ケルベロス・ウォー⑨〜天蓋のドラゴンテイマー
●ケルベロス・ウォー
日を陰るほどの天蓋。
湾岸の決戦都市は、今や鋼鉄の躯が転がる戦禍。
見上げれば、そこにあるのは鉄の鈍い輝き。
そう、それは竜だった。
亜麻色の髪の女性『エイル』博士は、その天蓋の如き光景を前にして、黒い瞳に星を映した。
「すでにサポートAIの『第九号』くんの復旧は絶望的か……『セラフィム』の半数が使用不能……『セラフィエルクス』も消失……」
この状況で如何にして、迫る鉄の竜の天蓋……『ダイウルゴス』を退けることができるだろうか。彼女の頭脳は計算する。
いや、計算するまでもなかった。
全世界決戦体制。
それは世界の全ての経済活動を停止し、決戦に注力するためだけの体制であり、不退転にして背水。
後はない。
あるのは絶滅の瀬戸際だという事実のみ。
「……だが、それでも『おそれ』てやるものか」
いつだってそうだ。
人類にとってデウスエクスとの戦いは常に絶望との戦いである。
永遠不滅。
打倒することはできず、撃退するしかない。
だが、グリモアエフェクトが煌めくのならば、永遠不滅の存在とて復活不能なる死を与えることができる。
「|神が如き者共《デウスエクス》の不死性すら破られかねない状況か。だが、悩ましいところだ。いずれを『持ち帰る』べきか」
鉄の竜による天蓋の奥で真紅の剣と一体化した右腕を持つ男が悩むように呟いた。
彼の名は『ドラゴンテイマー』。
猟兵達にとっては、幾度か対峙したことのあるオブリビオンである。
であるのに、未だ謎の存在。
その男がここにいる、という事実が何よりも不気味だった。
「『原罪蛇メデューサ』の『おそれ』を利用した召喚能力……見事なものだ。『ダイウルゴス』も十分に召喚できた。であるのならば」
彼の言葉に応えるように鉄の竜『ダイウルゴス』たちは、一斉に湾岸の決戦都市をさらなる破壊と災禍でもって破壊し尽くそうと迫っている。
「竜による一層の『おそれ』を頂くとしよう。|小剣《グラディウス》の代わりだ。この猛攻、凌げるか、六番目の猟兵」
「あえて言わせて頂きましょう。凌ぐのではない、凌駕するのだと!」
『ドラゴンテイマー』の言葉に真っ向から言い換えしたのは、ナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)だった。
転移を維持する彼女は、共に立つ猟兵たちに告げる。
「あれは、『ドラゴンテイマー』……以前の事件においても『原罪蛇メデューサ』と共に現れたオブリビオンです。どうやら『原罪蛇メデューサ』に協力している様子。『原罪蛇メデューサ』を打ち倒す前に、まずは、あの男を!」
彼女の言葉に猟兵達は頷く。
恐るべきは、空を覆う鉄の竜『ダイウルゴス』の物量である。
時刻は昼。
だと言うのに、湾岸の決戦都市は今、夜中かと思うほどに暗い。
それは『ダイウルゴス』が日を陰らせるほどに無数に空を覆うように飛んでいるからだ。
襲い来る鉄の竜。
あの『ドラゴンテイマー』を打倒するためには、まず『ダイウルゴス』の群れを突破しなければならない。
「来るか、六番目の猟兵」
圧倒的な物量の差。
言うまでもない。だが、ここで『ドラゴンテイマー』を撃退できなければ、『原罪蛇メデューサ』にすら届かない。
これが絶望的な戦いであっても、それでも猟兵たちの胸には絶望と相対する輝きが灯されているはずだ――!
海鶴
マスターの海鶴です。
※これは1章構成の『ケルベロス・ウォー』の戦争シナリオとなります。
デウスエクスを地球に送り込むための|小剣《グラディウス》なくとも、配下を地上に送り出せる十二剣神『原罪蛇メデューサ』。
彼女は唯一、侵略・制圧能力を誇っています。
そんな彼女に協力する謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』との戦いになります。
『原罪蛇メデューサ』の『おそれ』による召喚能力により、湾岸の決戦都市の空は今、鉄の天蓋のように、鉄の竜『ダイウルゴス』が膨大な数で埋め尽くしています。
この『ダイウルゴス』の大群を如何にかして撃退し、または躱して『ドラゴンテイマー』との決戦に挑むことになります。
※プレイングボーナス……空を覆い尽くす無数のダイウルゴスに対処する/飛び交うダイウルゴスを足場にして戦う。
それでは、狙われた地球を守るために戦う皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
第1章 ボス戦
『ドラゴンテイマー』
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POW : クリムゾンキャリバー
【赤き剣の右腕】が命中した対象に対し、高威力高命中の【黒竜ダイウルゴスの群れ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : ギガンティックダイウルゴス
レベル×1体の、【大型ダイウルゴス】に1と刻印された戦闘用【ゲームキャラクター】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : |文明侵略《フロンティア・ライン》
自身からレベルm半径内の無機物を【黒竜ダイウルゴスの群れ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:ハルヨリ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
紅葉・紅葉
ドラゴンテイマー! ダイウルゴス!
錚々たる顔ぶれですね! まさしく天災の如きデウスエクス!
しかして、ええ!
敢えて言わせていただきましょう!
それが屈する理由になる訳がない!
強大、脅威、夥しい数! なるほどなるほど絶望的状況!
それでは抗いましょうとも!
この都市の人々が生きようと藻掻いているのです!
私たちが諦めるはずがないでしょうが!!
無数のダイウルゴスという足場があるのです、上空にいる外敵に届くルートを用意してくれているのです!
ならば、直進突撃あるのみ!
回れ、我が車輪! 硬くなれ、我が装甲!
脆弱なミミック、段ボールが! 天の鬼仏竜神に一矢報いる様をご照覧あれ!
その右腕にこちらから体当たりじゃあ!!
紅葉・紅葉(歩く宅配便・f40976)が見上げた先にあるのは鉄の天蓋。
まさしくそう形容するしかない光景が広がっていた。
鉄の竜『ダイウルゴス』の大群。
圧倒的な物量は、昼にあって日を翳らせ、夜の如き様相を湾岸の決戦都市にもたらしていた。
「『ドラゴンテイマー』!『ダイウルゴス』!」
嘗て決戦都市を襲った存在。
デウスエクスではない、オブリビオンたる存在。
それを見上げて、紅葉は錚々たる顔ぶれであると理解しただろう。
そして、その奥に控えるのは十二剣神『原罪蛇メデューサ』である。このような天災の如き侵略を前にして人々は『おそれ』を抱かざるを得ないだろう。
何故ならデウスエクスの中でも竜とは最強格。
それが空を覆うほどの数でもって迫っているのだから、当然、人々が覚える『おそれ』とは想像を絶するものであった。
「しかして、ええ! あえて言わせていただきましょう!」
紅葉は声を張り上げた。
己が段ボールの体躯が震えるのは、『おそれ』からではない。
己の胸の中に、箱の中から溢れる勇気故。
「それが屈する理由になるわけがない!」
そう、例え強大、脅威、夥しい数が迫るのだとしても。
これが絶望的状況だというのだとしても。
それでも彼の背後にあるものを見る。
「この都市の人々が生きようともがいているのです! 私達が諦めるはずがないでしょう!」
迫る鉄の竜。
迫る猟兵を今ここですり潰さんと迫る彼らの脅威は圧倒的な物量故。
しかし紅葉は、鉄の竜へと果敢に飛び込み、彼らを足場にするように疾駆する。車輪が鉄の鱗を斬りつけるように火花をちらしながら、空を飛ぶ『ダイウルゴス』を恐るべきことに足場にして飛び上がっていくのだ。
「『ダイウルゴス』をただの足場代わりにするか」
『ドラゴンテイマー』の言葉に紅葉は頷く。
然り、と。
そう、そのとおりだ。
『ダイウルゴス』は圧倒的な数を誇る。
これをまともに相手していては、ただすり潰されるだけ。ならば、この『ダイウルゴス』を手繰る者……即ち『ドラゴンテイマー』を狙うのは、必定であるとも言えた。
「鉄の竜は壁にあらず、足場! 空にあるのは天蓋ではなくルート! そこに道があるのならば、私は必ずお届けいたしましょう! それが私なのです! ならば直進突撃あるのみです!」
「愚かな猛進とも言えるがな。私のクリムゾンキャリバー……甘く見てはいないか?」
「ハッハッハッハッ! いいえ! むしろ!」
紅葉の車輪から爆炎が噴出する。
凄まじい速度で紅葉の段ボールの駆体が走る。
「回れ、我が車輪! 硬くなれ、我が装甲! 脆弱なミミック、段ボールが! 天の鬼仏竜神に一矢報いるさまをご照覧あれ!」
右腕側から紅葉は『ドラゴンテイマー』へと激突する。
クリムゾンキャリバーの真紅の刀身と紅葉の段ボールの体が激突する。
あり得ない光景だった。
だが、あり得ないを形にするのが猟兵たる己。
己のあり方そのものをぶつけるような、自走式突進攻撃(パンジャンドラム)はクリムゾンキャリバーとかち合い、互いの体を弾き飛ばすのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ファルコ・アロー
またまたご登場ですか、懲りねーですねこのオッサンは。
上等です!
ここで叩き込んでやるですよ、てめーらの大好きなおそれってヤツを!
二度とボク達の前に来たくなくなるくれーに!
それにしても敵がこんなにいっぱいいるんじゃ難儀しそうですね。
それなら道は一つ、全部ぶっ飛ばすつもりでやってやるですよ!
スラスター全開、突撃です!
一発敵陣を切り裂いて奴らの上に出たら、トカゲ共を切りまくりながら気配感知と視力で親玉を探すですよ。
見つけたら狙い定めて特攻です!
赤い剣も竜の牙も怖くねーです。
その無駄にいっぱいいる子分共諸共ボクの翼で切断してやるですよ!
新しい子分を呼ぶなら呼べです。
獲物が増えただけってモンですよ!
幾度目か。
謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』との邂逅。
ファルコ・アロー(ベィビィバード・f42991)は吐き捨てるように鉄の天蓋……『ダイウルゴス』に覆われた空、その先にある『ドラゴンテイマー』を睨めつけた。
「またまた登場ですか、懲りねーですね、このオッサンは」
「減らず口だな、六番目の猟兵。だが、それも強がりだ」
『ドラゴンテイマー』の言葉にファルコは、へっ、と呼気を漏らして己の鼻を弾く。
「上等です! ここで叩き込んでやるですよ、てめーらが大好きな『おそれ』ってヤツを!」
「今の状況を見て、己の胸に『おそれ』はないと?」
「そんなもん何が恐いってんですか!」
迫る『ダイウルゴス』の群れ。
空を覆うほどの多数。
振るわれる力は、圧倒的だった。
だが、ファルコの背部のパルスプラズマ・スラスターが推力を生み出し、彼女の体を空へと押し上げる。
交錯する鉄の竜と鋼鉄の少女。
「数が多い……こんないっぱいいるんじゃ……難儀しそうですが!」
ファルコの眼前に道がある。
そう、空の道だ。
彼女の世界では、彼女自身が大きな制約を受けている。
だが、ここでなら違う。
このケルベロスディバイド世界でなら、ファルコの空は自由だ。
例え、鉄の竜の天蓋に覆われていようとも、無差別に砲撃される空と比べればなんて飛びやすい空なのだろう。
「来るか」
「全部ぶっ飛ばす! スラスター全開!」
ファルコの瞳がユーベルコードに輝く。
部隊章。
その名を示すユーベルコード。
「スラスター、モード・スパーダ!」
Gゴッドレイ・スパーダ(ジーゴッドレイ・スパーダ)。
それはファルコを増しく飛翔する剣に変えるユーベルコード。
彼女の眼前にあるもの全ては、彼女という剣によってことごとくが切断貫通する遷音速突撃によって薙ぎ払われる。
例え、それが『ダイウルゴス』であったとしても、だ。
「……これだけの物量を前にして怯むことを知らない、だと……? やはり恐るべきは六番目の猟兵、か」
『ドラゴンテイマー』は僅かに呻く。
手にした真紅の剣、クリムゾンキャリバーを構えた瞬間、ファルコの体が『ドラゴンテイマー』へと激突する。
「ハッ! 持ち前の紅い剣も、竜の牙も、ぜんっぜん! 怖くねーじゃねーですか!」
「……!」
火花をちらしながらファルコ自身が剣となった遷音速突撃の一撃とクリムゾンキャリバーが火花を散らし、交錯する。
空に翻るファルコは、鉄の天蓋を貫通しながら、青空の下に飛び出す。
陽の光が身に染み渡る。
眼下にあるのは己がぶち抜いた『ダイウルゴス』の穴。
そして、ファルコは、その先にある『ドラゴンテイマー』の姿を認め、さらに飛び出す。
「新しい子分を呼ぶなら呼べです。獲物が増えただけってモンですよ!」
「六番目の猟兵め……小賢しい」
「小賢しいだけで、やれますかってんですよ! いいですか、二度と!」
ファルコは更に突撃する。
それは剣。
奇しくも彼女の世界の暴走衛生と同じく剣の名を冠したユーベルコードの一撃は、空より舞い降りるように天蓋を再び打ち抜きながら『ドラゴンテイマー』の身を、その遷音速の翼でもって切り裂く。
「ボク達の前にきたくなるくれーに、ボッコボコにしてやるです――!!」
大成功
🔵🔵🔵
村崎・ゆかり
近辺で一番高いビルの屋上に立って、相対を始めましょう。
空を追い尽くすほどの鉄竜の群ね。まさにあたしの出番だわ。
振るうは「破魔」の禁鞭。有効射程20km以内の全ての目標を叩きのめす。ただ単純な打撃だけに、避けるくらいしか対応は出来ないわよ。それだけ密集してたら、避ける隙間もないかもね?
