誰からともなく『アイスランド』と呼ぶようになったその島には、先に住む人がある程度の調査を済ませ、また、拠点となる場所を築いているから。どこが美味しいとか、これを食べたいならこことか、休憩する場所やさらなる調理ができる場所など、なんだかんだ開拓が進んでいるようだ。
佐和
こんにちは。サワです。
最高の避暑地じゃないでしょうかね。
アイスランドはアイスな世界です。
島のほぼ全てが凍っているのに極寒ではないという不思議島。
すごく冷房の効いている場所、くらいの気温です。
ソーダの湖や川は、冷たいけれど凍ってないですし。
それでいて溶けないアイスの不思議。
まあ、アリスラビリンスだと思えば当然なのかもしれません。
OPに記載した以外にも、アイスなものならきっとあります。
第1章はお好きなようにアイスランドを楽しんでください。
第2章は集団戦となります。
アイスランドを発見し、上陸した『アイスセイレーン』達が襲ってきます。
それでは、アイスいっぱいの島を、どうぞ。
第1章 冒険
『アイスの島で大冒険!』
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POW : アイスを掘り出して食べてみる
SPD : アイスを削り出して食べてみる
WIZ : 冷凍フルーツとアイスでパフェを創作
イラスト:V-7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
キール・グラナドロップ
わぁ、色んなアイスがある!
涼しくて気持ちいいし、とってもいい場所だね!
えっと、ボクね。甘いチョコの味のやつが好きなの。どんなエリアにあるか、住人の人達に聞いてみようかな……ちょ、ちょっと緊張するけど、【情報収集】頑張るよ。
んんんー! やっぱりチョコのアイス美味しいなぁ……甘くて美味しい……こっちの、塩とチョコが合わさってるやつも、聞いた時はびっくりしたけど、甘さが強く出てる気がしてすっごく美味しいー!
ボク、身体がちっちゃいから、ちょっとでおなかいっぱいになっちゃうんだけど、アイスなら溶けるしいくら食べてもいいかも!
影「腹壊すぞ」(脳内で)
うっ……そうだね。気をつけるよ影くん……
「わぁ、色んなアイスがある!」
鉄甲船『彩雲丸』を下りるなり見えた景色に、キール・グラナドロップ(影に縋る者・f14289)は感激の声を上げていた。
木も花も、道も丘も全てがアイスでできた島。その色彩はとても鮮やかで。ピンク色はきっとイチゴ、黄色はレモンか、淡い色合いのはバニラやチーズケーキ系のよう。緑色は抹茶かメロンかマスカット、黒い粒が混じっていればチョコミント。青いソーダに、紫のブルーベリー、橙色はオレンジやマンゴー、といったところだろうか。味を想像するだけでも楽しい。
そして島はひんやり涼しくて、凍える寒さではないから気持ちいい。
「とってもいい場所だね!」
感想を口にしながらキールはふわりと飛んだ。
探すのはチョコレートのアイス。それも甘いものがいい。
でもこの数多くの色彩の中から好みの味を1人で探すのは大変そうだから。
「聞いてみようかな……ちょ、ちょっと緊張するけど、頑張るよ」
彩雲丸に近づいてきた住人に、意を決して話しかけた。
「チョコレートか。向こうの丘のはどうだ?」
「いや、甘いのなら、あっちの大木の傍にあるやつの方だろ」
「そうだな。そこなら塩チョコもあるからいいんじゃないか?」
「兄さん小さいから食べ歩きしたらすぐ腹いっぱいになっちまいそうだもんなぁ」
「ああ、好きな味に辿り着く前に終わっちまいそうだ」
鉄甲船から荷を下ろすために集まっていたのだという気のいいおっちゃん達が、フェアリーであるキールを気遣いながら教えてくれる。
頑張ってよかった、と思いながら、キールは教えてもらった場所を目指した。
道中も、綺麗で鮮やかで美味しそうなアイスばかりで。だんだん、キールの血のような色の羽や赤と黒の衣装も、ラズベリーとか、それこそベリーをアクセントにしたチョコレートアイスに見えてくるかのよう。
美味しい景色を越えて辿り着いた先は、教えてもらったチョコレートアイスの木。
「んんんー! やっぱりチョコのアイス美味しいなぁ……」
早速いただいて、その甘さに表情をほころばせるキール。
そしてすぐ傍の、ちょっと色味が違うチョコレートアイスの切り株にも手を伸ばす。
「こっちのもすっごく美味しいー!
