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最近暑いですよね、溶けてませんか?

#クロムキャバリア #殲禍炎剣の代行者 #ネタ依頼 #参加したらネタ枠 #神性機巧大陸アルカディア #お前らカキ氷に何かける?

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「「あつい!!」」
 毎度おなじみラウンズの一室。例年とは比べ物にならない暑さに、ヴェイロンとイヨは服を脱ぎ捨てて、肌着になると扇風機の風に当たる。
「いくら何でも暑すぎないかい!?」
「もしかしたら、おじさまの兵器を奪われたせいかもしれません……」
「荷電粒子砲がこの暑さにどう関わるのさ……」
 くっつくとお互いの体温で余計暑くなるため、少し離れて並び風に当たる二人。手をパタパタさせるイヨに半分死んだ目をしてるヴェイロンが虚ろな眼差しを向けると。
「アシハラが焼き払われた際に、大地が焼かれて地質が変わってしまい、地下水脈の冷却効果が無くなっているのかもしれません……そしてアルカディアは浮遊大陸として上空に浮遊していますから、もしかしたら地上に向けて熱波を放っているのかも……」
「あー……そういえば、アシハラってあの水脈があるから農業ができたんだっけ……」
「はい……それに、水脈迷宮の先には天然の氷室もありまして、夏になったら氷を持って来て皆で食べるのが楽しみで……」
 当時の事を思い出したのか、微笑むイヨがハッとした。
「あれ、という事はあの水脈を破壊されたら周辺の気温が更に上がってしまうのでは……?」



「皆様お集まりいただきありがとうございます」
 人首・椿(傷と記憶は刻むモノ・f06124)は電子巻物をコロリと広げて、いつもの辺りを指すと。
「アシハラ跡地の地下には複雑な水脈が走っており、その最奥には氷でできた洞窟があるそうです。このおかげで周辺地域は荒野のど真ん中という立地でありながら、暑くなり過ぎなかったのですが、今年は異常気象と言える暑さになっております」
 で、椿が予知った所を見るに、アルカディアっていう最近湧いたどっかのキャバリアが小国家を乗っ取って作った新興国がその天然冷却装置的なアレをぶっ壊しに来るから、それを撃退して欲しいんだって。
「地下水脈の奥には、氷と水を生み出す特殊なプラントが隠されており、皆様は敵がプラントに到達する前に先回りして、迎撃態勢を整えてください。現地には敵の先遣隊が潜り込んでいます。まずは水や洞窟の物陰に隠れた敵の襲撃を躱し、奥まで進みましょう。敵がプラントに到達してしまえば、敵は機体を自爆させることで水脈諸共プラントを破壊してします」
 ざっくりまとめっと、狭い地下水脈っていうか水路で敵さんとドンパチやって先に進ませないお仕事ですって。
「それでは皆様、ご武運を。もしも暑さで倒れたりしたら……」
 スッと出てくる氷の塊をブンブン素振りする椿。ぶん殴られる前にそそくさと転移していく能力者なのだった。


久澄零太
ヒャッハー!『ギャグ依頼』だァ!!

久澄です

なんかもう最近真夏だよね……

地下水脈っていうか水路的な、足場があったりなかったりする、水が流れる洞窟の中で防衛線するんですって

なお、今回の依頼で敵が一機でも猟兵の防衛ラインを突破したり、自爆してプラントに損害を与えた場合、水脈が失われて農産物が作れなくなるため、『アシハラの復興は不可能』となります

……ってゆー、ヤベー依頼なんだけど、色々考えるのも怠いから、最初は敵をサクッとやり過ごした事にして、氷水を生成するプラントの前に陣取ってかき氷大会とかも可とします

ギャグ依頼だし。ギャグ依頼だし!

初回執筆は二十日の予定

当日十二時までにプレくれると嬉しいな!

ではでは、皆さまの避暑プレをお待ちしております
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第1章 冒険 『水系プラントを守れ!』

POW   :    水中に潜む敵を火力で迎撃する

SPD   :    陸上から迫る敵を機動性で迎撃する

WIZ   :    全体的な攻勢を見て采配を下す

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

カシム・ディーン
詩文の神発動中

UC発動
いやもう面倒くさいからとりあえずサクっと倒してカキ氷タイムだこのやろー
「本当はとても深刻な事態な気がするけどそういうのもありだよね☆」
取り敢えずカキ氷に合うもん色々用意だ!

練乳にイチゴに抹茶にUC発動中
いやもう面倒くさいからとりあえずサクっと倒してカキ氷タイムだこのやろー
「本当はとても深刻な事態な気がするけどそういうのもありだよね☆」
取り敢えずカキ氷に合うもん色々用意だ!

練乳にイチゴに抹茶に
「ティラミスカキ氷とかお握りカキ氷とか明太子カキ氷もあるぞ☆」
…最近は変わり種も流行らしいからな…結構いけるなこれ

尚食べ過ぎて頭痛もお約束

竜達もそれぞれカキ氷でどの味がいいかを議論中☆


印旛院・ラビニア
「ねえ、コックピット内暑くない?空調大丈夫?」
『多少暑い方がかき氷も美味くなる。それとも水着に着替えるか?』
「劫禍が見たいだけでしょ」
『|統制機構《リアル》では暑いからとほぼ下着姿でログインしているだろう。何を今更』
「見てたの!?」
などと言いつつも『豪華なる戦利品』から水中専用のパーツを出して劫禍をチューニング。水冷式ビーム砲とか水中移動用スクリューとかで敵に対抗して倒すよ
「さて、敵を倒してカードも溜まったし」
【終末戦争】のカードで武装の強化を行うが、他の選択肢にも目がいく
「拠点のグレードアップも今回いけちゃう?」
そんな訳で拠点も強化!自動迎撃装置がついたり氷室が豪華になったりとかあるかも


杓原・潤
いやー、やっぱり最近超暑いよねぇ?
うるうは魔法使いだから魔法で何とか出来るけど、ずっと魔力使うと疲れる!
あ、でもここは水のお陰でちょっと涼しー!
良い所を戦場に選んだキミ達、有能!
浮いた分の魔力を魔法剣に変えてプレゼントしちゃう!
気配感知で大体の場所を掴んだら、そんな素振りも見せずにこっそり魔法の準備をしてミゼリコルディア・スパーダでアンブッシュ!
どこに隠れたってこの剣はいい感じに包囲攻撃してくれるからね、絶対に届けてあげる!

なんやかんやで敵を倒したりして奥に進めたら、次は本隊迎撃の準備だね。
氷の属性攻撃を込めた泡をその辺に置いとけば時間稼ぎになるでしょ。
後は水着で涼みながら待ってよーっと!


東雲・緑田
アドリブ連携歓迎
UC常時使用

■心情
はい、緑田です。
今回は、農業用水源の危機との事、
なんでも、【マスターが危険なので】と熊になる巨神さんから頼まれてきました。
と、言う事を文章形態で視覚情報で貴方の脳内に、お届けしていますが、聞こえますか?

■脳内
はい、現在も手探りでこちらのフォーマットに落とし込みさせて頂くべく、来ました。
今回は屋台からキッチンカー(ロボです)に乗り換えて。
敵さんとも味方さんとも皆様とも繋がっていますので、8Bi位でも思考が在ればご参加頂いております。
カキ氷、どう食べるのか?
私は冷やし中華をお勧めしつつ、皆様の意見から位置を特定して、プラントさんからも魔法少女を出して迎撃もしますね


涼風・穹
成程、敵さんの目の前でかき氷大会をしろ、と…
この暑い中苦労してやってきた相手の前で自分達だけがかき氷を食べる、つまりスシ・トーチャリング的な拷問で相手の心を折れ、ということか…
……流石はラフプレー上等なダークリーガーをもっと酷いラフプレーで粉砕する邪神クズ=ミ、こんな冷酷な作戦を平然とオーダーするとは…

最速で洞窟の奥に向かい、予め《起動》で収納しておいた資材を出して防衛線を構築
敵さんが入ってこれないようにしてからかき氷大会を始めます
グリモア猟兵の指示だしね、仕方ないネ

