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真夏の島レクリエーション! 肉to水

#アルダワ魔法学園 #戦後 #群島海域

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●祭りの名物
 アルダワ世界の中央部にある群島海域。その名の通り小さな島が無数にあるその場所の一つの島で、夏祭りが行われていた。
 題目としては鎮魂やら慰霊やらあるようだがその発祥自体があまりにも昔すぎてもうほとんど伝わっていないため、今や単純に騒ぎ、遊び、稼ぐための祭りとなっていた。
 そしてそんな祭りだから、出店や屋台も様々に出されている。
 そんな出店の一つ、網の上で大量の肉が焼かれている店。大ぶりな肉をしっかり焼いたそれは屋台としては破格なほどの品質を誇り、値段も安いとは言い難いもののお祭り価格と考えれば大分健全。
 そしてそんな肉を焼いているのは、水着姿の少女であった。
「いらっしゃせー……あークソ暑い……」
 ぼやきながらも肉を焼く手際は非常によく、まさにプロ級ともいえるもの。しかしてその体は、真っ平らな胸、水着に形が出る程度に盛り上がった腹、どっしりと余り気味の尻と、肥満気味幼児に多い洋梨体系。
「あ、カルビ串ひとつですね、まいどー……あーもう、こんな暑いと飲む端から抜けてっちゃうわ」
 目線より少し下の網からいい感じの肉を取って渡し、的確に客をさばいてから傍らに置いてあったすっかりぬるくなった酒を一口。
 そんな彼女を始めとする祭り会場にいる水着の女性陣を、茂みの中から、水の中から、はたまた砂の下から見つめる無数の目。
「ボクらのモットー、それは……水着は脱がすためにある!」

●名物でもお断り
「こんにちは、今日はアルダワ魔法学園での依頼です」
 ミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)のボディ花園・桃姫が集まった猟兵たちに告げる。
「場所は学園外の群島海域。そこにある島のビーチで、夏祭りが行われています」
 折しも夏真っ盛り。海浜地帯ならばあらゆる面でオンシーズンと言えるだろう。
「ですので、そのお祭りに遊びに行ってください。ビーチなので海の家や屋台などがたくさん出ていますし、酒類など学園内ではあまり見ないものもあるでしょう」
 外の世界には学園には無い様々な文化が溢れている。蒸気と学園生活だけではないアルダワの奥深さを学ぶのもいいだろう。
「そちらには私お勧めの焼肉屋さんが出張で屋台も出しています。まあ少々性格に難のある人ではありますが……とにかく肉の品質は間違いないので是非どうぞ」
 肉関係の依頼を少なからず出している桃姫。そこで繋いだ肉縁での紹介だろうか。もちろん他にもいろいろあるので、群島海域ビーチの夏祭りを思い思いに楽しむのがいいだろう。

「で、それで終われば良かったのですけど、そのお祭りにオブリビオン……災魔の襲撃がありまして、これの退治も皆さんにはお願いしたいのです」
 やはり猟兵に依頼として出される話、ただで終わるわけはなかった。
「襲ってくるのは『パリピ罠うさぎ』という子供型の災魔なのですが……その目的は何というか、『セクハラ』です」
 騒ぎすぎて周囲に迷惑をかけるパリピ連中。これも祭りの負の名物と言えるかもしれない。
「構える水鉄砲には水着だけ溶かす液体が入ってたり、ビーチ中をセクハラ迷路に変えたり、仲間を呼んで馬鹿騒ぎしたり……そういう迷惑行動をひたすら展開します」
 もちろん猟兵もその対象になる。また集団型だけあり様々な性的嗜好の者がおり、分かりやすいセクシー系だけでなく幼児体型や同性をターゲットにするような個体もいるだろう。
「ちなみに先に紹介したお店の人、猟兵のサポート込みではあるものの猟書家とやり合ったこともあるため結構戦力になります。よければ共闘してみてください」
 マジックナイトの能力を持ち、肉体派魔術師という稀有な戦法を扱うという。猟兵とも面識があるためその辺りの話も早いだろう。

「まあ、お仕事付き夏のレクリエーションと思って楽しんできてください……ええ、私の事は気にせず……」
 オブリビオンの危険がある限りグリモア猟兵は現地に行けない。戦いをもって締めとなる今回の依頼では、祭りにミルケンやそのボディを呼ぶことも当然できない。
 話を終え、妙に暗い顔で桃姫が転送の準備をする。
「なんでアルダワは最後に遊ぶタイプの依頼がないんですか……私だってお肉食べたいのに……」
 そのままぶつぶつ呟き続ける桃姫が開けた転移を通り、猟兵たちは真夏のアルダワへ向かうのであった。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。こちらはお祭りから水鉄砲のシナリオです。

 第一章ではアルダワ群島海域にあるビーチでのお祭りで遊んでいただきます。海の家、屋台、その他諸々学園らしからぬアルダワ名物を楽しめます。祭りの名目は何かの鎮魂とか祈祷とかそういうのらしいですが、割と忘れられています。
 屋台の一つに肉を焼いて出している屋台があり、そちらは猟兵と関わったことのある女性が運営しています。もちろん肉は絶品、特にカルビが名物。よろしければどうぞ。

