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バトモンタワーのアンデッド

#バトルモンスターワールド

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#バトルモンスターワールド


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●憎しみ、ただ無差別に
 バトモンタワー。そこは塔全体が慰霊のために作られた、バトモンたちの墓地。
 内部はよく手入れされている。バトモンを愛する者達が、眠りにつく相棒に語り掛ける神聖な場所。
 老若男女問わず人が訪れるこの場所で、一際異様な人物が墓石の間を徘徊していた。
 井戸の底から聞こえるような冷えた声の呟きが、塔の中で異常に響いていた。
「全てはまやかし。バトモンへの愛情も。対話も。全ては戦争に勝つための、欺瞞の仮面」
 赤い目、白い肌に白い髪。死神のような黒い外衣をまとったオブリビオン。そのあふれ出る危険性から、バトモンタワーを訪れていた熟練のバトモン使いたちが、このオブリビオンへ警戒態勢を取っていた。
 オブリビオンの周りを守るように固めるのは、洗脳されたカワコとトブカたち。
 そして、オブリビオン自身の黒い外衣からにじみ出るように、黒き竜が姿を現す。
「な、なんだあれは…!?」
「バトモンと人が、融合しているの……!? でもヒーローとは違う……?」
 驚愕する人々。それらに対し、
「我らはかつての特攻兵器。死を告げる影。バトモンの生殺与奪を握る罪から目を背け、自らを慰める偽善者どもよ」
 最終戦争の時代から復活した、かつての英雄は、
「滅びの時だ。戦争を、再開する」
 オブリビオンは、現代へ明確な殺意を向けた。

●ブリーフィング
 グリモアベースにて、糸島・夜々(鋏角衆のサイバーニンジャ・f45353)はピシッと敬礼して笑顔で挨拶した。
「どもども! お集まりいただきありがとうございまーす! 女子高生忍者こと猟兵、糸島夜々です! では任務説明です! 目的はバトモン襲撃事件の阻止!」
 夜々は背中の蜘蛛の足で大型モニターを持ち上げると、塔の映像を見せた。
「場所はバトモンタワーの内部。バトモンタワーは5階立てのバトモンの墓地です。中は綺麗で明るくて、絶えず人々が訪れる神聖な場所です。そんな場所に、オブリビオンと洗脳バトモンが出現します」
 夜々は二つ目のモニターを蜘蛛の足で器用に持ち、黒い外衣のオブリビオンのイメージ映像を見せた。
「予知で見えたオブリビオンは、『英雄死人「アンデッドE」』。黒い竜のバトモンと融合している、昔の時代の兵士と思われます。引き連れる洗脳バトモンは、カワコとトブカ。本来は水棲のバトモンっすね」
 さらに3つ目のモニターには、バトモンタワーの内部構造図が表示された。
「襲撃は1階と2階で始まり、主に洗脳カワコが、バトモンタワーを訪れている一般人を襲撃します。抵抗するバトモン使いもいますが、猟兵のみなさんの協力がなければ、そのまま敗北してしまうでしょう。洗脳カワコは本来水棲のバトモン。そしてバトモンタワーには水辺がありません。また、一般人でおびえている人やバトモンを優先的に狙うみたいっす。その習性を利用すれば、戦闘を有利に運べるかもしれません」
 バトモンタワーの内部構造図にて、1階と2階には洗脳カワコ、3階と4階には洗脳トブカ、5階の最上階、戦没者慰霊碑の前にオブリビオンが表示された。
「洗脳カワコたちを倒すことができたら、上階の洗脳トブカとオブリビオン本体を目指してください。現地のバトモン使いの人からも協力が得られるかもしれないので、助けたら声をかけてあげたいっすね。猟兵のみなさん、眠りにつくバトモンたちの平和のために、どうかよろしくお願いしまっす!」


大府安
 ご覧いただきありがとうございます。大府安と申します。
 目的はバトモン襲撃事件の阻止です。

 第1章。
 バトモンタワー下層にて、洗脳バトモンたちとの集団戦です。
 現地のバトモンバトラーたちが襲われているので、救出しましょう。

 第2章。
 前章で助けたバトラーたちと協力し、バトモンタワー上層へ向かいます。
 洗脳バトモンたちとの集団戦です。

 第3章。
 バトモンタワーを占拠したオブリビオンと直接対決です。

 それでは皆さまのご参加、お待ちしております。
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第1章 集団戦 『洗脳カワコ』

POW   :    つっぱり
【水に濡れた手】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    みずあびせ
【口や手から放った水】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を濡らし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    なげとばし
掴んだ対象を【水】属性の【相撲技】で投げ飛ばす。敵の攻撃時等、いかなる状態でも掴めば発動可能。

イラスト:timothy

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シダー・ウッド
慰霊の場にまで現れて
かつての戦争を再開しようとするなんて…何が英雄だ
絶対に止めないと
ここに眠るバトモンも、彼らを偲ぶ人も
今を生きる者誰一人、戦争を望んでなんていないから

まずは洗脳カワコに対処しないとね
壁際に追い込まれてしまってる人達がいるな
怯える人々と敵の間に割り込む形で参戦しよう

出番だよ、タテバッツ
【エアロキャンセル】だ

次々襲い来るカワコ達の攻撃を無効化しつつ
『衝撃波』で吹き飛ばして体勢を崩させよう

タテバッツはそのまま防御に徹して!
攻撃は、プラズメイト。任せた!

