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【ディスティニーサーガ】新たなる魔神戦争

#シルバーレイン #ディスティニーサーガ

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#ディスティニーサーガ


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●あの|感動《悪夢》を再び!
「……過去から這い出してくるのはともかくとして、なんで令和風にアレンジされてるの……?」
 銀誓館学園の片隅で、視えてしまった予知に頭を抱えているのは鈴鹿・小春(万彩の剣・f36941)というぽっちゃりクルースニク、傍らには橙の鬣の黒獅子の姿をしたケルベロスオメガもいる。
 猟兵達が集まってきた事に気づいたケルベロスがちょいちょいと前脚で小春の丸い背中を叩き、小春はごほんと咳払いをしつつ説明を始める。

「えーと、16年前にディスティニーサーガっていう呪いのネットゲームとそれに纏わる事件を銀誓館学園で解決したんだよね。その事件の結果ケルベロスと共に戦えるようになったんだけど……なんかその呪いのゲームがスマホアレンジされた形で令和のこの世界に現れたみたいなんだ」
 ほらこれ、とスマホを取り出し示した画面にはどこにでもあるようなアプリストアのダウンロード画面。

「元々は完全招待制MMORPGだったんだけど、今回のはインストールすれば誰でも遊べるみたい。ただ開始時に『ソウルアカウントの登録』なんて怪しいもの求めてきて、登録してゲーム内でロスト……何度も死んで寿命ポイントが0になるとこのゲームを運営する何者かに魂を奪われちゃうってまずい仕組みになってる」
 規約にも不審な点はなくワンボタンで気楽に登録できちゃうから結構プレイしてる人多いみたいだよ、と小春は言う。

「既に魂を奪われて仮死状態となった被害者達も多く現れてるけど、現代医療で彼等を救うことはできない。救うには昔のデスサガと同じくゲーム内の最終試練『ファイナルクエスト』をクリアするしかないんだ。クリアさえすれば解放されるってフェアではあるけど、遠隔地の魂を奪うなんて無茶苦茶強力な力使うにはその条件が必要なんだろうねー」
 魂引っこ抜いて何をしようとしてるのかはわからないし、運営者の情報も掴めてないけども放置はできないだろうと青年は言う。

「それで皆にはその解放条件……完全攻略を成し遂げてほしい。ゲーム内に入り込むような便利なユーベルコードはないから、スマホでぽちぽち頑張ってこのリメイク版ディスティニーサーガに挑むしか無いけど、諸々効率アップとか攻略に必要な課金アイテムとかの援助は学園がやってくれるから不可能ではない、筈!」
 修学旅行ではないけど夏休み潰されるのは嫌だよね! と矢鱈実感の篭った小春の言葉、そして事件解決までの流れを語り始める。

「まずはキャラメイクだね。外見とか年齢性別はソウルアカウントの技術の進化でリアルの姿が反映されちゃうから、選べるのは沢山あるジョブとか武器ぐらいかな? ただ中世ファンタジーの世界観だから大きく外れるのはないから注意ね。それで猟兵には一つ有利なことあって、ユーベルコードの持ち込みも可能なんだ。完全なバグ技だから運営にバレたら即BANだけど、ジョブとか武器でのロールプレイに即した感じならバレないみたいで、とりあえずキャラメイク終わったら手近なモンスターに実践してBANされないこと確認してね」
 ユーベルコードがあれば他のプレイヤーよりかなり有利に攻略も進められて、レベル上げも徹夜とかしなくても十分行けるだろう、というのが小春の予測。

「それでファイナルクエストに挑むためには超難易度緊急クエスト……無数の雑魚モンスターを召喚する『ビッグモンスタージェネレーター』って名前のでっかいスライムとの戦いに挑んで勝たなきゃファイナルクエストの発生条件を満たせないんだ。超難易度を謳ってるだけあって他の一般プレイヤーは次々に負けて魂奪われちゃうみたいだけど、ここは割り切って協力要請するのもいいかもね。腕前は凄いだろうし」
 もし倒れて魂取られてもファイナルクエストクリアできれば皆元通りだからそこは気にしなくて大丈夫! と微妙に自棄になっているような明るい声のクルースニク。

「そして最後の関門は『生存確率0%』とされる最凶の『ファイナルクエスト』! 戦わなきゃいけないのはケルベロスオメガのオブリビオンだよ。こっちの芥子田君みたいに能力者や猟兵の味方なケルベロスもいるけど、ゲーム内にいるオブリビオンは全力ぶち殺しモード、会話もできないから遠慮なく倒してね。普段と違う感じでぽちぽち頑張ることになるけど、ケルベロスオメガを倒すことができれば、現在このサーバーに囚われている一般ユーザーの魂は全て解放できる。だから一刻も早く魂解放するために頑張っていこう!」
 そしてあ、と思い出したように小春は付け加える。

「……スマホもってないとかスペック足りないとかあったら学園が貸し出してくれるみたいだから言ってねー。あと睡眠大事だから徹夜とか根詰めすぎないようにね―。操作ミスとか怖いし」
 実体験故かそんなアドバイスをしつつ、ちょっぴり疲れた表情でケルベロスオメガの芥子田君と共に、呪いのゲームに挑戦する猟兵達へエールを送った。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 修学旅行中のレベリングという黒歴史。

 第一章はスマホリメイクされたディスティニーサーガでキャラメイクをしてBANされないようロールプレイなどしつつユーベルコードを使ってみましょう。
 『ジョブ』や『武器』は中世ファンタジーな世界観に即したもので1000種類はある上、ユーベルコードの持ち込みも可能です(ただしユーベルコードをそのまま使うとBANされるので上手く武器やジョブの演出として誤魔化してください)。
 指定がない場合は普段の姿からそれに見合ったジョブや武器をこちらで選定させて頂きます。
 第二章は『ビッグモンスタージェネレーター』、第三章は『ケルベロスオメガ』との戦いになります。

 第二章以降はそれぞれ断章で状況説明を追加致しますので、そちらをご確認下さい。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 冒険 『ディスティニーサーガ・スマホリメイク』

POW   :    戦士や格闘家、騎士のロールプレイをする

SPD   :    盗賊や弓使い、ハンターのロールプレイをする

WIZ   :    魔法使いや聖職者、貴族のロールプレイをする

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エウレカ・ムーンサイド
アドリブ/連携可
(基本的に台詞の文末にそれっぽい顔文字が付きます)

