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【サポート優先】こころここにあらず

#アヤカシエンパイア #不死の妖

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#不死の妖


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 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。

 なぜ、どうして、そういった疑問を飲み込んで、人々は大岩の下にその鬼を封じた。
 いつかその下から、恐ろしいものが這い出してくることも理解しながら。

「皆さんには封印された不死身の妖怪を倒してほしいのです」
 綿貫・小雨はそう言いながら、なにかが描かれた紙を差し出した。
 名状しがたい「なにか」としか形容できないそれは、その曖昧な形容とは裏腹に何故か嫌な存在感を持ちながら紙の上で不快な染みのようにそこにある。

「もちろん本当の不死ではないのです。ここに描かれたものがその秘密らしいのですが……」
 心臓のようにも見えるし、赤熱している黒い石のようにも見える。とにかくそれが、隠されている不死身の秘密であるようだ。
 それがわかっているのならば話が早い……。というわけでもない。

「もちろん不死身の秘密ですから、厳重に隠されているのです!皆さんはそれを見つけて、破壊して、不死身を引っ剥がしてやってください!」
 道中どんな危険があるかわからないが、わからなくとも危険があることだけは確実。それほど厳重に守られているからこそ今まで封印という手段しか取れないほどに人々が苦しめられていたのだから。

「人を惑わすような幻覚や罠、不死の秘密を守ったり禍々しさに惹かれたりする妖怪も出るかもしれません。それでも皆さん、おねがいします!」




第2章 集団戦 『火車』

POW   :    呪言炎波
【呪言と共に口から吐かれた炎波】が命中した対象を燃やす。放たれた【呪いの】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    呪車炎蹂
【炎を纏った車輪を高速回転させること】で敵の間合いに踏み込み、【呪いの炎】を放ちながら4回攻撃する。全て命中すると敵は死ぬ。
WIZ   :    呪炎旋風
高速で旋回する【車輪の軌跡に沿って炎の竜巻】を召喚する。極めて強大な焼却攻撃だが、常に【呪言】を捧げていないと制御不能に陥る。

イラスト:すずや

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 極楽浄土を抜けた先は、まるで地獄の様相だった。

 複数の火車が徘徊するその場所は、森の中としては不自然なほどポッカリとあいた空間になっていた。
 周りをよく見たのならば分かるだろう、それが元々あったものがすっかりと燃やし尽くされた後だということに。そしてそれは森の木々だけではない。
 地獄というのは、そこに落ちたものがなんであっても牙を剥くのだ。
百鬼・甚九郎
地獄のほうが楽しいつったら地獄が「ハーイ!」て来おったな。おもろ。
まあよい、遊ぶかエセ猫ども。

ヒャッハー! パワープレイのお時間じゃ!
イバラの右腕を伸ばしてぇ! 届く範囲内の火車どもを掴んで拘束ぅ! 鬼の左腕で森の木を引っこ抜いてぇ! 全員死ぬまで殴打じゃあ! いえーい!

あっつ!! 何燃やしてきとんじゃこのガキャア! いや実際にガキかはわからんが。はいはいそうじゃな、餓鬼じゃなくて火車じゃな。うるせー現代じゃ子供を餓鬼呼ばわりするんじゃ! 現代ミームじゃよ。

まあ回復力には自信ありじゃし、いま自己再生かかっとるでな。全身やけどくらい我慢じゃ、あとで消えん火がついてる部分千切って治すわい。



 地獄の方がマシとは思えど、地獄が来いと言った覚えはないが。突然目の前に現れた地獄絵図を前にして甚九郎は、それはそれで面白いから構わないと気持ちを切り替えた。
 幸いにも遊び相手は湧いて出てくるほどいる。火の尾を引きながら回転する火車はまるで巣穴から一斉に出てきた虫のように際限なく溢れては侵入者を排除するために……あるいはただ燃えるものを求めて甚九郎の元へ向かってきた。

「火車といえば猫じゃろうに。まあよい、遊ぶかエセ猫ども」

 殺到してきた火車たちは、波のように押し寄せる茨に絡め取られ歪な音を立てながら動きを止める。茨を引きちぎろうと動き出す前に、その横っ面を振り回されたただの森の木が砕け散るような圧倒的力で叩きつけられた。
 メキメキと割れる音は火車が出したものか、それともへし折れた木が出したものか。どちらにしてもただそこにあるのは破壊という事実だけ、数度殴りつけて折れた木を無造作に火車めがけて投げつけながら次はこれとばかりに甚九郎は新しい木を根本から引っこ抜いた。

「ん?あっつ!!こんのガキども!大人しく殴られることくらいできんのか!」

 じりじりと火がうつった茨に顔をしかめるものの、その拘束は緩まずむしろ更に締め付けてやるとでも言うように軋む音を立てながら火車に茨が食い込んでいく。
 そのまま叩きつけるように根が付いたままの木が火車の群れに振り下ろされると、今度こそ派手な音を立てながら火車だったものがひしゃげて飛び散り燃え残りの焚き火のように僅かな火を残して沈黙した。
 動かなくなりただ自らの火で残骸を燃やすだけになった火車を見下ろして、甚九郎は無造作に持っていた木を放った。生木は燃えることなく、地響きとともに地面に横たわる。

「消えんのかこれ、仕方ないの」

 火車たちが逃れることのできなかった茨を火のついた部分を切り落とすように軽々と引きちぎり、甚九郎は積み重なった残骸の上に投げ捨てた。パチパチと弾けるように火花が散ったものの、火の力が弱いのか燃え上がることなく静まっていく。
 思ったよりも燃えなかったそれに興味をなくした甚九郎が歩き始める頃には、引きちぎったはずの右腕は一度も傷ついたことが無いかのように元の姿に戻っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

