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ヤマラージャ・エステティック・ホワイトニング

#サイバーザナドゥ #サイバースペース #ヤマラージャ・アイビー #ティルナノーグ・エステティクス #トリニティ・デザイア

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#ヤマラージャ・アイビー
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#トリニティ・デザイア


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●餅は餅屋に
 外注、という言葉がある。製品やサービスの作成、提供を直接自社で行わず外部に委託することである。これ自体はあらゆる業界で行われていることだ。もちろん、サイバーザナドゥのメガコーポも例外ではない。
「じゃあ今回はトリニティ・デザイア社からの発注。肉体刺激型フルダイブスペースとその後のエステ。場所はクライアント指定の通り」
 白髪の女が居並ぶ少女たちに淡々と告げる。
「我が役割はVIPコース接客とヤマラージャ・アイビー防衛。顧客の希望でキャラクターを変えるのでそのつもりで」
 女はそう言うと、『ティルナノーグ・エステティクス』とロゴの入った機械を起動するのであった。

●オブリビオンは猟兵に
「あなたのメルでございます。本日はサイバーザナドゥでの依頼です」
 メル・メドレイサ(蕩けるウサメイド・f25476)が集まった猟兵にチアシードオイルを配る。
「サイバーザナドゥにて、遅効性プログラム『ヤマラージャ・アイビー』というのがあるのはご存知でしょうか」
 それはカクリヨファンタズムのオブリビオン・フォーミュラ『大祓骸魂』が所持し、オウガ・フォーミュラ『滅詩のユリと幽銃のシズク』が命をかけて求めた『何でも殺せる小太刀』。
 そしてそれと同じ名を持つプログラムが、サイバーザナドゥに出現した。
「これがサイバーザナドゥ全ての電脳を破壊するためのものだということはもう分かっているのですが、それはそれとして単純な思考破壊プログラムとして利用し続けているメガコーポもあるようで」
 メガコーポにはメガコーポの思惑がある。誰が何のために作ったかなどどうでもよく、仕事道具として有用なら使い続けるだろうし、それはヤマラージャ・アイビー、あるいはその製作者としても好都合なことなのだ。
「というわけで、本日はヤマラージャ・アイビー入り娯楽施設を潰してきてください」
 そう言ってメルは説明を始めた。

「まず、向かっていただきますのはフルダイブ式の娯楽施設。そこはサイバースペースでありながら、『まるで生身』と言える体験と興奮を得られる娯楽施設です。内容としては遊園地なのですが、そこは例えば安全バーなしで乗るジェットコースター、お化け屋敷で殺人鬼とのバーチャルリアル鬼ごっこ、全品無料のフードコート、あなただけの接待キャスト……バーチャルならではの何でもあり遊園地です」
 バーチャル娯楽はサイバーザナドゥでは一般的だが、その中でも特に刺激的が強烈らしい。
「皆様はここでお客として楽しんでください。一応は潜入捜査の体ではあるのですが、普通に楽しんでも実の所大丈夫です。現実の限界など忘れ、非常識なくらいに楽しんでください」
 そう言ってメルは次の説明に移る。

「このサイバー遊園地、強烈すぎて実際に肉体も疲れてしまうのですが……それもメガコーポ側としては織り込み済みの所で。体が疲れた皆様は、次のお楽しみとして併設のサイバーエステティック施設に通されます。こちらでは性別種族一切問わず、最高のエステを提供していただけます。それはもう、脳が焼き切れて一切何も考えられなくなるほどの」
 つまり『思考破壊』。ヤマラージャ・アイビーの本領が個々で発揮されるということだ。
「エステティシャンはTOR-MM8『ディーナオシーMk8』』という、生触手と機械コードを持つオブリビオンです。彼女たちは『ティルナノーグ・エステティクス』というメガコーポの主力商品です」
 ティルナノーグ・エステティクス社は美の追求を至上とするメガコーポだ。
「このサイバースペース、主催は以前より私の身内が時折紹介しておりますトリニティ・デザイア社の性欲部門です。意識トバす系仮想空間なのに睡眠欲じゃないのかって? 私が担当の時点でお察し下さいませ」
 にっこり笑って言うメル。
「どうやらこの部門は売上高ナンバーワンな代わりにとにかく人手が足りないらしく、今回スタッフをティルナノーグ社に外部委託したようですね。ちなみに場所は以前同社の睡眠欲部門が事業失敗して空いていた土地を無理矢理取り上げたようです」
 メガコーポ同士、あるいは同じ社内でもその関係は複雑。身内を敵視し他社と業務提携するのもメガコーポ間ではよくあることだ。
「彼女たちはその|医療《エステ》術を駆使し、お客を心身ともに破壊しようとしてきます。生身級のバーチャルスペースでそうなれば、もちろんリアルの肉体も廃人化。というわけで、皆様にはディーナオシーたちを撃破してください」
 生身同然のサイバースペース、その再現度ゆえに装備やユーベルコードも完全再現される。こちらの攻め手がそがれるわけではないが、ディーナオシーたちのエステ技術はそのまま戦闘にも流用できるもの。集団型として相応の手強さはあると見ていいだろう。

「そしてディーナオシーを倒せば、皆様はVIPコースへご招待です。ここでは『十字皇の使い』というオブリビオンが、心の闇を払うユーベルコードで皆様の心の迷い一切を取り去ってメンタルケアをしてくれます。まあ約しますと、精神破壊や行動阻害系のUCで完全廃人化を狙ってくるということですが」
 役割としては特に優秀な素体や抵抗力の高い者を直々に思考破壊するボスと言ったところだろう。
「彼女は相手の精神に入り込むべく、相手の要望に合わせて自分のキャラや名前まで変えてくれます。友好的や高圧的、望めばこちらに従順だったり愚鈍な振舞いさえしてくれますが、その芯は仕事第一で機械的な性格です」
 相手の望むままの姿勢を見せることでより精神の操作、破壊をやりやすくしているのだろう。
「彼女が破壊する『心の闇』ですが、闘志や敵意なども当然含まれます。誰も何もしないし考えずに食って寝て繁殖するだけ=光だらけの世界平和……んなわけあるかいって感じですが、術中に嵌ればそういう考えに落とされてしまいます」
 闇のない心は真っ黒な邪悪などよりよほど恐ろしい。そうならないようにと笑顔で言うメル。

「彼女を倒せばサイバースペースから脱出、ヤマラージャ・アイビー入りメインシステムをぶっこ抜いて帰還できます。まあ中身はもう分かっているのですが、この世界ならデリートどころか物理的に壊しても復元されかねないのでこっちの手元に置いとくのが安全でしょう」
 他のメガコーポの手に渡れば何度でも同じことが起きる。結局は猟兵が管理するくらいしか効果的な封印方法はないのだ。

「謳い文句上はとても楽しくて気持ちいい施設ですが、それを堪能するのも享受する意識あってこそ。それを破壊するこの施設、どうか潰してくださいますようよろしくお願いします」
 メルはそう言って依頼解決を自社発注し、猟兵をサイバースペースへと送り出すのであった。


