ケルベロス・ウォー⑪〜この手に太陽がある限り
●ケルベロスディバイド・東京にて
「弟より優れた兄など存在しない!兄アポロンより優れているから、我が名は太陽神スーパーアポロンなのだ!」
長く続いたケルベロス・ウォーも終局に向かいつつある中、突如東京の上空に現れたのは、ケルベロスディバイドを新緑している最後の十二剣神『太陽神スーパーアポロン』である。
「知っているぞ、ケルベロス共よ!この星の先には、兄の支配する『ブレイド世界』があるのだろう!?そしてお前達はどうせ、我が兄に負けて逃げ延びてきたのだろう!どうだ、図星で声も出ないか!ンナハハハハハハハッ……!!」
そう高らかに哄笑しながら語り続けるスーパーアポロンに、ケルベロス達は怪訝な表情を浮かべる。
何故ならブレイド世界が支配されている事実も、ましてや逃げ延びてきた事実などないからである。
「だが残念だったな、我は兄よりも優れし真の太陽神、スーパーアポロン!もちろんこの宇宙に輝く無数の太陽も、全て我が創造物!お前達に勝ち目など無い!ガンマ線バーストを浴びたこのスーパーアポロン自らの手で、蹴散らしてくれる!」
まるで自分達が優勢であり、最後の止めに攻めて来たとばかりのスーパーアポロンの態度に、地上のケルベロス達は憤慨するのだった。
●グリモアベースにて
「これが私のケルベロス・ウォーでの最後の予知になりそうかな」
それだけケルベロス・ウォーも終わりが近いのだと、グリモア猟兵のリリスフィアは予知した内容を伝える。
「最後の十二剣神『太陽神スーパーアポロン』が何を勘違いしているのか、自分から東京攻めて来る光景が見えたよ。未だに自分達の勝利を疑っていないみたいだね」
既に制圧された十二剣神もいるにも関わらずの、スーパーアポロンの行動にリリスフィアも疑問の表情を浮かべている。
「でもある意味、開き直っての特攻であるとも取れるかな。勘違いしているだけに厄介な相手とも言えるね」
太陽神スーパーアポロンは攻めてきた十二剣神の中では最も実力は低い、だが問題なのはスーパーアポロンが、太陽から莫大なガンマ線バーストを自在に操ることが出来る事である。
「ガンマ線バーストを自分のパワーアップの為だけに使ってくれているうちはまだいいけれど、もしガンマ線バーストが地上に向けられることがあれば大変な被害を受けてしまうんだ」
どの世界の太陽だろうと、その力を疑う者などいない。
その莫大な力が地球に向けられるとなれば、十二剣神以上の危機となるだろう。
「だからスーパーアポロンがその事に気付く前に、倒して欲しいんだ」
東京内に駐屯しているケルベロス達も協力を申し出てくれてはいたが、下手に追い詰めてスーパーアポロンにガンマ線バーストの有効性に気付かれるの可能性も高まるので丁重に断ったとリリスフィアは告げる。
「その代わりに万が一、ガンマ線バーストが地上に向けられた時に備えて住人達の避難活動に回ってもらう事にしたよ。だから皆は思う存分に戦ってもらえればいいかな」
太陽神スーパーアポロンはパワーアップする事で、他の十二剣神と同等以上の力を得ている。
その状態で戦い続けさせなければならないのだから、厳しい戦いになることは間違いない。
「スーパーアポロンは猟兵達の事も甘く見ているようだけれど、だからといって甘く見て痛い目に合わないようにかな」
この戦いに勝利しても、決戦配備が間に合わずスーパーアポロンを完全に滅ぼす事は恐らくは出来ないだろう。
それでも勘違いが故に莫大な被害を生み出すような行為は、必ず阻止して欲しいとリリスフィアは頭を下げるのだった。
吾妻 銀
吾妻 銀です。
ケルベロス・ウォーの11本目のシナリオとなります。
戦争シナリオとなりますので、1章構成となります。
十二剣神『太陽神スーパーアポロン』とのボス戦となります。
難易度はやや難ですので判定は厳しめとなります。
プレイングボーナスは「降り注ぐガンマ線バーストをスーパーアポロン以外に当てさせないよう戦う。」となります。
