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ケルベロス・ウォー⑥〜しあわせプリンタイム

#ケルベロスディバイド #ケルベロス・ウォー #オウガ

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「黄金の角を生やした鬼神の種族は『オウガ』さんっていうーなの? 十二剣神襲来による地球のピンチに馳せ参じてくれるなんて、頼もしすぎて胸キュンーなの!」
 真っ白い体に黒い魔女っ子姿でうっとりとした瞳を空に向けたケットシー、佐久・ララ(ハナサカコネコ・f17010)は、自身の周りに集まってくれた猟兵の姿に気づくや、ピシッと姿勢を正した。
「集まってくれてありがとーなの。ララがごあんなーいするーのは、オウガさんたちによる『お食事処』ーなの」
 この『オウガ』たちは鍛練を愛し鍛錬に長けた種族。そんな彼らは『戦う為の身体作りに最適な、栄養満点の美味しい食事』を、デウスエクスと戦う意志ある者に分け隔てなく大量に振る舞うべく、あっという間に街中に『お食事処』を設営したという。

 その一つが『プリン処』。
 プリンに特化した『お食事処』だ。
 だが、プリンと言ってもオウガが提供する料理。2リットル以上のバケツで作られたプリンがドーンとそのまま出てくるらしい。
「ララ、プリンは飲み物だーって思ってたけど、その大きさにびっくりしちゃったーなの。けど、みんななら余裕ーなのっ」
 自身のプリン観に関してとんでもないことをぶっちゃけた後、猟兵たちを持ち上げながら続けるララ。
「プリンは、バケツのままほじくって食べるもよし、飲んでもよし。お皿にひっくり返して食べるもよし。生クリームやフルーツでデコってもよし。いろんなフレーバーのジュレやピューレをかけるもよし。食べ方はみんなにお任せするーなの」
 プリンの硬さもさまざまで、甘いバニラ香るとろとろ滑らかプリンから、定番の卵と牛乳で丁寧に作ったぷるんつるんとしたプリン。表面に焼き色が乗ったカスタードプリンに、たまご味が強いしっかりとした硬さがあるプリンなど、さまざま。
 プリン自体のフレーバーも、いちご、バナナ、チョコに抹茶など、プリンに合う物ならなんでも揃っているようだ。

 この戦争もいよいよ最終局面へと突入するが。
「オウガさんの厚意に甘えて、体にも心にもいいプリンで戦う力をつけたらいいーなの!」
 そう告げたララの手のひらでグリモアがぱっと咲けば、猟兵たちが導かれたのはオウガが設営した『お食事処』の一軒、『プリン処けるべろす』だった。


朝奈ひまり
 ご無沙汰しております、朝奈ひまりです。
 三度の飯をプリンにしたいくらいプリンが好きです。
 プリンはのみもの!

 こちらは一章で完結する戦争シナリオです。

●できること
 バケツプリンが出てきますので、完食してください。
 プリンの種類やフレーバーやトッピングはオープニングの通りですが、上記にないプリンやトッピングもご自由に。

 お供の飲み物は、コーヒー、紅茶、お茶に各種ジュースなど。
 喫茶店に揃っている物であればなんでもあると思います。

 プレイングボーナス……オウガお手製の「身体作りの為の食事(※大量にある)」を完食する。

●色々
 ・キャパシティオーバーにより締め切りを設けたり、プレイングをお返しすることもあります。
 ・同伴者がいる場合は【グループ名】でお知らせください(名前とIDですと文字数を食うので)。
 ・公序良俗に反するプレイング、未成年者の飲酒は描写できません。
 ・運営状況はマスターページやタグ、SNSでお知らせいたします。
 ・オーバーロードの使用はお任せいたします。

 それでは、よろしくお願いいたします。
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第1章 日常 『緊急開店! お食事処けるべろす』

POW   :    大量の料理を苦もなく完食する

SPD   :    より消化の良い料理を選んで食べる

WIZ   :    味変や別腹で料理を食べきる

イラスト:del

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

うわぁ♪おっきいねぇ♪
クローネちゃん、甘いの大好きだよ♪
よぅし!いっぱい食べて、元気いっぱい頑張るぞ~★

食べるのは「定番の卵と牛乳で丁寧に作ったぷるんつるんとしたプリン」で★
【大食い】技能でどんどん食べていくよ♪
勿論、ただ腹に入れていくのではなく、しっかりと味わった上でね★
トッピング等による味変もしてみようかな♪
一個食べきっても足りなかったら、二個目に行くよ♪
飲み物はオレンジジュースで♪

