ケルベロス・ウォー⑪〜光と熱の使い方
宇宙に輝く無数の「太陽」全ての創造者を名乗る、黄金の十二剣神『太陽神スーパーアポロン』。
「我こそが全ての太陽を創造せし者なり! 全ての生命の源である太陽により生かされたる塵芥の存在達……我を崇め屈服するがよい」
当然、全ての猟兵達はこの声に反応せざるを得なかったわけだが、猟兵や地球人類の力を明らかに侮っているような口調の裏にあるのは、「|黙示録指令《スーパーオーダー》」と呼ばれる極めて強力な洗脳・強化能力を有しているからに他ならない。
侮られていたとしても、それに抗い覆していくのが猟兵の生き様である。
実際の実力の程がどうなのかは、戦ってみなければわからない……が、猟兵側にはグリモアという予兆を見ることが出来る能力を有したものが居るのである。
グリモアは、此度の太陽神スーパーアポロンに対し、こう予兆した。
「本人の戦闘能力は十二剣神の中では明らかに高くないようです」
そして、いつものように予兆で発覚した、敵の|戦闘技能《手札》を提示する。
しかし問題があるとすれば、とグリモアは口調を濁す。
「スーパーアポロンは、ここから最も近場の(……つまり、この地球の)太陽、ですね」
表した図式に、宇宙の惑星たちが描かれている、学校の授業でよく見る、太陽系惑星図だ。
「この巨大な太陽から、莫大なガンマ線バーストをその身に浴びることで、一時的に超強大な(※他の十二剣神と同等くらいの)戦闘能力にパワーアップしながら襲い掛かってきます!」
それは、結局のところめちゃくちゃに強い、ということではなかろうか。
猟兵達はざわめいた。
さすがに十二剣神との連戦で疲弊しているものもいるだろう。
しかし、とグリモアは言葉を続ける。
「実は、スーパーアポロンが呼び寄せるガンマ線バーストが地上を直撃する方が、人類への被害は甚大なのです!」
猟兵達は更にざわつくことになる。
相手が使おうとしている力は、それほどまでに危険なものなのか……これは何としてでも被害を防がなければならないし、それが出来るのは猟兵達だけであることも明確だ。
「スーパーアポロンにそのことを気付かれないよう、立ち回って騙し騙し戦うことが重要と出ています」
なるほど、敵の裏を突かなければこの戦場、大変なことになる。
果たして、猟兵達の作戦は上手く行くのだろうか、否、上手く行かなければ地球が滅んでしまう。
「未来は皆さんの機転に掛かっています、一工夫された戦い方を期待しています!」
ロミナ毅流
猟兵の皆様、お疲れ様です! ロミナ毅流です。
いよいよ「ケルベロス・ウォー」も終盤戦となりました。
各地の|決戦配備《ポジション》取りも進んでおりますが、ここにきて姿を現してきた「遅れてきた十二剣神スーパーアポロン」がなんだかトンデモな力を使おうとしているようですよ!? これを阻止していただかなければ地球が危ないという、とても分かりやすい戦場となっております。
プレイングボーナスは勿論、以下の通りです。
……降り注ぐガンマ線バーストをスーパーアポロン以外に当てさせないよう戦う。
敵をパワーアップさせてしまうガンマ線ですが、他に当てたほうが被害は甚大です、どうかそのことをお忘れなきよう戦ってください、健闘を祈ります!
第1章 ボス戦
『十二剣神『太陽神スーパーアポロン』』
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POW : スーパーアポロンソード
自身の【太陽の光を凝縮したスーパーアポロンソード】が触れた対象に【太陽の如き熱エネルギー】を注ぎ込み、身体部位をねじ切り爆破する。敵との距離が近い程威力増大。
SPD : スーパー蝗群捕食
【高温の炎で出来た蝗の群れ】をレベルm半径内の対象1体に飛ばす。ダメージを与え、【炎蝗がその熱で噛み千切った】した部位の使用をレベル秒間封じる。
WIZ : スーパー絶対暴食令
【周囲のデウスエクスが絶対暴食モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
イラスト:カス
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リリエッタ・スノウ
むぅ、遅れてきた十二剣神?