なお予兆で語られた兄はTW5で死亡済です。
参加受付はOP公開後からとなります。
断章はありません。
締め切りは参加状況を見て、タグに記載します。
それでは皆様の参加をお待ちしております。
第1章 ボス戦
『十二剣神『太陽神スーパーアポロン』』
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POW : スーパーアポロンソード
自身の【太陽の光を凝縮したスーパーアポロンソード】が触れた対象に【太陽の如き熱エネルギー】を注ぎ込み、身体部位をねじ切り爆破する。敵との距離が近い程威力増大。
SPD : スーパー蝗群捕食
【高温の炎で出来た蝗の群れ】をレベルm半径内の対象1体に飛ばす。ダメージを与え、【炎蝗がその熱で噛み千切った】した部位の使用をレベル秒間封じる。
WIZ : スーパー絶対暴食令
【周囲のデウスエクスが絶対暴食モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
イラスト:カス
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
カグヤ・アルトニウス
〇答えはシンプルに
こいつがアポロンの弟…本来はヘラクレスとかじゃないのかはさておき…
どこまで通用するか分かりませんが、頑張ります
アドリブ歓迎
(行動)
ガンマ線バースト封じの為にまずは、UCで「地球が夜の時の月の裏側」を再現します
そうすると、周囲は極低温になり、力の源となるはずの太陽は足元の「月の彼方の地球の向こう」になり、本来は周囲にいるはずのデウスエクスも一時的ですが「月面にはいない」事になるのでようやく勝負になる感じですね
(読心術+瞬間思考力+第六感)で行動を先読みし、多重テレポートによる(残像+催眠術+フェイント)で攻撃を封じ、(マヒ攻撃)を乗せた二重突き(急所突き+二回攻撃)で攻めます
杓原・潤
つまりガンマ線浴びよー!って敵に思わせながら戦えって事ぉ?
うーん、相手が強いのはヤだけど街が壊れるのはもっとヤだしね。
頑張るよ!
とにかくまずは暴食モードのデウスエクスを切り抜けなきゃ!
おいでフィン君、一緒に飛ぼう!
フィン君に乗って全力で飛べばデウスエクスも追い掛けて来るはず。
雷の属性攻撃を込めた泡をたくさん周囲に漂わせて、雷のマヒ攻撃で時間稼ぎしよう。
そんな感じで無差別攻撃から逃れつつ、フィン君のチェーンソーでスーパーアポロンに攻撃!
斬り結びながら「さすが太陽の力、すごいパワー……!」みたいな感じで褒めちゃう。
こっちもフィン君の怪力で、相手にパワーアップしてなきゃって思わせられるよう頑張るよ!
リリエッタ・スノウ
んっ、相手はスーパーアホっぽい十二剣神だけど、
相手がどんなにあほでもリリはまじめに任務をやりとげるよ!
蝗の群れをメテオ・バレットの流星群で蹴散らそうと思ったけど……
流星から着想を得てガンマ線バーストを攻撃に使うかもしれない?
念のため別の攻撃にしておくよ。
駆け回りながら【ストーム・バレット】で蝗を迎撃。
このままパワーアップされたらリリの攻撃じゃ間に合わないかも……と弱音を吐くフリをしておくよ。
調子に乗ってドンドン自分にガンマ線バーストを集中させたら足を止めて攻撃速度を一気にあげちゃうね。
※アドリブ連携大歓迎
ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
…奴の兄の事は知らんしその兄の世界の事なんかなんも知らん!
だが…こいつはバカだという事は分かった!
なら騎士道被れのド阿呆ことベルト・ラムバルドが馬鹿と戦うぞ!行くぞ!
キャバリア操縦し発進!
しかし人類にヤバいガンマ線をどう防ぐ?ならばヤバくてカワイイ物で覆い隠す!貴様もろともな!
UC発動しキャンピーくん印の巨大テントで戦場を敵ごと覆い隠してガンマ線を防ぐ!
そしてローラーダッシュで敵からすいーっと逃げ続ける!