残った氷はクーラーボックスにでも入れて《起動》で収納しておいて、後でラウンズ上層部の前で自分達だけで第二回かき氷大会を開催します


皇・弐奈
かき氷か。うむ、良いな。
数年前にアヤカシエンパイアで貴族達から分けてもらった甘葛のかき氷に、昨年サクラミラージュの縁日で買った青いかき氷、先日UDCアースに立ち寄った際に食べた台湾かき氷。
どれも美味しかった。
かき氷大会にはぜひ行きたい。

しかしカグツチ様と共に行くと、攻撃の余波で氷が溶けてしまいそうだ。最悪、防衛するプラントに不具合が起きるかもしれぬ。
悩んでも無駄に時が過ぎるだけなので本人に直接聞きましょう。

カグツチ様の返事はどうあれ我は行くがな。

とりあえずシロップやフルーツを買い集めなければ。

防衛としてUC準備。地属性を使えば余波で地下の地形を操作し有利にできるかも。
イヨ様にも相談しなければ。



「いやー、やっぱり最近超暑いよねぇ?うるうは魔法使いだから魔法で何とか出来るけど、ずっと魔力使うと疲れる!あ、でもここは水のお陰でちょっと涼しー!」
 というわけで本日の杓原・潤(鮫海の魔法使い・f28476)はテルビューチェに乗っかって(搭乗ではなく、機体の後頭部辺りに寝そべり機体に水脈を遡上させている)、水飛沫をミスト代わりに浴びてご満悦。
「良い所を戦場に選んだキミ達、有能!浮いた分の魔力を魔法剣に変えてプレゼントしちゃう!」
 指を鳴らせばテルビューチェが泳いでまき上げた水飛沫が凝固。水の剣に姿を変えて機体周辺に滞空。そして泳ぐテルビューチェの死角……機体真下の水中から急襲しようと、球状の敵が浮上してきた瞬間。
「うるうからの贈り物、感謝してよね!」
 ちゅっ☆投げキッスを引き金に、生成された水の魔法剣は浮上してきた敵機の関節部位をメッタ刺しにして空中に縫い止めて、引き千切るように解体して撃沈させてしまった。
『ほう、あえてコアを破壊しない事で、不要な爆発を避けたか』
 前方を行く潤の魔法技術と戦術眼に劫禍が舌を巻いていると。
「ねえ、コックピット内暑くない?空調大丈夫?」
 操縦桿を雑に傾けて、片手で団扇を扇ぐ印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)からクレームが入った。
「事前情報だと、この辺り涼しいんじゃなかった?冷房どころか暖房入れてない?」
『多少暑い方がかき氷も美味くなる。それとも水着に着替えるか?』
「劫禍が見たいだけでしょ。ていうか、暖房の方を否定しなかった!?」
 劫禍が自欲の為に余計な事をしているのかと思ったラビニアだったが。
『統制機構【リアル】では暑いからと、ほぼ下着姿でログインしているだろう。何を今更』
「見てたの!?」
 見えてたの!?あの世界ってまだ猟兵踏み込んでなくない!?キャバリアのお前がどうやって!?
『PCのライブカメラをハックして様子見していただけだ。そうでもしないと、ラビ子はすぐだらしない生活になるからな……髪を湯船につけるし、ゴミの分別はしないし、深夜に菓子を貪るし……』
「僕のプライベートを垂れ流しにするのはやめて!?」
『む、ラビ子よ、そんな事より敵襲だ、構えろ!』
「そんな事より!?」
 ツッコミを入れながらも、ブースターをスクリューに換装した劫禍に潜航させて、水の中に潜んでいた敵が出て来るより先に打って出るラビニア。過冷却弾頭を装填したマイクロミサイルを放ち、着弾の衝撃で一気に凍結現象が引き起こされて凍てつかせた。沈んでいく敵を見送って、先を急ぐ。そして到達した氷水が湧き出す泉のようなプラント前では……。
「いやもう面倒くさいからとりあえずサクっと倒してカキ氷タイムだこのやろー」
「本当はとても深刻な事態な気がするけどそういうのもありだよね☆」
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)とメルシーがかき氷食ってる!?
「あれーっ!?」
『俺様達の方が先に進んでいたはずだよな……?』
 いつの間に追い抜かれたのか分からないラビニアと劫禍がポカンとしていると、カシムとメルシーは顔を見合わせて。
「いやもう面倒くさいからとりあえずサクっと倒してカキ氷タイムだこのやろー」
「本当はとても深刻な事態な気がするけどそういうのもありだよね☆」
『何故二回言った!?』
「そんなのは見れば分かるんだよ!?」
 ラビニア&劫禍のツッコミに、カシムは氷をシャーコシャーコしながら。
「いや、理解が追い付いてないっぽかったから、最初からセリフを言い直した方がいいのかと思って……」
「ちなみに戦闘プレがサックリしすぎて、バトルシーンがカットされちゃったのは秘密だゾ☆」
「思いっきり言っちゃってる!!」
 メルシーウィンクにラビニアがツッコミを入れたところで。
『皆さん……聞こえますか……』
「今度は直接脳内に声が!?」
『ラビ子よ、そこはうさ耳の方を押さえるべきだったのではないか?』
「びっくりしてロールしてる場合じゃなかったんだよ!!」
 ヒト耳の方に手を当ててしまったラビニアに劫禍が残念なナマモノを見るカメラアイを向けていると、苦笑する声が続き。
『改めまして、緑田です。今回は、農業用水源の危機との事。なんでも、【マスターが危険なので】と熊になる巨神さんから頼まれてきました。と、言う事を文章形態で視覚情報で貴方の脳内に、お届けしていますが、聞こえますか?』
「これ僕達じゃなくて観測者宛の情報じゃない!?何でこっちに流れてるの!?」
 やっべ、セリフだと思ってコピペしたら違ってたわ。そんなこんなで東雲・緑田
(マホーの宇宙人の魔法少女斡旋業者・f45150)の強制脳内配信は続く。
「はい、現在も手探りでこちらのフォーマットに落とし込みさせて頂くべく、来ました。今回は屋台からキッチンカーに乗り換えて。敵さんとも味方さんとも皆様とも繋がっていますので、八ビット位でも思考が在ればご参加頂いております。本日の議題は、カキ氷、どう食べるのか?ですね」
 敵味方問わず思考が繋がるって、場合によっちゃ戦犯クラスの大問題な気もするけど、まぁネタ依頼だし、いっか。
「とりあえず、今回持って来たのは、練乳にイチゴに抹茶に……」
「ティラミスカキ氷とかお握りカキ氷とか明太子カキ氷もあるぞ☆」
 という具合にカシムとメルシーが持参したものを並べていくと、カシムは途中から虚無の表情を浮かべて。
「……最近は変わり種も流行らしいからな」
 かき氷におにぎりを乗っけるメルシーを見なかった事にしようとするカシムだったが、ガッ!
「はい、ご主人サマ。あーん☆」
「なんで僕にそんなものを押し付けるんだ!?」
 氷と白米の白いコラボレーションに明太子を乗っけて、茶色い液体をかけた代物を近づけてくるメルシー。ガッツリ服を掴まれて逃げられないカシムが恐る恐る口に運ぶと。
「……結構いけるなこれ」
「シロップの代わりにだし汁をかけてみたんだゾ☆」
 という解説に、一瞬の沈黙を挟んで。
「「かき氷じゃなくて冷やし茶漬けだコレ!!」」
 まさかの本来の目的から離れてしまっていた事に気づいたカシムとメルシー。その思考の余波を受けて、皇・弐奈(イノセントの鬼道衆・f43250)がうむうむうむり。何かを思い出しているのか、複数回頷いて。
「数年前にアヤカシエンパイアで貴族達から分けてもらった甘葛のかき氷に、昨年サクラミラージュの縁日で買った青いかき氷、先日UDCアースに立ち寄った際に食べた台湾かき氷……どれも美味しかった」
 意外とかき氷楽しんでるなコイツ……あれ、アヤカシエンパイアでかき氷?それ超高級品じゃない……?
「そうだが?」
 そうだが!?
「依頼報酬の一部として頂いた物だ。あの世界ではなかなか氷にはありつけないからな……」
 などと、当時の夏の思い出を振り返っている弐奈を、プラント前の広場の隅っこから、カグツチがじーーー。
「お姉さんは冷たい方が好き……?」
「あ、いえ、カグツチ様、違うのです。頑丈さには我ながら自信がある我と言えど、夏の暑さの中で口にする氷には抗いがたいものがあると申しますか……!」
 七基搭載されている発熱機関『焔珠』を全て停止してついて来たカグツチのそこはかとないふてくされた幼子感に、弐奈が言い訳を考えていると、カグツチはプイとソッポを向いて。
「どーせ僕はアマテラスやツクヨミみたいに応用の効く機体じゃないモン」
「あわわわ……」
 完全に機嫌を損ねてしまったらしいカグツチに、弐奈はサーッと青ざめるものの、持って来た荷物袋を開けて。
「そ、そうだ!カグツチ様、お口になさらずとも、最近のかき氷は目で見て楽しむモノでもありましてね!!」
 買い集めてきたシロップとフルーツを並べ始める。その色とりどりの持参物を横目に、涼風・穹(人間の探索者・f02404)がぽつり。
「成程、敵さんの目の前でかき氷大会をしろ、と……この暑い中苦労してやってきた相手の前で自分達だけがかき氷を食べる、つまりスシ・トーチャ ング的な拷問で相手の心を折れ、ということか……流石はラフプレー上等なダークリーガーをもっと酷いラフプレーで粉砕する邪神クズ=ミ、こんな冷酷な作戦を平然とオーダーするとは……」
 ラフプレーだなんてそんな!相手が卑怯な真似をして来たから、真っ向から(UCで)ぶん殴っただけじゃないか!!
「敵と一緒に俺(GM)のメンタルもオーバーキルされかけたんだが!?」
 何してもいいって言ったのはお前だろうが!!
「限度があるんじゃクソボケがーッ!!……あ、訳が分からない人は、東京集会の際に旅団【TRPG同好会】が開催した第六猟兵オフセッションを参照だ」
 シレッとCMを挟んで来た!?
「さて、バカやるのはこのくらいにして……」
 懐から一枚のカードを取り出すと、その中に手を突っ込むという、この時点で何かがおかしい事になっている穹。そこからぬぅー……っ。明らかにカードの面積よりも大きい資材を引っ張り出す。
「なんだかんだ言って、プラントを背にした行き止まりだからな……俺達に退路はないが、同時に入り口さえバリケードを組めれば何とかなるだろ」
「あ、ちょっと待て」
 穹が鋼板に杭を打ち込んで防壁を建てようとすると、弐奈が止めてやたら古臭い地図を広げる。
「なんだコレ?土地の記録?」
「ここに来る前にイヨ様にお話を伺ったのだが、その際にコレを渡されてな……なんでも、昔のアシハラ人がこの土地を測量した際のものらしい」
 なお、会いに行った際にほぼ下着姿のヴェイロンとイヨに遭遇して、いたたまれない事になった事は秘密だ!!
 弐奈は地図上に示された水路までの距離と土質を照らし合わせて。
「ここで下手に工具の類を使って岩盤に杭を打ち込めば、下を流れる水脈の圧に負けて吹っ飛ばされるかもしれん。我が支柱の基礎を用意しよう」
「あー、そうか。敵の自爆でここが埋まるって事は、ある程度の衝撃で崩落しかねないんだよな……」
 というわけで鬼の手が岩を粘度のようにコネコネ。小さな山を作ってそこに杭を打ち、防壁を打ち立てると。
「あ、そういえば僕達のカードは?」
『無論、ある程度は溜まっているぞ』
 ラビニアが思い出したように劫禍に印刷させたのは三枚のカード。そこから一枚を選んで何らかの強化を得られるわけだが。
「拠点のグレードアップも今回いけちゃう?」
『むしろそちらが優先だろうな。あまり火力を上げすぎれば、攻撃の余波でこの洞窟を吹き飛ばしかねん』
「じゃあ拠点強化で!」
 一枚抜き取って、地面にぺしーん!他の二枚が消滅すると同時に、ゴゴゴゴ……洞窟を揺らしてプラントが一回り大きくなって周囲には氷の結晶が生成される。湧き出す水の周りにはコケと花が咲き、美しい川に姿を変えた。
 ついでに穹が建てた防壁が厚みを増して耐震効果もつく。とりあえず、初手自爆特攻で即終了、という事はないだろう。
『順調に防衛の準備が進んでおりますね。では、そろそろかき氷のお勧めの話をしましょうう……』
 脳内で勝手に語りだす緑田。既にカシムが大体のかき氷は提案した気もするが、この状況で何が出てくるのかと思いきや。
『私達は冷やし中華をオススメします。やはり夏にはこれでしょう』
「かき氷ですらねぇ!?」
 氷を砕いてクーラーボックスに詰め込んでた穹が思わずツッコミ、弐奈はハッとする。
「かき氷だからと言って、かき氷である必要はない……?」
「落ち着け!毒電波にやられて妙な事言ってるぞ!?」
 穹がツッコミを入れるが、若干目がグルグルしている弐奈に追い打ちが!
『冷やし中華を麺類だといつから錯覚していたのでしょう?ふわふわのかき氷にハムと卵と野菜を乗せて、ゴマダレをかけるのです……』
 そして物陰から、錦糸卵を作るべく、卵とフライパンを持って緑田がニュッと生えてくると。
「それだ!」
 弐奈は緑田の卵を強奪して練乳とシロップと混ぜ、氷で冷やしてから微細に砕いた氷と混ぜて。
「カグツチ様、世にはこのようなモノもありまして……!」
「わっ……きれー!」
 各種シロップを食紅代わりに、七色のアイスを作ってそれを練り合わせ、虹色のアイスを作った上に、色に合わせてブドウ、ブルーベリー、キウイ、黄桃、オレンジ、イチゴを乗せて、水色部分には透き通ったわらび餅を乗っけて色に対応したトッピング。
「かき氷にはこのような楽しみ方も……」
 と、顔を上げたら。
「水色のアイスでも普通にアイスの味がするんだな……」
「ひんやりした苺が美味しー☆」
「ブルーベリーは割ると赤味が出るから紫っぽくなくなるな……」
「それを言ったら、ブドウも皮向いたら緑だよ?」
『ラビ子よ、無粋な事は言わないのがお約束というものだ。しかしキウイか……緑より黄色の方が甘かったのではないか?』
「それをグリーンの名を持つ私達の前でしますか?しかし、黄色いモモも美味しいですからね……黄色いキウイも否定はできません」
「みんなずるーい!うるうももーらいっ!あ、このオレンジ兎さんカットだ!かーわいー!!」
 猟兵みんなに食われてた。
「貴様等ーッ!!」
 供物を横取りされた事に弐奈がブチ切れてカグツチは爆笑し、猟兵達はわっと散っていくのだった。
 そんなこんなでわちゃわちゃしていたが、レインボーアイスのオレンジを持って行った潤は、黒の大胆なビキニを紫のフリルで覆った可愛らしい水着姿で浮き輪に膝と肩を引っ掛けて、川の上でぷかぷかしながら。
「あ、折角水辺なんだし、氷の泡でも置いとけば時間稼ぎになるでしょ。後は水着で涼みながら待ってよーっと!」
 などと、潤はシャクシャク食感のフローズンアイスを頬張るのだった……この判断が、後に大事故を起こすとも知らずに。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ホバーストライダー』