UCは『クローネちゃんの愛用品★』
【大食い】を100レベルにして、いっぱい食べられる様にするよ♪



 暖簾をくぐって店の中へ入ればオウガたちの笑顔と歓迎の言葉、そして柔らかく甘い香りがクローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)を出迎えてくれた。
 案内された席について注文するのは、定番のあのプリンとオレンジジュース。
 バケツプリンってどれくらい大きいんだろうとワクワクしていたクローネの目の前に運ばれたのは、ジョッキに入ったオレンジジュースと2リットル以上はありそうなバケツ――いや、バケツに入ったプリンった。
「うわぁ♪ おっきいねぇ♪」
 真紅の瞳をキラキラと輝かせながらバケツの中を覗けば、クリームイエローのプリン。
 これはいわゆる、定番の卵と牛乳で丁寧に作った、ぷるんつるんとしたプリン。バケツを揺らせば、ぷるんと揺れるとともに甘いか反りが鼻腔をくすぐってくる。
 きっと底の方にも、甘めのカラメルがたっぷりと控えているに違いない。
「そうそう、プリンといったらこう出なくっちゃ★ クローネちゃん、甘いの大好き♪ よぅし! いっぱい食べて、元気いっぱい頑張るぞ~★」
 そう意気込みながらクローネがブラックスライムで生成したのは、ちょっと大きめのスプーン。
 なんとこのスプーン、クローネの技能【大食い】のレベルを爆上げしてくれるのだ。
「これでいっぱい食べられるよ♪ いただきまぁす★」
 手を合わせた後にブラックスライムのスプーンでつつけば、ぷるんと揺れる黄色いプリン。
 そのまま掬い取って口に運べば、定番の優しい味に思わずほっぺをおさえてにっこり。
「ん〜、おいしい♪ やっぱりこの味だよね〜♪」
 こんな美味しいプリンをただ腹に入れていくなんて勿体無い。
 しっかりとミルクと卵とわずかなバニラの風味と、つるりとした舌触り。そして柔らかな食感を味わって、ごくんと飲み込む。
 しばらくバケツからプリンを掬って食べていくけど、やはり気になるのは『味変』だ。
 メニューを覗けば、さまざまなトッピングがずらりと名を連ねていた。
 普段ならお腹の空き具合で厳選するところだけど、今日のクローネは違う。なぜなら、【大食い】しても平気だから!
 オウガのお姉さんを呼んで、メニューを指さして「ここからここまで一個ずつ」注文すれば、あっという間にテーブルの上はトッピングで埋め尽くされてしまう。
 少し硬めの生クリームに、いちごやチェリーなどのフルーツ。そしてベリーやオレンジ、ラムネのジュレにピューレ……。
 色とりどりのトッピングに味変への期待値が爆上がりだけど、一度オレンジジュースで口直し。トッピングと一緒に運ばれてきた真新しいお皿にぷるんとプリンをひと掬いふた掬いして心のままにトッピングを施していけば、あっという間にクローネオリジナルプリンの出来上がり。
 こんなふうに味を変えながら美味しいプリンを堪能し続けることができるなんて。
 バケツプリンの中が空になるまで、クローネは落ちそうなほっぺを押さえながら何度もこの言葉をつぶやくのだろう。
「……あぁ〜、幸せ〜♪」

大成功 🔵​🔵​🔵​

薬袋・あすか
どうせなら色々試したいよなァ。折角のプリン専門店なんだし
一皿ずつ貰えないか交渉してみようか、総量で言えばバケツプリン一杯と変わらないだろうし

一品目
ミルクプリン、柔らかめ
優しい甘さがいいね、舌で潰せる柔らかさに滑らかなのど越し、確かにこれは飲み物だ

二品目
抹茶プリン、普通の固さ、小豆とホイップ
今度は和風だね。ほろ苦と甘さのバランスが最高、抹茶の良い香りがたまらないよ

三品目
レトロなプリンアラモード
かは、良いねぇこの豪華な感じ、見るだけでテンション上がってくるね

四品目
最後はおすすめの組み合わせを食べてみよう
さて、何が出るかな?

アドリブ絡み歓迎



 案内された席に腰を落ち着けた薬袋・あすか(雪ん子・f40910)は、机上のメニューをめくってプリンやトッピングを確認したのだけど、プリンのバリエーション豊かなフレーバーはどれも魅力的で。
「んー、どうせなら色々試したいんだよなァ……」
 折角のプリン専門店でのプリン。できるなら気になったプリンを全部食べたい!
 お腹も満たしたいけど、五感――特に目と舌を満足させたい。
 あすかは手を挙げてフロアスタッフのオウガを呼ぶと、総量でバケツブリン一個分を小さなプリンでたくさん出してもらえるか尋ねてみた。ダメ元みたいなところもあったが快いOKの意を聴き、メニューの中から気になったものを次々と注文。
 そして最初にあすかの元へと届いたのは、乳白色のミルクプリン。
 運んでくれたオウガに会釈し、
「やっぱり最初は優しい味から始めたいよね」 
 とスプーンの先を白い中に沈めれば、ふるんと掬える至極のひとくち。
 そのまま口に運んで舌で潰せば、広がるのは優しいミルクの甘み。そしてなんのわだかまりも残さない喉越しの良さにも思わずため息。
「プリンは飲み物だって言う人もいるけど、確かにこれは飲み物だ」
 飽きのこない味に舌鼓を打てば、あっという間にミルクプリンがあすかの胃に収まってしまった。
 次に運ばれてきたのは柔らかな緑が目に優しい抹茶プリン。
 静かに机上に置かれても微動だにしない様子から、硬めのプリンだとわかる。そして裾野に飾られるのはこちらも固く泡立てられたホイップと、コロンとした褐色のあずき豆。
 これぞ和プリン。
 スプーンで切るようにプリンの一片とホイップ、そしてあずきを掬って口に運べば、広がるのはミルクの甘さと混ざる抹茶のほろ苦さ。
 少し噛んで飲み込めば、ふんわり鼻に抜ける新緑の香りが清々しい。
「はぁ、抹茶のいい香りがたまらないよ……」
こちらもちゃんと味わって、次にあすかの前にお目見えするのは、華奢で可憐なグラスに可憐に盛られたレトロなプリンアラモード。
 見た目にもわかる硬めたまごのプリンの脇を飾るのは、ホイップと色とりどりのフルーツたち。
 ピーチにキウイにバナナ、旬をバトンタッチするかの如くストロベリーとメロンが仲良く並び、カラメルの上の冠を飾るホイップに乗るのは、真っ赤なチェリー。
 |ア・ラ・モード《洗練された》の名に恥じぬその姿を目の当たりにし、あすかは思わずわずかに身悶えた。
「かはっ……良いねぇこの豪華な感じ、見るだけでテンション上がってくるね」
 この子はきっと食べても美味しいやつに決まっている。色とりどりのフルーツとメインのプリンを堪能し、あすかの舌は満たされっぱなし。
 もちろん心も満たされているのだが、最後に彼女の元に届けられるのは、プリン職人おすすめの一品。
「さて、何が出てくるかな」
 と、胸躍らせるあすかの目の前に置かれたのは、一件硬めのたまごプリン。
「これは、……プリンアラモードに乗ってたプリンと一緒?」
 首をがしげてスプーンを入れれば、ほろりと崩れる様は先ほどのプリンとは違う。
 そのまま口に運べば、たまごの味と絡まるのはカラメルと生クリームの濃厚な味わい。硬いと思われたプリン自体も舌の上でほろりととろけ、あっという間に消えて無くなってしまった。
「……!」
 新たな味と食感との出会いに言葉もなかったあすかだったが、そのままプリンを味わい尽くして、ほうっとため息ひとつ。
 どれが美味しかったですか? とオウガに尋ねられたらこう言おう。
 みんなとっても美味しかった、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん

プリンと聞いた陰海月が、とても行きたいと。なので、来ましたー。
陰海月と協力して、お皿にひっくり返しましてー。
ふふ、クラシックプリンでふから、崩れにくくて。
そこから、各自とりわけ…霹靂の分は、私が分けましょう。

そして、食べて…幸せですねー。


大食漢な陰海月「ぷきゅ!」
わああい!プリンだぁ!
ぼくはね、ホイップクリームと果物もつけるの!
うふふー、美味しい!食べててもなかなかなくならないの、とても嬉しい!
ん?あれ、一番食べたの、ぼく!?

霹靂「クエッ」
プリン。お皿に分けてもらったのを、突きながら食べてる。
食べやすくて美味しい!



 海月とピホグリフを伴った馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は案内された席へと腰を下ろすと、丁寧な所作でメニューを開く。すると目の前に広がるのは、バケツに入った色とりどりのプリンの写真。
「|ぷきゅ《わぁい》! |ぷきゅぷきゅっ《プリンだぁ》!」
 愛らしく鳴きながらメニューに前のめりになっているのは、海月の『陰海月』。心なしか、ひだがいつも以上にひらひらゆれて嬉しそう。
「はいはい陰海月、落ち着いてくださいー。プリンは逃げませんからねー」
 陰海月をなだめつつピホグリフの『霹靂』と微笑み合った義透が、二人と一緒に食べようと思って注文したのはクラシックプリン。ちょっと硬めの甘いプリンにほろにがカラメルが絶妙の、定番中の定番だ。
 それがドンと2リットルのバケツできたものだから、大食漢の陰海月は大はしゃぎ。
「では、一緒にひっくり返しましょうー」
 陰海月と一緒に運ばれてきた大きなお皿にバケツプリンをひっくり返せば、ずっしりとした存在感があるプリンが三人の目前にあらわになる。
 黄色い本体に琥珀色のカラメルを戴いたクラシックなプリンだ。
「ぷきゅー! |ぷきゅぷきゅー、ぷきゅー《ぼくはね、ホイップクリームと果物もつけるの》!」
「はいはい、わかってますよ。ちょっと硬めのプリンですから崩しにくくて……」
 霹靂の分を最初に取り分けて、残りは二人でシェア。陰海月の方には、プリンと一緒に頼んでいたホイップとフルーツも添えれば、念願の実食タイムに突入だ。
 三人行儀良く手を合わせていただきますの挨拶と共に、スプーンで救う至極のひとくち。
 口に運べばたまごと牛乳の味と共に、砂糖の甘みが口いっぱいに広がるが、ほろ苦いカラメルが甘さを相殺してくれる。
「やっぱりこの味ですよー。美味しいですねー」
 ほっぺが落ちそうとはまさにこのことだろう。
 目を細める義透の目の前では、霹靂が嘴で突きながらプリンを味わっている。
「クエッ」
 満足そうな鳴き声は「美味しい」の合図。
「そうですか、美味しいですかー」
 よかったですね。と目を細め、一方の陰海月はと視線を向けると、嬉しそうにプリンを頬張る姿が目に映る。
「|ぷきゅー《うふふー、美味しい》! |ぷきゅぷきゅぷきゅー《食べててもなかなかなくならないの、とても嬉しい》!」
 大食漢な陰海月にとって、量を気にせず食べられることはとても嬉しいことのよう。
「ふふ、そうですね、まだまだいっぱいありますからねー」
 陰海月が一番たくさん食べそうだなぁ。そう思いながら義透はゆったりとプリンを味わう。
 この口どけと喉ごし、甘さとほろ苦さもだが。
 可愛い陰海月と霹靂が、こうしてプリンを喜んで食べてくれている姿が何よりも――。
「――幸せですねー」

大成功 🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
ふ、ふええ、もう無理です。
食べられません。

アヒルさんに誘われてプリンを食べにきたのはいいですけど……。
こんなに多いなんて聞いてません!
バケツに入ってるなんて聞いてませんよ!
言ったら来ないと思ったって、やっぱり確信犯じゃないですか!
ふえ!?完食するまで、帰れないって、私はもう無理ですよ。
ふええ!?顔をバケツの中に押し込まないでください。
そんな事したって食べられないですよ。
それより、アヒルさんも食べるのを手伝ってくれてもいいじゃないですか。



