ケルベロス・ウォー⑩〜望む未来への道程
●十二剣神『宣託者グリモワール』
六番目の猟兵達よ、君達のグリモアは一体何だ?
なぜ『列強化』しておらず、多種族での共有が可能なのだ……?
例え聡明なザウスでも、そのような芸当は不可能だった筈だ。
何しろ、グリモアを創造した僕でさえ、列強化を取り除く事は不可能だったのだから。
まあ、僕がグリモアを作っただなんて事はどうでもいい。
『楽園』は遥か昔に喪われ、剣神なんて名乗っちゃいるが、僕はひとりの放浪者に過ぎない。
彼らのグリモアの方が優れているのだから、挑戦者はむしろ僕の方だ。
僕のこうした逡巡も、たぶん君達には予兆で伝わってるんだろうな……。
さあグリモアよ、いい予知を識らせてくれよ。
彼ら新型グリモアの予知を上回るような、希望に溢れる奴を頼む……!
●グリモアベース
「「グリモアの創造者」を名乗る十二剣神が現れたよ! みんなには『宣託者グリモワール』をやっつけてもらいたいんだ!」
ラフィロワ・ベルシルト(幸せ運ぶ星のうた・f04751)がターゲットとなる十二剣神の名を告げる。
「本当にグリモアによる予知能力を持ってて、猟兵側もグリモアを使って予知することを知ってるみたいなんだ」
敵もまたグリモアによる予知で猟兵の動きを読んでいる。現場で予知し続ける敵の方が圧倒的有利な状況。
「でも、こっちは「グリモワールの予知の内容を予知する」ことに成功したんだ!」
グリモア猟兵はグリモワールの予知を予知するという、予知返しに成功していた。これによって敵の有利は覆る。
「だからグリモワールが「どのような行動をしてくるか」、もうわかってるんだよ! こっちの動きを予知して行動するグリモワールの動きをさらに予知して戦えば、どんな強い相手でも勝ち目はあるよ!」
グリモワールは予知を操る非常に強大なデウスエクスだが、その動きを予知できるのであれば戦いようはある。
「だけど予知返しができるのは一人一手か二手くらいだから気をつけて、長引くとここで教える予知の精度も落ちていくから、現場にいるグリモワールの予知の方が正確になっていくよ」
今ここでラフィロワが各人に予知した敵の動きを覚えていく必要がある。予知返しをすればその後の敵の動きも変化し、相手が有利な状況へと変わっていくだろう。
「もう戦いのリミットも迫ってるね! 最後まで力を振りしぼって、十二剣神を一体でも多く倒しちゃおう! がんばって!」
ラフィロワはまだまだ戦意の衰えない猟兵達に声援を送り、予知を教えて戦場へと送り出した。
天木一
こんにちは天木一です。
「グリモアの創造者」を名乗る十二剣神『宣託者グリモワール』との決戦です!
グリモワールは予知して猟兵の動きを読みます。しかしその予知した動きすらこちらは予知して戦うことができます。
「グリモワールが予知した内容」の裏をかくと、プレイングボーナスを得られます。
複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
プレイングの締め切り日などは決まり次第タグにて。
グリモアを操る強敵グリモワールを予知返しによって打ち破りましょう!
第1章 ボス戦
『十二剣神『宣託者グリモワール』』
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POW : 第四十四の予言「逃れ得ぬ死」
【敵の防御・回避手段を予知して】から発射した【「避けられぬ死の運命」を宿すグリモア】を、レベル回まで跳弾できる。跳弾回数に比例して命中率・致死率が向上。
SPD : 第六十六の予言「動かざる未来」
【敵の移動先を予知して】から、物質を透過し敵に【行動不能】の状態異常を与える【「不動の定め」を宿すグリモア】を放つ。
WIZ : 第百壱の予言「楔の巨獣マインドノソリン」
【敵の使うユーベルコードを予知して】から1体の強力な【四足獣型に変形した思念兵器マインド】を召喚する。[四足獣型に変形した思念兵器マインド]はレベル秒間戦場に留まり、【予知された技をかき消す鳴き声と肉弾戦】で攻撃し続ける。
イラスト:ぽんち
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
儀水・芽亜
予知には予知を、ですか。更にその上を行く予知返しが出来るグリモアも、どこかにあるかもしれませんね。
放浪者とはご謙遜を。私も古来の吟遊詩人のように流離い人になりたい時もありますが、しがらみが多いとそれも難しく。
そんなお喋りをしながら竪琴を調律して、歌での戦いをするように見せかけます。むしろ実際に歌いますよ。ユーベルコードを乗せないで。
私が歌で戦う流儀だと「フェイント」にかかってくれれば上々。
バラードを歌いながら「不意打ち」で、「全力魔法」麻痺の「属性攻撃」「範囲攻撃」「結界術」「オーラ防御」「魔力吸収」の蝶霊跋蠱!