銀誓館から借りたスマホで参戦。
「バズる為にはよそ様のゲームもリサーチしないとね(^_-)-☆」
(基本的にはGGOとディスティニーサーガの比較調査)
「うーん、グラフィックの出来はいいけどキャラメイクカスタムの自由度に欠けるかな」
魔法系のジョブと杖系の武器を選択。
「ソウルアカウントってウチでいうところの|遺伝子番号《ジーンアカウント》みたいなものかな?」
疑問に思いつつ経験値稼ぎ。それっぽい詠唱を唱え霊鬼を呼び出して攻撃。
「召喚魔法!召喚魔法です!」
なお経験値倍化のアイテムを課金で購入済み。サクサクレベリングしていく。



●世界は違っても
 多くのMMOゲーム廃人を生み出し能力者達の時間を徹夜レベリングで削り取った、あらゆる意味で印象深いディスティニーサーガという過去のMMO。
 能力者の活躍でサ終した筈のそれが何故か時代の変遷に合わせスマホゲーリメイクされ、当時上級職を含め24種類だったジョブも1000以上と大幅に増やした上で一般ゲームのような顔をしてアプリストアからダウンロードできるようになっている。
 だが、寿命ポイントを喪失してロストしたキャラクターのプレイヤーの魂を遠隔地から抜き取る危険性は健在、既に魂を抜かれ入院している一般人を救うべく、能力者に変わり猟兵達はこの死のゲームへと挑む。

「バズる為にはよそ様のゲームもリサーチしないとね(^_-)-☆」
 銀誓館学園から貸与された最新型のスマホを手に、エウレカ・ムーンサイド(月光竜はダンジョンをバズらせたい・f42610)というドラゴンプロトコルは興味津々な様子で画面を操作していた。
 過疎ダンジョンの管理者であり、挑戦する冒険者を増やすためにバズろうとして居る彼女にとって情報は命、|彼女の世界《GGO》とは別物であろうと人を惹きつける要素というのはある程度共通しているだろう。
「うーん、グラフィックの出来はいいけどキャラメイクカスタムの自由度に欠けるかな(-_-)」
 この銀の雨の降る世界の機械のスペック的に1000種類もあれば十分すぎるほどだが、エウレカの世界のゴッドゲームオンラインは究極のフルダイブMMO。ジェリー狂いのこのゲームの開発者が聞いたら憤死しそうな言葉でも根本的な技術レベルで勝負にならないのだろう。
 ややぎこちない手つきからすぐさまスマホ操作に適応したエウレカは、どことなくダークな雰囲気の魔術師――『黒召喚士』と妖しく輝く宝石の杖を武器として選んで、いざプレイ開始。
 チュートリアルを半分スキップしつつ遭遇した最初の敵は太眉が凛々しくキュートな黄色い半透明ボディーのジェリーと呼ばれるモンスター。
「えーと……急ぎ急げよ切り裂き兎、阻む者は斬り捨て駆け抜けて!」
 早速エウレカはスマホを操作しキャラクターに杖を構えそれっぽい詠唱をさせつつユーベルコード【霊鬼霊戦法】を起動する。
 すると杖の周りに煙がうずまき、ウサギ型の|霊鬼《グリム》が召喚され、目にも止まらぬ早業で肉薄すると刃状の耳ですれ違いざまに両断する。
 きちんと経験値も入っており、一先ずゲーム内へのユーベルコード持ち込みは問題なさそうだ。
『……あんな召喚獣いたっけ……?』
 その光景を見ていた通りすがりの冒険者が首を傾げるけども、
「召喚魔法! 召喚魔法です!Σ( °ω° )」
 激しくそうチャットでエウレカは主張しうやむやにしつつそそくさとその場を離れ、ユーベルコード込みなら経験値稼ぎにうってつけの高経験値かつ強敵揃いの狩り場へと移動し、経験値倍加の課金アイテム――資金は銀誓館払いのそれを使用してレベリングを開始する。
「……ソウルアカウントってウチでいうところの|遺伝子番号《ジーンアカウント》みたいなものかな?(-_-)?」
 ふと現実のエウレカは思いついたままに呟く。
 焼却されれば|統制機構《コントロール》での人権が無いものにされてしまう|遺伝子番号《ジーンアカウント》と、失えば魂が奪われるソウルアカウント。別物ではあるが失えば致命的になるという点では同じである。
 何にせよこれから先、ファイナルクエストをクリアするにはレベルが重要となる。操作の慣れも重要になるだろうと、神ゲーの住人はスマホ越しにキャラ操作の技術を向上させつつ恐るべき速度でさくさくレベリングを進めていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

中村・裕美(サポート)
副人格・シルヴァーナ
『さてと、よろしくお願いいたしますわ』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)

裕美のもう一つの人格で社交性と近接戦闘特化。柔らかな物腰や【優雅なるご令嬢】で対人系は得意な方。楽しいこと大好き。
【情報収集】も得意です。基本的にお嬢様然とし態度は崩しません
探索系であれば、ドラゴンランスを竜形態に変えて偵察に出したりなども可能。
シルヴァーナは電脳魔術が使えないので裕美のハッキング能力等が必要な場合は【オルタナティブ・ダブル】で呼び出します。裕美は頼れていじりがいのある妹みたいな存在

あと、虫が苦手



●極悪令嬢ゲームに挑む
「……なんだかその名前、聞いたことがある、ような……?」
 ディスティニーサーガの名を聞いた中村・裕美
(捻じくれクラッカー・f01705)、ではなくその副人格『シルヴァーナ』は首を捻った。
 プレイしたことはないしそもそも電脳系は主人格の裕美の方が向いているかもしれないが、何となくぽちぽちとスマホを操作してログイン画面からキャラ登録画面へと移行して。
『ジョブも武器も随分沢山ありますわね』
 ざっと1000以上もあるジョブに同じ以上の数の武器、その組み合わせは過去のディスティニーサーガに比べれば遥かに多くの選択肢があると言っても過言ではない。
 昔の能力者はそれなりの性能のパソコンで徹夜のレベリングをやっていたらしいが、令和の今では小さなスマホでいつでも手軽にプレイできるのは文明の進歩も感じる。
「そうね……それならジョブはこの悪役令嬢、武器はナイフにしてみますわね」
 ざっとジョブの一覧に目を通してキャラメイクするシルヴァーナ、手数で攻めるナイフとNPCからのヘイトを受けやすくなる代わりに能力が全体的に高いらしいジョブの組み合わせだ。
 チュートリアルを終えて最初の敵として頑丈そうなオークが出現、やわな攻撃ではそう簡単には倒せそうにない相手だ。
 しかしシルヴァーナはスマホタップを駆使し乱暴なオークの攻撃を令嬢らしく優雅に回避していく。そしてたっぷり回避した上で優雅に踏み込み攻撃すれば、ナイフが急所を掻き切るクリティカルヒット、一撃でオークは倒れアイテムを落とした。
「いついかなる時も、慌てず、優雅に、ですわ」
 試しにシルヴァーナが使ってみた【優雅なる一時】、その次の行動成功率上昇の効果はきっちりと反映されているようだ。傍目にはただ優雅な振る舞いを行っているだけなのでユーベルコードに気づかれてBANされる危険もまずないだろう。
「さくさくレベル上げしていきませんとね」
 ただのゲームならのんびり楽しむのもありかもしれないが既に被害者も出てい邪悪なゲーム、さっさと完全攻略してサーバーに奪われた被害者の魂を解放するべきだろう。
 そしてクラフトや素材回収でもユーベルコードを使い倒し行動成功率を上げて利用しつつ、栄光への階段を駆け上がるようにゲーム内のシルヴァーナはメキメキと鍛えられていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