 カラン……と音を立ててスプーンを机上に落とし、お腹と口元を抑えて明らか苦しそうな声で呻いているのは、フリル・インレアン(大きな|帽子の物語《👒 🦆 》はまだ終わらない・f19557)。
「……ふ、ふええ、もう無理ですー。……食べられません……」
 お向かいでは「いいから食うんだよ、まだ半分も食べてないだろ?」とフリルを急かすのは、相棒のアヒルさん。
 そしてフリルとアヒルさんの間に鎮座するのは、バケツに入ったままのぷるんつるんとした馴染みがある柔らかプリンが浅ーいクレーターを作っている。
 ちなみに底には焦茶色の甘いカラメルが控えているのだが、その気配すら感じられないほどにクリームイエロー。
 これはいわゆる、アヒルさんによるフードハラスメントだろう。
 ……フリルよ、またアヒルさんにやれれているのか……。
「ふええ、私だってこうなるなんて思ってなかったですよー。アヒルさんに誘われてプリンを食べにきたのはいいですけど……って、ふええ、私は誰と会話してるんでしょう……」
 極限に達した弾みで、ついに目に見えない誰かと会話まで始めてしまうのかフリルよ……。
「とにかく、こんなに多いなんて聞いてません! バケツに入ってるなんて聞いてませんよ!」
 フリルの抗議に、アヒルさんも負けじと地団駄を踏む。
「ふえ? 言ったら来ないと思った……? やっぱり確信犯じゃないですか!」
 こんなにたくさん食べられません! 私は帰らせてもらいます! と椅子から立ちあがろうとしたフリル。だが、アヒルさんに阻まれてしまった。
 フリルの頭の上に飛び乗って、座れとばかりに跳ねるアヒルさん。 
「ふえ!? 完食するまで、帰れないって、私はもう無理ですよ」
 泣き言を言うフリルにアヒルさんは、いいから食うんだよ! と彼女の頭の上に乗るやドスドスと飛び跳ねる。その飛び跳ねがあまりにも強烈で、フリルの顔はバケツの中に押し込められてしまう。
「ふええ!? 顔をバケツの中に押し込まないでください! そんな事したって食べられないですよ」
 プリンは美味しい。美味しかった。
 でも、美味しかったのは、最初の10口くらいまでだった。
 途中から口に入れても飲み込めないという非常事態に陥り、幾度か味変を試みたがその効果も切れ、今この状態に至っているのだ。
 フリルにとってバケツプリンは、あまりにも多すぎる。
 だが問題はそこではない。
 なぜなら、フリルを「プリン食べに行こうぜ!」と誘ったアヒルさんは、プリンを一口も食べてないのだから。
「ふええ〜、アヒルさんも食べるのを手伝ってくれてもいいじゃないですか〜」
 少女の恨み節は店内いっぱいに響き渡る。
 そして彼女がバケツプリンを食べ終わるまで、このプリン地獄は終わらないのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

池神・聖愛
プリンですか!ええ、行きます!
デリシャス☆アイドルは、食べないと始まりませんし…。
それにしても、プリン専門お食事処とは。プリンも、奥深いですもんね…!

お供の飲み物は紅茶にして…いただきます!
このプリン、バケツなのを考慮してか、カラメルが後がけになってますね…!
こうすれば、どんな食べ方でもカラメルがあるんですね!
そして、とろとろ滑らかプリンとの相性が抜群です…!

たまに生クリームも交えつつ…パクパク食べちゃいましょう!
ふふ、このプリン、本当に美味しい…!



 グリモア猟兵のケットシーの誘いに、
「プリンですか! ええ、行きます!」
 と金色の瞳をキラキラ輝かせながら華やかな笑顔で『プリン処』にやってきたのは、池神・聖愛(デリシャス☆マリア・f45161)。
 何を隠そう、彼女はデリシャス⭐︎アイドル。
 歌って踊れて料理もできる。そしていくら食べても太らないグルメ特化型アイドルだ。
 おいしい料理でオブリビオンさえもハッピーにできる彼女は、食べることも大好きだし、食べることでアイドル力を高めることができる。
「それにしても、プリン専門お食事処とは。プリンも奥深いですもんね……!」
 座席に案内されてひとしきりメニューを眺めた聖愛が選んだのは、鮮やかな紅色が映える紅茶と、みんなに愛されるぷるんつるんとした一般的なプリン。
 到着した瞬間からクリームイエローのプリンは、甘い香りで聖愛の鼻腔を優しくくすぐる。
 プリンと一緒に運ばれてきたのは、注ぎ口がついたグラスに入った焦茶色のカラメルソース。
「わぁ。このプリン、バケツなのを考慮してか、カラメルが後がけになってますね……!」
 これは、バケツから直接プリンを食べたい人への粋な計らい。
 バケツをひっくり返す派の人にとっては、バケツの底にカラメルが入っている方がプリンを美味しく楽しく食べられるだろう。しかし、ひっくり返さずに食べる派の人にとっては、カラメルに到達するまで単調な味が続く。
 しかしここで後掛けカラメルがあれば、プリンのみで食べるもよし、カラメルをかけて食べるもよし。アレンジは自分次第。
「こうすれば、どんな食べ方でもカラメルがあるんですね! お心遣いがありがたいです!」
 では手を合わせ、食べ物の向こうにいる生産者さんや作り手さんをはじめ、このプリンに関わってくださった全ての人、そして命にも感謝して、いただきますと挨拶をする聖愛の姿はまさにデリシャス⭐︎アイドル。
 バケツの中のプリンをカラメルで染めて、スプーンでひと掬いすれば、クリームイエローのプリンに焦茶色のカラメルがとろりと絡みつく。
 それを口の中に運べば、牛乳と卵の優しい甘さの後から追いかけてくる少しだけほろっと苦い、けど甘いカラメル。
 舌で潰せばとろっと溶けるプリン。
「はぁ〜。とろとろ滑らかプリンとカラメルの相性が抜群です……!」
 この後も聖愛はたまに生クリームも交えて味変を楽しみながら、休むことなくプリンを頬張っていく。
 なぜなら。
「ふふ、このプリン、本当に美味しい……!」
 思わずほっぺを押さえて呟いてしまうほどに、プリンは聖愛の心もアイドル力もパワーも満タンチャージしてくれる。
 これでこの戦争も最後まで、デリシャス⭐︎アイドルパワーいっぱいで戦えるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

葛城・時人
マジで俺の為にある場所!
バケツプリン喜んで食べるよ
俺は超弩級の甘党で
プリン大好きカラメル超大好き
正直ワクワクしかない

入ったら少し硬めの頼んで
「ごめん!超沢山カラメル欲しい!」
彼等のプリンなら本体だけで美味しい
そこにカラメル入れたらもっと超美味しい
好き放題掛けて食べたいって
「普通だと大量には無理じゃん?」
それが掛け放題なら
「俺の天国だよー」

