3
ケルベロス・ウォー⑦〜美しさの影に蠢くもの

#ケルベロスディバイド #ケルベロス・ウォー #黄道神ゾディアック #『ゆりかご』 #プレイング受付中

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ケルベロスディバイド
🔒
#ケルベロス・ウォー
🔒
#黄道神ゾディアック
#『ゆりかご』
#プレイング受付中


0




 ――グリモアベース。
 グリモア猟兵の蛇塚・ライム(その罪名は『憤怒』/IGNITE POP DiVA・f30196)は、ケルベロス・ウォーの新たな予知を見た。
「デウスエクスによる地球侵略作戦の約半分を指揮していたデウスエクス連合軍最強の指揮官にして、十二剣神のリーダー格の黄道神ゾディアックの戦場で皆様に特殊ミッションを発令いたしますわ」
 ド派手なユーベルコードを意図的に使用するゾディアックには、真の狙いがあった。

「天体の魔力を操る強大なユーベルコードの使い手ですが、何らかの方法で自分達が全滅する可能性も考慮し、後の世のために新たな子孫を乗せた『ゆりかご』を用意していました。ゾディアックは、自らが抱える完全球体『ゾディアック・ドーム』で育んでいた、微弱なグラビティ・チェインで生きていけるよう調整した特殊なデウスエクス新種族の子供達を『ゆりかご』と呼ばれる特殊な浮遊繭に載せ、密かに地球にばら撒こうとしていますの」
 つまり、赤子を密かに放逐し、ゾディアック自身が目立つことで猟兵達の目を背けようとしていたのだ。これではゾディアックを倒しても後顧の憂いは取り除くことが出来ない。
「ゆりかごには最低限の『環境変異兵器』が搭載されているため、周囲は決戦都市の内部にも関わらず、危険な状況となっていますわ。これを突破して『ゆりかご』を確保し、都市の混乱を収めてくださいまし。確保したゆりかごの処遇は猟兵に一任されています。その場で壊しても良し、人間のいない地中深くに埋めても良し。あるいは……。可能性の話ですけども」
 ライムは言葉を濁すと、早々に猟兵達を転送する準備を整える。

「そうそう、今回の『ゆりかご』の中身ですが、全身が綿毛のようなフワフワな物質に覆われた青い赤ん坊ですわ。姿形は人間にに似ていますが、れっきとした地球外生命体ですので責任のある行動を期待していますわね?」
 猟兵達の行動や、いかに……?


七転 十五起
 純戦闘ではなく、今後に繋がるかもしれない戦いです。
 皆様、良き選択をなさってください。
 なぎてん はねおきです。

●プレイングボーナス
 変異した環境を乗り越える/『ゆりかご』に対する処遇を決める。
 このシナリオの環境変異兵器では『周囲を数千℃の活火山めいたマグマ地帯』に変化させます。
 中にいる赤子は『溶岩のような皮膚を持つ岩人間』です。

●その他
 コンビやチームなど複数名様でのご参加をご検討される場合は、必ずプレイング冒頭部分に【お相手の呼称とID】若しくは【チーム名】を明記していただきますよう、お願い致します。
(大人数での場合は、チームの参加人数及び参加者氏名をプレイング内に添えていただければ、全員のプレイングが出揃うまで待つことも可能ですが、その際は参加者全員のオーバーロード投稿を強く推奨します。出揃わない場合、まとめて不採用になる事をご了承ください)

 なお、本シナリオは戦争の進行状況に応じて、全てのプレイングを採用できない可能性があります。こちらも予めご了承くださいませ。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしてます!
211




第1章 冒険 『『ゆりかご』を確保せよ』

POW   :    環境変異兵器の破壊を試みる

SPD   :    決戦都市の地形を利用し、迅速に移動する

WIZ   :    何らかの手段で環境変異に耐える

イラスト:yakiNAShU

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

周囲を数千℃の活火山めいたマグマ地帯ね、それなら虚影の混沌魔術で対処。まずはUCアストラルプロジェクションで幽体離脱して、肉体はグリモア猟兵に預けて霊体のママ出陣。マグマに降霊し|操って《地形の利用》攻略よ。赤の女王仮説、適者生存、私は|あらゆる環境に即座に適応する。《高速詠唱、早業、化術肉体変異》
ゆりかごはもちろんお持ち帰り。UCで魂の契約を刻めば悪さもできないでしょう。さらにUC空亡の空中決戦都市『空亡』の艦内なら教育に十分な居住空間があるわよ。決戦都市の名付けでケルベロスディバイドの地球と紐づけてあるからグラビティチェインの供給も問題ないしね。