プラズメイトなら遠距離からでも
『プラズマボルト』で攻撃できる
タテバッツの背後からでもね
体勢を崩した個体から狙って
確実に仕留めていくよ



 悲劇の前兆、洗脳カワコたちは墓石を飛び回り、逃げ回る参拝者に襲い掛かる。
「痛みは平等だ。傷つけられるバトモンの思いを知るがいい」
 アンデッドEの声がバトモンタワーに響く。
 壁際に追い詰められた老女に、カワコの水が放たれようとしたその時、
「出番だよ、タテバッツ。【エアロキャンセル】だ」
 タテバッツの翼から放たれた旋風が、カワコのみずあびせを打ち消す。
「タテバッツはそのまま防御に徹して! 攻撃は、プラズメイト。任せた!」
 墓石の上に陣取る無数のカワコたち。
 シダー・ウッド(シダー博士・f45408)の指示により、タテバッツがカワコの遠距離攻撃を打ち消し、プラズメイトがタテバッツの背後からプラズマボルトを放つ。
 痺れた一部のカワコが倒れ、墓石から移動していくカワコたちの背後、階段で上階へと向かうトブカとアンデッドEが見えた。
「慰霊の場にまで現れて、かつての戦争を再開しようとするなんて…何が英雄だ。絶対に止めないと」
 シダーが老女にタワーの外へと避難を促す中、バトモンタワーに再びアンデッドEの冷たい声が響く。
「人間は痛みを忘れ、繰り返す。我こそは悲劇と教訓の使者。物言わぬ墓標の代弁者」
 シダーの言葉に対する、アンデッドEの返答かはわからない。だが言葉に呼応するように、墓石の陰から洗脳カワコたちが一斉にシダーたちに飛び掛かる。
 しかしシダーの鋭い洞察力と、タテバッツの攻防一体の旋風によってカワコたちは足をすくわれ、その隙にプラズメイトの電光が輝く。
 アンデッドEに聞こえてるかはわからない。しかしシダーは、確信を持って宣言した。
「ここに眠るバトモンも、彼らを偲ぶ人も、今を生きる者誰一人、戦争を望んでなんていないから」
 怯えていたバトモンバトラー、バトモンテイマーの少年少女たちが、決してひるまないシダーの姿を見て奮い立った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユラ・ハ
自然ならざる場といえど、死したる者を悼むは人の営み。
まして、今に生きる命を無為に狩るは摂理に悖る。
なれば、其を認むるわけにはいかない。

塔の中を巡り、操られし|物怪《バトモン》達の制圧と襲われたる者達の救助を行おう。
攻撃は主に森羅牙道砲を行使。救助対象の側面や後方より襲わんとする敵へ優先的に撃ち込み、叶う限り遠方へ吹き飛ばす。
私自身が不意を打たれぬよう、周囲には随時聞き耳を立ててゆく。
|物怪の遣い手《バトモンバトラー》を助けたらば、互いに背を守りつつ戦うのも手だろうか。
洗脳されたる|物怪《バトモン》達は正気に戻り次第外へ逃がそう。
「案ずる事はない。あなた達は悪しき夢を見ていただけの事」



 バトモンタワーで始まる戦いの中、神秘的かつ落ち着きはらったユラ・ハ(コダマ・f45348)の姿に、他のバトモン使いたちは、彼女を新種のバトモンかと一瞬誤認した。
「自然ならざる場といえど、死したる者を悼むは人の営み。まして、今に生きる命を無為に狩るは摂理に悖る」
 洗脳カワコへ杖を構え、ユラ・ハはここにいる全ての生物に諭すように言葉を紡ぐ。
「なれば、其を認むるわけにはいかない」
 墓石からユラ・ハへ飛び掛かった洗脳カワコを打ち抜いたのは、不可視の砲撃。ユラ・ハが放つ森羅牙道砲により洗脳カワコが吹き飛び、その様子を見ていたバトモン使いたちも彼女が味方だと認識する。
 洗脳カワコたちも状況を把握し、墓石の影のなかで俊敏に動き、時に物陰からみずあびせを狙っている。
 ユラ・ハはその大きな耳で集音し、状況把握を怠らない。1匹が遠距離攻撃で、1匹が近距離攻撃すべく飛び掛かろうとしてる。
 だがユラ・ハが目を向けたのはその二匹の間、縮こまって震えている女の子のバトモンバトラーだった。ユラ・ハは素早く駆け出して彼女に視線を合わせるようにかがみ、
「恐れないで。そう、自然の鼓動に、身を委ねて」
「は、はい……!」
 女の子を落ち着かせた。女の子の瞳に力が宿るのをユラ・ハは確認する。女の子の傍には、彼女のパートナーのシャーコングがいる。
 だがその隙に、洗脳カワコの遠距離攻撃と、近距離攻撃のつっぱりがそれぞれユラ・ハへ迫る。
「暴威を穿つ」
 ユラ・ハの森羅牙道砲はみずあびせに打ち勝って洗脳カワコを倒したが、背後にはつっぱりの洗脳カワコ。しかし、シャーコングがラリアットで迎撃。
 ユラ・ハはその状況の全てを、耳で把握していた。
「外へ行けるか?」
「はい! 行こシャーコング!」
 避難を見届けたユラ・ハ。ユラ・ハは背後を守るように再び杖を構え、残る洗脳カワコたちに相対した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャイニー・デュール(サポート)
『拙者は剣士でござります故!』
ウォーマシンの剣豪×クロムキャバリアです