合体なんてさせないわ。その前に、ことごとく竜どもを叩き落としてあげましょう。
一応、「結界術」「オーラ防御」で防御の備えはしておきましょう。
このまま、|竜使い《ドラゴンテイマー》も禁鞭で叩きのめす。
黒幕面して陰で動いてるのが気にくわないのよね。あたしの禁鞭から逃れる術はないと知りなさい!
これで鉄竜の層は薄くなった?
戦禍に飲み込まれた湾岸の決戦都市。
多くの建造物が崩れ、瓦礫を積み上げるばかりの中、中程からへし折れた嘗てのビルの上に村崎・ゆかり(“紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)は立っていた。
彼女の頭上には空はない。
あるのは鉄の竜の天蓋。
空を覆うほどの数をもって謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』は、鉄の竜『ダイウルゴス』を操り、迫る猟兵たちを迎え撃っていた。
「六番目の猟兵。やはり恐るべきはお前たちだ。私が『持ち帰る』ことまで織り込み済みなのだろう」
「さあ、どうだか」
ゆかりは油断していなかった。
『ダイウルゴス』は未だ脅威として健在。
空を覆うほどの数があるのだから、数を数えるだけ無駄と言えば無駄であったかもしれない。
「けれど、あなたご自慢の鉄竜の群れ……まさにあたしの出番ということだけは、はっきりと分かっているわ」
ゆかりの瞳がユーベルコードに輝く。
手にするのは赤い鞭。
「我は汝の主なり。全てを打ちすえ砕く絶対の力よ、世界にその威を示せ! 疾!」
告げる言葉と共に禁鞭(キンベン)が振るわれる。
それはゆかりの視界に伝染る全ての『ダイウルゴス』を打ち据え、破壊する荒ぶる鞭の打撃の嵐。
荒ぶような風斬り音。
それは音速を超えることを示すように周囲に衝撃波を生み出し、次々と『ダイウルゴス』を打ち据えていくのだ。
「範囲攻撃か。だが」
『ドラゴンテイマー』の瞳がユーベルコードに輝き、『ダイウルゴス』たちが集まっていく。
額に数字の描かれた『ダイウルゴス』たち。
合体する度に数字が大きくなっていく。
この天蓋の如き数である。
一体どれだけの数字になるかなどわかったものではない。
だからこそ、ゆかりは己の赤い鞭をふるい続ける。合体を防げないのだとしても、その数を減らすことはできるからだ。
「ハッ、ハッ、ハッ……!」
息が切れる。
けれど、させない。
振るう赤い鞭の反動がゆかりの腕に伝わる。
けれど、それでもゆかりは『ダイウルゴス』を打ち落としながら、『ドラゴンテイマー』へと翻る鞭を放つ。
「ぼうっとして! あなたも攻撃対象よ!」
「そのつもりはないがな。私にとって、考えるべきことが多い。思索、というのは常に二手、三手先を考えねばならない。同時に体も動かさなければならない、というのが辛い所だがね」
「減らず口! 黒幕面して陰で動いているのが気に食わないのよね」
「私の動き方を見れば、当然そう見えるだろうな。そもそも、何かを企むというのに、大々的に姿を晒すかね?」
「それこそ本当に減らず口! 姿を補足された以上、あたしの禁鞭から逃れる術はないと知りなさい!」
振るう鞭の嵐。
その鞭が生み出す衝撃波と共に『ダイウルゴス』は吹き飛ばされ、空を覆う天蓋の一部をゆかりは崩すのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ユキト・エルクード
性根が曲がった策士気取りのブタ野郎はどいつもこいつも人様の影にちん逃げやがる
うちを滅茶苦茶にしたクソ女にしろテメェにしろ、いい加減ワンパターンなんだよ鬱陶しい
テメェがお持ち帰りできるのは、その汚ぇヒゲと性根だけだボケ
どれだけ群れようと、逃げ隠れしようと関係ない
ヤツの行動に悪意がある以上、俺はいくらでも跳べる食らいつける
ヤツご自慢のトカゲ共を足場兼UCによるワープの土台にして片っ端からズタボロに処しながら接近
確実に頭数を減らしながら、ヤツ自身もズタズタにしてやる
跳び回る際には同時使用可能なUC刻影蝕を併用し、僅かな隙も見せてはやらない
人様を駒としか見られないウジ野郎には、因果応報だけがあると知れ
空に鉄の天蓋のように召喚され続ける『ダイウルゴス』。
無数の『ダイウルゴス』が一箇所に集約されていくようにして集まり、巨大な『ギガンティックダイウルゴス』へと変貌を遂げる。
咆哮が大気を揺るがし『おそれ』を拡大させていく。
そう、十二剣神『原罪蛇メデューサ』を支配下においた謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』にとって、『おそれ』こそが己の戦力をこの地に呼び寄せる原動力であった。
「知性体は根源的に『おそれ』を抱く。抱かざるを得ない。知性宿す以上、それは避け得ぬ感情であるからだ。そして、このケルベロスディバイドの地球は、最強のデウスエクス種族『ドラゴン』に対して並々ならぬ『おそれ』を抱いている。であれば」
当然、人々の心には覚悟あれど『おそれ』は湧き上がる。
どうしようもないことだ。
一種の反応だった。
それを利用して『ドラゴンテイマー』は次々と穴を埋めるように『ダイウルゴス』を召喚し続けているのだ。
「性根の曲がった作詞気取りのブタ野郎はどいつもこいつも人様の影に逃げやがる」
ユキト・エルクード(亡霊夜警・f38900)は胸の内側に湧き上がる怒りに、己のこめかみが音を立てるのを聞いただろう。
血液が沸騰しているように体躯が熱を持つ。
「うちを滅茶苦茶にしたクソ女にしろ、テメェにしろ、いい加減ワンパターンなんだよ鬱陶しい」
その言葉に『ドラゴンテイマー』は薄く笑む。
「ワンパターンだ、ということは、それが有効だ、ということだ。有効な手を知りながらそれを打たぬのは、ただの驕りか愚かか、はたまた遊んでいるだけだ。だが、私は違う。六番目の猟兵。私はお前たち相手に遊ぶなど到底できぬし、愚かでもない。はたまた驕りですらない」
己の持てる力全てで、猟兵をすり潰す。
故に、このような手を取るのだ。
「私は、『持ち帰えらねば』ならぬのでな」
「テメエがお持ち帰りできるのは、その汚ぇヒゲと性根だけだボケ」
瞬間、ユキトの頭上から注ぐのは『ギガンティックダイウルゴス』の一撃であった。
だが、彼の姿は一撃の影に消える。
いや、違う。
すでに攻撃は終わっている。
悪意に対する先制攻撃。それが、怪祟忍殺(シノビレトリビューション)。
「これまで地球の人々に与えた『おそれ』……その報いを受けろ」
ユキトの瞳がユーベルコードに輝いている。
一瞬で『ギガンティックダイウルゴス』の首が飛び、さらに四肢が粉砕される。
ユキトの手にあったのは巨大な心臓。
それを握りしめ、ユキトは無数の『ダイウルゴス』を足場にして『ドラゴンテイマー』へと飛ぶ。
「人様を駒としか見られないウジ野郎には、因果応報だけがあると知れ」
「因果応報か。であるのならば、私がグリモアを再び得るのもまた因果だろう。ならば、君は今、邪魔だな」
「言ってろ!」
ユキトと『ドラゴンテイマー』が空中でぶつかり合う。
紅の剣とユキトの漆黒の棍が打ち合い、火花を散らす。
戦いは続く。
けれど、ユキトは人々を『おそれ』に叩き落とす存在を許さぬと『ドラゴンテイマー』を追い詰めていくのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィクトリア・ノウェム
…むぅ。博士。あれだけいるんだから、報酬は弾んでもらう、です
……癪ですけど、数が多いからここは「|あいつ《パッセンジャー》」に倣うとする、です…!
ドライブ全開、『レミエールⅢ』と連携をとり、弾幕と砲撃を繰り返しながら飛空艇形態の『エル・セプス』で敵の群れのど真ん中に突撃、外装形態に変形してそのまま【蒼穹の輪廻】、です…!
周囲のダイウルゴスからエネルギーを奪い、そして手近なダイウルゴスに『ケルベロスファング』を撃ち込んで怪力でぶん回し他の敵にぶつける、です
G化したならその分数は減るから、飛空艇へ変形、機動力を活かして二機でGダイウルゴスの裏を取るように動き、ヒゲ男にA.F.C.をぶち込むです
「くっ……まだ数が多い。あれだけ撃破してなお、まだ召喚されるのか?」
亜麻色の髪の女性『エイル』博士は呻いた。
謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』による『ダイウルゴス』の召喚。
それはまるで無尽蔵のようであった。
猟兵達のユーベルコードによって、鉄の天蓋の如き空を覆う『ダイウルゴス』の群れに穴を空けても、それを塞ぐように次々と召喚されてくるのだ。
それが『原罪蛇メデューサ』の能力。
十二剣神の中にあって、制圧と侵略の能力を誇る者。
『原罪蛇メデューサ』を支配下においた『ドラゴンテイマー』にとって、人間たちが抱く『おそれ』はむしろ、彼に利するところであったのだ。
「……むぅ。博士。あれだけいるんだから、報酬は弾んでもらう、です」
「この場合に居たって、君、まだ報酬の話をするのかい?」
「当然です。働くのなら、報酬は必要ですから」
絶体絶命の危機。
なのに、この先を見据えているヴィクトリア・ノウェム(はらぺこ空戦天使・f33941)の言葉に『エイル』博士は呆れ半分であった。だが、彼女の意気込みは尤もなことであった。
明日を思えないものに今日が生きられるか。
いつだってそうだ。
明日を望むから希望が生まれる。
ヴィクトリアは今日も、明日も、明後日も、続く日々を生きるために糧を必要としている。
だからこそ、なのだ。
「わかっているよ。任せておきたまえ!」
「なら、行くです!」
ヴィクトリアは飛ぶ。
迫る無数の『ダイウルゴス』の群れ。
天蓋から分かたれて『ドラゴンテイマー』に迫らんとするヴィクトリアを阻もうというのだろう。
「……癪ですけど、数が多い……ここは、|『あいつ』《パッセンジャー》に倣うとする、です……!」
お腹が減ったような満たされるような奇妙な感覚に襲われるけれど、とヴィクトリアは思いながら、ユーベルコードを発動する。
戦場に満ちるのは蒸しの波動伴う黄金の羽の。
ヴィクトリアは『ダイウルゴス』のど真ん中に飛び込んでいた。
迎撃の弾幕も張ってはいたが、有効であるとは言い難い。
何故なら、数が多いからだ。
すぐに取り囲まれてしまう。それはヴィクトリアにとっては好都合だった。
迫るは巨大化した『ギガンティックダイウルゴス』。
巨大な竜の顎がヴィクトリアを飲み込まんと迫っている。
「むだ、です。蒼穹の輪廻(エンジェリック・リンカーネーション)は!」
黄金の羽の嵐は『ギガンティックダイウルゴス』のエネルギーを吸収し続け、その体躯から急激に力を失わせるのだ。
そして、同時に己の飛空艇から放たれた鎖が『ギガンティックダイウルゴス』の巨体をッ掴み上げ、振り回す。
まるで分銅。
その重石となった『ギガンティックダイウルゴス』の巨体をヴィクトリアはぶん回しながら、謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』へとハンマーのように叩きつけるのだ。。
だが、その一撃は紅の剣で両断される。
分断された体躯の向こう側から、こちらを睨めつける『ドラゴンテイマー』の姿があった。
「見つけた! たっぷりもらったエネルギーがあれば!」
ヴィクトリアの携えた魔導砲が光を放つ。
奪い尽くしたエネルギーを一気に開放して放たれる光条の一撃は、両断された巨大な体躯ごと『ドラゴンテイマー』へと注ぐのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
紫・藍
夜の如き昼でっすかー。
とてもとてもとても。
慣れ親しんだ光景なのでっす。
だからこそ分かるのでっす。
皆々様がどんな想いで空を見上げているのかが。
ですのでええ。歌うのでっす。
藍ちゃんくんはずっと、ずっと歌い続けてきたのですから!