水心子・真峰(サポート)
水心子真峰、推参
さて、真剣勝負といこうか

太刀のヤドリガミだ
本体は佩いているが抜刀することはない
戦うときは錬成カミヤドリの一振りか
脇差静柄(抜かない/鞘が超硬質)や茶室刀を使うぞ

正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな
乱舞させた複製刀で撹乱、目や足を斬り付け隙ができたところを死角から貫く、束にしたものを周囲で高速回転させ近付いてきた者から殴りつける
相手の頭上や後ろに密かに回り込ませた複製刀で奇襲、残像で目眩まし背後から斬る、なんて手を使う
まあ最後は大体直接斬るがな

それと外来語が苦手だ
氏名や猟兵用語以外は大体平仮名表記になってしまうらしい
なうでやんぐな最近の文化も勉強中だ



 火車の炎が暗闇を舐め、真峰の宝石のような髪と瞳を赤く瞬かせた。ぬるりとした温度の空気が熱に焼かれ、不快な高温になって真峰のところまで届いてくる。

「これはまた、名乗っても応えないような相手が来たな」

 口から紡がれているのは対話を目的としてものでなく、侵入者を排除するための呪いの言葉でしかない。真峰はつまらなさそうにその姿を眺め、敵対者と示すようにその歩を進めた。
 歩を進めるごとに、中空に浮かぶ太刀が増えていく。地をえぐりながら近づいてきた火車の放つ炎を、複製された真峰の本体が両断するのを合図にしたかのように無数の太刀がそれぞれが別の意思を持っているかのように動き出した。

「ほれ、避けてみろ。速さくらいは誇れるだろう?」
 
 飛び交う太刀の合間を抜け、何本もの刀傷をつけながら火車は真峰を目指して突撃してくる。軋む音とごうと燃える火の音、烟る熱気が真峰の肌をじりじりと苛んだ。
 真峰の眼前で、火車は炎を一層燃え盛らせた。恨みが燻る呪いの炎を今まさに放たんとしたその瞬間、呪いを貫くように細い刃が火車の背後から飛び込んでくる。

「ぐるぐると回る前に、後ろに目でもつけた方がよかったな」

 背後からの斬撃に対抗しようとした火車はそちらに気を取られ、対峙していた敵対者への意識がそれる。真峰の手に握られた複製太刀が炎ごと火車を切り裂くのには、それは十分な隙だった。
 真っ二つに切り裂かれた火車は数度歪な音を立てた後、燃え尽きたように崩れ落ちた。それを見届けたかのように無数に浮かんでいた太刀も真峰の手の中にあった太刀も、空気に溶けるようにしてその姿を消す。

「終わりか」

 炎の熱気はすでになく、ぬるい空気は動くこともない。最初からそうだったとでも言うような沈黙の中、真峰は既に残骸になった火車を踏みしめ歩みを進めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アキカ・シュテルア(サポート)
A&Wの森で暮らす27歳女性です。
普段はおっとり系、何かしら強い興味を持つとそちらへ一直線になります。
傾向としては美術及び魔導書に関するものが強いですが、
好奇心旺盛の為、大概のことには一定の興味を示します。
戦闘は主にUCを使用した範囲・包囲攻撃で行います。
また、夜明紫電(装備1参照)を振り回しての攻撃や、
Colorful drops(装備4参照)を補助として活用することもあります。



 焼ける土の臭いと、肌を舐めるぬるい空気。そして地面を削るように走り回る火車で地獄のような様相を呈している場所には似つかわしくない穏やかさで、アキカはそこに佇んでいた。
 絵に描かれるような妖怪の姿そのままの火車を目にしてアキカは恐怖することもなくぱちぱちと瞬きをして、興味深そうに目を輝かせた。

「あんなに回って、目が回らないのでしょうか?倒れたら、ちゃんと起き上がれるのでしょうか?」

 恐れることなく好奇心だけで見つめる視線にも、火車は敵対者として反応した。土塊を巻き上げながら火を撒き散らし、明確に排除の意思を持ってアキカに突撃してくる。
 その様子に少しだけ眉根を寄せて、アキカは夜明紫電を持つ手に僅かに力を込めた。たったそれだけでごく普通の筆ほどの大きさだった丸筆は、みるみるうちにその姿を大きくした。

「乱暴だわ」

 丸筆に撫でられるように弾かれた火車は、まるで塗りつぶされたかのようにブルーブラックの塗料が付着した部分の火が消えていた。
 ほとばしるインクが触れるたび、火車の動きは鈍くなり燃え盛っていたはずの火の威力が弱くなる。地面に落ちた塗料が描いた円の中でアキカが筆を振るえば、それだけで火の粉の一つも近づくことは出来なかった。

 戦闘の気配に寄ってきた火車の加勢も、キャンバスが多少広がっただけで戦況を変えるようなことにはならない。むしろ地面を塗り終わった後では、塗料を無駄にせず済むほどだ。
 消火剤でも消すことの出来ない火も、アキカの塗料の前ではそうなるのが当然とでも言うように消えてく。そんな状態ではたとえ群れをなした火車であっても、ただ一人に傷をつけることすら出来ない。

「終わり……でしょうか?」

 すっかり動かなくなった火車の山の前で、自分の言葉に返事をしないタダのガラクタになった火車をしばらく眺めていたアキカが思い出したように声を上げる。

「倒れても起き上がれるかどうか、試すのを忘れてしまいました」

 すでに動かなくなった火車を見て、アキカは少しだけ残念そうにそう呟いた。

成功 🔵​🔵​🔴​