうから」
固定なのかよ!!!!!!
自分の過去に打ち勝つ胸熱展開は!?
「文句は現場の結界に言って」
投げっ放し!!
と言うかタイトルに|†《ダガー》ついてたり、冒頭がやたらツッコミどころ満載のカッコつけポエムだったのはそのせいか!!
「……私の黒歴史を見たんだもの、行ってくれるよね……??」
アッハイ。
絵琥れあ
お世話になっております、絵琥れあです。
カッコいいのは他の素敵MS様がたくさんやってくれると思って。
戦争シナリオのため、今回は1章構成です。
第1章:冒険『忘れねばならない記憶』
今回に関しては黒歴史暴露大会となります。他の戦場はそんなことない(場所にもよりますが)ので安心してください。
厨二病っぽくても、シンプルにやらかしでもなんでもOK。
振り切り方も投げやりでも遠い目でも自由です。
但しどう足掻いてもギャグです。
カッコいい猟兵をお求めの方には絶望的に向きません。ご注意ください。
公開された時点で受付開始です、が。
今回もかなり書けるタイミングにムラが出そうです。
その為、採用出来るかどうかは人数とタイミングと内容次第でまちまちになります。ご了承ください。
それでは、ご縁がありましたらどうぞよろしくお願いいたします。
第1章 冒険
『忘れねばならない記憶』
|
POW : 意志を強く持ち、過去の幻影を振り切る
SPD : 自身の変化と成長を認め、過去の幻影を振り切る
WIZ : 自身を作る過去に感謝を告げ、過去の幻影を振り切る
イラスト:yakiNAShU
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シャルロット・シーラ
絵琥れあマスターにおまかせします。クールなはずなのにギャグなシャルロット・シーラをお願いします!
人間のマジカル☆アイドル×軍令暗殺者、の女です。
普段の口調は「口調:無口(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
完全にお任せします。クールに振る舞うシャルロットの恥ずかしい記憶を捏造して引っ張り上げて下さい。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
(「……黒歴史」)
とは、と首を傾げつつ、アトリエに足を踏み入れたシャルロット・シーラ(アサシン☆アイドル・f45140)。
彼女はアイドルだ。しかし同時に、ある理由で物心つくかつかないかの頃から少年兵、それも暗殺部隊の一員として育てられたという過去も持つ。流石にそれをアイドルとして公表しているわけではない(出来るわけがない)が、彼女のクールさ、というより冷静さはそれに由来するものだろう。
そんなシャルロットが、世間一般の想定しているであろう黒歴史が、自分にあったかと思案するのは自然な運びだっただろうが。
「!」
アトリエが何を察知したのか、彼女の前に見覚えのある光景が広がった。
あれは……確か、アイドルとしてステージに立ち始めたばかりの頃。
他のアイドルやユニットも揃う、そこそこ規模の大きいライブイベントだった。そしてライブ中、参加メンバー全員を集めたMCがあったのだ。
そこでの企画で『くじ引きをし、引いたくじに書かれていたお題に沿ってトークする』というものがあった。
目の前に現れた過去の自分が、くじを一本引いた。書かれていたのは『渾身の一発ギャグ』。
元少年兵、かつ暗殺部隊にいたシャルロットは、当然お笑いに造詣など深くなかった。表情こそ変えなかったが、頭の中では何かないかと必死で絞り出した結果、彼女が語ったのは。
「……これは昔、同期の子から聞いたジョークなのだけど」
同期、と言うと会場はアイドル仲間を思い浮かべただろう。
だが悲しいかな、この時彼女が言った『同期』は、少年兵時代のものである。
「ある男が夜、就寝後に物音で目覚めたの。するとそこには空き巣がいた。空き巣は男に向けてこう言ったわ」
『おい、電気は消さなくていい。すぐにまた暗くなるからな』
――会場はにわかに凍りついた。
「ごふっ」
シャルロットはしめやかに吐血した。
この後、何とか他のアイドルたちのお陰で場は保ったものの、公式のライブ配信動画ではこのシーンのコメント欄はプチ炎上し、後日一部のファンには『ギャップがイイ』とネタ化されるわ、SNSでは『#地獄の一発ギャグ』『#ブラックでクール』などのタグがトレンド入りするわ、アイドルスレでは『寿命の縮むMC』として都市伝説化するわ、結果『ブラックジョーク好きクールキャラ』として半ば定着してしまうわで、色々と酷いことになっていた。