POW   :    RSホーミングミサイル
自身が発射した【地対空ミサイル】の軌道を、速度を落とさずレベル回まで曲げる事ができる。
SPD   :    RS-AAMG
【捜索レーダーと追尾レーダーからの電波】を向けた対象に、【対空機関砲による高精度な射撃】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    EPデータリンク防衛システム
【同一の攻撃対象をロックオンした僚機】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[同一の攻撃対象をロックオンした僚機]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 行き止まりの洞窟の奥には氷と水を生み出すプラント。そしてそこから伸びる川の左右には防壁が建てられており、プラントに到達するには川を通ってくるしかない構図が仕上がっている。ここだけ見れば、猟兵は川の左右で防衛に当たれば良いだけに見えるのだが、どこぞの猟兵(いたずらっ子のような表情を浮かべた少女の写真が挿入されているが、目元には黒い線が入って誰だかわからない。目元しか隠れてないから誰だかよく分かる気もするけど誰だか分からない)が『氷の泡』を罠として設置したため、川底から不規則に泡が上がって来る。
 つまり、川から上がって来た敵を川に叩き返す事で泡にぶつければ、一瞬で氷塊に成り果て、水流に乗って洞窟の外までドンブラコという事実上の即死攻撃が可能になってしまったのだ。
 しかし!この洞窟内は過剰な衝撃で崩落する危険性がある……その為、弾頭と弾幕で応戦してくる敵機に対して、猟兵側は白兵戦闘を仕掛けなければならない。巻き添えを食って川に落ちれば、猟兵側も氷像待ったなし……落ちるか落とされるかのデスマッチが始まってしまった……!