鳴声海矢
 こんにちは、今回はサイバーザナドゥでの依頼です。

 第一章ではサイバースペースの遊園地で遊べます。サイバースペースだけあって現実的な話は一切無視し、過激さに全振りしたようなアトラクション満載。一切の安全器具のない絶叫マシーン、回転どころかバーチャル大平原をかけるメカ白馬やバイオ南瓜の馬車、あなただけの為に存在するキャストとパレード、その他何でも、やりたい放題過激な遊園地を楽しんでください。

 第二章では『TOR-MM8『ディーナオシーMk8』』との集団戦。名目は遊園地で疲れた体をリフレッシュ&エステティックというものです。敵の釣り出しの為エステをされる直前の所からの戦闘開始となります。エステ技術はガチですが、受けるところまで行ってしまうとかなり不利な状態からのスタートになるので注意が必要です。彼女たちはエステ技術を応用した肉体や嗜好の改造、破壊を用いて戦います。

 第三章では『十字皇の使い』とのボス戦。彼女はVIPコースとして、『|心の闇《ほとんどの思考と行動》』を破壊する能力で戦います。またガチの殴り合いもそれなりに強いです。彼女は相手の心に入り込むため、相手の望むような性格を演じます。どんなキャラで相手して欲しいか希望があればどうぞ。素の喋りは高圧的かつ一方的です。

 敵は娯楽と快感を武器に攻撃してきますが、普通に戦闘タイプの依頼ですので負けプレイングは普通に負けます。お色気要素も遊び以上には入りません。

 二章に登場する『TOR-MM8『ディーナオシーMk8』』はメガコーポ『ティルナノーグ・エステティクス』社の製品です。今回の事件も|トリニティ社性欲部門《作者》がティルナノーグ社へ|外注して《設定をお借りして》起こしたものです。

 それでは、プレイングをお待ちしています。
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第1章 日常 『危険な遊園地!』

POW   :    超音速ジェットコースター!

SPD   :    リアルタイム構造変化迷路!

WIZ   :    精神侵食お化け屋敷!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 肉体に電極を繋げ、サイバースペースへとダイブした猟兵たち。その眼前に広がっていたのは、この世に存在する色全てを並べたかのようにサイケに輝く超広大な遊園地であった。
「時速2千万キロコースター。ジッサイハヤイ。安全バー? そんなもの、ウチにはないよ……」
 安全どころかどれだけ危険を極めるかに挑戦したような絶叫マシンがパーク上空を縦横無尽に走り回り。
「ドーモ、お客=サン。ゲストスレイヤーです」
 レーザーチェーンソーを持った仮面の殺人ニンジャが、一度のアンブッシュを躱した客にアイサツしてから無限の自動生成お化け屋敷の中を追い回して極限のホラー体験を提供し。
「ティル子でーす!」
「トリ美でーす!」
「「私たちがあなただけの為に、開園からオフィシャルホテルまで付きっきりでエスコートしちゃいまーす!」」
 扇情的な衣装を着たキャストたちが、案内からパレードまで全てをたった一人の客の為に執り行う。そのバストは豊満であった。
 他にも真昼間からナイトプールが営業し、フードコートはサイバー・スシからバーチャル満漢全席まで無料食べ放題。
 サイバースペース故の自由と非常識。それは非現実でありながら現実の肉体が疲労を覚えるほどの興奮と快感を約束してくれるだろう。
 そのここでの疲労は、この後に控える|最高のエステティック《オブリビオンたちとの戦い》への招待券だ。
 さあ|猟兵《ゲスト》たちよ、この自由極まる遊園地を全身で堪能し、次の|お楽しみ《戦い》への準備運動とするのだ。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
流石この世界、見事な遊園地ですねぇ。
折角ですし、楽しんで参りましょう。

『猟兵』の能力を隠して装備を持ち込める様、【豊艶界】を発動し『FLS』で召喚した各『祭器』共々納めておきまして。
この世界の様々な品をバーチャルで楽しめるとのことですし、フードコートにお邪魔しますぅ。
出来るだけ『量の多い高カロリーの品』を中心に、色々頂いてみますねぇ。
これ程しっかりしたバーチャルであれば、『調理法』等も実際の作り方を元にしているでしょうし、この世界の[料理]を覚えるのにも良さそうですぅ。
『バーチャルキャラクター』という性質上、食事の影響が肉体にフィードバックする可能性も有りますが、まあ?



