ノイズ混じりの音声とともに、ケーカク・スレッド(人間のガジェッティア・f45568)と名乗る男の猟兵が依頼の内容を伝える。機械越しであることを考慮しても、先ほどの無機質な音声と同じぐらい淡々とした声音だった。
日本の片田舎に放棄された、とあるUDC支部跡の廃墟。かつてはUDC組織の研究室やオフィスが存在した場所の地下深くに、実はまだ過去に収容されたUDC怪物が残されていることが、グリモア猟兵の予知によって発覚した。
どのようないきさつで収容状態のUDC怪物が残されていたのかは今のところ不明であるが、どうあれ放置すればこの怪物はいずれ封印を破り、廃墟の外に出て事件を起こし始めるかもしれないとのこと。
閉鎖された支部跡に赴き、廃墟を探索して、このUDC怪物への対処を行ってほしい。また、支部跡には怪物の資料が残されているかもしれない。それらを回収し、怪物の対処に活用すること。
「UDCは撃破を望んでいますが、僕個人は研究続行のために再封印が好ましいと考えています。いずれにせよ、この案件を放置するわけにはいきません。もしあなたが依頼を受けてくださるなら、蒸気ドローンの案内に従って、指定のグリモア猟兵と合流してください」
「依頼を受けてくださる猟兵へ、僕から協力への感謝を伝えておきます。そして、武運を祈っています」
azalea
こんにちは。azaleaと申します。
今回のシナリオは片田舎のUDC施設廃墟を探索するものになっています。
第一章は冒険。放棄され廃墟となった施設で、UDC怪物や施設そのものに対する調査記録、ログ等を探します。そうしていくうちに、地下に封印された怪物についての情報が見えてくるでしょう。
第二章は集団戦。放棄された施設に引き寄せられた化け物たちが、猟兵たちの行く手を塞ぎます。妨害する存在を排除しながら、怪物が封印されているであろう部屋へ向かいます。
第三章はボス戦。ついに封印の部屋までたどり着いた猟兵たちは、そこで強大な存在を目の当たりにするでしょう。今までの情報を利用し、束の間でも平和を取り戻しましょう。
第1章 日常
『UDC支部廃墟探索』
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POW : 手当たり次第に資料を漁る
SPD : 鍵のかかった棚や金庫を調べる
WIZ : 魔術的な儀式の記録を探す
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アリス・ダークネス
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
待っててねセレナちゃん。今、ねぇ様が迎えに行くから。いやー、『あの子』の|別人格《ダークネス》扱いで復活するとは、世の中何があるかわからないものね。あ、|今のセレナちゃんにはアリスと一つなった『あの子』がねぇ様か。《エピソード記憶》ま、ヤることは変わらないわね。
さて、探索ね。|虚無を映す漆黒の液体たるこの肉体を影のように広げてー、かたっぱしから情報を食べていきましょ。《肉体変異、影使い、不思議な呪文、禁呪、大食い、カロリーチャージ、おやつタイム》ああ、大丈夫よ、食べた情報はいつでも知識として|取り出せるから。《召喚術》
廃墟となったUDC支部の廊下を、光を感じさせぬ漆黒が歩いていた。その足取りはまるで遊園地を彷徨う少女のように、あるいは、獲物を探す猛獣のように。コツ、コツと音が響いている。
――漆黒、アリス・ダークネス(闇の種族の悪霊・f44186)は、この廃墟にいるであろう存在を探すため、資料が集まった部屋を探し出す。
●魔術資料室
廃墟となったこの支部の外見から予想できる通り、この部屋も荒れ果てていた。
かろうじて生きている照明と、窓から差し込む陽の光が埃を照らしている。その下には、大量の散乱した資料たちが放置されている。
「探索ね、かたっぱしから情報を食べていきましょ。真なる『夜』の到来《デモニックエクリプス》を応用すれば...」
そういってアリスは自らの肉体を”広げた”。窓が漆黒に塞がれ、照明が闇に包まれた。まだ外は明るいというのに、部屋は一瞬にして完全な暗闇に覆われる。魔術レポート、標本、コンピュータ記録...そういったあらゆる情報が、彼女に、彼女の漆黒に飲み込まれていく。
「これは違う、これは違う...ん、これね!」
目当ての情報を手に入れたアリスへ、一斉に漆黒が戻っていく。
●情報
ここに封印されたるは、『『『夜』の吸精姫』セレナ・ロックハーツ』。かつてこの支部ではUDC製の特殊鏡『ワンダーランド』を用いて、彼女を封印、そして記録データを取っていたらしい。彼女は『ねぇ様』を渇望しており、その欲望を鏡によって抑え込むことで、無力化を図っていた。現状を見れば、それが成功かは疑問だ...