 ※次回執筆は二十一日の予定!当日の朝八時くらいまでにプレくれると嬉しいな!
杓原・潤
うわー、なんかすごい事になってなーい?
もー誰ー?
うるう的には多分天才美少女魔法使いの仕業だと思うな!
ま、それはさておき敵をやっつけなきゃね。
かき氷製造マシーンは渡さないんだから!

そんな訳でおいで、うるうのサメ達!
攻撃対象が増えれば、複数でロックオンして自分達を強化ってのもやり辛いんじゃないかな?
各個撃破しようとしてきたらロックオンされてないサメが邪魔するよ!
いっそうるうとテルビューチェが囮になって暴れてもいいね。
横からサメにチェーンソーアタックさせても良し、体当たりで川に落とさせても良し!
こっちの氷漬け対策?
サメも魔女も空を飛ぶんだよ?
つまり落ちない……ってコト!
サクッとやっつけちゃえ!


涼風・穹
……まあ、強いて現状の利点を挙げるなら、水中を素通りされて奥へ進まれる可能性はかなり低い、かな…

此方の弾薬が洞窟の壁にでも当たって爆発するのも不味いけど、相手に爆発されても問題なので《贋作者》で作り出したテーザー銃でホバーストライダーの身体に電極を撃ち込んで、電流で内部の電子回路を破壊して仕留めます

接近されたなら《贋作者》謹製のスタンバトンで電撃をお見舞いしてやります

余裕があれば機能停止したホバーストライダーは川に蹴り込んで、氷の泡に触れさせてドンブラコさせておきます
手段を選ばないならホバーストライダー達は同士討ちして爆発する事で洞窟を崩落させるという手もあるし、氷漬けにしておけば爆発し難い筈


印旛院・ラビニア
すごいことになっちゃったけど、対策はあるよ
「ランドガルダ、敵の攻撃を集めて」
【盾の戦乙女】を召喚し、攻撃吸い寄せ能力で敵の攻撃を集め、その隙に【空中機動】サーベルで切り込む
万が一凍結しちゃってもランドガルダを手元に呼び、味方の元にテレポートする能力でリスポーン。カグツチのそばあたりに移動できれば氷も溶かしてもらえる?
『待て、奴にそんな微調整はできたか?最終手段だぞそれは』

『ところでラビ子、氷を利用してアイスを作ったのだがどうだ?』
「どうしたの急に。まあ、もらうけど(ガタン)」
『おっと急な揺れでラビ子のスーツがアイスを食っちまったようだ。ビキニアーマーに着替えるしかあるまい』
「狙いはそれかー!」


皇・弐奈
自分が落ちてはいけないな。鬼の手に指示を出し近づかれる前にUCの攻撃で敵をはたきおとす。

カグツチ様は以前より力のコントロールが上手くなりましたが、まだ完全ではなくこの場所が崩落する可能性があります。
RXS-A スネークアームを伸ばし物理攻撃で敵の撃退を試しましょう。

※細かくはお任せします


カシム・ディーン
機神搭乗

いやどーなってんだこれ
「メルシー達も仕掛ければよかったかな☆」
止めておけー!
【戦闘知識・視力・情報収集】
敵機の能力と敵の索敵能力の性質を細かく把握
後は凍結泡の位置も捕捉

UC発動
【属性攻撃・迷彩・電撃】
光水属性を機体と竜達に付与
光学迷彩で存在をを隠し水の障壁で音や熱源隠蔽
電磁フィールドでレーダー電波の反応擬装
ルーン魔術発動
i
静寂
も加えて精度強化

【空中戦・二回攻撃・切断・念動力】
隠れたまま近づき念動力で動きを止めて武装切断して泡にぶつけて追い払う

こういうギミックとか面倒だが…
「派手にやると洞窟崩れちゃうからね☆」
後でまたかき氷タイムだこのやろー
竜達と共に泡に当てたり四肢切断して流す


東雲・緑田
アドリブ連携歓迎

■心情
あ、いえいえ。
前回は試験放送のつもりでしたのできちんと皆様に届けば問題ありませんから。
次はチャンネル数を増やして来ますので。

■緑田は一人に見えて約37兆緑田星人程の群体です。なので、私達はやられてもセーフティゾーンから次の緑田が這い寄ります。

さて、古来より伝わる防衛任務の難しさは防衛対象が動かない事による所が大きく思えます。
そこでどうするのか、はい。
魔法少女ですね。
プラントさんが魔法少女【アシハラ☆アクア】になってしまえば、大体解決!
プラントが動かせない前提は敵さんが覆し済み。
問題はありません。
足りないものはこちらで補いつつ、
洞窟を氷で補強しつつ。ウォータージェットですね


水島・可奈
今来たけど、氷の泡って……誰の仕業だ……まあでもただ防衛しまくるだけじゃなくて普通にぶっ飛ばして氷の泡に当てればいいのは楽かも?
あーでも……そうなると白兵戦推奨だよな……私そういうの苦手なんだよな……
「呼んだ?」
呼んでないというかどこから出てきた。
……ん?確かリビティナそういえば格闘術できたよね?
「え、確かに光と闇の魔術に浄化魔法に……格闘術も嗜んでるけど……えっ、まさか?」

よしリビティナ、任せた。
私は空から見守ってるから。リビティナの障壁パワーで。
「えー!ちょっとー!?」
私思うんだ…使役ってこういう事じゃないかって…
「出番減っちゃうよ!?一緒に戦おう!?ね!?」
ちょっとリビティナ――あっ!?