儀水・芽亜
ディスティニーサーガ、ですか。思えば、猟兵としての初仕事もそれでしたね。
私は当時は修学旅行の学年では無かったのでマシですが、先輩はかなり文句言ってましたっけ。

さて、私は竪琴を持った吟遊詩人です。歌系統のユーベルコードなら、大抵使えるでしょう。
ナイトメアや黒揚羽系統のユーベルコードはやめておいた方が良さそうですね。
今回も『クラン銀誓館』で行くのでしょうか。

それなりの装備を調えたら、フィールド上でユーベルコードの動作確認をしておきましょう。
「歌魔法」「衝撃波」でブラストヴォイス。スタート地点周辺の敵にはこれで十分だと思いますが。
それでは、実生活に影響のない範囲で、レベリングしていきますか。



●過去を振り返りながら
 銀誓館学園の人気のない空き教室、事務員姿の儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)はスマホを開きディスティニーサーガにアクセスしていた。
「ディスティニーサーガ、ですか。思えば、猟兵としての初仕事もそれでしたね」
 確かリメイクではなくリファインだったか、リリス化オブリビオンとして美少女化して当時の裏話と称して過去のプレイヤーに重課金を煽るという悪辣な存在だったが、まさかゲーム自体がリメイクされて現れてくるとは驚きである。決していい意味ではない。
「私は当時は修学旅行の学年では無かったのでマシですが、先輩はかなり文句言ってましたっけ」
 当時を振り返りつつくすりと微笑む芽亜。当時の銀誓館学園は小6、中2、高2の生徒たちが修学旅行に向かい楽しんだり大規模なゴースト退治等を行ったりしていたが、徹夜してネトゲのレベリングに励まねばならなかったのはあの先輩の代ぐらいである。
 キャラメイク画面の文字を読みそんな過去を振り返りつつも芽亜が選択したジョブは吟遊詩人、武器は竪琴である。
 ユーベルコードを持ち込む前提でナイトメアや黒揚羽系統の力を避けるなら使うのは声を武器にする力、それならこのジョブが一番違和感なく大抵の力が使えるだろう。
「……今回も『クラン銀誓館』で行くのでしょうか」
 特に指定されてないが今回のリメイクもクラン機能自体は実装されている。なら過去にあやかってその名を使うのも悪くはないだろう。
 そんな事を考えながらチュートリアルを終えた芽亜は、最序盤にしてはそれなりの装備を整えて、街の外のフィールドへと向かう画面内の芽亜のキャラクター。
 引き寄せられるように現れたのは十数体のジェリー達、ぷるぷる透明な体は当時のまま、重要NPCの神帝も魔帝もこのジェリーの姿がベースになっていたり開発者がプリントTシャツを着ていたりと中々に偏執的な愛を感じられるモンスターだがその怨念はリメイクされても残っているのかもしれない。
 そんな事を考えながら流れるようにスマホを操作、キャラクターが竪琴を奏で広範囲にダメージを与える歌を歌い始めたところで芽亜が持ち込ませたユーベルコード【ブラストヴォイス】を起動、
「――コワレロ、世界!!」
 ちょっとびっくりするような大音量がスマホから響き、少々驚きつつスマホ音量を最低にまで下げる芽亜、近くに人が居なくて助かったかもしれない。
 画面の方を見てみれば、魂こめた絶唱の衝撃波をまともにくらったジェリー達は目を回してひっくり返り消滅していく姿が確認できた。動作確認は問題なく、周囲にもこのチートは気づかれていないようだ。
 ともあれ、ここからはクエストをクリアするのに必要な実力を付けていくターン。
「それでは、実生活に影響のない範囲で、レベリングしていきますか」
 学生時代のような無茶は社会人になった今はできないだろう。あくまで節度を保ちつつ、芽亜はのめり込みすぎないようにレベリングに励むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ビッグモンスタージェネレーター』

POW   :    『黄金の鱗(セイントメイル)』
全身を【課金アイテム以外でダメージを受けない状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    『白銀の覇気(ゴッズオーラ)』
敵より【自身のレベルが高い】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
WIZ   :    猛毒液
【全身】から【猛毒液】を放ち、レベルm半径内の敵全員を攻撃する。発動前の【充填】時間に応じて威力アップ。

イラスト:喜一郎

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●発生!超難易度緊急クエスト!
 ユーベルコード、そして湯水のごとく投入される課金アイテムにより、ディスティニーサーガ・リメイクの攻略に挑む猟兵達は過去の能力者達にも劣らぬ凄まじい速度でレベルを上げていた。
 ある程度彼らが操作に慣れてきた頃、突如全体チャットで緊急クエストの告知が流れてくる。その説明によれば『ラスフェイル』という街に『ビッグモンスタージェネレーター』が出現したようだ。
 所謂レイドバトル、他のプレイヤーとの素材争奪戦になりがちなスマホゲーによくある要素ではあるが、このクエストは超難易度を謳うだけあり本気で殺しにかかってくる課金アイテム前提の高難易度、生半可な覚悟で挑んで攻撃が通らぬ本体に無尽蔵に湧き出す雑魚敵に押し切られて寿命ポイントをすり減らしロスト、というのもよくある話だそうだ。
 過去銀誓館学園が攻略に挑んだディスティニーサーガでっもプレイヤーの魂を大量に刈り取るためにこのようなイベントは存在していたが、どうやらリメイクされてもそこは変わっていないようだ。
 しかしこの緊急クエストはファイナルクエストの発生条件でもあり、攻略は必須。他にもこのビッグモンスタージェネレーターに挑む一般プレイヤーもいるだろうが、彼らと共闘してクエストクリアを目指すのも悪くはないだろう。
 囚われの魂解放を目指す猟兵達は、ラスフェイルの街へキャラクターを向かわせるのだった。
儀水・芽亜
レイドボスが出てきましたか。
私は裏方で動かせてもらいましょう。討伐したいという方はいくらでもいます。
「全力魔法」「歌魔法」「楽器演奏」「歌唱」「継戦能力」でブレイブヴォイス。
これで、他のPCさんたちのパラメータを引き上げます。「毒耐性」もかけられたら、なおよし。