「頂きます」
出して貰ったのをまずそのまま掬ってぱくっ
「やっぱ超美味しい!」
バニラビーンズも入って濃厚なコクが最高

半分食べてから大量カラメルどばー
「至福…」
語彙力無くしたまま食べてたらすぐ無くなった

「ご馳走様っホントにありがと!」
ここから先も戦う活力みなぎったよ



 
 葛城・時人(光望護花・f35294)にとって『プリン処』は、まさに『自分のためにある場所』と言っても過言ではない。
 なぜなら時人は、自他ともに認める超弩級の甘党だから。
 あのグリモア猟兵から『プリン処』の話を聞いた瞬間からオウガに案内されて席に着くまで、いや、席についた後もワクワクが止まらず、普段は眼光鋭い時人も気がついたら口元が緩んでしまう状態。
 でも仕方がない。
 プリンは大好きだし、カラメルも超大好きなのだから。
 メニューを捲りながら選ぶのは、少し硬めのクラシックプリン。もちろんこのプリンは単体でも美味しいに決まってる。その上、バケツの底には琥珀色のカラメルソースがたっぷりと控えていることなども百も承知。
 だけど、『超大好きなカラメルを「これでもか!」と掛け放題する』欲求は止められない。
 普段はプリンに大量のカラメルをかけて食べるなんてほぼ無理だけど、ここでは念願の夢を叶えることができる。
 時人は、注文を取りにに来てくれたオウガに「ごめん!」と一言断って、
「超沢山カラメル欲しい!」
 と、訴える。
 流石に追いカラメルは無茶なお願いか? と思っていたが、すごくいい笑顔で了承してもらえた。
 これには時人のテンションも爆上がり。
 カラメルマシマシプリンは、超絶美味しいに決まっているではないか!
「……俺の天国だよー」
 心の中でつぶやいた言葉が自分の耳を通じて聞こえたのは、きっと気のせいではないはず。
 お待ちかねのバケツプリンは、硬めのクラシックプリン。
 やや濃いめのクリームイエローはたまごがしっかり効いている証で、表面に見える黒い粒々はバニラビーンズ。
 バケツに顔を近づけなくても、卵と牛乳そしてバニラの甘い香りは時人の鼻腔をくすぐってくる。
 すぐにがっつきたい衝動を抑えて、まずはちゃんと手を合わせ、 
「頂きます」
 と、素材と生産者、そして作り手に感謝を捧げ、カラメルを掛けずにプリンにスプーンを差し入れれば、掬い取れたのは至高の人匙。
 それを恭しく口に運べば、たまごのコクとほんのり牛乳の甘さが口いっぱいに広がる。アクセントのバニラビーンズも主役級の香りを放つので、時人は思わず頬を押さえた。
 頬が落ちるとはまさにこのことだろう。
「やっぱ超美味しい!」
 またも心の声がダダ漏れてしまうが、それは致し方ない。
 このまままずプリンだけを半分食べ進めレバ、お待ちかねのカラメルタイム。
 プリンと同時に運ばれてきたカラメルはコップ1杯分の量。
 それを躊躇せず全てバケツに流し入れ、プリンとカラメルに敬意を払うかの如く丁寧にスプーンを入れていけば、琥珀色のカラメルを纏うプリンがお目見えする。
 先ほどのプリンが至高ならば、カラメルを纏うこのプリンはまさに至極だろう。
 またも恭しく口に運ぶ時人は、思わず目を閉じた。
 舌で潰せば、甘さの裏にほろ苦さを隠したカラメルがプリンの甘さをさらに引き立てているのがわかる。
 それをゆっくり飲み込んで無意識に深く息を吸い込んだ時人が、ため息と共に発した言葉は――。
「……至福……」
 もう時人の語彙カードは、これしか残っていないのであった。
 甘く美味しい時間はあっという間。
 気がついたらバケツの中は空っぽになっていたけど、お腹も心も舌も大満足。
「ご馳走様っ。ホントにありがと!」
 ここから先も戦争を走り抜ける活力が漲るようで。
 オウガに礼を告げて『プリン処』を後にするや、時人が見据えるのは次の戦場だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エミリィ・ジゼル
プリンが食べ放題と聞いてやってきました!プリンくだち!

どうせなら沢山食べたいですよね、プリン
しかし残念ながら、一人で食べられる量には限界があります
なら増えればいいじゃん

というわけで今回は、平行世界から自分を呼びだして、プリンをいっぱい食べようと思います
今回食べるのは、シンプルな飾りのないプレーンプリン。いろいろデコられたプリンも捨てがたいですが、やはりシンプルこそ王道
飲み物はストレートのダージリンでお願いします!

プリンを思う様貪って、口が甘くなってきたら紅茶でリフレッシュ
おいしい、おかわり!



「プリンが食べ放題と聞いてやってきました! プリンくだち!」
 バーンと威勢よく店内に入るや「たのもー!」みたいなテンションで声を張ったのは、楚々とした見た目と挨拶のギャップがすごいエミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)だった。
 オウガに案内された席に着くやワクワクとメニューに目を落としたエミリィだったが、それでも頭の中にはいろんな考えがぐるぐると巡る。
 どうせならプリンをたくさん食べたい。
 しかし残念ながら、一人で食べられる量には限界がある。
 甘いのは好きだが、胃袋は普通の女の子。大食漢ではないのである。
「なら、増えればいいじゃん――おいでませ!」
 唱えれば、エミリィのお向かいに現れたのは並行世界から呼び出した|自分《エミリィ》たち。
 これで無理なくプリンをいっぱい食べられる。
 エミリィが頼んだのは、シンプルで飾りのないプレーンプリン。
 ホイップやフルーツ、ジュレやピューレで飾ったプリンも捨てがたかったけど、やはりここはシンプルイズベスト。王道こそ至極。
「飲み物はストレートのダージリンでお願いします!」
 人数分を指で示してつけてお願いするも、オウガには並行世界から呼び出したエミリィたちは認識できていない。
 本当にそんな量を飲めるのかと首を傾げられてしまったが、なんとか押し切って注文を完了させる。
 程なくして数人のエミリィの元に届いたのは、バケツに入ったプレーンプリンと、ダージリンティー。店内の照明に照らされてクリームイエローのプリンがきらりと光って見え、鮮やかな紅茶との対比が食欲をそそる。
「じゃぁ、いただきます!!」
 並行世界の|自分《エミリィ》たちと共に声を揃えて手を合わせたあとは、最初の一口は存分にプリンの甘さを味わう。たまごのコクとミルクの優しい味わいが口いっぱいに広がり、さらに砂糖の甘みもエミリィの舌の上で弾けるよう。
「やば。美味しい!!」
 見開かれるエメラルドの瞳がきらりと瞬くのも一緒なら、声も揃ってしまう。
 あとはもう、本能の赴くまま心のまま。バケツからプリンを、名実ともにほじくって貪っていく。
「……でも、口が甘さでもったりしてきた……!」
 そうなればダージリンティーで|口直し《リフレッシュ》。爽やかな渋みがプリンの甘さを一掃してくれる。
 ならばまたとプリンを貪っていく何人かのエミリィは、あっという間にバケツプリンを平らげてしまったのだ。
 これはまだまだいけるぞと、エミリィは手を挙げてフロアスタッフを呼び止めた。
「おかわり!」
 ――二杯目は、どのプリンをみんなで食べようかな?

