飛空艇の地下ドッグを作戦室として使い、猟兵達は今までの経緯をノラ・ネコカブリ(ダークエルフの眠りの歌い手・f35214)に伝えた。それに彼は頷いてこれからの作戦を猟兵に伝えた。
「幽霊船を釣り上げるため、盗賊街の人々を国外に脱走させて欲しいのら。なぜなら、この国全員が幽霊船のターゲットでもあるからなのら。そのために、盗賊ギルドが保有している《裏戸籍本》を手に入れてほしいのら」
「表の戸籍本は、既に盗賊ギルドによって改ざんされ、不法な収入源として使われているのら。偽の戸籍を水増ししたり、偽の兵役を作ったり、奴隷の実数を隠したりしているのら」
「《裏戸籍本》を手に入れたら、これをお姫様との共同作業で実際の人々の国外脱出許可証を作る予定なのら。許可証には国からの住居の保障と、金銭の担保が描かれているうな。脱出するのは盗賊街に住む全員なのら! 人々がいなくなったのを知ると、敵の幽霊船が現れるのら」
「一見、普通の博物館と構造が同じように見えるけれど、実は隠し扉や隠し通路がたくさんある場所なのら。盗賊ギルドが貴重品をしまっておく本部として使っているうなー」
地図には絵の裏、石像の下、展示物の箱の床、カーテンの裏、偽物の鏡の裏、床下から天井まで、通路が糸が絡むように張り巡らされ、こっそり出て行っても気づかれない仕組みにされている。盗賊ギルドが密会や暗殺にも使うのだろう。もしかすると、貴重な盗品も混ざっているかもしれない。
「遺跡で発掘された、古き勇者が使っていた品物を展示しているけれど、大体が偽物のガラクタなのら。みんなにはこの迷路のような通路から侵入し、奥の博物館の館長が使う部屋へと入って欲しいうな。館長はこの国の領主も務めている、オブリビオンでない悪人なのら」
「途中に普通の人の警備員がいるから、倒さずに隠れるか何かして侵入してほしいのら。館長室に潜り込んだら、絵の裏に隠し金庫があるのら。そこに、《裏戸籍本》があるのら」
「最後に、この金庫を守るために盗賊街の女ボス『マスターシーフ・血濡れのマリー』が立ちはだかっているのら。先に猟兵達の活動を嗅ぎつけたオブリビオンとして、対峙してくるうなー。彼女は館長で領主の息がかかったオブリビオンなのら」
はるかず
●最初に
このシナリオは「勇者の軌跡を追え⑤」の【後編①】です。
長くなってしまいましたがよろしくお願いします。
【前編】【中編】【後編①】【後編②】の構成になっております。
【後編②】は市民の大脱走と幽霊船との戦いとなります。
●博物館で怪盗
悪徳な力によって作られた博物館の館長室から《裏戸籍本》を盗み出して下さい。
警備兵である一般市民を傷つけずに、部屋にたどり着くのが任務です。
●マスターシーフ『血濡れのマリー』
猟兵達の行動を嗅ぎつけた盗賊街の女ボスが立ちはだかります。
彼女は領主の息がかかったオブリビオンであり、《裏戸籍本》を守るために戦いに出ます。
第1章 冒険
『博物館で華麗に怪盗☆』
|
POW : 力技で警備員をなぎ倒す。
SPD : 手先の器用さでピッキング。
WIZ : 魔法の力でお宝に接近。
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
カシム・ディーン
UC常時
「ご主人サマー☆侵入だぞ☆スニーキングだぞ☆盗賊の醍醐味だぞ☆」
おう、こういうのも久しぶりだから腕が鳴るぜー!
【属性攻撃・迷彩・念動力】
光水属性を己達に付与
光学迷彩で存在を隠し水の障壁と念動フィールドで匂いと音を隠蔽
とはいえ今回は人の視界や視覚を観察し死角や物陰を利用して進む
「隠れられてるのにー?」(念話)
こういう手段がきかねー時もあるだろ
だから忘れねーようにだ
【情報収集・視力・戦闘知識・盗み】
事前の館の情報と視認した情報のズレや違和感
隠し通路のありそうな部分を探し
特に心理の裏を突いた所も警戒
後は価値がありそうな物も探し出す!