真面目な性格ですが勘違いや空回りも多く、かつ自分がズレているという自覚もありません
正々堂々とした戦い方を好みますが、それに拘泥して戦況を悪化させたりはしません

ユーベルコードは所持する物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
公序良俗に反する行為は(そういう依頼でない限り)しません

サムライというものに憧れていますが、正しい知識はありません
銃を使うことを嫌っているわけではなく、必要に応じて刀と内蔵兵器を使い分けます
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「拙者は剣士でござります故! いざ尋常に勝負ー!!」
 墓場にて高らかに宣言するのはシャイニー・デュール(シャイニングサムライ・f00386)。無銘刀を抜き放ち、洗脳カワコに構える本人は真剣そのもの。
 今回は功を奏した。各地でバトモン使いと戦っていた洗脳カワコたちが、シャイニーに注目したからだ。
「シャイニー・デュール……参ります!」
 シャイニーの狙い。正々堂々と戦えばきっとカワコたちも正義の心を取り戻し、洗脳もとけるはず。
「さあ! 無垢の民を襲うのはやめて、正しいバトルで正気を取り戻すでござる!」
 もちろん洗脳が解ける事はなかったが、シャイニーの真っすぐな心は本物。あえて洗脳カワコが密集する地帯に身を置いて、カワコのつっぱりを刀で受け止める。
 その間に、何人かのバトモン使いが窮地を脱して避難した。代償として、洗脳カワコのつっぱりが四方からシャイニーに迫る。
「むっ!! 見事なつっぱり、しかし!」
 攻撃を歯を食いしばって受け止めたが、それはシャイニーにとって必要な時間だった。
 シャイニーは右足を引いて半身になって腰を下げ、刀を右斜め後方へと流している。鬼神のオーラを纏い、渾身の力を持って放たれる逆袈裟切りは、必殺の鬼斬剣。
「御免っ!!」
 放たれた閃光は洗脳カワコたちを吹き飛ばし、シャイニーはあたりを伺いながら残心。静かに刀を鞘へと納めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

カーバンクル・スカルン
1階ならば床が重さで抜け落ちることはないはず、懲罰機エレキラーを塔内に突っ込ませて体内の拘束器具を展開させてカワコの群れを一斉に捕縛。そしてそこから高圧電流を流して一網打尽にしてやる。エンドブレイカーの科学力は罪のない一般市民を誤って捕まえるなんて愚は犯さないのだよ、もし人質を盾がわりにしていてもカワコだけ回収よー。

普段なら炎で皿の水を蒸発させてノックアウトと行くところなんだけど……この世界は電気で攻めた方が効きそうな気がするんだよね、なんでだろね?

バトモン連れてなくてごめんなさいね、でもこのロボットなかなかにcoolだと思わない?



 洗脳カワコたちの襲撃、悲鳴を上げる参拝者の喧騒を切り裂いたのは、轟音と共に入り口から現れたカーバンクル・スカルン(クリスタリアンの懲罰騎士・f12355)。その轟音の源は、彼女が呼び出した懲罰機エレキラー。
「1階ならば床が重さで抜け落ちることはないはず、懲罰機エレキラー、発進!!」
 カーバンクルの掛け声によって、重量級の人型機械戦士エレキラーは、自身の体内から拘束器具を展開。バチバチと電撃を身にまとい、バトモンタワー内部に閃光を煌めかせる。
「あれはゴロロンの亜種? いやメカモンなのか!?」
 洗脳カワコに襲われているタテバッツを伴った眼鏡の少年が、エレキラーの姿に驚愕している。洗脳カワコたちも優先目標をエレキラーに切り替える。
「電気で攻めた方が効きそうな気がするんだよね、なんでだろね? エレキラー、カワコたちを捕まえて、高圧電流を流して一網打尽しちゃいなー!」
 エレキラーは洗脳カワコたちの水あびせをものともせず、拘束器具を伸ばして次々と洗脳カワコたちを捕縛。参拝者を盾にしようとした洗脳カワコに対しても、エレキラーは拘束器具を巧みにカーブさせて、カワコを絡め取った。
「エンドブレイカーの科学力は、罪のない一般市民を誤って捕まえるなんて愚は犯さないのだよ、カワコだけ回収よー」
 その瞬間、エレキラーの電撃が一層煌めくと、拘束されたカワコたちは次々と力尽きた。
「す、すごい。まるでデンクラゲのような……!」
 眼鏡の少年のバトモンバトラーが、エレキラーの威力に驚愕している。カーバンクルは得意げにエレキラーに身を寄せて微笑み、
「バトモン連れてなくてごめんなさいね、でもこのロボットなかなかにcoolだと思わない?」
 カーバンクルの指示通りに自在に動くエレキラーが、見事に戦場を支配した。その威容に、参拝者たちは見とれていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『洗脳トブカ』

POW   :    サメアタック
【体当たり】が命中した対象に対し、高威力高命中の【噛みつき】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    シャーク・バイト
【高速で移動しながら噛みつき】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【匂いと味】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    おんすいシャーク
【口から高温水弾】を放ち、命中した敵を【高温の水】に包み継続ダメージを与える。自身が【空中にいる状態で攻撃】していると威力アップ。