超攻撃力と超耐久力を得てもおつむがカラッポならテントも壊せないし意味がない!
このまま奴がばてるまで鬼ごっこだ!追いついてみろってんだこの金ぴかイナゴ野郎!ムフフ…戦略は頭よ頭!
賤木・下臈
どうも、スーパーアポロンさん。いつぞやの黙示録指令の御礼参りに伺いました。相手が太陽の力で強化するならば、私はあやしきげろう座(ない)の力を借ります。とはいえ、とうの昔に爆発した星座の力ではスーパーアポロンの圧倒的武威を抑えられません。しかしあの恐るべき剣の切っ先を乗り越えなければ、人類に未来はありません。
私の力では、自分の傷を癒しつつ粘るも持つ武器のほとんどを敵の剣に砕かれ、最後に残った武器でようやく少しの傷をつけるのが精いっぱいでしょう。もはや打つ手はなく撤退するべきですが、スーパーアポロンには動き回って欲しくないので、追いかけっこは避けるべきです。他の猟兵に素早く交代する形で逃げます。
雨河・知香
ソニア(f40904)と
兄弟揃ってブラック企業体質な上にこっちは特大の爆弾持ちとか本当、もうね。
とにかくガンマ線降らせて大災害に、ってのは阻止しないと。
頑張ろうか、ソニア!
UC起動、偽の月を浮かべ身体能力活性化させて殴りにかかるよ!
炎の蝗は見切ってダッシュで回避、当たる場合でも片腕と両脚は齧られ封じられないようガードかぶん殴り相殺狙う。
火炎耐性で多少は堪えられるかもだが群れに包囲されないように。
突破したら殴り飛ばさないよう注意しつつボディブロー連続で叩き込んでやる!
何て固い…これが十二剣神、それも強化された力…!と弱気になってる風に演技して別の策へ意識向けさせないように。
※アドリブ絡み等お任せ
ソニア・コーンフィールド
知香ちゃん(f40900)と!
こっちのスーパーな所業的にも何というか…迷惑神?
勘違いとかしてるかもだけど爆弾抱えたまま特攻仕掛けてくるのは勘弁してほしいよね!
地球守るためにガンバロー、知香ちゃん!
UC起動、魔竜の力を宿したガジェット召喚!
背負うタイプの水タンクに水鉄砲…先端部分の形は水撒きのノズルみたいだから拡散もできる感じ?
広範囲に魔竜パワーの高圧の水ばら撒き炎蝗を消火しつつそのままスーパーアポロンにも喰らわせる使い方かな。
襲い掛かる蝗を飛び回りつつ迎撃、知香ちゃんを援護するね。
本当強い…このまま押されたら…!とかこのまま強化で押し切れると敵に思わせるよう演技もするね!
※アドリブ絡み等お任せ
「ンナハハハハハハハッ……!!ぞろぞろと群がってきたな。真の太陽神、スーパーアポロンが余程怖いと見える!」
太陽から莫大なガンマ線バーストを得て有頂天な様子の十二剣神『太陽神スーパーアポロン』は、集結した猟兵達を前に高らかに笑う。
だがスーパーアポロンは知らないのだ。
今相手にしようとしている猟兵達は、決して逃げ延びただけの存在などではなく、ケルベロス・ウォーを戦い抜いた歴戦の猛者達であることを。
「こいつがアポロンの弟…本来はヘラクレスとかじゃないのかはさておき…こんにちは、ニューアース星人です」
カグヤ・アルトニウス(とある辺境の|私掠宇宙海賊《プライベーティア》・f04065)はシンプルに挨拶だけ済ませると、UCの発動準備を始める。
勘違いをしているとはいえ、相手は十二剣神、果たしてどこまで通用するか分からないが全力を尽くすのみである。
「ハハハ、ニューアース星人?聞いたことがないな。どうせ滅ぼすのだからどうでもいいがな!」
スーパーアポロンは配下のデウスエクス達に、スーパー絶対暴食令を下した。
「グルアアアア!」
配下のデウスエクス達は理性を失う代わりに、強大な攻撃力と耐久力を得て、カグヤを初め猟兵達に襲い掛かる。