吟遊詩人の動き方としてはこんなものでしょう。堂々と最前線に出るのは似合いません。
「コミュ力」で応援しつつ、最適な「集団戦術」を「瞬間思考力」で導き出して、皆さんに効果的な戦いをしてもらいます。
さあ、皆さん、『ビッグモンスタージェネレーター』を倒した報酬は、早い者勝ちですからね。撃破まであと一歩のところまで来たら、全力を出してください。


アラタマ・ミコト
此度の戦に向け長きに渡る修練を積み重ねてまいりました。
荒魂鎮神命、いつでも準備は出来ております。

……さあ、徳を積み『れあどろっぷ』確率を跳ね上げたあらたまちゃんの戦いが今始まるのです!
ここの『れあどろっぷ』は全てあらたまちゃんが頂くのです!!



●レイドバトル!
 突如発生した超難易度緊急レイドクエスト、それはゲーム参加者の魂を効率的に刈り取る為の運営の邪悪なデスイベントであった。
 大陸中央にあるファンガルド王国の首都『ラスフェイル』、冒険者達のホームタウンの一つであり、初心者が集まるこの街に突如出現し占拠したビッグモンスタージェネレーター。
 正式名称は『超巨大ジェリー型魔導兵器ビッグモンスタージェネレーター』というらしいそれは現実なら数十メートルの高さとそれに見合った横幅を持つキュートなスライム状モンスターーー言ってしまえばジェリーを巨大化させた外見の、何だか気が抜けてしまう敵、なのだが。
『どう考えてもおかしいだろ! 攻撃全く通らねえぞ!』
『いくら高レベル設定でも攻撃痛すぎだぞ!』
 全体チャットに乱舞する一般プレイヤー達の阿鼻叫喚。課金アイテム”でしか”ダメージを通せない強力な防御能力『|黄金の鱗《セイントメイル》』、レイドボスの高レベルの特徴を活かした低レベルキャラを刈る為にあるような攻撃能力『|白銀の覇気《ゴッズオーラ》』、それらの能力に加えて巨体から広範囲に猛毒液を撒き散らす能力など凶悪極まりない。
 過去のデスサガでは白銀の覇気は課金アイテムで防御可能とはいえ低レベル即死能力で多少は弱まっているようだがラスフェイルをホームタウンにしているような初心者には絶望的な敵であることは間違いないだろう。

「レイドボスが出てきましたか」
 港からビッグモンスタージェネレーターおわす王都中心へと向かっていく吟遊詩人のキャラクターを見つめつつ、儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)は現実で呟いた。
 ミニマップにすら表示されているビッグモンスタージェネレーターの巨体、しかしそこに至るまでは無限に湧き出すジェリーやオーク達を撃破していかねばならない。
 ユーベルコードを使えば血路を切り開く事も出来るだろうが――、
(「私は裏方で動かせてもらいましょう」)
 吟遊詩人としては最前線に出て堂々と戦うのは似合わないだろう。後方から戦線を支える動き方の方が性に合っていし、それに討伐したいというプレイヤーは幾らでもいるのだから。
 それは例えば、
「此度の戦に向け長きに渡る修練を積み重ねてまいりました。荒魂鎮神命、いつでも準備は出来ております」
 呟きつつスマホを操作しているのはアラタマ・ミコト(極楽浄土にて俗世に塗れし即身仏・f42935)、彼女がかつて渡った|極楽浄土《GGO》とどことなく似た雰囲気のこのディスティニーサーガの世界観は違和感なく彼女も理解している。
 しているのだが――少々嵌りすぎているように見えるのは目の下の隈の影響だろうか。
 ちなみに彼女のキャラクターはショーグンという東方の大陸から渡ってきたらしい設定の二次職ジョブ。武器もダイカタナと、何故か西洋風ファンタジーでよく見る和風設定はこのゲームも例外ではなかった。なおこのディスティニーサーガでその『東方の大陸』が実装されているかは定かではない。
 それはさておいて、ここまでキャラクターを短期間で鍛えるのにかつての銀誓館学園も吃驚な徹夜デスマーチの勢いでプレイしていたアラタマ、その装備はレアドロップが必要なレア装備で固められていたりもする。
 その理由は、
「昨日は8時間程『だんじょん』に籠もって『げーじ』を貯めてきたのです。今なら『れあどろっぷ』間違いなしなのです!!」
 ユーベルコード【|死屍行軍《デスマーチ》】、それを活用する事で素材集めの成功率を跳ね上げて効率的に装備を整えていたのだ。
 そして一日八時間の素材集めの翌日に更に八時間の素材集め――レアドロップも睡眠時間と引き換えにざっくざくである。
 当然昨日もたっぷりと素材集めを行っていたからこのビッグモンスタージェネレーターからのドロップにも相当期待はできるだろう。
「……さあ、徳を積み『れあどろっぷ』確率を跳ね上げたあらたまちゃんの戦いが今始まるのです!」
 レアドロップを根こそぎにせんと一般PCに並びモンスターの群れに挑んでいくアラタマのPC、無双を繰り広げていく彼女の背後から歌が響き始める。
「〽涙の雫、闇に散る前に、熱き想いですくい上げて」
 芽亜が吟遊詩人のスキルに重ねて【ブレイブヴォイス】の熱く力強い歌声が無数のモンスターに抗うPC達を強化していく。
 攻撃や防御のパラメータだけでなく状態異常耐性まで強化するその歌声は、あの巨大なビッグモンスタージェネレーターから放たれる超猛毒液の継続ダメージを回避して死亡率を下げることだろう。
 そしてそれだけではない。
『光の神殿の方はモンスターが多いぞ!』
「それでしたら、地下水路から向かうのが効率的でしょうか」
 全体チャットから流れてくる情報を瞬間思考力で分析しつつ適切な指示を『クラン銀誓館』のクランチャットを通し芽亜は提案していく。
 レイド戦は功績の争奪戦でもあるが、基本的には共闘である。戦況に適した最適な戦術を瞬時に考案し、提案という形で攻略を援護していくのが芽亜のやり方であった。
『地下水路、掃討完了した!』
「あらたまちゃんが行くです!! 『れあどろっぷ』は全てあらたまちゃんが頂くのです!!」
 そのチャットとほぼ同時、アラタマが地下水路を突破しビッグモンスタージェネレーターへと迫る。
 やってくるPC達に|黄金の鱗《セイントメイル》を出現させた非常に厄介な守りの体勢に入る巨大モンスター、しかしアラタマのダイカタナには既に『王水の毒液』という攻撃を通す為の課金アイテムが使われていて、その守りを無効化し鋭い一撃を刻む。
「さあ、皆さん、『ビッグモンスタージェネレーター』を倒した報酬は、早い者勝ちですからね」
 ばら撒かれる猛毒液でPC達が倒れぬよう後方から能力を底上げしつつ送られてくる芽亜のチャットに、多くのPL達が沸き立つ様が全体チャットを通して流れてきた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