 第二章では『パリピ罠うさぎ』との集団戦。彼らはセクハラ目的に、水着の溶ける水鉄砲やセクハラトラップ迷路で祭りを引っかきまわしに来ます。様々な個体がいますので、基本誰でもセクハラ対象になると思ってください。
 こちらでも上記の焼肉屋の女性が戦闘を手伝います。

 以下は焼肉屋詳細。

 ブリス・ローズリーフ(24、女性)人間のマジックナイト×フードファイター。
 東方諸島出身の魔法戦士であり、反動の強い魔法を体で支えて撃つパワー型魔術師。低身長、貧乳、寸胴でかなり幼く見られることを気にしている。今回は祭りのため屋台を出張開店。コンプレックスを刺激しすぎるとキレて魔法をぶっぱなす先祖譲りの悪癖がある。かなりの大食いかつ大酒のみ。猟兵や猟書家については以前の経験(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=38145 読む必要はなし)からそれなりに知っている。

 セクハラはされますが、ガチお色気ではなくあくまで遊びの範囲までです。ポロリはあってもそれ以上はご期待には沿えません。
 全体的に楽しくおいしくちょっとだけセクシーな、程度のシナリオです。

 それでは、プレイングをお待ちしています。
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第1章 日常 『学園の外を体験しよう』

POW   :    力を活かしてその土地の文化・風習などを体験する

SPD   :    速さを活かしてその土地の文化・風習などを体験する

WIZ   :    知識を活かしてその土地の文化・風習などを体験する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 青い海。白い砂。照りつける太陽。ここはアルダワ世界群島海域。そこにあるビーチで、今まさに夏まつりが開かれていた。
 海で遊び人々やそれをターゲットにしたたくさんの出店。模擬店ならば学園の祭りでも見ることが出来ようが、それが中で食事もできる海の家やプロが出張して出している出店、酒を多く置いている店舗などは学園の中では中々目にすることは出来ないだろう。
 そんな学園に因らぬアルダワ文化の一つであるこの祭り。グリモア猟兵によれば、小柄で幼児体型の女性が運営している焼肉屋台がお勧めだという。
「いらっしゃいま……は? 年齢確認? こちとら何万回も聞かれてんだよそれ! 肉買わないなら帰れ!」
 上記のように|コンプレックス《外見年齢と体型》に触れない限りは、だそうだが。
 無論それ以外の店にも名品、絶品は色々あるだろう。それを探しても良いし、あるいは海で楽しんだりすでに忘れられているという祭りの本義を深掘りしてみるのも文化体験としていいかもしれない。
 もちろんそんな細かいことは一切考えず、ただ夏の太陽の下浮かれ騒いで楽しむのも祭りの正しい在り方だ。
 さあ夏の太陽の下、群島海域の祭りに遊ぶといい。
サエ・キルフィバオム
アドリブ歓迎!

う~ん、体型がコンプレックスかぁ
ま、こんなに暑いんだし、そんなこと気にせずに飲んじゃおうよ!
……もしかして、ちょっとあたしは近づかない方がいい?

でも、なんて言うか仲良くなりたいからさー、ほら、あたし糸使うの上手いし、お肉焼くの手伝っちゃうよ!
って、チャーシューにそんな意図はないってば!
ちょちょっと、そんなに睨みつけないで!



 真夏の群島海域。リゾート感あふれるそこのビーチは、今まさに夏祭りの真っただ中。当然のように多数の出店や屋台が出ているが、その中でも一つの屋台がグリモア猟兵から勧められていた。
「焼肉屋さんが出してる屋台ね、店員さんも可愛いみたいだし」
 サエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)はその情報を思いそこへ向かおうとするが、同時に教えられた忠告も思い出す。
「う~ん、体型がコンプレックスかぁ」
 その店員は肥満気味かつ極度の幼児体型であり、そこをつつくと凄まじい勢いでブチ切れるという。
「……もしかして、ちょっとあたしは近づかない方がいい?」
 サエの体型は、控えめに言って豊満ナイスバディ。たとえ何も言わなくても、その姿を見せるだけで相手のヘイトを稼ぐことになりそうなのは容易に予想がついた。
 ビーチには他にも良さそうな店はいくつもある。わざわざトラブルを招きかねない相手の所に行かずとも、楽しむ手段はいくらでもあるだろう。
「ま、こんなに暑いんだし、そんなこと気にせずに飲んじゃおうよ!」
 だが、折角紹介もされたんだし、相手はかなりの酒好きでもあるという話だ。夏の日差しに背中を押されるように、サエはその屋台へと向かった。