そんな風にいうとなんだかすごそうな気がするね。
けど、相手しやすそうだから最後に回されただけな気もする?
残念そうなヤツだけどリリはもちろん油断しない。任務は必ず遂行するよ。
んっ、ガンマ線バーストを自分に当てさせるためにちょっとおだててみるよ。
すごい、パワーアップ。このままだと十二剣神を越える絶対唯一の神になっちゃうかもだよ。
一目散に逃げだすフリをして追ってきた蝗が一直線になったところで【ウォーター・バレット】を発動。
調子に乗ったスーパーアホロンごとまとめて薙ぎ払っちゃうよ。
※アドリブ連携大歓迎
中村・裕美
戦争シナリオに参加
「……特に思い入れもないけど……倒させてもらうわ」
コミュ障なので言葉少ない。言葉の間に「……」とかが入る
技能は電脳魔術による【早業】【ハッキング】などで空間や敵自身に干渉して攻撃したりサポートしたり可能。その他情報収集や分析などもいける
エナドリを飲んで持久力を上げて不眠不休で働くことも慣れてます
UCは【封印検索演算式・開】でドラゴンを召喚。数や特性などはお任せ。力仕事など雑用に使ってもいいです
ユーベルコードは指定のもの以外でも電脳魔術っぽいものであれば、必要とあらば使用します。
ケルベロスブレイドの中村・裕美とは異世界同位体みたいな感じの別人です
それではよろしくお願いいたします
(むぅ、遅れてきた十二剣神? そんな風にいうとなんだかすごそうな気がするね)
リリエッタ・スノウ(ちっちゃい暗殺者・f40953)は、グリモアの予兆を眺めながら戦況を確かめている。
「けど、相手しやすそうだから最後に回されただけな気もする? 残念そうなヤツだけどリリはもちろん油断しない。任務は必ず遂行するよ」
ちいさいけれど、リリエッタは立派な、凄腕の暗殺者なのである。
これまでも数々の戦場を駆け巡り、此度の戦争でも多数の戦果を挙げているだけあって、今回の戦場にも真剣な眼差し(|無表情《ポーカーフェイス》)だ。
「……特に思い入れもないけど……倒させてもらうわ」
中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)もまた、戦争で多数の戦果を挙げている猟兵の一人であった。
太陽神スーパーアポロンがリア充かどうかは判断が難しいところであるが、そもそも戦場に遅れてやってきて許されているなどリア充以外の何物でもないだろう(暴言)。
リア充許すまじ、その精神は裕美の中でも大きなアイデンティティーである。
コミュ障ではあるものの、猟兵としてやっていくからにはある程度のやる気が必要なのである。
エナドリを一本速攻で開けると、勢いよく飲み干し、敵の待つ場所へと向かうのであった。
リリエッタと裕美はそれぞれ別方向から戦場入りする。
十二剣神『太陽神スーパーアポロン』に気配を取られないよう、やや距離をおいて到着し、状況を確認。
「む、ぴかぴかの遅刻者、いますね」
「……こちらは……滞りなく……」
裕美が電脳魔術による【早業】【ハッキング】を使い、敵までの距離、そしてガンマ線バーストの発射予測などを高速で行っていく。
「方角……時刻……角度……それから熱量……だいたいのことは、わかった、わ……」
「むぅ、すごい」
裕美の技術に掛かれば、この程度は造作もない。
問題は、いかにしてガンマ線バーストをきっちりスーパーアポロンに直撃させ、漏れが無いようにするか、だが。
そこはリリエッタが先行して誘導するということで無線での打ち合わせは完了した。
裕美も勿論後から続いて攻撃を仕掛ける算段である。
(んっ、ガンマ線バーストを自分に当てさせるためにちょっとおだててみるよ)
作戦は、こうだ。
まずリリエッタがスーパーアポロンを挑発、のこのことそれに引っ掛かりそうな敵を誘導しつつ、裕美が常に誤差を計算しながらガンマ線バーストの照射ラインに乗せ、あとは二人で迎撃。
敵の攻撃は単体目標のようなので、二方向からの迎撃であれば撃ち落とせるだろう。
重要なのは、照射ラインの位置取りだ。