 メガコーポ『ティルナノーグ・エステティクス』によって作られたサイバースペース内の遊園地。そこには過激で危険なアトラクションが目白押しであった。
「流石この世界、見事な遊園地ですねぇ。折角ですし、楽しんで参りましょう」
 しかし、そう言う夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)の目的はそれらではない。
「この世界の様々な品をバーチャルで楽しめるとのことですし、フードコートにお邪魔しますぅ」
 彼女が向かうのは、サイバースペース内でありながら食事を楽しめるフードコートであった。
 そこはドームのように広く、タワーのように高い、最早これ自体が一つのテーマパークと言えるほどに巨大で広大な大食堂。
「ラッシャーセコラー!」
「ナニスンネコラー!」
 入れば花火とスモークが入店を歓迎し、ヤケクソ気味の挨拶でドスを構えた半裸のサイボーグ・イタマエや武装メイドが注文を取りに来る。
 その歓迎に臆することなく、るこるは希望するものを告げた。
「出来るだけ『量の多い高カロリーの品』を中心に、色々頂いてみますねぇ」
 何があるかまだ分からないので傾向だけの注文だが、それをしっかり承ったかフロアの壁全体が移動し始め様々な店や食事が顔を出した。
「ミンチにすんぞコラー!」
 まず出て来たのは山盛りのネギトロ。意外と普通……と思いきやさにあらず。
「なるほど、確かに『ネギトロ』ですねぇ」
 食べて検分してみると分かるが、これはマグロのミンチと脂を混ぜたものではなく、大トロを挽いた本物の『ネギトロ』。もちろんその大トロそのものは何がしかの形で合成して作ったものだろうが、きちんとトロを使ってくるあたりは本物志向が垣間見える。
 それを筆頭にアクロバティック回転しながら次々出てくるスシを食べていると、下着同然の高露出服を着たメイドが何かを持ってきた。
「ラッシャッセご主人様ー!」
 メイドが持ってきたのは、巨大な丼。そこに山積みされていたのは、大量に折り重なった何枚ものカツであった。
 それをるこるが食べようとすると、メイドは突然丼の上で胸を寄せた。
「ラブ・インストール・プロトコルが未了ですご主人様」
 その胸の谷間から突き出すのはガトリングガン。それが回転し激しい銃撃音とともにカツの上に何かがぶちまけられた。
 音が止んでからそれを見ると、そこにあったのはネギと三つ葉で書かれた『サツバツ』の文字。
 何事かと思わせる演出だが、ライスの上に卵をかけた料理に、添え物でメイドが文字を書く……もしかしたらこれはメイドカフェでよくある『オムライスにケチャップで文字を書く』的なやつをこの遊園地的に|再解釈《トンデモ曲解》したものなのかもしれない。
 それはともかくとして食べてみれば、卵は濃厚、カツはサクサクと上等だ。そしてカツに使われている肉はロース肉ではあるのだが、中にチーズが仕込んである。
 俗にいうミルフィーユカツのようなものではなく、チーズがカツの組成の中の一部に組み入れてある。恐らく肉を作る段階でこの用途の為にチーズを仕込んであるのだろう。
「これ程しっかりしたバーチャルであれば、『調理法』等も実際の作り方を元にしているでしょうし、この世界の[料理]を覚えるのにも良さそうと思いましたが……こういうこともあるのですねぇ」
 この料理自体はもちろんバーチャル。だが材料や調理法までプログラムに入れることで、実際に作ったものとそん色ない品を再現している。
 そして食料が材料の時点から工業的に作られているのもこの世界では当たり前の事。それ故に、特定の料理に特化した食材を作り、使うこともできる。この遊園地を経営しているメガコーポには食を扱う部門もあり、そこからデータ供与を受けて作っているのかもしれない。
「高いものも扱っているということですかねぇ」
 その部門が廃品同然の汚染食材をばらまいていたこともるこるは知っているが、それだけがこのメガコーポの事業ではないということだろう。
 それからも生地一層ごとに味の違うパイや、昇天クリーム盛り・スゴイタカイパフェ、純エネルギーチョコレートドリンクなどスイーツ含めた巨大かつハイパワーな品が次々と。
「『バーチャルキャラクター』という性質上、食事の影響が肉体にフィードバックする可能性も有りますが、まあ?」
 バーチャルキャラクターはサイバーザナドゥの土着種族の一つだ。バーチャルがバーチャルでカロリーを獲ればそれは現実にハイカロリーを取っているに等しい。るこるはキマイラフューチャー系だが似通った部分も多かろう。
 そのたっぷりと肥えた肉体は、この遊園地の『プログラム』として|バーチャル《実質現実》エステへいざなわれることになる。その時|エステティシャン《オブリビオン》をより釣り出せるように、るこるは体をたっぷりと『疲労させて』おくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クレア・ダンバー
面白そうな遊園地ねえ。
じゃあこの絶頂コースターってのに乗ってみようかな。
安全バーが二本、座席から生えてて、それに乗って進むタイプ。
バーの太さとそこから出る媚薬の濃さは自由に選べると。
それじゃ試しに一番太くて一番濃いので。
馬より大きいサイズはきついわねえ、サイバースペースじゃなきゃ無理ね。
媚薬も試しに、うわ、一瞬で絶頂しちゃったわ、濃すぎじゃない?
じゃあスタート。
このジェットコースター自体は普通に激しいコースターね。
しかもゴールなしに延々走り続けると。
バーからぐりんぐりんと中に衝撃来るわね。
媚薬効果で意識飛んだらそのまま投げ出されてようやく終了。
いや、新しいコースでもう一度かしらね。



 遊園地のアトラクション、その花形と言えばやはりジェットコースター。
「面白そうな遊園地ねえ。じゃあこの絶頂コースターってのに乗ってみようかな」
 クレア・ダンバー(蛮遊淫力・f09491)はその中の一つに目を付けた。
 安全への配慮は基本的に一切ないこの遊園地だが、このコースターには安全バーがついていた。ただし、上ではなく下にである。
 そのバーの上にクレアは腰を下ろした。
「バーの太さとそこから出る媚薬の濃さは自由に選べると。それじゃ試しに一番太くて一番濃いので」
 席の前方についているパネルを弄ると、クレアの中で安全バーが動き回る。
「馬より大きいサイズはきついわねえ、サイバースペースじゃなきゃ無理ね。媚薬も試しに、うわ、一瞬で絶頂しちゃったわ、濃すぎじゃない?」
 それを楽しんでいると、コースターが動き始めた。
 コースターは高速でパーク上空を走り回る。高度200メートルの急降下や10連ループ、螺旋回転しながらの超高速移動など無茶苦茶な動きが止まることなく続いていく。
「このジェットコースター自体は普通に激しいコースターね。しかもゴールなしに延々走り続けると」
 遊び疲れさせるのが目的ということもあり、その振り回しは容赦ない。そしてその体を固定するのは、股間の安全バーのみだ。
 その衝撃がクレアを何度も絶頂させるが、どれだけ披露してもこのコースターに終点はない。
 さすがにクレアも疲れて来て、全身から力が抜ける。そしてそれにより、安全バーの『固定』が緩んだ。
 その状態で差し掛かる180度転換ヘアピンカーブ。そこをコースターが一歳速度を落とさず通過した時、クレアはそのまま外へ放り出された。
「おおおおお!?」
 流石にこれにはクレアも朦朧としていた意識を取り戻して驚愕の声。そのまま身一つで宙を舞い、パークを上から見下ろすフリーフォール。
 そしてそこから落下して地面に叩きつけられる……前に何かに着地した。
「うおっ!?」
 それと同時にクレアの下半身を強烈な衝撃が貫く。そこにあったのはさっきまで乗っていたのとは違うコースター。そしてその『安全バー』が、クレアの下半身にジャストインしたのだ。
「新しいコースでもう一度かしらね」
 この衝撃ですっかり目が覚めたクレアを乗せコースターは走り出す。そのまま立ち上がれなくなるまでクレアを振り回し吹き飛ばし、最後にコースターは|エステサロン《オブリビオンの拠点》をゴールとして突っ込んでいくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
非現実的な欲求も大体は
自身と守護霊達の力で叶えられる私に
どんな非現実を体験させてくれるの?

案内された先には
人並外れた美貌の女性。
母亡き後、私を拾い育ててくれた……

「立派になったね、ルル」

ご、|吸血鬼《ごしゅじん》様……!