盗賊としての嗜みってな
メルシーはカシムのフォローに回ってる
博物館の警備員が、3人一組でろうそくを持って、深夜の警備をしている。
部屋の中を確認すると、そのまま部屋の前を通り過ぎて行った。部屋には、勇者の持ち物だったものという看板が立ててある。
UC《対人戦術機構『詩文の神』》によって、展開されたバリアから警備員が出て行くのを察知して、メルシーはカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)へ通達した。
「ご主人サマー。行ったみたいだよ~☆」
床下から二人の声が聞こえる。
「よくやったメルシー。行くぞ」
赤い絨毯の一部が浮かんで真四角に外れる。床の隠し通路から出てきたのは迷彩で透明になったカシムだった。水光属性を自分に付与し、体全体を水の障壁で包み迷彩で見えなくさせていたのだ。後ろにメルシーが付き添い、外れた床を戻す。
身を低くし、相手から当たる判定をなるべく無くしたまま、カシムは前進する。
そして念話でカシムはメルシーに指示を出した。
「(メルシー、なるべく身を低くして、部屋の前まで進むぞ)」
念話でメルシーがカシムに聞く。
「(隠れられてるのにー?)」
扉が開いた部屋の壁に沿って、部屋の中を確認する。
そこには、勇者が着た鎧、靴、兜、そして剣が展示してあった。
「(胡散臭いね☆ ご主人サマ!)」
メルシーがジェスチャーで鼻をつまんでみせた。
「(偽物だろうな。見ろ、勇者が足を磨いたブラシなんかも展示してある。嘘ばっかりだ)」
この博物館は、盗賊ギルドの貴重品を集めて、表の集客用に博物館を展示している。
外側を立派に飾るためにこのようなものがあるのだろう。
カシムはさらに身をかがめ、床に耳を当てると足音を確認する。
「(誰も来ないようだ。行くぞ)」
メルシーがまた念話でカシムに聞く。
「(隠れられてるのにー?)」
T字路を右に曲がり、突き当りにあった床から天井まである大きな絵の前に来る。
後ろを向いて、メルシーの鼻の頭に指を置いた。
「(こういう手段がきかねー時もあるだろ。だから忘れねーようにだ)」
そう念を押すと、カシムは贋作であろう絵を扉の様に開ける。
メルシーがその様子を見て、すごーいと万歳した。
「(今のところ、最初に確認した通路との差はないみたいだな。メルシー、この通路をいくと屋根裏だ。後ろの警戒を頼む)」
メルシーは頷く。
中に入って、階段を駆け上がると屋根裏に出た。下には天井画があるはずだ。落ちたら絵を貫くのは目に見えている。カシムは慎重に屋根裏の人一人分歩ける梁の上を歩いた。
ギィッと扉が開く音がし、カシムはさっと隠れる。
「(屋根裏部屋……!? この大きな空間に?)」
メルシーとカシムは、隠れるために大きな梁に、二本の腕でぶら下がっていた。
「梁の上でも見つからないよー? ご主人サマー」
なんでこんなことをするのか分からない表情で、メルシーは3度目に聞く。
「だーかーらー、忘れねーようにだ」
メルシーはぷんぷんして言った。
「(だーかーらー、隠れられてるのにー!)」
屋根裏部屋から出てきたのは女性だった。最初に通知された『血濡れのマリー』はこの人だろう。カシムは足音がこちらに来るのを聞きつつ、耳を澄ました。
「ネズミが街に入り込んだと聞いて、一応確認に来たが。特に異常はないようだ」
彼女はカシム達に気づかず、そのまま梁の上を通って別の隠し扉から出て行った。
カシムは梁からぴょんと登って、『血濡れのマリー』が出てきた屋根裏部屋に耳を当てた。……誰も、いないようだ。
「主人サマー☆侵入だぞ☆ピッキングだぞ☆盗賊の醍醐味だぞ☆」
「おう、こういうのも久しぶりだから腕が鳴るぜー!」
盗むことに特化したカシムは、盗賊キットを使い、部屋の施錠を外す。
部屋の真ん中に台座があり、その上に赤い宝石を乗せるクッションがあった。近代であれば宝の周りに赤外線が張られてそうな部屋だ。
メルシーとカシムは竜の目を模したキャッツアイの宝石に見えた。