雲行きにも影響するため、常に当て続けなければならないのは一番苦労するところである。
リリエッタが広い場所で姿を現すところから戦闘スタートである。
「すごい、パワーアップ。このままだと十二剣神を越える絶対唯一の神になっちゃうかもだよ」
「……我に話しかけているのか」
「そう、ガンマ線がバーストできらきらしちゃうね」
「ククク……それが解っていてのこのこと現れたのか、猟兵どもめ、我の力で消し炭にしてくれる!」
(むぅ、思った以上に乗り気)
これは誘導のしがいがある、と、リリエッタは小さな体で駆けだした。
「……そろそろ、雲が晴れるわ」
「了解」
「丁度良いところに光明が差してきたぞ、これでお前達など一撃で仕留められる」
スーパーアポロンは、必殺のスーパー蝗群捕食を放ってきた。
【高温の炎で出来た蝗の群れ】を160m半径程度内の対象1体に飛ばしてダメージを与え、【炎蝗がその熱で噛み千切った】した部位の使用を160秒と少しの間封じる技だ。
これは、予兆で見えている。
リリエッタは蝗の群れから一目散に逃げるように、しかし巧妙にその位置関係を測りながらこちらも誘導に成功している。
「む、いい感じ……このまま、まっすぐ……」
「……次、八時方向から照射……」
裕美は合間にもエナドリをもう一本飲み干し、勢いよくキーボードを打鍵し続ける。
今の調子で余程のことが無ければ、高速計算して割り出せている数値の通りにことが進むはずである。
あとはお祈りしかない。
(寝ずに頑張ったとしても……人間に出来ることは……そう多くないわ……だからこそ、出来ることは出来るうちに……やり切りましょう)
とはいえ、裕美に『出来るだけのこと』がそれなりにあるので、余程が無ければ予測が外れることもない。
それだけの技術とセンスで高速計算を行っている自信はある。
(問題があるとすれば、エナドリのストック本数……)
こちらも万全を期してはいるが、今のペースだとギリギリだろうか? いくらか抑えられるよう気力を振り絞って、次の角度を予測していく。
(よし、この次の次の次まで出た、あとは──)
ターゲットのロックオン状態を再度確認し、裕美も戦場へ顔出しするタイミングを見計らっていた。
一目散に逃げだすフリをして走る、リリエッタ。
追ってきた蝗が一直線になったところでユーベルコードを発動させる!
『薙ぎ払え! 水の弾丸――ウォーター・バレット!』
【巨大な水鉄砲型バスターライフル】から164mまでの直線上に「神殺しの【超高圧の水流】」を放つ。
自身よりレベルが高い敵には2倍ダメージを与えられるので、今のガンマ線バーストを帯びた状態であればかなりの攻撃力が期待出来るだろう。
「調子に乗ったスーパーアホロンごとまとめて薙ぎ払っちゃうよ」
裕美もこれに合わせてユーベルコードを展開させる。
『……目覚めなさい。……そして……破滅をもたらせ』
|封印検索演算式・開《フウインケンサクエンザンシキ・リリース》!
【その土地】の龍脈から1〜12体の【戦場に合った形態にデザインされた魔竜】を召喚し、【その土地の特性や伝承に見合った攻撃】で戦わせる。
[その土地の特性や伝承に見合った攻撃]の威力は召喚数分の1に減衰する。
今回は瓦礫転がる広場であったため、岩を模した魔龍を一体呼び、都市伝説の怪異めいた『消滅』の攻撃を選択した。
「く、何故こうも的確な攻撃……が……グアアアアアアアア!」
「裕美、ぐっじょぶ」
「……さあ、消えなさい……闇に呑まれて……ふふふ……」
手持ちのエナドリのラスト一本を手にしながら、端末を操作し最後のキーを押す。
これで計算は完了、目標も綺麗に消し去ることが出来た。
「む、最後のやつは、なに?」
「ふふ……それはね……」
曇りがちだった空が、ぱああと晴れ渡っていく。
「お天気の回復計算、よ……」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
雨河・知香
ソニア(f40904)と
洗脳にガンマ線バーストと能力は強いんだけどねえ…強いからこそあまり頭使わずこの立場になれたとか?
