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はた迷惑な召喚と魔法陣の先で

#UDCアース #UDCの血族

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「もう……生きていても、意味はないわ」
 その女性は、この世に絶望していた。なにもかも悪い結果ばかりが起きて、女性はお金もなくかといって、守ってくれる両親も悪い結果の中で亡くなっていた。
 もう何もない。
 あるのは、亡くなった祖母が残した日記。
 そこには女性が、いや、彼女の家族が、とある怪物の血を引く末裔だということと、危険な魔方陣の記述がそこにいくつか記載されていた。
 使ってはならないと朱書きされていたが、もうどうでもいい。
「消えてしまいたい。なにもかも……」
 涙をこぼしながら、女性はその日記に記された召喚陣と、任意の場所へと運ぶ魔法陣を、自らの血を捧げることによって、起動させていったのだった。

「皆様には、UDCアースにある深夜の住宅街へと向かっていただきたいのです。そこに、大量の『都市伝説』口裂け女が現れてしまいまして」
 そう告げるのは、響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)。
「幸いにも時刻は深夜だったため、今の所、被害はありませんが……これを放っておけば、被害は拡大してしまうことでしょう。その前に猟兵の皆様に赴いていただき、退治していただきたいのです」
 場所はとある住宅街の小道。そのままでは少し危険なので、近くにある公園に誘導して戦う方が楽かもしれないとリズは言う。
「その場で戦ってもかまいませんが……誰かが通りかかるかもしれません。それならば、近くの公園に誘導して、公園自体を封鎖すると、戦いやすくなるのではないでしょうか」
 その辺に関しては、現地を見て判断して欲しいとリズは猟兵達に委ねる。
「戦いが終わったら、そこに新たな魔方陣が現れます。口裂け女達の帰還用の魔法陣かと思われます。もちろん、出口には、この魔方陣を作った人物の元へと運んでくれるのですが……入るには注意していただきたいことがあります」
 リズの話によると、そこへ一歩踏み入れると、猟兵が強く望む居たい景色が広がるそうだ。いつの季節でも奇怪な桜が咲いており、それがさらに幻覚を助長させるという。
「その幻影を打ち破らない限り、出口の魔法陣は現れません。皆様には、その幻影に打ち勝ち、出口の魔法陣を生み出して、原因の元の先へと向かっていただきたいのです」
 そして、事件はそれで終わりではない。
「その先では……召喚者の意志に従わぬUDCが、その召喚者を襲っています。自業自得な部分もありますが……できれば、その召喚者様も守っていただきたいのです。いろいろと事情があったようですから。召喚者は女性のようでしたが、詳しいことはわかりませんでした」
 そう告げて、リズはもう一度、頭を下げる。
「何か被害が出てしまえば、後戻りはできません。召喚者様を正すためにも、その場所に住む人達を守るためにも、どうか力をお貸しくださいませ」
 リズはそう、現地へと向かう扉を開いたのだった。


柚葵チハヤ
 どうも、こんにちは。柚葵です。
 今回の場所は久しぶりのUDCアース。

 1章では、住宅街の路地裏に現れた口裂け女達を退治してください。近くに公園があるので、そちらを利用するとより戦いやすくなるのではと思います。
 2章では、現れた移動用の魔法陣を通っていただきます。あなたの思う留まっていたい場所はどこですか? もういない家族や、恋人がいる場所ですか? それとも……。その想いを何とか振り切って、出口を目指してください。
 3章では、召喚したUDCに襲われている召喚者さんを守りつつ、集団戦となります。召喚者さんを守りつつ、敵を全て倒してください。後、可能でしたら、召喚者さんの心のケア等もしていただけると幸いです。

 また、複数で参加する際は、お相手の名前やID、グループ名をお忘れなく。
 皆さんの熱いプレイング、お待ちしています!!
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第1章 集団戦 『『都市伝説』口裂け女』

POW   :    私、きれい?
質問と共に【手で口元を隠していたマスク】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
SPD   :    黄昏時の口裂けパニック
【自身の影に沈み込み、その場から姿を消す事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【標的に周辺の影から出現、奇襲を仕掛ける事】で攻撃する。
WIZ   :    【常時発動型UC】トワイライトゾーン
【戦闘地域の敵対者を異空間(夕暮れ時の町)】【に強制的に招き入れる。また黄昏時は】【「怪異が起こる時間帯」という噂】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。

イラスト:±Y

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 誰一人いないはずの、深夜の住宅街。
 そこに……一人のコート姿の女性が佇んでいた。
「仕事、遅くなっちゃった……早く帰って寝よ。明日は休みだし……ん?」
 一人のコート姿の女性を見つけて、ホッとしたのもつかの間。そこを通りかかったお姉さんは、思わず時計を確認した。時計は深夜2時を回っている。
「と、遠回りしよ……」
 ぐるっと遠回りしようとしたところ、そのコート姿の女性の隣に、また同じ女性が現れた。
 いや、二人ではなく、次々と増えていく。
 思わず、大きな声を出しそうになって、お姉さんは口を塞いだ。
 今は気づかれていない。気づかれたら、きっと……。
 お姉さんは、真っ青になりながら、急いで大回りで家に向かうのであった。

●マスターより
 上記のお姉さんのことは、気にしなくて大丈夫です。
 ですが、他にも大量の口裂け女が現れています。誰かが捕まる前に、さくっと倒すか、近くの公園に誘導するか、お好きな方法で、口裂け女をぶっ倒してくださいませ。
 皆さんの参加、お待ちしています!!
 
