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シャングリラ☆クライシス③〜きらめくアイスは友情の味!

#アイドル☆フロンティア #シャングリラ☆クライシス #第一戦線 #神格者『イエロータイガー』

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#神格者『イエロータイガー』


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●これって最強!? |神格者《アイドル》によるお料理パフォーマンス!
「みんな、こんにちは! イエロータイガーだよ!」
 オレンジ色と菫色の衣装を纏った少女が笑う。それは猟兵たちが今まで戦ってきた恐ろしいオブリビオンとは程遠い、純粋であどけないアイドルの笑顔だ。
 彼女が大きく手を振れば、サイリウムと化した観客たちは全力で全身を振るう。
「今日はこの広いミラクル☆キッチンからお届けするよ! あたしの料理、気に入ってくれると嬉しいな。是非とも最後まで楽しんでね!」
 キラキラでフワフワなステージはまるでキッチンのよう。いや、実際に料理ができる本物のキッチンなのである。
 料理が得意なイエロータイガーはありとあらゆる料理を、綺麗に、丁寧に、そして可愛く作り上げていく。その一級品のパフォーマンスに観客たちは視線も心も奪われていくのだった。
 次々と並べられていく料理はどれもきっと、いや、絶対に美味しいのだろう。見た目だけではなく、素材や味にもこだわっている彼女の腕にはプロも顔負けだ。よって様々な界隈から彼女のファンがどんどんと増えていく。爆上がりである。

 だって、料理はみんなを繋げるハッピーだから!

「よーし次は、んー……そうだ! 次は『アイス』を使った料理をどんどん作っていこうかな! 良かったら誰か食べてくれない?」
 さり気ない一言が観客たちを湧かす。
 最強のアイドルにしてプロの料理家、イエロータイガーに対抗できるアイドルはもはやいないのだろうか。トラの姿をした可愛らしいパフェが、キラキラと、ニコニコと、ステージを眺めていた。


●ミラクル☆キッチン~食レポはアイドルのたしなみ
「皆さんお疲れ様です! ご存じの通り、アイドル☆フロンティアが大変なことになってしまいました!」
 グリモアベースに集められた猟兵たちをローズウェル・フィリンシア(太陽と月の神子・f09072)が迎えると、すぐに今回の事件について説明を始めた。
 おさらいをすると、今、アイドル☆フロンティアでは世界中が『アイドルステージ』と化してしまっている。その影響により、人々はサイリウムやオブリビオンとなってしまったのだ。
 世界を一瞬にして変え、支配者となった謎の少女『クオリア』や、彼女から作り出された『|神格者《アイドル》』たちからこの世界を取り戻す。それが今回の戦争『シャングリラ☆クライシス』である。

「今回は最強のオブリビオンのひとり『イエロータイガー』の元へ向かっていただきます! と言っても戦う必要はありません。皆さんに行っていただくのは……お料理と食レポ対決だからです!」
 イエロータイガーがいるのはミラクル☆キッチンと呼ばれるステージだ。そこでは彼女が様々なお題の料理を作り、解説をし、食レポまでこなす、まさに料理に特化した場所なのだそう。
「アイドルとして、イエロータイガーとお料理対決をして貰います。お料理を作ったらお互いのものを食べ合い、素敵な食レポをしてあげてください。相手を料理で唸らせたり、相手より魅力的な食レポができれば勝ちです!」
 食レポは嘘偽りのない言葉をならべるべきだとローズウェルは言う。というのも、この世界ではステージを見守る観客たちの応援が自分たちパワーに直結するからである。悪い行いはお見通し。マイナスになるのだ。
「イエロータイガーはプロ級のアイドルなだけではなく、お料理も食レポも完璧なプロです。様々な層の観客たちが彼女の虜となってます。お料理も美味しいでしょうし、食レポも素敵でしょうね」
 強敵とも思えるイエロータイガーだが、彼女にはこう呼ばれている。『友情を司る|神格者《アイドル》』と。
 彼女のために、観客たちのために、世界のために――そして自分のために! 作ることも食べることも、会話をすることも楽しめばいい!
「そう、彼女は友情を何よりも大切にします。真心こめて作って、お互いに美味しく食べて、認め合えれば、必ず喜んでくれるはずです! それできっと認めてくれます……えぇ、きっと!」