ともかく地上にガンマ線降らせるのは非常にまずい。どうにか守りながら戦わないとね!
いくよソニア!
オルテュクスに搭乗、ソニアが地上側から攻めるのでアタシは空から援護していくよ。
射程に捉えてUC起動、重力を解放してアポロンを足止め、近づけないようにしつつ位置を固定しガンマ線が逸れないように。
くっ…アタシの全力で足止めが精一杯…それもそんな保たないよ!とかギリギリであることをスーパーアポロンに聞こえるようにして演技、騙してみるよ。
あと星光でソニアを治療、援護で!
※アドリブ絡み等お任せ
ソニア・コーンフィールド
知香ちゃん(f40900)と!
ほんっと厄介だよねあのガンマ線バースト!
上手く煽てるというか調子に乗らせないと被害甚大だし注意しないと!
頑張ろう、知香ちゃん!
プラクト規格の熾天怪獣王取り出しUC起動、キャバリアの方のを召喚して搭乗!
向こうの剣はすっごくヤバそうな気がするけど、知香ちゃんの援護受けつつ上手く直撃受けないよう回避したり翼に地面噛ませて加速させたりしてやり過ごす。
強すぎる…!何とか攻めに回りたいけど無理かも…とか弱気な言葉を言って図に乗らせたり。
で、ガンマ線バースト直後とかで周囲に余波が出なさそうなタイミングで捨て身の一撃って感じの突進!
空に撥ね飛ばしちゃおう!
※アドリブ絡み等お任せ
(洗脳にガンマ線バーストと能力は強いんだけどねえ……強いからこそあまり頭使わずこの立場になれたとか?)
雨河・知香(白熊ウィッチドクター・f40900)が予兆のデータを見ながら考え込んでいる。
敵の攻撃方法、強化の内容など見るに、十二剣神『太陽神スーパーアポロン』自体はさして脅威ではないように見える。
「ともかく地上にガンマ線降らせるのは非常にまずい。どうにか守りながら戦わないとね!」
「ほんっと厄介だよねあのガンマ線バースト! 上手く煽てるというか調子に乗らせないと被害甚大だし注意しないと!」
ソニア・コーンフィールド(西へ東へ・f40904)もまた、知香の隣でデータを眺めていた。
難しいことはよくわからないが、スーパーアポロン、というよりも、こいつの特性を強化させるガンマ線バーストへの懸念が強いことだけは確かである。
そんなにやばいものが降り注いで来たら、本当に人類への被害が甚大なものになってしまう。
上手いことスーパーアポロンを利用して防いでいかなければならない、この戦場では少し頭を使うことになるだろう……それがソニアにとっての最大の問題である。
「いくよソニア!」
「頑張ろう、知香ちゃん!」
二人はともに息を合わせて戦場へと赴く。
勿論、下準備は万全に。
とにかく、ガンマ線バーストを防げるだけの全ては、スーパーアポロンに担わせるしかないので、あとはそいつが強化された後どう立ち回るか、を重点的に考える。
天使核動力の改造ヘリ、オルテュクスに搭乗する知香は、出来るだけ燃料に気を遣うようにした。
ソニアはプラクト規格の熾天怪獣王を準備し、ユーベルコードを発動させる。
『コール! 熾天怪獣王!』
|熾天怪獣王の蹂躙!《クロッシング・チャージ》……【プラクト規格の熾天怪獣王を核にキャバリア】を【召喚、変形させた翼を地形に噛ませること】で加速し攻撃することが可能になる。
装甲で防がれた場合、装甲を破壊し本体に命中するまで攻撃を継続出来る。
『さー、一気にギア上げて潰しちゃうよ!』
キャバリアに搭乗するソニアも、やる気満々だ。
「ふむ、我に対抗しようとは、無謀な奴もいるものだな!」
スーパーアポロンは、自身の【太陽の光を凝縮したスーパーアポロンソード】が触れた対象に【太陽の如き熱エネルギー】を注ぎ込み、身体部位をねじ切り爆破……敵との距離が近い程、威力が増大する技を構える。
