ケルベロス・ウォー⑦〜その美、星すら射抜きて
夜空が燃えていた。
けれどそれは、炎ではない。血の色でも、怒りの色でもない。
美しさそのものが空を灼いている。
広がるのは、極彩の光。
何百もの星々を連ねて紡がれた、天体魔術の一撃――『ガンマ・レイ・バースト』。
それを放ったのは、デウスエクス連合軍最強の指揮官。
十二剣神を束ねる存在、ゾディアック。
その姿は荘厳にして、冷酷。
その力は破壊にして、芸術。
そしてその意志は、ただ一つ。
「美しくないものは、生きる価値がない」と告げること。
ゾディアックのユーベルコードは、精神や知性の有無を問わず、
あらゆる生命体と物質を魅了する。
心を奪われた者は、彼の前にひれ伏すしかない。
それは一種の呪いであり、賛美であり、
美しさの暴力だった。
そんな中――一人の猟兵が、空を見上げていた。
「……ふふ。やっぱり、こうなるのですね」
その名は――ルナリア・ラグナ(零域の灯・f45299)。
数多の戦場を渡り歩く猟兵の一人にして、未来を読み解くグリモア猟兵。
彼女の予知は告げていた。
この戦場こそ、ゾディアックが選びし“舞台”になることを。
そして、ここに集う猟兵たちこそが、“その幕を引く”存在になることも。
「皆さんのユーベルコードが……誰かのためにあって、誰かの心を震わせるものなら。
――きっと、空の星々も、それを見てくれるのです」
淡く微笑む彼女の声は、決して大きくはない。
けれどその言葉は、どこまでも澄んでいた。
戦うことに迷う者も、立ち上がることを選ぶ者も、
その一歩を信じられるように。
この戦場でゾディアックに一太刀を浴びせるには、ただの力では足りない。
必要なのは――ゾディアックの美を上回るユーベルコード。
それは攻撃力でも技巧でもない。
もっと、心に近いもの。
願いや祈り、誇り、誓い、想い。
それらが込められた技が、光が、言葉が、音が。
ゾディアックの冷たい美を凌駕したとき、
星々はそれを認め、力を貸す。
「だから……あなたのままで、美しくいてくださいね」
ゾディアックは嘲笑うだろう。
偽物の星のように輝く、美しさを模した破壊で。
けれど、それでも構わない。
“本物”の美しさは、きっと誰かの中に、あるのだから。
さあ――その手にあるユーベルコードを、
星よりも美しく咲かせよう。
戦場は、すでに始まっている。
あとは、あなたがその物語をどう魅せるかだけだ。
深見ふたば
始めまして、深見ふたばです。
始めましてで、戦争のシナリオです。
今回のプレイングボーナスは、
「ゾディアックよりも美しいユーベルコードを使って戦う。」です。
プレイングで【ゾディアックよりも美しいユーベルコード】を演出すると、星々がそれを認め、ゾディアックへの攻撃が通用します。
美しさとは、力ではなく、魂の在り方。あなたの想いを込めた一撃が、勝利への鍵となります。
どうか、この戦場に勝利を齎してください。
宜しくお願いします。
第1章 ボス戦
『十二剣神『黄道神ゾディアック』』
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POW : |三裂せし射手座の矢《サジタリウス・トリフィド》
【分裂を繰り返す星光】で射抜いた対象を【天より降り注ぐ射手座の光矢】で攻撃し、着弾点からレベルm半径内の仲間を【ピンクと青の星光】で回復する。
SPD : |牡牛座の超新星《クラブ・パルサー》
【頭上全てを覆い尽くす超新星の煌めき】を披露する事で【白き光を纏う星神】に変身し、戦場内の敵全てを攻撃する【中性子線】を降らせる能力を得る。
WIZ : |地を睨む水瓶座の神瞳《ヘリックス・ネビュラ》
偽物の【「神の目」とも呼ばれるヘリックス星雲】を創造し、戦場上空に浮かべることで、【滅びをもたらす銀河光】による連続攻撃能力と超再生能力を得る。
イラスト:稲咲
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
風魔・昴
アドリブ歓迎
星は、宇宙は美しい
それは同意するわ、ゾディアック
でもね?