「つまりガンマ線浴びよー!って敵に思わせながら戦えって事ぉ?うーん、相手が強いのはヤだけど街が壊れるのはもっとヤだしね。頑張るよ!」
「フハハハ!せいぜい頑張る事だ。簡単に倒れてもらっては我が出来てきた甲斐がないのでな」
スーパーアポロンの嘲笑と共に迫り来る暴食モードのデウスエクス達を前に、杓原・潤(鮫海の魔法使い・f28476)は意気込んで、フィン君を召喚する。
フィン君はロサンゼルス在住でサーフィンとチェーンソーの扱いが上手なサメである。
潤はフィン君の背中に乗って、一緒に空を飛び回る。
「グルルルル!」
理性を失ったデウスエクス達はただ動くものを優先的に狙い、ひたすら潤とフィン君を追いかけ回すのだった。
「んっ、相手はスーパーアホっぽい十二剣神だけど、相手がどんなにあほでもリリはまじめに任務をやりとげるよ!」
「んんん?お前、我をアホと言ったのか!」
呆れたようなリリエッタ・スノウ(ちっちゃい暗殺者・f40953)の発言は、スーパーアポロンの耳にしっかりと届いていたようである。
幼い見た目の少女にアホ呼ばわりされた事が、よほど腹に立ったのかスーパーアポロンは、高温の炎で出来た蝗の群れをリリエッタに差し向ける。
本来ならメテオ・バレットによる流星群で一気に蹴散らすところだが、流星から着想を得たスーパーアポロンがガンマ線バーストを地上を巻き込んだ攻撃に転用される可能性がある。
だからリリエッタはストーム・バレットで蝗を迎撃することにした。
二丁拳銃から無限に供給される魔力の弾丸が、蝗を次々と撃ち落していくも、それだけでは全ての蝗を撃破しきれない。
「リリの攻撃じゃ、このままだと間に合わないかも……」
「わははははは!愚かな子供よ。せめてもの情けだ。我の力を思い知ってから消えるがいい」
弱音を吐くリリエッタに優勢と見たスーパーアポロンは、調子に乗ってガンマ線バーストを自身だけに浴びせて更なるパワーアップを図った。
「…奴の兄の事は知らんしその兄の世界の事なんかなんも知らん!だが…こいつはバカだという事は分かった!」
リリエッタの思惑に気付かない様子に、ベルト・ラムバルド(自称、光明の暗黒騎士・f36452)は、スーパーアポロンが間違いなく馬鹿であると確信する。
「我を馬鹿にする愚か者がまだ居たのか!」
自信過剰な者ほど悪口には敏感らしい、戦いの最中でもスーパーアポロンはベルトの言葉を聞き逃さず、暴食モードで強化したデウスエクス達に攻撃の指示を下す。
「なら騎士道被れのド阿呆ことベルト・ラムバルドが馬鹿と戦うぞ!行くぞ!」
専用のクロムキャバリアに乗り込んだベルトは、巧みに操縦して襲い掛かるデウスエクス達を次々と蹴散らしていく。
「そのような人形で身を守ろうと無駄な事よ!」
だがすぐにまた別のデウスエクスの部隊が現れる。
「ウガアアアアア!」
スーパーアポロンの影響を受けてか、彼等もこの戦いを勝ち戦であると思い込んでいるようだ。
「どうも、スーパーアポロンさん。いつぞやの黙示録指令の御礼参りに伺いました。スーパーアポロンが太陽の力で強化するならば、私はあやしきげろう座(ない)の力を借ります」
「ふん、星座の力など我が太陽の力の敵ではないわ!」
スーパーアポロンはそろそろ一人は仕留めておこうかとばかりに、太陽の光を凝縮したスーパーアポロンソードを手に、与しやすしと見た賤木・下臈(おいしいクッキーです・f45205)にへと斬りかかる。
スーパーアポロンの言葉通り、とうの昔に爆発した星座の力だけでは、太陽の力を抑えきることは出来ないだろう。
「しかしあの恐るべき剣の切っ先を乗り越えなければ、人類に未来はありません」
あやしきげろう座の重力でも太陽の光を抑えきれずに、その身を焼かれながらも下臈はあやしきげろう座の光で自らを癒しつつ立ち続ける。