「向こうの剣はすっごくヤバそうな気がする」
しかし、知香の援護を受けつつ立ち回り、上手く直撃を受けないよう回避し、時には地面を走らせて加速させたりを交えながらやり過ごす。
「ソニアが地上側から攻めるので、アタシは空から援護していくよ」
知香も射程に捉えてユーベルコードを起動させた。
『星よ煌めけ!アタシ達に加護を頼む!』
【肉体や装備、改造ヘリ『オルテュクス』】に宿る【おおぐま座の重力と加護】を解き放ち、161m半径内の敵には[おおぐま座の重力と加護]で足止めを、味方には【生命力を活性化させ士気を上げる煌めく星光】で癒しを与える技である。
重力を解放してアポロンを足止めし、近づけないようにしつつ位置を固定。
ガンマ線が逸れないように工夫するのがなかなかに難しい。
「くっ……アタシの全力で足止めが精一杯……それもそんな保たないよ!」
演技のつもりで言いたかったところだが、本当にギリギリの攻防になってしまいそうだ。
「強すぎる……!何とか攻めに回りたいけど無理かも……」
ソニア側には若干の余裕がありそうだが、こちらも言う程楽が出来ているわけでもなかった。
ガンマ線バーストの反動と、スーパーアポロンソードの振り回しの風圧だけでも相当にきつい。
それでも尚、二人は『演技』をし続ける。
スーパーアポロンには、そのままガンマ線バーストを浴び続けてもらわなければならないからだ。
少しでも逸れて地上に降り注ぎでもしたら、大変なことになってしまう。
「ふはははは! 我の攻撃の前に手も足も出ないか!?」
その瞬間を待っていた。
調子に乗ったスーパーアポロンの隙を突いて、周囲に余波が出なさそうなタイミングでソニアが『捨て身の一撃』突進を決めたのだ!
「空に撥ね飛ばしちゃおう!」
「!?」
これに驚き大きく軌道を変えそうになるスーパーアポロンを何とか元位置に戻しつつ、そんなソニアのことは知香の癒しの星光がサポートする。
ドカンドカンと体当たりを決めるソニア、重力で敵を位置固定しつつ、味方に回復の力を使う知香。
最後にはブラフでもなんでもなく、本当にギリギリの戦いが続き……ガンマ線バーストの恩恵が無くなったタイミングで遂にスーパーアポロン側が頽れた。
「ぐお……ッ……」
金色に光っていた体躯は埃塗れになり、ズズズ……と重力に押しつぶされるままに瓦礫の中へ倒れ込んでいく。
「な、何とかやったみたいだね……!? 大丈夫かい、ソニア?」
「わーん! 知香ちゃんありがとう~!」
ガンマ線バーストの周辺被害はなし、スーパーアポロンは動かない。
やっと落ち着いてみると、どっと疲れが押し寄せてくるようだった。
ヘリとキャバリアから降りた二人は、改めて状況を確認する。
結局のところ、終わってみれば敵を騙すつもりがそんな余裕もなく。
二人は抱き合い、互いの無事を祝い合った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
杓原・潤
うーん、太陽の力かぁ……強そう!
強そうだけど、まだパワーアップに使う方がマシって所はラッキーかもね。
ちょっと単純な子っぽいし、上手くうるうの挑発に乗せてあげちゃおう!
とゆー事で今回の魔法はこれ!
深海には太陽の光だって届かない。
ガンマ線バーストを弱められるかどうかは分かんないけど、スーパーアポロン君や周りのデウスエクスはきっと動き辛くなるはず。
こんな水圧で動けないのぉ?
それで全力ぅ?
その程度じゃまだまだパワーが足りないんじゃない?
テルビューチェに乗ってれば深海適応で動けるから、煽るのだって楽勝!
後は敵が深海に戸惑ってる間に噛み付いちゃえ!