その『美しい』宇宙に生きる価値がないモノなんてないのよ
自ら輝くことができない惑星
僅かな輝きの赤色矮星
巨大な星の死の後に生まれるブラックホール
彼等もまた宇宙の仲間であり価値のあるもの
そして輝く星から生まれたものではなくって?
生命もそう
気の遠くなるような時間をかけて
星達が生み出したと私は信じてる
そしてそれ等はそれぞれの願いの輝きを持っている
小さな小さな欠片だとしても、ね
それを信じる私だから
貴女に抵抗するわ
僅かな光でも輝こうとする星よ
全ての生命の輝く祈りよ
どうか私にその思いを美しさを聞かせてください
そしてこの相手に見せてあげましょう
夜空を灼くように輝く、ゾディアックの天体魔術。その壮麗さに、昴は静かに目を細めた。
けれどその瞳に宿るのは、畏怖でも屈服でもない。確かな敬意、そして祈り。
「ええ。宇宙は美しいわ。貴女の言う通り、星々の光は尊く、澄んでいて……ただ眺めているだけでも、心が震えるの」
だが、と昴は一歩踏み出す。
彼女の視線の先には、名もなく輝けぬ惑星があった。かすかに明滅する赤色矮星。崩壊しきった恒星の残滓。
命を抱かずに終わる星屑。それでもなお、宇宙の一部であり続ける無数の存在たち。
「けれどね、それでも彼らは、在るだけで意味があるの。自らの意思を持たなくとも、小さくとも、誰かの軌道を支えているのよ」
昴の手が、銀杖《Bellatrix》をゆっくりと掲げた。
呼応するように、杖先に粒子のような星光が集う。
「Fragment of the star――我が秘めたる小さき星の欠片よ、生命の光よ。我は願う、未来と希望を。今こそ輝き、勝利をもたらせ!」
放たれた光は優しく、けれど迷いなく直進する。
その輝きは確かに、ゾディアックの冷たい美を断ち割る一閃となった。
大成功
🔵🔵🔵
暗都・魎夜
【心情】
黄道神ゾディアック、他のデウスエクスと比べると、遥かに話通じる印象はある
ケルベロスディバイドの連中が力を見せれば、対等の和平も作れたのかもな
だが、ここに来た以上は、互いが生きるために戦うしかねえ
【戦闘】
「ゾディアック、あんたも守るものがあるんだろう。それは俺も同じだ」
俺は生命を守るため、命を燃やす
俺の命の輝き、生命賛歌を見せてやる!
UCを発動し、「リミッター解除」「限界突破」「斬撃波」「捨て身の一撃」で攻撃
防御は考えずに全力攻撃あるのみ
どれだけ星の矢が飛んでこようが、剣を振り続けてやる
これが俺の生命の輝きだ
「ゾディアック、あんたも今まで見た敵の中で一番美しかったぜ」
ゾディアックの放つ星光が、戦場を白と青に染める。だが、魎夜の剣は止まらない。
いくつもの矢が掠め、傷を刻むたびに、彼の身体は赤く、強く輝きを増していく。
「ゾディアック……あんたも、守りたいものがあるんだろう。だったら、容赦はしねえ」
命を燃やす覚悟を、躊躇いなく声に乗せる。
その背に風が巻き起こる。空を裂く雷鳴のごとく、言霊が放たれる。
「起動せよ、詠唱兵器! 鳴り響け、生命の歌!」
発動されるユーベルコード――《疑似式・生命讃歌》。
瞬間、魎夜の身体に生命の奔流が駆け巡る。
限界を超えたエネルギーが灼熱のように軀を包み、災厄の星光をも押し返す。
「これが、俺の命の輝きだ!」
“リミッター解除”――一撃ごとに加速し、
“限界突破”――傷すら意識せず、
“斬撃波”――星を断つほどの鋭さで、
“捨て身の一撃”――最後の力まで注ぎ込み、彼はただ前へ。
輝くのは星だけじゃない。
魎夜の生き様そのものが、命という美を証明していた。
「……今まで見た中で、一番美しい敵だったぜ、ゾディアック。あんたの光に、俺の命、焼きつけてやる!」
成功
🔵🔵🔴
幸・鳳琴
“本物”の美しさは
限りある生命の中にこそあるものと信じています
その一端、お見せしましょう
UCを万全に叩き込むべく、
残像や閃光を用いたフェイントや
気功法を使った掌からのレーザー射撃で隙を作ります
隙などないかもしれませんが、
相手をよく観察し、最大効果で叩き込む機を得ます!