「待っててねセレナちゃん。今、ねぇ様が迎えに行くから。」
夜がまた、歩みを進める。
成功
🔵🔵🔴
ウーシャン・ラビットポスト
うっしゃ、うーしゃんの助けが必要うしゃ?
なら仕事ほっぽり出して助けてやるしゃ!
UCの使う時はUCで自分の近くに作った入口に入って、敵の死角に作っておいた出口から出て敵に奇襲攻撃うしゃ!卑怯じゃないうしゃ立派な戦略しゃ
攻撃はうーしゃんキック(ただの蹴り。とても痛い)で攻撃するけど、時と場合によっては加減したり別の行動取るしゃ
うーしゃんはうーしゃんの好きなように行動するけど、他の面子の邪魔になったりこーじょ…りょーぞく?って奴に引っ掛かるのはやらねーうしゃ
それさえ気をつけてくれればアドリブ連携とか好きにやって欲しいうしゃ
口調間違いもきにしねーうしゃよ
補足設定
喋るときは一人称うーしゃん、語尾にうしゃ
3~40cmほどのかわいらしい兎。しかし、ただの兎ではない。郵便局員の制服を身に纏い、廊下を歩いていたウーシャン・ラビットポスト(バルバ「ウサギ」のスカイランナー・f39076)は、重機密保安室と書かれたプレートが掲げられた部屋にたどり着く。
「お、いかにもって感じうしゃね?」
モフモフとした手で、試しにドアノブを捻ってみるがうまく開かない。扉がさび付いているのか、錠が壊れてしまっているのか。何度か試してみても、やはり開かない。
「しょうがないうしゃね。うーしゃんの、うーしゃんキックの出番うしゃ!」
ドアノブから手を放し、その場から一歩二歩と距離を開ける。廊下の反対側に背を合わせ、一気に扉目掛け走り出す。そしてその勢いのまま、跳躍し、扉を思いっきり蹴った。
扉は大きくひしゃげ、そのまま倒れた。大きな音を響かせた扉の上に立ちながら、ウーシャンは周りを見た。
●重機密保安室
扉が倒れた拍子に、部屋中に積もっていた埃が一斉に舞い上がっている。ウーシャンはそれに咳き込みながらもそれらしい情報を探し出す。
「どれも鍵とかID認証とかで面倒うしゃ......でも、ポストの鍵を開くようなものうしゃね!」
ウーシャンは慣れた手つきで、次々に鍵付きの金庫や棚などを開けていく。どれも重要そうな書類が入っていたが、今回の件に関わるものは一部しかない。
●情報
地下に封印されているUDC怪物の力につられ、たまに下位の怪物が群れを成して支部を襲撃していたらしい。この施設の惨状を見れば、その下位たちもここにいると見ていいだろう。封印のためには、そいつらも撃退する必要がある。
成功
🔵🔵🔴
薬師丸・優樹
あの蒸気ドローン、不思議な依頼のしかただったな……。
いやいや、これは僕の初依頼だ、気を引き締めてがんばろう。
UDCは僕の世界だし、他の世界より探索しやすい筈……だよね。
僕のユーベルコードもUDC由来だ、何か近しい超常のにおいを嗅ぎ取ってくれるかも。
仔山羊の姿をした使い魔、【黒い仔山羊】を放ち廃墟の中を探索するよ。
今日は真面目な依頼なんだ、言う事を聞いてくれよ。
ビスケットを与えて仔山羊の機嫌を取り。
自分も懐中電灯を持って何か手掛かりを探して廃墟を歩く。
自分の居た世界なのに、こんな場所が存在して
更に人知れず壊滅しているなんて改めて驚かされるよ。
相手がヤバそうなら無理せず引き返す事も考えよう。