塩とチョコが合わさったアイスなんて、聞いた時はびっくりしたけど……
甘さが強く出てる気がする」
これも是非とおススメされていた新たな味に大感激。
こうなると、微妙に色合いの違う他のチョコレートアイスも気になってきて。
「ボク、身体がちっちゃいから、ちょっとでおなかいっぱいになっちゃうんだけど……
アイスなら溶けるしいくら食べてもいいかも!」
ふわりとそちらへ移動しようとすると。
『腹壊すぞ』
脳内に響いた声に、ぴたり、と動きを止めるキール。
「うっ……そうだね。気をつけるよ影くん……」
短い忠告に、片っ端から食べたい気持ちを抑えて、アイスを厳選していった。
大成功
🔵🔵🔵
玻瑠璃子・セーラ
アドリブ・連携・お任せ
アイスの島なんて、とっても素敵!
アリスラビリンスから落っこちて来た島だなんて!
ひんやり涼しくて不思議な島ね。すごいわ、世界って繋がっているのね
せっかくだから、とっても素敵なパフェを作りたいの!
この世界にもこの島にも、全部『はじめまして』だから伺ってみましょうか。おすすめの場所はあるかしら?
フルーツたっぷり、アイスもたっぷり!
お魚のきょうだい達と一緒に食べるのよ。お兄さん、お姉さんたちもお手伝いしてくれるの?
とってもカラフルな南国のお魚の群れみたいなパフェになるかしら!
楽しくなって嬉しくなって歌いだしてしまえば、島を守る気持ちもきっと高まるわね
「アイスの島なんて、とっても素敵!」
玻瑠璃子・セーラ(瑠璃色ラプソディ・f44601)も、目の前に広がる色鮮やかな光景に瞳を輝かせた。
「ひんやり涼しくて不思議な島ね。
すごいわ、世界って繋がっているのね」
極寒の地ではないのに溶けないアイス。そんな不思議さはまさしくアリスラビリンスという別の世界の不思議の国を思わせるものだから。
グリードオーシャンは、他の世界から落ちて来た『島』でできている。それを実感してセーラはまた感激する。
こんな素敵な世界なら、素敵なものを作りたい。
そう思ったセーラは、先に島にいた住人へと話しかけることにした。
「はじめまして。おすすめの場所はあるかしら?」
自分で探すのも楽しいけれど、せっかくだからと情報収集。何やらお話していた数人の女性たちは、セーラの話を聞くと、それならと頷いて。
「そっちの森がいいと思うわ」
「そうね。あそこならフルーツもあるし」
「いろんな色のアイスが集まってるから、あちこち行かなくて済むわよ」
「素敵なものができるといいわね」
口々に言って示された森。ありがとうとお礼を告げて早速向かえば。
聞いた通り、フルーツもアイスもいろんな種類が集まった場所だったから。
「さあ、とっても素敵なパフェを作りましょう!」
セーラはにっこりと作業を始めた。
フルーツたっぷり、アイスもたっぷり。あれをこれをと盛り付けていけば。
「お兄さん、お姉さんたちもお手伝いしてくれるの?」
セイレーンのセーラの周囲を泳ぐお魚のきょうだい達も寄ってきて。
「できあがったら一緒に食べるのよ」
一緒に作る楽しさも重なり、嬉しくなれば。口から零れる美しい旋律。
歌うことでさらに楽しくなって。
青色と白色のアイスをベースに、南国のお魚の群れが泳いでいるかのようなとってもカラフルなパフェができあがっていけば。
セーラが紡ぐ歌の中で、お魚のきょうだい達が、喜ぶように舞い泳いだ。
大成功
🔵🔵🔵
フリル・インレアン
ふわぁ、アイスの島ですって、冷たくておいしそうですね。
く、食い意地が張ってるって、
甘い物は別腹なんですよ、アヒルさん。
ふえ?そういう意味じゃないって、どういう意味なんですか?