「こんにちはー、あなたがブリスさんね?」
「はい? 誰ですかあなた?」
 屋台の裏側に回って挨拶すると、当然ながらブリスは怪訝な顔。
「猟兵ってのはご存知? だよね? 私もそうなんだけど、あなたの屋台がいいって聞いてちょっと遊びに来たんだよねー」
 猟兵とは面識があるという彼女。その関係の依頼もあって来たと説明すれば、とりあえずは納得したらしく屋台から追い出すようなことはしない。
 しかし、それでも彼女も一応仕事中。現時点では何かに困っているわけでもなく、余り積極的にこちらに絡んでこようとはしない。
「でも、なんて言うか仲良くなりたいからさー、ほら、あたし糸使うの上手いし、お肉焼くの手伝っちゃうよ!」
 そんな状況にじれったさを感じたサエは、鋼糸を使って肉を吊り上げ炙り焼き、半ば強引に屋台手伝いを始めながらブリスへと迫りだした。
「それにぬるいのばっかり飲んでても楽しくないでしょ? ほら、冷えたの持ってきたし!」
 元々一緒に飲んでみたいというのもあったので、持参した冷えたビールを渡してみればとたんにブリスの機嫌がよくなる。
「あ、どーも……ふぅ~、やっぱ冷えてた方が全然いいわー」
 ものすごい勢いで一本飲み切ってしまうブリスだが、それでも全く肉を焼く手は乱れない。一般的に女性より男性、小柄より大柄、脂肪より筋肉の方が酒に強くなりやすいと言うが、彼女に関してはそれは全く当てはまらないらしい。
「それに最高のおつまみもここにあるしね。あ、お金はちゃんと出すから安心して。それに……」
 ブリスの焼いた肉をつまみつつ自分も一口。しっかり焼かれたタレ漬けの肉を酒で流し込べばそれはまさに夏の味わい。
「今はあなたの力が必要なの……!」
 さらにブリスに【そこに心があるならば】で友好反応を引き出しつつ、サエは外に向けてもアピールを始めた。
「はーい! かわいい子二人のお肉屋さんでーす! これを見逃したら大損しちゃうよー!」
 笑顔で愛嬌を振りまきつつ、大きな声で客を呼ぶ。自分で言う通りにサエの容姿は十分すぎるほどのものだし、水着の豊満な体も惜しげもなく見せつければそれだけで客寄せ効果は十分だ。
 そしてブリスも顔立ちは十分美少女の部類に入るもの。その体形も、その筋の者にはとてつもなく魅力的に映るだろう。
 手際よく肉を焼くブリスと、鋼糸を使ってアクロバティック焼肉を見せるサエの屋台はまさに満員御礼。
 十分すぎる手応えと共に後で二人でまた一杯やろうと考えるも、何やらブリスの手が止まっている。
「どうしたの……って、チャーシューにそんな意図はないってば!」
 その目はサエが作った、ぐるぐる巻きの『豚』肉に向けられていた。豚と言えば肥満の者への蔑称として不動の地位を獲得してしまっているもの。そしてブリスの腹は、水着の上からでも形が分かる程度にはぽっこりと盛り上がっている。
「ちょちょっと、そんなに睨みつけないで!」
 慌てて宥めようとするが、急に動けばサエの大きな胸も揺れてしまう。そうなればそこにUC効果を塗りつぶすほどの感情の籠った視線がまた向けられてしまう。
 多分相手が猟兵でなければ彼女の得意とするパワー魔法がぶっぱなされていたであろうその状況。持たざる者の妬み嫉みをその身に受けつつ、サエは夏の太陽の下健康な姿態を揺らして一時の相方を|宥め《煽》るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
これは楽しそうですねぇ。

既にサイズが合わなくなりつつありますが、今年ご用意した水着を着用しまして。
【豊饒佳饌】を発動し強化、ブリスさんのお店を目的地に、途中の屋台でも[グルメ知識]で気になった品を色々と買い込んで頂きつつ向かいますねぇ。

ブリスさん、お久しぶりですぅ。
折角ですし、カルビを中心に色々と頂いてみますねぇ。
ブリスさんなら私の|食事量《大食い》はご存知の筈ですから、相当な量をお願いしても無駄にしないことはご理解頂けるでしょう。
通常では出せない「大物(量的な)」が有りましたら、其方を。
後はお肉を頂きつつ、お会いしていない間の出来事等を中心に、色々と聞いてみますねぇ。