藍ちゃんくんでっすよー!
竜が覆い隠した世界の先まで藍ちゃんくんの歌を響かせるのでっす!
藍ちゃんくんの歌は空をも超えて宇宙に響く歌でっすのでー。
空を埋め尽くす程度では相手になりませんよー?
藍が照らす世界にドラゴンさん達失神間違いなしなのでっす!
それでもテイマーのおじさまはそうはいかないかもでっすがー。
斬られそうな刹那、言ってやるのでっす。
ところでおそれ、どこいきましたかー?
藍ちゃんくんが照らしたのは世界だけじゃないのでっす。
声を届けたのはおじさま達だけにではないのでっす。
百竜の天を見上げ、恐れた皆様の心を。
藍ちゃんくんは照らしたのでっす!
目的だった更なるおそれが消えてるのに気づいた驚愕は一瞬であれど戦いにおいては大きな隙でしょうからねー。
鈍った刃、かわせるかと!
見上げるは鉄の夜。
昼であっても、そこに日は昇らない。いや、昇ってはるのだ。だが、無数の『ダイウルゴス』が空を覆っているために、陰り、夜の如き暗闇が決戦都市を覆い尽くしている。
それは『おそれ』を誘発するものであったことだろう。
「とてもとてもとても」
紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)にとって、それは慣れ親しんだ光景であった。
どこまでも人の心に陰りを生み出し、『おそれ』を増幅させる光景。
日は昇る。
けれど、日は己たちに注がない。
そんな光景に、藍は湾岸の決戦都市の人々が今、どんな気持ちで空を見上げているのかを理解した。
そこにあるのは、『おそれ』だ。
どこまでいっても『おそれ』しかない。そして、皮肉なことに『おそれ』こそが敵に利するものであった。
謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』は十二剣神『原罪蛇メデューサ』を支配下におくことで、『おそれ』による召喚能力を得ているのだ。
故に『ドラゴンテイマー』は例え猟兵たちによって『ダイウルゴス』の数を減らされようとも、次々と穴を埋めるように召喚して補充しているのだ。
見上げる空に飛ぶ『ダイウルゴス』たちを見ればわかる。
だが、藍には関係なかった。
「そうなのでっす。藍ちゃんくんには敵の数など関係なのでっすよー。歌うのでっす。藍ちゃんくんはずっと、ずっと歌い続けてきたのですから!」
常闇の世界であっても。
どこであっても。
歌うことで己を示してきた。
だからこそ、藍は不安と『おそれ』とに支配された人々に歌う。
「藍ちゃんくんでっすよー!」
息を吸い込む。
天蓋のように空を『ダイウルゴス』が覆い尽くすのならば、その世界の先まで己の歌を響かせるまで。
「歌声よこの宇宙に響け ああ 彼方をも超えて 広がるこの世界を塗り替えて行こう 藍で」
「その歌は歌わせない」
『ドラゴンテイマー』は猟兵たちに迫られながら、藍の歌を止めようと紅の剣を振るう。
クリムゾンキャリバー。
その切っ先から無数の『ダイウルゴス』が現れ、藍へと迫る。
「空を埋め尽くす程度では相手になりませんよー? 何故絵なら、藍ちゃんくんの歌は空をも超えて宇宙に響くのでっすからー!」
例え、『ダイウルゴス』が迫るのだとしても、歌うことは止められない。
「ところで『おそれ』、どこにいきましたかー?」
「なに?」
そう、藍の歌は空を越えて彼方まで届く。
歌声は、そういうものだ。
例え、遮るものがいるのだとしても、天蓋に覆われていようとも。
藍ノ空(アイノソラ)で繋がっているのだ。
であれば、歌声が届く限り、藍ドルである藍自身が作り出した世界で包みこまれる。
闇夜を照らす愛と希望は例え、鉄の天蓋であろうとも阻むことはできないのだ。
故に藍は告げる。
「藍ちゃんくんが照らしたのは世界だけじゃないのでっす。声を届けたのはおじさまたちだけにではないのでっす」
「まさか、この歌声は」
「そうなのでっす! 百竜の天を見上げ、恐れた皆様の心を。藍ちゃんくんは照らしたのです!」
「歌声一つで」
「歌声一つでも、でっすよ!」
藍はひらりと迫るクリムゾンキャリバーの一撃を躱すようにステップを踏んで歌い続ける。
歌声は響く。
響き続ける。
そこに己の歌声を聞く者たちがいれば、いつだってどこにだって響く。
愛と希望はいつだって『おそれ』の中を進む篝火であり灯火。
闇夜の中であっても、いつだって人は希望を抱けるのだと示すように藍の歌は『おそれ』すら貫くように人々の心に灯すのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:灰遠雷
さて、陰海月はまだ落ち込んでおるから、霹靂を…と思ったら、陰海月が出てきた。
…ここは陰海月を尊重しよう。
しかしまあ…懲りぬやつよな、ドラゴンテイマーも。
だが、それならばやることは変わらぬ。
ダイウルゴスの群れが見えるというならば…このUCで外すわけがないのよなぁ!
見える範囲全て穿とう!さすれば、ドラゴンテイマーにも届こうて!
※
陰海月「ぷ!」
落ち込んでばかりではいられない。ぼくは、ぼくのできることを!とか考えながら空中浮遊足場になってる
現実は落ち込むことが多いけれど、それでも塞ぎ込んでばかりいられない。
世界はいつだって開かれている。
開かれているということは、己の扉もまた開かれているということ。
踏み込むこともあれば、踏み込まれることもある。
そういうものだ。
だからこそ、いつまでも落ち込んでなんかいられないのだというように『陰海月』は馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の足元、影から飛び出した。
空を見上げれば、鉄の天蓋。
否、無数の鉄の竜『ダイウルゴス』である。
昼間であっても夜のような様相。
闇夜は人の心に『おそれ』を抱かせる。
本能的な『おそれ』は消し去ろうとして消しされるものではない。
わかっている。
だから。
「ぷ!」
己達のユーベルコードの輝きで、人々の心を覆う闇を払わなければならないのだ。
己には己のできることを。
「そうか、もうよいのか?」
『侵す者』の言葉に『陰海月』は足場になりながら、勢いよく鳴いた。
「ぷ!」
「そうか。であれば……尊重しよう」
彼は構える。
槍の切っ先は『ダイウルゴス』の奥にある謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』。
この鉄の天蓋の如き光景を生み出しているのが、『ドラゴンテイマー』と十二剣神『原罪蛇メデューサ』の力によるものであった。
『おそれ』を介して『原罪蛇メデューサ』は小剣なくとも配下を地球に送り込め。その能力医を持って、猟兵達のユーベルコードで穿たれた天蓋の穴を『ダイウルゴス』でもって召喚し埋めているのだ。
恐るべき力である。
「しかしまあ……懲りぬやつよな、『ドラゴンテイマー』よ」
「懲りる? それは諦める、ということだ。なら、その諦念から私は遠い。何度でも私は私の目的のために六番目の猟兵、君たちの前にあらわれるだろう。いや、違うな。私の目的の前に立ちふさがるのが、君たちだ」
「幾度阻まれてなお、そう言うか」
迫る『ダイウルゴス』の群れ。
いくつかの『ダイウルゴス』が合体し、さらに合体した『ダイウルゴス』とまた合体を繰り返す。
目の前で巨大化していく『ダイウルゴス』。
それを目前としながら『侵す者』は不敵に笑う。
「そうか、であれば!」
槍を弓に持ち替え、その瞳がユーベルコードに輝く。
「全て穿とう!」
放つは、四天境地・雷(シテンキョウチ・カミナリ)。
一射は分裂し、無数の雷の矢となって『ダイウルゴス』を貫いていく。視界にあるものすべてを追尾する矢。
それは無数に分かたれ、『ダイウルゴス』を打ち落としていく。
当然、視界に収まるものであれば、全て射抜く。
それが己のユーベルコード。
「知るがいい、悪霊からは逃れられない、と」
放たれた矢は『ドラゴンテイマー』の紅の剣と激突して、火花を散らす。
それは天蓋に覆われた暗闇の中にあって、一際激しく明滅し、その輝きで決戦都市を照らすのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
トラスト・レッドライダー
ダイウルゴス、ドラゴンテイマー、久しいな。
……戦い続けたエイル博士、そして多くの者達の為、己が限界を突破していけ!『変身』
『巨神顕現』亡国の主と融合、身長・武器サイズ・攻撃力・防御力3倍・四腕の『巨神』と化しメガスラスターで竜の天蓋、ダイウルゴス達へ【推力移動】一対の腕でアンガーブレードのプラズマ刃を振るいダイウルゴスを【切断】斬り裂き、竜骨爪と【怪力】でダイウルゴスを掴み裂き、無数のブラックスピアーで【貫通攻撃】エネルギーを収奪して戦闘続行、戦闘力を増幅させてゆく。
その災齎す力!!今一度断つ!!!
迫り来るダイウルゴスの群れを、増幅により【限界突破】しプラズマの奔流放つアンガーブレードで【なぎ払い】
ォォォォオオオオオオオオオオオオオオオツツ!!!
己が【情熱】を胸に叫び、|限界を越える!!《オーバーロード!!》
四腕で以てアンガーブレードを掴みなおし、全力を以て【切り込み】
プラズマの奔流刃でドラゴンテイマーを【一刀両断】
明日を求める|心《情熱》こそが!!『おそれ』を斬り開くのだ!!!