大成功 🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
【天使組】
テンションが上がってる様子の慧華ちゃんを微笑ましく見ながら
よかったね、と

どうせ僕一人じゃ食べきれないし
そのままのプリン食べるのも勿論美味しいだろうけど
折角だからわけっこ前提で色んな食べ方してみようよ
ほら、デコレーションも自由らしいし
フレーバーも色々あるみたいだから、気になるでしょ?

とりあえず飲み物は…僕はレモンティーをいただこうかな
慧華ちゃんはどうする?

先に飲み物を頼みつつ
慧華ちゃんの許可を求める視線には笑顔での頷きで答えてあげる
一度の注文はテーブルに乗る範囲で、っていう前の約束を律儀に守り続けてるあたり良い子だよなぁと思ったり

あ、ありがとう慧華ちゃん
じゃあ…遠慮なく、いただくね


朱雀・慧華
【天使組】
プリンだー!
私の一番の大好物!
しかも夢のバケツプリン…!

澪の提案には瞳を輝かせ
うん、色々食べたい!
飲み物…うーん、ジュースもいいんだけど…
今回は私も紅茶にしようかな?
ミルクティーで!

何も乗せてないそのままのプリンは絶対でしょー?
いちごプリンにクリームやいちご、ジュレをかけるのも有りだよね
抹茶プリンをベースにあんことか乗せて和風に仕上げるのも美味しそうだし
バナナプリンは私も食べたことないから気になるかも!

一応澪の許可取りつつ、片っ端から頼んでぺろりと大食い
あ、スプーン一個追加でくださーい!
はい澪、全部味見どうぞ♪

澪はまるまる一品頼んでも食べきれないの知ってるから
これくらいが丁度いいよね



「プリンだー! 私の一番の大好物! しかも夢のバケツプリン……!」
 オウガに案内されて席に着いてメニューを開いた朱雀・慧華(純真天使・f17361)は、美味しそうなプリンの写真に青い瞳をキラキラと輝かせた。
 そんな慧華の様子を「よかったね」と微笑ましく見守っているのは、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)。
「どうせ僕一人じゃ食べきれなかったからね、慧華が喜んでくれて、僕も嬉しいよ」
 と、細めた琥珀色の双眸を慧華が開くメニューに向ければ、ずらりと並ぶバケツプリンの写真。
「うーん、そのままのプリン食べるのも勿論美味しいだろうけど、折角だからわけっこ前提で色んな食べ方してみようよ」
 ほら、デコレーションも自由らしいし。とトッピングの欄を指で刺せば、ホイップに色とりどりのフルーツ、さまざまな色のジュレやピューレが並ぶ。
 フレーバーも、口溶けなめらかとろけるプリンから、たまごしっかり硬めのプリン。チョコに抹茶、イチゴにバナナなどのプリンまでさまざまな風味と硬さにバケツプリンがラインナップされている。
「色々あるみたいだから、気になるでしょ?」
 澪の粋な提案に慧華もキラキラと瞳を輝かせながらうんうん頷く。
「色々食べたい!」
「だよね。そうと決まれば飲み物だけど……僕はレモンティーをいただこうかな。慧華ちゃんはどうする?」
「飲み物かぁ……うーん、ジュースもいいんだけど……、今回は私も澪と同じ、紅茶にしようかな? ミルクティーで!」
 先に飲み物をオーダーしたら、次はいよいよプリン選び。
 大のプリン好きである慧華のテンションはどんどん高くなっていく。
「何も乗せてないそのままのプリンは絶対でしょー? でも、いちごプリンにクリームやいちご、ジュレをかけるのも有りだよね。……抹茶プリンをベースにあんことか乗せて和風に仕上げるのも美味しそうだし…… あ、バナナプリンは食べたことないから気になるかも!」
 メニューを右往左往する慧華の目線と人差し指だったが、ふと顔を上げれば、楽しそうだなぁと言わんばかりの微笑みをこちらに向ける澪と目があった。
「……気になったプリン、全部食べていい?」
 ちょっとはにかんだ上目遣いで尋ねられ、澪はうんと笑顔で応える。
 こうして澪と慧華の前に並んだバケツプリンは、前の約束通りちゃんとテーブルに載る数だけ。
(「言わなくても約束を律儀に守ってくれるなんて、慧華ちゃんは本当にいい子だよなぁ」)
 澪が琥珀色の瞳を細めれば、ずらりと並んだバケツプリンに「うわぁ〜」と声をあげていた慧華は、早速とばかりにバケツの中のプリンを頬張っていく。
 プレーンのプリンは言わずもがな、生クリームと生いちごを乗せてイチゴジュレを掛けたイチゴプリンはイチゴの甘酸っぱさとミルクの優しい味でほっぺたが落ちそうな美味しさ。
 抹茶プリンはホイップとあんこで和の風味高く、バナナプリンは濃厚ねっとり甘党が大好きな味。
「美味しい〜。しあわせ〜」
 プリンを頬張るたびに嬉しそうに呟く慧華だったが。澪はたまにレモンティーを口に含みながら自分を眺めて微笑んでいる。
 慧華は手を挙げてフロアにいたオウガを呼ぶと、追加でスプーンをお願いする。そして届けられたスプーンを澪に差し出した。
「澪、全部味見どうぞ♪」
 まるまるバケツプリンを一品頼んでも、澪は食べきれないの知ってるから。
 だけど澪と、このプリンたちの美味しさをシェアしたい。
 慧華から差し出されたスプーンを受け取る澪は、
「あ、ありがとう慧華ちゃん。じゃあ……遠慮なく、いただくね」
 と、バケツからプリンを人匙掬い取って、そっと気分の口へと運んだ。
 シェアされたプリンは、慧華のしあわせそうな食べっぷりも相まって、本当に本当に幸せの味。
「……うん、美味しいね」
 慧華の優しさと甘いプリンは、澪を自然とふんわり笑顔にしてみせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