 これから猟兵たちが向かうステージでは、イエロータイガーは『アイス』をお題として楽しく調理中だ。彼女はトラの姿をした可愛らしいパフェを楽しく作っているだろう。
 コーンフレークを敷き詰めた容器にチョコソースを掛けた後、クリームとフルーツ(バナナやキウイ、イチゴが使われている。食べる最中でも飽きさせないためだろう)の層を作る。その上にまあるいバニラアイスを乗せ、お菓子とチョコペンでタイガーな顔を作れば出来上がり。
「皆さんも『アイス』を使った料理を作ってくださいね。もちろんパフェでもいいですし、クレープやかき氷に乗せたアイスとかも行けそうですよね。アイデアはお任せします。是非、楽しんできてくださいね!」
 最後にローズウェルは元気よく声を掛けると、準備を終えた猟兵たちを戦場へと送り出した。
 辿り着く先は満員御礼、キラキラ輝くスペシャルステージ――!


ののん
 お世話になります、ののんです。

 ●状況
 アイドル☆フロンティア『シャングリラ☆クライシス』の戦争シナリオとなります。
 1章で完結します。

 ●戦場について
 |神格者《アイドル》『イエロータイガー』との楽しいお料理&食レポ対決です。
 作った料理をお互いに食べ、素敵な食レポをしましょう。
 本シナリオでは『アイス』を使った料理であれば何でも作ってOKです。
 イエロータイガーは喜んで美味しく食べてくれると思います。
 食レポに力を入れるか、料理作りに力を入れるか、両方を頑張るかはお任せいたします。
 また、誰かとタッグを組んでも構いません。

 直接的な戦闘はありませんが、『アイドルステージでの戦闘』に基づくため、相手だけではなく観客たちの心を掴むこともお忘れなく!

 プレイングボーナスは以下の通りです。

 ====================
 プレイングボーナス:イエロータイガーの料理を食べ、魅力的な食レポを行う。/美味しい料理を作り、イエロータイガーに食べさせる。
 ====================

 ●プレイングについて
 受付はいつでも。『#プレイング受付中』のタグがある間だと採用率は高めです。

 キャラ口調ですとリプレイに反映しやすいです。
 お友達とご一緒する方はIDを含めた名前の記載、または【(グループ名)】をお願い致します。
 同時に投稿して頂けると大変助かります。

 以上、皆様のご参加お待ちしております。
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第1章 ボス戦 『神格者『イエロータイガー』』

POW   :    アイドル・ブリリアンス
全身に【無数の三角形のオーラ】を帯び、戦場内全ての敵の行動を【黄金のキラめき】で妨害可能になる。成功するとダメージと移動阻止。
SPD   :    リング・オブ・フレンズ
自身が【友情】を感じると、レベル×1体の【かわいいトラ型オブリビオン】が召喚される。かわいいトラ型オブリビオンは友情を与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ   :    イエローフラクタル
対象の攻撃を軽減する【黄金の最強アイドル】に変身しつつ、【分裂する三角形のオーラ】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:そは

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スミス・ガランティア
アイスと聞いて!(アイス大好き神様颯爽登場!)

ふむふむ。食レポってのはよく分からないけど、感想とか褒め言葉をいえばいい感じかな?

そしたら、素の口調で、本気で食レポとやらをさせてもらおう!(神様モードに)

ふむ。まずもって見た目が愛らしいな。とても猛獣の虎を扱ったとは思えぬ。そして何より……溶けだしてきたいい塩梅のアイスを出してきたな? これによって冷たすぎず、優しい甘さを出せるようにしたわけか。工夫がなされていて実にいいアイスだ。お前の誰かを思う気持ち、しかと受けとった。