「『ダイウルゴス』、『ドラゴンテイマー』……」
トラスト・レッドライダー(レプリカントのデスブリンガー・f43307)は鉄の天蓋と、それを手繰る存在を見上げ、呟いた。
これは再びの邂逅。
であれば、己は何をするべきか。
言うまでもない。
戦うことだ。
これまでもそうだったのだ。
この湾岸の決戦都市は幾度となく戦禍に見舞われている。それを今更悔やむものなどいないだろう。
亜麻色の髪の女性『エイル』博士もそうであったように、地球に生きる全ての人々は戦いへの覚悟を持っている。ならばこそ、トラストは思う。
己の限界を突破していくのだと。
故に。
「『変身』」
ユーベルコードの輝きと共にトラストは『ユミルの子』と融合し、赤き装甲に覆われていく。
「『巨神』か」
『ドラゴンテイマー』はトラストが巨神顕現(メカニカル・タイタン)によって変貌した姿を空より見下ろす。
トラストの体躯を覆う赤い装甲が振動する。
メガスラスターの噴射光と共にあらわれるのは、もう一対の腕。
四腕たる偉業と共に一気にトラストは飛翔し、迫る『ダイウルゴス』に組み付き、叩き落とす。さらにトラストはアンガーブレイドから発生したプラズマブ刃の斬撃でもって迫る『ダイウルゴス』を切り裂く。
「戦える。そう思う。なら、己の限界はここではない」
トラストは切り裂いた『ダイウルゴス』を蹴って、さらに飛ぶ。
爪を食い込ませながら巨体をよじ登りながら、無数のケーブルで固定しながら、エネルギーを吸収し、さらにみなぎる力でもってトラストは『ドラゴンテイマー』へと迫るのだ。
「すさまじいな」
「その災禍齎す力!! 今一度断つ!」
「させぬよ。私の目的のために立ちふさがる障害」
真紅の剣が煌めく。
ユーベルコードの輝き。
クリムゾンキャリバー――『ドラゴンテイマー』が右腕と融合を果たした刀身が煌き、ふるった瞬間、『ダイウルゴス』が無数にトラストへと迫る。
「今更だ」
トラストは限界突破したアンガーブレードのプラズマの光を解き放つ。刀身がきしみ、融解するほどの出力。
震えばアンガーブレードが溶け落ちるだろう。
だが、構うまでもない。
もとより、壊れるのは承知の上。
振るうプラズマ奔流と共に『ドラゴンテイマー』が放った『ダイウルゴス』を飲み込ませる斬撃が走る。
「ォォォォオオオオオオオオオオオオオオオツツ!!!」
吹き荒れる奔流と共にアンガーブレードが溶け落ちていく。
いや、違う。
クリムゾンキャリバーの刀身がプラズマの奔流を受け止めているのだ。
「凄まじいが、受け止められぬわけでもない。押し返す」
「……!!」
トラストは己が四腕でアンガーブレードを握り直す。
「|限界を越える!!《オーバーロード!!》」
例え、目の前の敵が強大であったとしても、越える。越えると思わねば、越えられない。それは己の心に芽生えるであろう弱さを超克するための力。
故にトラストは踏み出した。
限界を超えたプラズマ奔流の反動に四腕の全てがひしゃげた。
だが、それでも構わなかった。
「明日を求める|心《情熱》こそが!!」
「『おそれ』は心を染め上げる。それは真理だ。どうしようもないことだ」
「いいや! 心は『おそれ』を斬り開くのだ!!!」
トラストは知っている。
『おそれ』を抱きながらも、未来に進んでいく人々の姿を。
過去の囚われながら、未来に希望を見る人々の姿を。
だからこそ、『ドラゴンテイマー』の言葉にトラストは惑わされない。
己の心に従う。
燃える炎が心から発露する。四腕が弾き飛ぶ。だが、トラストはアンガーブレードの柄を己が歯で掴むように噛みつき、首をねじって振るう。
そう、超えていくのだ。
今を。
そうやって未来はつかめるのだと示すようにトラストはプラズマの奔流刃で『ドラゴンテイマー』を打ち据えるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
アメリア・イアハッター
空から自由を奪うものを、私は絶対許さない!
空に光を返してもらうわよ!
宇宙バイク「エアハート」に騎乗しUC発動
エンジン全開風量最大、地上から真上に向かってマッハ12くらいでぶっ飛んでいく
ナイアルテちゃんも言ってたでしょ、凌駕してやるって!
風で守りながら竜の群れを突き抜け、上を取ったら方向転換して一直線にドラゴンテイマーを目指し、バイクごと体当たりを仕掛ける
到達する前に竜が合体したならば、そちらにはエアハートのみを突撃させ、自身はバイクを飛び降りて竜の背中を渡っていく
ボスまで近づけたら、空を飛び回り蹴りを入れよう
ありがとね! わざわざ空に足場まで用意してくれて!
空で自由に動ける私はちょっと強いよ!
鉄の天蓋が齎すのは闇夜。
その闇夜を切り裂くのは赤い光だった。
いや、違う。
それはアメリア・イアハッター(夢想空流・f01896)の瞳に宿るユーベルコードの残光であった。
か細い光。
空を埋め尽くす鉄の竜『ダイウルゴス』の圧倒的な数を前にすれば、あまりにもか細い糸のような輝きであったことだろう。
だが、最強のデウスエクス種族であるドラゴンが空を覆い尽くす空を見上げる人々の瞳に映る残光は希望の光そのものだった。
例え、どんなに弱々しい光であったとしても、幾千、幾万の人々の瞳に映るのならば、束ねられる光は極光にすら至るだろう。
「空から自由を奪うものを、私は絶対に許さない! 空に光を返してもらうわよ!」
それは湾岸の決戦都市に住まう人々全ての願いだった。
だからこそ、アメリアは『エアハート』を駆り、人々の瞳に希望を届ける、風の特急便(カゼノトッキュウビン)として空を駆けるのだ。
「無駄だ。『おそれ』は人間たちの心に、知性体の心に必ず芽生えるものだ。どうしようもないことだ。誰もがこの光景に『おそれ』を抱いている。払拭などできない。僅かでも『おそれ』があれば……」
「言ったでしょ! 凌駕してやるって! 凌ぐでもなく! あなたの言う『おそれ』を凌駕してやるんだから!」
アメリアは己に迫る無数の『ダイウルゴス』を躱しながら、音速を超えた速度で空を駆け抜ける。
宇宙バイクである『エアハート』のフロントカバーに風のバリアが張り巡らされ、『ダイウルゴス』の一撃を受け止める。
どころか。
彼女の音速を超えた突撃は迫る『ダイウルゴス』を轢殺するように吹き飛ばし、鉄の天蓋に亀裂を走らせる。
それほどまでに彼女の速度は規格外であった。
風が空を切り裂く。
その軌跡としてアメリアの瞳に灯すユーベルコードの残光が描かれているのだ。
それを見上げる人々の瞳にあるのは『おそれ』だろうか?
否である。
断じて『おそれ』だけではない。
『ドラゴンテイマー』の語る通り、知性体に『おそれ』は生存本能と切っても切れぬ紐づけされるもの。
だが、それだけで生命が生きられるか。
生きられない。
『おそれ』以外の感情があるからこそ、人々は未来に希望を見出す事ができるのだ。
「絶対に君を届けて見せる! だから、みんな!」
アメリアは呼びかける。
決戦都市の人々全てに。
彼らの希望を。灯された僅かな希望でもいい。それを己は、『ドラゴンテイマー』に届ける。いや、叩き込む。
「速い……だが」
目の前で『ギガンティックダイウルゴス』が形成されていく。
さらなる巨体たる竜の威容は凄まじいものだった。だが、アメリアは躊躇わなかった。
「おっきくなったからって!」
風纏う『エアハート』が『ギガンティックダイウルゴス』へと激突し、その巨体を傾がせる。
そのかしいだ『ギガンティックダイウルゴス』を蹴ってアメリアは『ドラゴンテイマー』に迫る。
「ありがとね! わざわざ空に足場まで用意してくれて!」
空で自由に動ける己は、強い。
束ねた人々の希望を宿すアメリアの瞳は『ドラゴンテイマー』を捉え、その蹴撃の一撃が、その頭部を激烈に打ち据えるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
一刻・悪魅
猟兵としてやっていくには力を取り戻す必要がありますが、その為にはこうやって実戦を重ねるしかありませんね。
敵の物量作戦には、敵の数を自分の|強運《ちから》に変える対集団用殺戮技巧を以て相対しましょう。
「これにて一巻の終わり、ですよ……あなた達が、ね」
|敵より先んじて【死冥死終】により己の殺戮衝動を解放《先制攻撃・殺気》。
|「戦場の敵全員」の精神を汚染することで未来に繋がる希望を奪って不幸を与え、「空を埋め尽くす」敵の数から天文学的な量となる(はずの)「奪った総量に応じた幸運」を獲得《精神攻撃・催眠術・幸運》。
超豪運の自分に対して何もかもままならない(相対的に)超不運な敵に対し、|スレイヤーカードから取り出した無反動リボルバーカノンを乱射。圧倒的な豪運により、大量の弾丸がダイウルゴスの大群や周囲の建物に当たって跳弾を繰り返し、その全てが奇跡的にもドラゴンテイマーへと叩き込まれる《武装召喚・跳弾》。
「持ち帰ろう」としてるモノを「不運にも」落とす事がないよう、せいぜいお気をつけて。(不安を煽る)
一刻・悪魅(人造殺戮者・f45307)は人造灼滅者である。
闇落ちした時期は長く、サイキックエナジーの不足で活動を休止せざるを得なかった。
目覚めた時、世界は変わっていた。
いつのまにか、というほかない。
寝耳に水、とはこのことだな、と彼女は思っただろうが、それよりも興味があったのはただ只管に己より強者。
それしか興味がない。
なら、己が標的とするのはオブリビオンだ。
猟兵の個としての力を上回る存在。
であれば、見上げる空……鉄の天蓋を形成している鉄の竜『ダイウルゴス』。そして、それを手繰る『ドラゴンテイマー』。
あれは、確実に自分よりも強い。
ならば、あれを殺すことにしようと思ったのだ。
如何なる理由からか、己が猟兵として覚醒していたのは僥倖と言わざるを得ない。
喪った力は、また取り戻していけばいい。
「実戦あるのみ、ですね」
殺戮衝動が体の内側から込み上げてくる。
こればかりはどうしようもない。
どうあっても己が消せるものではないのだ。むしろ、この殺戮衝動ありきの己のでしかない。
放たれた殺戮衝動に『ダイウルゴス』が呼応する。
だが、もう遅い。
「これにて一巻の終わり、ですよ……あなた達が、ね」
戦場に存在する敵、その全ての未来につながる希望を奪う。
それは未来への展望であっただろうし、過去の化身であるオブリビオンにとってはいかなるものであっただろうか?