 決戦都市の片隅で、異様な光景が広がっていた。大地は熱くドロドロと解け、赤く輝く。すべての生物は超高温のマグマの海の前では熱気で呼吸すらままならない。これだけの変化が起きているにも関わらず、誰も見向きもしなかったのは十二剣神のリーダー格の黄道神ゾディアックのユーベルコードによって、そちらに意識が向けられてしまっていたからだ。この環境変化の発生源である『ゆりかご』――環境変異兵器に守られているデウスエクスの赤子こそ、ゾディアックの秘策だ。
 自身が敗れて肉体が滅びても、後世に反乱分子を残すことで侵略の足がかりにするのだ。

 だが、それが通用するほど猟兵達は甘くない。
 例えば、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202)の言動は狂っていた。
「周囲を数千℃の活火山めいたマグマ地帯ね、それなら|虚影の混沌魔術《ケイオスマジック》で対処できるわ」
 自身のユーベルコード5つを虚影の化身へ詰め込むと、まずはアストラルプロジェクションを発動させてアリスは己の肉体を遠隔地に置き去りにしたまま霊体で現場へ急行する。これで超光熱地帯で火傷ひとつ追わずに行動ができる。それだけではなく、己の魔力とユーベルコードを用いて、マグマ地帯という環境を強制的に変換してゆくではないか。
「わたしにこの程度の悪環境で行動を阻害できると思ったら大間違いよ。せいぜい超新星爆発くらいでようやく欠伸が止まる程度かしら」
 環境変異兵器がまるで役に立たないアリスを前に、『ゆりかご』は為す術なくユーベルコードで強制停止させられた。中には発熱する溶岩の皮膚で覆われた、デウスエクスの赤子がスヤスヤと眠っている。
「ユーベルコードで魂の契約を刻めば、地球侵略という悪さもできないでしょう。イチから教育して、わたし好みに染めてあげるわ。それにわたしのユーベルコードには空中決戦都市『空亡』があるもの、十分な教育環境と居住空間を確保できるわ。ケルベロスディバイトの地球と『空亡』を紐づけてあるから、グラビティチェインの供給も問題ないしね」
 こうして、アリスは赤子を自分の手駒として育成するべく、その場から持ち去ってゆく。よもやゾディアックもこんな手厚い環境で赤子を引き取られるとは思ってもいなかっただろう。そして何の縁もなく本来ならば抹殺するべき対象を育成すると決めたアリスはやはり狂っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハル・エーヴィヒカイト
まずは環境変異兵器を止めなくては話にならない
マグマ地帯か……ならば
UCを発動し自身の体力を癒しながら進行できる状況を整える
そして自身の刀剣のひとつ、氷輪剣を軸に冷気の[属性攻撃]の力を備えた[結界術]で熱を中和
[心眼]でゆりかごまでの最短経路を[見切り]、ゆりかごへと至る

ゆりかごの環境変異兵器は停止させる。これは我らの生存のためにも必須だ
その上で、ゆりかごの子供たちを保護する
環境変異兵器が止まった状態で生存できるのか
消費されるグラビティチェインは我らの生存を脅かさないか
調べないといけないことは山積みだが
それでも最初から諦めることはしないと決めた