「ほう…少しは頑張るようではないか。だが我の力はまだ半分も出していないぞ!」
スーパーアポロンはも下臈の所持している武装を次々と破壊して見せ、下臈自身をも剣圧だけえで吹き飛ばした。
だがそれでも下臈はまだ倒れない。
「兄弟揃ってブラック企業体質な上にこっちは特大の爆弾持ちとか本当、もうね」
「こっちのスーパーな所業的にも何というか…迷惑神?勘違いとかしてるかもだけど爆弾抱えたまま特攻仕掛けてくるのは勘弁してほしいよね!」
態度のデカさも配下の扱いの悪さも目の当たりにしながら、ウェアライダーの雨河・知香(白熊ウィッチドクター・f40900)とドラゴニアンのソニア・コーンフィールド(西へ東へ・f40904)は互いに頷いて同時に挑みかかる。
「とにかくガンマ線降らせて大災害に、ってのは阻止しないと。頑張ろうか、ソニア!」
「地球守るためにガンバロー、知香ちゃん!」
そして二人は同時にUCを発動させる。
「ふん、同時に攻めて来ようと結果は同じことよ!」
スーパーアポロンは二人だけでなく、猟兵達を一網打尽にすべく先程よりも更に大量の炎蝗を群れを放った。
炎の蝗の動きを見切ってダッシュで回避しようとする知香だが、全てを回避することは出来ずガードしつつ、ぶん殴って迎撃するが足が止まってしまう。
そんな彼女をフォローするかのように、ソニアが魔竜の力を宿したガジェット召喚する。
背負うタイプの水タンクに水鉄砲、先端部分の形は水撒きのノズルみたいだから拡散もできるイメージから作り出されたガジェットは広範囲に魔竜パワーの高圧の水ばら撒き、炎蝗の群れをまとめて消化していく。
と、ここまでは猟兵達はスーパーアポロンにガンマ線バーストを地上に向けさせる発想に気付かせる事無く戦い続ける事は出来ていたのだが……。
「…思っていた以上にしぶとい奴等よ。ならばこのスーパーな太陽の力でまとめて葬り去ってくれようぞ!」
だが思うように猟兵達を倒せないでいる事に業を煮やしたスーパーアポロンは、地上をも巻き込んだ広範囲の攻撃を仕掛ける考えに至ってしまう。
「そうはさせませんよ!」
だがその前にスーパーアポロンに接近したカグヤが地球が夜の時の月の裏側を再現する。
「な、何が起きている?」
東京内で戦っていた筈だが、突如月面世界が広がり、スーパーアポロンは困惑した表情を浮かべる。
「ここでならようやく勝負になる感じですね」
周囲は極低温となり、スーパーアポロンの力の源となるはずの太陽は足元の『月の彼方の地球の向こう』ということになっており、周囲にいたはずのデウスエクスの姿もない。
その代わりに他の猟兵の援護も受けられないが、今だけはカグヤ一人でも同等以上に戦う事が出来るのである。
「その程度で我と勝負になるつもりか」
それでも残されていたガンマ線バーストの力で果敢に挑むスーパーアポロンに対し、カグヤはその行動を先読みし、多重テレポートによるで攻撃を封じ、光の太刀による二重突きでスーパーアポロンを逆に追い込んでいく。
「おのれ…よくもこの我に傷を!」
カグヤに翻弄され焦りの表情が浮かぶスーパーアポロン。
だが、そんな彼にとって好機が訪れてしまう。
「グギャアアア!」
何の前触れもなくスーパーアポロンの配下のデウスエクス達が現れカグヤに突撃してきたのである。
「成程…そういう事か」
本当に月面世界に居る訳ではなく、あくまでそう認知させられているだけ、だから配下も本当に居なくなったわけではないのである。
「こんな子供だましで我を騙せると思っていたとはな。だが少しは楽しませてもらったぞ」
そして月面世界の範囲にも限りはあることにも気付いたスーパーアポロンは、カグヤの相手は配下のデウスエクス達に任せて自身はこの認知世界からの脱出を優先する。