ここがどこから落ちてきた島か考えてみなって、こんなお菓子の家のような島って……。
あ、アリスラビリンスですね。
食べたらどうなるかわかりませんね。
ふええ、おいしそうなアイスに囲まれているのに、手を付けられないのは地獄です。
ふえ?こんなにおいしいのに食べられないなんて勿体ないって、アヒルさん!!
私をからかったんですか!!
「ふわぁ、アイスの島ですって。冷たくておいしそうですね」
島の道を歩きながら、フリル・インレアン(大きな|帽子の物語《👒 🦆 》はまだ終わらない・f19557)はゆっくりとあたりを見回した。
カラフルで綺麗な島の全てがアイスと聞いたら、そう考えるのが当然ですが。
その手に収まったアヒルちゃん型のガジェットが、があ、と鳴く。
「く、食い意地が張ってる、って甘い物は別腹なんですよ、アヒルさん」
指摘を正確に理解して、おろおろしながらも反論するフリル。
こんな光景を前に食べない選択肢なんてあるわけないと説明しようとするけれど。
があ。
「ふえ? そういう意味じゃない? どういう意味なんですか?」
フリルはこくんと首を傾げました。
どこか呆れたようにまたガジェットが鳴きます。
「ここがどこから落ちてきた島か考えてみな、って……」
ここはグリードオーシャン。海に点在する全ての島は、異世界から落ちて来た陸地である世界。ゆえに島ごとに見た目も住む人々も全然違ったりするのですが。
「こんなお菓子の家のような島って……あ、アリスラビリンスですね」
絵本に出てくるような不思議な物語の舞台のような島、となれば、その答えに思い当たるのは簡単だから。ぽんっとフリルは手を打って。
「食べたらどうなるかわかりませんね」
その表情を不安に染めた。
アリスラビリンスは、オウガがアリスを食べるために国を無惨に歪めている世界でもある。このアイスが、ただの不思議の国であるならいいけれど、残酷な童話の如き『美しい地獄』にされていたとしたら。そう考えれば、アリス適合者であるフリルは警戒しないわけにはいかないから。
「ふええ、おいしそうなアイスに囲まれているのに、手を付けられないのは地獄です」
オウガへの危機感よりも、食べるのを我慢する方を、嘆くフリル。
まあ、どこをどう見ても美味しそうですから。
大きな帽子すらもしょんぼり垂れている気がするほどがっかりするフリルに。
ガジェットは、素知らぬ顔で、があ、と鳴いた。
「ふえ? こんなにおいしいのに食べられないなんて勿体ない、って……
アヒルさん! 私をからかったんですか!」
があ。
大成功
🔵🔵🔵
レイル・フォレスト
涼しい……!
ああ、いかんな。快適な環境に感動して、つい声を上げてしまった。
シャーベットの丘や氷の木、色々と興味深い島だ。
もちろん、景色を楽しむだけじゃなく、味わって楽しむことも忘れない。
そのために、ガラスの器、スプーン、削り出す用のフォークを準備した。
私にはやりたいことがある。
それは、青いシャーベットを削り出し、その上に雲に見立てたバニラアイスを乗せて『夏空シャーベット』を作りたい。
きっと、眺めて良し、食べても良し(おいしい)、というものになるだろう。
はは、こういう楽しい時間は、つい童心に返ってしまうな。
兜をかぶったまま飲食可能(細かいことは気にしない方向で)。
アドリブ・絡み歓迎。
「涼しい……!」
アイスいっぱいのアイスでできた島で、レイル・フォレスト(端役騎士・f45351)は他の猟兵とは違った感想を思わず口にしていた。
島に辿り着くまで鉄甲船『彩雲丸』が通ってきたのは夏の海。海風が心地よいとはいえ日差しが照り付け湿度も高い、蒸し暑い状況だった。そこから一転、冷蔵庫の中のような気温の島に降り立てば、感激するのも当然だろう。黒い西洋甲冑で全身を覆っている、どう見ても暑苦しい服装だから尚更。
「ああ、いかんな。快適な環境に感動して、つい声を上げてしまった」