「うわー、なんかすごい事になってなーい?もー誰ー?」
 すっげーわざとらしく辺りを見回していた潤は、急にカメラ目線になると。
「うるう的には多分天才美少女魔法使いの仕業だと思うな!」
 などとウィンクしながらアピール☆いや何やってんだよお前?せっかく目線入れておいたのに自分から目立つような事をするんじゃない!
「ま、それはさておき敵をやっつけなきゃね。かき氷製造マシーンは渡さないんだから!」
 アレは水と氷を生成するプラントであって、かき氷機じゃないんだけど!?
「いやどーなってんだこれ」
 やる気十分な潤を横目に、カシムが川の様子をうかがう。川底から上がって来た気泡は水面に出るとパッと弾けて、氷の花を咲かせて流れていく……この様子だけ見れば涼やかに美しい光景にも見えるが、巻き込まれればただでは済まない事も想像に難くない。
 何気に泡が弾けた時の冷気が昇る高さが結構ある事に渋い顔をしていたカシムの背中に、メルシーが飛び掛かりながら。
「メルシー達も仕掛ければよかったかな☆」
「止めておけー!」
 カッ!ツッコミと共に少女の肉体は光に包まれて、本来の金属装甲を取り戻した。メルクリウスに搭乗したカシムは自機の表面に魔力を走らせて、光学迷彩と熱源隠蔽を施し、相殺電磁波を周囲に張る事で疑似的ステルス機へと変貌させる。
「道中で見かけた奴は四足型で、射撃兵装しか積んでなかったからな……」
「オートロックで目標を捕捉してから、弾幕で制圧するタイプの量産機っぽいよね☆」
 機体というよりも、移動砲台と呼んだ方が正確であろう敵の様子に、虚空に点を打ち、そこから下へ一直線に降ろしたルーンを描いたメルクリウスから、駆動音すらも消えた。
「つーことは、ロックされなきゃやりようはある……!」
 かくして、メルクリウスが川の上で待ち構えていると。
「……まあ、強いて現状の利点を挙げるなら、水中を素通りされて奥へ進まれる可能性はかなり低い、かな……」
 ズィルバーンヤークトフントに乗り込んだまではよかったが、メイン武装が長剣である当機の中で若干遠い目をしていた穹。いつもなら機関銃なり大砲なり生成するところだが。
「此方の弾薬が洞窟の壁にでも当たって爆発するのも不味いけど、相手に爆発されても問題だからな……」
 というわけで生成したのは、小型の銃。こんなもので敵を撃破できるとは思えないが……?
「すごいことになっちゃったけど、対策はあるよ」
 珍しく心許ない武装しか装備していないズィルバーンヤークトフントの傍ら、劫禍の中でラビニアはドヤ兎。
「ランドガルダ、敵の攻撃を集めて」
「御意」
 戦場に投げたカードから呼び出された戦乙女が盾を構えれば、敵機内部では一斉にアラートが響く。ゲームにおいてターゲット集中効果を発揮する能力が、敵のセンサーに対して『ロックオンされた』と誤認される効果として作用したのだろう。水中から飛び出したアメンボのような敵機が戦乙女に銃口を向けると。
「テーザーガン……ダメだ、数が多い!」
 生成していた銃を消して、散弾銃を投影するズィルバーンヤークトフント。ばら撒かれた弾丸は敵機、ホバーストライダーの装甲に弾かれてしまったが。
「こいつの真価は、弾にはないからな」
 バヂィッ!!ばら撒かれる弾丸には電荷がかけられており、電圧の投網として作用する事で複数機をまとめてショートさせ、一時的システムダウンを引き起こす。
『今だラビ子!!』
「いっくよー!」
 復旧しても浮上されないように、脚部のホバーを狙ってサーベルを振るう劫禍が敵を薙ぎ、川に向かって蹴り落とせば上がって来た気泡が敵機を包み、凍って流されていく……。
「手段を選ばないならホバーストライダー達は同士討ちして爆発する事で洞窟を崩落させるという手もあるし、氷漬けにしておけば爆発し難い筈」
「よし、この調子なら……」
 敵が凍って流れていく様を見送る穹に、ラビニアも手ごたえを感じていたようだが。
『油断するな!』
「あっぶな!?」
 足元で気泡が爆ぜ、危うく巻き込まれかけた劫禍が緊急回避。ホッと胸を投げおろすラビニアだが。
「まぁ、万が一凍結しちゃってもランドガルダを呼んで、味方の所にテレポートする能力でリスポーンして貰ってカグツチのそばあたりに移動できれば、氷も溶かしてもらえるかな?」
『待て、奴にそんな微調整はできたか?最終手段だぞそれは』
 若干甘えた事を言うラビニアに劫禍が難色を示すと、カグツチの方からブーイング。
「おじさんひどーい。僕だって成長してるんだよー」
『おじ……っ!?』
 怒りとも悲しみともつかぬ複雑な感情に劫禍が固まる様に、ラビニアがひそかに笑いをこらえていると、カグツチに弐奈が乗り込んで。
「確かにカグツチ様は以前より力のコントロールが上手くなりましたが、まだ完全ではなくこの場所が崩落する可能性があります。この場は拳のみで挑みましょう」
「うん、わかった!」
 起動したカグツチだが、メイン武装とも言うべき焔珠が動いていないため、若干重々しい挙動をする。その隙を敵が見逃すはずもないが。
「下郎め、不敬であるぞ」
 弐奈が視線を向けた途端に白い四足機体の左右に鬼の手が出現。ホバークラフトで浮遊していた敵機に風を噴きつけて、鬼の手の中に気流を産み高速回転させながら捕縛。空中でグルグルしている敵の真上に向けて、バラララララッ!圧縮されていたカグツチの腕部装甲が展開して伸びていき。
「スネークチョーップ!!」
「沈め……ッ!」
 伸長した腕部をしならせて、凄まじい速度で振り下ろされる手刀が白い装甲をぶん殴り、スカァン!弾き飛ばされた敵機は水を貫通、川底に叩きつけられて装甲が変形したところで気泡に包まれ、凍り付いて浮上しながら流されていく。
「今来たけど、氷の泡って……誰の仕業だ……」
 現場に顔を出した途端に、敵を核にして凍り付いた氷山的な何かがどんぶらこっこしていく場面に遭遇してしまった水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)が初手から虚ろ目になった。
「まあでもただ防衛しまくるだけじゃなくて、普通にぶっ飛ばして氷の泡に当てればいいのは楽かも?あーでも……そうなると白兵戦推奨だよな……私そういうの苦手なんだよな……」
「呼んだ?」
「呼んでない、というかどこから出てきた」
 のしぃ。可奈の背中に人型のリビティナが乗っかり、そのまま川に背負い投げてやろうかと思った可奈が、ふと止まり。
「確かリビティナそういえば格闘術できたよね?」
「え、確かに光と闇の魔術に浄化魔法に……格闘術も嗜んでるけど……えっ、まさか?」
 嫌な予感がしたリビティナがずるぅっと滑り落ちると、可奈は実にいい笑顔でサムズアップ。
「よしリビティナ、任せた」
「えー!」
「私は空から見守ってるから。リビティナの障壁パワーで」
「ちょっとー!?」
 リビティナが衝撃を受けている間に、可奈がふわふわふわ……浮かび上がって行き、ゴツッ!!
「可奈ちゃん!?大丈夫!?」
「うぉおおお……!」
 天井に頭をぶつけて丸まり、震える可奈にリビティナが手を振るが。
「私思うんだ……使役ってこういう事じゃないかって……」
「なかったことにして無理やり進めた!?って、そこじゃなくって!出番減っちゃうよ!?一緒に戦おう!?ね!?」
 涙目になった可奈を引きずり降ろそうとぴょんこぴょんこ、ガッ!
「ちょっとリビティナ――あっ!?」
 足を掴まれた可奈がビタァン!思いっきり地面に叩きつけられた。
「えーっと……てへっ☆」
「リービーティーナァアアアアアッ!!」
 自分の頭をコツンと叩きながら舌を出し、ごまかすリビティナに向かって、体を打ち付けた可奈がゆらぁり。ゆっくりと起き上がりながら、怨霊顔で両目がビガァン!!
「さて、古来より伝わる防衛任務の難しさは防衛対象が動かない事による所が大きく思えます」
 姉妹のような名状しがたい何かの追いかけっこ(ガチ)を背景に、緑田による防衛戦の基礎講座が始まると。
「そこでどうするのか、はい。魔法少女ですね」
 人のよさそうな笑みを浮かべて、頭のぶっ飛んだこと言ってんなぁコイツ……。
「プラントさんが魔法少女【アシハラ☆アクア】になってしまえば、大体解決!プラントが動かせない前提は敵さんが覆し済み。問題はありません」
 問題しかないと思うんだけど、まぁ止めなくていいか……。
「足りないものはこちらで補いつつ、洞窟を氷で補強しつつ。ウォータージェットですね」
 というわけで緑田から謎電波がグリグリグリグリ……。

▼プラントは魔法少女になった!

▼プラントからの出水が止まった!

▼川が干上がった!