これならまだ、それこそ『アイドルとしての』同期の子が自虐で語っていた『パフォーマンス中にうっかりパンチラした』の方がまだ余裕を持って対処出来る案件だった。少なくともシャルロットにとっては。
(「いいの。いいのよ。これはこれで。二度と同じ過ちは繰り返さないと思えるから。……いいのよ……」)
自分にそう言い聞かせて、シャルロットは己の衝動により過去の記憶をねじ伏せた。
……口元から一筋の血が伝ったままでしたけど。
大成功
🔵🔵🔵
八坂・詩織
中学教師という仕事柄、厨二病かな?って生徒を見る機会はそれなりにあるもので。ノートや机の隅に書かれた落書きやポエムなんかをうっかり見てしまった日には思い出してしまう…
中学の頃、当時好きだった先輩へ告白する勇気もなく想いの丈をポエムに綴っていた内気な日々。
『あの人は星みたい。あんなに遠くで輝いて、手には入らないのにいつまでも見つめてしまう…』
やめてたしかに今でも星は大好きだけど!
でもきっとそれも大人になるために必要なプロセスだったんだろうと思うから。
あの時はポエム綴りたかったんだよね、と過去をそっとさよならの指先でなぞる。
(今だって好きな人に想いは告げられてないけど、ポエムは卒業しましたから!)
●
(「黒歴史、と言うと厨二病、のイメージが強いですが」)
八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)は中学教師である。現状、厨二病に関してはむしろ自分よりも教え子たちにその気がある者を見かける側である。
ノートや机の隅に、隠すように、いやオープンに患ってる者も時折見かけるが、そういうものをうっかり見てしまう立場の人間である。
……が、教師やってるということは、即ち学生時代経験済みなわけで。
詩織は厨二病でこそなかったが、多感な学生時代を当然通過してきているわけで。
そう、アトリエに見せられるまでもなく、思春期特有のポエムなんかを見かけた日には思い出してしまうのである。
あれは詩織が教え子たちと同じ、中学生の頃。
当時、彼女には想いを寄せる先輩がいた。日々その想いを募らせていたものの、照れや玉砕する可能性への恐怖から、告白する勇気は持てず。
それでも想いをなかったことには出来ず、その結果、内気な詩織少女は想いを|詩作《ポエム》として綴る日々を送っていたのだった。
夕暮れの、誰もいない独りきりの教室。ぽつぽつと星が見え始める頃、窓辺の席でそれを仰いで、ほうとひとつ溜息吐いて。
そして、少女は机の上のノートに鉛筆を走らせた。
『あの人は星みたい。あんなに遠くで輝いて、手には入らないのにいつまでも見つめてしまう……』
ヴッ、と詩織はうめき声を上げて胸を押さえた。
「やめてたしかに今でも星は大好きだけど!」
思わずシャウト。幸か不幸か、結界によって映し出された過去の自分には届いていないようであるが。
分かっている。若者とはそういうものだ。勿論例外もいるが、思春期特有の通過儀礼のようなものだ。
大人になって、今度は自分が子供たちを教え導く側になって、それがよく分かるようになった。
(「きっとそれも、大人になるために必要なプロセスだったんだろうと思うから」)
抑えるしかなかった気持ち。
誰にも言えない心の内を、昇華するのが詩作という手段だったのだ。
「あの時はポエム綴りたかったんだよね」
大丈夫。苦い思い出だけど、苦みの良さは大人になって分かるものだ。今なら苦笑いではあっても、笑って受け入れられる。
ノートの一文を、若かった自分の背後から、さよならの指先でなぞった。
文字が凍りついて、浮かび上がる。パキンと割れて、キラキラとダイヤモンドダストのように輝いて、舞って。
それと同時に過去の幻も、雪解けのように消えた。
……と、綺麗な感じで終わりましたけど。
最後にひとつだけ、詩織には言っておきたいことがあるようで。
「今だって好きな人に想いは告げられてないけど、ポエムは卒業しましたから!」
そうだね、そこはね。ちゃんと否定しておかないとね。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
なるほど黒歴史…黒歴史ね
僕的には現在進行形で女装だけど周りに推奨されるしむしろ男物着ても男装女子にしか見えない説まで浮上してるから諦めの境地に入ってます、えぇ
毎日が黒歴史、普通そんな事ある?