幼くなった姿で笑いかけましょう。
「避けられぬ死の運命」を受けるのは私の蝶一匹です。
●予知返し
「予知には予知を、ですか。更にその上を行く予知返しが出来るグリモアも、どこかにあるかもしれませんね」
戦場に足を踏み入れた儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)はさらなるグリモアの可能性を思い描く。
「来たね。ひとりの放浪者として、君達の新型グリモアに挑ませてもらうよ」
その前に十二剣神『宣託者グリモワール』が姿を見せ、未来を読むように掌の目を向けた。
「放浪者とはご謙遜を。私も古来の吟遊詩人のように流離い人になりたい時もありますが、しがらみが多いとそれも難しく」
芽亜はお喋りをしながら【竪琴『Playland In Sleeping』】を調律して、歌での戦いをするように見せかけるべく、竪琴の音色を爪弾かせて歌い出す――ユーベルコードを乗せずに。
「音楽か、優雅だね。それじゃあこっちも始めようか」
予知したグリモワールは歌による攻撃へのカウンターとして、「避けられぬ死の運命」を宿すグリモアを準備する。
(「フェイント」にかかってくれたようです)
芽亜はバラードを歌いながら不意打ちを仕掛け、ユーベルコード『|蝶霊跋蠱《チョウリョウバッコ》』を発動し、背に黒揚羽の翅を展開した十五歳程の真の姿に変身する。
「僕の視た予知と違う?」
驚いたグリモワールに、黒揚羽の群れが飛び掛かり、放たれた「避けられぬ死の運命」のグリモアが一匹の黒揚羽に当たり消滅させる。
「「避けられぬ死の運命」を受けるのは私の蝶一匹です」
幼き姿で芽亜が悪戯っぽく笑いかけ、無数の黒揚羽の群れがグリモワールを覆い尽くす!
「まさか予知を予知された? ここまで全て読まれていたということか!!」
驚愕しながら黒揚羽に襲われたグリモワールは抜け出そうともがく、身体が痺れ生命力が削られていく。さらには魔力まで吸い上げられて動きが鈍くなるが、グリモワールも並みの存在ではない。耐えて跳躍し黒揚羽の群れから抜け出した。
「驚いたよ。まさか予知返しなんてことが可能だとはね」
本当に驚いたとグリモワールは感心する。
「だけど、ここからは僕の予知で未来を決めさせてもらうよ」
「まだ私の曲は終わっていませんよ」
グリモワールは新たな予知で動き出すが、芽亜は黒揚羽を守りに使って攻撃を凌いで反撃を許さなかった。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、お好きに。
|予知先から予知中のグリモアちゃんに目を合わせながら語りかけるわ。《カウンター先制攻撃、精神汚染、情報伝達、恐怖を与える》
「この未来を|予知した《視た》わね?|シュレーディンガーの猫、量子的に重なって存在する可能性は”観測”によって収斂する。そしてあなたはあなたが回避すべきこの未来を予知により”観測”してしまった。よって、この”結末”は確定した。えっちなのうみそおいしいです❤」《多重詠唱拠点構築鉄壁結界術、禁呪封印術、逃走阻止、罠使い、欲望解放、愛を伝える、堕落、料理、大食い》
”結末”はグリモアちゃんが|決めた《予知した》、なら後は行殺法でその過程をすっ飛ばすだけよ♪
「この未来は……」
グリモワールが予知をしているところに、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202)が目を合わせながら語り掛ける。
「この未来を|予知した《視た》わね? |シュレーディンガーの猫、量子的に重なって存在する可能性は”観測”によって収斂する。そしてあなたはあなたが回避すべきこの未来を予知により”観測”してしまった。よって、この”結末”は確定した。えっちなのうみそおいしいです❤」《多重詠唱拠点構築鉄壁結界術、禁呪封印術、逃走阻止、罠使い、欲望解放、愛を伝える、堕落、料理、大食い》
アリスはユーベルコード『|行殺法《ラインキルド》』を発動し、過程をすっ飛ばし結果のみを残す結界術を放つ。
「僕が導く未来は――」
グリモワールがアリスの移動先を予知して、行動不能の状態異常を与える「不動の定め」を宿すグリモアを放つ!