レイルは首を左右に振り、気持ちを落ち着かせるように呟く。
その動作すらも涼しい。
でも、この島の価値は、涼しさだけではないから。
「色々と興味深い島だ」
レイルはその手に、ガラスの器とスプーンとフォークをすちゃっと手にした。
そして島を眺めつつ進んでいく。
氷の木を見上げながら、シャーベットの丘を越え、アイスの花を愛でて、ソーダの湖の畔を行く。色彩豊かに煌めく景色。その美しさをレイルは1つ1つ堪能し。
フォークで削り出して、スプーンを口に運んでいった。
味わって楽しむのも、この島の醍醐味なのだから。
さらに、様々なアイスがある島だからこその楽しみ方が。
「見つけた」
レイルは青いシャーベットの岩の前で足を止めた。
早速フォークを当てて削り出すと、そのまま食べずにガラスの器へと盛っていく。
シャーベットが低めの山盛りになったところで。
続いて、スプーンを向けたのは、バニラでできた丸い生垣。定番の味だからか、探すでもなくあちらこちらにあった淡い黄色のアイスを掬い取った。
こちらもすぐに口に運ばず、シャーベットの上に重ねれば。
「よし、これで『夏空シャーベット』完成だ」
空のような青さのシャーベットと、入道雲のようにもくもく重なったバニラアイス。
ガラスの器に、思い描いた通りの、夏に似合いの光景が出来上がり。やりたかったことをやりきったレイルは満足そうに頷く。
掲げて、近づけて、出来栄えを目に焼き付けてから。
やっぱりアイスですから、いただきます。
爽やかなシャーベットとバニラアイスの濃厚な甘さのバランスを堪能するうちに、あっという間に消えてしまう夏の空。空になったガラスの器もまた夏の風物詩か。
レイルがやり切ったように息を吐く。
と、その目に真っ黒なアイスが映る。黒ゴマか、竹炭でも混ぜているのか、漆黒と言えるほどの黒さにレイルは目を奪われて。
「これは……私と同じ色のアイスが作れるのか!」
黒い西洋甲冑に青いマントをつけたレイルは、早速、漆黒アイスを器に盛り。次は青いアイスを、と探して進む。先ほどの青空のようなシャーベットよりももっと色の濃いアイスはないだろうかと。
進む間にも様々な色のアイスがあって。それを味見して楽しみながら。
「はは、こういう楽しい時間は、つい童心に返ってしまうな」
小さなスプーンを無骨な手に握った西洋甲冑は、眺めて良し食べて良しなアイスを目指して島を巡っていく。
大成功
🔵🔵🔵
ミルナ・シャイン
大親友ジゼル(f34967)と
ジゼルと合わせで作った25年水着姿(ピンクのオフショルビキニ)
こっちにはイチゴもなってますわ、それにバナナも!
果物とアイスを合わせてパフェにするのも美味しそうじゃありません?
ふふ、ジゼルはやっぱりチョコアイスですわよね。
もちろん!暑い時期に食べる爽やかチョコミントは正義ですもの。
ソーダの湖からお目当てのチョコミントアイスをとってきて。
ジゼル、チョコアイス少しもらっても良いかしら?
凍った果物をカットするのはおまかせくださいな。
ハート型にカットしたイチゴとバナナ、それにチョコアイスとチョコミントアイスを盛り付け出来上がり!
お互いのパフェ分け合いっこして食べましょう。
ジゼル・サンドル
大親友ミルナ(f34969)と
ミルナと合わせで作った25年水着姿(青色のワンピース水着)
さすがはアリスラビリンスから落ちてきた島だな、旬じゃないのにみかんがなってるぞ。天然の冷凍みかんだ!
おお、それはいいアイデアだな!それならわたしチョコアイスでチョコパフェにしたい!
ミルナはチョコミントパフェだろう?
ソーダの湖からチョコアイスをとってきて、もちろんいいぞとミルナにもおすそ分け。
凍った果物って固くて切りにくいな…すまない、お願いしてもいいか?
チョコアイスにみかんやイチゴ、バナナを贅沢にのせて…うーん、ミルナのと比べるとだいぶ不格好だな…
でも味は美味しいはず、分けっこして食べたらもっと美味しいな!