初の依頼。プレッシャーを感じつつも自らを鼓舞し、薬師丸・優樹(黒仔山羊・f35311)は廃墟に足を踏み入れた。幸運にして、先輩である他の猟兵たちも情報を集めていたらしい。とはいえ、薬師丸はこの世界、UDCに関わりがある。何か見つけられるかもしれない。
●休憩室
「僕は僕ができることをしなくちゃ」
懐中電灯の電源を抜いて床に置くと、休憩室は闇に包まれた。そして、持ってきたビスケットを何枚か懐から取り出す。
『我らは同じ母をより生まれし千の仔の一匹、眷属よ我が呼び声に応えよ』
ユーベルコードを発動させると、薬師丸の目の前の暗闇、そこからゆっくりと『黒い仔山羊』が現れる。
「言う事聞いてくれよ……」
半ば祈りじみた薬師丸の言葉を意に介さず、ビスケットを平らげた黒い仔山羊は闇雲に走って行った。
「ちょっと!やっぱり失敗したかな……」
諦めて懐中電灯を手に取り、電源をつけて探索を続ける。
探索を続けてしばらくすると、黒い仔山羊が薬師丸の元へ戻ってきた。化け物の頭を口に咥えながら。薬師丸は困惑しつつも、それを観察する。
「うわっ、何それ?」
おそらくは下位のUDC怪物だろう。弱々しいが魔術的な痕跡を感じる。黒い仔山羊はこれを察知していたのだろうか。
すると、黒い仔山羊がそれを咥えたまま、ゆっくりと暗闇へ再び戻っていく。しかしその振る舞いからは、先ほどのような無計画な暴走ではないことを思わせる。
「ちょっと、今度はどこに!?」
とりあえず、仔山羊に続くことにした。しばらく暗闇を歩いていると、いきなり仔山羊が止まり、咥えた獲物を残して消滅してしまった。
「勝手に戻っていって……あれ、これって」
仔山羊が消滅したその場所には、地下に続く階段がひっそりと、獲物を待つかのように口を開いていた。
苦戦
🔵🔴🔴
第2章 集団戦
『アングラーフィッシュ・レイダース』
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POW : 丸呑み攻撃
【頭部の誘因突起から放つ催眠光】が命中した対象に対し、高威力高命中の【丸呑み攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 祭儀場の召喚
【口から吐く霧状の催眠ガス】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を邪神復活の儀式空間に変える霧で満たし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ : 胃袋空間
小さな【体躯】で【丸呑みした口】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【広大な胃袋空間】で、いつでも外に出られる。
イラスト:蛭野摩耶
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
薬師丸・優樹
もっと、幽霊みたいに朧気なモノかと思ったけど存在感がハッキリしてる。
普通に「居る」って感じだね。
それじゃあ、コイツで倒せない事は無いのかな。
【対UDC鎖鋸】を用意する
丸呑みね……。催眠に操られたら抵抗出来る自信はないけど。
ホントに君達はコレでも丸呑みする気になるのかな……?