イラスト:榛戸ろもも

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 洗脳カワコたちを倒し、1階と2階を制圧した猟兵たち。その時どこからか、アンデッドEの声が響く。
「苦痛は一瞬、戦いは永遠。抗うといい。悲劇は必ず再現する」
 3階の方から悲鳴が聞こえた。まだ上階には逃げ遅れた参拝者がいるようだ。
 すぐに向かおうとする猟兵たちだったが、助けた参拝者の中から3人のバトモン使いが話しかけてきた。
 明るい赤髪の少年は、バニニンを伴って戦意をみなぎらせている。
「俺のおばあちゃんを助けてくれてありがとう! お返しをさせてくれ! 上の階に行くんだろ? 俺とバニニンも協力するぜ」
 大人しい緑髪の少女もまた、シャーコングと共に決意のこもった瞳で語り掛けてきた。
「まだ、上の階で逃げ遅れた人もいるんでしょう? シャーコングなら、色々手助けできると思うの」
 理知的な青髪の少年は、タテバッツと共に冷静に話しかけてきた。
「上階から逃げてきた人によると、トブカがいるらしい。強力な攻撃をしてくるだろう。僕とタテバッツも協力する」
 彼らと協力してもいい。一人を選んでもいいし、複数に指示を出すのもいいだろう。足手まといにはならない。
 協力しなくても、彼らは自主的に参拝者の避難誘導をしてくれる。
 洗脳トブカたちを倒し、バトモンタワーの平和に近づけるかどうかは、猟兵たち次第だ。
燐・十命
さアて、この世界のバトモンチャン達を守るとしますかねェ。
んじゃァ、この洗脳された子たちをとっとと仕留めてやらないとねェ。
クナイゼミ、モラオート、出番だよォ〜「クナクナ…」「もきゅきゅっ!」
アタシとバトモンフュージョンってなァ…!(バトモンフュージョン後の姿はお任せ致しますが、モラオートはバイクと一体化します)
んじゃァ、このドリフトを駆使してかわして…おっとォ、当てる気ないかァ?
(かわしたついでにクナイゼミ由来のクナイ攻撃を音を立てずに行う)
なかなか面白いじゃあアないか、バトモンフュージョン。
バトモンタワー、守らないとねェ。



 スターバイクに乗った燐・十命(黒燐蟲は知っている・f38657)は、エンジン音を吹かせてバトモンタワー3階へ駆けあがる。
「さアて、この世界のバトモンチャン達を守るとしますかねェ」
 洗脳トブカに襲われそうになっていたチョゴンと女性の前に、割り込むようにバイクを走らせて急ブレーキした。
「んじゃァ、この洗脳された子たちをとっとと仕留めてやらないとねェ。クナイゼミ、モラオート、出番だよォ〜」
「クナクナ…」「もきゅきゅっ!」
 笑みを浮かべる十命、その後ろには相棒のクナイゼミとモラオートがいる。
 大口を開けた洗脳トブカが迫る中、
「アタシとバトモンフュージョンってなァ…!」
 バトモンフュージョン・蟲を発動。クナイゼミとの融合によって十命の姿は、固い外骨格を持つ黒いライダースーツに、顔はクナイ2本が敵を睨みつけるような瞳に配置されたフルフェイスマスクに変化する。
 モラオートはスターバイクと融合し、風防は空色、車体はふわふわのピンクの毛で包まれつつも、風の流れに沿うように流線型のフォルムを保っている。
 十命がアクセルを踏むと、飛翔する洗脳トブカたちが十命へと牙を向ける。
「んじゃァ、このドリフトを駆使してかわして」
 十命は大きく車体を傾けてドリフトし回避、洗脳トブカたちの牙は頭上で空を切る。モラオートのふわふわの毛が車体を保護し、ギリギリの走路を選んでも墓石には傷一つつけない。
「…おっとォ、当てる気ないかァ?」
 十命が車体を起こした時には、洗脳トブカたちは倒れていた。回避と同時に投げた十命のクナイが命中していた。
「なかなか面白いじゃあアないか、バトモンフュージョン」
 時間制限で行動不能になるリスクはあるものの、その威力を十命は噛みしめていた。まだ時間はある。
「バトモンタワー、守らないとねェ」
 十命はアクセルを再びふかし、残る洗脳トブカの群れへと突撃した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シダー・ウッド
赤髪の男の子、さっきのおばあさんのお孫さんかな?
おばあさんが無事で良かったよ
うん、それじゃあ力を貸してくれる?
過去の英雄は、必ず僕達が何とかするから

赤髪の子と一緒に前に出てトブカへ対処するよ
緑髪の子と青髪の子は避難誘導、お願いね!

トブカの主な攻撃手段は噛みつき
迫ってくる群れも
体当たりからの噛みつきを目論んでいるみたい

赤髪の子にはバニニンのうさぎ忍法を使って
トブカを翻弄してもらおうか
例えば…分身の術や、人参を使った変わり身の術って使える?
トブカの攻撃を空かして欲しいんだ

攻撃を空かし、虚を突いたところで撃って出よう
行くよ、シフォン
【キミに決めた!】

無防備になったトブカに『格闘術』を叩き込むんだ!