夜鳥・藍(サポート)
生まれも育ちもサクラミラージュ。誰かの願いで転生した元影朧。そのため影朧には同情しがち。
それなりの良家の出で言葉遣いは丁寧。だが両親とは違う種族で生まれたのを悩み高等部(高校短大相当)卒業を機に家を出ている。現在は帝都で占い師。

もふもふ大好き。
実家ではいろいろ我慢してたのもあって、飼えなくとも一人暮らし&猟兵となったことで爆発しがち。
猟兵になっていろいろ経験し悩みを乗り越えた。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭いません。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動は絶対にしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 深夜の人気のない住宅地。
 その路地を照らすライトの下で、赤い服を着た人影が動いた。
「恐らく……あれが件の『都市伝説』口裂け女……ですね」
 と、倒すべき相手を見つけた、夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)がそう零したとたんに。
「……一人だったのに、増えましたね」
 見ないうちに、ひとり、またひとりと、口裂け女は増えていく。
「流石にこれは、見過ごすわけにはいきません」
 幸いなことに、周辺は深夜と言う時間も相まって、誰かが通ることはなさそうだ。ならばと、藍は動く。
「さあ、行きましょう」
 |銀狼招来《ギンロウショウライ》で、自分の2倍の大きさを誇る、翼を持った銀狼を召喚し、藍はその背に飛び乗る。ついでに、ちょっとそのもふもふに顔も、うずめて。
「やっぱり気持ちいい……」
「わう?」
 銀狼が首を傾げたのを見て、藍ははっと我に返る。
「そ、そうでしたね。早くあの口裂け女を倒さないと」
「がうっ!!」
 そのまま、藍と銀狼は、口裂け女たちのいる群れに飛び込み、一気に蹴散らしていく。もちろん、藍も青月を引き抜き、口裂け女の数を減らしていった。
 しかし、まだ戦いは始まったばかり。人々が気づく前に、手早く口裂け女達を始末しないと……。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

木元・祭莉(サポート)
「おおー、いっぱいいるねー♪」

グラップラー×サウンドソルジャー、17歳の人狼少年です。
前衛肉弾派で、積極的に行動します。
まだまだ未熟なアホの子です。

いつも深く考えず、楽しそうにテンション高く対応します。
どどーん、ばばーん、ひゅいーんなど、擬態語を多用します。

ユーベルコードは、補助的に使うことが多いです。
状況に応じて、グラップルでの接近戦、衝撃波でのなぎ払い、浮遊とジャンプ・ダッシュを組み合わせた空中戦のどれかで戦います。

多少の怪我は耐性で耐え、肉を切らせて骨を断つ、がモットー。
いつも笑顔で、後先考えず。でもちょっとビビリ。

あとはおまかせで。よろしくおねがいします!



「おおー、いっぱいいるねー♪」
 うじゃうじゃと出てきた口裂け女達に、手でひさしを作りながら、彼らを眺めているのは、木元・祭莉(銃弾を次から次へと叩き落とすなにかの達人・f16554)だ。可愛らしいふわふわしっぽとぴこんとした耳がチャーミングである。
「あいつらを他の人達と出会う前に、ぱぱっと倒せばいいんだよね。それじゃー、ずばーんと出かけちゃうよ☆」
 軽快にしゅたたたーーーと駆けていくと、祭莉は改めて、大きく息を吸って。
「わあああああああ!!!!」
 人狼咆哮で、激しい咆哮を放ち、祭莉から周囲160メートル以内にいる口裂け女達を高威力で無差別攻撃していく。
「きゃあああ、五月蠅いっ!!」
「み、耳が……」
 バタバタと倒れる口裂け女達へと祭莉は楽しそうに告げる。
「まだまだいるみたいだから、いっぱい吠えちゃうね! ……口裂け女、そんなに怖くなくってよかった」
「えっ?」
 その祭莉の最後の言葉を確認する前に、その口裂け女は、再びの人狼咆哮で地に伏したのだった。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

ゾンビーヌ・ロッテンローズ(サポート)
デッドマンのコミックマスター×自由農夫、18歳の女です
普段の口調は「女性的(わたくし、~様、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」、心を許したら「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です

ゾンビとして蘇った文字通りの『腐』女子
男性が好きですが恋愛対象でなく、妄想のネタとして男同士でくっつけることを好みます
口調は作っているもので、本性は内気な陰キャです