「……おや?」
 おや、じゃねーんだわ。プラントを変化させたらそうもなるじゃろがい。水が無くなった事で隠れていた敵機が露出し、ワラワラ上がって来ようとするが、その周囲を風が吹き抜けたかと思えば駆動部をばらされて転がり。
「いけっ!ミニダイウルゴス!!」
「お水がないなら人力ならぬ竜力で運び出しちゃうぞ☆」
『うるっ、うるっ、うるっ、うるっ……』
 姿を隠蔽して潜んでいたメルクリウスが敵を解体して、残ったコアを召喚された小竜が掲げて、一列に並んで運ぶと時々湧き出して来る冷凍水泡にシューッ!投げ込んで凍てつかせて真っ白に染め上げていると。
「やはりプラントはプラントのままの方が良いという事ですね」
 緑田がUCを解除。魔法少女がプラントに戻って水が流れ出し……。
『うーるー!?』
「僕のダイウルゴス軍団がーっ!?」
「みんな元気でねー☆」
 カシムが呼び出した小型ダイウルゴスの群れは、凍った敵と一緒に流されてしまった……コックピットの中で呆然とするカシムの隣で、ハンカチをヒラヒラ振って見送るメルシー。
 川が復活した事で、後続の敵機が遡上してくるのだが……水中には気泡と一緒に蠢く影が。
「おいで、うるうのサメ達!あっちが数に物を言わせてくるんなら、うるうのサメだって群れでハンティングしちゃうんだから!!」
 気泡が発生する地点に敵機を追い込み、頭にチェーンソーを生やした鮫の群れがグルグル。周囲を取り囲む様に泳いで追い詰め、川底に近い機体から凍らせて、水流に流されて巡り続ける鮫の群れに触れた途端、鮫肌とチェーンソーにすり潰されて散っていく。
 数を減らしながらも、敵とてただで破壊されるわけにはいかぬとロックしようとするが、回転し続ける鮫の群れが相手では、ターゲットが切り替わり続けて狙いが定まらないのだ。水中では分が悪いと見たホバーストライダーが浮上するが、鮫の群れも一緒に浮かびあがってきて。
「あっれー?知らないの?サメも魔女も空を飛ぶんだよ?」
 川の上に浮いているにもかかわらず、鮫の竜巻に包まれて水中から上がって来る氷の気泡にやられて凍てつく敵機がすり潰されていく様を、真上に浮遊したテルビューチェから見下ろす潤。彼女こそが竜巻を操っていると察したホバーストライダーがそちらに狙いを定めるも、テルビューチェは鮫の牙を並べた鈍器を回転させて弾幕を弾いて見せ。
「サクッとやっつけちゃえ!」
 旋回する鮫と下方からの冷凍気泡で追い詰めて、徐々に包囲を狭めていく……あれ、コレやってる事は鮫って言うより鯨なんじゃ……。
「細かい事は気にしない!サメ軍団、突撃ーっ!」
 追い打ちをかけるように、鮫包囲網の真上から鋸を回転させる鮫を降り注がせて、敵をスクラップにしてしまう潤なのだった。
「うわー……鮫映画もビックリの展開だね……」
『光景だけ見たらどっかのB級映画と言われてもしっくりくるな……』
 オブリビオンマシンミキサー状態の鮫渦潮にラビニアがちょっと引いていると、操縦桿の横がパカッと開いて、アイスがせり上がって来る。
『ところでラビ子、氷を利用してアイスを作ったのだがどうだ?』
「どうしたの急に。まあ、もらうけど」
 と、ラビニアがアイスを受け取った瞬間である。
『おっと氷を踏んでしまった!!』
 ツルッと劫禍が足を滑らせて、ガッタン!何とか転倒は回避したものの、体勢を崩してしまった為の機体が大きく揺れ、無論コックピットのラビニアも跳ねる。ついでにアイスが彼女の手からポーン、飛び上がって頭からべちょっ。顔から胸からお腹まで、白いドロリとしたものに塗れてしまう……。
「つめたっ!?ちょっと、劫禍、足元には気を付けてよ!!」
『おっと急な揺れでラビ子のスーツがアイスを食っちまったようだ。ビキニアーマーに着替えるしかあるまい』
「狙いはそれかー!てことは、わざと氷踏んだでしょ!?」
 そんなやりとりに、ヘッドロックされていたリビティナがキュピーン。
「お姉ちゃんももっと可奈ちゃんに悪戯を仕掛けて、リアクションを取らせれば出番が増えるかも……?」
「発想がネタキャラになってない!?私はカオスに染まるのは嫌だよ!?」
「お姉ちゃん的にはもう手遅れだと思……ウッ!?」
 首が極まっているらしく、可奈の手を高速タップするリビティナがゆっくりと青ざめていく様を見ていた弐奈は、カグツチのコンソールを見て。
「カグツチ様、つかぬことをお伺いしますが……キャバリアとは、斯様なモノなのですか?」
「うぅん、そんな事は……」
 否定しようとしたカグツチが、途中で止まって、スッとあらぬ方向を見つめると。
「ナインジャナイカナー」
「カグツチ様!?」
 明らかに異様な返答に困惑する弐奈。巨神キャバリアって、大体癖が強い気がする……。
「自我があるってのも、考えもんなんだな……」
「テルビューチェはいい子だもんねー!」
 何となくズィルバーンヤークトフントの操縦桿を握り直す穹と、コンソールを撫でる潤なのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『群れ成す孤立者』

POW   :    WFRS:attack
レベル×1体の【近・遠に適した様々な兵装のロボット】を召喚する。[近・遠に適した様々な兵装のロボット]は【物理】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD   :    WFRS:charge
対象の攻撃を軽減する【、大型推進器複数搭載の地上用高速戦闘装備】に変身しつつ、【各種兵装による物理射撃、粒子ビーム砲】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    WFRS:tactics
敵より【召喚したロボット等、数的有利な】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。

イラスト:雲間陽子

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ライアン・フルスタンドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「やはり先遣隊では力不足でしたね……」
 敵機を殲滅したところで、川の中から一機のオブリビオンマシンが浮かび上がってくる。コイツだけは他の機体と異なり、冷凍気泡に触れても凍てつくことなく、周囲に小型砲台を展開。
「斯様な閉所では対空兵器は使えないと思いましたが……成程、成程。皆様ではなく、この空間を破壊するには、十分そうですね?」
 光を放つ浮遊砲台。その光条は命中した地点を凍てつかせ、周囲の気温が急激に下がり、川が凍り付きその上に氷壁を打ち立てて、戦場が密室と化す。
「さすれば、皆さまには私と心中して頂きましょうか」

※敵さんは特殊な対空兵器を持ち込んでいます。無論、ほとんど飛べないこの戦場では意味がありませんが、通常攻撃とは別に冷凍砲撃をぶっ放して来るため、これを何とかしないと冷気に当てられて機体が凍結して動けなくなったり、洞窟を崩落させられたりしてしまいます。敵と砲台の両方に上手く対応しましょう。

次回執筆は二十二日の予定。当日の朝八時までにプレくれると嬉しいな!
杓原・潤
この急激に襲い来るシリアスな空気……ついにボスのご登場、ってとこかな?
心中なんてノーサンキュー、氷漬けはお一人様でどーぞ!

ほんとはシェイプ・オブ・ウォーターを使いたいけど、機械まで壊れてかき氷作れなくなったら困るよね。
そしたらこれ!
魔法で透明になってちょっとだけ空中浮遊!
これで移動すればあんまり音もしないし、上手くやれば近付けるはず。
音の属性攻撃を込めた泡を放てばよりバレにくいかも。
横や後ろから回り込んで、まずは砲台を壊しちゃえ!
後は疲れ切る前に、透明状態を存分に活かして本体を攻撃!
テルビューチェはとってもいい子だけど、暴力を振るうとめっちゃ怖いんだから!
さぁ、ぶん殴っちゃえ!


カシム・ディーン
……こりゃ面倒くせーな
「どんぱちも危ないぞ☆」

ダイウルゴスじゃ…小回りが効かねーか…!
「こうなったら春の幼女まt」
してたまるかぁ!?洞窟も全て崩壊して一貫の終わりだぼけぇ!?
之で我慢しろ!
UC発動
「「ひゃっはー☆」」
ルーン魔術発動

守護のルーンでプラント防御強化
プラントは壊させねぇ

【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の戦力と冷凍砲撃の方向性
周辺状況を正確に把握
【属性攻撃・迷彩】
光属性を己達に付与
光学迷彩で存在を隠

【空中戦・念動力・弾幕・二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み・電撃】
メルシー軍団
ふわふわ飛びながら浮遊砲台に取り憑き念動力で圧縮
鎌剣でもずばずばして強奪
本体
鎌剣で切り刻み電撃を流し込み武装強奪!!