いずれにせよ、彼女は『ダイウルゴス』たちの希望を奪って不幸を与える。
空に存在する無数。
それらが互いに不運にも激突しあって失墜していく様を彼女は見上げていた。
そして、彼女は笑った。
何故なら、奪った希望に応じた幸運が今まさに己にあるのだ。
超豪運とも言うべき幸運。
「絶対的な力量差を埋める幸運、とでも言うか」
「ええ、あなたがわざわざ呼び寄せてくれた無数の、その鉄の竜。それらから奪えば、総量は天文学的な数値になるでしょう。一体どれくらいなのか、私も数えるのが面倒なので、そういう者、としか認識できていません、が」
十分だと言うように彼女はスレイヤーカードから引き抜いた無反動のリボルバーカノンの弾丸を放つ。
大量に放たれた弾丸は、しかし、未だ天を覆う『ダイウルゴス』たちに阻まれる。
「超豪運とやらも、数を前には……」
瞬間、『ドラゴンテイマー』は理解しただろう。
その幸運は、天文学的数字なのだ。
であれば、どうなるか。
偶然は必然に成り代わる。
必然は運命すら超えていく。『ダイウルゴス』たちの鉄の体躯に弾かれた弾丸が、それこそ天文学的な確率を引き当て、跳弾して『ドラゴンテイマー』の肩を、足を貫いたのだ。
「……まさか」
「ええ、そのとおりです。私の攻撃は確かにあなたに及ぶことはない……ですが、それは限りなく100%に近い。けれど、100%ではない。僅かにでもあなたに傷が及ぶ可能性を、私の超豪運で引き寄せた、ということです」
僅かな確率すら手繰り寄せる運命。
であれば、だ。
「今から貴方を襲う不運というものは、私の幸運。私の幸運は、あなたに出会えたこと。その経験。であれば、あなたは『持ち帰ろう』としているモノを『不運』にも落とすかもしれません。それを気にしながら」
あなたはまともに戦えますか、と彼女は笑むでもなく淡々と告げる。
己と出会ったことが、そもそもの間違い。
それを示すように彼女のユーベルコードに煌めくのは、その名。
死冥死終(シンデシノオワリニクラシ)。
どれだけ足掻こうとも、終わりは直ぐ側に迫っている――。
大成功
🔵🔵🔵
鏡島・嵐
なんて奴だ……あの鋼鉄の竜、一頭一頭がおれよりも強い。それを何頭も従えるなんて、正直言ってとんでもねえ。
誰の目にも実力の差は歴然。おれだって状況が許すなら、逃げ出してえ。
……でも、それをやっちゃいけねえことはよくわかってる。
だからこそ、立ち向かうんだ。どんなに『おそれ』を懐いていても、だ。
後悔しねえために。そして、おれの大切なモンを、守るために。
ダイウルゴスの群れにもそうだけど、大将のドラゴンテイマーに有効打を与えないと話にならねえよな。
〈逃げ足〉と〈ジャンプ〉を駆使して、時々バランスを崩したりしそうになりながら不格好に近づいていく。
射程内に収めたらUC発動。
「星の|威吹《いぶき》よ―――!」
『ダイウルゴス』。
それは鉄の竜。
最強のデウスエクス種族ドラゴン。
その姿はケルベロスディバイド世界において、恐怖の象徴であった。
そして、人々は空を見上げる。
見上げざるを得ない。
決戦都市の空を覆う鉄の天蓋。
一体ですらない。無数……数え切れないほどの鉄の竜が空を埋め尽くしているのだ。その『おそれ』は一体どれだけのものであったことだろうか。
鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)は己の胸に湧き上がる恐怖と、この世界に生きる人々の恐怖とを思う。
あの『ダイウルゴス』は確実に己より強い。
それも一体一体が、だ。
「なんて奴だ……」
ユーベルコードの光が明滅する鉄の天蓋を見上げ、その先にいる謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』を嵐は見上げるしかなかった。
『ダイウルゴス』一体でも厄介なのに、それを何頭も従えているのだ。
正直に行って、規格外だ。
誰の目に見えても実力差というものは歴然。
埋めがたいものが、己と『ドラゴンテイマー』の間に横たわっているのを自覚する。
もしも、だ。
もしも、己に逃げるという選択肢があるのならば、逃げ出している。逃げ出したい。今だってそうだ。
けれど。
「それをやっちゃいけねえことはよくわかっている」
「その『おそれ』を払拭できないまま、か? 愚かだな、六番目の猟兵。徒に生命を散らすだけだ。だが、それも望みなのか?」
『ドラゴンテイマー』の言葉に嵐は頭を振る。
「いいや。どんなに怖くても、立ち向かうんだ。だからこそ、と前を向かなきゃ『おそれ』を壊いていても、だ」
己をバラバラにするような感情。
それに従っていては、絶対に己は後悔する。
「では、なんのために」
「おれの大切なモンを、守るために」
立ち向かうのだと言うように嵐は大地を蹴る。
目指すは迫る『ダイウルゴス』。
振るわれる顎を躱して、その頭を踏みつけて飛ぶ。飛んで、飛んで、踏みつけて、オブ。
逃げているように見えるかもしれない。
だが『ダイウルゴス』を足場にして嵐は『ドラゴンテイマー』を目指していた。
「私に追いすがるか。だが、無意味だ」
「無意味かどうかは、おれが決める!」
「いいや、無駄だ」
周囲の残骸が『ダイウルゴス』へと変貌し、嵐をさらに取り囲む。
バランスを崩して嵐は、空から落ちる。
けれど、なんとか『ダイウルゴス』の背に着地して、さらに諦めずに飛ぶ。
それは不格好そのものだっただろう。
スマートではないし、翻弄されるようだったことだろう。
けれど、誰もが思っただろう。
不格好でもいい。実力不足でもいい。何かに向かって進むことこそが大切なのだと。諦めない心があればこそ、人は殺されてしまうかも知れないが、負けないのだ。
嵐は、体現するように『ドラゴンテイマー』へと迫る。
「無駄でも、無意味でもなんでもいい! そんなこと知ったことかよ! どんなに怖くても、前に進むしかねえんだ! 人間っていうのは!」
それも知らないで、と嵐の瞳がユーベルコードに輝く。
幻想虚構・星霊顕現(ガーディアンズ・ファンタズム)。
それは星の威吹。
組み合わされるは、星光と息吹。
吹き荒れる光の奔流が『ダイウルゴス』を飲み込みながら『ドラゴンテイマー』に迫る。
コントロールが効かない。暴走している。
嵐は荒れ狂う光を抑え込むようにして拳を握りしめ、突き出した。
それが己の一撃。
『おそれ』を抑え込む唯一つのことだというように、嵐は構わず光の奔流を生み出し続けるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
アルカ・スィエラ
……駆け付けたらセラフィムが爆散していて、目の前にはあの男。なんだか、前もこんなことがあった気がするわね……流石に、空はこんなじゃなかったけど……
いくわよ、ドラグレクス…!!
融合合身…!『アルカレクス・ドラグソリス』……出る…ッ!!
出力全開!飛び交うダイウルゴスを足場にして踏みつけ、蹴り落とし、邪魔するのなら『ストライクスマッシャー』のドリルで腹をぶち抜きながら、敵本体を探す…!
ドラゴンテイマー自身を見つけたならドラグキャリバーを抜き、リミッター解除、限界突破での【虹剣ドラグキャリバー】を!!
伸びて、ドラグキャリバー…!
そして薙ぎ払いなさい…歪な竜の覆うあの空ごと……私達の、敵を……!!
鉄の躯がそこらに散乱している。
いずれもが湾岸の決戦都市の決戦配備である鋼鉄の巨人『セラフィム』であった。
「……あの男」
アルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)は、惨憺たる状況に過去にもこんなことがあったな、と思い直す。
見上げる空は、全て鉄。
天蓋のように鉄の竜が飛び、人々を恐怖に叩き落としている。
流石に、とアルカは以前の状況と照らし合わせて、ここまでではなかったな、と思い直した。
前回と比べて状況は最悪だ。
けれど、困難な状況にあってなお、アルカは諦めていなかった。
「いくわよ、『ドラグレクス』……!」
アルカの瞳がユーベルコードに輝く。
騎乗するキャバリア『プロトミレス』と『ドラグレクス』が合わさるようにして光の柱に包まれていく。
「融合合神……!『アルカレクス・ドラグソリス』……出る……ッ!!」
その言葉と共に光の柱から飛び出すのは『アルカレクス・ドラグソリス』であった。鋼鉄の巨人が飛翔し、迫る『ダイウルゴス』を踏みつける。
標的は『ダイウルゴス』を手繰る『ドラゴンテイマー』である。
この恐怖の渦中に立つ『ドラゴンテイマー』を打倒しなければ、いつまで経っても人々の心から『おそれ』は消えない。
そして『おそれ』ある限り『原罪蛇メデューサ』は己が配下を地球に送りこむ事ができるのだ。
であればこそ、アルカは眼前に迫った『ダイウルゴス』をストライクスマッシャーで、腹部をぶち抜きながら投げ払う。
「邪魔……ッ」
周囲に集まってきた『ダイウルゴス』が集うようにして合体し『ギガンティックダイウルゴス』へと変貌遂げる。
「……巨大化した……ッ、なら! この先にいる!」
「そのとおりだ、六番目の猟兵。君たちはほとほとに私の邪魔をする。私の障害だ。ならば、ここで君たちを退けるほか道はない、ということだ」
「余裕綽々ってわけ……でも!」
アルカの瞳がユーベルコードに輝く。
『アルカレクス・ドラグソリス』が手にするは、虹剣ドラグキャリバー(ドラグキャリバー・カラドボルグ)。
刀身が変形し、膨大なエネルギーが解放される。
「伸びて、ドラグキャリバー……!」
煌めく瞳と共に刀身の刃が長大に形成されていく。
アルカの瞳が捉えているのは『ドラゴンテイマー』。そして、迫る『ギガンティックダイウルゴス』。
「薙ぎ払う……っ、戦場ごと……私達の敵を!!」
オブリビオンを。
この災禍を。人々のために。そして己のために。
この宇宙を覆う歪な鉄の竜ごと、人々を『おそれ』で縛ろうとする存在を。
打倒さなければならないのだ。
「もう二度と悲劇は繰り返させはしないッ!」
放て、己の一撃を。
己の身に降り注いだ悲劇を誰かに味合わせぬために。アルカの裂帛の気合と共に放たれた閃光の如き一撃が『ギガンティックダイウルゴス』を薙ぎ払い、そして振り抜いた光の斬撃が『ドラゴンテイマー』を捉える。
切り裂かれた天蓋……そこから覗くのは、『おそれ』さえ吹き飛ぶ青空だった――。
大成功
🔵🔵🔵
薄翅・静漓
重く、冷たく、恐ろしい闇に包まれていても……
それでも、人々は光を――希望を、諦めたりはしない
胸に宿る、小さくても消えない輝きを持つ限り
キャバリアを召喚し、騎乗するわ
行きましょう、『セラフィム・クレセント』
空気を切り裂くような高速機動で、回避率を最大限にまで高め
『赤き剣の右腕』を避け、『ダイウルゴス』の群れを踏み越えて
思い描くポジションは――クラッシャー。
この世界の『セラフィム』たちが見せてくれた、未来を繋ぐための闘い方
きっとあなたにもできるはずよ、『クレセント』
絶望を砕き、希望を繋ぐ、その一撃を
……闇を裂き、おそれを払う光を放って
コール『プロメテウス・バーン』……!
息が詰まる。
空を覆われているだけだというのに、重々しい空気が肺を押しつぶすようだと、薄翅・静漓(水月の巫女・f40688)は思っただろう。
重たく、冷たく、恐ろしい。
闇が頭上から迫ってくる。
それでも、静漓は見ただろう。
湾岸の決戦都市に生きる人々を。まだ生きている人々を。
彼らの瞳に宿る光の名前を既に静漓は知っている。
「希望……そう、諦めたりしないのね。なら、私も諦めたりはしないわ」
胸に宿る、小さくても消えない輝きは己だけではないのだ。
他の誰にも宿るものなのだ。
そして、その輝きが小さくとも消えない限り、己は戦うのだと決意した静漓の瞳が鮮烈な青い光を放つ。
その光に導かれるようにして虚空が分かたれ、白銀に青が走る装甲を持つキャバリア『セラフィム・クレセント』が出現する。
世代分類されぬ当該世代のみの機体。
「行きましょう、『セラフィム・クレセント』」
静漓はコクピットに収まり、眼前を見つめる。
見つめるは天。
否、迫る鉄の竜たち。
齎す闇を切り裂くように『セラフィム・クレセント』のアイセンサーがユーベルコードに輝く。
背面装甲が展開し、噴出するは光。
翼のように噴射される光が、大気を切り裂く。
音速を超えた衝撃波が遅れて、瓦礫となった市街地に吹き荒れ、その軌跡は『ダイウルゴス』の切り裂かれた体躯が教えてくれる。
閃光のような機動。
『セラフィム・クレセント』は立ちふさがる『ダイウルゴス』を貫き、切り裂きながら『ドラゴンテイマー』へと迫る。
「『セラフィム』タイプ……見たことがないタイプか。私の知らぬ『セラフィム』がいるとはな」
『ドラゴンテイマー』は白銀の『セラフィム・クレセント』を見つめる。
加速した『セラフィム・クレセント』が閃光のように一気に『ドラゴンテイマー』に迫る。
「この世界の『セラフィム』たちが見せてkる得た、未来を繋ぐ」
「『持ち帰る』までもない『セラフィム』に何を見た、六番目の猟兵よ。お前は無為を掴んだだけに過ぎないのかも知れないのだぞ」
「いいえ」
静漓は言い放った。
己は見たのだ。
あれを無為だとは言わせない。己が胸に抱くものを『セラフィム・クレセント』は増幅させてくれる。
振るわれるクリムゾンキャリバーの一閃を静漓は、躱す。
本来ならば躱せない一撃だった。
だというのに。
「……どういうことだ。私の知らない『セラフィム』の性能だとでもいうのか」
「いいえ、性能ではないわ……」
静漓はコクピットに触れる。
「きっとあなたにもできるはずよ、『クレセント』」
静漓の瞳に煌めくユーベルコードがコクピットから溢れる。
青い光。
膨れ上がる光の翼が羽撃くように噴出し、更に加速する。
「絶望を砕き、希望を繋ぐ、その一撃を。思い、描く」
かたち(カタチ)なき思いを形にする。
それがユーベルコード。
急接近した『ドラゴンテイマー』のクリムゾンキャリバーを『セラフィム・クレセント』の両腕が払う。
開放された胸部砲口。
「これは……!」
「……闇を裂き、『おそれ』を払う光を放って。コール」
明滅するアイセンサー。
湛える光の名を叫べ。
「『プロメテウス・バーン』……!」
解き放たれた熱線が炸裂し、鉄の天蓋をも切り裂き、そこにある青空を示してみせた――。
大成功
🔵🔵🔵
エミリィ・ジゼル
無数のダイウルゴスが何だと言うのです。
我々はこれまでもデウスエクスの侵攻を防いできました
それをやるだけです
UCで増殖し、無数のかじできないさんズを展開
決戦都市に配備された兵器(TOP背景や説明ページ参照)を駆使し、ドラゴンテイマーとダイウスゴスの群れを迎撃します
Df担当のわたくしが隔壁展開でダイウルゴスを阻み
Jm担当がバイオバスを散布して目くらましし
Md担当が倒れた我々をリスポンさせ
Cr担当の砲撃と、Ca担当の広域鮫魔術でダイウルゴスの群れを薙ぎ払い
Sn担当が長距離狙撃でドラグンテイマーを狙撃する
言うなれば、これぞ一人|決戦配備《ポジション》!