味もフルーツ、バニラ、チョコレート……飽きさせない編成だな。それぞれ違う味で舌を楽しませてくれるし、どれもやはり優しい甘さをくれる。とてもいい組み合わせだ。

このアイス、とても優しさが込められている。素晴らしい。



 アイスと聞けば黙っていられないのが氷と虚像の神、スミス・ガランティア(春望む氷雪のおうさま・f17217)。食レポとやらは分からないけど、とりあえず感想を言いながら美味しいアイスが食べられるのなら良し!
 やたら賑やかでピカピカなステージに立たされてしまったが、そんな場所でも見劣りしないその風貌はまさに神アイドル。
「眩しいな……」
 太陽でもないのに溶けてしまいそうだと、スポットライトの光を眩しそうに手で遮る。目が慣れるまでには少し時間が掛かったが、その仕草に|落ちた《・・・》観客が既にいたことを彼は知らない。
「ようこそ、来てくれてありがとう!」
 嬉しそうにスミスを迎えてくれたのはイエロータイガー。オブリビオンとして純粋な思いを込めたものか、それとも救ってくれると信じたものか。それは彼女のアイスを食べればきっと分かるはず。
「ふむ、これが例のパフェか。早速――と、その前に」
 ただ食べるだけではフェアではないと、スミスは小さな箱をテーブルに置く。神の力によって冷えた箱を開ければ、その中から出てきたのは氷河や冬の夜空のような美しいアイスの数々。凍ったクリームが白波や雪を連想させ、散りばめられた氷もまたアイスを引き立たせる素敵な装飾となっている。
 観客もイエロータイガーもとびきり驚き、目を輝かせてスミスの持ってきたアイスを見つめた。
「わぁ綺麗……! 食べるのが勿体ない! これ本当にあたしが食べちゃっていいの?」
「勿論だよ! いいものはどんどん共有したいじゃないか。そうだろう?」
「!」
 スミスの言葉に目が覚めたかのような表情を一瞬見せると、イエロータイガーは大きく頷いてみせた。とびっきりの笑顔だった。

「では改めて、かな。食レポってのを始めようか」
「そうだね! あたしもいただきます!」
 こうして二人の|食レポ対決《試食タイム》は始まった。ステージを様子を見守る観客たちは、ある者はドキドキしたり、ある者は羨ましそうにしたりと、様々な反応を見せている。
 まず話し始めたのはイエロータイガーだ。
「まず見た目だけど……言うまでもなく、見てるだけで涼しくなるアイスだよね! 青色と水色、白色が本当に綺麗なの。このまま飾っちゃいたいくらいだけど、味も気になるんだよね。どんな味なのか、実はまだ想像ができないんだ」
「どれでも好きなものを食べてみるといい。さぞかし驚くだろうな。味の保証はするけどね」
「へぇ楽しみ! じゃあ最初はこの左側のアイスを……っ、ふーん!? これはまさかのヨーグルト味!? そしてこの氷っぽいのはソーダキャンディーかな? ふんわりほどよい酸っぱさと、シュワっとする感じがマッチしてすっごく美味しい! うわぁ、この凍ったクリームも甘くて大好き!」
「このクリームが好きとは分かってる! これはな……」
 口の中に広がるアイスの味をゆっくりしっかりと味わうイエロータイガー。スミスとの会話も弾んだ結果、思わずパクパクと食べて完食してしまった。その満足そうな顔を窺うからに、大変お気に召したようだ。