ユーベルコードは所持する物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「どう……して……」
 目の前には、大量の口裂け女を前に、ゾンビーヌ・ロッテンローズ(元カルト組織「リビング・デッド魔導会」の腐薔薇姫・f40316)は、悲壮な表情を浮かべていた。何故なら。
「どうして……口裂け『男』ではないんですのっ!!」
 ……え、そこ?
「日に焼けた口裂け男さんが、可愛らしい口裂け男さんと、傷を舐め合いつつの目くるめく薔薇の世界……素晴らしいと思いません?」
 鼻息荒めにゾンビーヌが目の前の口裂け女さんに持ちかける。
「もう、それだけで、数冊本が出来ましてよ! もうそんなご本があれば、ご飯なんて、無限にいただけますわ!!」
 いや、その……熱すぎるゾンビーヌの剣幕に、口裂け女さんはというと、かなり引いている。
「だからこそ……皆、みんな……薔薇に埋もれて……腐ってしまえ……そうすれば……この世界は、終わらない……」
「い、いやああああっ!!!」
 ゾンビーヌが発動させたのは、|命を喰らい薔薇の世界は広がる《エターナルロッテンワールド》。自身の体を食い破らせ、中に包んだものを腐らせてから、新たな苗床にして無限に繁殖し続ける薔薇を放出し、戦場内全ての有機物、及び疑似的なものも含む生命体全てを無力化する力だ。
 めくるめく薔薇にまみれて、倒れる口裂け女達が、ちょっと……可哀そうに見えたのは、たぶんきっと、気のせいだろう。
 ゾンビーヌは次々と口裂け女をぶっ倒していったのだった。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

印旛院・ラビニア(サポート)
・境遇的なものもあり、思考や嗜好は成人男性のものです(自分からは喋らない)
・基本的にはヘタレで気弱、慎重な面がありますが、物事がうまくいったり周りに煽てられるとイキって墓穴を掘ることもあります
・なんだかんだで人がいい
・やり込みゲーマーで現状を学ぶ【学習力】と自分のプレイに【チューニング】できる応用力が武器
・キャバリア・劫禍との関係はUCの秘密設定あたりで察してください
・キャバリア戦などでは劫禍のパーツに利用できそうなものは入手できそうなら回収

 UCは活性化した物をどれでも使用し、例え依頼のためでも、公序良俗に反する行動はしません。えっちな展開はコメディ目であれば許容



「口裂け女って、都市伝説に出てくるアレ……だったっけ?」
 可愛らしいうさぎ耳を揺らしながら、印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)は、んーと考える。
「けど、人を襲うというのなら倒さないとね。なんだかいっぱいいるらしいし?」
 ラビニアの見ている先、そこには赤いコートを着た口裂け女がうじゃうじゃいた。
「まあ、そういうことで……今回は終末戦争発動だよ! ジャンジャン倒してジャンジャン強化するよ!」
 ラビニアは|終末戦争《ラグナロク・タイム》を使い、そのセリフ通り、自身の指揮する戦乙女の数を倒して増やしていく。増えた戦乙女達もバンバン口裂け女を倒すので、だんだん、ラビニアの戦乙女の方が増えていっている。
 口裂け女も頑張って、自身の影に沈み込み、その場から姿を消して、的に周辺の影から出現、奇襲を仕掛けてくる。
「わわわ、油断大敵だね!」
 近くにいた戦乙女が消えてしまったが、ラビニアまで攻撃は届かなかった様子。
「全部倒すまで、まだまだ時間がかかりそうだね……」
 ちょっぴりうんざりしながらも、ラビニアはたくさんの口裂け女を倒していくのだった。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

真宮・律
 義父の陽輝さん(f44868)と参加

都市伝説か。舞台プロデュースも手がける陽輝さんにとって興味ふかい事のようだ。人の噂が主体になるだけにな。

ただ、都市伝説って、人を害する存在が多いんだよな。今度の口裂け女もそうだな。実際に犠牲者が出る前に。

うわ、影からいきなりきたか。陽輝さん、大丈夫ですか?ええ、俺の方は【残像】【心眼】【瞬間思考力】があれば十分避けれます。周辺の影を警戒すればいいなら陽輝さんの援護があれば。なるほど、出現時の音ですか。さすが。

何度も奇襲攻撃を許したら大変なので荒ぶる雷鳴発動。影ごと排除する。残しても陽輝さんが仕留めてくれるので。

さて、大変なのはこれからか。


天野・陽輝
義理の息子の律(f38364)と参加

人の思いが現実となる都市伝説。舞台プロデュースを手かげる私としては興味深い。ただ、噂ってのは真実を知らないゆえの恐怖が伴う場合が多い。

今回の口裂け女は噂が恐怖として被害をもたらす存在だな。ああ、律。犠牲者が出る前に。

いきなり影からか・・・【残像】【心眼】【オーラ防御】で凌ぐが、流石に危ないな。回避音感の心得発動。影から奇襲してくるとはいえ、音はするだろうからな。それにかける。律も音楽家だから対応してくれるだろう。