本物の彼女は猟兵に殺された?
目の前に居るのは私の記憶から出力・再現された偽物?
そんな現実は衣服もろとも脱ぎ捨ててしまえ。
ずっと求めていた温もりが此処に在る

「こんな風にされるの、好きだったよね」

強引に押し倒され
舌と指先で乳頭を弄ばれる

ひゃぅぅっ♥
ご主人しゃまぁ……♥

「ふふ……もうこんなに濡れてる。私もだけど♪
あっ♥ ふぁぁんっ♥♥」

数十年ぶりの主従の貪り愛は
永遠と思えるほど続いた



 この遊園地はヤマラージャ・アイビー入りプログラムを使ったバーチャル空間に存在する。それ故現実的な制限は一切無視し、やりたい放題どんなことでも叶えることができた。
 だが、その触れ込みにドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は懐疑的な態度をとる。
「非現実的な欲求も大体は自身と守護霊達の力で叶えられる私に、どんな非現実を体験させてくれるの?」
 そんな言葉を聞きつけたか、スタッフがドゥルールにすり寄って来た。
「お客様ぁ~、我が社のバーチャルリアリティ舐めて貰っては困りますねぇ~」
「お客様のことはよーく分かってますよ~? ティル子とトリ美が素敵な夢を見せちゃいま~す」
 マーチング用の服をスリングショット状態になるまで布を落とした女が尻を振り、トリコロールのメカビキニを付けた女が胸を寄せてくる。
 そう言った二人はそのまま一人がドゥルールの顔を胸で挟みこんで視界を奪い、もう一人が自分の尻を掴ませた状態で手を引いて歩き出した。
「それでは到着しました~」
「お客様が望んでやまないものでーす」
 顔と手から柔らかな感触が離れ視界が開けると、そこにいたのは人並外れた美貌の女性。
 その女性は母亡き後、ドゥルールを拾い育ててくれた……
「立派になったね、ルル」
「ご、|吸血鬼《ごしゅじん》様……!」
 それは、とうの昔に失ったドゥルールの愛しい人であった。
「「それでは、ごゆっくり~……」」
 含みのある笑いでスタッフは消えていく。しかし、ドゥルールはそんなもの気に掛ける余裕もない。
 本物の彼女は猟兵に殺された?
 目の前に居るのは私の記憶から出力・再現された偽物?
 だからどうした。そんな現実は衣服もろとも脱ぎ捨ててしまえ。
 ずっと求めていた温もりが此処に在る。
「こんな風にされるの、好きだったよね」
 そしてドゥルールが何かを求める前に、吸血鬼はドゥルールを強引に押し倒し、舌と指先で胸の先端を弄んだ。
「ひゃぅぅっ♥ご主人しゃまぁ……♥」
 言われた通り、それはドゥルールが最も好きなもの。それを望む形で、望むようにされてドゥルールは蕩けていく。
 オブリビオンを相手取る時と違う、相手に全てをゆだねる甘え切った声。
「ふふ……もうこんなに濡れてる。私もだけど♪あっ♥ ふぁぁんっ♥♥」
 それに答えるよう、吸血鬼は体を重ね、ドゥルールを楽しませる。
 それは全てドゥルールの欲しがるものばかり。ここをこうして欲しい、という願望が浮かべば何も言わずとも相手はそれに答えてくれる。
 かつては本当に言わずとも通じた深き仲であった。しかし今のこれは、サイバースペースにダイブするときに接続したドゥルールの意識を読み取り、その嗜好と記憶からヤマラージャ・アイビーが導き出した演算結果に過ぎない。
 しかしもうそんなことはどうでもいい。欲しかったものを与えられた時、人は考えるのをやめる。それはすなわち『思考破壊』。
 サイバースペースの中では時間の感覚さえもいいように引き伸ばされる。数十年ぶりの主従の貪り愛は永遠と思えるほど続いた。例えそれが現実には一分にも満たない時間であろうとも。
「お客様すっかり頭空っぽだね~トリ美ちゃん」
「後は体も頭もエステできれいさっぱりになって貰うだけだねーティル子ちゃん」
 それをエリアの外から監視するスタッフ。彼女たちは変わらぬ笑顔でゲストの『幸せ』を願い、それを供する|エステティシャン《思考破壊オブリビオン》を手配するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『TOR-MM8『ディーナオシーMk8』』

POW   :    メンタルケア:思考能力改善施術
【触手やコード端子 】に触れた対象の【思考】を改竄できる。また【記憶】を奪ったり、逆に与えたりできる。
SPD   :    ボディケア:体質改善ナノマシン投与
攻撃が命中した対象に【肉体改造用ナノマシン 】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【目的に応じた肉体への改造或いは破壊】による追加攻撃を与え続ける。
WIZ   :    スキンケア:施術用薬液分泌
自身と武装を【体内機能活性化作用のある薬液 】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[体内機能活性化作用のある薬液 ]に触れた敵からは【肌の老廃物や角質、思考能力や抵抗の意志】を奪う。

イラスト:えな

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 過激な遊園地に振り回され、ゲストたちはバーチャルでありながら現実側の肉体までが疲労困憊。そんなゲストたちは、白亜の建物へと導かれた。
「いらっしゃいませ、本日は楽しまれましたかぁ~? 皆さんとてもお疲れの様でぇ~」
 ゲストたちを出迎えたのは、茶髪をツインテールにした女性たち。その両手は機械と生体に種類の触手の束となっており、また長いスカートから覗くのは脚ではなく肉でできた鰭のような部位。
「さあ、こちらに横になってくださいませ。私たちは最新エステティックマシーンTOR-MM8『ディーナオシーMk8』。我が『ティルナノーグ・エステティクス』社が誇る至高のエステ技術で、皆さんを天国の向こう側までトバして差し上げちゃいますねぇ~」
 施術台に寝たゲストたちに触手が絡みつき、その|肉体《アバター》の奥深くまで入り込む。それは生体部分は薬液を垂らし、機械部分はナノマシンを注入し、体と嗜好をまっさらに改竄していった。
 それを受けるゲストたちは皆無様なまでの蕩け顔。そこに知性や理性は一切感じられず、ただ触手の与える快楽とそこに仕込まれたヤマラージャ・アイビーにより、現実の肉体諸共全ての思考が破壊されつつあることを示していた。
「お待たせしました。次はあなた達の番ですよぉ~。皆さんと~っても素敵なお体してるみたいで……それでは天国、イっちゃいましょぉ~」
 そして次なる|ゲスト《獲物》の横たわる施術台に近づき、触手を伸ばすディーナオシーたち。彼女たちの目的は客をメガコーポの傀儡にするための思考破壊であり、例えそれを知っていてもこの状態から逃げることは困難を極めるだろう。
 だが、それは施術側にとっても同じこと。彼女たちはまだ気づいていない。自身の目の前に寝ているのが、全てを知ってやって来た|招かれざる客《猟兵》であることに。
 今まさに伸ばされている触手に捕らわれる前に、その誘いを打ち払い明確なる意思と思考をもってこの美と快楽の繰り手を打ち払うのだ。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
確かに、状態的にエステは有難くは有りますが。
ご遠慮させて頂きますねぇ?

『FAS』により飛行、『FLS』で『FPS』と『FHS』を召喚しまして。
『FMS』のバリアを内側に配置し【籠域】を発動、『乳白色の波動』を纏いますねぇ。
『触手』『コード端子』共に『物質』である以上、『波動』に触れれば体に届く前に崩壊しますし、仮に突破出来ても威力に優れる物でない以上、崩壊仕掛けの状態でバリアの突破はほぼ不可能でしょう。
一般のゲストを巻込まない様『FBS』『FHS』による斬撃に、『波動』を利用した『体当たり』を混ぜ順に叩きますねぇ。
『思考破壊』のデータは『FPS』で確保、後の治療用に。