 アイスに厳しいスミスは真剣に評価しようと決めたのか、神らしい威厳を見せながら言葉を並べ始める。
「ふむ。まずもって……見た目が愛らしいな。とても猛獣の虎を扱ったとは思えぬ。あぁ勿論これは良い意味で、だ。自身の象徴たる動物なのだから、モチーフにしてアピールも兼ねるのはアイドルとして当たり前だな」
 可愛らしいトラと見つめ合うと、自然とこちらも微笑んでしまう。その顔をスプーンで崩してしまうのは勿体ないが、試食をしないと話が進まない。しゃく、と頭の部分をすくう。
「……ほう、溶けだしてきたいい塩梅のアイスを出してきたな? これによって冷たすぎず、優しい甘さを出せるようにしたわけか。これなら下の層にも絡めて食せるな。まさに最後まで楽しめるアイスと言ったところか」
 ドロドロ溶けすぎたアイスはナンセンスだが、そこまでには至らない溶け具合が何ともグッド。イエロータイガーはそこまで計算していたということだろう。
 口に運ぶと、バニラのまろやかな味が舌に馴染んだ。お菓子とチョコソースはあくまでメインではないようで控え目な味付け。それにより少し溶けたアイスとの相性は抜群だ!
「パフェ故にいくつもの層が作られているが、ただ見た目通り順々に食べるだけでないのもいいポイントだ。味もフルーツ、バニラ、チョコレートと……飽きさせない編成だしな。それぞれ違う味で舌を楽しませてくれるし、どれもやはり優しい甘さをくれる。とてもいい組み合わせだ」
「本当に? ありがとう! そこまで見てくれるなんて嬉しい!」
「何、工夫が多く見られるいいアイスだ。これを食べる相手や、お前の誰かを思う気持ち、そして何よりとても優しさが込められている」
 冷たいのに温かい。そんな不思議な現象すら感じられるものだと。
「そ、そうかな……?」
 イエロータイガーは視線を反らす。照れ始めたようだ。
「偽りがあるものか。眠っていたにせよ我は神だ。お前のアイスに対する思いはしかと受け取った。素晴らしいものであると認めよう」
 スミスが手を差し出すと、イエロータイガーも喜んで手を伸ばし、二人は固い握手を交わす。
「わぁ嬉しい! ありがとう! あなたのアイスもすっごく良かった! これであたしたち、アイス仲間かな?」
「アイス仲間、だと……! そうだな、また機会があるなら新作アイスを堪能させてもらおう」
 いつしか結ばれた友情に、観客たちも大きな拍手を送るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

池神・聖愛
なるほど!ならば…黄色でデリシャス☆アイドルな私の出番ですね!
アイドル☆チェンジ!

アイス!せっかくですから、あたしも作りますね!
作るのは『バニラアイスとブルーベリージャムを添えたパンケーキ』。ほかほかパンケーキに染みるバニラアイスもいいものです。ジャムで味変もいけますし。
お互いにお口をさっぱりさせるための紅茶も用意しますね!
作った理由ですか?せっかくなら、作ったお料理を交換して楽しみたかったからです!

そして、パフェはいただきます!
(可愛いトラを崩すのにしばらく躊躇した後)うーん、美味しい!この…チョコとアイスはもちろん、フルーツの甘みにフレークのザクザク感で…食感も楽しめますね!



 このステージに立つアイドルとして彼女、池神・聖愛(デリシャス☆マリア・f45161)を参戦させない手などない。
「同じ黄色でデリシャス☆アイドルだなんて! きっと仲良くなれますよね!」
 親近感を覚えて聖愛はステージの袖へ。でもその前にお決まりのアレ!
「アイドル☆チェンジ! デリシャス☆マリアの登場よ!」
 キラキラと光に包まれ、アイドルへと大変身! 手を振りながらステージへ向かうと、観客たちは大いに盛り上がり、イエロータイガーも手を振り返して出迎えてくれた。
「こんにちは! アイス対決ならあたしも挑戦してみたいな!」
「もちろん受けて立つよ! キッチンなら自由に使ってね!」
「ありがとう、ちょっとお借りするね!」
 礼を言ってから早速キッチンへ向かうデリシャス☆マリア。慣れた手付きで調理器具と材料を揃えると、鼻歌を歌いながらてきぱきと調理を開始した。
 アイスの準備もしながらボウルで作り始めたのはパンケーキの生地。空気を入れながらぐるぐる丁寧にかき混ぜ、大きなフライパンでふんわりと焼き上げる。その上にバニラアイスとブルーベリージャムを添えれば完成! 料理パフォーマンスに観客たちも思わず釘付け!
「っと、これも忘れちゃいけないよね!」
 スイーツだけでなく、実は紅茶やコーヒーも嗜むデリシャス☆マリア。今回はデザートに合う紅茶をご用意。イエロータイガーも紅茶に興味津々だ。
「わぁ、素敵な組み合わせ……! 試食がすっごく楽しみ!」