 本来ならば『ゆりかご』に守られたデウスエクスの赤子は抹殺対象だ。それを活かすこと自体が黄道神ゾディアックの狙いだからだ。
 しかし猟兵は情に深いものが多いようで、ハル・エーヴィヒカイト(閃花の剣聖・f40781)もまたそのひとりである。
「まずは環境変異兵器を止めなくては話にならない。凄まじい熱気……やはりマグマ地帯は生物にとって過酷すぎるな……ならば」
 ハルはユーベルコード『境界・碧月光華』を発動する。
「我が眼前に集え世界。咲き踊れ狂乱の刃、碧月光華」
 詠唱を終えた次の瞬間、マグマ地帯は無数の刀剣を内包した領域と拮抗してゆく。顕現した刀剣がマグマに飲まれて徐々に融解してしまう。
「完全には戦場をユーベルコードで上書きはできないのか。だがそれで十分。刀剣に宿った癒やしの霊力が私の火傷を癒やし続けている間は行動可能だ」
 更にハルが携える氷輪剣の凄まじい冷気によって、目の前の溶岩が一時的に冷やされて一本の道が生まれる。それは『ゆりかご』までの最短距離だ。
「よし、今行くぞ」
 再び冷やした溶岩が融けて無くなる前に、ハルは『ゆりかご』を花のように咲き誇る領域に内包された刀剣で破壊する。環境変異兵器が停止すると、徐々に周囲のマグマ化も収まり始めた。
「さて、環境変異兵器が停止した今、このデウスエクスの赤子達は生存できるのか。そもそも胸痺されるグラビティチェインは我らの生存を脅かさないか、色々と調査する必要がある」
 ハルはゆりかごから赤子達を数体保護すると、然るべき研究施設へ保護してもらうべく連れ去ってゆく。
「問題は山積している。敵の思惑通りにもなるだろう。それでも、最初から諦めないと私は決めたんだ」
 ハルは敵の思惑とグリモアの予知に反逆する。未来はまだ確定していない。ならば望む未来のために今は精一杯足掻こうと覚悟を決めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリー・マイヤー
特殊な環境で生き抜くために、調整された子供達。
他人事とは思えませんね。
いっそ、他人事と切り捨てられたら、楽だったのですが。

まぁ、ボヤいても始まりません。
お仕事お仕事。
【念動メタモルフォーシス】により全身をサイキックエナジーに置換。
熱やら赤外線やらの妨害を無視して突っ切ります。
この世界は、サイキックとは縁遠い。
今の私を止められる者は、そうそういないでしょう。
そうして周囲を捜索し、環境変異兵器を破壊。
ゆりかごを確保します。
こういう環境を作るってことは…
暑いところの方が、健やかに育ちそうですね。
であれば、熱帯雨林とか、あるいは温泉の湧く火山とか。
丁度いい土地がないか、長官に相談しましょう。



 アポカリプスヘル世界で生まれたフラスコチャイルド、エリー・マイヤー(被造物・f29376)にとって、この任務内容は他人事ではなかった。創造主の思惑によって産み落とされ、創造主の望んだ生き方を強いられるであろう赤子達。それらにエリーが殺意を抱けるわけがなかった。
「特殊な環境で生き抜くために、調整された子供達。親の意思を押し付けられた存在。……ますます他人事とは思えませんね。むしろ、いっそのこと他人事と切り捨てられたら、どれだけ楽だったことでしょうかね?」
 ニヒルな笑みを浮かべつつも、グツグツと地面が泡立ちながら沸騰する超高温マグマ地帯に足を踏み入れるエリー。アポカリプスヘルの劣悪な大気汚染から比べれば、熱気による呼吸器のダメージなどかすり傷に等しい。
「まぁ、ボヤいても始まりません。お仕事お仕事。変容します」
 刹那、エリーの身体はユーベルコード『|念動《サイ》メタモルフォーシス』でサイキックエナジーへ変換させる。エネルギー体となった彼女に単純な物理的なダメージはほぼ無効化される。
「これなら熱やら溶岩やらを無視できます。今の私を止められるものは、そうそういないでyそう」
 環境変異そのものを無視するチート無双を横行させつつ、エリーは遂に複数の『ゆりかご』を発見した。
「ひとまず物騒な溶岩発生機は破壊しておきましょう」
 エネルギー体である今のエリーならば、環境変異兵器の中へ入り込んで回路を焼き切ることくらい造作もなかった。こうして環境変異を食い止めると、エリーは他の猟兵達と同様に赤子達をh後することにした。
「こういう環境を作るってことは……暑いところの方が、健やかに育ちそうですね。であれば、熱帯雨林とか、あるいは温泉の湧く火山とか。丁度いい土地がないか、長官に相談しましょう」

 後日、アダム・カドモン長官のもとに保護されたデウスエクスの赤子が届けられ、その対応に頭を悩まされる彼が目撃されるのだが、それはまた別の話である。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バーバラ・ナノシュタイン
アドリブ/連携可