「仮にも十二剣神だけあって、少しは頭は回るみたいですね…でも、すぐにこの世界から出た事を後悔する事になりますよ」
何故なら脱出したスーパーアポロンを待っているのは地獄なのだからと、カグヤは確信して襲い掛かるデウスエクス達の排除を優先する事にした。
「さすが太陽の力、すごいパワー……!」
月面世界の範囲から抜けたスーパーアポロンと真っ先に遭遇したのは、フィン君に騎乗した潤であった。
「小娘が、まだ生きていたとはな!だがもう逃げられんぞ」
「ガアアアアア!」
潤の背後に狂乱した様子のデウスエクス達が追いかけてくる様子に、スーパーアポロンはニヤリと笑う。
「それはどうかな?」
潤は雷の属性攻撃を込めた泡をたくさん周囲に漂わせていたのである。
「グギャアアアア!」
そうとは知らずに突っ込んできたデウスエクス達は泡から発せられる雷にマヒしてしまい足止めされてしまう。
「さぁ行くよ、一緒に飛ぼう!」
潤はフィン君と共にスーパーアポロンに突撃する。
フィン君の頭の角のように生やした巨大チェーンソーは、スーパーアポロンといえどもまともに食らえばタダでは済まない。
「ぐ…これはまずい!」
フィン君の怪力に圧されつつ、危機感を覚えたスーパーアポロンは一度は供給を絶たされていたガンマ線バーストを再び自身に浴びせてパワーアップを図ろうとする。
「んっ、ここに居たんだね!」
そこへ炎蝗の群れを撃退したばかりのリリエッタが駆けつけ、ストーム・バレットによる一斉射撃をお見舞いする。
足を止めたスーパーアポロン相手なら、自身もまた足を止めて攻撃速度を一気に加速する事も出来るのだ。
「小娘共が調子に乗りおって!」
リリエッタから放たれた魔力弾をその身に浴びつつ忌々し気に、スーパーアポロンソードを振り回して二人を遠ざけさせる。
「んっ、アホでもにしぶといね」
かなりのダメージを与えたものの、再びガンマ線バーストの力を得たスーパーアポロンの耐久力も尋常ではなかった。
だが追い詰めている事には変わりはなく、最早ガンマ線バーストを自身以外に向けさせるような余裕はないだろう。
「男も居る事を忘れてもらっては困るな!」
新たにデウスエクス達の群れから逃げ回っていたベルトが合流する。
「おのれ…配下達は何をしているのだ!」
いつの間にか大勢いたはずのデウスエクス達が居なくなっている事にスーパーアポロンは気付く。
「奴らは今頃キャンプでもしているんじゃないか?あそこに見えるだろ」
ベルトが指差した方角には巨大なテントが立てられていた。
「奴らもろともヤバくてカワイイ物で覆い隠すってな。貴様もろともとはいかなかったが」
ローラーダッシュで逃げ続ける事で、あらかたのデウスエクス達を集めたベルトは、UCによるキャンピーくん印の巨大テントで戦場を敵ごと覆い隠したのである。
「超攻撃力と超耐久力を得てもおつむがカラッポならテントも壊せないし意味がない!今頃、ばてるまで鬼ごっこしているだろう!」
「ぐ…卑怯な真似を!」
頼みの綱でもあった圧倒的な数の配下も封じられ、スーパーアポロンに焦りの表情が浮かぶ。
「悔しいか金ぴかイナゴ野郎!ムフフ…戦略は頭よ頭!」
悔しそうにしているスーパーアポロンの様子にベルトのテンションも爆上がりである。
「後はお前を倒すだけだね!」
知香とソニアも合流して、ただ一人残ったスーパーアポロンに向かって連携攻撃を仕掛ける。
「我が兄に負けて逃げ延びてきたただけあって、逃げ足は速いようだな。今こそ我の本気を見せてくれようぞ、ンナハハハハハハハッ……!!」
追い込まれていることを自覚していないのか、それでもスーパーアポロンは太陽の如き闘志を消す事無く、UCを発動する事無く内包していたガンマ線バーストの力だけで、二人の連携攻撃を耐えて見せた。