 シダー・ウッド(シダー博士・f45408)は協力者3人の申し出を快く受け入れた。
「さっきのおばあさんのお孫さんかな? おばあさんが無事で良かったよ」
「ああ! ありがとなお兄さん!」
「それじゃあ力を貸してくれる? 過去の英雄は、必ず僕達が何とかするから」
 3階に突入したシダーたちに、洗脳トブカたちが襲い掛かる。
 シダーは階の様子、襲われている人の配置を確認しながら、
「シフォン、バニニンと一緒に前に出てトブカへ対処するよ。シャーコングとタテバッツは避難誘導、お願いね!」
「わかった! 行くぜバニニン!」「はい! お願いシャーコング!」「任せて! 行くぞタテバッツ」
 的確な指示のもと、躍り出る3体のバトモン。また、バニニンの主人である赤髪の男の子には、シダーは事前に戦法を伝えており、
「バニニンのうさぎ忍法を使って、トブカを翻弄してもらおうか。例えば…分身の術や、人参を使った変わり身の術って使える? トブカの攻撃を空かして欲しいんだ」
 その赤髪の男の子は作戦通り、バニニンのうさぎ忍法で分身を作成。洗脳トブカが分身にシャーク・バイトを命中させるが、当然本体のバニニンには無傷。
 シダーとシフォンは、トブカの攻撃の隙を見逃さなかった。
「行くよ、シフォン。キミに決めた! 無防備になったトブカに格闘術を叩き込むんだ!」
 シフォンのジャンピングパンチが、トブカの正面の鼻先を強かに殴り飛ばす。シフォンが攻撃後の隙がつかれることはない。バニニンの分身が他のトブカを引きつけている。
 青髪の男の子と、緑髪の女の子の報告も明るい。
「避難者の確保はもうすぐだ!」「トブカの数が減っていってます!」
「よし。まだまだ油断せずに行くよ、シフォン。今だ」
 バニニンの分身におんすいシャークを放つトブカがいる。シダーの指示の元、シフォンは飛び蹴りでトブカの横っ腹を吹き飛ばした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カーバンクル・スカルン
OK、じゃあお言葉に甘えて……このフックをトブカ達の口に引っ掛けてきて。追撃はしなくていい、反撃をくらったりうっかり巻き込んだりするわけにはいかないからね。

トブカの口にワイヤーが引っかかったら外される前に持ち前の怪力で釣り上げて機械仕掛けのワニの口にシュート! 異世界技術のサラダボウル、一撃必殺の咬撃を喰らいなさいな!

もし捕まえられなかった場合はフックのついたワイヤーをぶんぶん振り回して殴打して仕留めにいく。この質量が高速でぶつかればタダじゃ済まないだろうし……自分から食らいついてくれればワニの元へご案内出来るしね?



 洗脳トブカとの闘いが佳境に入る中、カーバンクル・スカルン(クリスタリアンの懲罰騎士・f12355)は現地のバトラーたちと共同作戦を行おうとしていた。
 青髪の男の子はカーバンクルへ話かけ、
「タテバッツにできることはないか?」
「OK、じゃあお言葉に甘えて……このフックをトブカ達の口に引っ掛けてきて。追撃はしなくていい、反撃をくらったりうっかり巻き込んだりするわけにはいかないからね」
「任せてくれ。行けタテバッツ!」
 飛翔するタテバッツがトブカの攻撃を巧みに防ぎながら、ワイヤーがついたフックをトブカに嚙みつかせた。その瞬間、カーバンクルは持ち前の怪力で一気にトブカを釣り上げ、
「異世界技術のサラダボウル、一撃必殺の咬撃を喰らいなさいな!」
 釣り上げられた洗脳トブカが行く先は、カーバンクルがビルドした機械仕掛けのクロコダイル。人身供犠(クレーン・オブ・クロコダイル)、洗脳トブカのお株を浮かぶ極大の噛みつきで、洗脳トブカを倒していく。
 しかし洗脳トブカたちも高速、空中戦でタテバッツが持っていたフックが空中に投げ出される。
「それなら、直接当てちゃおうか!」
 カーバンクルが直接ワイヤーを持って、フックを鉄球のように振り回し、空を飛ぶトブカを直接殴打して叩き落としていく。
 中にはフックに噛みついて受け止めたトブカもいたが、
「いいね! ワニの元へご案内!」
 ワイヤーをもつ手首を返し、再び機械仕掛けのクロコダイルの牙の元へシュートした。
「なんて荒々しく激しい攻撃だ……凄い……!」
 協力していた青髪の男の子は、下層から続くカーバンクルの戦いぶりに見とれていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユラ・ハ
あなた達の意志、尊重する。
共に上を目指し、事態の解決に努めるとしよう。

あれがトブカ、同じく洗脳されしバトモン。彼らも打ち倒し、解放しなくては。
皆、協力を願う。

鈍風を発動、呪詛の風を放ちトブカ達へダメージを与えつつその行動を阻害。
動きの鈍った処を、バトラー達に打ち倒して貰おう。撃ち漏らしあらば、オホイツキの【鬼の手】を繰り出し攻撃を。
私は前に進んでゆくことを優先、以て敵を引き付けてゆく。攻撃は鬼の手と、カズラモリが蔦を振るうことでの【自動防御】で凌ぎつつUCで反撃。
バトラー達には追撃の他、助けた参拝者らの避難誘導に適宜当たって貰う。
着実且つ、叶う限り迅速に制圧してゆくとしよう。