「いつか見た、ヴァルギリオスの瞳に似てるね……」
メルシーが呟いた。
「メルシー、盗っとくぞ。博物館のことが分かってきた。表に偽物を展示する代わりに、貴重品は裏にまばらに隠してあるんだ」
ポンと手を叩き、メルシーは合点がいったようだった。
「なるほど☆」
カシムは袋に宝石を入れると、そのまま足音を立てずに部屋から出た。
ゆっくりと音を立てずに屋根裏の扉が閉まっていく。
「じゃあ、お宝はいただいていきますよ」
カシムはそう呟くと、お宝を持って、博物館の館長の部屋へと急いだのだった。
大成功
🔵🔵🔵
祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定
*アドリブ歓迎
【金剛胎蔵】
「んじゃ、非難するミンナはフェアリーランドの壺の中に入ってボクと逃げちゃえばイイよ♪オブリビオンや問題はティティスにお願いね☆」
『フェアリーランド』をフリフリして各種精霊,聖霊,月霊,戦乙女,天使,英霊,死神を呼び出して“七色こんぺいとう”を多めに配って「さぁ!ミンナで逃げながら悪者をメっ!しちゃおう!☆」とえいえいお~と檄を飛ばしてティティスの用意したフェンネルビットに掴まって透明化しながら素早く逃げちゃいます♪
逃げながらティティスの先導に従って逃走経路を逃げながら宝物や貴重品に必要な情報品々を確認しながら指先で“ちょん☆”と触れてそれらもフェアリーランドに収納してしまい、着実に依頼を成功させていてオブリビオンと出くわしたら「ティティス!ミンナ!戦闘の出番だよ☆頑張っちゃうぞ~!♪」と神罰の聖矢とエレメンタル・ピクシィーズで属性攻撃と聖攻撃を仕掛けます☆
怪我人や回復にはシンフォニック・メディカルヒールで回復と状態異常回復して、支援と攻撃を頑張る♪
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎
【金剛胎蔵】
「なるほど、私は《裏戸籍本》を捜索しつつファンネルビットで姉の支援と協力をするのだな…了承した」
と『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』を起動してファンネルビットを創造して展開し姉に数機を追従させて透明化と視聴嗅覚の阻害をさせながら進みつつ、自身も透明化して妨害者をパラライズ・ショック・ビームで気絶させて拘束して《裏戸籍本》の捜索も続けて普通の博物館と隠し扉や隠し通路を看破し地図の絵の裏、石像の下、展示物の箱の床、カーテンの裏、偽物の鏡の裏、床下から天井まで、通路が糸が絡むように張り巡らされている盗賊ギルドが貴重品をひとつ残さずに悉くを回収してマップを完成させて賊を捕らえて拘束して閉じ込めます。
回収と捜索が終了する頃にマスターシーフ『血濡れのマリー』と遭遇するから完全武装して「オブリビオン…駆逐し撃滅し滅却する!」
とアルテミス・レーザーとリニアロングボウで立体面攻撃をし、同時にフルバーストとヘラ・エウピションで完膚なきまでの総攻撃をする
御堂・伽藍
【金剛胎蔵】
アドリブ歓迎
うら こせき ?
フン!人別帳か…古今東西、悪党の企みは変わらんのぅ…
なもなく おとなく すがたなし
UC発動
光闇風空属性を
防御力と状態異常力に付与
迷彩物を隠す闇に紛れる
自らの姿を周囲の風景に溶かす
ぬきあし さしあし しのびあし
念動力空中浮遊忍び足でゆるゆると移動
「がらんどう」内のファンネルビットでティティと連絡を取り、ナビゲートしてもらう(当人了承済)
まぁ、荒事なしに越した事ぁねぇやな…
万一見つかりそうになったらマヒ目潰し催眠術気絶攻撃UC
一瞬閃光を見せて気を失ってもらう(本当に最後の手段)
もう… せんせいもティティも…♪
情報収集念動力釣り
偽物…【がらくた】に音なき言葉で呼びかけ、同意するものを「がらんどう」に収納
嗚呼、こりゃもうここはスッカラカンだ…♪
さいごは ボスせん?