主な殲滅は律に任せるが、取りこぼしがあるだろうからな。きっちり【跳弾】【制圧射撃】【拳銃格闘術】で仕留める。

そうだね、これからが本番だ。



「都市伝説か……」
 ため息交じりに呟くのは、真宮・律(黄昏の雷鳴・f38364)。人々の危機と聞いて、義理の父である天野・陽輝(眩耀の曙光・f44868)と共にこの地に降り立った。
「人の思いが現実となる都市伝説……だったか。ただ、噂ってのは真実を知らないゆえの恐怖が伴う場合が多い」
 律の隣で感慨深そうに陽輝は続ける。
「今回の口裂け女は、噂が恐怖として被害をもたらす存在だな」
「ええ、今度の口裂け女もそうらしいです。実際に犠牲者が出る前に倒さないと」
「ああ、律。犠牲者が出る前に、な」
 二人はそう言って、顔を引き締めると、前方からやってくる赤いコートの女性……否、口裂け女に向き直る。
 と、先ほどの口裂け女が姿を消した……かに見えたが。
「うわ、影からいきなりきたか」
 警戒していたお陰か、律は何とか死角からの口裂け女の攻撃を躱すことができた。少々、服が裂けてしまったが仕方ない。
「陽輝さん、大丈夫ですか?」
「ああ、なんとかな。いきなり影から来たか……」
 一方の陽輝はというと、咄嗟に|回避音感の心得《カイヒオンカンノココロエ》を発動していたお陰で、油断なく避けきることが出来た。それにこの能力は。
「流石に危ないな。律、敵は影から奇襲してくるとはいえ、音はするはずだ。耳を澄ませろ」
「なるほど、音ですか。流石は音に敏感な陽輝さんですね。分かりました!」
 律は、陽輝に言われた通り、耳を澄ませる。と、その音が聞こえた。
「そこだ! 薙ぎ払う!!」
 そして、対抗するかのように律は|荒ぶる雷鳴《アラブルライメイ》を放つ。掲げた手のひらから広範囲に荒ぶる雷鳴を迫る口裂け女達へと薙ぎ払うように放って、一気に大勢の口裂け女を倒していく。しかし、それでも撃ち漏らしはある。
「こっちは任せろ!」
 曙のガンナイフで、近くにいた口裂け女の息の根を止めたのち、陽輝は弾丸を放って、討ち損じた口裂け女二人目を仕留めていく。
 その陽輝の頼もしさに律も思わず、攻撃を放つ手のひらにより、力を込めて。
 もちろん、数の上では口裂け女の方に分があったが、これまでの猟兵達の攻撃により、その数は徐々に少なくなっていく。

「これで……終わりですかね?」
「ああ、そのようだ」
 気が付けば、律と陽輝の周り……いや、猟兵達が戦っていた辺りが静けさを取り戻しているように見える。だが……それでも、律は気を引き締める。何故なら。
「さて、大変なのはこれからか」
「そうだな、これからが本番だ」
 律の言葉に陽輝も力強く頷いてみせる。
 猟兵達の前に現れたのは、怪しい光を帯びた魔法陣であった。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『幽冥Farewell』

POW   :    揺るがぬ心を強く持ち打ち勝つ

SPD   :    足を止めずに幻惑を振り払う

WIZ   :    力尽くで幻を消し去る

イラスト:せの

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達の前に現れたのは、帰還用の魔法陣だった。
 幸いにもこの先には、敵はいない。だがしかし……それには罠が仕掛けられていた。

 ――幻影。

 そこへ一歩踏み入れると、猟兵が強く望む居たい景色が広がっているのだ。いつの季節でも奇怪な桜が咲いており、それがさらに幻覚を助長させるという。
 思い出深い場所か……それとも、愛する人が待つ理想郷か。
 いずれにせよ、この幻影を打ち破らなければ、その先へは行けない。
 猟兵達には、酷なことかもしれないが、この試練を乗り越え、その先へ……助けを求める者の元へといち早くたどり着かなくてはならないのだから。

●マスターより
 ここでは、「どんな幻影を見て」「どのように打ち破るか」をプレイングに記載ください。
 失った家族を思い出して、彼らを打ち破る……でもかまいませんし。
 思い出のシーンを思い出して、それを討ち払うでもかまいません。
 せっかくですので、皆さんのキャラの思い出深いものを、ぜひ、ここで描いてみてください。
 皆さんの素敵なプレイング、お待ちしています!!
 
真宮・律
義父の陽輝さん(f44868)と参加

ここは・・・・懐かしいな。妻の響と出会う前、傭兵をやってた時間。もう25年前にもなるか。気づいたら親はいなかった。食い扶持を稼ぐため傭兵として戦場を駆け巡る日々。

いつ死ぬかわからない日々。仲間にも裏切られるかもしれない日々。でもし幸せだった。生きるにはこれしかなかったから。目の前には焚き火の前で傭兵仲間が笑ってる。

でも俺の傭兵仲間は戦場で死んだ。わかってる。これは若い頃の幻影だ。いこう、現実へ。今は陽輝さんのそばへ戻らなければ。娘を攫った俺を認めてくれた人を。陽輝さんが許してくれたから、家族と共にいられる。

迅雷の一閃。幻を破る!!