(霊的防御を高めためろめろオーラでマグマ地帯の熱に対応)
「グラビティ・チェインの消費量を抑えた新世代デウスエクス、研究しがいがあるじゃないの。」
(マグマの上に『ゆりかご』を発見)
「あれが『ゆりかご』ね。回収しましょ。」
(ふわりと飛んで回収、中を見る)
「ふーん、なるほどこれが新世代デウスエクス。興味深いわね。とりあえず|ウチ《サイバーザナドゥ》に連れ帰って調査と研究と行きましょうか。ちょうど開発中の疑似グラビティ・チェイン発生装置があるから、その実験台としてもちょうどいいわね。」
(中の子が動き出す)
「少し大人しくしてて。」(UC発動)



 猟兵は往々にして、敵性存在には容赦なく殺意をぶつけて殲滅してゆく傾向がある。過去の戦争も大抵は草の根も残さず敵勢力を蹴散らしていった。
 しかし、本作戦において黄道神ゾディアックの目的を理解しつつも、未来に抗おうとする猟兵達が後を絶たない。
 バーバラ・ナノシュタイン(マッドサイエンティストなの・f41701)もそのひとりだ。
「グラビティ・チェインの消費量を抑えた新世代デウスエクス、研究しがいがあるじゃないの」
 赤子を保護するこということは敵の狙い通りになる。いつか成長した暁には地球へ害を為す存在になるだろう。だがそれは猟兵達が何も鑑賞してこなかった場合の話だ。特にバーバラのように『保育』目的ではなく『研究』目的で赤子を保護する目的の場合、それはただのサンプルでしかないのだ。つまり赤子の生死など気にしていない。このナノナノの女性はマッドサイエンティストなのだから。
 さて、息をするだけで肺を焼かれる超高温マグマ地帯に、無謀にもバーバラは生身で繰り出してゆくらしい。霊的防御を高めためろめろオーラでこの超高温に対処しようとするが、如何せん各技能がほぼ初期値で一般人に毛が生えた程度の耐性であった。せめて火山活動用の耐熱スーツをどこからか借りてくるなどすれば、まだ多少は動けたはずだった。
「あれがゆりかごね。ああ、面倒なの。ナノナノ焼きになる前にさっさと回収ね」
 バーバラは背中の羽を羽ばたかせてふわりと移動を開始。地表から湧き上がる凄まじい熱気を吸い込んだ時点で呼吸器が焼かれて呼吸困難による窒息死が待っている。それでもバーバラは幸運に恵まれ、どうにか『ゆりかご』までたどり着いた。
(ふーん、なるほどこれが新世代デウスエクス。興味深いわね)
 口を開けば死が待っているので、バーバラは息を止めて喋らずに『ゆりかご』の赤子を連れ去ろうとする。しかし環境変異兵器は異常を感知して周囲のマグマ化を激しくさせ、赤子も泣き出してしまう。このあたりの対処をほとんど練っていなかったバーバラは、面倒くさそうに赤子と環境変異兵器へユーベルコード『めろめろハート』を撃ち込んだ。
(大人しくしてて)
 有機物・無機物問わず、放ったハートが命中した相手をめろめろにする。お陰でバーバラへ危害を為す行為が一時的に阻害され、こころなしか環境変異装置も出力が下がってゆく。赤子に至ってはぐっすりと眠り落ちていた。
 バーバラはそのままグリモアベース経由でサイバーザナドゥにある自身の研究所へ赤子を持ち帰る。その後の赤子がどうなったかは、バーバラのみぞ知る事となる。

成功 🔵​🔵​🔴​

上野・イオナ
UC【妖剣解放】使用
僕の妖刀 号『二朝』は|陽《ひ》の力を持つから、溶岩よりも熱い、はず!その怨念を纏った僕は溶岩の熱に耐えれるはずだ。
その上で寿命を削りながら飛んで高速移動してゆりかごまで移動。

さてと、ゆりかごの子は保護したいね。
DIVIDEに相談しながらも場合によっては引き取りは視野に。
敵意は無いか、環境変異兵器無しでも生きられるか、周りに迷惑をかける特性・習性が無いかは注意しないと。
今回の戦争、思うことがいくつかあって、このままゆりかごの子をすぐに殲滅したり無視したら僕が猟兵続けていく自信がないかも。
つまり僕のワガママだけどその分、出来るだけ多くの人を救う道を探さなきゃ