「さすがはアリスラビリンスから落ちてきた島だな」
全てがアイスでできている島の光景を目の当たりにして、ジゼル・サンドル(歌うサンドリヨン・f34967)は感嘆の声を上げていた。
でもその視点は、ちょっと他の猟兵たちとずれていて。
「旬じゃないのにみかんがなってるぞ。天然の冷凍みかんだ!」
「こっちにはイチゴもなってますわ。それにバナナも!」
シャーベットの丘やアイスの花よりも、カラフルな氷の枝に揺れる冷凍フルーツに目を奪われ。一緒に来た大親友ミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)と共に、果物ばかりを探していた。
パイナップルにマンゴーに、モモやブドウやメロンといった、今の季節に合ったものから、リンゴに柿に梨、レモンや柚子、サクランボからブルーベリー、枇杷にキウイまで、旬とは何かと言わんばかりに様々な果物が見つかるから。まるで冷凍庫の中を覗いているかのよう。
でもそれ以上にアイスの種類が豊富で。色とりどりな景色だから。
「果物とアイスを合わせてパフェにするのも美味しそうじゃありません?」
「おお、それはいいアイデアだな!」
ミルナの提案に、ジゼルは顔を輝かせて即答した。
「それならわたしはチョコアイスでチョコパフェにしたい!」
「ふふ、ジゼルはやっぱりチョコアイスですわよね」
「ミルナはチョコミントパフェだろう?」
「もちろん! 暑い時期に食べる爽やかチョコミントは正義ですもの」
大親友ゆえに互いの好みは分かっている。自分のものと相手のものと、2種類のアイスを探して2人が辿り着いたのはソーダの湖。
「チョコアイスが浮いてますわ」
「チョコミントアイスもだな」
自分のアイスよりも相手のアイスを先に見つけて指し示した2人は、思わず顔を見合わせて。ふっと笑みを浮かべると、見つけてもらったアイスをそれぞれとってくる。
パフェにする前に、と味見をすれば。
「ジゼル、チョコアイス少しもらっても良いかしら?」
「もちろんいいぞ。
チョコミントももらっていいか?」
「ええ、もちろんです」
おすそ分けもして、楽しんで。
それから冷凍フルーツを乗せていく。
のだが。
「凍った果物って固くて切りにくいな……」
冷凍みかんを手にジゼルは四苦八苦。
「すまない、お願いしてもいいか?」
「おまかせくださいな」
差し出されたみかんにふわりと微笑むミルナ。その繊手が、みかんを、イチゴをバナナを、次々と手際よく、適度な大きさに切り分けていく。さらに。
「みかんがハート型だ!」
「いかがでしょう?」
イチゴもちょっと切り込みを入れて、バナナは型で抜いたかのように、可愛らしく仕上げたミルナにジゼルのオレンジ色の瞳が輝いた。
そして、好みのアイスに可愛いフルーツを贅沢に乗せて、完成する2つのパフェ。
「うーん、ミルナのと比べるとだいぶ不格好だな……」
「チョコアイスとみかんの色合いが素敵ですわ」
並べて眺めて。でもやっぱり見た目よりも味が気になり、いただきます。
「やはりチョコは美味しいな」
「チョコミントも最高ですわ」
「みかんやイチゴの酸味も、バナナの優しい甘さもいい」
「冷凍フルーツですからちょっとシャリっとしている食感も楽しいですわね」
自分のパフェの感想を伝え合えば、互いに気になるものだから。
「ミルナのパフェももらっていいか?」
「もちろんです。ジゼルのも?」
「ああ。分けっこして食べたらもっと美味しくなるな!」
相手にパフェを差し出す2人の手には、揃いのティアドロップ型の指輪が輝いていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
何もかもがアイスでできたアイスたっぷりのアイスランドで、何故かフリル・インレアン(f19557)は一口もアイスを食べることができず、とぼとぼと歩いていた。
確かにアイスはフリルの周りにたくさんあるけれども、島のアイスを食べるなと言ったのはガジェットで。それ以外の新しいアイスを、フリルとずっと一緒にいたガジェットが用意できるはずがない。
氷水の髪に氷水の瞳、氷水の服に氷水の身体。澄みきったその姿は、確かに冷たそうで美味しい水のようにも見えるけれども。グリードオーシャンの広い海には、食材になっちゃったりするコンキスタドールもいたりするけれども。