天野・陽輝
義理の息子の律(f38364)と参加

いきなり広がる大広間にびっくりする。ああ、ここは私の住んでいた家だ。愛する妻と娘と。妻と娘は優れた歌い手だった。私の作った曲、私がマンドリンを奏でて、妻と娘が歌う。夢のような日々だった。もう戻ってこない、夢の音楽会。

うん、妻は死んだし、娘はこんなエレガントなドレスを今は着ていない。娘は今戦闘服を着て槍を振るっている。まさに戦乙女のように。

今は律のもとへ戻らなければならない。私に家族を与えてくれた大事な婿。彼の側にいれば華やかな色づいた世界が見れる。天籟のアルカッチア。心をこめた演奏で、幻を破る!



 律の目の前に広がる光景。
 それは、傭兵達が野営をしている屋外だった。
 と、同時に律の胸に懐かしさが込みあげてくる。
 わいわいと楽しそうに薪を囲みながら、美味しい夜食を食べている。
「ここは……懐かしいな」
 思わず、律が口にする。
 妻の響と出会う前、傭兵をやってた時間。もう25年前にもなるだろうか。気づいたら親はいなく、食い扶持を稼ぐため、傭兵として戦場を駆け巡る日々を過ごしていた。それを律は思い出していた。
 いつ死ぬかわからない、仲間にも裏切られるかもしれない日々。でも、律にとってその時間は、幸せだった。生きるにはこれしかなかったから。目の前には焚き火の前で傭兵仲間が笑ってる。
『おーい、律! お前もこっちに来いよ!』
 その仲間が急に振り向き、律に声を掛けてきた。あのときと同じ声、同じ仕草で。

 ――でも。

 律は知っていた。いや、|理解《・・》していた。

(「わかってる。これは若い頃の幻影だ。いこう、現実へ。今は陽輝さんのそばへ戻らなければ。娘を攫った俺を認めてくれた人を。陽輝さんが許してくれたから、家族と共にいられる」)
 意識を集中して身構え、そして、訣別すべく使い込まれた赤銅の両手剣、クレプスキュルを引き抜いた。

 ――|迅雷の一閃《ジンライノイッセン》。

「幻を破る!!」
 律の言葉通り、偽りの幻を切り裂き、見事、見破ったのだった。


 そして、もう一人の方でも……。
「おわっ!? ここは……大広間、なの、か……」
 陽輝は、改めて辺りを見渡した。見知らぬ大広間かと思ったら、こちらもまた懐かしさを感じていた。
「ああ……ここは、私の住んでいた家か……」
 と、歌が聞こえてきた。確かあの曲、歌は……。
「私の作ったもの……それに、この声は……」
 ゆっくりと声のする方へと向かっていく。そこには、自分がマンドリンを奏で、その曲に合わせて、愛する妻と娘とが嬉しそうに、踊るように歌っていた。
 まるで夢のようだと、陽輝は思う。とても懐かしく感じる。もし叶うならずっとこの場に居たいとさえ思う。

 ――ただ。

「うん、妻は死んだし、娘はこんなエレガントなドレスを今は着ていない。それに、娘は今戦闘服を着て槍を振るっている。まさに戦乙女のように、な」
 陽輝は颯爽と、愛用の天籟のマンドリンを取り出し、慣れた手つきで音を鳴らし、調子を確認する。
 そして、前奏を奏で始めた。先ほどとは違う、少々荒々しい曲調ではあるものの、その曲はとても丁寧に心を込めて奏でられていた。

 ――|天籟《テンライ》のアルラカッチア。

 天籟のマンドリンから眩耀する斬撃波が放たれ、あの幻が消え去ってゆく。
「今は律のもとへ戻らなければならない。私に家族を与えてくれた大事な婿。彼の側にいれば華やかな色づいた世界が見れるからな」
 と、言ったところで、遠くから律の姿が見えた。
「陽輝さん、大丈夫でしたか?」
「ああ、問題ない。心配かけたか」
 そう声を掛ける陽輝の言葉に、いいえとホッとした表情を見せる律。
 二人の前に、新たな魔方陣が現れる。恐らく、この先に二人を誘い込んだ元凶がいるはずだ。
 律と陽輝は、気を引き締めて、向かい合い頷き合うと、その魔方陣へと足を踏み入れたのだった。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

田丸・多摩
連携歓迎。
公序良俗に反する行動、利敵行為、過剰に性的な描写はNG。

芸能事務所の事務員。
いかにもビジネスウーマン然とした、礼儀正しい口調で人と接する。大抵のことはそつなくこなすが、激辛好きで味覚が終わっているため料理だけは下手。
民間人への被害を嫌い、救助活動などには全力を尽くす。

戦闘になると急に元ヤンめいた荒っぽい口調になり、態度もふてぶてしくなる。
真紅のフルカウルスポーツバイク『レッドサビナ350』を乗機兼凶器として使用。喧嘩殺法じみた格闘攻撃も使い、場合によってはサイキッカー由来の念力攻撃を使うこともある。