【対UDC鎖鋸】の刃に血を噛ませ【UDCD】を発動する。
僕が催眠でぼんやりして居ようと一度エンジンが掛かったコイツは
妖刀のように使い手を導き、君らを内からバラバラにするよ。
自分から襲い掛かって来てくれるなら追いかけて当てる必要が無くって助かる。
●UDC施設地下空間
地下へと続く階段を降りると、地上の施設とは様相は異なっている空間へ辿り着いた。停電を起こして暗闇に包まれていた地上階とは異なっていて、ここは松明の揺らぐ炎に、岩肌がオレンジ色に照らされている。洞窟を再利用した施設のようで、広い空間には研究機材らしきものが散乱していた。最も、それらは異形によって弄ばれていたが。
異形の姿は、民族衣装のようなものを身に纏った人型のチョウチンアンコウと形容するのが一番近いだろうか。大きく開く口にはワニやヘビを思わせるものがある。
地面には落書きのような魔法陣が描かれている。臭ってくる鉄臭さがそれを、人間の血液であることを暗に示していた。しかし猟兵なら、ぞんざいに扱われ壊れた機械からも窺えるようにこれらが子供の遊びのようなものだと分かるだろう。
薬師丸・優樹(黒仔山羊・f35311)がこの空間に足を踏み入れると、いくつかの異形があなたに向かって無邪気な殺気を纏わせ、大きな口を開きながら近づいてきた。
対UDC鎖鋸を両手に持ち、薬師丸が大きく息を吐く。鎖鋸についた刃の一つで自らの腕に傷をつけ、自らの血を鎖鋸に垂らした。べったりと付着するはずだった血は、吸い込まれるように消えていく。その量に満足したのか、鎖鋸は低い唸り声を上げるように稼働音を発して回転を始めた。
異形の一体が薬師丸に飛び掛かるが、その口が何かを呑み込むまでもなく縦断された。そのまま何かに操られたように異形たちへ切り掛かる。一部の異形はその姿に恐れ、迂闊に手を出すことができない。それでも呑み込もうと歩を進める異形達は次々に両断されていく。
薬師丸は剣舞のように鮮やかに、機械のように自動的に異形を始末していった。
そのまま何分が経っただろうか、UDCの効果が切れた薬師丸は眠りから醒めたように周りを見渡す。手に持っていた鎖鋸は回転をやめ、松明の明かりに照らされながら静かに次の〝給餌〟を待っている。
UDCDによってかなりの異形を始末していたようだ。薬師丸は再び歩を進める。
大成功
🔵🔵🔵
サンディ・ノックス
連携・アドリブOK
探索は得意じゃないから同業者に任せてたけど殺しはできるよ、任せて
目的のUDCまでの道を塞いでいる邪魔者を
俺の中の「悪意」に食べさせて終わりにしてしまおう
悪意によってもたらされた魔力を黒水晶に変換させて
まずは目についたUDCに放つ
食いしん坊の悪意は隠れているUDCが居たとしても嗅ぎつけて襲うだろうし
食料かどうか関係なく壁や床も侵食して広がっていく
敵に食べられそうになったら抵抗する
捕食者は俺だよ?勘違いしないで
魔力(悪意)を使うとおなかが減るんだけど
UDCって狂気の塊だし食べると精神に良くないんだよね
だから悪意に捕食させるだけなんだ
あーあ、奥に居るのもUDCだから食べられないなあ
●UDC施設地下空間
サンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)がこの空間に足を踏み入れると、奥の方からは低い獣の唸り声のような音が聞こえてくる。しかし、どうやらそれはUDCではなく、猟兵の戦闘音のようだ。
「あ、先越されちゃってたか」
その声に反応するように、醜い下級UDC達が群がってくる。口を大きく開き、あなたを捕食しようと迫る。
……が、その目的は果たされない。一匹のUDCに、指先サイズの黒く染まった水晶が放たれる。悪意を纏ったそれは、UDCの皮膚に突き刺さるのと同時に、大きく口を開けたままの哀れな被害者を黒く染め上げ、〝喰らった〟。
そのまま、サンディは背後に大量の水晶を作り出す。黒く染まっているそれは松明の光を全く反射せず、獲物に切っ先を据えたまま浮かんでいる。
「UDCは食べるとあんま良くないからね。だから代わりに、こいつらに食べてもらうよ」
射出される水晶達を躱わすことはできず、UDC達は次々に捕食されていく。捕食者だと思い込んでいた彼らは、被捕食者としての恐怖を初めて味わうことになった。
成功
🔵🔵🔴
シェーラ・ミレディ(サポート)
※OK:シリアス
※NG:エロ、ネタ、コメディ、心情系
※傭兵的なスポット参戦
称号通り、僕の身体を維持するための金儲けと、弱者をいたぶる醜い行いが許せぬ義侠心が行動指針だ。
美しいものは愛でるべきだが、恋愛には結びつかないなぁ。
性格ブスは醜い。見るに堪えん。
複数の精霊銃をジャグリングのように駆使する、彩色銃技という技(UC)を使って、敵を殲滅しようか。
敵からの攻撃は基本的に回避する。が、護衛対象がいるならかばうのも検討しよう。
……嗚呼、僕を傷付けたなら、代償は高くつくぞ!