中村・裕美(サポート)
副人格のシルヴァーナで行動します
『すぐに終わってしまってはもったいないですわね』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)

裕美のもう一つの人格で近接戦闘特化。性格は享楽的な戦闘狂
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】を【早業】で繰り出す
ドラゴンランスを使うことがあれば、相手を【串刺し】にするか、竜に変えて【ブレス攻撃】
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー
電脳魔術が使えないので裕美の能力が必要な場合は【オルタナティブ・ダブル】で呼び出します

あと、虫が苦手



●悪役令嬢は軽やかに
 世界各地に転移する為の、所謂ポータル機能はこの死のスマホゲームにも存在している。
 ラスフェイルの街の一角、石造りの街路とは異なる広い水路に浮かぶ魔法陣が描かれた金属板が立ち並び、それら金属板から発せられる幾つもの光の柱が『ポータル』だ。
 緊急クエスト中であるからその機能は停止して光の柱は赤の光になって危険を強調しているが、その光の柱の群れを突っ切るように豪奢な令嬢風のキャラクターが駆け抜けていく。
「騒がしいこと、ですわね」
 それを操るのは中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)の別人格『シルヴァーナ』。彼女はビッグモンスタージェネレーターから溢れ出すオークやジェリーたち、それらを押し返す一般PCの軍勢でごった返す大通りを駆け抜け、無限に湧き出してくるモンスターをすれ違いざまに切り裂きつつ巨大スライムをタップして進んでいく。
 その優雅な所作はとても戦場にあるとは思えない――画面上のシルヴァーナが優雅にビッグモンスタージェネレーターの前へと辿り着き、ナイフを構え切り込んでいく。
 白銀のオーラを纏う巨大なスライム相手にナイフは少々威力が不足しているようにも見えるが、
「わたくし達に立ち塞がる者は、すべて切り裂いて差し上げますわ」
 夏季限定シャークドラゴンのレアドロップ、鮫牙のナイフを装備したシルヴァーナのPCがスキルを発動しナイフを閃かせるのと同時にゲーム内へと持ち込んだ【切裂姫】のユーベルコードを起動する。
 低レベルのPCの攻撃に対し高回避の恩恵を受けているビッグモンスタージェネレーター、しかしユーベルコードによる悪役令嬢の高速の斬撃はその回避を許さず急所にクリティカル命中、派手なエフェクトと共に巨体が嫌がるように激しく揺れたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エウレカ・ムーンサイド
アドリブ/連携可
(基本的に台詞の文末にそれっぽい顔文字が付きます)

「チャージ時間のある全体範囲攻撃、となるとこの場合チャージ時間中に攻撃するヒットアンドアウェイ戦法か、範囲外から削りに行くかの二択よね。」
霊鬼を召喚して攻撃させつつ、敵の行動を観察。
「なるほど、チャージ時間に比例して威力は上昇するけど攻撃範囲はそのまま。なら、チャージを長引かせればその分攻撃に時間が割ける!」
攻撃力上昇と移動速度上昇のバフアイテム(銀誓館の金で購入)を使い、霊鬼と全力の連携攻撃を発動。何とかして充填時間を長引かせ、ダッシュで攻撃範囲から離脱。



●兎切り裂く巨大スライム
 猟兵が切り開いた道を突破した一般PCの攻撃が、ビッグモンスタージェネレーターとそれが産み出したモンスターの群れへと叩き込まれていく。
 旧作では課金アイテム前提の勝利困難な相手、やり口を理解した上でも強敵であることは変わりない。
 幾度目かの猛毒液のばら撒きでPC達のHPゲージがあっという間に溶かされていく様を、エウレカ・ムーンサイド(月光竜はダンジョンをバズらせたい・f42610)は画面越しに見つつその行動パターンを確認していた。
「チャージ時間のある全体範囲攻撃、となるとこの場合チャージ時間中に攻撃するヒットアンドアウェイ戦法か、範囲外から削りに行くかの二択よね(( ˘꒳˘ *))」
 彼女の黒召喚士のキャラクターは宝石の杖を構え、ユーベルコードで既に兎型の|霊鬼《グリム》『グラターイ』を召喚している。
 猛毒液をばら撒く瞬間ならば課金アイテムなしでも攻撃を通せるようだが、グラターイの刃の耳には既に『王水の毒液』を使用済、黄金のほぼ絶対防御を貫通しダメージを通す事ができる。
「……行動パターンが変わった!?Σ(・ω・ノ)ノ」
 どうやらラストの他ゲームで言う発狂モードに入ったようだ。巨体ながらポリゴン数の低い利点を活かし驚異的な速度で動き回りPC達を圧し潰していくビッグモンスタージェネレーター。
 そして同時にその顔が毒々しい色に染まり始めている――猛毒液のチャージまで行っているようだ。
 だが、
「チャージ時間に比例して威力は上昇するけど攻撃範囲はそのまま。だからチャージを長引かせればその分攻撃に時間が割ける!ι(`ロ´)ノ」
 ここが勝負どころだと判断したエウレカは能力アップの課金アイテムを使用、高速で移動しつつチャージしている巨大ジェリーを全力連続タップし、火力と移動速度を限界まで引き上げたグラターイとスキルで召喚した闇竜達に連携攻撃を叩き込ませていく。
 後方から聞こえてくるバフ効果のある楽曲による後押しもあり、かなり減少していたレイドボスのHPゲージは見る見るうちに減少し、そしてそしてついに。
「倒せたーっ!ヽ(*゚▽゚)ノ」
 グラターイの耳の斬撃がビッグモンスタージェネレーターを両断、同時にスマホを操作していたエウレカは歓喜の声を上げた。
 エフェクトと共に街を襲撃していた巨大スライムは消滅、そして緊急超難易度クエストを攻略した事により、『クラン銀誓館』は今回の目的である『ファイナルクエスト』の挑戦条件を満たしたことを示すシステムメッセージがチャットウィンドウに流れてくる。
 準備を整えてからの挑戦になるだろうが――今は少しばかり休んでもいいだろう。沸き立つ一般PC達のチャットを眺めつつ、エウレカはそんな事を思ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ケルベロスオメガ』