 祭りに湧く真夏の砂浜。波の音を掻き消す喧騒に包まれているはずのそこは、静まり返っていた。
「これは楽しそうですねぇ」
 その静寂の中心を夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)がゆく。その体は自分自身どころか高めの男性の身長すらも超えた全周の巨大乳に、早くもサイズの合わなくなった今年の水着を付けた、巨肉溢れるものであった。
 常識では考えられないその肉体を揺らしるこるが向かうのは、海辺に出る屋台の一つ。
「こちらを頂きたいのですがぁ」
 にこやかな注文に、あっけに取られていた店員が弾かれたように用意を始める。
「えっと……ここに置けば……?」
「あ、すぐ食べるので手渡しでお願いしますぅ」
 目の前に突き出された皿どころか盆を複数置けそうな巨大な山に頓珍漢なことを言ってしまうが、るこるは気にせずそれを受け取る。
「おお、確かに、これは学園とはまた違いますねぇ」
 そして自分で言った通りその場でそれをすぐにいただいて、そのまま次の屋台へ。【豊乳女神の加護・豊饒佳饌】で強化したグルメ知識を元によさげな屋台を選んでのグルメ巡りだが、やはり多く引っかかるのは地元の店が出している海鮮系。
 学園内には当たり前だが海などない。何でもありの迷宮のこと水系フロアならいくらでも発生はするが、それもあくまでダンジョンメーカーが作った侵入者を阻む罠に過ぎない。
 だが、ここならばその気候ゆえに漁業が主産業になるのも自然な事。運ぶ手間がない分料金も割安にできるし、鮮度に関しては魔法を使わずとも抜群だろう。
「海老や烏賊に蛸、魚介パエリアは……甘鯛ですかぁ」
 数年前に訪れた異世界での祭りを何となく思い出しつつ、次々と屋台飯を平らげていくるこる。
 そんな風に屋台巡りをしながら、るこるはある場所を目指していた。
「ブリスさん、お久しぶりですぅ」
「……何かと思ったわ……」
 彼女が向かったのは、グリモア猟兵お勧めの肉屋台。ここを運営するブリス・ローズリーフが初めて猟兵と関わった時の依頼に参加していたのが、他ならぬるこるであった。
 その時やそれに続く一件でるこるの凄まじさを知っているからか、あるいは大きすぎて認識が歪んでいるのか、過剰にるこるの巨大乳につっかかってくるようなことはなくただ若干ひきつった表情を浮かべるだけでるこるを迎え入れるブリス。
「それでは、カルビを中心にいろいろ頂きたくぅ」
 そんな彼女に、顔見知り故に細かい話はなしに早速注文。するとブリスは網の上で焼いていた肉に一気に仕上げをかけ始めた。
「どうせこのくらいじゃ足りないでしょう? 今出すんでちょっと待っててください」
 そうして焼き上がりをるこるに渡してから、さらに追加を焼き始めるブリス。出された分を食べてみると、店で出すものに比べ串焼き様に分厚く切ってある肉から脂が染み出して非常に味わい深い。
 相変わらずのクオリティに安心しつつ、るこるは一つ尋ねてみる。
「通常では出せない「大物(量的な)」が有りましたら、其方をお願いしたいのですがぁ」
 裏メニュー的なものが無いかと尋ねれば、ブリスは少し考えてから肉の塊を取り出した。
「切り出し前のブロック肉でふつうこんなもんそのまま焼かないんですが……まあ特別に」
 そう言ってブリスは肉にいくつかの金属串を突き刺した。そしてその串を握り、全身に火の魔力を巡らせる。
 その魔力によって串が熱され肉を内側から焼き、さらには体から溢れ出す火が外側からも肉を炙る。ブリスのマジックナイト式魔法焼きで、ブロック肉は瞬く間に巨大な焼肉になった。
「はい、どうぞ」
 出されたそれを食べてみれば、外と中がそれぞれ別に焼かれており正しく絶品。外は香ばしく焼き目もつきつつ、中もしっかり火が通るも切っていない関係で肉汁や脂が閉じ込められている。それにかぶりつけば、唯一問題があるとすれば、るこるやその仲間(紹介したグリモア猟兵含む)でもなければこのサイズのものを食べきることは出来ないだろうということだけであった。
「ありがとうございますぅ。ところで、最近はいかがでしょうかぁ」
 肉を食べながら、しばらく会っていなかった時期を中心にどんな感じだったかを尋ねるるこる。
「あー、まあぼちぼち。ただまあ最近は色々目立った関係でちょっと客は増えた気がしますかね」
 彼女はるこると一緒に大食い大会に出て、そこで規格外の結果を出したことがあった。それからもう数年たってはいるのだが、それが宣伝になって来た客が味を気に入ってリピーター化するなどして商売繁盛に繋がったのだろう。
「なるほどぉ。そう言えば、こちらまでわざわざ出店にいらした理由とかはなにかあるので?」
 ブリスの本来の拠点は東方諸島である。隣接地域で直通航路もあるとはいえ、散歩感覚で来られる場所ではない。
「ああ、そうですね。まずこの祭り、元々なんでやってるか知ってます?」
 たしか何かの鎮魂だか供養だったか、ほとんど忘れられているがそのようなものだったとグリモア猟兵は言っていた。それを告げるとブリスは頷く。
「よく知ってますね。で、具体的にはなんですけど、ここは大昔は今の倍くらい大きかったんだけど、なんと島の半分が一夜にして消滅したと。なんかの祟りだの禁断の魔法だか蒸気兵器だかが暴走しただのいろいろ言われてますが、まあとにかくそれに伴って人口の半分も消えたんで、その鎮魂って感じで」
 仮に本当だとしたら歴史に残る大事だろう。それが忘れられているということはやはり事実ではないのか、あるいはそれすら風化するほど昔の話なのか。
「まあ、よくあるただの伝説だとは思うんですけどね。ただこの島、片側にだけやたら切り取ったような崖が多いのと、あと……うちの先祖、この島に来たところで記録が消えてんですよね」
 そう言えば彼女は古の武道大会優勝者の子孫だった。もちろん大昔の話なので細かい足跡が残ってないなど当然の話ではあるのだが、果たして。
「それに導かれるように……っていうこじつけで、出稼ぎに来てるだけです」
 本人的にはちょっとした|夏の風物詩《怪談》でも話したつもりなのか軽く話を追えるブリス。それが猟兵にはどう聞こえるかも知らぬげに肉を焼き、何かを考える風のるこるにそれを差し出して来るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『パリピ罠うさぎ』

