Plamotion Build BBQ
●君が知って、君が作る
他世界の文化というものは、いつだって好奇心を掻き立ててくれるものだ。
シャナ・コリガン(どこまでも白く・f44820)はレプリカ作成に精通した竜騎鍛冶師だ。
アスリートアース、その未公式競技である『プラモーション・アクト』――通称『プラクト』のことを聞き及んだ時、彼女は興味津々だった。
人によっては無為なる行為であるというかもしれない。
だが、シャナにはそうは思えなかったのだ。
作ることは活かすこと。
それがこの世界では根付いているのだ。
「それが、これなんです?」
彼女の手にあるのは鮮やかな色彩で描かれ得た絵。
それを紙の箱とした品物だった。
箱の面積から考えても、軽量であることが見て取れる。
軽く振ると、箱の内部に何かが入っていることがわかる。
「プラスチックモデル……『プラクト』に使用するのならプラスチックホビー、と言ったほうがいいかな」
『アスリートアースのとある商店街の片隅にある『五月雨模型店』の店長である『皐月』の言葉にシャナは頷いた。
購入したプラスチックホビーの箱を抱えて制作スペースを借り受ける。
「なるほど、小さな人造竜騎といったところですか! しかも……動きをつけられる。関節の意味を正しく汲み取っているとは……!」
「そうだね」
今回、シャナはプールサイドイベントの物販コーナーに来ていた。
そこで購入したプラスチックホビーを制作することができると聞いて居ても立っても居られなくなったのだ。
「塗装もすれば好きな色に塗り替えられるよ」
「なんと……! あ、では……」
シャナは己の麒麟キャバリア『聳孤』を思い出す。
「ふむ、それならシルバーを下地にしてクリアーグリーンで塗装してみるのはどうかな? 吹き付ければ、光沢のあるイメージに近づくと思うんだけど」
「私のこだわりなんです!」
「……じゃあ、もしかしてその溶接面も?」
「怪しくないですよ?」
「……うん」
ものすごく怪しい。
だが、『皐月』は空気を読んだようあった。
「いえ、本当に怪しくないですよ!?」
「大丈夫」
「それ大丈夫じゃないやつですよね!?」
「いや、本当。さ、塗っていこうか」
シャナは釈然としないものを感じながら、購入した『セラフィム』を組み上げ、己がキャバリア『聳孤』を意識したメタリックグリーンを基調としたプラスチックホビーを完成させるべく、BBQの傍ら、制作スペースにて勤しむのだった――。
成功
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