POW   :    ブラックセイバー
任意の部位から最大レベル枚の【黒き鋼の刃】を生やして攻撃する。枚数を増やすと攻撃対象数、減らすと威力が増加。
SPD   :    エレクトロファング
【噛み付いた牙】から【電撃】を放ち、【感電】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    レッドファイア
【大きく開けた口】から、戦場全体に「敵味方を識別する【赤き炎のブレス】」を放ち、ダメージと【魔炎】の状態異常を与える。

イラスト:青柳アキラ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●挑戦! ファイナルクエスト!
 超難易度緊急クエストの突破を経て、この死のゲームから一般人の魂を解放するための『ファイナルクエスト』への挑戦権を獲得した猟兵達。
 かつて銀誓館学園が挑戦した際には1万人近いキャラクターで挑まねばならねばならなかった「生存確率0%」を謳うこのクエストだが、グラフィックの向上やサーバーの処理能力の関係でそこまで膨大な人数で挑むことはできなくなっている。
 しかしこの死のゲームが遠隔地の魂を奪い取るなどという規格外を成立させる条件からすると、絶対に勝てないという事はあり得ない。
 少人数でも攻略そのものは可能だが先の戦い以上のプレイヤースキル、知識などが求められるこのファイナルクエスト。
 それに備え上位職への転職や課金アイテムなどで装備や消費アイテムの準備を整えた猟兵達は、ラスフェイル城前の中央広場の騎士像の前に立ちクエスト開始の時を待っていた。
 ――そして、運命の時が来る。
 かつてと同じように騎士像は発光と共に巨大な扉へと変化し、その先にある裏世界へと猟兵のPC達は突入していく。
 黒く染まりひび割れた大地、暗雲渦巻くその世界はかつてのディスティニーサーガをより高精度に描き出したような世界。
 そして禍々しい鐘の音が一つ鳴り響く。かつてのような運命ゲージのシステムは無いようだが、その音に呼ばれるように一頭の異様な気配の『ケルベロスオメガ』が姿を現した。
 「心」というエラーを引き起こし、勇気と命を賭してでも守るべきものを知って銀誓館学園に味方する使役ゴーストであるケルベロス。猟兵に覚醒している個体もいるが、このケルベロスオメガはそんな心とは無縁に非常に敵対的な視線を猟兵のPC達に向けてきている。
 このケルベロスオメガこそディスティニーサーガの世界と現実世界を繋ぐ『ソウルアカウントシステム』の門番であり、オブリビオン。
 かつての大軍勢とは異なり単騎で出現しているが、その分処理に費やせるリソースは非常に多く、またオブリビオンであるためユーベルコードなしで勝利する事は極めて困難。
 しかしこのケルベロスオメガを撃破さえできればこのサーバーに囚われている一般ユーザーの魂は全て解放され、廃人と化していた彼らは目覚めると予知されている。
 更に鐘が二度鳴り響き、殺意漲らせたケルベロスオメガが吼え移動を開始。それを迎え撃つべく猟兵はスマホを操作し|最終決戦《ファイナルクエスト》を開始するのだった。
儀水・芽亜
いよいよファイナルクエストですね。これを終わらせれば、魂を抜かれた皆さんも蘇る。負けられません!

周りにまだ誰も来ていないのを確認してから、「全力魔法」「歌魔法」「楽器演奏」「歌唱」で「アルストロメリア」。技巧的な曲を弾き語りましょう。
ケルベロスオメガへの直接ダメージに加え、周囲の建造物データを破壊して継続ダメージの経皮毒をまき散らします。破壊の音色、しっかり味わってください。

ファイアブレスは「オーラ防御」で何とか耐えましょうか。
演奏も歌声も途切れさせません。これは作られたデータに過ぎないあなたへのレクイエムです。
ほら、テクスチャが剥がれてラグが出始めていますよ。完全消滅まであと僅かです。



●獅子に対する滅びの音色
 鐘の音が響く裏世界、最新のスマホアプリで描画されたこの裏世界のひび割れた大地には、神々しい神殿だったと思われる天国の廃墟の残骸や古戦場のような武器の残骸があちこちに散らばっている。
 その荒野に立つ門番のケルベロスオメガ、へと真っ先に仕掛けていくのは一人の吟遊詩人のキャラクターであった。
「いよいよファイナルクエストですね」
 そのキャラクターを操作しているのは儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)、電波良好で落ち着ける場所で準備を整えていた彼女は感慨深げに呟く。
 ケルベロスオメガの背後には、かつてのファイナルクエスト最後の戦いが繰り広げられた青く渦巻く異様な空間が見える。
 かつてと同様に天上や地獄、これまでゲーム内で描かれてきた様々な光景や現実の風景が入り混じるように映し出され、押し流されるように消えていくそこには今は何もない。
 ソウルアカウント解放の手段は眼前のオブリビオンを撃破するのみ――ここまで来たならあとは全力を尽くすしかない。
「これを終わらせれば、魂を抜かれた皆さんも蘇る。負けられません!」
 決意を告げる芽亜、対するケルベロスオメガは大きく息を吸うモーションを行い、同時に頭上に『レッドファイア』の文字が表示される。
 戦場全体に赤き炎のブレスを放つスキル、恐らくかつての赤く燃えるティターン達の王の強烈な炎属性攻撃に匹敵する破壊力を有しているのだろう。
 だが、芽亜は汎用スキルのオーラ防御により属性抵抗を強化、画面全てを焼却する強烈な炎をレジストしながら画面を縮小しまだ周囲に誰もいないことを確認して、歌を歌い始める。
「〽美しい花は 死に至る毒を隠し持つ 高嶺の花に 手を伸ばす愚か者 それを手にするのは 生命と引き換えだとも知らず」
 技巧的な『変幻の即興曲』スキルにより竪琴を弾き鳴らしながら歌い上げる吟遊詩人――本来後方支援を得手とする彼女がわざわざ一番槍を努めたのは、持ち込んだユーベルコード【「アルストロメリア」】によるフレンドリーファイアを防ぐ為。
 歌に籠められた魔力が周囲環境に干渉、あり得ない筈の物理干渉をケルベロスオメガへと行い、そのデータへとダメージを与えていく。
「破壊の音色、しっかり味わってください」
 技巧的に奏で歌い上げる事は止めぬキャラクターを画面越しに見つめつつ、芽亜は呟く。
 このメロディーに特に影響を受けるのは無機物――ケルベロスオメガのの背の双刃。元よりデータであるケルベロスオメガの中でも無機物としての性質が強いそれらは通常の10倍にもなるダメージを受け、構造を経皮毒へと変換されそれらをばら撒きながら崩壊していく。
 その毒を受ける事になるのは当然ケルベロスオメガ自身であり、データである彼のテクスチャが一部剥がれ落ちて内部のワイヤーフレームが視認される。
 しかしそれも一瞬、すぐにテクスチャは元通りになり、殺意を増幅させたケルベロスオメガがラグを混じらせながらも高速で移動を開始する。
 一番槍であるから仕留め切る事はできない。それでも十分ダメージを与えたことは明らかだ。
「完全消滅まであと僅か、一気に押し切りましょう」
 チャットウィンドウに打ち込みながら、芽亜はキャラクターに次なるスキルを発動させるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キノ・コバルトリュフ
ナメコ!キノの足の早さを見せてあげるよ!!
どんな敵だってキノからは逃れることは出来ない、完璧な走りだよ!
マッシュルーム!あまりの早さに止まって見えるんだってね。
キノキノキノ!キノの爆走!キノコロードの前に敵なし!!