POW   :    アルケミカルガトリング
レベル分の1秒で【怪しい効果を発揮する液体】を発射できる。
SPD   :    ラビラビラビリンス
戦場全体に、【えげつない罠や隠しカメラのある通路や部屋】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ   :    ブチ上げウサテンション
【「ウェーイ!」って感じの楽しそうな歓声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。

イラスト:さいばし

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 夏祭り真っただ中のビーチ。そこに水鉄砲をもった少年の大集団が飛び込んできた。その中の一人がきょろきょろと辺りを見回し、一人の女性に目を付ける。
「おっぱいの大きなお姉さん、みっけ!」
 大きな声でそう言って、その女性の大きな胸をつつむ水着に水鉄砲を発射した。
「きゃああああああ!!」
 当然女性からは悲鳴が上がる。だが、その声はただ水をかけられただけにしては余りにも大きかった。
 胸を抑える女性の手。その隙間からはどろどろに溶けた水着が零れ落ち、豊かな胸が今にも丸出しになりそうな状態となっていた。
「えへへ、いちばんのりー!」
 そのまま無邪気にその女性の手を外し飛びついて胸の中に顔をうずめる少年。さらに他の子供たちも、次々にビーチの人々に水鉄砲を撃ちまくり始めていた。
「おしり、もらったー!」
「ワンピースよりビキニが好きなんだ、おへそ出してよ!」
「そこのかっこいいお兄さん……脱がないか?」
 老若男女、無差別に水をかけては水着を脱がしていく少年たち。当然そのターゲットは客だけでなく地元住民や屋台の出店者にも及ぶ。
「ねぇねぇ、君可愛いね。ボクはあいつらと違って、同世代の子と清く正しい水着の脱がし合いがしたいんだ。よければそこの木の陰で僕とひと夏の経験を……」
 ナンパ風に言いながら水鉄砲を向ける一人の少年。だがその体を、巨大な火球が吹っ飛ばした。
「こちとらもう24だクソガキ! 酒飲めるようになってから出直してこい!」
 ブチ切れ状態で全身から魔力を立ち上らせるブリスの前で、丸焦げになった少年が消えていく。
 彼らは|災魔《オブリビオン》『パリピ罠うさぎ』。真夏のビーチに水着を溶かす水鉄砲を携えセクハラのために現れた迷惑災魔だ。
 にわかにパニック状態になったビーチで破廉恥行為を繰り返す少年たち。これでは祭りも台無しだ。
 さあ猟兵よ。このエロガキ共に祭りだから何をしてもいいわけではないことを体で教えてやれ!
サエ・キルフィバオム
アドリブ歓迎!

夏は人を開放的にするって言うけど、周りに迷惑かける連中はお断りだよねー
ちょっとおイタが過ぎる子たちには、キツイお仕置きをしていこっか♪

敢えて最初は水鉄砲を食らって、追い込まれたフリをするよ
良い気になってる時に突然絶望に蹴落とされる、その前振りだね
【クイックピンクフォックス】、こういう相手に対して強化は十分だよね♪
突然狩る側から狩られる側になった気分はどうかな?うさぎさん?

因みに、クイックピンクフォックスはあたしだけが対象になるわけじゃないんだ~♪
ブリスさんにも、しっかり付与してるからね
今更あたしだけを警戒してても、あっちを止められるか見ものだね!