「”結末”はグリモアちゃんが |決めた《予知した》、なら後は行殺法でその過程をすっ飛ばすだけよ♪」
しかしそれは過程をすっ飛ばし、外れるという結果となって現れた。
「今、僕はグリモアを放って……放ち終えている?」
「ふふ、何がおこったかわからないでしょう? これぞ|時間質量操作戦闘《タイムフォールダウン》の応用|行殺法《ラインキルド》よ♪」
アリスは困惑するグリモワールに魔力を喰らう触手状の呪詛を放ち、その存在を喰らうように吸い上げていく。
「これは、僕のエネルギーが食べているのか! 予知を狂わされたなら、再び予知するだけ……なんだ、感覚が狂っている? 先ほどのユーベルコードの影響か!」
このままでは拙いと一旦距離を取るべくグリモワールは後退する。
「どこにいくのグリモアちゃん。もうグリモアちゃんが負ける”結末”は決まってるんだよ♪」
「いいや、まだ未来は確定していない。新型グリモアも完璧ではない。まだ僕が生きているのがその証拠だ。さあ、グリモアよ。僕の望む未来に導いてくれ!」
グリモワールがさらに未来を見通し、アリスの攻撃を何とか生きて凌ぎ仕切り直した。
大成功
🔵🔵🔵
リリエッタ・スノウ
んっ、グリモワールをやっつけにいくよ。
今も予知されてたりするのかな?
相手はリリの移動する先を予知して攻撃してくるんだね。
グリモアを投げつけてきたらリリは【殺界形成・滅】を発動するよ。
行動不能の状態異常にかかるまでは予知通りだけど、その先はリリ達のターンだね。
次の行動を予知される前に自動反撃モードで増えたスピードと反応速度でぼっこぼこにしてやるよ。
聞いていた通りの行動だったね。
やっぱりグリモア猟兵の方がとってもすごいんだよ。
※アドリブ連携大歓迎
「んっ、グリモワールをやっつけにいくよ。今も予知されてたりするのかな?」
リリエッタ・スノウ(ちっちゃい暗殺者・f40953)はどこまで予知されているのだろうと考えながら、自動拳銃【LC-X16 Type HANDGUN】を構えながら戦場に飛び込む。
「現れたね。新手が来るのは知っていたよ」
予知していたグリモワールは慌てず、移動先に向かって【行動不能】の状態異常を与える「不動の定め」を宿すグリモアを放つ!
(リリの移動する先を予知して攻撃してくるのは知っていたよ)
予知通りだと、リリエッタはユーベルコード『殺界形成・滅』を発動し、行動不能の状態異常を受けることで、漆黒の殺気を纏った自動反撃モードに移行する。
「命中した。これで動けない――」
「行動不能の状態異常にかかるまでは予知通りだけど、その先はリリのターンだよ」
リリエッタは自動的に動き、一瞬にして銃を向けて弾丸を撃ち込む!