 出来上がったパンケーキのセットがイエロータイガーの前に並べられる。デリシャス☆マリアもパフェを目の前に両手を合わせて、
「いただきます!」
 二人の試食会が始まった。いや、これは食レポ対決である。しかし世界の危機である空気は微塵も感じられない。非常に和やかだ。
 トラの可愛い顔を崩すのには大分躊躇ったが、しばらくにらめっこをした後、意を決してスプーンで後頭部をぱくり。
「うーん、美味しい! バニラビーンズのふんわりした香りが最高! アイスも丁度良くとろけてる感じがすっごくいい! そしてこの……チョコとアイスはもちろん、フルーツの甘みにフレークのザクザク感……食感も味も最後まで楽しめていい感じ!」
 デリシャス☆マリアが美味しそうに食べる中、イエロータイガーも同じく満足そうに頷きながらパンケーキを食べていた。
「うんうん、バニラアイスと出来立てパンケーキって、どうしてこんなに合うんだろうね。ブルーベリージャムも、どっちにも合う味であたし好み! そしてこの紅茶! なんだかほっこりするというか、不思議と懐かしい気持ちになっちゃうね」
 イエロータイガーには分からない。この気持ちが何なのか、思い出せそうで思い出せないような。だけどデリシャス☆マリアには分かった気がした。
「あたし、今回パンケーキを選んだ理由は明確にはないの。ただ作ったお料理を交換して楽しみたかったから……それだけなの!」
「……!」
 ただ純粋に楽しんで欲しいと、誰かのために作ること。きっとオブリビオンになる前のイエロータイガーも、そうやって楽しんでいたはずなのだ。もちろん、今もその気持ちは失われていないはずだ。
「素敵なパフェ、ごちそうさまでした! 次があったら、イエロータイガーさんの他のお料理も食べてみたいな!」
「ありがとう! あなたのパンケーキと紅茶、とっても大好きだったわ!」
 二人が笑顔で会話する様子は、観客たちの心に残り続けることだろう。アイドルとしてだけではなく、ただ普通の、可愛い少女たちがそこにいたのだと――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

新城・璃々
連携・アドリブOK

アイドル力と料理なら先輩猟兵に負けない!

アイドル衣装を纏い、音楽と共に【指定UC】を発動
歌い踊りながら超高速で手作りアイスからの、アイスの乗ったメロンソーダ、アイスクレープ・チョコソースかけと作っていく
もちろんトッピングに映えも忘れない
相手の料理は超率直に褒める、貶すのはアイドルじゃない!

とっておきとしてUCを使わず、用意したカチカチのアイスをそのまま(実は春巻きの皮で包んである)高温の油で15秒ほど揚げる!
そしてあげてすぐ食べてもらう、1分もしないうちに溶けだしてグダグダになるし!
外の熱々さと中身の超ひんやりの相反する温度感、そして春巻きの皮のパリッという三重奏!