ディバイドの、そして決戦都市の底力を見せてやる!
空には無数の鉄の竜。
まるで鉄の天蓋である。
青空が広がるはずの空すら埋め尽くし、常闇へと変貌させた『ダイウルゴス』の群れ。
圧倒的だった。
人々の『おそれ』を引きずり出すには十分すぎる光景。
だが、しかし、『おそれ』を齎すのが闇ならば、希望齎すのが光だ。
ユーベルコードの輝きが地上に灯された。
「無数の『ダイウルゴス』が何だというのです」
それは強がりの言葉ではなかった。
事実だ。
己達は、とエミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)は瞳を輝かせながら天を睨めつける。
「『我々』は、これまでもデウスエクスの侵攻を防いできました。それをやるだけです」
ずらりと居並ぶは、エミリィたちであった。
そう、それはユーベルコードによって並び立つ無限ゾンビ戦法を手繰る彼女たち。
恐るべきことである。
一人くらい欲しい。
切実に。
「我々の底力としぶとさと面倒臭さを思い知れ!」
エミリィたちが駆け出す。
この湾岸の決戦都市の主力である決戦配備である自律人型戦術兵器『セラフィム』の半数以上が稼働できない状況にある。
けれど、構わない。
他の決戦配備が使える。使って見せる。使えないなら使えるようにして見せる。
なにせ、今のエミリィは物量でもって『ダイウルゴス』に対抗しようとしているのだ。
そして、彼女は一人ではない。
まだ、この決戦都市には抗おうという希望の光を灯す人々がいる。
エミリィが通常兵器に駆けつけた時、そこには多くの人々が戦おうと修繕を行っている光景が広がっていたのだ。
「あんた、猟兵だろう! 整備は完全じゃないが、使える! 使ってくれ!」
「こっちもだ! 比較的損害の少ないのを集めておいた」
「お任せください! 後は、この無敵の『かじできないさんズ』にお任せください!」
エミリィは人々から決戦配備の残骸を託され、それぞれの役割を担当する。
障壁が展開し、迫る『ダイウルゴス』を受け止める。
だが、それは焼け石に水だ。
なにせ、相手は『ダイウルゴス』。
最強種族ドラゴンそのものなのだ。咆哮が恐ろしげに響き渡る。
「今です、ジャマー担当のわたくし!」
「バイオガス噴射!」
吹き荒れるガス。
周囲に立ち込めるガスに『ダイウルゴス』が呻いた瞬間、突撃に吹き飛ばされたエミリィたちをメディック担当が抱えてリスポンさせていくのだ。
倒されるほどに増えていくエミリィ。
それは『ダイウルゴス』の攻勢が苛烈であればあるほどに勢いを増していく。
「いきますよ、クラッシャー担当のわたくしたち! 砲撃よーい!」
「コマンダー担当から入電! 広域鮫魔術での血路を開きまーす!」
数の暴威。
そのお家芸は『ダイウルゴス』のみではない。
ここにいる『かじできないさんズ』は、なら何ができるのかを示していた。
スナイパー担当のエミリィたちが『ドラゴンテイマー』を狙撃する。
その一撃に『ドラゴンテイマー』は呻いただろう。
物量こそが己達の強みだったのだ。それを一人で覆す猟兵がいる。
「言うなれば、これぞ一人|『決戦配備』《ポジション》! おくれてすまないさんなんてどこにもいませんよ! これが!」
砲火が荒ぶ空。
鉄の天蓋を失墜させんとするように放たれる嵐のような攻勢が空へと飛ぶ。
「ディバイドの、そして決戦都市の底力です!」
これぞ増えて蘇るメイドの術(フエテヨミガエルメイドノジュツ)! こうなっては止められないぞ――!
大成功
🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
【ステルク】
おおおぅ!?
不意打ちの|雄叫び《シリアスブレイカー》!?
ちょっとびっくりしましたけど、練乳が心許ない今、
ステラさんの|雄叫び《シリアスブレイカー》はありがたいですね!
蕁麻疹がちょっと良くなった気がします。
って、あれ?
なんかセリフ違ってません?
それ、ステラさんの欲望交ざってないですか!?
っていうか、戦い関係なく心に『エイル』さんいますよね?
というか、わたしがドラゴンテイマー担当なんですか?
数の多い方がわたし担当だと思っていたのですが……。
ま、やってみましょう!
こういう相手には大きいの一撃が定石です!
【ラデツキー】いっきまーす!
『第九号』さんは……叩いたら直ったりしないでしょうか?
ステラ・タタリクス
【ステルク】
第九号様の復旧は絶望的ですか……
いえ、エイル博士ならいつかきっと
しかし、セラフィエルクスがロストするとは
私のプロメテウスバーンにそんなに威力はないはずです
ならば姿をくらました……?
ですがまずはこれ!
|エイル様《主人様》のぉぉ!!
香りがしまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁすっっっ!!
どうしましたルクス様?
平常運転大切ですよ
戦いに際しては心にエイル様を!ですよ!!
いきますよケルーベイム!!
ルクス様はドラゴンテイマーへの攻撃をお願いします
ダイウルゴスの群れはお任せ頂きましょう!
フェリーレを装備して突撃態勢
この一時、私が『番人』となりましょう
【クーストース】!
何人たりとも先には行かせません!
湾岸の決戦都市の状況は最悪であったし、絶望的であった。
天には鉄の竜。
昼を夜にするほど埋め尽くされた膨大な数。
そして、半数は破壊を免れたとて、稼働状況には程遠い。
何故なら、サポートAI『第九号』も失われてしまった上に、新型決戦兵器『セラフィエルクス』もまた損失してしまっているのだ。
だが、ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は諦念に塗れることはなかった。
なぜなら、彼女がそうであるように『エイル』博士もまたそうであると確信していたからだ。
「ですが、『セラフィエルクス』がロストするとは……」
本来ならあり得ない。
ステラの『ケルーベイム』に装備された『プロメテウスバーン』は、そこまでの出力がない。
ならばこそ、あり得ない現象であったのだ。
「……いえ、姿をくらました、と考えるのが妥当なのかもしれませんね」
とは言え、何処に? 何故? 如何なる事象で?
わからない。
けれど、ステラはやらねばならぬことを思い出した。
「|『エイル』様《主人様》のぉぉ!! 香りがしまぁぁぁあぁぁぁぁぁぁすっっっ!!!」
「おおおぅ!?」
不意打ちの|雄叫び《シリアスブレイカー》にルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は、思わず飛び上がっていた。
びっくりしたどころの話ではない。
あまりにも不意打ちであった。
練乳が心もとない今、正直ステラの雄叫びは万能薬であった。
どんな状況であっても、彼女が叫べばシリアスが裸足で逃げ出していくからだ。なんともとんでもないことです。
気のせいか、蕁麻疹が引いたようにさえ思えてしまった。
「どうしましたルクス様?」
「いえ、ちょっとびっくりしただけです。ありがたいです!」
「はあ? どうしましたルクス様? 私は平常運転ですよ」
恐い平常運転である。
暖機運転とかもしようね。
「戦いに際しては心に『エイル』様を! ですよ!!」
「それ、ステラさんの欲望混ざってないですか? ていうか、戦い関係なく心に『エイル』さんいますよね?」
「それはそうです」
ステラはルクスのツッコミに頷いた。ボケではない。真面目なのである。
「行きますよ、『ケルーベイム』!! ルクス様、『ドラゴンテイマー』を!」
「え、わたしが『ドラゴンテイマー』担当なんですか? 数の多いほうがわたし担当だと思っていたのですが……」
「『ダイウルゴス』の群れはお任せください!」
『ケルーベイム』のフレアスカートから飛び出した一対の棒……トンファーを構え、『ケルーベイム』のアイセンサーが煌めく。
「主は御座にありて……これより一時、私が『番人』となりましょう。何人たりとも先には行かせません!!」
弾けるようにして『ケルーベイム』が『ダイウルゴス』を打ち据えながら、その巨体を大地に失墜させて道を日切り開く。
「ルクス様!」
「わかってますよ!」
やってやりますよ、とルクスは『ケルーベイム』の肩に掴まる形で空へと飛ぶ。
『ケルーベイム』が打倒した『ダイウルゴス』の群れ。
その切り裂くような突撃の先に『ドラゴンテイマー』がいるのだ。
「ところで『第九号』さんって、叩いたら治ったりしないでしょうか?」
「家電じゃないんですから」
「そうなんですかね? でも、『ドラゴンテイマー』はぶったったきます!」
巨大バイオリンの衝撃波が『ドラゴンテイマー』を打ち据える。
「……! 六番目の猟兵……やはり、立ちふさがるか」
「立ちふさがる? いいえ、ぶっ飛ばすんですよ♪」
ルクスが『ケルーベイム』の肩を蹴って『ドラゴンテイマー』へと迫る。振るうはグランドピアノ。
どう考えても楽器の使い方ではない。
振りかぶった一撃が『ドラゴンテイマー』を打ち据え、ダウンさせる。
さらにルクスは笑む。
胸を膨らませるように息を吸い込み。
「ラデツキー行進曲(ラデツキーコウシンキョク)、いっきまーす!」
「ぐ、くっ……!」
「せーの!」
吹き荒れるはユーフォニアムの旋律と言うには、あまりにも強烈な音波。
その痛烈な一撃が、ついに『ドラゴンテイマー』を空から地上へと叩き落とすのだった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジークリット・ヴォルフガング
●SPD
あの|原罪蛇《メデューサ》と結託したと聞き及ぶ竜使いか
記録によれば先の戦争でも暗躍していたと聞いているが…まぁいい
何番目だろうとも、過去の亡霊にはご退場頂くまでだ
して、操るは鉄の竜…ダイウルゴス
大群であるが故の数、大群であるが故の合体
完膚なきまでの計と称えるべきだろうが…大群であるが故、対処もそれなりにあるのでは
合体しようと集まった鉄竜に向け【レガリアスファイア】を与え、鉄をも溶かす黄金の炎にて合体を阻害ならびに滞留する炎の中へ突入
モジュラーアーマーの【火炎耐性】機能である耐熱ガスが切れるまでに突破せねばだが、ダイウルゴスを足場として加速
突破したならば、その勢いで【急所突き】で奇襲だ
謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』。
その来歴は猟兵達の大いなる戦いの歴史の初期を示すものであった。
ジークリット・ヴォルフガング(人狼の傭兵騎士・f40843)はそうした戦いの歴史を紐解きながら、ついに大地に失墜した『ドラゴンテイマー』の姿を視界に捉えていた。
だがしかし、すぐさま『ダイウルゴス』が彼を取り巻くように出現するのだ。
それが『おそれ』を介した召喚であるとジークリットは理解しただろう。
「あの|原罪蛇《メデューサ》と結託したと聞き及んでいたが……まぁいい」
『ドラゴンテイマー』が如何に暗躍し、幾度目かもわからぬ邂逅を猟兵にもたらしたのだとしても、関係ない。
「貴様が何番目だろうとも、過去の亡霊にはご退場頂くまでだ」
「私を亡霊と呼ぶか。確かに六番目の猟兵……君たちからすれば、そうなのだろうな。だが」
退場するつもりはないと言うように『ドラゴンテイマー』の掲げる手に集うようにして『ダイウルゴス』が互いの体をつなぎ合わせるようにして巨大化していくではないか。
圧倒的な巨躯。
『ギガンティックダイウルゴス』ともでも呼べばいいか。
その恐るべき巨躯がジークリットと『ドラゴンテイマー』との間に立ちふさがっているのだ。
「巨大化しようとも、それで私達を止められるとでも思ったか」
空転するジークリットのエアシューズ。
駆動する彼女のレガースが大地との摩擦で火花を生み出し、一気に炎を噴出させる。
それは黄金の炎。
「鉄だというのならば、溶かすまで」
ジークリットの手繰る黄金の炎が『ギガンティックダイウルゴス』を包み込み、炎の滞留の中に飲み込んでいくのだ。
そして、その炎の中をジークリットは構わず突き進む。
身を包むモジュラーアーマーの耐熱ガス。
これによってジークリットは黄金の篝火の如き様相へと至った『ギガンティックダイウルゴス』を躱して、さらに足場として駆け上がるのだ。
エアシューズの加速によってジークリットは『ドラゴンテイマー』の頭上を取ったのだ。
「レガリアスファイア……!」
ジークリットが吠える。
その瞳の残光が戦場に軌跡を描いて、一直線に『ドラゴンテイマー』に迫る。
構えた真紅の剣、クリムゾンキャリバーが閃き、ジークリットのふるった刃と激突する。
「受け止めるか」
「悪くはない。だが、筋がよい、というだけだ。それだけではな」
振るわれたクリムゾンキャリバーの剣閃がジークリットのふるった一撃を弾き飛ばす。だが、ジークリットはその場で弾き飛ばされた衝撃をエアシューズの加速で回転し受け流す。
それでけではない。
ジークリットは回転の勢いを殺す間もなく、その剣を振り抜く。
クリムゾンキャリバーが今度は弾かれる番であった。
「く……回転の勢いで斬撃を」
「それだけと思うか。ならば、それが貴様の限界だ、『ドラゴンテイマー』!」
ジークリットの振りかぶった剣の切っ先が剣呑に煌き、斬撃ではなく刺突の閃きを見せ、『ドラゴンテイマー』の胸を貫く――。
大成功
🔵🔵🔵
淳・周
なんだアイツ…どれだけ邪悪な…?