洞窟に潜む怪物も随分と減ったらしい。
「今回は楽な仕事だな。むしろ、申し訳なさすら感じるよ」
生き残りらしい怪物たちが集まり、稚拙ではあるものの隊列のようなものを組んでいる。おそらくは、死に面して闘争に順応しつつあるのだろうか。普段傭兵として、こういう場面を時々目にすることがあった。不利な状況では、化け物だろうと人だろうと仲間との距離を出来るだけ縮めておきたくなるのは共通しているらしい。
「まあ、有象無象が集っても無意味だ」
シェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)の手には、幾つもの銃が踊っていた。ジャグリングの要領で空を舞う銃たちに、怪物たちは警戒を辞めない。実際、その判断は正しかった。
「――僕の精霊銃の前には無駄だけどね」
ミレディの銃から弾丸が放たれる。それは白い光が尾を引いて怪物の一体を貫くと、怪物はそのまま動かなくなった。次に赤。次に青。弾丸が色、光を纏って隊列を組んだ怪物たちを次々に貫いた。赤い弾丸は怪物を炎上させ、青い弾丸は怪物の内から氷漬けにし、そのまま砕いた。怪物たちは気付けない。その弾丸に宿る精霊の性質を。
「なんだ、ほんとに簡単だったな」
もはや、この空間に異形の姿は認められない。この空間に最後に残されたのは、最下層へと続くであろうリフトテーブルだ。この地下に、例のUDCが潜んでいる。甘い菓子の匂いと、深い闇の元に。
リフトテーブルの底。猟兵達を食らわんとする闇だ。世界を食らわんとする闇だ。闇が、闇が支配していた。
成功
🔵🔵🔴
荒谷・つかさ(サポート)
前提として、必要であれば他の猟兵やNPCとも積極的に連携します。
シナリオの失敗に繋がるような行為や、例え成功のためでも公序良俗に反する行いはしません。
基本的に極まった「怪力」を武器に、体一つで行動します。
必要であれば武器も使いますが、基本は素手(拳)です。
戦闘狂かつ脳筋で、強敵との正面からの殴り合いを好みます。
非戦闘時も力仕事や力ずくでの問題解決を得意とします。人助けには協力的です。
涼しい顔で非常識的な筋力を行使し、それを当然で驚くことは無いというように振る舞うタイプです。
ユーベルコードの指定はありません。「成功」できるようであればどれを使用しても大丈夫です。不使用でのリプレイも歓迎です。
「なんだ、もうここに敵はいないの?」
もはや敵のいない空洞に、荒谷・つかさ(逸鬼闘閃・f02032)は落胆していた。せっかくの戦闘の機会を失ってしまった。だが、情報によるとどうやらリフトテーブルで地下に行けるようで、その先にUDCが潜んでいるらしい。
「よかった。むしろこっからが本番ってわけなのね。」
重機械を幾つも詰め込めそうな大きさのリフトテーブルに乗り込むと、地下に行くためであろう赤いボタンが目に入った。
「お、これよね!じゃ、さっそく……」
赤いボタンを軽く押す。…………が、反応はない。
「おかしいな...」
連打するが、やはり動かない。どうやら壊れてしまっているようだ。
「しょうがない、こういう時の常套手段よ」
右手を天に掲げ、そのままボタンに振り下ろす。その拳は赤いボタンどころか、操作装置もろとも粉々に粉砕する。スパークが走る残骸となったそれは、何故かリフトテーブルを起動させることに成功したようだ。
先ほどまでの洞窟の風景が一変、無機質な金属の壁がリフトテーブルを囲っている。下降を続けてしばらく、突如つかさとその周囲が大きな影に包まれた。見上げると、金属の壁の一部がこのリフトに向かって落下してきている。
「まさか、罠なの!?」
既に、僅か数十センチのところまで落下してきた金属壁。右手を握り、思いっきり突き上げる。真っ二つに割れた金属は勢いを失ったものの、ものすごい音を響かせてリフトの上に落ちた。
それと同時に、チョウチンアンコウのような怪物が次々に降り注ぐ。まるでファフロツキーズみたいな光景に、つかさは思わず笑みが零れる。ああ、ちょうどウォーミングアップがしたかったんだわ!