否。先がある故に中ボス戦也…!
ここは深夜の博物館。悪い盗賊街の貴重品が集められている場所。
中では警備員たちがろうそくをもって、あちらこちらを見張り合っている。
今夜は街に侵入者がいたのもあって、警備員の人数も多い。
そして、ここは博物館のとある一室。
白い壁が月明かりでほんのりと青白く光っていた。中には、展示品たちが並び、壺、刀、絨毯、首飾り、高価そうなものばかりのように見えた。
他にも、高級そうなファーの付いたコートや盾が飾られている。
部屋の中のドアがひとりでに開き、何かが入ってきたようだ。しかし、姿は見えない。
シュン! 置いてあった高そうな壺がいきなり消えた。
シュンシュンシュン! 刀、絨毯、首飾りも連続して消えた。
「くすくすくす」
こっそり入ってきた人物が笑っている。
「シー! ミンナ! スニーキングミッションだから、静かにしなきゃ☆」
人数は大勢いるようで、笑い声が多方からたくさん聞こえてくる。
「だって、おもしろいんだもの」
月明かりで照らされ、魔法で透明化した輪郭がほんのりと揺らいだ。妖精さんの羽の形をしている。その下は、機械のようであった。こちらも透明で見えない。
その妖精さんの羽と機械は、月明かりがさえぎられると輪の部分さえ消えてしまう。
そして更にシュンシュンシュン! と音を立てると、他のお宝のコートや盾まで消えていった。この部屋はもうスッカラカン。先ほどまであった部屋のお宝は、すべてなくなってしまったのだった。
「くすくすくす」
人物は扉の方へ笑い声だけ残して通り過ぎて行った。
一方その頃、別室では他の人物が侵入していた。
そちらも風景に溶け込み、姿が見えない。語りかける声だけが聞こえる。
「ねえ あなた がらんどうの中に こない?」
ちょんちょんと大きな鎧がつつかれ、コンコンと空洞な音を立てた。着る物はもう居なくなったであろうその鎧は、勇者の鎧と展示品の品書きに書かれている。
「あなたも」
ちょんちょんと、その人物は鎧の横に飾られていた豪華な剣にも語り掛ける。
足音もなく隣に移動した、その透明な人物はこの勇者の物品が欲しいようであった。
「そして あなたも?」
そしてもうひとつの盾にも触って、その古びた質感を確かめているのがわかる。
なぜなら立てかけられた盾が少しだけ揺れているからだ。
「あなたは、主婦が使った束子がわりだったのね」
最後に、勇者が足を磨いたモップと品に書かれている存在へ話しかけている。
その勇者の鎧たちの歴史を知る存在は、大きな黒い深淵のような隙間をのぞかせる。
そこだけははっきりと見える。光さえ通さない闇の中、大きながらんどうだった。
「そうみんな がらくた ゆうしゃの幻影を見せた まがい物なのね」
その闇である【がらんどう】はその四つの物品を自分の中へと閉じ込めてしまう。
音もなく、吸い込まれるように、4つの物品は輪部を歪ませて消えていった。
「おつかれさま わたしのなかで ゆっくりと」
消えた物品をしまった人物はスゥっと足音を立てずに、これまた扉だけが音を立てて開き、そのままゆっくりと閉じた。
「嗚呼、こりゃもうここはスッカラカンだ…♪」
最初から誰もいなかったかのようにその部屋は静かになった。勇者の品と描かれた展示物が全て消えていた。
バチンッと、電気の音がしたかと思うと3人の警備員が床に倒れていた。
この警備員を倒した人物も他の人物と同じように透明だった。全く気配がなく匂いさえしなかった。
「1-4の部屋、ミッション完了。すべての物品が消えたのを確認した。次、1-5の部屋へ移行せよ」
その人物はジジっと電子音をさせ、まるで電波での通信を行っているようだった。
「突き当りを右に、そのまま絵の裏へ、そこから上へ行くと石像の下に出る」
冷静な口調から、他の人物へのナビゲートも行っているようだ。
通信が切れた時、同時に廊下から警備員が現れた。倒れている警備員を発見し、駆け寄って意識を確かめようとする。
またバチンッと音がして光が廊下を一瞬、明るく照らす。するとバタバタと音を立てて、倒れた警備員が6人に増えた。