涼風・穹
TW公認イベント、TWコンベンションは7月5日土曜日開催
興味がある方はお気軽にどうぞ、だな

……いや、これ普通に死にかねないんだし最後に宣伝位させろや
すぐ下に水脈があるのに洞窟を凍らされたりすれば氷が膨張して崩落待ったなし
迂闊に加熱すれば熱膨張でやっぱり崩落待ったなし

もう無理そうならプラントを《起動》で収納します
プラントを魔法少女化してくれれば更に簡単そうだけどな
神機なら自爆にも耐えられそうだし、特にカグツチなら洞窟が崩落しても岩ごと溶かして力づくで脱出できるだろう
俺自身や、自爆や崩落に耐えられない方々はカードに収納して後は託します
誰かプラント入り『イグニッションカード』を外への持ち出しを宜しく


皇・弐奈
3章続けてになるがUC【ヨモツカラウツシヨマデ】使用
カグツチ様には申し訳ないのですが、自前の火属性で冷凍砲撃に対処します。
ついでてす、私とカグツチ様の感覚を合わせながら炎のコントロールの練習をしましょう。
その加護や機構で私の火の威力を上げながらも、洞窟を壊さずに敵の召喚ロボットを蹴散らしてください。
危ない時は
私が抑えますし、鬼の手達もカバーに入ってくれます。

※アレンジ歓迎


印旛院・ラビニア
「うわっ、急に寒くなってきた」
『仕方あるまい、暖房の出力をあげるぞ』
「やっぱつけてたんじゃん!」

しかしゲーマーと略奪者で意見が合うところもある
『あの対空兵器は欲しいな』
「あー、戦術の幅の広がりそうだし、結構レアそうだし」
『フハハハハ、しかも相手は無線で制御してると見た。略奪者の王たる俺様の格好の獲物である』
そんな訳で砲台を【ハッキング】して【略奪】。こちらの武器にして数的有利などもひっくり返す。更にはこれを利用してカグツチの訓練も兼ねようか
『小僧(カグツチ)、制御ができるようになったと言うなら見せてみろ。暴走しようものなら氷漬けにしてやるか安心するがいい』
「おじちゃんよばわり、根に持ってるね」


桃枝・重吾
アドリブ連携歓迎

■心情
【皆さん、残念ながら間に合いませんでした。
農業用水源地に自爆テロとか言う敵さん相手にマスターを止めるのはやはり無理がありました。
俺も所詮キャバリアマスターの殺る気には逆らえないようです】

■必殺技説明
とにかく後先考えない高出力弾頭兵器です。
余波や過剰な出力は敵後方にワープゲートが開き【何処か】にポイします

■UC使用中
【なお、マスターは人語かわからない言葉になってるので通信は切ってます】
敵機動砲台やらは重力糸で敵と結んだ悠々荷台を操作して防御と梱包しちゃいますね、
悠々荷台が耐えれなくなる前に敵の方に向けて解放してエネルギーを逃したあとに再梱包と防護に回って。
必殺技を狙います



「この急激に襲い来るシリアスな空気……ついにボスのご登場、ってとこかな?心中なんてノーサンキュー、氷漬けはお一人様でどーぞ!」
 などと、潤が冷や汗交じりに命の危機を感じ取っている傍ら。
「TW公認イベント、TWコンベンションは7月5日土曜日開催。興味がある方はお気軽にどうぞ、だな」
「こんな時にCMやってる場合!?」
 潤も思わずツッコむ穹の宣伝タイムである。
「……いや、これ普通に死にかねないんだし最後に宣伝位させろや」
 そこで死んでしまうと宣伝の意味もないっちゃないんだけど、細かい事は置いといて。
「すぐ下に水脈があるのに洞窟を凍らされたりすれば氷が膨張して崩落待ったなし。迂闊に加熱すれば熱膨張でやっぱり崩落待ったなし。実は俺達の状況ってのは結構詰んでしまっているんだ。だったらいっそ、自爆される前提で動いた方が早い気もする。神機なら自爆にも耐えられそうだし、特にカグツチなら洞窟が崩落しても岩ごと溶かして力づくで脱出できるだろう。つまり、俺達に必要なモノは戦略でも兵器でもない、脱出ポッドだ!」
「戦う前から逃げる事考えてない!?」
「こんなんまともに相手してられっかー!!」
 逆ギレする穹だが、今回は敵と戦場の厄介さに頭を抱えている猟兵も多いようで、カシムも苦虫を噛む。
「……こりゃ面倒くせーな」
「どんぱちも危ないぞ☆」
 飛び道具はもちろん、お得意の高速飛行からの念導弾なんてばら撒いた日には衝撃で生き埋めになりかねない。視線を滑らせて閉じ込められた戦場内の空間体積をザッと見積もり、舌打ちを一つ。
「ダイウルゴスじゃ……小回りが効かねーか……!」
 いくら小さいとはいえ、元のサイズがドラゴンなのだ。メートル換算の絶対値として考えれば十分デカく、閉鎖空間に一度に百数十体も召喚すればギッチギチである。カシムが眉間にしわを寄せている間に、メルシーがピコーン☆
「こうなったら春の幼女まt」
「してたまるかぁ!?洞窟も全て崩壊して一貫の終わりだぼけぇ!?之で我慢しろ!」
 今まさに数の暴力で殴ろうとしたら身動き取れなくなるって言ったばっかなのに、何故イケると思った!?代わりに召喚されたのは百六十五体のメルシー軍団……だから狭いって言ってんだろ!?
「「ひゃっはー☆ところがビックリ、このメルシー軍団は動ける!!」」
 何ィ!?整列したメルシーが互いの動きに干渉せずに連携しているだと!?
「どんなに狭くっても、ラインダンスだと思えば結構動けるんだゾ☆」
「まさかダンス技能がこんな場面で役に立つとは……」
 踊りながらふわふわ浮遊し、念力で砲台を押さえようとするメルシー軍団だったが、ビーム!!
『きゃわー!?』カチコチ
 一瞬で凍らされたー!?
「お忘れですか?私の浮遊砲台は対空兵器。ビュンビュンだろうがふわふわだろうが、浮いたり飛んだりした相手には特攻兵器となるのです……!」
「チッ、地べたからやるしかないか……!」
「でも、あっちは飛び回る砲台だよ?上から狙い撃ちされちゃうー!!」
 凍った分身メルシーにまだ動ける分身メルシーがやかんの熱湯をかけて、解凍作業に当たっていると、ラビニアがブルリ。
「うわっ、急に寒くなってきた」
『仕方あるまい、暖房の出力をあげるぞ』
「やっぱつけてたんじゃん!」
 風邪をひかせてはいけないと、劫禍がコックピットを温めながら対空兵器を見て、ふむ。
『あの対空兵器は欲しいな』
「あー、戦術の幅の広がりそうだし、結構レアそうだし」
『フハハハハ、しかも相手は無線で制御してると見た。略奪者の王たる俺様の格好の獲物である。どれ、ぶんどってやろうではないか!!』
 しかし、制御権を奪取しようとして、バチィ!劫禍のハッキングが弾かれて、回路がショート。眩暈を覚えた劫禍がグラリ、よろめく。
『ぬぅ!?』
「劫禍!?どうしたの!?」
『俺様の干渉が弾かれただと!?まさか、あの砲台は……!』
 劫禍の恨めし気な視線に、敵機群れ成す孤立者は両手を広げて砲台を展開。その姿を猟兵達に見せつけて、嘲笑う。
「お気づきになりましたか?これこそは携行型殲禍炎剣、鳴神の試作機……以前は電磁兵器で無力化された事を受け、電磁波による干渉に高い耐性を与えられているのですよ。易々と止められるとは思わない事です……!」
「鳴神……あの時のイミテーションか!!」
「完成が近づいてるってこと!?」
 カシムとメルシーには見覚えがあった。同じ神機の一柱がやらかして、仲間の救援の為に取り逃がした時の一件。その際に見せられた小型殲禍炎剣。その時は名前すらない試作兵器だったはずだ。それが桁違いの電磁能力を持ち合わせていないはずのオブリビオンマシンですら稼働させている。その完成系が量産されれば、戦場は地獄と化すだろう。
「……ほう?」
「お姉さん?」
 カグツチすら困惑する、弐奈のドスの効いた声が響く。
「あの時は後れを取ったが……此度はそうはいかぬ。ついでです、私とカグツチ様の感覚を合わせながら炎のコントロールの練習をしましょう」
「……えぇ!?」
 こんな所でカグツチの機能を使えば、大爆発所の話ではないはずだが。
「その加護や機構で私の火の威力を上げながらも、洞窟を壊さずに敵を蹴散らしてください。危ない時は私が抑えますし、鬼の手達もカバーに入ってくれます」
「えっと……ここで僕が動いたら、水蒸気爆発で周囲一帯がクレーターになっちゃうよ……?」
『小僧【カグツチ】!何を腑抜けた事を抜かしている!!』
 あーっと!ここで何故か劫禍から怒号が!!
『制御ができるようになったと言うなら見せてみろ。暴走しようものなら氷漬けにしてやるか安心するがいい』
「おじちゃんよばわり、根に持ってるね……でも、あの冷凍砲台奪えなかったのに、どうやるの?」
『ラビ子よ、奪う事はできずとも、使う事ができるモノがそこにあるだろう?』
 などと、劫禍がハッキングしたのは自分達が背にしていたプラント。水と氷を生成する特殊装置を氷に全振りして、周囲を凍てつかせながら。
『熱暴走するというのなら、それを冷やしてやればいいだけの事よ!!』
 と、劫禍がプラントを乗っ取った瞬間、ぽてっ。鳴神が地面に墜ちた。
『……は?』
「え?」
 何が起こったのか分かっていないらしい劫禍とラビニアの前で、敵さんは狼狽し。
「くっ、私がプラントからエネルギー供給を受けて鳴神を運用している事を見抜くとは、さすがは猟兵……しかし、我々の勝利条件はこの地の破壊。鳴神が使えずとも十分です!!」
 まぁ、冷静に考えればそうよね。仮にも国一つぶんどるような奴が使ってた兵器を、その辺のオブリビオンマシンが使えるかってーと、んなわきゃない。そもそも、荷電粒子砲っていう熱量をぶっ放す代物が、冷凍ビーム撃って来る時点でなんかおかしいし。
『コイツ……プラントからエネルギー供給と特性のコピーをしていたのか!』
 敵の自白により、一拍遅れて気づいた劫禍を、おぞましい数のオブリビオンマシンが取り囲み。
「分身した!?」
『いや、微妙に兵装が違う。仲間を呼び出すUCだ!』
「物理的に死ぬがいい!!」
 狭いって言ってんのに数を呼び出し、圧迫して猟兵を破砕しようとする敵さんだったが。
「す、き、あ、りーっ!!」
「こぴっ!?」
 ドゴシャァ!!鮫牙を並べた鈍器が敵機の後頭部を襲う!!
「な、何が起こって……とれすっ!?」
 振り向いた敵さんの横っ面を二撃目が強打ァ!!
「テルビューチェはとってもいい子だけど、暴力を振るうとめっちゃ怖いんだから!さぁ、ぼっこぼこにしちゃえ!」
 劫禍により砲台が無力化され、敵の意識がそちらに向いている隙にテルビューチェを透明化した潤。更に撃墜のリスクがなくなった事で浮遊し、足音を立てることなく敵の背後に回り込んで奇襲を仕掛けたのだ。
「あだだだだだだだ!?」
 見えないテルビューチェに殴打される敵が体勢を崩した瞬間を見逃さず、メルクリウスが肉薄。
「プラントは壊させねぇ……!」
 薙ぎ、袈裟懸け、返し薙ぎ。三連斬撃を叩き込み、斬り捨てながらその鎌閃で描く守護のルーン。プラントに防衛強化の魔術をかけながら、鎌の柄を敵の傷口に叩きつけ。
「ビリビリッとさせちゃうぞ☆」
「アバババババババババババババババ!?」
 高圧電流を流し込んで内部から焼き上げる。白煙を立ち昇らせる敵からメルクリウスが離れれば、カグツチは鬼の手に自身の手を突っ込んで、手袋のように装着。巨大な拳を握り込めば青白かった鬼の手は瞬く間に真っ赤に染まっていき。
「集中……集中……!」
「熱を放とうとするから周囲を焼く。故に、我と鬼の手がそれを抑え、カグツチ様が熱を『込める』事で余計な被害を出さなければ良い。この一撃は、少々熱いぞ?」
 熱制御に全力を傾けているカグツチに代わり、弐奈が操作して機体の腕を文字通り伸ばす。その場から動くことなく、離れていた敵機を鷲掴みにすれば、金属すら熔解させる握撃に装甲が悲鳴を上げ……。