台詞例
「我々が来たからには、もう安心ですよ。ふふふ♪」
「上等だよ……掛かってきな!」



 静かにまた一人、この魔方陣の中に入った者がいる。
「幻影が現れると聞いていたのですが……これは?」
 腕章をつけ、事務員さんのようなスーツを纏っているのは、田丸・多摩(謎の裏方お姐さん・f09034)。
 何かあれば、すぐにでもバトルを仕掛けるつもりでもあったのだが、辺りはノイズの走る靄がかかっており、時折、激辛グルメを食べて幸せそうな多摩の姿が見える。
「もしや、先行していった方々が、既にこの魔方陣を突破した……ということでしょうか」
 それも少々手荒な方法で。
 いや、もしかしたら、魔方陣が攻撃に耐えきれなかったのが正解かもしれない。
 しかし、そのお陰で多摩は、そう苦労せずに先へと進むことができそうだ。
「この幻影の私、少し羨ましいです……」
 はふはふと激辛グルメを食べる、多摩の幻影にいいなぁと呟きつつも、今の任務はこの先にある。
「この仕事が終わったら、何か美味しいものをいただきましょうか」
 そう多摩は心に決めて、魔方陣の先へと向かうのであった。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『暗黒面・翁の者』

POW   :    儂は暗黒面。儂は翁の者。肉体と狂気の蒐集家。
自身が戦闘で瀕死になると【ホエイプロテイン】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    プレテインに秘められし力こそパゥワァー
【大豆プロテイン】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
WIZ   :    儂は肉体と狂気の蒐集家。これこそ我が蒐集の極地。
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【尻】から排出する。失敗すると被害は2倍。

イラスト:天之十市

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「消えてしまいたい。なにもかも……」
 そう呟いたのは、いつだったか。
 女性には、この世界に未練はなかった。だからこそ、その力を解放したのだ。
 しかし……。
「コロセコロセコロセコロセ……」
 暗黒面・翁の者が自分に向かって、攻撃してくるのを見て、女性は恐れを感じた。
 あの口裂け女は、ちゃんと言うことを聞いてくれた。
 しかし、次に現れた暗黒面・翁の者達は、自分に歯向かってきた。
「死んでもいい……そう思ってたのに……」
 彼女は隠れている。近くにあった物置小屋に飛び込み、内側から開けられないよう棒を引っかけた。
 けれど、彼女は理解している。これも間もなく、破られると。
 ドンドンドン!!
 物置小屋の扉が勢いよく揺れる。たわむ。
「……だれか、助けて……」
 自分が招いたことだとしても、でも、彼女はそう願わずにはいられなかったのである。

●マスターより
 現時点、呼び出した張本人である女性は、物置小屋の奥で震えています。
 たどり着いた先には、暗黒面・翁の者に囲まれた物置小屋がすぐに目に入ります。
 皆さんには、小屋が壊れる前に暗黒面・翁の者達を退治してください。一度、攻撃してしまえば、物置小屋から注意を引きつけられます。
 人数が多いとより引き付けられますので、まずは、攻撃することが先決です。
 また、小屋が危ないと思ったら、小屋から女性を出して、逃げることも良いかもしれません。
 その場合は、しっかり女性を守ってあげてください。
 暗黒面・翁の者は、攻撃してきた者>女性>その他 という優先順位で狙ってきます。その辺も考慮の上、戦ってみてください。
 それと、終わった後には、可能でしたら女性の心のケアもしていただけると、より良い結果になっていきます。
 そちらも良ければ、試してみてください。
 いよいよ、この章で最後となります。
 皆さんの熱いプレイング、お待ちしています!!
 
鳶沢・成美(サポート)
『え、これが魔導書? まあどうしよう?』
『まあどうでもいいや、オブリビオンなら倒すだけですよ』

故郷UDCアースの下町の古書店でたまたま見つけた魔導書を読んで覚醒した自称なんちゃって陰陽師

昨今でいう陽キャラ? みたいな行動は正直よくわからないのでマイペースに行動
でも集団での行動も嫌いじゃないですよ
元ボランティア同好会でつい気合い入れて掃除しちゃったりしなかったり
一応木工好きでゲートボール好きキャラのはず……たぶん

