空に忘れ物をした日
●空の商人と、ひとひらの記憶
空に浮かぶ群島と、風に乗って流れる街々が織りなす、雲の上の世界にひとつの空鯨が泳いだ、風が囁き、空の色が変わる頃。
その時刻の酒場でひとつの奇妙な噂がある。
「空を見上げて、心を静かにすれば、商人が現れる」
「その商人は、失くした思い出を売ってくれる」
酒場にいた誰かが言い出したのかは分からない。
けれど、空を旅する者たちの間では、まことしやかに語られている。
●猟兵たちのちょっとした思い出
ある日、ブルーアルカディアの住民の1人が空を見上げだ。
それは、空港の片隅で、風待ちをしていたとき、あるいはプライベートの時かもしれない。
雲が流れ、風が頬を撫で、空の色がゆっくりと琥珀色に染まっていく。
そして声がきこえた。
「いらっしゃいませ。ようこそ、“空の市”へ」
気がつけば、目の前にひとりの商人が立っていた。
年齢も性別も分からない。
空の色をした瞳に、風のような衣をまとい、微笑んでいる。その背後には、空中に浮かぶ小さな屋台。棚には、古びたぬいぐるみ、欠けたマグカップ、色あせたスケッチブック、風鈴のかけら。
どれもこれも、誰かの記憶の断片のような品々が並んでいる。
「ここにあるのは、すべて“失われた思い出”です。誰かが忘れてしまった、でも、きっと大切だったもの。あなたが気になるものがあれば、お売りしますよ。」
商人はそう言って、やさしく笑う。
あなたたちは、ふと棚の中に“見覚えのあるもの”を見つけるかもしれない。あるいは、なぜか心を惹かれる“知らない誰かの記憶”に手を伸ばすかもしれない。
●グリモアベース
バロ・ヴァッハ(星屑の導き手・f34828)が上を仰ぎ予知の内容を述べた。
「空を見ながら日が沈むころにね、その商人さんがやってくるみたい。」
この予知は|猟兵《ひと》によってはあまり意味の無い依頼かもしれない。だが、ちょっとした忘れ物を思い出すのもよかろうとバロはあなた達に伝えたかった。
「君たちの忘れた思い出は僕にはわからないよ。でも、もしかしたら思い出すと心があったまるかもね!」
へへっと無邪気に笑う小さな|グリモア猟兵《こども》はあなた達をブルーアルカディアに送るだろう。
ちょっとした忘れ物を取りに行っておいでと。
バロ
久しぶりのシナリオ執筆で緊張しながら書きました。バロです。
プレイングの際に思い出したいことと物品を書いてくだされば執筆しやすいので助かります。
よろしくお願いします。
第1章 日常
『夕暮れの空』
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POW : 空を眺める
SPD : 空を眺める
WIZ : 空を眺める
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●昼下がりの大空
転送された猟兵たちは住家の少ない浮遊大陸に降り立った。そこは緑の草原に真下の雲の下まで流れる滝。まさに安らぎという言葉が合う場所。
そこで空を眺めていたら商人がやってくると言われている。その間まで忘れたものを想い出してみよう。
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎
「映像美と自然の調合…記録と記憶に残そう」
『マルチスタイル・サイコミュ。ファンネルビット』を起動して映像と音声と空気組織を採取しながら風の流れを感じて詳細を分析しながら、ふと明るさと風を感じながら「人や生き物にある“感情”が…」と思うと自然と手を合わせて妖精の姉を考えながら、あの優しい手の思い出して「愛情と信頼…この体の中の小さな温かさはなんなんだろう」と分析して解析しようとしても答えはでなくて戸惑います。
「あとで姉に聴いてみよう」としながらフェアリィの姉を考えると別の温かさが広がるのを感じて記録し記憶します。
眺めながら無意識的に目を細めて微笑んでいます。
「映像美と自然の調合…記録と記憶に残そう」
微かに揺れる草花の音を、ティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)によって展開された適切対応可変型ファンネルビットが拾う。
空気の粒子、光の屈折、音の波形。すべてが記録されていく。
「風が優しい……。」
けれど、ティティスの胸の奥に灯ったこの温かさだけは、どんなセンサーにも映らない。
「愛情と信頼…この体の中の小さな温かさはなんなんだろう」
そっと手を合わせる。
祈りではなく、確かめるように。
あの手のぬくもり。
あの声の柔らかさ。
それらは記録ではなく、記憶の中で静かに息づいている。
妖精の姉のことを思い出していた。
人や生き物にある“感情”がこの浮遊大陸を包む微風にこもっていたのは確かだった。優しい感情がティティスの中にゆっくり広がり合わせていた手を優しく握る。
「あとで姉に聴いてみよう」
空を仰ぎ、優しい風を記憶するかのように目を細めて微笑んだ。
大成功
🔵🔵🔵
ウルザ・ルーナマリア
噂話…都市伝説っぽいな?