 遊園地で遊び疲れたゲストたちが案内された場所、それは同じバーチャルスペースにあるエステティック施設であった。
 外見は白亜の宮殿とも言うべきそこには多数のベッドがあり、多くのゲストが横たわっていた。
 そのゲストたちに施術をせんとエステティックアンドロイド『TOR-MM8『ディーナオシーMk8』』が触手を伸ばす。
「あら、こんなに丸々肥えちゃって……これはたっぷりこね回さないとですねぇ~」
 伸びる触手から滴るのは、肉体を改造し思考を破壊する|薬液《ナノマシン》。ティルナノーグ・エステティクス謹製のエステ技術にヤマラージャ・アイビーの加わったそれを僅かにでも受ければ、最早あらゆる思考が肉体ごと破壊される事だろう。
 その触手が触れる前に、横たわっていた巨肉が動いた。
「確かに、状態的にエステは有難くは有りますが。ご遠慮させて頂きますねぇ?」
 現実にフィードバックするほどのバーチャルカロリーでたっぷりと肥えたその肉は夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。その肉に入り込む寸前だった触手を逃れ、その巨体を浮き上がらせる。
 現実とのリンク性が高すぎるこのサイバースペースでは、装備やユーベルコードも現実同様に使うことができる。それを用いてるこるは横になった状態のまま施術台から逃れ、そのまま相手の準備が整わぬうちに装備を並べていった。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて祈りを捧げましょう」
 さらに【豊乳女神の加護・籠域】も発動、乳白色の波動を纏い完全な防御の姿勢を固め、相手が触手を伸ばして来るのを待ち構える。
「おやおやぁ? 随分食べて丸くなったみたいなのにまだ起きられるのですかぁ?」
 それに向かいキョトンと首をかしげるディーナオシー。一見すれば状況が理解できていないようにも見えるが、その頭の中では電脳が瞬時に状況を理解。メガコーポ製なら搭載していて当然とも言える、敵対勢力の潜入に対応する戦闘プログラムに思考を切り替える。
「大丈夫、痛いことなんてありませんよぉ。気持ちよくてすぐ何も考えられなくなっちゃいますのでぇ~」
 両手を上に上げ、その袖口から大量の触手を伸ばす。ナノマシン入り薬液を滴らせ伸びるそれは、るこるの纏う波動に触れた途端しなびて崩れ始めた。
 エステ器具であり繊細な医療機械でもディーナオシーの触手は、丈夫さよりも精密動作性や機能性に重きを置いている。ユーベルコード製の破壊の波動、さらにそれを越えてもなお敷かれるバリアを突破するほどの出力は持っていなかった。
 しかし、ディーナオシーは慌てる様子はない。
「あらあらぁ~……それでは仕方ありません。他の方の施術を優先しましょうかぁ」
 そのまま壊れた触手を捨てて袖から新しい触手を生やし、この状況でも動くことは出来ない別のゲストの寝る施術台へと向き直った。
 元より彼女たちの目的はこのサイバースペースでゲストの思考を破壊し、現実の肉体を廃人化させること。わざわざ面倒な|襲撃者《猟兵》の相手をする必要はなく、壊れた素体を現実に提供しておき会社の回収班に持っていかせればいいだけなのだ。
 そして一般人のゲストたちは既に疲労と遊園地での快楽により意識は混濁、この状況でも自ら逃げ出すことは出来ない。
 このままでは相手の目的が達されてしまうと、るこるは戦輪と脇差を操作、飛翔突撃させてディーナオシーの触手を切断にかかる。
「あらまぁ……これはバーチャル信号で動いているのですかぁ? 困りますねぇ~」
 戦輪によって綺麗に切り取られた生体触手を見て声を出すディーナオシー。だが一方、機械触手を切りに行ったはずの脇差はその触手に絡めとられていた。
 脳波で動かしている祭器は、刃が触手に触れた瞬間その嗜好改竄によるハッキングを受けその動作を鈍らされた。戦輪がそれでも切断できたのに対し脇差が捕まったのは、直接持ち込んだものではなく別の装備経由で引っ張り出したものなので、ユーベルコードであるそれに打ち負けた形になったのだろう。
 そのまま背を向け、ゲストへの施術を再開しようとするディーナオシー。だが、祭器で不十分ならそれ以上の武器を用いるのみ。
「調整いただかなくても、この体で十分ですのでぇ」
 るこるはその巨大な肉を波動もろとも突進させ、巨大な破壊の弾となってディーナオシーに突撃した。ここまで本体は大きく動かなかった巨肉の突然の突進に、ディーナオシーの電脳も対処をすぐには弾きだせない。
「あらら、これは、止められなさそう……」
 まさかこの巨大な肉塊が一気に動くとは。とっさに振り上げた触手も、破壊の波動と巨大な肉を直接叩きつけられては粉みじんに消えていく。
 そのままるこるはディーナオシー本体さえも体当たりで消し飛ばし、施術台に寝るゲストぎりぎりでその体を止めた。
「治療のため何か分かれば、と思いましたがぁ……」
 るこるはディーナオシーを破壊する際、脇差と一緒に引き出した探査用祭器でヤマラージャ・アイビーのデータを解析しようとした。だがそれで分かったのは『2キロバイトのプログラム』ということだけ。ヤマラージャ・アイビーの本質はサイバーザナドゥの『科学』ではなくカクリヨファンタズムの『呪詛』。プログラムを理解できないのではない、理解するような内容がプログラム内にないのだ。
 幸い目の前のゲストはまだ快楽によるただの放心状態であり、真の思考破壊に至っているわけではない。
 そしてこの2キロバイトの深淵はまだ先にある。サイバースペースの奥に広がるさらなる深みへと、るこるは備えるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サエ・キルフィバオム
アドリブ歓迎!

たっぷりエステを受けさせてくれるなんて最高だね!
……なーんて、まぁ裏がある以上は楽しんでるだけじゃダメかぁ、残念

なるべく周りの人に被害が行かないように、あたしに狙いを集中させた方が良いよね~♪
元々エステって事だし、条件ぴったりの【一狐の腋に如かず】であたしに釘付けにしちゃおうか
どんどんディーナオシーMk8が集まってナノマシンを流し込まれるけど、ナノマシンはあたしの糧になってもらうから♪
……どんな肉体が魅力的かは人それぞれだと思うけど、まさかこんなに胸とか尻とか豊満にされちゃうとはね~
ま、最後はその体のパワーでワイヤー攻撃を仕掛けて一網打尽にさせてもらうよ!