竜の群れに決戦配備も今は使えねえ。
…上等!
劣勢を覆してこそヒーロー、絶望なんかしねえよ!
どこにでもいる正義のヒーローの力、見せてやるよ!
UC起動、炎の装甲や手甲を纏い仕掛けに行こう。
睦月を操りダイウルゴス一体絡め取り動きを縛りつつその背を駆け上がり、近くのダイウルゴスの体を次々に飛び移り渡ってドラゴンテイマーを目指す。
数が多すぎれば同士討ちも警戒して攻撃が緩くなるはず、なら勇気出して突っ込むのがベターだろう。
ドラゴンテイマーに近づけたら思いっきりぶん殴る!
さり気なく睦月を敵の足元へ伸ばし剣振るう直前に体勢崩して斬撃もかわせりゃ上等なんだが。
※アドリブ絡み等お任せ
刺突の一撃が『ドラゴンテイマー』の胸を貫く。
血潮が舞い散り、しかし、空を覆う天蓋の如き存在は未だ消えぬ。
つまり、まだ『ドラゴンテイマー』は健在だと言う証明であった。滴る血潮が見を汚しながら『ドラゴンテイマー』は大地に立つ。
「やはり恐るべきは六番目の猟兵、か……だが」
真紅の剣が煌めく。
クリムゾンキャリバー。
その刀身から溢れ出す無数の『ダイウルゴス』。
大地にありて疾駆する鉄の竜の威容に淳・周(赤き暴風・f44008)は呻いた。
「なんだアイツ……どれだけ邪悪な……?」
湾岸の決戦都市の状況は最悪だ。
空を覆うは鉄の竜。そして、決戦配備もまともに稼働できない。
だが、躊躇ってはいられないのだ。
己が駆け出さなければ、『ドラゴンテイマー』を取り逃がしてしまう。まだ、状況は最悪だ。けれど、だから何だというのだ。
「……上等! 劣勢を覆してこそのヒーロー、絶望なんかしねえよ!」
「無為に吠えるな、六番目の猟兵。それが虚勢であるとどうして思えない」
「知らねえよ、そんなことは! アタシは、どこにでもいる正義のヒーロー。その力、見せてやるよ!」
迫る『ダイウルゴス』たちを前に周は己が体躯に紅炎の鎧をまとって踏み出していた。
「派手に燃えて行くぜぇっ!」
紅炎装纏(オーバーヒート)。
それは周囲の炎を巻き込みながら、紅炎の手甲となって形成される。
巨大な顎が己を一飲みにしようとしている。
その鼻っ柱を拳で叩き伏せ、周はそのままの勢いで『ダイウルゴス』の背中を疾駆し『ドラゴンテイマー』へと迫る。
振り下ろされた『ダイウルゴス』の爪の一撃が、己が足場にしていた『ダイウルゴス』を斬り裂く。
衝撃と共に煽られながら周はなんとか体勢を整えて、また走り出す。
彼女の目にあるのは、『ドラゴンテイマー』ただ一人。
ぶん殴る。
ただ、それだけなのだ。
「猪突猛進だな。だが、それだけでは」
振るわれるクリムゾンキャリバー。
その斬撃は鋭く、周の身を守っていた紅炎の鎧を容易く切り裂くだろう。
薄皮一枚。
僅かに防御が間に合った……いや、違う。周はそもそも防御などしようとはしていない。ただ只管に直線的に走っていただけだ。
薄皮一枚で彼女の身を守ったのは、影のような糸。その糸が僅かに『ドラゴンテイマー』の体勢を崩していたのだ。それ故に彼女の身は護られていたのだ。
そして、破壊された装甲が彼女の拳にさらに集約されていく。
「だったらなんだよ! それでアタシを退けられると思ってたんなら! 目算が甘えってもんだぜ! 受けろよ、アタシの拳を!!」
振るう拳が爆炎の如き炎を噴出しながら、鉄槌の如き衝撃を持って『ドラゴンテイマー』の頭蓋へと叩き込まれた――。
大成功
🔵🔵🔵
龍之宮・翡翠
貴様がこの戦いの引き金を引いた存在という事か
過去に何をやってきたのかは、俺は知らないが……その事実だけで刃を向ける理由になる
お前が十二剣神の前座だと言うなら、尚更だ
空を覆うというなら、その『空の泣く声を聞け』
天泣雨で竜どもの動きを鈍らせる
猟兵、ケルベロス、それに関わる者たちだけでなく、世に隠れざるを得なかった者たちや、力ない人々までもが、貴様達を放逐する為に力を結集している今、何を『おそれ』る事がある
数で攻めて来るとしても、標的は竜どものその主とその配下と定めている
天泣雨で合体する動きが鈍った傀儡を刀と体術で薙ぎ払い、鉄の竜どもを足場に駆け抜けて、奴に斬りかかる
この星から退け、侵略者共――!
炎の鉄槌が『ドラゴンテイマー』の頭蓋を叩き割らんばかりの勢い叩きつけられていた。
強烈な衝撃。
それは彼の意識を刈り取るには十分な一撃であったが、しかし『ドラゴンテイマー』はよろめきながらも、その右腕と一体化した真紅の剣を地面に突き立てて立っていた。
「……やはり、脅威だな」
だからどうしたと言わんばかりに龍之宮・翡翠(未だ門に至らぬ龍・f40964)は踏み込んでいた。
畳み掛けるのならば、今しかないとさえ思っていただろう。
故に彼が振るう斬霊刀の斬撃がユーベルコードの輝きを放つ。
「貴様がこの戦いの引き金を引いた存在だということは分かっている」
「ほう、やはり視ていたか、六番目の猟兵」
「過去に何をやってきたのかは、俺は知らないが……その事実だけで刃を向ける理由になる。お前が十二剣神の前座だと言うなら、尚更だ」
そのユーベルコードの輝きを宿す刀身の煌きを覆い隠すように『ダイウルゴス』が翡翠に襲いかかる。
天蓋の如き鉄の竜の数。
それはまさしく数の暴威と呼ぶに相応しい光景であった。
「空を覆うというのなら、その『空の泣く声を聞け』」
斬霊刀が横薙ぎに払われた瞬間、水しぶきが散弾のように放たれ『ダイウルゴス』たちを退ける。
いや、此方に攻勢を仕掛けようという精神エネルギーそのものに作用する水しぶきは即座に『ダイウルゴス』たちを黙らせるように大地へと失墜させた。
「ほう、『ダイウルゴス』を止めるか。だが、それだけではな!」
振るわれるクリムゾンキャリバー。
その斬撃は鋭い。
受け止めた腕が軋む。
だが、それでも翡翠は踏み込む。
「『おそれ』抱いたままでは、『原罪蛇メデューサ』は止められない。それはお前たちがよく知っていることだろう」
「だからなんだ。今、この世界を動かしているのは俺達だ。猟兵、ケルベロス、それに関わる人々だけではなく、夜に隠れざるをえなかった者たち、力ない人々までもが、貴様たちを駆逐する為に力を結集している今、何を『おそれ』ることがある」
数など意味がない。
ただ、己が討つべき存在を翡翠は違えない。
大地に付した『ダイウルゴス』を蹴って、翡翠は『ドラゴンテイマー』の横合いに回り込む。
猟兵たちとの数多の戦いによって消耗した『ドラゴンテイマー』には、その動きについては行けないだろう。
故に翡翠は左側に回り込み、クリムゾンキャリバーの斬撃の反応を遅らせながら振りかぶった残霊刀を振るう。
飛ぶ水飛沫。
例え防ぐのだとしても、完璧には防げないだろう。
そして、翡翠の放つ天泣雨(テンキュウウ)たるユーベルコードは『ドラゴンテイマー』の精神に作用する。
これが例え微々たるものだとしても、連なりを途絶えさせないのであれば、必ず届かせることができると信じている。
故に翡翠は叫ぶ。
「この星から退け、侵略者共――!」
それがこの世界、地球に生きる者たちの願い。
願いを受けた刃は、鋭い斬撃となって『ドラゴンテイマー』の体躯へと裂傷を刻むのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
雨河・知香
ソニア(f40904)と
状況はひどく悪い、でもここにいる皆なら絶対に乗り切ることができる。
あの陰でコソコソ動くばかりの邪悪はとっとと叩きのめしてやらないとね。
…エイル博士が状況整え直す時間も稼げるといいんだが。
オルテュクスに搭乗、UC起動し【星海を翔ける鶉】と【空に輝く活力の銀光】を籠めておく。
ソニア載せて変形した改造ヘリで黒竜の隙間を縫って敵を目指す。
同士討ち誘発するようなルートを狙い操縦、竜の近くスレスレ通るのも腹括っていくよ!
ある程度距離詰めたらAI自動操縦に切り替え手近な竜の背に飛び降りそこからダッシュで駆け上がり距離詰めて、銀月の光受けつつ拳を叩き込んでやろう!
※アドリブ絡み等お任せ
ソニア・コーンフィールド
知香ちゃん(f40900)と
なーんかあのオブリビオン怖い…強さ以上に雰囲気がヤバい、ような。
でも怯んじゃいられない、背水なら前に突っ込んで活路見出すしかないよね!
接近は知香ちゃんのオルテュクスに同乗、操縦に任せてガジェットで寄ってくるダイウルゴスをヘリの窓から迎撃、牽制するね!
十分近づいたら知香ちゃんと共にダイウルゴスの背に飛び降り熾天怪獣王プラモ取り出しUC起動!