 ビーチに乱入し、辺りに水をかけまくる『パリピ罠うさぎ』の大集団。大勢の水着が溶かされ、ビーチは完全にパニック状態だ。
 もちろんサエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)の元にも水鉄砲を構えたスケベうさぎたちが現れる。
「夏は人を開放的にするって言うけど、周りに迷惑かける連中はお断りだよねー。ちょっとおイタが過ぎる子たちには、キツイお仕置きをしていこっか♪」
 そんなサエに対し、罠うさぎは肩に狙いを定めて水鉄砲を発射した。
「ひゃっ!?」
 それは狙い違わず肩紐に当たり、それを溶かす。サエの大きな胸の重量を支えるものがなくなり、水着が大きくずれた。
「そーれ、もう半分も!」
 さらにもう片方の肩紐にも水がかけられる。両方の紐がなくなり水着の保持力が失われ胸が零れ落ちかけるのを、サエはとっさに両胸を押さえて防いだ。
 完全に両手が封じられた状態のサエに水鉄砲を突きつけてうさぎ少年が迫る。
「ねぇ、その手放してよ?」
 僅かに引き金を引いて水をちょろちょろ零し、水着の側面を少しずつと化していくうさぎ。
 さらには後ろから、別の罠うさぎも迫って来た。
「ボクはこっちー!」
 そのうさぎが、サエの下半身に水をかける。尻まわりを中心に水着が溶かされ、サエの形の良い尻が今度は溢れそうになる。
 サエは胸から片手だけ外してそちらを押さえるが、結果的にどちらの保持も弱くなり今にもすべてが溢れ出しそうだ。
「そんなんじゃあとちょっと溶かしたら全部見えちゃうね?」
 にやにや笑いながらうさぎたちがサエに迫り、そして残る僅かな水着に向けて水鉄砲を発射しようとする。それに目を合わせないように顔を伏せるサエの、その心情は。
(良い気になってる時に突然絶望に蹴落とされる、その前振りだね)
 今こそまさにその時、というものであった。
「鼻の下伸ばしてると見逃すよ!」
 瞬時にサエは水着から手を離し、そこに巻き付いた鋼糸を振り回す。それは周囲を縦横に動き、水鉄砲を構えていたうさぎたちをぐるぐる巻きにして引き倒した。
「な、なんで……!?」
「【クイックピンクフォックス】、こういう相手に対して強化は十分だよね♪」
 欲望など様々な負の感情を向けられるほどに攻撃回数の増える技。性欲の塊のようなパリピ罠うさぎたちにとってはまさに特効と言っていい技だ。
 溶かされた水着も鋼糸を巻き付け補修済み。そんなサエを、残るうさぎたちが距離を取った状態で取り囲む。
「別にこんなの溶かしたくないけど……あの武器から何とかするぞ!」
 一応戦闘用にも使えるらしい水鉄砲の溶解能力。全方位から攻撃してサエの装備を奪っていく戦法を取るつもりらしい。
 だが、この状況でもサエの表情は余裕の儘だ。
「因みに、クイックピンクフォックスはあたしだけが対象になるわけじゃないんだ~♪」
 このUCの効果は発動者だけでなく仲間全体。そしてサエには、相手の『仕事』を手伝った仲間がいる。
「ブリスさんにも、しっかり付与してるからね。今更あたしだけを警戒してても、あっちを止められるか見ものだね!」
 そう言った瞬間、サエを囲んでいたうさぎが爆炎と共に吹き飛んだ。
「人の商売の邪魔しやがって……」
 そこにいたのは怒りの表情のブリス。ところどころ水着が溶け柔らかそうな腹や肌が露になっている。
「え、こんなぺったん寸胴興味ないし……」
「んだとコラァ!」
 ここの罠うさぎたちはサエをターゲットにしていただけにブリスは当然対象外。だがそれを言えば強化効果の一つである侮蔑の感情を向けることにもなり、それ以上にブリスの地雷をがっつり踏むことになるのでパワー全開の全力魔法をぶっ放されることになる。
「せっかく囲んだのに後ろ向いちゃダメだよ?」
 そしてそっちに気を取られれば、サエの鋼糸とロープがうさぎたちを捉え引き倒す。そのまま倒れたところに、ブリスのパワー極振りの魔法が上から落とされた。
「人のお仕事の邪魔したら遊びじゃすまなくなるんだよ……ってもう聞こえてないか」
 消えゆくうさぎたちに凄みのある笑顔で告げるサエ。
 そこからも糸が水着代わりになってより見えやすくなった豊満な体に感じるブリスの怒りの視線の矛先を反らすように、周囲の罠うさぎたちを捉え引き倒して的にしていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。


メリー・ドール(サポート)
「私メリー、助太刀に来たの!」

 ミレナリィドールの殺人鬼×悪霊、12歳の女です。
 都市伝説〝メリーさんの電話〟を元として生まれた人形の怪異。
 純粋無垢な少女のように無邪気に、かつ残酷に振る舞う。
 口調はステシ参照。最初に「私メリー」と言うのが口癖。
 戦闘方法としては包丁や首切り鋏で【切断】したり、電話を用いて【呪詛】【音響攻撃】など。


 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


政木・朱鞠(サポート)
確かに集団相手の対応は厄介だけど悩む時間が勿体ないし、困っている人をほったらかしにしてたら、あっと言う間に未来が過去に喰い潰され無いように、今は目の前のターゲットを倒すことに集中しないとね…。
死ぬこと以外はかすり傷とまでは言わないけど、ここで退くわけには行かないよね。

戦闘
相手は多勢…手数で押し負けないようにしないとね。
武器は拷問具『荊野鎖』をチョイスして、『咎力封じ』を使用して動きを封じて、【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使い【傷口をえぐる】でダメージを与える戦法を取ろうかな。