 ディーナオシーたちの役目は客たちの思考を破壊することである。そしてその方法は、自身のエステティック技術で快楽とともにヤマラージャ・アイビーを流し込むことだ。
「たっぷりエステを受けさせてくれるなんて最高だね! ……なーんて、まぁ裏がある以上は楽しんでるだけじゃダメかぁ、残念」
 快楽は確かなものではあるがそれが相手の武器であり作戦。サエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)は内心でそう残念がりながらも、敵の術中に嵌ったかの如く施術台の上で脱力しきっていた。
 既にここに|招かれざる客《猟兵》が侵入しているのは判明しており、それによってエステティシャンロボット『ディーナオシー』の一体が破壊されている。しかしディーナオシーたちは敵の排除よりも客の廃人化を優先しているため、自分がついた客から離れる様子はない。
 サエについている者も同じであり、その体に触手を伸ばす。その触手を、サエは全身に受け入れた。
 触れた瞬間に体が中から変えられて行く快感があり、サエはそれに顔を蕩けさせる。その姿は猟兵としての任を忘れ、快楽に溺れたかのようなものだ。
 そしてさらに、サエの体の内外を改造する触手が一気に増えた。気づけばサエにかかるディーナオシーが、いつの間にか大量に増員されていた。
 一気に触手に埋め尽くされたサエは、快楽で消え飛びそうになる頭で考える。
(なるべく周りの人に被害が行かないように、あたしに狙いを集中させた方が良いよね~♪)
 増えたのは周囲にいた別の客を担当していたディーナオシー。彼女たちは猟兵の襲撃にあってもやめなかった自分の担当を放棄して、サエに群れ集っていた。
 当然そうなれば通常の何倍もの改造触手を受けることになる。実際サエの体は文字通りの現実離れするような体形へ改造されていった。
(……どんな肉体が魅力的かは人それぞれだと思うけど、まさかこんなに胸とか尻とか豊満にされちゃうとはね~)
 超巨大な胸と尻。元々豊満な身体のサエであったが、今のサイズは既にその玉一つが体一つ分はあるほど。そして感覚もサイズに比例するように鋭敏になっており、内外を這いまわる触手やナノマシンの動きさえ快感となるほど。
 しかし、この状態でもサエの思考はまだ破壊されていない。
 なぜならこの状況はサエ自身が望んで招き寄せたもの。そしてその効果は、ユーベルコード【一狐の腋に如かず】の効果であった。
 完全脱力で敵の攻撃を受けることでその攻撃を自分の都合のいいように変換、さらに誘因効果を身体から出すというもの。失敗すればダメージは倍加するが、今回に関しては脱力状態は相手の方からエステによって作り出してくれる。敵がユーベルコードの発動に協力してくれるのだ。これなら失敗する方が難しい。
 誂えたかのような好相性のユーベルコードによって、ディーナオシーの多数の釣り出しと改造ナノマシンによる自己強化は十全に行えた。後は相手を倒す手を打つのみ。
 ディーナオシーの触手がサエの髪に触れた。その瞬間、サエは髪に仕込んだ『狐糸「舌端」』を触手に絡める。そしてそのまま改造された肉体に満ちた重量とパワーを持って、そのディーナオシーを思い切り振り回した。
「あ、あららららぁ~?」
 ワイヤーに絡められた相手はそのまま他のディーナオシーたちにぶつかり、次々なぎ倒していく。そしてサエは施術台から転がり落ち、超巨大化した肉体で押し潰してとどめにした。
 肉体改造はサエの都合の良い形に変えられている。それはただ見た目と感覚が良いだけでなく、サエの弱点であるパワー不足を補うエネルギータンクとしての改造にもなっていた。
「成功した……って、思ったでしょ。ざーんねん♪」
 自身の下で潰れ壊れるディーナオシーに言うサエ。
 そしてリアルすぎて現実の体にも影響されるこのバーチャルスペースで、これだけ改造されたサエの実際の肉体がどうなっているか。それは現実に戻れない今の状況ではまだ分からないのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
ご主人様と深く深く愛し合い
快楽の中で眠りに落ちた私を
目覚めさせたのもまた快楽。
前後の穴に触手を挿入され、ナノマシンを注がれるも
『運命改革・超魔逆転覇』が自動発動し
私の媚毒【呪詛】体液に塗れたナノマシンがディーナオシー達に逆流。
胸は大きく、股間には御立派様が生え、感度は何倍にも高まり
私の目的に応じた肉体へと改造されるわ

挿れるなら触手よりも……ね♥

既に息の荒い彼女達を【誘惑】
口・膣・お尻で御立派様を受け入れつつ
自身の両腕を【化術】で無数の触手に変え
彼女達の肥大化した胸を愛撫したり
その先端に吸い付かせて【慰め・生命力吸収・大食い】

んむぅぅっ♥♥

私は勿論、救済に導いた彼女達も
お肌ツヤツヤ・幸せ絶頂よ♪



 エステロボ『TOR-MM8『ディーナオシーMk8』』たちは自らの役目である|エステ施術《思考破壊》を優先し、敵襲があっても施術をやめようとはしない。そして客たちも、周囲で何が起こっているかなどまるで気づくことなく快楽に浸り意識を別世界へと飛ばしていた。
 そしてそれは、猟兵であるドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)もまた同じであった。彼女は最も会いたかった人物に会うという|幻覚《バーチャルリアリティ》を見せられ、それによって与えられた快楽の中で意識を失っていた。
 そんなドゥルールに、ディーナオシーは施術を続ける。
「はい、それじゃあその空っぽの頭、もう何にも考えられなくしちゃいますからね~」
 ディーナオシーの大量の触手がドゥルールの全身に入り込み、その体を改造しはじめた。バーチャルとは言えほんの少し前まで快楽漬けになっていた体はそれを受け入れる体制が十分すぎるほどに整っており、その肉体のいたるところから奥の奥まで触手が侵入していく。
 そして触手が体内を掻きまわして刺激し、受け入れ態勢を整えた体に大量の改造粘液とナノマシンを吐き出した。
 意識のないドゥルールにディーナオシーからの肉体改造が施される。このままドゥルールは意識がないままに肉体がその快感に支配され、やがてはディーナオシーの思い通りの廃人へと変えられていくこととなるだろう。
「はい、と~っても素敵なからっぽボディの出来上がりですぅ~」
 一丁上がりと言わんばかりにディーナオシーがドゥルールから触手を引き抜いた。だがその瞬間、それに呼応するように彼女の胸が一気に巨大化した。
「おや、おやややぁ~?」
 ディーナオシーはアンドロイドではあるが生体部品も多数使われており、胸部は特に質の良いものが用いられている。その胸肉が、美しい形を保ったまま数倍の大きさに膨れ上がった。
 その変化は、まさにディーナオシーがドゥルールに施したつもりの改造であった。
 さらには肉の鰭状の下半身が人のものに変質し、触手ではない別のものを生やされている。
「挿れるなら触手よりも……ね♥」
 そのディーナオシーの前で、施術台に寝ていたドゥルールが起き上がった。
 種としては、【運命改革・超魔逆転覇】でディーナオシーが行おうとした|肉体改造《状態異常》を自動反射したというもの。たとえ最初から意識がなくても、自動発動のユーベルコードなら持ち込んでさえおけば勝手に発動してくれる。
 どんな相手が、どのようなユーベルコードを使ってくるか。それが事前に分かっていれば対策を仕込むこともできる。猟兵が持つ予知というアドバンテージを最大限活かし、ドゥルールは遊園地の快楽とディーナオシーのエステを十分に楽しんだうえでその不利を被ることなく戦闘に持ち込んだのだ。
「あや、あやややや~」
 思考破壊を反射されたディーナオシーの電脳がバグを起こし、呂律が回らなくなる。そのディーナオシーに覆い被さり、ドゥルールは改造された彼女の肉体を自身の胎内へと埋め込んだ。
 さらに自身の手に化術をかけて触手状にし、ディーナオシーに纏わりつかせる。化けただけなのでディーナオシーのような思考破壊や肉体改造の力は当然ないが、代わりにその巨大な胸を重点的に吸う、搾るなどの動きで攻めていきそこから相手の生体部分を動かす|エネルギー《生命力》を吸い上げる。
「んむぅぅっ♥♥」
 最後に大口を開けないと入り切らないほどに肥大している先端にかぶりついて吸い上げ、エネルギーを完全に枯れさせることでディーナオシーを機能停止に追い込んだ。
「お肌ツヤツヤ・幸せ絶頂よ♪」
 吸った生命力で遊園地から使い果たしていた自身のエネルギーを補填、同時に壊れて消えていくディーナオシー自身も幸せであれと思い、ドゥルールは磨かれた肌を艶めかせるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クローネ・マックローネ(サポート)
普段の口調は「クローネちゃん(自分の名前+ちゃん、相手の名前+ちゃん、だね♪、だよ!、だよね★、なのかな?)」
真剣な時は「クローネ(ワタシ、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