「こんな奴らにUCを使うまでもないわね。素手で十分!」
怪物たちの頭部に、怪しげな光が灯る。その光が増し、つかさを照らす。
――その前に、殴る!
単純な暴力の前に、怪物たちはどうすることもできない。殴る、蹴る。掴んで投げる。ただそれだけなのに、怪物たちは簡単に蹂躙されている。この怪物の雨の中で、つかさは笑顔のままだ。まるで干天の慈雨。
他の猟兵達もこの雨に対処している。この調子なら、最下層に着くまでには全滅出来ているだろう。それまではただ、この蹂躙を楽しむだけ……
成功
🔵🔵🔴
アリス・ダークネス
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい
あっはっは、ブランク長くて戦い方思い出すのに時間かかっちゃった。ほーん、胃袋空間ね。いいわ、抵抗しないで呑まれてあげる。
で、広大な胃袋空間にきたわけだけど、ここからはアリスの断罪のお時間です❤だめよー、拾い食いなんて。|虚無を映す漆黒の液体《大食い、カロリーチャージ、エナジーグロウ、魔喰》をうかつに飲み込むから内側から|侵食《肉体変異、禁呪、不思議な呪文》されちゃうんだよ?
えっちなのうみそおいしいです❤
振動が襲うリフトの上、絶え間なく降ってくる異形を見上げているのはアリス・ダークネス(闇の種族の悪霊・f44186)。飽きもせずに猟兵たちに襲いかかるアングラーフィッシュ・レイダースが、アリスの頭上目がけ飲み込まんと大きく口を開く。
「ほーん、胃袋空間ね。いいわ、抵抗しないで呑まれてあげる。」
両手を広げ、落ちてきた異形を受け入れる。大きく開かれた口に、そのままアリスは飲み込まれてしまう。
胃袋空間、その中に自ら入っていく。
「中は思ったよりきれいね。にしても、だめよー、拾い食いなんて」
アリスが空を見上げる。地面も空も、蠢く玉虫色に染まったこの空間に、黒い雫が一滴垂れた。
「もし|虚無を映す漆黒の液体《大食い、カロリーチャージ、エナジーグロウ、魔喰》を丸呑みしちゃったら、|侵食《肉体変異、禁呪、不思議な呪文》されちゃうからね?」
地面に落ちた雫は、まるで地面も水であるかのように跳ね、ミルククラウンを作り出す。
その中心から、水紋のように空間が黒く染まっていく。
アリスを飲み込んだはずの異形が突如苦しみ出した。首元を抑え、痙攣し始める。しばらくの苦悶に、動きが止まった。そうして、動かなくなった異形が黒く染まる。その黒の中から、アリスが姿を表す。
「次ののうみそも頂くわよ」
自らの黒を直線に伸ばし、周囲で暴れている獲物の口に突き刺す。胃袋空間に侵入した黒がその内側から胃袋空間と同じユーベルコードを使用し、食い破る。犠牲になった異形達は、内側から黒い棘となって貫く黒によって次々に命を落としていく。
そのまま、リフトが最下層に到着した。
成功
🔵🔵🔴
リフトを降りた先は、おとぎ話で見るような奇妙な空間だった。メルヘンを濃縮して作られたようなピンク色のレンガ作りの壁。何も写さない鏡。玉座に座る少女。おそらくは彼女が封印されていた存在だろう。
薬師丸・優樹(黒仔山羊・f35311)の姿を見た少女は、嬉しそうに玉座から立ち上がる。ねぇ様?と薬師丸が警戒すると、玉座の前で、本当の少女のようにくるくると回って笑いだす。