 ――ピンポンパンポーン♪

 うぃーん。プラントの真ん中辺りのドアが開いて、熊っぽいキャバリアが出てきた。桃枝・重吾(スペースデコトラ使いXL・f14213)の相棒として知られる、梵ちゃんである。
「あーあー、てすてす……こほん。皆さん、残念ながら間に合いませんでした」
 その報告に、もしやラウンズが直接焼かれてしまったのかと思いきや。
「農業用水源地に自爆テロとか言う敵さん相手にマスターを止めるのはやはり無理がありました。俺も所詮キャバリア……マスターの殺る気には逆らえないようです」
 まぁ、コックピットから操縦されたら大体のキャバリアは抵抗できんわな。
「なお、マスターは人語かわからない言葉になってるので通信は切ってます」
 ちなみに、翻訳家にこの際の重吾の叫びを翻訳して貰ったら、ライオンが縄張り争いする時の咆哮に近く、ザックリ人語化すると『農業用水に手を出すとはいい度胸だなワレェ!?』とブチキレてたそうです。
 で、代わりに全部梵ちゃんが喋ってるわけだが。
「本日ご用意したのは、とにかく後先考えない高出力弾頭兵器です。一応、敵後方にワープゲートを開いて過剰な出力は逃がしますが、猟兵の皆様は自身の安全を最優先してください」
「安全って、どうしろっていうわけ!?うるう、もう魔力残ってないんだけど!?」
 透明化して格闘戦を行っていた潤は既に疲弊しており、真面目にやってくれてただけに自身を防衛する手段が残っていないようだが、テルビューチェの肩をズィルバーンヤークトフントがガション。
「安心しろ、キャバリアごと取り込めるから」
 と、謎のカードを手渡すと。
「わーっ!?」ぎゅいーん、しゅぽっ
 テルビューチェが消えた!?鮫型機体を吸い込んだカードを梵天丸が降りた後のプラントに添えて、回収してからカグツチの加熱されてない方の手に渡し。
「じゃ、脱出まで護衛よろしく!」
 ピッとハンドサインを残してズィルバーンヤークトフントもカードに吸い込まれて消えた。そのカードの中身っていうのが。
「何これ、箱庭魔法?」
 巨大な整備工場になっており、テルビューチェの傷を修復し、エネルギーインゴットを補充する様子に降りて来た潤が辺りをキョロキョロ。後から入って来た穹も白騎士キャバリアを整備に回すと、冷蔵庫からアイスを取り出し。
「ラムレーズンアイス、食うか?」
「あ、僕はさっきバニラ食べたからチョコがいいなー」
『オイ待てラビ子、むしろお前は食べ過ぎだろう』
「うるうはもっとおしゃれなのがいいー!」
 ちゃっかりついて来た劫禍をメンテに回したラビニアが冷蔵庫を漁り、潤がそれを横から覗き込む……などとやっている外、つまり戦場では。
「あいつらだけ逃げやがったー!?」
「メルシーも生き埋めはやだよー!!」
 神機なら崩落にも耐えられるだろう、って事でほっとかれたメルクリウスが絶叫。その間にも、梵天丸の砲撃準備は進んで。
「悠々荷台コネクト、エネルギー圧縮臨界まで、三……二……一……」
「「ちょっと待ったー!?」」
 カシムとメルシーの叫びも虚しく、カッ!!凄まじい光が戦場を塗り潰して。

 ――ッボォ……ゥン……!

 ……まぁ、そうなるな。地下洞窟なんて閉鎖空間で、超高温状態のカグツチに捕まった敵目掛けて圧縮エネルギーなんかぶち込んだら、後方にフローがあっても、逃げきれないエネルギーが辺り一面を吹き飛ばす。
 結果、すり鉢状に巨大な地形変動が発生してしまい、その中心はドロドロに溶けた灼熱の湖と化していて。
「「あっつーーーい!?」」
 真っ赤になったメルクリウスが飛び出して、地面でゴロンゴロンゴロン!梵天丸の方は大気摩擦に耐えるために耐熱装甲ではあったが。
「あ、ダメだこれ俺も熔ける……!」
 調子に乗って温泉のクッソ熱い源泉に浸かって後悔した若者のノリで退散。取り残されたカグツチはゆっくり上がって来ると。
「えーっと、なんかごめんなさい……」
「カグツチ様は別に悪くありませんよ!崩落した岩盤から皆様を守ったのですから!ちょっとした火傷など、誤差の範疇です!」
「ちょとした火傷!?」
「メルシー危うくコンガリしちゃうところだったよ!?」
 弐奈にフォローされながらも、カシムとメルシーに文句言われてしょんもりするカグツチなのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年06月22日


挿絵イラスト