本当にどうでもいい話なら噂として広がらないだろうし、そういう思い出を求める人も多いんだろうなー。
…おれ、思い出さなきゃいけない事あったっけ?
忘れてることすら忘れてるかもだし、行ってみるか!
空を眺めながら頭を捻り該当しそうな事考えてみるぜ!
昔は必死で生きてたからなー。
崩壊した都市国家跡で部族抗争の間を生き抜いて…その前は?
海に流されて流れ着いて、そのもっと前にいた場所は…ずっと寒かったような気がする。
暗くて水圧もきつい北の深海、嵐に拐われる前はどんな風に生きてたっけ。
空を見ても思い出せない、けど親はいたような…10年は前だからうろ覚えもうろ覚えだな!
※アドリブ絡み等お任せ
「噂話?」
ウルザ・ルーナマリア(月に泳ぐ白き獣・f39111)は転送されてしばらく歩いたあと空を見上げてみた。雲ひとつない綺麗な快晴だ。
「都市伝説っぽいな?…本当にどうでもいい話なら噂として広がらないだろうし。」
もしほんとにどうでもいいならそのまま忘れたままにもできる。だが噂を聞けばどうでもいいことでも気になってしまうのはどの種族も同じことだ。
「…おれ、思い出さなきゃいけない事あったっけ?……忘れてることすら忘れてるかもだし、行ってみるか!」
空を眺めていると過去のことが映像のように頭に流れ、ウルザは目を閉じる。
崩壊した都市国家跡で部族抗争の間を生き抜いて…海に流されて流れ着いて、そのもっと前にいた場所は…ずっと寒かったような気がする。暗くて水圧もきつい北の深海、嵐に拐われる前は……。
「あれ……どんな風に生きてたっけ?」
過去に行けば行くほど思い出せない小さな頃の思い出。ウルザは気になりだして目を開いた。気づけば空は朱色のように綺麗だった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 日常
『鞄にはナイフと食料を』
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POW : 沢山買い物をしておまけを貰う
SPD : 冒険で手に入れた品物を見せ、物々交換を持ちかける
WIZ : 巧みな話術で価格交渉する
イラスト:fossil
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
日が沈みかける夕刻のとき。空を眺めていたら忽然と小さな小店が存在していた。
割れ掛けのカップから高価な宝石など。商品の幅が広すぎて何屋と言われても例えようなら雑貨だろう。その思い出の雑貨店の主は優しく微笑んだ。
「いらっしゃい。」
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎
景色も見れたから帰路に着こうとすると裾を女の子に捕まれて「ママ…」と呟くと“違う…どうしよう”と感じ取り『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』を起動してフカフカ椅子に変型させて座らせて動いていて商品を見ているから購入して渡すと素直に食べてくれて微笑んでいると女の子は寝てしまい、静かな場所に避難すると母親らしき女性と出会い探して動いて汗を拭いていたハンカチを指差して「交換しよう」と持ち掛けて軽食と飲み物を準備して提供して会話をしながら女の子が目を覚まして「ママ!」と抱き着いたのを確認して「確かに交換した」と微笑み女の子のバイバイに小さく手を振り返します。
空の風景も夕刻を過ぎようとしていた。