基本は一般人の安全を優先で♪
多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪
シリアスな場面では状況の解決を優先するよ
コメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪
えっち系はばっちこい★状態変化もばっちこい♪
絡みOK、NG無しだよ★

UCは集団召喚系か範囲攻撃系を優先して使うよ♪
状況に応じてMS様が好きなのを使ってね★

後はMS様におまかせするね♪



 散発的に起こりだした猟兵とディーナオシーとの戦い。だが、その戦場から離れたところにいるディーナオシーたちは我関せずと言った様子で自分の担当するゲストへの施術を行っていた。
「さてさて、気持ちよさそうになさってますねぇ~」
 ディーナオシーの前にいるのは漆黒の肌を持った豊満な女性。その黒い肌の上を、粘液濡れの触手が這い回る。その触手から出る肉体改造液が黒い肌に染み込んで、元々大きかった胸と尻がさらにとてつもない大きさへと膨らんでいった。
 そして周囲には、同じように触手で体の内外を弄り回され、過度に豊満な体に改造されている女性が何人も施術台の上に寝かされていた。
 女性たちは皆一様に体を痙攣させ、触手に与えられる快楽に耽溺しているように見える。その証拠に、その表情はだらしなく緩み切り、舌を長く垂らす者、目を裏返らせ目や鼻から液体を滴らせる者などいずれも恥や尊厳を捨てたような顔を曝していた。
「はい、じゃあそろそろフィニッシュですねぇ~……それでは」
 ディーナオシーが袖から出る触手の何本かをらせん状に束ね、いくつかの太い触手のような形に変える。そしてその巨大触手を、施術で膨れた胸の先と尻の間に勢いよく捻じ込んだ。
 黒い肌の女性たちが激しく痙攣し、施術台の上で跳ねる。そして顔を形容しようもないほどの狂ったものに変えて、動かなくなった。
「はい、と~っても綺麗になれましたね~。後はそのまっさらな頭と体を回収するだけで……」
 ディーナオシーは施術完了とばかりに触手を引き抜こうとする。しかし引き出した触手は、捻じ込んだその場所から先がすっぱりと切断されていた。
「あ~気持ちよかった★せっかくだから独り占めさせて貰ったよ♪」
 とりわけ巨大な乳尻になっていた黒肌の女性が起き上がる。快楽に溺れていたはずのその顔は、理性を保った余裕の笑顔に変わっていた。
「なんで悪いけど、一般のお客さんは|帰って《救出させて》貰ったよ★」
 周囲で施術されていた女性たちもそれに倣うよう次々と起き上がる。彼女たちは普通のゲストではない。クローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)が召喚し、彼女が最優先目的とする一般人保護のためゲストと入れ替わらせた【クローネちゃんのキラキラなお友達★】であった。
 強度に難のあるディーナオシーの触手を膨れ上がった体の力と重量で無理矢理捩じ切り、体内で相手の薬液とナノマシンを浄化する。そうしてディーナオシーの|エステ《思考破壊》に対抗した『お友達』たちがその巨体で体当たりを繰り返し、直接の殴り合いは苦手なディーナオシーを押し潰した。
「これで外はOK♪あとは……お任せするね★」
 外縁部にいたゲストは出来る範囲で保護した。中核は仲間に任せると言いながら、クローネは自身を施術したディーナオシーに対し|エステの成果を見せつける《肥大化した胸での挟み潰しをかける》のであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
おや、激突音を聞いての新手です?
まあ、何とかしてみましょう。

先程の流れで、彼女達の優先順位は読めましたからねぇ。
『FMS』のバリアは隔壁として一般の方々を隔離防護、【搾薢】を発動し多数の『蔓』を形成しますねぇ。
今の私の体格でも『蔓』の長さから十本ほどを守りに回せば全方位の多重防御が可能ですし、『破壊力』自体が高い訳ではない『触手や端子』で『蔓』を貫通するのは困難ですぅ。
そのまま残りの『蔓』を攻撃に回し、新手の方々を拘、『吸収』して仕留めますねぇ。

尤も、この状態から『吸収』する以上、体型的に更なる増量は確実でしょうが。
エステサロンですし、念の為体重計で量ってみますかねぇ?



 ディーナオシーたちの目的は、一人でも多く客を廃人化させメガコーポが利用するための素材にすることである。それ故侵入者が来てもその迎撃よりもエステティックを優先するし、何なら自分が破壊されても|施術《思考破壊》さえ完了すればそれでよかった。
 一方で彼女たち自身がいなければ触手を用いた施術そのものが行えない。破壊された機体の代わりということか、どこからか新たなディーナオシーが補充されていた。
「おや、激突音を聞いての新手です? まあ、何とかしてみましょう」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は自分担当のディーナオシーを破壊してはいるが、他の客の担当も含めて駆逐する必要があると残るディーナオシーにも戦いを挑まんとした。
「先程の流れで、彼女達の優先順位は読めましたからねぇ」
 たとえ交戦中でも、隙があれば施術に戻ろうとするほどにディーナオシーたちの本来の業務の優先度は高い。それ故にるこるはとにかく一瞬でもディーナオシーの施術を妨害、そしてその間にバリアを使って無理にでも寝ている客を外に押し出し、そのまま防壁とすることで戦場の外へと隔離した。
「あらあら、私達のエステを独り占めしたいなんて、欲張りな方ですねぇ~」
 かかる対象がいなくなれば、必然的に残りのディーナオシーたち全員がるこるをターゲットとする。
「でも、構いません」
「美に対して無限に貪欲であるのがティルナノーグ・エステティクスの社是」
「欲を肯定するのがトリニティ・デザイアの社訓」
「その肉の外を美しく磨き、中を欲で満たしましょう」
 ディーナオシーたちはその姿勢こそ自分たちを作り、雇ったメガコーポに供するに相応しいとし、一斉に触手を伸ばしてるこるの肉と思考を改造にかかった。
「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『魔樹の加護』をお与え下さいませ」
 それに対しるこるも【豊乳女神の加護・搾薢】を発動。体の肉を苗床にしたかのように、大量の乳白色の蔓が生え出て来た。
 ディーナオシーの向こうを張るかのような様相だが、全ての触手を相手に伸ばす彼女たちと違い、蔓はるこるの体に巻き付いてその体を覆っていく。
「縛られるのがお好きですかぁ~? ハムのご依頼は別部門だと思われますよぉ~」
 紐の食い込んだ肉をそう表現し、さらにそこに自分の触手を巻き付けていくディーナオシー。
 そして蔓の隙間から肉を膨らませようと触手をのたうたせるが、その触手は肉に押し当てられた瞬間突然萎びて落ちた。
「あらあらぁ?」
 生体触手は枯れ、機械触手は壊れる。るこるの体に巻き付く蔓は触れたものを吸収する性質を持つ、化学物質やナノマシンを送り込むディーナオシーの触手とはある種逆の性質を持つものであった。
「なるほど、最高品質の施術をお望みですかぁ? それでは……そのお肉、中までイジらせてもらいますねぇ~」
 再度触手を生やし、それを電脳をフル稼働させ精密に動かす。それはほんの数ミリ程度の蔓の隙間を的確に抜け、蔓に触れることなくるこるの肉を侵さんと蠢いた。
「こちらも、伸ばさせてもらいますのでぇ」
 それに対し、るこるの体を巻く蔓が突如伸びた。それはディーナオシーたちを捕らえ、そこからその存在を吸収しだす。
 ディーナオシーの触手は精密さこそメガコーポの技術の粋が詰まっているが、耐久力にかけるのは先の交戦で分かったこと。それ故巨肉を取り巻けるほどに蔓のほとんどを防御に回した状態でも、彼女たちを触手諸共破壊できる程度の攻撃力を残りの蔓に持たせることができた。
 ディーナオシーの触手が肉に触れようと動く間に、るこるの|蔓《触手》がディーナオシーを文字通りに食らう。
「あららららぁ……これは私達の手には負えません……VIPコース、ご案内ですねぇ~……」
 エステマシーンとしての電脳が『対処不可』という結論を弾きだしながら、ディーナオシーたちは次々と消滅していった。
 そしてバーチャルスペース内でその存在はるこるの|肉体《アバター》へと吸収され、現実の体にも影響を受ける形で肉に変えられる。
「エステサロンですし、念の為体重計で量ってみますかねぇ?」
 ディーナオシーを吸収して膨れた肉を、丁度そこにあった体重計に乗せてみるるこる。
「まあ、まだこんなものですかねぇ……」
 表示されているのがその感想が相応しい数字なのか。それは肉に埋もれてるこる以外からは見えない状態なのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『十字皇の使い』