例え好みの容姿だろうと、事情があろうと敵ならスパッと倒すだけですよ

実はシルバーレイン世界の同位体である自分と融合していたことが判明
三角定規型詠唱定規の二刀流で戦う様に

アドリブ・絡み・可



「はいはい、全然、穏やかじゃないね」
 どんどんと物置を叩く暗黒面・翁の者の背後を取り、鳶沢・成美(三角定規の除霊建築士・f03142)は、颯爽と。
「舞え、氷の竜よ。アイストルネード……なんちゃって」
 成美の|氷雪竜巻《アイストルネード》が炸裂! 冷気で冷やされた周囲を、これでもかと、細かい氷の粒を放ち、勢いよくじゃりじゃりと相手を削っていく。
「うおおおおおっ!!!!」
 その容赦ない成美の攻撃により、次々と翁の者が倒れていく。しかし、その数は多い。一人で捌ききれる数ではなさそうだ。
 それに、死にかけの数体が、ホエイプロテインを呼び出して、瀕死の翁の者の代わりに攻撃してきた。
「おっとっ!!」
 定規で捌ききれず、少し当たってしまった。はっきり言って、なんか痛い。
 成美はホエイプロテインの攻撃をもう、当たりたくないと言わんばかりに避けながら。
「早く、誰か来て欲しいんですけど……っ!!」
 そう言いながら、成美は氷雪竜巻を放ちながら、物置に隠れている女性を守るために、戦い続けるのだった。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

中村・裕美(サポート)
副人格のシルヴァーナで行動します
『貴方はどんな血を流すのかしら』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)

裕美のもう一つの人格で近接戦闘特化。お嬢様口調だけどアグレッシブで享楽的
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】
槍を使うことがあれば、相手を【串刺し】にします
その他使えそうな技能があれば適宜使用する感じで
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー
電脳魔術が使えないので裕美の能力が必要な場合は【オルタナティブ・ダブル】で呼び出します

あと、虫が苦手



「んー、このまま見てるだけでもいいんですけど……流石に相手に死なれてしまったら、目覚めが悪いですわね」
 副人格のシルヴァーナの人格を表に出しているのは、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)。
「まあ、いいですわ。……貴方はどんな血を流すのかしら」
 そう言って、シルヴァーナな裕美は、慣れた様子で|瞬きの殺人鬼《アッサシーナ・モメンターニオ》を発動させる。
「わたくしから逃げられるとでも思いまして?」
 シルヴァーナの殺戮本能を一時的に増強し、全ての能力を6倍にすると、一気に敵との距離を詰め、大量にいる暗黒面・翁の者を一気に惨殺ナイフでもって、切り裂いていく。
「ぐああああっ!!!」
「アハハハハ! いい色をしていますわね!」
 敵の血を見て、シルヴァーナが楽しそうに笑っている。
「……仲間、だよね?」
 敵を倒しているから、きっと仲間だと思いながらも、傍で戦っていた成美は、ちょっと怖いシルヴァーナの様子にちょっとだけ、怖がるのであった。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

川村・育代
変身でピンク色の魔法少女に変身して敵目掛けて跳び蹴りを喰らわせて注意を引きつけて小屋から引き剥がすわ。
キラキラな魔法少女パワー(属性攻撃+カウンター+呪詛)で殴る蹴る+魔法少女のステッキの魔法(呪殺弾+呪詛+属性攻撃)で敵にお仕置きするわ。
魔法少女の姿で(この姿の方が説得力ありそうだし)召喚者の女の人には『使ってはならない』と書いてある理由が分かったでしょ?二度と使わないでね。と念を押しとくわ。
色々不幸な事があったみたいだけど、死ぬつもりで怪物を呼び出せる気力があればまたやり直せるはずよ。
彼女だけだと心配だから彼女の生活とあの魔方陣の封印について何か支援出来ないかUDC組織に頼んでみるわ。



 ふわりと、ピンク色な光に、少女は包まれる。
 そこから伸ばした手には、キラキラと輝く光に、いや、可愛らしいレースの手袋が付けられ、次に出てきた小さな足には、可愛らしいブーツが備わっている。その二つのブーツの踵が鳴るとき、そこにはピンクの閃光から生れ出た、一人の可憐な少女が姿を現す。ピンクのまるで、魔法少女のようなドレスを纏った……。
「マジカル・チェンジ!! 完了!!」
 川村・育代(模範的児童・f28016)の姿がそこにあった。
「あんたたち、そこから……離れなさいよっ!!」
 軽くジャンプして、一気に加速。そのまま、内から湧き出る力をそのままに、愛らしいステッキで、ばっこーーーんと物置を囲う暗黒面・翁の者を次々となぎ飛ばしていく。
「……す、凄い……」
 物置の隙間から、女性はその育代の雄姿を見つめていた。と、育代の足が止まり、背中越しのまま。
「『使ってはならない』と書いてある理由が分かったでしょ? それ……二度と、使わないでね」
 その言葉に女性は思わず、息を呑む。
「色々不幸な事があったみたいだけど……」
 また来た翁の者を、今度は物置に近づけさせないよう、可憐な魔法少女の育代は、確実に1体1体仕留めていた。
「死ぬつもりで怪物を呼び出せる気力があれば、また……やり直せるはずよ」
 その優しい響きを持った育代の言葉に、女性は涙をあふれさせた。
「ええ……そう、ですね……」
 物置の中で閉じこもっていた女性が、少しずつ立ち直ろうと一歩踏み出した瞬間だった。
 
 また数日後に、育代が手配したUDC組織の特別員が、彼女を保護し更なる更生へと導くのだが……それは、また別の話。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