アドリブ連帯歓迎



 思わぬ抵抗を受けたものの、まだまだ暴れまわるパリピ罠うさぎたち。そんな彼らの主なターゲットはやはり女性だ。
「綺麗なお姉さんたちみーっけ! 水着脱ごう!」
 女性の一団を見つけた罠うさぎたちは、水鉄砲を構えてそれに迫る。その内の一人がウサギの頭に手を置いて笑って答えた。
「おー、そうか。お前は水着を脱がすのが好きなのか」
 その女性、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はうさぎの頭を撫でる。
「うん、そう! だからお姉さんも……」
 相手が乗り気と見てうさぎは多喜の体に水鉄砲を向け、引き金を引こうとする。だが。
「そういう迷惑なガキにはお仕置きだよ!」
 多喜はそのまま相手の頭を思い切り掴み、そのまま砂浜へと叩きつけた。
「これがアタシ流のサイキックの応用さ! あんたらみたいな悪い子にはお仕置きだよ!」
 そのまま多喜は宇宙カブにマヒさせたうさぎを括り付け、砂浜を爆走する。そしてそのままどこでも走れる宇宙カブの性能を活かして海上に出ると、そこで思い切り転回して乗せたうさぎを遠心力で放り出した。
「うわわわわ~!?」
 そのまま海の彼方へ投げ捨てられる罠うさぎ。これにてお仕置き一丁上がりである。
「うーわ、容赦ないね」
 その様子を遠目に見るのは政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)。そうは言うが、彼女の褐色の締まった体や豊満な胸は、既にかなりの露出となっていた。
「お姉さんはこういうの好きなんでしょ?」
 それをしたのはまた別のパリピ罠うさぎ。朱鞠は自分に来たうさぎの水鉄砲を嬉々として受け入れ、時に自分で場所を指定してまで自らの水着を脱がさせていた。
「そうよ、大好き。君みたいな美味しそうな男の子もね……❤」
 そのまま罠うさぎを抱き寄せ、星条旗ビキニに星や線にそって穴が開けられた水着を付けた胸にその顔をうずめる。
 そして爆乳で顔を圧迫しつつ、その少年に唇を寄せて。
「命が惜しければ貴方の咎を指折り数えなさい……ただし、両手で足りたらの話だけどね……」
 触れるか触れないかのキス。その瞬間、胸の中でびくびくと罠うさぎが痙攣してぐったりと果てた。
「状況が違えばもっとゆっくり味見しても良かったんだけど……次の子はだれ?」
 【忍法・投げ恋菱】で一人を逝かせた朱鞠は、次の獲物を求め舌なめずりをして少年たちを見た。
「あ、あわわ、ヤバい人ばっかり……」
 この状況に、残る罠うさぎたちも思わず後退る。その彼の背中に、固い何かがぶつかった。
「私メリー、今あなたの後ろにいるの」
 跳びあがらんばかりに驚いて振り返ったうさぎの目に飛び込んできたのは、サマードレス風の水着を着たメリー・ドール(怪異・メリーさんの電話・f44614)であった。
「あ、し、失礼しました。ボクはこれで……」
 水着を溶かすことも忘れ、いそいそとそのまま撤退しようとする罠うさぎ。その肩を、固い人形の手ががっしりと掴んだ。
「私メリー、助太刀に来たの!」
 怪異メリーに背後を取られたらもう逃げられない。ひきつった顔の兎の周囲に、次々と人形が現れる。
「私メリー、あなたの傍にもいるわ」
 メリーを小さくしたような可愛らしい人形が、包丁や首切り鋏を手に次々とその罠うさぎの体を上ってくる。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 真夏の海に悲鳴が響いた。夏のお楽しみは水着や祭りだけではない。太陽すらも遮る暗く冷たい恐怖話もまた夏の風物詩。その闇の中に罠うさぎは沈んでいった。

「さて、じゃ、あたしはこの島を一巡りしてくるよ」
「私はこのお祭りを楽しませてもらおうかしら」
「私メリー、夜になるのを待ってるわ」
 こうしてパリピ罠うさぎを倒した美女三人は、それぞれの夏を楽しむべく島の方々へ散るのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
酷いですねぇ。
早目に対処しませんと。

一般の方々もいる以上、広域攻撃は使い辛いですねぇ。
【搾薢】を発動し多数の『蔓』を形成、1~2本ずつを私とブリスさんを覆う「膜」の様に用いて保護、約半数を一般の方々へ向かうのを防ぐ為の「生垣」に用い、残りの『蔓』を攻撃に回しましょう。
水着を溶かすだけで「破壊力がある」わけではないなら、これらの防御の突破は極めて困難ですので、後は「他の薬」が使われないかを『FLS』で召喚した『FPS』で探査、厄介な薬を持ちだしてきた方と、「砂に潜る」等の方法で「生垣」を突破しようとする方は、優先的に狙いますねぇ。
防御を此方で備えて置けば、ブリスさんは「攻撃」に専念出来ますので、彼女の対処し易い位置の敵はお任せしつつ残りを『蔓』で吸収して行きましょう。
問題は、こういう『薬』を『蔓』で吸収すると「高確率で吸収したエネルギーが胸に集中し増量する」ことですが。