「え?」
動きを止めたと思っていたグリモワールが驚いた顔で被弾し、身体に穴を穿つ。
「う、動いている? どうして?」
予知と違う結果にグリモワールが理由が分からぬまま、弾丸を防ごうとするが、スピードと反応速度を高めたリリエッタは、好き放題に弾丸を当ててダメージを蓄積していった。
「反撃系のユーベルコードということか! 僕の攻撃が完全に読まれていたんだね!」
理由を悟りグリモワールは新たな予知をしようとするが、そうはさせないとリリエッタは攻撃を続ける。
「聞いていた通りの行動だったね。やっぱりグリモア猟兵の方がとってもすごいんだよ」
ぼっこぼこにしてやろうと、リリエッタは容赦なく弾丸をお見舞いしてグリモワールを血に染めた。
「ここまで一方的に予知で負けるなんて想定外だね。だけど、僕と違ってずっと予知はしていないはず。なら予知を続ければいずれは僕が優位に立てる」
グリモワールは新たに予知をしてリリエッタの動きを読み始める。
「新しい予知を始めたから、リリの出番はここまで。でも予知してたらわかるよね。すぐに仲間達がぼっこぼこにしちゃうよ」
そう告げてリリは相手が反応する前にその場から離れた。
大成功
🔵🔵🔵
七那原・望
あらかじめラフィロワさんにグリモワールの行動の詳細を聞いたことで向こうが第六十六の予言「動かざる未来」を使用する事はわかっています。
そしてグリモワールが次に予知を行うタイミングはそのユーベルコードの発動時。
ならばこちらは転送された瞬間、相手のユーベルコードを発動させる隙も与えず即座に時空凍結波を地面に放ち、周囲一帯の時を止めます。
移動は一切しません。する意味もないですし、万が一それでグリモワールの予知に引っかかっても困るので。
一応多重詠唱結界術で護りも固めつつ全力魔法の乱れ撃ちとセプテットの一斉射撃で時が動き出す前に終わらせます。
なんだか厄介事の予感がしますね。杞憂だと良いのですけれど。
「あらかじめラフィロワさんにグリモワールの行動の詳細を聞いたことで、向こうが第六十六の予言「動かざる未来」を使用する事はわかっています」
七那原・望(比翼の果実・f04836)はしっかりと予知を覚えて準備を整えていた。
「そしてグリモワールが次に予知を行うタイミングはそのユーベルコードの発動時。ならばこちらは転送された瞬間を狙いましょう」
作戦を決めた望が仲間と入れ替わるようにグリモワールの前に出る。
「なるほど、波状攻撃か。だがどこまでそのグリモアは僕の動きを正確に予知しているのかな?」
試してみようとグリモワールは予知しようとするが、その動きを予知していた望は先んじてユーベルコード『|時空凍結波《タイムフリーズ》』を発動し、地面に撃ち込むと周囲一帯の時を止めた!
「上手く行きました。後は一方的に攻撃を叩き込むだけです」
その場から一歩も動かぬまま、望は念のため多重詠唱結界術で護りも固めつつ、超大型合体銃【銃奏・セプテット】を分離させて浮かべ、全力魔法の乱れ撃ちに合わせて一斉射撃を行い、動きの止まったグリモワールに叩き込みダメージを与えていく!
「162秒間の連続攻撃、これなら十二剣神であっても倒せるはずです」
動き出す前に全てを終わらせると、無数の攻撃を浴びせた。
そして時は動き出す――。
「ぐ、がはっ!!!! これ、はっ!!」
吹っ飛んだグリモワールが建物に叩きつけられ、壁が粉砕されて瓦礫に埋もれる。
「時を止められていたのか……予知返しとは、これほど厄介なものか」
深手を負って血を流しているが、グリモワールは何とかよろめきながら起き上がる。
「仕留め切れませんでしたか、流石は十二剣神ですね」
十二剣神の一柱だけあり、その生命力も並外れていた。
「いやいや、もう瀕死だよ。まさか予知返しなんてあるとは思っていなかったからね。これほどアドバンテージを奪われたのは初めてだよ」
予知という圧倒的な優位を、予知返しによって奪われグリモワールは、どうすれば勝てるのか道程を見つけられずにいた。
「では、次にどうなるかも予知しているのですね」
「ああ、次で終わりになりそうだね……」
望が後退するのを追わず、グリモワールは次の猟兵を待ち構えた――。
大成功
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霧島・絶奈
◆心情
便宜上の呼称が同じなだけで…
猟兵と宣託者の扱うグリモアは別物なのかもしれませんね
…考察は後回しですね
今は存分に愉しみましょう
此の『逢瀬』を
◆行動
『【1/0】』を使用
集団戦術を駆使した範囲攻撃で敵を殲滅
更に球状に展開したオーラ防御を守りに使用
…すると予知させます
予知に溺れない慎重さには敬服しますが…
其れでも数手ならば此方が勝る事に変わりはありません
<真の姿を開放>
短期決戦にて仕留めましょう
『涅槃寂静』にて「死」属性の「極超新星」と「浄化」属性の「劫火」を行使し【範囲攻撃】
貴女の獣の咆哮では、私のユーベルコードは打ち消せませんよ
獣諸共滅ぼし盡して差し上げましょう
更に【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
予知が追い付く迄の間、一気呵成に攻め立てるのみです
負傷は【各種耐性】と鋭角に展開した【オーラ防御】で軽減
更に【生命力吸収】と【リジェネレート】で回復
球体と鋭角では有効な攻撃は異なります
易々と敗れる程軟なつもりはありませんが…
例え破られても、貴女方の命を奪い補填するだけです
●選ばれた未来
「便宜上の呼称が同じなだけで……猟兵と宣託者の扱うグリモアは別物なのかもしれませんね……考察は後回しですね」
グリモアを生み出したという『十二剣神『宣託者グリモワール』』の事が気になるが、霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は一先ず考えるのを後回しにして戦いに集中する。
「今は存分に愉しみましょう。此の『逢瀬』を――」
ユーベルコード『【1/0】』を発動し、キャバリアを増殖して軍勢による集団戦術を駆使し、範囲攻撃で殲滅する――そんな未来を予知させる。
「視えたよ、未来が。軍勢を呼んでこちらの攻撃をオーラを展開して防ぐつもりだね。ならこれは防げるかな?」
予知したグリモワールが巨大な四足獣型に変形した思念兵器マインドを召喚する。
「ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
思念兵器マインドが咆えて予知した行動を掻き消そうとする!