力を溜めつつ懐に飛びこみ
六芒星に集う地・水・火・風・光・闇の増幅魔法を
美しく輝かせる《幸家・六芒精霊龍》を叩き込みますっ
――この技は私の愛する人に教わった増幅魔法で完成した技
憎悪により戦いを始めた幼き私が、
愛と絆の尊さを知り、世界を守り抜く誓いを拳に込めた
共に生きる力は、生き抜く力は
どれほど強くても、個である貴女達に必ず勝ちます!
鳳琴の瞳は、星ではなく――命を見ていた。
ゾディアックの星光が降り注ぐ中でなお、その視線は一点も曇らない。
「“本物”の美しさは、限りある生命にこそ宿るものです」
その言葉は断言でも、挑発でもない。
ただ、真実としてそこにあった。
気功を纏った掌が空を切るたびに、残像が揺らぎ、眩い閃光がゾディアックの視界を惑わす。
偽りの動きで生まれた隙に、掌から放たれる気の奔流――
鳳琴は一歩、また一歩と敵の懐へ踏み込んでいく。
その拳に宿るは、六つの輝き。
地・水・火・風・光・闇――すべての精霊の魔力を束ね、
かつて愛する人から教わった増幅魔法でひとつの姿へと昇華させる。
「私の闘志と共に輝け、六芒に集いた精霊よ!――これが、絆の力です!」
放たれるのは、幸家・六芒精霊龍《シン・ヘキサドライブ》。
龍の咆哮と共に、輝く闘気が戦場を貫く。
それはもはや拳ではない。生き抜く力、生きることを願う全ての生命の叫び。
「あなたが個であっても、私たちは“共にある”。その力で、必ず超えてみせます!」
輝く龍がゾディアックを呑み込む瞬間、星々が静かに拍手を送っていた。
大成功
🔵🔵🔵
エリー・マイヤー
いくらあっても、手が足りないんですよね。
どれだけ多くの、どれだけ遠くの物を掴めても。
私一人で助けられる数は、大抵の場合3桁に満たない。
猟兵として未熟だった頃は、思ったものです。
たくさんの手があれば、たくさん助けられるだろうと。
【念動ハンド】。
これが生み出されたのは、そんな簡単な理屈なのでしょう。
そしてそれが、私の原点なのでしょう。
私はもう、誰も取りこぼしたくはないのです。
大量の手を放ち、周囲の瓦礫や石ころやスクラップを掌握。
持ち上げて動かし、星光を受け止める盾にします。
一部は鏡で反射させて、お返ししてもいいですね。
そうして守りを固めて、余った手で攻撃です。
殴り、叩き、突き、捻り、絞めましょう。
光の嵐が吹き荒れる戦場で、エリーの表情は一つも乱れない。
青い瞳がゾディアックを捉えたまま、ただ静かに言葉を紡ぐ。
「どれほど遠くに手を伸ばせても、届かない命がある。私一人では、助けられる数なんて、たかが知れているんです」
過去を悔い、誰かを思い、ただその願いを形にした結果――
エリーの手は、数を超えた。
「さて、必要な手は何個でしょうか」
淡々と、けれど祈るように発動するユーベルコード《念動ハンド》。
空間が揺らぎ、見えざる手が次々と現れる。百も、千も、それ以上も。
周囲の瓦礫、石片、スクラップすら手に取り、盾へと再構築していく。
星光が降る。盾が砕ける。だがその隙間を縫うように、また新たな手が生成される。
幾重にも重なる手の軌跡が、空に精密な舞を描いていく。