無事解決しましたら、グリモア猟兵さん用のお土産にお肉と屋台ご飯を大量に買い込んでおきましょうかぁ。



 パリピ罠うさぎによる襲撃により、祭りのビーチは阿鼻叫喚の渦に叩き込まれていた。
 水着を脱がされた者の悲鳴、そしてその後の展開による奇声。さらにはそれを止めに来た猟兵による怒声に、蹴散らされる罠うさぎたちの絶叫。誰も彼もが何がしかの声を上げ、それらが混然一体となって最早何が何だか分からない状況となっていた。
「酷いですねぇ。早目に対処しませんと」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はこの状況に収拾を付けるべく、パリピ罠うさぎたちを駆逐せんとする。
 しかし、ここにいるのは敵だけではない。折しも夏祭り、ただ遊びに来ただけの一般人も大勢いるのだ。
「一般の方々もいる以上、広域攻撃は使い辛いですねぇ」
 ここがキマイラフューチャーとかなら一般人=野次馬だし、なんなら自分から巻き込まれに来るくらいなのだが、生憎とここはアルダワ世界。
「『大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『魔樹の加護』をお与え下さいませ」
 るこるは【豊乳女神の加護・搾薢】で多数の蔓を形成し、それを方々へと差し向けた。
 多くは遠方の一般人を隔離するような生垣型に、数本は自分と傍にいたブリスを守るために、そして残りは攻撃用として待機。
 その状態でも、パリピ罠うさぎたちはまったく動じない。
「大物が来たぞ! 皆でかかれー!」
 巨大サイズのるこるを水鉄砲を構えて囲み、既に切れかけている水着に狙いを付ける。
「撃てー!」
 そして一斉発射。水着に溶解液が撃ちかけられるが、防御に残した蔓でそれを叩き落とす。
「くっ、水着じゃないから溶けない!」
「せめて蔦ビキニだったら!」
 一体どういう基準で判別しているのかは分からないが、やはり彼らの水鉄砲は水着じゃないものは溶かせないらしい。
 一方一部の罠うさぎは、なぜかるこるに背を向けている。
「ボクはスレンダー派なんだよ。あとロリコンでもないんだ」
 彼はるこるにもブリスにも興味がないらしく、どうにかして防壁の突破を図っているようだ。うさぎならばジャンプ力もそれなりだろうが、生垣上部の蔓がうねうねと動いて対空の構えを見せている。
 そんな状況で彼が目を付けたのは、下の砂浜だ。
「よし、こっちからいける!」
 足元の砂を掘り進み、下からの生垣の突破を図った。ウサギは種によっては穴掘りも得意である。凄まじい勢いでその上半身が砂の中に消えていく。
 そして体の半分ほどが砂に消えた瞬間、残された下半身が大爆発を起こした。
「だれがロリだ? あぁ?」
 相変わらずキレっぱなしのブリスが放った火炎魔法。怒り状態で防御がおろそかになっている可能性のある彼女も、るこるが防御を固めていることで憂いなく攻撃に全振りできる。
 こうして攻防共に完璧となった状態。だがこれを打破するため、罠うさぎが何かを取り出した。
「こうなったら……これを投入するぞ!」
 取り出したのは小さな錠剤。うさぎはそれを自らの水鉄砲の給水口に放り込む。
「そ、それは……!」
「そう、この薬液を浴びた者は、全てエロエロ化してエロの為に動くR-18モードになってしまう! これでこの大量の植物を撃てば、とたんに誰の言うことも聞かず女体に絡みついてねっとりしっぽり嬲りつくすエロ触手モードへと大変貌をげふぅ!?」
 誰に向けてか薬液変更の説明を長々と続ける罠うさぎ。そのあまりに長い説明の隙に、植物たちはそのうさぎを捉え水薬液諸共存在吸収をかけていた。
「探知の結果今回はそう言う話ではないということも分かりましたのでぇ」
 引っ張り出した探査用祭器が収集してきた情報を元に、相手が動く前に仕留めるのがベターとの判断。依頼の種類のよってはもしかしたら『放置推奨』の情報が出たかもしれないが……とりあえず今回はそう言う話ではなかったようだ。
「問題は、こういう『薬』を『蔓』で吸収すると「高確率で吸収したエネルギーが胸に集中し増量する」ことですが」
 何しろ水着溶解液だけでなく、不発に終わった秘蔵の【怪しい効果を発揮する液体】もついでに吸収したのだ。それが乳に行ってしまったらどうなるか……せめてブリスの見ていないところで起きることを願うばかりである。
 この攻勢により、パリピ罠うさぎたちはついにほぼ壊滅。僅かな生き残りが砂浜に倒れるばかりとなった。
「せ、せめて最期にお肉を……」
「どの肉のことだ言ってみろ!」
 倒れる罠うさぎを見下ろして詰め寄るブリス。既に生殺与奪は彼女の側にある。回答を間違えたら確実に消される状況。るこるの乳とブリスの腹を見て、罠うさぎは声を絞り出した。
「……柔らかいやつ」
 その答えにブリスが自身に纏った魔力を全開放。残念ながら彼の解答は不正解あった。最も何を言っても吹き飛ばされたのでは……とるこるが思ったかどうかは定かではない。
 うさぎを閉じ込めた生垣の中で魔力が渦を巻いて爆発し、パリピ罠うさぎたちの集団を吹き飛ばした。
「あらぁ?」
 そしてその余波で、すでに限界だったるこるの水着がぷちんと切れる。パリピ罠うさぎたちが求めた光景は、彼らがいなくなった海に曝け出されるのであった。

 かくして、騒動も収まり祭りの再開となった群島海域ビーチ。
「グリモア猟兵さん用のお土産にお肉と屋台ご飯を大量に買い込んでおきましょうかぁ」
 依頼開始時にアルダワの依頼だと|現場に行けない《フレームがない》ことを嘆いていたグリモア猟兵のためにおみやの注文。ブリスの焼肉だけでなく、周囲で売ってる屋台飯や、祭りと関係ないこの島の特産を保存のきく干物にしたものなどを多く買い込んでいく。
「海鮮鉄板焼き、などもよさそうですねぇ」
「まあ、たまには肉以外を焼いて食うのもいいですね」
 仕事終わりのブリスも一緒に、いくつかはこの場で焼いてそれを頂く。
 水鉄砲の一団を蹴散らして、島の砂浜で魔法使いと一緒に肉や魚を焼いて食う。それが最も似合う世界とこの肉系魔法使いとの関係は、るこるや猟兵には何かを察さざるを得ないものなのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年09月06日


挿絵イラスト