その綺麗な空を見終えたティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)は踵を返し帰路につこうとしたが裾を軽く引っ張ってくる小さな子供がいた。
「ママ……。」
そう言い放ったのはまだ幼い女の子だった。ティティスは周囲を見渡したがそれらしき人物が見当たらず小さく「どうしよう……。」と呟き困っていた。
ユーベルコードで自身の身体部位ひとつをアストラル・エレメント・エネルギーに変え、フカフカ椅子に変型させ座らせた。近くに例の商人がいるのを見て女の子もまた商品に釘付けだ。
ティティスは食べ物をひとつ買ってあげ、女の子に渡した。
その子は嬉しそうにしながらありがとうと言って買ってもらったクッキーを頬張った。椅子に座っていた女の子は次第にウトウトとしだしてやがて眠りにつく。ティティスは女の子を抱き上げ静かな場所に行った。
すると母親らしき人物がやってきて娘の無事を確かめるとハンカチを出して額の汗を拭う。ティティスはハンカチを指さし「これと交換しよう」と持ちかけ食料と飲み物を差し出した。母親は少し躊躇ったがそっとハンカチを差し出した。
女の子は目覚めて母親の姿を見るなり「ママっ!」と本当の母親の元へ駆け寄った。ティティスは小さく手を振って見送り優しい笑顔を浮かべたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ウルザ・ルーナマリア
うーん考えても思い出せね!
生まれ故郷とかあるんだろうけど思い出とかは物心つく前に離れたからなあ。
考えてる内に空の色が…あれがバロの言ってた商人で、空の市?
どんなものがあるのか見てみるぜ。
にしても実際会ってみると不思議な雰囲気だなー店主さん。
それにどこからこんなに失われた想い出?沢山調達してきたんだろ…まーいいか!
ん、あの棚にある…石のナイフ…昔使ってたやつに似てるような?
まだ爪も力も強くなくてどうにかする為に頑張って割って削った…使わなくなっていつの間にかなくなってた筈だけど。
獲物解体するのに苦労してたあの日々も今となっては懐かしいなー。
…店主の人、これ買いたいんだけど!
※アドリブ絡み等お任せ
頭を捻っても出てこない幼少の記憶。
ウルザ・ルーナマリア(月に泳ぐ白き獣・f39111)は生まれ故郷の記憶を絞り出そうとしたが出てこなかった。
そう空を眺めていたら夕刻の色に染まっていた。その時現れたのが予知に言われていた例の商人だった。
「いらっしゃい……。」
「あれがバロの言ってた商人で、空の市?」
優しい笑みを浮かべてるその人の品揃えは小物ばかりだった。見ていると懐かしい感覚が伝わり不思議な気持ちになってしまう。
ウルザはどこからこんなに失われた想い出を沢山調達してきたんだろと考えるがとりあえず品物を探してみる。
ウルザは石のナイフに目がいく。
「あれは、まだおれが力もない頃に必死に研いで作ったやつ……。」
「これを買うかね?」
店主は石のナイフを丁重に持ち、ウルザに見せた。
「よっぽど頑張ったんだろうね、あなたの過去は努力でいっぱいだ。」
ウルザはその石のナイフをしばらく見たあと手に持ってみる。本当に懐かしい感覚が押し寄せて少し心に染みるほどの感動を覚えた。
「これ買いたい!」
店主はにこにこして石のナイフを託した。
ウルザはそれを装着してあの頃の努力を思い出しながら街を歩いた。過去には少なからず思い出すべき思い出があるのかもしれない。
大成功
🔵🔵🔵