一部の破片は磨かれ、反射鏡となって光を跳ね返す。
美しく、無駄のない動き。そのすべてが、守るための所作だった。
そして、残った手で――攻撃が始まる。
殴打。打撃。締め上げ。握圧。すべてが、冷静で正確。
淡々と積み上げた意思が、暴力でなく意志の形としてゾディアックを捉える。
「誰一人、取りこぼしたくない。それが私の、原点です」
それは、どんな星の矢よりも真っ直ぐだった。
大成功
🔵🔵🔵
空桐・清導
POW
アドリブ・連携歓迎
「星達が求める美しさが何を指すのか分からない。
だが!誇りや誓いを掲げるのなら任せてくれ!
オレは!世界を!人々の明日を守る為にヒーローになった!
これはその証明だ!」
UC発動!
全てを護るヒーローとなるという誓いが迸る
拳を握り、胸を張る
これがオレの誇るものだと無窮の輝きが宇宙を照らす
「天よ!星よ!刮目しろ!これがブレイザインだ!」
[希望の力]を拳に宿して光矢を殴り飛ばし、
ゾディアックへと突っ込む
「お前達が永遠不滅の美を謳うなら!
オレ達は変化し続ける刹那の美を奏でよう!
胸と目にこの輝きを刻め!黄道神ゾディアック!!」
全身全霊の力を拳に込めて、ゾディアックを殴り飛ばす!
星光が降り注ぐ戦場。その中心で、清導は拳を握った。
ヒーローとはなにか。美しさとはなにか。星々が何を選ぶかも分からない。
だが、彼には誓いがあった。
「世界を、人々の明日を守るために――オレはヒーローになったんだ!」
その叫びが空を震わせる。
全身に漲る力は、正義の証。
解き放たれるユーベルコード《シン・超変身!!》。
真紅の輝きが清導を包み、胸の奥から誓いが迸る。
「『超鋼真紅おまえ』とオレで無敵のブレイザインだ!!さあ、見せてやろうぜ相棒!!コレが!!シン・ブレイザインだ!!!」
変身完了。その姿は、守るための象徴だった。
「天よ!星よ!刮目しろ!これがブレイザインだ!」
迫る無数の光矢。その全てを、拳一つで殴り飛ばす。
空間が裂ける。星光が散る。
その向こうに見えるのは、ゾディアック――美の絶対者。
「お前達が永遠不滅の美を謳うなら!オレ達は変化し続ける刹那の美を奏でよう!」
力を込めて走る。拳に宿るのは、希望の力そのもの。
あらゆる理不尽、破壊、絶望を超えて、ただ一撃。
未来のための拳が、星を貫くように叩きつけられる。
「胸と目にこの輝きを刻め!黄道神ゾディアック!!」
その瞬間、星々がしんと黙し、光を認めた。
大成功
🔵🔵🔵
シュタルク・ゴットフリート
美か。
俺のような人間には無縁のものと思っていたが。
魂の在り方を以て其と成すというなら──やってみよう。
UC発動、ラケーテンの【推力移動】にて飛翔しゾディアックへ挑む。
かつて雲海に沈んだ俺の故郷。
守るべきものを何ひとつ守れなかった無念。
其を繰り返さぬ為、俺は生ける死者として此処に在る。
この世界は、故郷と同じだ。
侵略に晒され、人々は苦しんでいる。
まして今は、崩壊に至らんとする瀬戸際。
あの悲劇が繰り返されようとしている。
──そうはさせん。
この身とこの魂の限りを以て、その侵略の手を打ち砕く!