「何て固い…これが十二剣神、それも強化された力…!」
ボディブローを連続で叩き込んだにも関わらず、崩れる様子のない頑丈さに知香は弱気になってしまう。
「本当強い…このまま押されたら…!」
伝染したかのようにソニアもまた弱気な態度をみせる。
「頑張ったようだが所詮はそこまでよ。せめてのも情けに我が本物の力を見せてやろう」
二人の弱気な様子に勝機を見出したスーパーアポロンは更にガンマ線バーストを浴びてパワーアップを図ろうとする。
だが次の瞬間、覚えのある悪寒が走った。
「またようこそ、私の認知世界へ。何度でも歓迎しますよ」
先程撒いた筈のカグヤが追いつき、再び極寒の月面世界を展開したのである。
「先程はデウスエクス達も居たから皆さんも呼べませんでしたが今は違いますからね」
ベルトの策によってデウスエクス達を隔離させた今こそ、猟兵達とスーパーアポロンだけの戦場を作り上げる事ができたのである。
そして認知世界とはいえ、月面世界では太陽からガンマ線バーストを供給する事が出来ない。
「あやしきげろう座は全部爆発していますから、見えなくても関係ないのです、はい」
下臈は月面世界だろうと失われることのない、あやしきげろう座の光でこれまでの戦いで少なからず傷ついていた猟兵達を回復して回る。
「うっとおしい奴め!」
「後は任せましたよ」
これまでの苦労が無に帰されたように思えたスーパーアポロンは、下臈に向けてスーパーアポロンソードによる熱波を放つが、下臈は早々にその場から逃げ、他の猟兵達に交代する。
「そっちの認識だと確か逃げ延びたのは猟兵じゃなくってケルベロスじゃなかった?どうでもいいけれど!」
今更勘違いを訂正してあげる事もないだろうと、潤はフィン君の怪力に任せてスーパーアポロンをチェーンソーで斬り付ける。
「ぐぎゃあああ!よくもよくもおぉぉ!」
チェーンソーに切り裂かれながらも、スーパーアポロンは懲りずに炎蝗の群れを放つ。
「んっ!お前は逃がさないよ」
リリエッタは二丁拳銃の連射だけで、炎蝗の群れを一匹も残さずに撃ち落して見せる。
先程は地上に攻撃を向けさせない為に、敢えて連射速度を落としていただけに過ぎなかったのだ。
「ぐ…そんな馬鹿なことがあああ!!」
「んっ、馬鹿はお前だけどね」
そしてスーパーアポロン本体にへと魔力の弾丸を撃ち込んでいく。
「もう演技は必要ないね!」
「うん、このまま押し切ろう知香ちゃん!」
「生意気な返り討ちにしてくれる!」
弱気な態度を見せていた知香とソニアも一転攻勢に出る。
大ダメージを負いつつも先程と同じようにあしらってやろうと構えるスーパーアポロンであったが、まるで逆の結果となった。
「さあ気合い入れていくよ!」
先程は敢えて固い部分を狙ってボディブローを叩き込んでいたのだが今は違う。
「ぐはああっ!!」
的確にボディの急所をついた打撃がスーパーアポロンに何度も叩き込まれる。
「とっておき、見せてあげるね!」
ソニアが生み出した魔竜の力を宿したガジェットからこれまでにない高水圧の水鉄砲が、連打を受けてがら空きになったスーパーアポロンの心臓を撃ち抜くのであった。
「ぐ…まさか信じられん!」
このような最後は信じられないとばかり驚愕の表情で固まったまま、スーパーアポロンは遂に倒れるのだった。
かくしてスーパーアポロンは真実を知ることなく、猟兵達に倒されることとなった。
それでも太陽は変わらず地球の遥か彼方で輝き続けているが、その輝きが地上を焼くことはないだろう。
そして間もなくして、ケルベロス・ウォーは終戦を迎える事になる。
大成功
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