 猟兵たちとの交流が進み、心のテンションも徐々に上がってきた頃合い。そんなイエロータイガーの元へ、一人のアイドルが名乗り出る。
「素敵なステージ! 私も混ぜて!」
 持ち前のアイドル力と料理なら先輩猟兵にも負けない! そう意気込む新城・璃々(パーフェクトデリシャス☆アイドル・f45151)は元気にステージへ飛び出した。
「さあ、おいしい料理を食べよう! アイドル☆クッキングの始まりだよ!」
 ここでは好きなだけ歌って踊ってもいいし、好きなだけ料理をしてもいい、そんな夢のような場所だ。であればデリシャスでパーフェクトなアイドルである彼女の超有利ステージと言っても過言ではない。
「見逃さないでよね! どんどん作っていっちゃうんだから!」
 くるくると泡立て器を回すと、鼻歌を歌いながら料理をし始めた。器用にダンスパフォーマンスを見せながらも、同時に進める調理の手付きは非常に慣れていた。その様子をイエロータイガーも観客も思わず見入ってしまう。
「すごーい! どこで習ったの!? アイドルとしても料理人としても無駄のない動き、とっても素敵!」
 あっという間に完成したアイス。しかし璃々がお題である『アイス』を作っただけで終わらせるはずがない。本番はこれからだ。
「まだまだ! アイスと言ったらこれだよね!」
 観客やイエロータイガーにそう投げ掛けると、次に作ったのは爽やかな緑色のメロンソーダ。もちろん乗せるのは先ほど作った手作りアイス。
 その次に作るのはアイスクレープ。いい香りのしそうな生地から作ったクレープにアイスを包み、チョコソースの線を描けば、それはまるで高級料理のよう。おぉ、と観客からの歓声が璃々の耳に入ってくる。そのたびに彼女の心は跳ね上がるように嬉しくなる。
 (「あの子の料理する姿、くるくる回って可愛いのはもちろんだけど、何よりとっても楽しそう!」)
 彼女を一番近くで見ているからこそか、イエロータイガーは忘れかけていた何かを感じていた。まだ勝負は始まってすらいないのに、自然と笑みが零れる。
「それじゃあ最後! しっかり見ててね、とっておきだよ!」
 璃々がウインクをしながらキッチンコンロに置いたのは、なんと大量の油が敷き詰められたお鍋。そこへ豪快にも凍ったアイスを放り込む! じゅわっと鳴り響くアイスの音とそのパフォーマンスに全員が驚きの声を上げる。もちろん料理家のイエロータイガーはそれが何なのか、すぐに理解した。
「フライドアイスクリーム……!」
 さっと短時間で揚げられたアイスは綺麗な黄色の衣を纏い、その姿を露わにした。フライドアイスクリーム、アイスクレープ、メロンソーダがテーブルに揃ったところで璃々は両腕を広げる。
「お待たせ! これで完成だよ!」
「わぁ、お疲れ様! それじゃあ、一緒に試食タイムしよっか!」
 イエロータイガーが作ったトラのパフェもテーブルに並べられ、待ってましたと言わんばかりに璃々も両手を合わせて早速食べ始めた。
「んー、幸せ……♪ アイスとチョコのバランスもいいし、クリームとフルーツの層も彩りよくて美味しい!」
 料理だけでなく食べることにも全力な彼女の姿に、イエロータイガーもどこか嬉しそう。
「ありがとう! あなたのフライドアイスクリームも、難しいのに加減バッチリ! 高級なお味が口いっぱいに広がる~! アイスクレープもしっとり柔らか、チョコの甘さがスゴい合うし、メロンソーダもアイスとの相性抜群で懐かしい味がするよ!」
 すべてを見届けたイエロータイガーは璃々を称賛し、握手を求める。璃々もどことなく照れ臭そうに手を伸ばし、固く握り締めたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バロン・ゴウト
さて、お題はアイスを使ったお料理。
なら、大人な味のアレを作るにゃ。
まずは器に粗めに砕いたビスコッティやナッツを盛りつけ、エスプレッソを淹れるのにゃ。
それからミルクアイスを盛りつけ、ミルクピッチャーに注いだアツアツのエスプレッソを添えれば、アフォガードの完成にゃ!
さあ、召し上がってくださいにゃ!

こちらがイエロータイガーさんの作ったパフェだにゃ。
まず見た目が可愛いのがステキなのにゃ♪(スプーンを構えつつ)
フルーツの酸味がアイスやクリームを引き立て、食べ飽きせずさっぱりとした味わいなのにゃ。
底に敷かれたコーンフレークやチョコソースのバランスも絶妙なのにゃ!
真心こめて作られた素晴らしいパフェなのにゃ♪