青梅・仁
【花色龍】

グラースちゃんの目が輝いてるー……
確かにデカい食べ物は浪漫だけどさ
あ、そうなの?
じゃあ気合も入るよなぁ

なあグラースちゃん、俺チョコプリンにすっから、分けっこしない?
味が違えば楽しみも増えるだろ?
甘いものは嫌いじゃねえけど
流石に途中で飽きそう
飲み物は珈琲にしとく

俺も小皿に取り分けて食おう
――グラースちゃん、ほんと嬉しそうだな

チョコ味、美味いけどちと飽きるなあ
グラースちゃんのプリンもちょっと貰っていい?
定番の味はやっぱ安定して美味い
へぇ、和風アレンジ?
これも美味いな!

……アレンジすりゃいける気がしてきた
マスカルポーネチーズっぽいもんある?
これとコーヒーシロップでティラミス風にしてみっか


グラース・アムレット
【花色龍】

これが噂に聞くバケツプリン……!
すごいですね! 浪漫ですよ!
いつか挑戦してみたいと思っていたのでわくわくします

私は定番のプリンを
あ、仁さんの分けっこ案いいですね!
チョコ味も美味しそう
ありがとうございます

小皿に取り分けつつ食べていきます
んん、美味しいですねぇ~
トッピングも色々味わいたく!
カラメルは勿論
フルーツも合いますねぇ
こんなに沢山のプリンを食べたことはなかったのですが、飽きがこなくて不思議です
分けっこのチョコプリンも適宜頂き
仁さんに、きなこと黒蜜での和風もお勧めしつつ
次はどう食べていこうかしら…

飲み物は温かい珈琲で

わぁ! ティラミス風ですか
素敵ですね
私も真似っこして美味しく頂きます



 グラース・アムレット(ルーイヒ・ファルベ・f30082)と青梅・仁(鎮魂の龍・f31913)が席に着く頃には、店内は猟兵でいっぱい。
 もちろん皆が皆、バケツプリンを食しているわけで。その様子をほかの猟兵に失礼にならないくらいに見回して、グラースは大きな琥珀色の瞳をキラキラと輝かせる。
「これが噂に聞くバケツプリン……! すごいですね! 浪漫ですよ!」
「グラースちゃんの目が輝いてるー……そこまで浪漫で魅力的なのか、バケツプリン……」
 確かにデカい食べ物は浪漫だけどさ……。と呟く仁にグラースは、「はいっ」と声を跳ねさせせて続ける。
「いつか挑戦してみたいと思っていたのでわくわくします!」
「じゃあ気合も入るよなぁ」
 グラースの挑戦を受けるバケツプリンは何になるんだろう。
 そう思いながらメニューに目を落とす仁の向かい側。グラースは早々に対戦車を決めたようで、ニコニコしながら仁を待っている。
「グラースちゃん、もう決めたの?」
「はい。定番のプリンにします」
 定番のということは、卵と牛乳で作ったぷるんつるんのプリンか。
 仁は今一度メニューに目を落としながら、「なぁグラースちゃん」と声をかけた。
「俺チョコプリンにすっから、分けっこしない? 味が違えば楽しみも増えるだろ?」
 甘いものは嫌いではないが、流石に2リットルの同じ味のプリンは流石に飽きが来そうで。だから仁はあえて変わり種を選んだのだ。
「あ、分けっこ案いいですね! チョコ味も美味しそう〜。ありがとうございます」
 こうして二人はそれぞれプリンを決め、トッピングもいろいろお願いして、飲み物は珈琲を選択。これでプリンの甘みに口が飽きてしまったとしても、珈琲でリセットできる。
 やってきたバケツプリンの食べ方は自由。だけど、分けっこすることも考えて、小皿に取り分けて食べ始める。
 たまごと牛乳、そして砂糖の甘みが口いっぱいに広がって、ごくん飲み込む喉ごしも滑らか。
 グラースは思わず頬を手で押さえながらにっこり笑顔。
「んん、美味しいですねぇ~」
 プレーンのプリンを堪能したら、もちろん味変も楽しみたい。
 ホイップにフルーツ、ジュレにピューレ……。頼んでおいたトッピングを堪能。
「カラメルは勿論、フルーツも合いますねぇ。こんなに沢山のプリンを食べたことはなかったのですが、飽きがこなくて不思議です」
 今一度プリンだけを小皿に取り分けて、原点の味を堪能するグラース。
(「――グラースちゃん、ほんと嬉しそうだな」)
 幸せそうな食べっぷりの彼女を見つめながら、仁はチョコプリンをちびちびと口に運んでいたのだけど、ちょっと飽きてきてしまった。
 最初のうちはたまごと牛乳とチョコレートの三位一体の風味を味わう余裕すらあったのだが……。
「俺も味変したくなってきたわ。グラースちゃんのプリンもちょっと貰っていい?」
 彼女へと小皿を差し出せば、丁寧な所作で取り分けられていくのはクリームイエローの艶やかなプリン。
 仁からもチョコプリンをグラースの小皿に取り分けて、お互いにどうぞ。と小皿の交換こ。
 グラースからの小皿を受け取ればプリンは、琥珀色のカラメルもしっかり絡ませてくれている。
 それをスプーンで掬ってひとくち食べれば、たまごと牛乳の甘さをカラメルのほろ苦さが和らげてくれて。
「定番の味はやっぱ安定して美味いな」
 安心すると言わんばかりにほっと息をつく仁。
 そんな彼の前に、グラースだ差し出すのは黒蜜ときなこ。
「きなこと黒蜜で和風のアレンジをしたら、もっと仁さんのお口に合うかもしれません」
「へぇ、和風アレンジ?」
 仁はグラースにおすすめされた通りにカラメルが絡んでいない部分を選んで黒蜜をかけ、きなこもまぶす。
 それを掬って口に運べば、先ほどの洋の風味が一変。プリン自体の甘さと黒蜜の甘さを大豆だけのきなこが抑えてくれている。
「これも美味いな!」
 意外な味と出会い、仁の表情がふわっと明るくなる。
 グラースはそんな彼の表情にふふと微笑んで「次はどう食べていこうかしら」とチョコプリンを口に運んでいたが、
「……アレンジすりゃいける気がしてきた」
 と呟いた仁の言葉に「?」と小首を傾げる。
 何をする気なのだろうと見守っていたら、仁がホールスタッフのオウガに頼んだのは、マスカルポーネチーズとコーヒーシロップ。
「これでチョコプリンをティラミス風にしてみっか?」
「わぁ! ティラミス風ですか? 素敵ですね!」
 仁のチョコプリンをそれぞれの小皿に分け、マスカルポーネチーズと珈琲シロップでアレンジすれば、チョコプリンとマスカルポーネチーズの濃厚な甘さに珈琲シロップの苦味が効いた絶妙な味わいに変わる。
「……!」
 美味しい!
 はっと顔を上げたふたりはお互いに同じ表情で。
 それぞれの食べ物を分かち合うことも、同じ食べ物を同じように美味しいと感じることも、尊く幸せなのだと感じた瞬間だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