ゾンビーヌ・ロッテンローズ(サポート)
デッドマンのコミックマスター×自由農夫、18歳の女です
普段の口調は「女性的(わたくし、~様、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」、心を許したら「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です

ゾンビとして蘇った文字通りの『腐』女子
男性が好きですが恋愛対象でなく、妄想のネタとして男同士でくっつけることを好みます
口調は作っているもので、本性は内気な陰キャです

ユーベルコードは所持する物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「……なんなんですの、この状況は……」
 ふるふると震えながら、ゾンビーヌ・ロッテンローズ(元カルト組織「リビング・デッド魔導会」の腐薔薇姫・f40316)は、声を荒げる。
「その筋肉は認めましょう。ですがっ!! その仮面はなっていませんわっ!! 仮面舞踏会における仮面を用意するのが習わしではなくてっ!?」
 え……なにを言ってるんですか、ゾンビーヌさん……。
「そんなご老体の仮面なんて、ぜんぜん、萌えませんのよっ!!」
 びしりと、指摘して、ゾンビーヌは怒り心頭のようである。
「あ、あの……あなたも、助けてくれるのよね?」
 クローゼットの中から、隠れている一般人の女性から、声をかけられる。
「ええ、そうですわ。目くるめく素晴らしき甘美の世界……なのに、あなた達は全然、萌えませんのっ!!」
 ふうっと呼吸を整えて、ゾンビーヌは発動させる。
「皆、みんな……薔薇に埋もれて……腐ってしまえ……そうすれば……この世界は、終わらない……」
 なぜか、噛みついて来た暗黒面・翁の者に、ゾンビーヌは笑みを浮かべた。ゾンビーヌの発動させた|命を喰らい薔薇の世界は広がる《エターナルロッテンワールド》は、自身の体を食い破らせ、中に包んだものを腐らせてから、新たな苗床にして無限に繁殖し続ける薔薇を放出。戦場内全ての有機物、及び疑似的なものも含む生命体全てを無力化してくのだ。
「もっと格好いいとかかわいいとか……良い男はいませんの?」
 そう言って、ゾンビーヌはペンと紙を手に、辺りを見渡したのだった。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

川村・育代
大分敵も減ってきたわね。ここで一気に畳みかけるわ。
スーパー変身(コンパクトで変身)で魔法少女最終フォーム(マジカルチェンジとは全く別のデザインのより華やかなスタイル)に変身して最大出力で殴るわ。
脱力状態で受けさせないように攻撃時にフェイントを入れて反応をずらさせたり、カウンターを狙って攻撃する(攻撃時はさすがに力は入るはず)などするつもりよ。
それでも脱力状態で攻撃を受けられたら手近な翁の者を魔法少女のステッキから出したリボンで捕まえて盾に使うわ。
あたしの戦う姿がみっともないと彼女に立ち直る勇気が与えられないから、苦しむ人々を救う魔法少女らしく、強く・優しく・美しくを心がけて戦うわ。



「大分敵も減ってきたわね。ここで一気に畳みかけるわ」
 ようやく、この戦いに終わりが見えてきた育代。再び、変身コンパクトを出して、最後の仕上げにかかる。
 ぱかりとコンパクトを開き、最初の変身の時とは違う順番で、コンパクトに触れていく。
「これがあたしの存在理由だから!!」
 とたんに、ぶわっと、前回よりも夥しい光の渦に巻き込まれる。育代は目を閉じ、その光の渦に身をゆだねるように手を伸ばす。その間に体にはたくさんの光のリボンが巻き付き、足元、手先、そして、頭部へと光の渦に巻き込まれたとたん。
 ぼむんと、新たな衣装をまとった育代がゆっくりと姿を現す。先ほどよりも豪華で派手ではあるが、凛とした凛々しさも忘れていない。
 それが、育代の|スーパー変身《アルティメット・メタモルフォーゼ》だ。
「強く・優しく・美しくっ!!」
 そんな姿を見せながら、華麗に暗黒面・翁の者を一気に仕留めていく。
「儂は肉体と狂気の蒐集家。これこそ我が蒐集の極地!!」
「そんなの効かないわっ!!」
 そんなことを言っている敵に、容赦なく、育代は、さっきよりも強くて豪華なステッキでもって、叩き伏せる。別の所から襲ってきた翁の者を、そこら辺で倒れていた翁の者を盾にすることで、しっかりガード。
(「あたしの戦う姿がみっともないと、彼女に立ち直る勇気が与えられないから、苦しむ人々を救う魔法少女らしく……」)
 最後の一体は、気合を入れて。
「これで……最後っ!!」
 どこーんとそれっぽく、最後の敵を倒して。
 育代はちらりと物置小屋に入っている彼女に、にこっと笑顔を見せて。
「頑張ってね」
「は、はいっ……!!」

 こうして、危険な事件は無事に解決した。
 後日、彼女が更生して新たな道を歩む……というか、魔法少女が好きになってしまったのは、誤算と言うか。
 とにかく、猟兵達の活躍により、無事、被害もなく終えることが出来たのであった。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年08月28日


挿絵イラスト