「ユラ・ハさん! 私たちも一緒に!」
 階の奪還が進みさらなる最前線へと向かうユラ・ハ(コダマ・f45348)の元へ、シャーコングを伴う緑髪の女の子を中心として、協力者たちが馳せ参じていた。
 ユラ・ハは彼女らの意をくみ、
「あなた達の意志、尊重する。共に上を目指し、事態の解決に努めるとしよう。追撃の他、助けた参拝者らの避難誘導に適宜当たって貰う」
「はい! 援護は任せてください」
 4階、ユラ・ハは洗脳トブカたちと、参拝者の存在を確認し、鈍風を発動する。
「トブカ、同じく洗脳されしバトモン。彼らも打ち倒し、解放しなくては。皆、協力を願う。此に吹き来たるは鈍色の風、幾重に織りて澱と為らん」
 ユラ・ハを中心にして巻き起こるは呪詛を帯びた灰色の風。墓石の間を縫うように戦場全体に浸透し、洗脳トブカたちは次々とその速度を落としていく。風の導きによって、参拝者の位置も明確になった。
「シャーコング! 動けない人を運んで!」「タテバッツ、護衛だ!」「バニニン、鈍くなったトブカに追撃だぜ!」
 ユラ・ハは風を巻き起こしながら、トブカの標的を自身へ集めるため前に出る。接近するトブカにはカズラモリが伸びてその牙を絡め取り、おんすいシャークを放とうとしたトブカには、オホイツキの鬼の手がはたき落とす。
 まもなく、緑髪の女の子の叫びが聞こえた。
「全員避難しました!」
 ユラ・ハは耳をすませ風を感じ取り、報告の裏付けを行う。あとは残る洗脳トブカを倒すのみ。
「着実且つ、叶う限り迅速に制圧してゆくとしよう。撃ち漏らしがあってはならぬ」
「はい! シャーコング、援護を」「バニニン!」「タテバッツ!」
 ユラ・ハの風に乗って3体のバトモンが、残るトブカに躍りかかる。
 最後のトブカをユラ・ハが鬼の手で吹き飛ばした時、ユラ・ハは最上階へ続く階段を見た。
「皆、よくやった。ここより先は、我らが領分」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『英雄死人「アンデッドE」』

POW   :    かげえぶそう
自身の【腕と融合した影竜バトモン「シャドラ」】を武器(攻撃上昇)or防具(防御上昇)or乗騎(機動力上昇)に変形。同時に複数発動可。
SPD   :    にくしみのかげ
【影竜バトモン「シャドラ」と完全融合した姿】に3分間変身する。効果時間中、体高=年齢mとなり、耐久力10倍、高威力の【にくしみのかげ】で攻撃可能。
WIZ   :    はいどらけん
自身の【腕と融合した影竜バトモン「シャドラ」】をX倍に増殖する。攻撃回数がX倍になるが、防御力・回避力・生命力がX分の1になる。

イラスト:安子

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はベリル・モルガナイトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 洗脳トブカたちを倒し、参拝者たちを全て救助した。残るはバトモンタワー最上階にて、オブリビオン、アンデッドE。
 その危険性は計り知れない。猟兵たちは協力者にも避難を促し、協力者も了承した。
 赤髪の男の子、緑髪の女の子、青髪の男の子も、バトモンの相棒と共に階下へと向かう。
「バニニンが一緒に戦えてよかったってさ! 後は頼んだぜ!」
「シャーコングと一緒に、お役に立てたでしょうか? どうかご無事で」
「タテバッツと共に戦えた。この経験は次に活かそう。勝利を願っている」
 猟兵たちは最上階に来た。墓石は少なく、奥には戦没者の名前が刻まれた慰霊碑がある。
 バトモンタワーの管理者が過去の戦争を悼み、文献に残る名前を刻んだものだった。
 アンデッドEは、慰霊碑の名を一つ一つ指でなぞっている。低く悲しい、消え入りそうな声が聞こえてくる。
「あいつは、いい奴だった。帰ったら自分の店を持つと言っていた。なのに、名すら、刻まれないのか」
 アンデッドEは振り返り、猟兵を見つめると、ゆっくりと前へ歩き出す。
「我こそは、声を失くし名も刻まれぬものの代弁者。もはや悲劇を知る者は僕しかいない。シャドラよ、わ、われら、ぼくたち、ぼくたちが皆をタスケ」
 アンデッドEの首がガクンと揺れて戻ったあと、融合している影竜バトモン『シャドラ』が、アンデッドEに寄り添うようにして支える。
「皆、無意味に死んだ。なのになぜお前たちは生きている。僕たちを知らずに! シャドラよ、思い知らせてやろう。戦争は、まだ終わっていない!」
 オブリビオンは過去を受肉した怪物でしかない。
 バトモンタワーに真の静寂を取り戻せるのは、猟兵だけだ。
シダー・ウッド
なるほどね。君が何者かはわかったよ
痛ましいことだけれど
それでも戦って止めるよ
君自身が今の平和を脅かすことなく
眠りに就けるようにね

行くよ、シフォン
【デカモルフォーゼ】

敵の攻撃回数が増そうとも
届かなければ無意味だよね

効果範囲を増した『念動力』の波動で
敵の射程範囲外から攻撃を牽制するよ

敵が疲れを見せたら攻勢に転じよう
巨大化状態からの『格闘術』でね

シフォンが戦闘に応用できる技能は
この二つだけだ
けれども、僕達は
限られた武器を磨き上げてきた――ずっと一緒にね

君とシャドラも生前からずっと一緒だったの?