榛名・真秀
えー、今度はプリンが食べれるの?
誰だって一度ぐらいバケツ一杯のプリン
食べたいって思ったことあるよね?
もちろんわたしもだよー
大人になるとカロリーとか気になるけど
身体作りに最適なプリンならいくら食べてもいいよね♪

というわけで…
王道っぽいカラメルソースなプリンをいただきます!
わたし結構硬めが好きなんだ
バケツからお皿に出していただくね
んー最高♪
とはいえこれだけあるんだから
いろいろアレンジしちゃお
この前の依頼でもプリンパフェ作ったんだ
フルーツや生クリームでデコってグラスに入れたら完成!
んっふふ、いくらでも食べれちゃう
幸せ~
ん? そういえばわたしこの戦争でお食事処にしか行ってない気がするけど…
ま、いっか♪



 案内された座席に腰を落ち着ければ、もう榛名・真秀(スイーツ好き魔法使い・f43950)の鼻腔をくすぐる甘い甘い幸せの香り。
 店内はすでに猟兵たちで満席。皆、それぞれの好みのバケツプリンに舌鼓を打っている。
「やっぱり誰だって一度ぐらいバケツ一杯のプリン、食べたいって思ったことあるよね」
 もちろん真秀もその一人。
 大人になるとカロリーとか胃もたれとか気にはなるけど、身体作りに最適なプリンならいくら食べても大丈夫!
 というわけで真秀がお願いしたのは、王道のプリン。しっかりとした硬さのあるたまごのプリンで、真秀はこの硬めプリン派。
 オウガに運ばれて席に到着したバケツからは、もう甘い香りが漂っている。
 自分を誘うワルい黄色に今すぐにでもスプーンを突き立ててしまいたい所だが、ここはグッと我慢。
 もちろんバケツのまま食べ進めていって、底に控えているカラメルがじゅわっと顔を見せるあの瞬間も最高であるが、こんなに大きなプリンがお皿の上で揺れる姿こそ、真秀が見たいバケツプリン。
 慎重にお皿の上に出せば、そこにはカラメルの雪をいただいたプリンの山がお目見えする。
 そのままスプーンで山頂を掬えば、カラメルを纏ったタナゴ味がしっかりと効いたプリン片。
 カラメルが垂れ落ちないようにパクッと口に運べば、口腔内に広がるのはたまごのコク。そして後から追いかけてくるミルクとカラメルの甘さ。
 ごくんと飲み込むその瞬間、いや、その後も口いっぱいに広がる幸せに、思わず身震い。
「んー、最高♪」
 この幸せがあと何くちもあるかと思うと、それだけで幸せだけど。
「これだけあるんだから、いろいろアレンジしちゃお」
 ここで生きてくるのが経験である。
 真秀は先に参加した依頼でもプリンパフェを作っていた。
 フロアスタッフのオウガにパフェグラスとトッピングを色々お願いして、ここでもオリジナルのプリンパフェを作っていく。
 追加のカラメルソースと崩したプリンをパフェグラスの底に詰め、土台が安定するようにコーンシリアルを入れたらホイップで蓋。
 さらにホイップの上にプリンを乗せて、ホイップとフルーツで飾れば、バケツプリンから生まれたプリンパフェの完成である。
 もちろん頂上には、ホイップと真っ赤なチェリー。これは絶対に外せない。
「んっふふ、いくらでも食べれちゃう。幸せ~」
 こんな感じでアレンジしたり、ジュレやピューレでも味変していけば、バケツプリンなんてあっという間に平らげてしまえるだろう。
 けど今は終わりのことなんて考えずに、この幸せを堪能していこう。
「そういえばわたしこの戦争でお食事処にしか行ってない気がするけど……ま、いっか♪」
 そう言ってプリンを頬張っていく真秀の幸せそうな表情をみて、オウガもまた嬉しそうに微笑んでいた。

『お食事処けるべろす』で食べ物を通じてオウガと交流するのも、立派な戦争参加であるのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年05月25日


挿絵イラスト