テルビューチェの怪力は結構すごいんだから!
「うーん、太陽の力かぁ……強そう!」
杓原・潤(鮫海の魔法使い・f28476)もまた、予兆のデータを確認していた猟兵の一人である。
海とも鮫とも無縁の戦場ではあるのだが、キンピカに輝く敵に何となく興味を惹かれてやってきた。
常であれば、母なる海を照らす太陽はとても重要な役割を果たしているのだが、今回の太陽は少しばかり危険を孕んでいるようであった。
(強そうだけど、まだパワーアップに使う方がマシって所はラッキーかもね)
ガンマ線バーストのほうが厄介だ。
確かに敵は強化されてしまうのかもしれないが、これを他に当ててしまうほうが危険だというのだから、なかなか難しいことを要求されているのは確か。
「ちょっと単純な子っぽいし、上手くうるうの挑発に乗せてあげちゃおう!」
こうなったら、敵をサンシェード代わりに何とかうまく利用してやるしかない。
グリモアの予兆あっての下準備をありがたく整えて、瓦礫の積もる平地に敵を誘導することにした。
あとは、耐えながらの討伐で問題ないだろう。
「とゆー事で今回の魔法はこれ! 深海には太陽の光だって届かない」
戦場に到着するなり、潤がユーベルコードを宣言した。
「行きますよっ、シェイプ・オブ・ウォーター!」
【ソーダ水の雨】を降らせる事で、戦場全体が【深海】と同じ環境に変化、[深海]に適応した者の行動成功率が上昇する技である。
なるほど、地の利を生かす作戦である。
しかも、環境属性変化に近いだけの雨を降らせるというのはなかなかに大変ではあるのだが、これがかなりの効果をもたらし、あっという間に戦況は潤にとって馴染み深い「深海」に状況を変えた。
これに慌てたのは、スーパーアポロンだ。
太陽光のガンマ線バーストによるパワーアップを期待していたのだが、周囲が深い湿気に満ちてきたので何事かと見やると、そこに現れていたのが猟兵の潤であった。
「貴様、我の作戦の邪魔をしようというのか……!」
(ガンマ線バーストを弱められるかどうかは分かんないけど、スーパーアポロン君や周りのデウスエクスはきっと動き辛くなるはず)
スーパーアポロンは必殺の、『スーパー絶対暴食令』を発動する。
【周囲のデウスエクスが絶対暴食モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得るが、代わりに理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続けるという技だ。
ガンマ線バーストに期待できないところを、デウスエクス召喚で補おうというのだろう。
それはそれで厄介ではあるが、地の利があるぶん潤にとっては動きやすい戦場となっていたため、これをうまく回避すべく作戦は練ってある。
「こんな水圧で動けないのぉ? それで全力ぅ? その程度じゃまだまだパワーが足りないんじゃない?」
ここぞとばかりに高い煽り力を使う潤。
自身は魔力と思考で操る事が出来る魔法のキャバリア、テルビーチェに乗り込んでおり、深海適応で動けるのですいすいと攻撃を躱していく。
深海のようで、深海ではない、だけどちょっとだけ深海っぽい戦場は荒れに荒れた。
デウスエクスもスーパーアポロンも動きが鈍り、ガンマ線バーストも届きにくい(が、きちんとスーパーアポロンに降り注いではいる)。
「後は、敵が深海に戸惑ってる間に噛み付いちゃえ! テルビューチェの怪力は結構すごいんだから!」
まずは召喚されたデウスエクスに噛みつき攻撃を仕掛ける潤。
その殆どが、全く予期していなかったであろう水の圧と視界の悪さに次々落とされていく。
残る個体も逃げ惑いながら同様にもごもごしているうちにやられていった。
「小癪な!」
「あとはスーパーアポロンくんだけだね! 潤にかかればこんなの楽勝だよ」
「貴様~!」