●キノコ毒も通るようで
 その電子データの体を形作るテクスチャにノイズ混じらせながら、ケルベロスオメガは再び大きく息を吸うモーションを開始する。
 黒獅子の頭上にレッドファイアの文字が表示されようとした瞬間、一人のキャラクターが高速で飛び出してくる。
「ナメコ! キノの足の早さを見せてあげるよ!!」
 銀誓館学園から支給されたスマホでそのキャラクターを操作するのはキノ・コバルトリュフ(|キノコつむり《🍄🍄🍄🍄🍄》の星霊術士・f39074)。
 エンドブレイカー世界出身の彼女でスマホ操作とは縁遠い存在のようにも思えるが、キノコキャバリアを所有していたりするのでこのぐらいならすぐ適応できたのだろう。
 武器は毒々しい色合いの扇、外見はローグ二次職のニンジャの亜種である『アサシン』――紙装甲だが回避と継続ダメージ込みで高火力を叩きだせるピーキーなジョブである。
 そしてそのアサシンはなぜかT字ポーズを取りながらケルベロスオメガへと疾走していて、ゲーム画面なのにケルベロスオメガは僅かに怯んでいるようにも見えた。
 モーションが設定されていないという訳ではなく、素でこの挙動なのはキノが持ち込んだ【爆走!キノコロード】のユーベルコードとアサシンのスキルによるもの。
 元々独特な歩法で高速移動するというスキルなのだが、ユーベルコードとの悪魔合体によりゲーム内ではこのように反映されて、両腕を左右に伸ばした直立姿勢を維持したまま滑るように移動する姿はインパクト大。
 そのままケルベロスオメガはレッドファイアを戦場全体に赤き火炎のブレスを放ち枯れ果てた黒の地面を炎上させるが、放たれた瞬間にキノのPCが肉薄、扇で顎を叩き顔を真上へと向けさせる。
 僅かに彼女のPCを紅蓮の炎が包み込むが、予め支給されていた火炎属性ダメージ軽減の課金アイテムにより耐えられる程度には攻撃力は抑えられており、その上で大半は空に放たれたのだからほぼ無傷と言って過言ではないだろう。
 その上でキノの攻撃によりケルベロスオメガは食中毒を受けている。元より経皮毒を浴びていた黒獅子の体に別ベクトルの毒により、ステータスに能力値大ダウンが表示されていた。
「キノキノキノ! キノの爆走! キノコロードの前に敵なし!!」
 ケルベロスオメガの火炎に焼かれる暗雲渦巻く空、その下で戦う調子の悪そうな黒獅子と猟兵のPC達を眺めながらキノは楽し気にスマホをタップしていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

中村・裕美(サポート)
副人格のシルヴァーナで行動します
『すぐに終わってしまってはもったいないですわね』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)

裕美のもう一つの人格で近接戦闘特化。性格は享楽的な戦闘狂
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】を【早業】で繰り出す
ドラゴンランスを使うことがあれば、相手を【串刺し】にするか、竜に変えて【ブレス攻撃】
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー
電脳魔術が使えないので裕美の能力が必要な場合は【オルタナティブ・ダブル】で呼び出します

あと、虫が苦手



●※分身はしないようです
 毒の継続ダメージを受けながら、鬣を炎のように燃え上がらせながらケルベロスオメガは疾走を開始、さらに『ブラックセイバー』のアビリティ名が頭上に表示されると同時、背の破損した刃が新たな一対二枚の黒き鋼の刃へと生え変わる。
 威力に絞り強化されたその刃、それを通常のモンスターを遥かに凌駕する高速移動で敵に肉薄し斬りつけ即座に離脱していく凶悪な力は、かつてのファイナルクエストで『エリュシオン』という名の天使たちが集うという城に存在した『楽園のシードクラッシュ』の専用アビリティによる挙動を連想する者もいるかもしれない。
「……ちょっとこれ、普通の人間じゃ攻略できないんじゃない……?」
 リメイク版ディスティニーサーガの裏世界へとスマホを操作しやってきた中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)は、素でそんな感想を抱く。
 遠隔地の魂を奪い取る、そんな理不尽を有効にするために当たり判定が存在しないだとかの絶対攻略不可能という設定ではないだろうが、人間の反射神経の限界を超える位の設定なら攻略可能で魂を抜きとれるという判定なのだろう。
 そんな製作者の理不尽を感じながら、現実世界の裕美は金の瞳を赤に染めて『シルヴァーナ』の人格を表出させる。
「すぐに終わってしまっては勿体ないですわね」
 スマホを軽やかにタップするシルヴァーナ、操作キャラクターの悪役令嬢は槍を携えている。竜の力を宿す槍――ナイフと同様にレアアイテムであるそれを優雅に彼女は構え、突進してくるケルベロスオメガに相対する。
 常識を超えた超高速移動による疑似的な無敵化――しかし猟兵であるシルヴァーナの反射神経はそれを見切って的確なタイミングでタップ、スキルの攻撃モーションに移ると同時にユーベルコード【ドラゴニック・エンド】を発動させる。
 黒き獅子の体を竜槍が貫く――同時、槍より出現した召喚ドラゴンがケルベロスオメガへと襲い掛かり喰らい付く。
 元のディスティニーサーガでも三次職ではリヴァイアサンやドラゴンを召喚したりしていたように、ドラゴン召喚風のエフェクトのスキルはこのリメイク版でも存在しているため、BAN対象にはならなさそうだ。
 串刺しに加えドラゴンの追撃をまともに受けたケルベロスオメガは、その体表に走るノイズの領域を拡大させながら残心し槍を構え直す令嬢から距離を取っていく。
(「……刃の枚数を増やしてたら分身とかしてたのかしら」)
 もし攻撃対象数を増やしていた場合、それこそ無数の残像を残しながら滅多切りにされていたのかも。操作するシルヴァーナの目を通して画面を見つつ、そんな事をぼんやり考える裕美であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エウレカ・ムーンサイド
アドリブ/連携可
(基本的に台詞の文末にそれっぽい顔文字が付きます)