 次にステージに登場したのは黒猫のバロン・ゴウト(夢見る子猫剣士・f03085)。もちろんこの|見た目《種族》だ。文句なしに可愛いに決まっている。
「わ、可愛いおひげの子!」
 それはイエロータイガーにも当てはまることであり、観客と同じ反応を示してみせた。
「お邪魔するにゃ。ボクも作りに来たのにゃ。まだお腹は大丈夫かにゃ?」
「うん、あたしはまだまだ元気! 大丈夫だよ!」
「よかったにゃ! それじゃあ、キッチンをお借りさせてもらうにゃ」
 スターフェアリーなどの小さな種族用に用意されたものであろう、横長の土台をキッチンの前に置き、その上に乗ればお料理スタート!
「ええとまずは……あった、これにゃ」
 荷物の中からごそごそと探したのはアイス、ではなくビスコッティやナッツ類。それをざっくりと砕くと丸い器に敷き詰めていく。その間に稼働させたのはエスプレッソマシンだ。
 その様子を見たイエロータイガーはすぐに察した。これはきっと、アフォガードを作ろうとしている!
「これでアイスを乗せて、エスプレッソを添えれば……完成にゃ!」
 真っ白なアイスと小さなミルクピッチャーをイエロータイガーの元へ運ぶバロン。正直、これを用意するとは彼女も予想していなかっただろう。
「ありがとう! 随分とお洒落なもの作ったんだね。それじゃあ試食タイム、いただきます!」
 両手を合わせた後、イエロータイガーは早速エスプレッソをゆっくりアイスに掛ける。まだ食べてすらいないのに、既に美味しいであろうことが伝わってきた。
「おっと失礼。食べる前に、これにゃ」
 と、食べる前のアイスにそっと何かを付けるバロン。その手が引いた後を覗くと、なんとエスプレッソの掛かったアイスの上に白いおひげのピックが刺さっている!
「っ! これはまるで……!」
 作り主にそっくり!
「イエロータイガーさんのパフェもトラなのにゃ。だからボクも真似してみたにゃ」
 自身をアピールするというのはアイドルならでは。イエロータイガーも観客も、これには心打たれたようだ。
「うぅ、勿体ないことを……! で、でも食べなきゃだよね!」
 アイスが完全に溶けてしまわぬうちに、ナッツと一緒にアイスをぱくり。広がるミルクアイスとエスプレッソの香り、そしてナッツの食感。
「んー美味しい! 素敵でさっぱりとした味わい! 一口で食べちゃいたい! けどそんなの勿体ない!」
 葛藤するコメントを口にしながらも、満足そうに味わうイエロータイガーはとても幸せそう。
 彼女の反応にホッとしたバロンも、トラのパフェをぱくり。彼もまたこれを楽しみにしていたのだろう。
「うんうん、フルーツの酸味がアイスやクリームを引き立て、食べ飽きせずさっぱりとした味わいなのにゃ。底に敷かれたコーンフレークやチョコソースのバランスも絶妙なのにゃ!」
 見た目も可愛かったけど、それだけで妥協せず味や作り方にもこだわっている。そう素直に感じることができるものだ。
「真心こめて作られた素晴らしいパフェだにゃと、ボクは思うのにゃ。きっとイエロータイガーさんも、楽しく作ったんだろうにゃ♪」
「楽しく……うん、そうだね。愛情たっぷりのパフェだもの!」
 にっこり笑うイエロータイガーに、オブリビオンの恐ろしい片鱗など感じられなかった。ありがとう、と差し出された手を、バロンも喜んで握り返した。そこから伝わるのは、ただひとつ。『友情』の二文字だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紫・藍
あやー!
美味しいのでっす!
とっても、とっても美味しいのでっす!

タイガーのお嬢さんのアイスのあまりの美味しさにお目々キラキラ藍ちゃんくんなのでっす!
食レポと言いまっすが、時に言葉で飾るのが無粋なこともあるのでっしてー!
直球ド直球に褒める言葉しか出てこない!
そんな時もあるのでっす!
ですがですが言葉が全てではないのでっしてー!
きっと今の藍ちゃんくんは!
全身で美味しさを表現しているかと!
藍ちゃんくんの一挙一動そのものが食レポなのでっす!
お嬢さんにも観客の皆様にも藍ちゃんくんの想いが伝わるかと!

藍ちゃんくんのアイスは藍ちゃんくんとお嬢さん、だけでなく、ライオンのお嬢さんとクオリアのお嬢さんの顔をディフォルメで模したアイスなのでっす!
観客の皆様も見て楽しめる愛らしさなのでっす!
はいなのでっす。
神格者のお二人だけでなく、クオリアのお嬢さんも笑ってるアイスなのでっす。
苦しんでいるお嬢さんの笑顔を取り戻す。
そんな決意と約束も込めたアイスなのでっす!
これがタイガーさんの友情に応える未来の味のアイスなのです!