煽られ耐性が低すぎて潤の思う壺にまんまとハマったスーパーアポロンは、弱ったガンマ線バーストを背にしつつ、テルビーチェに襲い掛かってくるのだが、思ったように力を出し切れずにやはり噛みつき攻撃で深手を負っていく。
「くっ、太陽光の力さえあれば、このようなことには……」
「勿論知ってるよ! だから工夫したんだ」
ガブリ、とまたテルビーチェの噛みつき攻撃がヒットする。
そこから二、三回程度でスーパーアポロンが力尽き、疑似深海に沈んでいく……。
うんうん、やっぱり鮫魔術は最高! と潤はテルビーチェのコクピットで深々と頷いた。
やがて、魔術の効果は薄れ、ガンマ線バーストも止み、辺りはきらきらと通常の太陽光に照らされて輝いていく。
深海でも勿論動けるけれど、太陽の元で大きく伸びをすると気持ちがいい。
「テルビーチェ、ありがとうね!」
しゅるり、と音を立ててどこかへ消えていく……呼べばどこでも現れるすごいヤツは、去り際もクールだ。
さて、食事は大好物のグラタンにして、ご褒美にクレープも食べてしまおうかと戦場をるんるん気分で戦場を後にする潤なのであった。
大成功
🔵🔵🔵
雨河・知香
ソニア(f40904)と
…いい感じに決めて祝いたい所だけどこの位じゃまだ起きてくるか。
完全に倒す為にもう少しいけるかい、ソニア。
いけるなら徹底的にやってやろうじゃないか!
オルテュクスから降りたまま接近戦を。
UC起動、偽りの月を浮かべ身体機能活性化させて突撃!
炎蝗の群れは動きと範囲を見切り躱すようにステップ踏んで前へ。
片腕と足が動かなくなったら厳しいから、危機には齧られぬよう先に拳叩き込んで散らしていくよ!
敵から見たら炎蝗に囲まれ絶体絶命って感じだろうが…炎耐性と超再生力で耐える。
ソニアの援護射撃に合わせ一気にスーパーアポロンに飛び込み拳の連打ボディに叩き込んでやろうか!
※アドリブ絡み等お任せ
ソニア・コーンフィールド
知香ちゃん(f40900)と!
ちょっと思考は残念でも太陽神だけあるね…!
でも本気でギリギリなら向こうにまだ油断はある筈。
きっとあと一押し、頑張るよ!
熾天怪獣王から降りたままガジェットでの射撃戦へ。
怪獣王動作不良で動かない!?(※壊れてません)
厳しくても直接戦うしかない…とか満身創痍感を見せつけ先の一撃以上はないと思わせる。
炎蝗の群れはダッシュで回避しつつ水属性帯びさせた弾丸で散らし、火炎耐性で耐えつつ凌ぐね。
限界ギリギリで躱しつつ向こうの油断を見切ってUC起動!炎蝗の群れに有効な水のガジェットを召喚!
魔竜力で進化させた全力の一撃を狙撃でぶち当てる!
そして知香ちゃんお願い!
※アドリブ絡み等お任せ
(……いい感じに決めて祝いたい所だけど、この位じゃまだ起きてくるか)
雨河・知香(白熊ウィッチドクター・f40900)は感じ取っていた。
まだ、太陽神スーパーアポロンが完全に倒せたわけではないということを。
満身創痍で突撃した後も、まだ少し起き上がれそうに震えている体躯を見て、確実な一手が必要だと改めて判断した。
(ちょっと思考は残念でも太陽神なだけあるね……! でも本気でギリギリなら、向こうにまだ油断はある筈)
ソニア・コーンフィールド(西へ東へ・f40904)もまた、キャバリアとスーパーアポロンの状態を交互に確認しながら討伐継続を思案している。
お互いの無事はこうして祝えたものの、起き上がろうとする敵相手に次の攻撃をどう決めるか……再び戦況を見て決めなければならない。
「完全に倒す為にもう少しいけるかい、ソニア。いけるなら徹底的にやってやろうじゃないか!」
「きっとあと一押し、頑張るよ!」
二人の猟兵は、再び手を取り合い立ち上がった。
「おのれ……我をこのように地に付かせるとは、小癪な」
スーパーアポロンがぐぎぎ、と手足を震わせ立ち上がろうとしている。