見よ、天の星々よ!
これが…俺の魂の力だ!
ゼーレン・グランツ【限界突破】、最大速度で以て黄道神へ突撃を叩き込む!
星々の美が降り注ぐ戦場に、シュタルクの影が走った。
彼の表情に感嘆はない。あるのは静かな怒りと、重く澄んだ覚悟だけ。
「美か。……俺のような人間には、無縁のものと思っていた」
だが、魂がそれを成すというのなら。
守るべきを失った過去を、今ここで越えるというのなら。
シュタルクの脚部に仕込まれた機構が咆哮する。
【ラケーテン】、噴射開始――。
「推力最大、飛翔開始。ROCKET DIVE!」
風が巻き、空が裂ける。銀の死者が弾丸のように戦場を駆けた。
彼の目に焼き付いていたのは、かつて雲海に沈んだ故郷。
護れず、奪われ、誰の声も届かぬまま失われた景色。
「……あの悲劇を、繰り返させはせん」
ゾディアックの星光が迎撃の光矢を放つも、速度は衰えず。
彼の背に燃えるのは過去ではない。今を守るという意志だった。
「見よ、天の星々よ。これが……俺の魂の力だ!」
【ゼーレン・グランツ】、発動。
限界を超えた加速が装甲ごとシュタルクを押し上げる。
装備重量と推進力が掛け算となって膨れ上がった一撃――
それは単なる質量兵器ではなかった。魂を込めた、美の咆哮だった。
灰色の影が、星光の中心へと突き刺さる。
大成功
🔵🔵🔵
ハル・エーヴィヒカイト
ゾディアックよ。あなたの取った手段は我らとは決定的に相容れない
しかし願いそのものは正しきものだ
だからこそその輝きは美しい
刮目せよ星々よ。降り注ぐガンマ・レイ・バーストよ
我が手に星の聖剣
生きとし生けるものの祈りより産み落とされた刃
全ての光をその身に集め、究極の光として輝かせるもの
UC発動。射手座の光矢も天空の星々の輝きも、この場にある全ての光をその美しさごと取り込んで、そしてこの惑星に生きる生命の願いも乗せてなによりも眩しい極光として放つ
戦場に味方がいる場合は事前に[集団戦術]によって私の視界に入らないようさがってもらおう
星々が語らうように、光が戦場を覆っていた。
その中心に立つハルは、静かにゾディアックを見つめる。
「あなたの願いは、確かに正しきものだ。だが、手段が違う。だから、ここで刃を交える」
その言葉に偽りはなかった。否定ではない。
理解した上での、対話の延長としての戦いだった。
「星々よ、刮目せよ。この一撃を――“境界・七星極光(しちせいきょっこう)”!」
掲げた聖剣が唸りを上げる。
戦場に満ちるあらゆる光――射手座の星矢、ゾディアックの星光、空を焦がす天体の輝き――
それらすべてが吸い込まれ、一本の剣に宿る。
同時に、味方たちは集団戦術により後方へ。
ハルの視界から消えるよう、慎重に間合いを取る。
光が消える。世界が一瞬、暗黒に包まれる。
そして次の瞬間――剣が爆ぜた。
「星剣解放――薙ぎ払え、七星極光!」
放たれるのは、この惑星に生きるすべての生命の祈りを乗せた斬撃。
眩しさすら凌駕する輝きが、空を裂き、敵も味方も見つめる中を一直線に駆ける。
それはただの攻撃ではない。
願い、敬意、誓いを内包した、究極の美の放射だった。
大成功
🔵🔵🔵
ミタマ・フライデイ
※アドリブ連携歓迎/『』内は〔イクタチ〕の台詞
『なんだ、あれは…』
その光景に晒された途端、イクタチは動きを止め〔クロスケ〕が震えた
わたしもその絢爛な破壊の輝きを見つめ――違和感を覚えた
イクタチ、外に出ます
『は…?いや…しかし…』
開けてください
錯乱状態の彼を〔サニティボイス〕で落ち着かせ、コクピットハッチを開く
ああ、やはり、この華美な術式の目的は
なら、わたしは伝えなければいけない
そう思ったのです
方針:対話する/【指定UC】で魅了を【カウンター・カウンターハック】し味方への影響を削減支援する
この光景は眩すぎるのです
まるで自らを誇示するように
まるで自らに目を向けるように
それはなぜか、自分の事のように思えたのです
術式の線が繋がったら、攻撃や退避はイクタチの判断に任せ【コミュ力】で声をかけます
聞こえますか?
