|百獣族図鑑《バルバロイ・ガイド》(P.126)
●水辺の|百獣族《バルバロイ》①
多くが陸上に住む百獣族だが、海洋で活動するものもいた。人魚型、半魚人型(→P.128)、首長竜型(→P.132)などが有名。
●マーメイド
人の上半身と魚の下半身を併せ持つ、人魚の姿をした百獣族。
長い尾で魚のように海を泳ぎ、両腕で人と同じように道具を使う。水の魔法の扱いも得意。
▽住居
海底の岩場に住まう。陸に程近い海域でも活動していたマーメイドだが、他の百獣族と無用の軋轢を生まない為にか、家は充分な距離を置いた遠洋に建てる事が多かったようだ。
巨大な岩を魔法で加工して作られた家は、家と言うより城砦に近い。隣に写る漁礁と比べるとその建築技術の高さがよく分かる。が、中には沈没船をそのまま根城にしていたものも。一から造るのが面倒だったのだろうか。
▽槍
どの住処にも大量の銛や魚扠が取り揃えられており、魚を獲って暮らしを立てていた事が窺える。|聖なる決闘《トーナメント》では勇壮に三叉槍を振るう姿が度々見られたが、その槍捌きは日々の刺突漁で鍛えられたのだろう。
一方で網の類を使った痕跡は皆無。マーメイドにとって漁とは罠を張って待つものではなく、自慢の泳ぎと槍術で追い込むものらしい。人類との考え方の違いが見て取れる。
☆こぼれ話
伝承の人魚は女性として描かれる事が多いが、|“海”《mere》の|“乙女”《maid》の名を持つこの百獣族も、女性の姿をした個体ばかりが記録に残っている。
男性の姿をしたものは長らく確認されておらず、下半身の魚側にのみ差異が現れる為に傍目には判別できない、既に発見されているが外見が大きく異なる為に同種として認識されていないなどの説が唱えられていたが、後に少数が目撃された。女性から優れた戦士が多く輩出され、戦闘員の男女比が極端に偏る為に目撃例が少ない、というのが真実のようだ。
●|獣騎《バルバ》
海戦において比類なしと称されるが、半魚人型のような足を持たないマーメイドは地上では自由に動けない。その為、決闘の際には逆に海を創り出す事で陸の獣騎に対抗した。
水中に籠り飛び道具で攻め立てる、水から水へと飛び移りヒット&アウェイを繰り返す、隙を衝いて対戦相手を水中に引き摺り込むなど戦術は様々。
右の図④は決闘前に神へと祈りを捧げる様子。指を組み目を伏せる所作は陸の種族のものとよく似ている。戦闘中の苛烈な様子と異なる静かな姿が印象的だ。
成功
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