特にこのUCモード
魔法少女風の見た目もあって名乗り口上が割とセット
マジカル☆つゆりん華麗に参上!とか
これ以上の悪行はマジカル☆つゆりんが許さない!とか
しかも仲間にも見られてるんでね
仮にも成人男性になった僕がね
普通の女装なんて今更可愛いもんだよね
認めないけどね!!
この見た目で得する事もあるし背も止まってるから諦めたよ!
むしろいっそ皆可愛い成人男性魔法少女を崇めてくださいよろしくお願いします(投げやり
●
(「なるほど黒歴史……黒歴史ね」)
栗花落・澪(泡沫の花・f03165)にも、心当たりはあった。……いや、この場合はありすぎたと言うべきか。
す、とおもむろに下を向く澪。そこには可愛らしい異性装に身を包む己の身体があった。
もう一度言う。『異性装』である。
彼女ではない。れっきとした『彼』である。澪は。
現在進行形で『女装』なのである。そして余りに似合いすぎているのである。実際彼は、誤解を恐れず言うなら『女顔』であり、身長も男性にしては低く、寧ろ世間一般で言う成人女性平均……より、やや低いほどであり、体型もスレンダー女子と言って通じてしまうレベルの華奢なのだ。
むしろメンズファッションを試そうものなら逆に『男装女子』にしか見えない説まで浮上しているのだ。そう、そもそも女装自体、周囲に推奨され断るに断れずしているものである。
そう、澪は納得はしていないのである。諦めの境地に入っているだけで。
(「毎日が黒歴史、普通そんな事ある?」)
現在進行形で絶賛更新中である。
最早黒歴史どころか黒|現在《プリゼント》である。何が悲しくてこうなった。
因みに地の文も初めて来ていただいた時間違えてましたよね?(吐血)(黒歴史)(ほんとすみませんでした)
「……で、うん、やっぱりそうなりますよね、えぇ」
知 っ て た な顔で前を見つめる澪。目に光がない。
そこには、現在の澪と同じく、魔法少女風のフリルとリボンとレース全部盛りのプリンセスドレス姿の自分が複数名。
彼女……いや彼らは、口々に名乗り口上を告げていくのだ。最早お決まりのセットとでも言うように。
「マジカル☆つゆりん華麗に参上!」
「これ以上の悪行はマジカル☆つゆりんが許さない!」
「ハハハ」
あ、最後の乾いた笑いだけ本人です。目に光どころか生気がない。
「しかも仲間にも見られてるんでね、仮にも成人男性になった僕がね、普通の女装なんて今更可愛いもんだよね」
慣れとは恐ろしいものである。
ただ、これだけは言わせて欲しい。
「認めないけどね!! この見た目で得する事もあるし背も止まってるから諦めたよ!!」
嬉々として受け入れているわけではないのだ。そこは誤解なきよう!
……と、言っても今更変えようと思って変えられるものではないのだ。身内に全力阻止されそうだし、仮にそれを振り切ったとて正統派に男らしい系は残念ながら似合わないのだ。悲しいほどに自覚はある。
「むしろいっそ皆可愛い成人男性魔法少女を崇めてくださいよろしくお願いします」
そうなるともう、これこのように開き直るしかないのである。
観客席にウインク。投げやりでもカワイイ。そして背後で爆発する空気弾。爆風で舞い散る花びら。かき消える黒現在澪ズ。
澪はそのまま、激しく左右に振られる眩いオレンジのサイリウム群に、虚無の笑顔で手を振り返したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
劉・久遠
捨て去り難い言うたら学生時代の思い出……そういう話やなく?