「予知に溺れない慎重さには敬服しますが……其れでも数手ならば此方が勝る事に変わりはありません」
絶奈は真の姿を開放し、異端の神となると場の空気を飲み込むような圧倒的な存在感を放つ。
「予知とは違う……これも予知返しか!」
グリモワールは予知が外れ、これから何が起きるかわからずに身構える。
「短期決戦にて仕留めましょう」
絶奈は即座にユーベルコード『|涅槃寂静《ヨクト》』を発動し、森羅万象を意のままに操り黒き輝き――死そのものであるような極超新星と、全てを焔によって浄化する劫火を行使する。
「予知とは全く違うユーベルコード!」
「貴女の獣の咆哮では、私のユーベルコードは打ち消せませんよ。獣諸共滅ぼし盡して差し上げましょう」
驚くグリモワールを大爆発が飲み込む!
「く、盾になって! 次の予知を視る時間を稼げれば……」
思念兵器マインドが割り込みその巨体を盾にして衝撃から護る。その巨体が凄まじいエネルギーを受けて崩れていくが、踏み留まって耐える。
「盾があろうとも広大な範囲攻撃から逃れることはできません」
劫火が全てを飲み込み、思念兵器マインドもろともグリモワールを巻き込んで燃えあがらせた!
「うぁああ!! か、身体が消滅していく!!」
清き炎に焼かれグリモワールはその存在を消されるように浄化される。
「予知が追い付く迄の間、一気呵成に攻め立てるのみです」
絶奈が手を休めずに炎で包み込み追い込んでいく。
「逃げ道は……そこ!」
少しでも被害を減らせる未来を探してグリモワールが駆け出し、炎から逃れようとする。
「貴女が此の場を生き残れる未来はあるのでしょうか」
そこへ絶奈が手を振るって衝撃波を叩き込み、炎の中に押し戻す!
「また予知が潰されてしまう! なら強引にでも突破口を開くよ!」
グリモワールは消えゆく思念兵器マインドを最後の力で突撃させる!
「易々と敗れる程軟なつもりはありませんが……例え破られても、貴女方の命を奪い補填するだけです」
絶奈は鋭角に展開したオーラ防御を展開して衝突の衝撃を和らげ、後退しながらも衝撃波を叩き込んで生命力を奪い、受けたばかりのダメージをすぐに回復する。
「これが新型グリモアの力……僕の予知をことごとく上回るなんて。これじゃあ宣託者なんて名乗れないね」
予知合戦に敗れてとうとうグリモワールが力尽きて崩れ落ちる。
「でもグリモアにまだこんな可能性があるなんて、敗れたけれど何だか嬉しいよ」
どこか満足そうに、グリモワールは炎の中に呑まれる。
「君たちの未来が希望に溢れるものであればいいね――」
その姿が消滅し、強大な気配が完全に戦場から消え去った。
「グリモアを創造した者……敵対していなければ落ち着いて話をしてみたい相手でしたね」
しかし戦場で敵として出会った以上は仕方がないと、絶奈は共に戦った仲間達と勝利を喜び合う。
だが残された時間の最後まで戦い抜こうと、猟兵達はより良い未来を手にする為にすぐに次の戦場へと向かうのだった……。
大成功
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