答えは期待していないけれど
問わずにはいられなかった
歪んでしまってなお、優しい死者が
相棒をどう思っているのかを



「なるほどね。君が何者かはわかったよ。痛ましいことだけれど」
 張りつめた空気の中、シダー・ウッド(シダー博士・f45408)は覚悟の表情を持ってアンデッドEに相対する。
 シダーの傍らにはシフォンが、アンデッドEの傍らにはシャドラがいる。
「それでも戦って止めるよ。君自身が今の平和を脅かすことなく、眠りに就けるようにね」
「要らぬ世話だ。現実を悪夢に変えるぞ、シャドラよ! はいどらけん!」
「行くよ、シフォン。デカモルフォーゼ」
 無数に増殖分身したアンデッドEが、巨大化したシフォンへ突撃する。
「八つ裂きにしてくれる!」
「念動力」
 射程範囲はシフォンが上、念動力によってアンデッドEたちの足が宙に浮いて突撃が中断される。
 しかしアンデッドEはシャドラを伸ばして地面に縫い付け、ばねのように勢いをつけてから前へ飛ぶ。一部がシフォンにたどり着いたが、
「格闘術」
 最初のアンデッドEを前へ蹴り飛ばして後続に激突させ、それでも怯まず突っ込んできたアンデッドEにはリーチの長さを活かして正拳突きを与える。
 単純な力の差ではない、的確な指示と信頼が、アンデッドEとシャドラを後退させていく。
「バカな!? 手数はこちらの方が上のはず!?」
「シフォンが戦闘に応用できる技能はこの二つだけだ。けれども、僕達は限られた武器を磨き上げてきた――ずっと一緒にね」
 分身が消え始めている。シフォンに投げ飛ばされたアンデッドEへ、シダーは、
「君とシャドラも生前からずっと一緒だったの?」
 答えは期待していないけれど、問わずにはいられなかった。歪んでしまってなお、優しい死者が、相棒をどう思っているのかを。
「シャドラ……僕たちは……」
 膝をつくアンデッドE、寄り添うシャドラ。アンデッドEはシャドラの頭を撫でる。
 シダーとシフォンは、その間追撃しなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユラ・ハ
無意味などではない。全ての死は未来への糧。
なれど死者の名を騙り未来を否定せんとするなら──それこそ、死への冒涜。
疾く、土に還るべし。

ハミカズラを繁殖せしめ戦域を覆い、【侵入阻止】の領域を広げ、機動力を封じにかかる。
敵がこれを排除にかかるなら、【締め上げ】を狙って襲うよう操作する。
拘束叶わずとも、敵の意識をカズラに引きつけられれば十全。

隙を突いてオホイツキの【鬼の手】を伸ばし、敵に接触。夷喰を発動し内部破壊ダメージを齎そう。

その身、せめて糧となるべし。



 アンデッドE、名の通り一筋縄では滅びない。ガクンと首が揺れた後、狂気の瞳をもって何度でも立ち上がる。
 荘厳な気を纏うユラ・ハ(コダマ・f45348)はアンデッドEへ杖を構え、
「無意味などではない。全ての死は未来への糧」
 ユラ・ハを中心にしてハミカズラを繁殖させ、戦域を覆い始める。対して、
「知らぬ未来の糧など、無も同じ! かげえぶそう!」
 自然の緑を呼び起こし未来を育むユラ・ハと、過去の悪夢より黒き影の剣を振るうアンデッドE。
 相対した二人の気が張りつめた時、アンデッドEは飛び上がり、ユラ・ハの頭上へ、真っすぐにシャドラの影の剣を振り下ろす。
 ハミカズラがユラ・ハを包み込んで防御、はできず、アンデッドEの剣は無情にも自然をたやすく切り裂く。
 しかし、驚きの声はアンデッドEから上がった。
「なに!?」
 ハミカズラを裂いた先にユラ・ハはいない。
「なれど死者の名を騙り未来を否定せんとするなら──それこそ、死への冒涜」
 アンデッドEが後ろへ振り返ると、そこには悠然と杖を構えるユラ・ハがいる。
「疾く、土に還るべし」
 このオブリビオンは過去の幻影。元となった者は既に土の下。ユラ・ハの操作によって裂かれたハミカズラがアンデッドEに絡みつき、拘束にかかる。
「こんな植物ごときに!」
 アンデッドEは剣の刃を幾重にも枝分かれさせ、ハミカズラを切り裂きにかかる。
 その隙をユラ・ハが見逃すはずがなかった。ユラ・ハから伸びるオホイツキの鬼の手が、アンデッドEの正中線へ触れる。
 シャドラが瞬時に鎧と化してアンデッドEを包んだが、
「その身、せめて糧となるべし」
 夷喰。ユラ・ハによって埋め込まれた食肉植物は、アンデッドEの体内で急速に繁茂し内部より影ごと弾けさせる。
 ユラ・ハは杖を下げてそれらを身届け、静かに瞼を閉じた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ココン・ディバインフォクス
(アドリブ大歓迎)
げっ!こいつも英雄っスか?オブリビオンって元々死んでるクセに反則ッス!悪霊退散ッス!
カナバーン!ロンローネ!オイラとバトモンフュージョンッスよ!
(雲のようにふわふわした姿に変わり、周囲に炎の雲を漂わせる)
強化された技能で炎と雷を纏って…突撃ッス!
…って影が武器みたいに変わった?しかもこの影バトモンッスか?
(バケモフリ!あの幽霊っぽいオブリビオンに対抗する何かに化けるッス!)
(その隙をオイラが狙うッス!)
さあ、洗脳されたバトモンも助けるため覚悟するッス!オイラ達がこのオバケを成仏させてやるッスよー!