あー……十数年経っても消えへん記憶はあるな
ってことでボクの黒歴史は『真夏の変態依頼に嫁さんと二人皆勤賞』ですよ
嫁と恋人同士になってからは毎度嫁に庇われてたっていうオマケ付きな
なんでボクら毎年あの依頼受けてたんやろう(遠い目
ほらもう案の定ステージに変態いとるやんー
ヘイ小森とホイ小松とハイ小丸の歴代真夏の変態らがラインダンスしとるのを
真顔でUCで凍らせざばーっと流します
こいつらまともに戦うてたら埒あかんから戦場全体技で一気にいく
忘れたい記憶はトイレに流すイメージで捨てればええらしいんで
骸の海の底でそのまま永遠に凍り付いとけー?
※アドリブ歓迎
●
「捨て去り難い言うたら学生時代の思い出……そういう話やなく?」
しみじみ語っていただいたところ、激しく同意はしますし非常に申し訳ないのですが、今回のは『むしろ積極的に捨てたいけど捨てられない』類のヤツです、ハイ。
ふむ、ともう一度思案する劉・久遠(迷宮組曲・f44175)。それからややあって、何か思い出したようでちょっとげんなりした顔した。
「あー……十数年経っても消えへん記憶はあるな」
そう、まさにそれである。消したいのは山々なのだが、脳裏にこびりついて消えてくれないのだ。インパクトが強すぎて。
同時に、目の前の景色が歪んだ。久遠は覚悟を決めた。
久遠の黒歴史、それは『真夏の変態依頼に奥様(※当時は交際前〜恋人)と二人皆勤賞』という、受動被弾型黒歴史であった。
なお、晴れて奥様と恋人同士になってからは毎度庇われていたというオマケ付きです。誰が呼んだか姫と騎士。なおここで言う『姫』は久遠の方です。なんなら未だに変わってない模様。
「なんでボクら毎年あの依頼受けてたんやろう」
ふと我に返る瞬間。言われてみればそう。
「ってほらもう言うてる間に案の定ステージに変態いとるやんー」
フリフリ浴衣スタイルなヘイ小森。
ハイカットビキニ&花柄パレオなホイ小松。
ミニ丈フリッフリホワイトウエディングドレス姿なハイ小丸。
なおいずれも胸に詰め物か筋骨隆々ギャランドゥの二者択一です。なにこのDEAD or DEAD。
奴ら真夏の変態共が、晴れ舞台と言わんばかりに無駄にキレッキレのラインダンスを披露している。なんならよく見たら奥の方の両脇にセイ小杉と、亜種の和蘭小町いません??
「北の守護神よ五行の水以て冬を齎せたまえ」
ノンブレス真武氷瀑陣。
亀さんと蛇さんの口から激流と冷気が迸り、纏めてカキーンと凍った上でざばーっと流されていく真夏(一部秋)の変態集団。
だってまともに戦ってたら埒明かないし。経験から学びを得ている久遠。そんな学びは要らんかった。
「忘れたい記憶はトイレに流すイメージで捨てればええらしいんで、骸の海の底でそのまま永遠に凍り付いとけー?」
あーれーと凍りついたままくるくる回りながら(器用だな)、変態集団は川の流れの彼方にキランと消えていく。願わくば二度と蘇らないでほしい。
「……はあ、相変わらず普通に戦うよりどっと疲れたわぁ……はよ帰って嫁さんと子供らに癒してもらお……」
奴らが本格的にオブリビオン化しないことを願いつつ、久遠は今は物言わぬアトリエに背を向けて、ステージから降りるのだった。
――斯くして猟兵達の|悲喜劇《トラジコメディア》は幕を引く。
†|黒歴史劇場《ストーリア・ネーラ・テアトロ》、|此処に閉幕《エピローゴ・クイ》†
「いやもう何言うてるかわからんて!!」
大成功
🔵🔵🔵