 上野・イオナ(レインボードリーム・f03734)はゴッドペインターだ。ゴッドペインターは海峡を『塗り替える』事ができる、戦う芸術家だ。更に携える刀剣の力を解放すると、イオナの身体は炎よりも熱くなってゆく。
「僕の妖刀 号『二朝』は陽の力、つまり太陽の力を持つから、溶岩よりもずっと熱い、はず! その怨念を纏った僕は溶岩の熱に耐えれるはずだ。なにせ寿命を削りながら飛んで高速移動できるんだからね!」
 太陽の温度が3000℃〜8000℃ともいわれており、対してマグマは650℃〜1300℃だ。熱を持って熱を制す。寿命を削るのも納得である。
「よし、難なく『ゆりかご』までたどり着けたね。でもこの辺、温度低くない……?」
 自身の体温が現在6000℃のイオナにとって、1000℃程度のマグマの熱気はもはや涼しさすら感じる。
「さてと、ゆりかごの子は保護したいね。DIVIDEに相談しながらも場合によっては僕がこの子を引き取ることも視野にいれなきゃ。そうなると、この子に敵意は無いか、環境変異兵器無しでも生きられるか、周りに迷惑をかける特性・習性が無いかを調べてもらって注意を払わなくちゃね」
 溶岩を纏った赤熱する赤子を『ゆりかご』ごと抱きかかえるイオナ。
「おっと、辺りを溶岩に変える環境変異兵器は破壊しておこう」
 太陽のパワーを宿す刀剣が、まるでプロミネンス紅焔めいて兵器を一太刀で真っ二つに焼き切った。
「これでよしっと。今回の戦争、思うことがいくつかあって、このままゆりかごの子をすぐに殲滅したり無視したら、僕が猟兵続けていく自信がないかも」
 徐々に周囲の温度が下がってゆき、イオナも太陽のパワーを鎮めてゆく。
「つまり、この子を保護するのは僕のワガママ。だけどその分、出来るだけ多くの人を救う道を探さなきゃ」
 黄道神ゾディアックの思惑を完全に阻止するわけではないが、赤子が相手ならば未来を変える猶予はまだ十分にあるはずだ。イオナは未来の自分が誇れるように、今は懸命に力を振り絞ろうと決意するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
竜眼号搭乗
「ご主人サマー☆ゆりかごだぞ☆ゆりかごがマグマの中にあるぞ☆皆を捕まえて助けるならあれだよね☆」
ぐぅぅぅぅぅ!!
UC発動
【情報収集・視力・戦闘知識】
都市の状況と人々の状態
そしてゆりかごの場所を正確に把握
【属性攻撃・念動力・集団戦術】
10師団を竜眼号の護衛に回し
半分は都市の救出作業とゆりかごの確保
念動障壁と火炎属性を幼女軍団に付与してマグマの熱への耐性を得る
可能な限りのゆりかごを確保強奪!

…生まれた時から存在を否定されるのは…僕は気に入らねぇからな
だから…此奴らは僕が貰っていく
責任…知るか
僕らに捕まった不運を呪え
更にこの世界のグラビティも採集

…どっかで土地でも買うとするかな…



 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)もまた、酔狂な猟兵のひとりであった。
 マグマ地帯の上空をカシムの所有する飛空戦艦『竜眼号』が征く。その中で相棒のメルシーが怪しく笑う。
「ご主人サマー☆ ゆりかごだぞ☆ ゆりかごがマグマの中にあるぞ☆ 皆を捕まえて助けるならあれだよね☆」
「ぐぅぅぅぅぅ!!」
 ズキュゥゥゥン!
 カシムの魔力は一気に枯渇してカッピカピのミイラめいてぶっ倒れた。
「「ひゃっはー☆」」
 途端、メルシーの身体は幼女化し、163師団というとてつもない数へと分裂して外へ飛び出ていった。
「技能を複合させれば灼熱属性攻撃無効化スキルも作れちゃうぞ☆」
「それぞれのレベルが100越えてないと無理だけどね☆」
「溶岩温泉だぞ☆ ハビバノドンだね☆」
 自由奔放に動き回る幼女メルシー達だが、しっかりと仕事は果たす。
 超人海戦術によって周囲の『ゆりかご』の場所をすぐさま特定すると、環境変異装置だけを的確に破壊して竜眼号へ運び出す。
「……生まれた時から存在を否定されるのは……僕は気に入らねぇからな。だから……此奴らは僕が貰っていく。責任……? 知るか、こいつらは僕の駒だ。どう扱おうが僕次第だ。僕らに捕まった不運を、呪え」
 この世界のグラビティも採集したカシムが呟いた。
「…どっかで土地でも買うとするかな……」

<了>

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年05月27日


挿絵イラスト