まだそれだけの気力が残っているということだ、油断ならない。
「怪獣王……動作不良で動かない!?」
(壊れてはいないみたいだけど、連続使用は厳しそう)
知香はオルテュクスから降りたまま接近戦を、ソニアもまた熾天怪獣王から降りたままガジェットでの射撃戦へと戦法を変えて挑み直す。
「厳しくても直接戦うしかない……」
満身創痍感を見せつけ、先の一撃以上はないと思わせる『作戦』でもあった。
『さあ気合い入れていくよ!』
知香がユーベルコード:|空に輝く活力の銀光《ルナティックハイ》を発動させた。
偽物の【生命力を賦活化させる輝きを放つ銀の満月】を創造し、戦場上空に浮かべることで、【身体機能が活性化した状態でのボクシング】による連続攻撃能力と超再生能力を得る技だ。
「身体機能活性化させて突撃!ってね」
対するスーパーアポロン側も、必殺のスーパー蝗群捕食を繰り出してきた。
【高温の炎で出来た蝗の群れ】を広範囲内の対象1体に飛ばしてくる。
ダメージを与え、【炎蝗がその熱で噛み千切った】した部位の使用を160秒強程度の間封じるのだ。
未だこの技を繰り出せる力を残していたというのだから恐ろしい。
まともにダメージを喰らえば、炎蝗の灼熱攻撃が連続して襲い掛かってくることになる、かなり厳しくなるだろう。
炎蝗の群れをダッシュで回避しつつ、水属性帯びさせた弾丸で散らし、火炎耐性で耐えつつ凌ぐソニア。
知香もまた、炎蝗の群れを見て、動きと範囲を見切り躱すようにステップを踏んで前へ進む。
敵のスーパー蝗群捕食は一体を狙う技のようなので、知香が率先して前に出てこれを引き受けようというのだ。
(片腕と足が動かなくなったら厳しいから、危機には齧られぬよう先に拳叩き込んで散らしていくよ!)
肉弾戦は持久力の問題もあり、長くは持たないのを考慮して動かなければならない。
敵から見れば『炎蝗に囲まれ絶体絶命』といった感じだろうが……炎耐性と超再生力で耐える知香。
二人共に、半ば自棄にも見える攻撃を繰り出しているように演出しながら、スーパーアポロンの油断を誘おうという魂胆である。
限界ギリギリで敵の攻撃を躱しつつ、向こうの油断を見切って……ソニアのユーベルコード:ドラゴンガジェット・イグニッション! が発動する!
『とっておき、見せてあげるね!』
いま戦っている対象に有効な【無限に進化する魔竜の力を宿したガジェット】(形状は毎回変わる)が召喚される。
使い方を理解できればかなりの強さを発揮出来るだろう。
今回は炎蝗の群れに有効な水のガジェットを召喚し、魔竜力で進化させた全力の一撃を狙撃でぶち当てる!
豪快な水しぶきが、炎蝗たちを無力化……それだけではなく、完全に水圧で圧し潰していった。
「知香ちゃんお願い!」
ソニアの援護射撃に合わせ、知香が一気にスーパーアポロンに飛び込み、拳の連打をボディに叩き込んでいく!
ドカンドカン! と派手な音がしてクリーンヒットした!
「うぐぉ!?」
「そろそろ、沈みな……!」
流石にこれは効いたようだ、スーパーアポロンは口から粘液のようなものを吐き出して、泡噴く。
そのまま小刻みに震えると、再び地面に伏した。
……今回は流石に、そのまま起き上がる気配もなさそうである。
「今度こそやったみたいだね……! ソニア、無事かい!?」
「やったあ! ありがとう知香ちゃん、わたしたち頑張ったよ!!」
うん、うんと互いに頷きあい、勝利を噛み締める。
雲の晴れ間から太陽の光が降り注ぎ、水しぶきの後をきらきらと照らしていく。
ガンマ線バーストの脅威も完全にない、綺麗な空が広がると、大きな虹も確認出来る。
清々しい勝利の空気をたくさん吸い込んで、二人は手を取りお互いの無事を喜んだ。
大成功
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