でっかい方召喚して乗り込んで全速力で突撃、足場にしてる黒竜の背に変形翼噛ませて超加速、割り込んでくる竜も全部跳ね飛ばしたり強引に押し込んでドラゴンテイマーにぶちかます!
他の黒竜を敵の斬撃の盾にできればいいかな!
※アドリブ絡み等お任せ
湾岸の決戦都市の状況は最悪だ。
ひどい有り様だと言っていい。だからと言って、デウスエクスの侵略が待ってくれるかと言えば、そんなことはない。
此方の状況がどうあれ、敵もまた死力を尽くしてくる。
絶滅か生存か。
そのどちらかでしかない状況にあるのだから、当然である。
「でも、それでもここにいる皆なら絶対に乗り切ることができる」
雨河・知香(白熊ウィッチドクター・f40900)は、鉄の天蓋の下、ついに猟兵達によって追い詰められた『ドラゴンテイマー』を睨めつける。
この事態を引き起こした黒幕とも言える存在。
『ドラゴンテイマー』を退けなければならない。
「あの陰でコソコソ動くばかりの邪悪は、とっとと叩きのめしてやらないとね」
この状況を打破するためには、多くの人類の力が必要不可欠だ。
だからこそ、知香はソニア・コーンフィールド(西へ東へ・f40904)と共に『ドラゴンテイマー』を撃退すべく駆け出す。
「『オルテュクス』! ソニア!」
「うん!」
改造ヘリと共に知香は『ダイウルゴス』の壁を突破するために、その機体事態を変形させるのだ。
高速移動形態。
それはユーベルコードの輝きを放ちながら、飛ぶ一筋の閃光だった。
迫る『ダイウルゴス』を躱し、改造ヘリが飛ぶ。
「来るか、六番目の猟兵。脅威として、私の障害として」
立ち上がった『ドラゴンテイマー』。
塞ぐように大群の『ダイウルゴス』が改造ヘリを襲う。間隙を縫うようにして飛翔し、さらに距離を詰める。
「やっぱりなーんか、あのオブリビオン恐い……強さ以上に雰囲気がヤバい、ような」
でも、ひるめない。
ひるんじゃいられない。
ソニアは知香の合図と共に改造ヘリを飛び出す。
「AI自動操縦に切り替え! 行くよ!」
「らじゃー!」
前に、前に。
どのみち、戦いになったのならば後には退けない。
退けば地球が崩壊する。なら、前に進むしかないのだとソニアは知香と共に改造ヘリから飛び出し、己が掲げたプラスチックモデル『熾天怪獣王』を掲げる。
掲げた手のひらに光が集約し、ソニアは叫んだ。
「コール!『熾天怪獣王』!」
彼女の手のひらのプラスチックモデルを核としてソニアを包み込むは、巨大なキャバリア。
翼が大地に広がるように伏せられ、爪が噛むようにして駆体を抑える。
「さー、一気にギアを上げて潰しちゃうよ!」
瞬間、『熾天怪獣王』の駆体が砲弾のように飛び出す。
一気に飛び出した巨体は、『ドラゴンテイマー』を目指し、大地に一閃を描く。
大地がめくれ上がるほどの超加速。
それは『ドラゴンテイマー』にとっては、防ぎようのない一撃だったことだろう。
加えて傷を負って消耗している状態なのだ。
であれば、どうあがいても躱せるわけがない。
突進する一撃をクリムゾンキャリバーの刀身が受け止めるも、その勢いに圧されるようにして『ドラゴンテイマー』は押し出されるように地面に轍を刻むだけだった。
「ぐ! だが!」
刀身から溢れる『ダイウルゴス』。
「まだだよ!」
ソニアの言葉に空に浮かぶ銀の月が煌めく。
それは知香のユーベルコード。
銀の光を受けた彼女がソニアの惹きつけた『ダイウルゴス』を躱して、距離を詰める。
まるで駆け上がるように、空を目指すように彼女は踏みしめ、己が拳wお振りかぶる。
「さあ、気合を入れなよ。この一撃、アンタに受け止められるかしら!」
「ぐっ、おおおおっ!?」
振り抜かれるボディーブローの一撃。
それはスマッシュのごとく強烈なる打撃となって『ドラゴンテイマー』の体をくの字に折り曲げることだろう。
大凡、拳から出していい音ではない音を響かせながら、知香は己が拳で持って『ドラゴンテイマー』を吹き飛ばすのだった――。
大成功
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ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
さあ博士ライブ放送だよライブ―!
キルカウンターガンガン回して視聴者の射幸感を煽って―!
みんなどれだけ倒せるか競争だよー!
もりがってこー!
●合体中は攻撃しちゃいけないなんてもう古い!
化石化するくらい古い!
【第六感】で時と機を計って、UC『神罰』でメガ盛り巨大化&パワーアップした[球体]くんたちを合体しようと集まってきてるところにドーーーンッ!!
同じくらい強化した[餓鬼球]くんたちも放ってドラゴンくんたちの相手をしてもらいながら特段にパワーを溜めた超特大セール大玉[超重浮遊鉄球]くんでテイマーくんをドーーーンッ!
まさか黒幕ムーブしてれば死なないなんておもってないだろーね!
「さあ、ライブ放送だよ、ライブー!」
ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)の言葉に亜麻色の髪の女性『エイル』博士は瞠目しただろう。
一体何を言っているのか、とも思ったはずだ。
「切るカウンターガンガン回して視聴者の射幸感を煽ってー! みんながどれだけ倒しているのか競争なんだー! もりあがってこー!」
「まさか、あのドラゴンをどれだけ倒したのかをカウントしろと?」
「そうだよ。掛け値なしにドラゴンはデウスエクス最強種族! そんな最強をボクらがどれだけ倒したのかわれば、人類のみんなの中にある『おそれ』も減るんじゃない? よくわかんないけどー!」
言われてみれば、確かにそうかもしれない。
『おそれ』を抱くのは、人類が未だ『ダイウルゴス』を最強種族ドラゴンだと認識しているからだ。
恐怖の象徴とも言っていい。
そんな恐怖の象徴を己達が打ち倒す様を見せれば、もしかしたらドラゴンに対する恐怖、『おそれ』が減らせるかもしれない。
であれば。
「させぬよ。人類には、まだドラゴンに恐怖してもらわねばならない。誰もが恐怖しないドラゴンなど、力の象徴にすらならない」
故に、と『ドラゴンテイマー』の眼前で天蓋の如く空を覆う『ダイウルゴス』たちを束ねていく。
「合体中は攻撃しはいけないなんてもう古い! 化石化するくらい古い!」
だから、とロニは合体中の『ダイウルゴス』をめがけて球体を巨大化させる。
共に巨大化。
だが、ロニの球体は、更に巨大化し、振り下ろす。
「一網打尽だよね! 合体中っていうのはさ!」
お約束なんて知ったことではない。
神罰(ゴッドパニッシュメント)なんて言うのは、常にそういうものだ。
なら、とロニは己が球体の一撃を合体のために集った『ダイウルゴス』へと叩きつける。
例え、それが一撃で『ダイウルゴス』を打倒できなくても、合体を阻止することはできるはずなのだ。
「アハハハハ! はじけちゃった!」
複製した球体たちをさらに叩きつける。
質量攻撃の飽和攻撃。
ロニが敢行したのは、それだ。
絶え間ない球体が降り注ぐ打撃にさしもの『ダイウルゴス』も合体を諦めなければならなかったのだ。
「まさか黒幕ムーヴしてれば死なないなんて思ってないだろーね!」
「どうだかな。あまりデウスエクスを舐めないほうがいい」
「どーだか! 君たちもボクらのことを見くびってるんじゃあないの?」
「そのつもりはない」
「じゃあいいよね! 超特大セールでド――ンッ!!」
振り下ろされた球体の一撃は噴煙を撒き散らすように周囲を濛々とした煙に包み込む。
「やったか? はフラグなんだよね! でもさ!」
構わない。
どのみち、逃がすつもりがないのは自分だけではないのだ。
それを示すようにロニは明滅するユーベルコードの彼方に、走る閃光を認め、手を挙げる。
「ここだよ、こっこ! ここー! 黒幕ムーヴ決めてる『ドラゴンテイマー』は、ここだよー!」
ほら、と示すようにロニは仲間の最後の一撃を見届けるように『ドラゴンテイマー』を示すのだった――。
大成功
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紅葉・紅葉
まだだ!
一矢報いて一太刀あるいはひとタッチ浴びせた紅葉ですが皆様の凄まじいご活躍を吹き飛んだ先で見上げていてやる気が再びフル充填!
このまま休んで次の戦場へ、それもいいでしょう! まだ戦争は続きますからね。
だが今私の心が燃えあがった! ならば次とは今! 未来はNow! 良い言葉ですね、座右に銘したくなります、しました。
車輪を回して再加速! レッツ、スタート!
ギガンティックダイウルゴス! 通常ダイウルゴスより大きくなって……実に走りやすい!
凸凹した鱗も激しい挙動も悪路走破してご覧にいれましょう!
私が小さくて見えない? 騒がしいから気づかれる? ははは!
関係ありませんね私がするのはただ一つ!
突撃ー!
巨大なる一撃。
だがしかし、まだだ、と紅葉・紅葉(歩く宅配便・f40976)は大地を疾駆し思う。
そう、まだ。
まだ『ドラゴンテイマー』を仕留めていない。
一矢報いる一太刀。
その一撃で終わりではない。多くの猟兵達のユーベルコードの輝きを紅葉は視ただろう。
あるいは、ひとタッチ浴びせただけでは、まだ押し込めない。
『ドラゴンテイマー』は恐るべきオブリビオンである。
数多の『ダイウルゴス』をたぐり、『原罪蛇メデューサ』すら支配下に置いているのだ。
そして!
「皆様の凄まじい活躍が、紅葉のやら浮きを再びフル充電してくださったのです!」
そう、紅葉の段ボールの駆体にはやる気が満ちていた。
溢れんばかりであった。
確かにこのやる気のままに次なる戦場に飛び込むのもいいだろう。何故なら、まだケルベロス・ウォーは終わっていない。
まだ続くのだ。
だが、紅葉の心は今、燃え上がったのだ。
ならば次なる戦場とは、今!
「未来はNOW! 良い言葉ですね! 座右の銘にしたくなります、しました」
車輪が空転し火花をちらしながら紅葉は疾駆する。
猟兵たちが追い詰めた『ドラゴンテイマー』への道筋は、数々のユーベルコードの軌跡が示してくれている。
まるで誘導灯だ。
ならば、その道を己は最速で走り抜けるだけ!
「……だが、させんよ」
『ドラゴンテイマー』よろめきながらも立ち上がっていた。そして、迫るは『ギガンティックダイウルゴス』。
紅葉の進路を阻むようにして山のようにそそり立っているのだ。
「ただでさえ巨大なドラゴンを、さらに大きく、と! ですが、実に走りやすい! 巨大化すれば、テクスチャも大雑把になるってもんです!」
鱗一つとっても巨大だ。
でこぼこしてもいる。
けれど、この程度で紅葉は悪路とは言わない。
何故なら己は、デリバリーサービスの権化。
悪天候、悪路、悪環境。
そんなものなど、全て踏破してきたからこそ、今のサービス形態があるのだ。
であれば、紅葉が届けるものは、猟兵達皆が紡いできた勝利と希望。
「来るか、六番目の猟兵……!」
「ありゃ、気が付かれましたか! ははは! 関係ありませんね私がするのはただ一つ!」
そう、たった一つのこと。
己の突進力は三倍。
そして、速度も三倍。
そんでもって、その威力も三倍。
大気との摩擦で段ボールが燃える。だが、それでもっ構わない。
燃える瞳の如きロゴマーク。
「突撃ー!」
己の段ボールの駆体そのものを砲弾にした一撃が『ドラゴンテイマー』の体躯を吹き飛ばす。
それは盛大なる一撃。
苛烈なる一撃は、ついに『ドラゴンテイマー』を打ち砕くように打倒し、天を遮っていた鉄の天蓋をも霧散させ、青空を取り戻したのだった――。
大成功
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