初めまして、わたしはミタマ・フライデイ
あなたは?
何故とは問いません
いま私が知りたいのは一つ
あなたが自身を盾とするほど守りたいものは、私達に、ヒトに牙をむきますか?
『全く、無茶ばかりするものだ』
――その瞬間、時間が止まったように思えた。
星光の奔流。まるで神話の筆先で塗られたかのような破壊の極彩。
敵と呼ぶには美しすぎる光景に、機体〔イクタチ〕は思考を凍らせた。
視覚を通じて伝達された術式の構造に、内部システムが過負荷を訴え、相棒は言葉すらうわの空で吐き出す。
『なんだ、あれは……』
震える〔クロスケ〕が足元を離れぬよう、そっと足で引き寄せる。
ミタマは一度、目を閉じた。そして、ゆっくりと言った。
「イクタチ、外に出ます」
『は? いや、しかし……お前、正気か?』
「開けてください」
抵抗を試みるシステムに、ミタマは穏やかに【サニティボイス】を重ねる。
やがてハッチが開き、彼女の身体を風が包む。
──冷たいはずの風が、熱を帯びていた。
それだけ、この場は“美”に蝕まれていた。
そうだ。この絢爛さは、あまりにも自己の存在を誇示しすぎている。
それはまるで、“誰かに見ていてほしい”と叫ぶような美。
痛いほどの孤独と、狂おしいほどの執念が編み上げた、歪で完璧な構図。
ミタマは、機体から半身を乗り出しながら、思考と精神を完全に【対精神浸食機構《マインドブレイク・イーター》】に切り替える。
意識に触れる魅了の波。それに自動反応するかのように、思念波が静かに立ち上がった。
まるで静電気のように皮膚の内側を走るそれは、侵食してきた術式の一部を“逆流”させ、星光の構造そのものに細かな乱れを刻んでいく。
それは攻撃ではなく、“つながる”ことの始まり。
術式が最も強く鼓動したとき、ミタマは口を開いた。
「……聞こえますか?」
その声は、風に乗って天を裂く光の只中へと向けられた。
「初めまして、わたしはミタマ・フライデイ。あなたは?」
敵意はなかった。問い詰めるような響きもない。
ただ一つ、聞きたいことだけを胸に。
「何故とは問いません。いま、わたしが知りたいのは一つだけです」
彼女はそのまま、天空に向かって手を差し出すように言葉を続ける。
「あなたが自身を盾とするほどに守りたい“それ”は、私たちに、ヒトに牙をむきますか?」
その問いは、届くかどうかも分からない。
けれど、言わなければいけなかった。
この美しさに“違和感”を覚えた時点で、彼女とゾディアックの精神は、わずかに重なり合っていたから。
『……全く、無茶ばかりするものだ』
背後で〔イクタチ〕が呆れたように呟く声を、ミタマは微かに笑んで聞き返す。
「そうですね。でも、もしこれでほんの少しでも……美しさの意味が変わるなら」
――それは、ただの破壊ではなくなる。
伝わることを願って、彼女の“声”は星光の海に溶けていった。
大成功
🔵🔵🔵