「これで28人。残り9人……移動するか」
そう言うと電子音がまたかすかに聞こえた。
「1階の警備員は気絶した。こちらは2-4へと移行する。そちらは1-1から1-12までの部屋のミッションを遂行されたし」
そう連絡の声が消えると、そのまま音もなくその人物は消えた。
この夜の博物館は笑い声と、電気ショックの音、そして吸い込むがらんどうの音だけが鳴っていた。
「3階までの部屋、オールグリーン。ミッション完了」
カーテンの裏から静かに告げる声。その床には気絶した警備員がいた。
静かな月明かりが3階の青いカーテンを白く照らす。
「こっちは全員、メッ! できたよ☆」
「もう… せんせいもティティも…♪」
通信相手からの返答が入って来る。
そして、人物全体へ連絡を入れる声が響く。
「すべてのマップを制覇成功。博物館は制圧された。全員、目的地へ集合」
博物館、巨大な絵が飾られている一階奥の館長室。
その前に集合した3人の人物は、透明なまま館長室の扉を開いた。
「ふっふっふ、待っていたぞ猟兵達」
黒く大きな回転椅子に座った人物が、椅子の背を向けて笑っていた。
「ミンナ! すでに敵が中にいるよ!」
警戒を呼びかけたのは、猟兵と呼ばれた一人。祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)であった。
くるっと背もたれを回転させ、猟兵と呼ばれた三人の人物へ顔を向ける。
膝には白いシャムネコが乗っており、ゴロゴロと喉を鳴らしていた。
「この猫を撫でているのも飽きていたところだ。」
顔をこちらに向けた盗賊街のボス『血濡れのマリー』はシャムネコの喉を撫でる。
「オブリビオン! 殲滅する!」
猟兵の一人、ティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)が爆発音をさせ、部屋中を光の粒子の砲で覆った。
『血濡れのマリー』を木っ端みじんにするほどの光は、壁に数々の穴をあけ、絵を叩き落とし、椅子の前にあった机を爆発させ粉に変えた。
煙がもうもうと立ち、部屋を覆った。
「はははは! ガラクタ回収ご苦労だった! なぁに、また掘らせればいい」
煙の中からマリーの声が聞こえる。
「お前たちが欲しいのは、これだろう」
煙が消え、マリーが現れる。背に割れた窓ガラスから月夜が見えた。
そして、マリーは《裏戸籍本》の紙束を3人に見せる。
背後から、UC《トリニティ・エンハンス十二刻》で透明化していた御堂・伽藍(がらんどう・f33020)がマリーへとふんしんで切り裂こうととびかかった。が、マリーは《裏戸籍本》を盾にし、伽藍は躊躇と共に、攻撃を止めて後退する。
「フン! 人別帳か……古今東西、悪党の企みは変わらんのぅ……」
透明化した伽藍のふんしんが、窓の月の光を受けて光った。
「悪党で結構! お前達3人の相手はこの俺がしよう。この盗賊街のボスの手にかかることを、光栄に思え!」
月を背後に、マリーは赤いナイフを抜く。猫が窓から逃げて行った。
全員が透明化を一時解き、戦闘体勢に入った。
ティティスが砲を開放し、完全武装モードに入る。祝聖嬢が更にこんぺいとうを多く配って、妖精達がキャッチした。伽藍が分針と秒針を手に持ち、構える。
「オブリビオン......! 駆逐し撃滅し滅却する!」
「ティティス! ミンナ! 戦闘の出番だよ☆ 頑張っちゃうぞ〜!♪」
「これは ボスせん? 否。先がある故に中ボス戦也…!」
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
壁に斬撃が当たったとたん。彼女が見たのは光だった。一線の光が、目の前に現れ、血濡れのマリーを吹き飛ばす。光から電撃の放射がまき散らされ、壁や床に焦げ跡を残す。
メルシーの声が天井から聞こえ、ろうそくが吊るされた小さなシャンデリアが揺れる。少女の形をした輪部が水鏡のように揺れ、スッと消えたかと思うと、何もない空中から光弾の雨が発射される。