 影を纏い立ち上がるアンデッドEに対して、ココン・ディバインフォクス(D.D戦士・f36705)は驚きながら正義の炎の剣を構える。
「げっ! こいつも英雄っスか? オブリビオンって元々死んでるクセに反則ッス! 悪霊退散ッス!」
 アンデッドEは狂笑し、シャドラと共にココンへ矛先を向ける。
「太古の英雄にして今を祟る悪霊! いい呼び名だ。かげえぶそう!」
 シャドラの姿がむき出しの刃に変わり、アンデッドEの腕と融合する。
「…って影が武器みたいに変わった? しかもこの影バトモンッスか?」
「いくぞシャドラ!」
 しかしココンは勇気をもって剣を正眼に構え、
「カナバーン! ロンローネ! オイラとバトモンフュージョンッスよ!」
 カナバーンとロンローネの体がココンに重なって光輝くと、ココンは雲のようにふわふわした姿に変わり、周囲に炎の雲を漂わせる。
「さあ、洗脳されたバトモンも助けるため覚悟するッス! オイラ達がこのオバケを成仏させてやるッスよー!」
 二人の斬撃が正面から激突し、黒い波動と光の波動によってバトモンタワー最上階が軋む。
(「バケモフリ! あの幽霊っぽいオブリビオンに対抗する何かに化けるッス! その隙をオイラが狙うッス!」)
 ココンの背後に隠れていたバケモフリが、化術で影竜の姿になって飛び出すと、
「シャドラ!?」
「今っす!」
 驚いたアンデッドEへ、ロンローネの力を借りたココンの体内発電がアンデッドEを痺れさせ、
「強化された技能で炎と雷を纏って…突撃ッス!!」
 発電状態のまま、今度はカナバーンの力を借りて炎の突進の刺突を放つ。
「バカなっ!?」
 アンデッドEは影の剣で受け止めたものの、激しく吹き飛ばされ壁に激突。
 融合を解除したココンは膝をついたが、カナバーン、ロンローネ、バケモフリがココンを支えるように寄り添っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カーバンクル・スカルン
戦時の混乱の中だ、そりゃあ散逸する名前だってあるさ。でも身寄りがなくてあの人が帰ってこないことを伝える者がいないから、遺体が上がってないなら帰ってくるかもしれないと一縷の望みをかけて「刻まない」選択をした身内がいたから、そこに残されない……いや、残せない理由もあるんだよ。

と長々と語ったけど死人を盾にして戦争をしたいだけの馬鹿者だったねあんたは。だったらとっとと片付けるとしましょ。

エレキラーとワニは塔の耐久性という問題で下の層でお役御免になったけど、私にはこの体と武器がまだある! カタリナの車輪を【輪火風変形】を発動して装着! 被害者ぶってる加害者の脳天に炎を帯びた強烈な踵落としを決めてやる!



 カーバンクル・スカルン(クリスタリアンの懲罰騎士・f12355)とアンデッドEは慰霊碑を前に対峙した。カーバンクルの視線が慰霊碑に行く。
「戦時の混乱の中だ、そりゃあ散逸する名前だってあるさ。でも身寄りがなくてあの人が帰ってこないことを伝える者がいないから、遺体が上がってないなら帰ってくるかもしれないと一縷の望みをかけて"刻まない"選択をした身内がいたから、そこに残されない……いや、残せない理由もあるんだよ」
「……!!」
 アンデッドEは目を見開き、動きを止める。
「と長々と語ったけど死人を盾にして戦争をしたいだけの馬鹿者だったねあんたは。だったらとっとと片付けるとしましょ」
 カーバンクルは切り替え、背中に装備している巨大な車輪カタリナが、
『Code:Nata’s Leg Flight Unit,approved』
 二つに分かれ車輪めいたグリーブへと変形。車輪についた棘はそのままに、超攻撃的脚部装甲となってカーバンクルに装着された。
「エレキラーとワニは塔の耐久性という問題で下の層でお役御免になったけど、私にはこの体と武器がまだある!」
「戦争をしたいだけだと……!? 貴様ぁ!!」
 アンデッドEは増殖させたシャドラを連続突撃させる。カーバンクルは回し蹴り一閃。脚部から噴出した炎と車輪の回転斬撃によって迎撃し、脚部の飛行機能を発動し浮遊した。
「被害者ぶってる加害者の脳天に、炎を帯びた強烈な踵落としを決めてやる!」
 なおも連続突撃してくる増殖シャドラ。カーバンクルはジグザグに飛行して回避しながらアンデッドEへ肉迫。縦回転し、
「シャドラ!」
「なめんな!」
 アンデッドEの脳天へ、カーバンクルの炎を帯びた強烈な踵落とし。シャドラの影装甲を貫き、命中させた。
 アンデッドEは血も出さず、よろめきながら後退し、慰霊碑を背に座り込む。
 カーバンクルは脚部の炎の噴出をやめ、静かに着地した。

「シャドラ……ごめん……」
 そうささやき、アンデッドEとシャドラは塵も残さずに消えた。
 猟兵たちの活躍により、バトモンタワーに静寂が戻った。洗脳が解かれたバトモンたちも保護されて無事だった。
 戦闘で傷ついた内装は、バニニン・シャーコング・タテバッツなど多くのバトモンや猟兵が協力して、瓦礫を運び修復している。
 猟兵の戦い振りを見て、バトモンとの絆を再確認した者、戦闘の豪快さや繊細さを学んだ者もいる。過去を救ったこの戦いの経験が、未来にきっと活かされるだろう。

 戦いの痕跡が消えたバトモンタワーでは、今日も眠りにつく者へ祈りがささげられ、墓と慰霊碑へ花束が手向けられている。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年09月11日


挿絵イラスト