「これ、|ウチ《GGO》に似たモンスターがいたような。確か高難易度クエストのボスで、クリア報酬がライドモンスター化。」
他人の空似な気がしつつ、UCで戦場全体に塹壕を掘り、味方に有利なように戦場を作り替える。
「トラップ仕掛けの戦場に対応できる?」
噛み付かれぬよう警戒しつつ、|霊鬼《グリム》と共に味方の援護に回る。
「私もやられる側だから分かるけど、レイドボスって壁役やアタッカーだけ相手にしていると補助役や回復役のせいで負けるよね。」
実感篭りすぎのコメントを残しつつ、補助の手を緩めることはない。



●解放、ソウルアカウント!
 裏世界の不毛の地を疾走するケルベロスオメガの鋭い牙に電撃のエフェクトが纏わりつく。
 頭上には『エレクトロファング』のアビリティ表示、高速で噛みつき電撃を流し込む事で敵対者を感電させるというシンプルな攻撃だ。
 通常のモンスターなら近づけなければ問題ないが、この規格外の速度で移動してくるケルベロスオメガの接近を察知して防御するのは中々困難、そのケルベロスオメガの姿をエウレカ・ムーンサイド(月光竜はダンジョンをバズらせたい・f42610)は自身のPCを操作しつつ別の事を考えていた。
「……これ、|ウチ《GGO》に似たモンスターがいたような?」
 確か高難易度クエストのボスで、クリア報酬としてライドモンスター化したような記憶がある。
(「他人の空似……よね?」)
 別の世界であるからパクリだとかインスパイアとかそういうものではない筈だが、|己の世界《GGO》と|リサーチ対象《ディスティニーサーガ》の奇妙な一致につい首をひねってしまう。
 何にせよこのケルベロスオメガを撃破できなければサーバーに囚われた被害者の魂を解放することはできない。
 逸れかけた思考を戻しつつ、エウレカは荒廃した戦場を駆け回りつつ準備を終えたことを確認し、スマホ越しにケルベロスオメガに向かって呟く。
「トラップ仕掛けの戦場に対応できる?」
 今回彼女が持ち込んだユーベルコードは【究極塹壕線】、様々な武器や防御の装備を備えた塹壕を134メートルまで掘る能力。
 掘れる長さは戦場の大きさ的に十分、鉄条網はともかく大砲や対戦車地雷は少々このディスティニーサーガの世界観を逸脱しているようにも思えるが、元のデスサガの三次職『ジェノサイドメシア』等は拳銃を普通にぶっ放していたり、『SSSランクハンター』は謎の四次元牢獄を使ったりできているので多少はセーフだろう。
 なお彼女の|霊鬼《グリム》『グラターイ』は現実世界でエウレカの肩越しにスマホ画面を興味深げに覗き込んでいる。
 グラターイをゲーム内へと連れこめていたのはユーベルコードの力、塹壕を築くユーベルコードを今回持ち込んでいる事によりスマホゲーム内に持ち込むことはできないからだ。
 その穴は召喚術で補える。杖の宝石を輝かせてどことなくグラターイに似た耳が刃のようになったウサギ型の切り裂きバニーという召喚獣を召喚し、突っ込んでくるケルベロスオメガに備える。
 噛みつかれぬよう塹壕に隠れ足止めしている間に味方の攻撃がケルベロスオメガに突き刺さって残る体力をあっという間に削っていく。
「私もやられる側だから分かるけど、レイドボスって壁役やアタッカーだけ相手にしていると補助役や回復役のせいで負けるよね」
 妙に実感の籠ったエウレカの呟き、されど補助の手を緩めぬスマホ画面上の黒獅子は鉄条網に突っ込んで絡まってしまい、その移動速度ががくっと下がる。
 そこに突き刺さる|大砲穴《トーチカ》からの砲撃、更に切り込んでいったウサギの召喚獣の斬撃に、ケルベロスオメガのHPゲージは空になり、派手なエフェクトと共に消滅していく。

大成功 🔵​🔵​🔵​



 黒獅子のテクスチャを剥がれ落ちさせながら、このディスティニーサーガの最後の門番は煌びやかなエフェクトと共に消滅、その後には左右一対の刃が残された。
 形状はケルベロスオメガが背に生やしていた黒鉄の刃と同じで、ウィンドウのメッセージでも『神殺しの双刃:未設定』の表示しか現れない。
「これは確か、ソウルアカウント解放の際に使用できた……仕様外アイテムですね」
 かつてのクラン銀誓館でもファイナルクエスト攻略に携わっていた吟遊詩人のキャラクターが記憶を思い返しつつチャットにメッセージを流して、
「なんと! それならとりあえずストレージに入れて……おおっと!Σ(・ω・ノ)ノ」
 近くにいた黒召喚士がそれを確認して拾おうとすると、黒の双刃は一人でに浮遊し、背景の様々な光景を映し出している蒼い渦へと飛び込んでいく。
 刃だけでまるで念動力で操られているように飛び回り、渦を切り裂きその流れを切断、停止させていく。
『ファイナルクエスト達成! おめでとうございます!』
 どこか空虚に見えるメッセージがワールドチャットに表示され、チャット欄は興奮と祝福のメッセージで埋め尽くされていく。
「これでこのサーバーに囚われていた魂は解放されたのかしら?」
「恐らくは。意識を失っている方もその内目を覚ますでしょう」
 令嬢風のキャラクターの書き込みに、吟遊詩人は勝利のメロディを奏でるモーションを行いつつ答えて。
「それならよかったヽ(*゚▽゚)ノ  ……バズる為のヒントもあったかも?( ˙ω˙ ).。o」
 喜びのエモートを黒召喚士のキャラクターが表示させて、共にファイナルクエストを攻略した猟兵達を労った。
 
 攻略によりそれ程時を置かず、自動的にサービス終了となったディスティニーサーガのアプリ。
 オブリビオンが如く令和に復活した死のゲームであるが、一先ずこのサーバーが引き起こした事件は無事解決された。
 また新たなサーバーが誕生して次の犠牲者を生み出さないとは限らない――それでもその時はその時、猟兵達はきっとこの死のゲームを何度でも攻略し、人々を助け出すことだろう。
 今は一時慣れない戦いで重なった疲れを癒しても罰は当たらない筈だ。
 最早ログインできなくなったログイン画面を確認した猟兵達はスマホアプリを閉じ、そして現実世界での日々の生活に戻っていくのだった。

最終結果:成功

完成日:2025年08月28日


挿絵イラスト