「あやー! 美味しいのでっす!」
 紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)はパフェを食べていた。
 イエロータイガー特製のトラのパフェは可愛くて、そして美味しい。それ以外の何者でもない。だから来て早々にいろいろな角度から写真を撮ったし、少し時間が掛かっても一口一口を大事に食べたりもした。
「アイスはもちろん、クリームもフルーツもフレークも全部美味しいのでっす!」
 非常にシンプルで率直な感想。が、食レポが言葉だけではないことを藍が語ってくれている。頬に手を当てたり、体を震わせたり、何より幸せそうなその表情。それが何を伝えようとしているのか、遠くから見ている観客ですらよく分かるのだから。
「そんなに気に入ってくれたの?」
「当たり前でっす! これはタイガーのお嬢さんが作ったもの! その手で作られたというだけで、この子もきっと喜んでるのでっす! 藍ちゃんくんも、観客の皆様も、お嬢さんもみんなハッピーでっす!」
 そんな返しを聞いたイエロータイガーは、そっか、と何かに気付かされた表情を浮かべる。
「この子も喜んでる、か。……いいねその表現!」
 自身の作ったアイスと顔を見合わせてみるイエロータイガー。にこにこ笑うパフェに、彼女も自然と微笑んだ。

「それとそれと! こちらも忘れてはいけないのでっして! 藍ちゃんくんのお手製アイスでっす!」
「あっと、そうだった! 待ってたよ! どんなアイスを用意してくれたのかな?」
 ふと本題を忘れかけていたイエロータイガーが慌てて進行を再開させる。とはいえ楽しみにしていたのは事実であり。
(「アイスの種類は既にいろいろ出た気がするけど……次はどんなものかな」)
 今まで猟兵たちが出してくれた料理の数々を思い返す。どれも素晴らしかった。だからきっと彼が出してくれるものも素敵に決まっていると期待した。
 藍がテーブルに並べたアイスは四つ。
「じゃじゃん! 藍ちゃんくんとお嬢さん――だけでなく、ライオンのお嬢さんとクオリアのお嬢さんのアイスなのでっす!」
 なんと、四人の顔を可愛らしく模したアイスが登場したのだ。デコられた顔はどれも特徴を捉えていてそっくり。みんなキラキラハッピーに笑っている。
「っ……!!」
 これまた予想をはるかに超えたアイスだった。イエロータイガーが一歩後退りしたのはショックだったからではない。思わぬ衝撃を受けたのだ。
「クオリア……」
 レッドライオンだけでなく、あのクオリアまでもが笑っている。それを見たのも、いつ振りなのだろう。それも骸の海へ消えてしまった記憶なのだろうが。
「はいなのでっす」
 そんな彼女に、藍は言葉を続ける。
「|神格者《アイドル》のお二人だけでなく、クオリアのお嬢さんも笑ってるアイスなのでっす。苦しんでいるお嬢さんの笑顔を取り戻す。そんな決意と約束も込めたのでっす!」
 これは素材がどうとか、作り方がどうとか、決してそういった説明が必要ではない作品。藍がイエロータイガーに送る、思いの具現化なのだ。
 世界を脅かすオブリビオンと化してしまった以上、今すぐはどうにもならないが。いつか、きっと、未来で。
「また一緒に笑い合える、かな?」
「それはそれは、食べてみれば一目瞭然なのでっす!」
 そう背中を押され、勿体ないけど、と躊躇いながら意を決してアイスをパクリ。
 ああ、甘い。美味しい。アイスが笑っている。

「――はい、なりますとも! だってこれが、タイガーさんの友情に応える未来の味のアイスなのですから!」
 アイスが輝く。スプーンが輝く。ステージも、観客も、みんなみんな輝く。
 イエロータイガーの頬も、涙がいっぱいで輝いた。
「……ありがとう、猟兵のみんな」
 必ず、あたしたちを、あの人を、救ってあげてね。
 そう囁いたように見えたイエロータイガーは、キラキラと光に包まれ、紙吹雪や紙テープへと姿を変えた。
 オブリビオンとして敗北を認め、アイドルとして友情を覚えた彼女は、風に舞って観客席へと降り注ぐ。
 藍は金色の紙テープを一枚掴み取ると、にへ、とギザギザ歯を輝かせた。
 そこにはイエロータイガーのサインと、可愛いトラのマークが記されていたのだ。

「藍ちゃんくんも皆さんも知ってるのでっす。お嬢さんの作ったアイスだって、二人のために作ったんですよね? そうに決まってたのでっす!」
 かくして、イエロータイガーのミラクル☆キッチンは最高潮にして幕を閉じるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年09月05日


挿絵イラスト