POW   :    全き光
自身と装備を【十字光】で覆い、攻撃・防御をX倍、命中・回避・移動をX分の1にする。
SPD   :    我らが望むは闇無き世界也
状態異常や行動制限を受けると自動的に【心の闇を消し去る十字光】が発動し、その効果を反射する。
WIZ   :    我らは嘗て在りし者の残滓、故に
戦場内を【心の闇を消し去る光あふれる】世界に交換する。この世界は「【猟兵のあらゆる行動を禁止】の法則」を持ち、違反者は行動成功率が低下する。

イラスト:えんご

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠白石・明日香です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ティルナノーグ・エステティクス製エステマシーン『TOR-MM8『ディーナオシーMk8』』たちは、猟兵への施術を完遂することなくバーチャルスペースより|削除《デリート》された。
 それと同時に宮殿の如き白亜のエステサロンが突如様相を変え、全く別の建物へと姿を変えた。
 今度の場所は光溢れる黄金の神殿。輝かぬ場所など一切ないと言わんばかりの絢爛豪華なそこに、一人の女が立っていた。
「ようこそ、美の真髄へ」
 下着同然の衣装にシースルーのジャケットを羽織ったその女は、猟兵たちを不敵に見据える。
「あなた達はさらなる美の階梯を上ることを許された選ばれし賓客」
 女の白肌はそれそのものが輝いているように見えるほどに美しく、僅かに纏った黒い衣装がそれをより引き立てている。そして『選ばれし』という言葉の通り周囲にいたはずの一般客たちの姿はいつの間にか消えており、この場にいるのは目の前の女と猟兵だけ。
「これよりその肉体をより美しく、いらぬ思考を純白に洗うため、あなた方一人一人に合わせたVIPコースでの施術を行わせていただく。最後の思考の欠片を吐き出させるため……」
 そう言って女は一度言葉を切り。
「君の好きなスタイルでお相手しちゃうよ?」
 突如、安いアイドルのような声色に変わった。
「あたしにとろっとろに溶かされたいのぉ? それとも、俺に滅茶苦茶にぶっ壊されてぇか? お客様、好きなの選んでくださいねぇ~」
 さらにそこから次々口調と態度を変える女。こちらが希望を出せば本当にその通りに態度や性格を変えてくれるのだろう。それはまさにVIP向けのサービスであり、同時に『仕事』の為なら相手の好きにふるまうなど造作もないという彼女の『プロ』としての姿勢か。
「だがどうあれ行き付く先は同じ。一切の闇なき光の世界。その心、思考、光に満ちさせるためならば我の個性など無用なり」
 そして恐らくこれが本来の喋り方だろう高圧的な調子で、女は目的を告げる。
「我はオブリビオン十字皇の使い。名などない。好きに呼べ。ただ清き思考と世界が為……『施術』を開始する」
 名前すらも相手が望むよう変えてやると言い、女はその背から十字の光を湧きださせる。それはヤマラージャ・アイビーを受け、全ての思考をまっさらに破壊する破滅の光だ。
 さあ選ばれし|VIP《猟兵》よ。この影一つ認めぬ行き過ぎた美に万色の思考をもって立ち向かえ!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
そのプロ意識は称賛しますねぇ。
とは言え、放置は出来ませんが。

『FAS』により飛行、『FPS』で敵方の情報を探りまして。
【傟蕆】を発動、凡ゆる『精神への干渉』を遮断しますねぇ。
同時に『行われるはずだった精神干渉の強度』に比例して『次の行動の成功率』を強化出来ますから、極めて強力な『ヤマラージャ・アイビー』がベースである以上、得られる『強化』も相応の物になりますぅ。
『命中』か[部位破壊]の『成功率』を強化した『FRS』の[砲撃]で叩きましょう。

尤も、防げるのは『精神干渉』だけ、『施術』に『肉体の調整』が有れば防げない訳ですが。
巨肉を胸に集中させるか、更なる増量かは、何とも?



 VIPコースへと招待された猟兵を相手取るのは、オブリビオン『十字皇の使い』。彼女の目的はここへ招かれた者の思考をまっさらに破壊することであり、そのためなら相手に合わせて態度を変えることも厭わなかった。
「そのプロ意識は称賛しますねぇ。とは言え、放置は出来ませんが」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は職務最優先のその姿勢は悪いものではないとしつつも、その職務自体を妨害しに来たと十字皇の使いに向き合う。
「称賛も不要。全ては全き光の中に」
 相手が何も望まないならば本来の口調で相手するとばかりに、十字皇の使いは自身を十字の光で覆った。
 そしてそのままゆっくりとるこるに近づく十字皇の使い。巨大な肉を浮かせながら相手の情報を探ると、相手は攻撃と防御を大きく上げているがスピード関係は相当に下げている、という情報が見て取れた。るこるの膨れ上がった体から早く動くのは困難と見て、移動速度を減少させているのだろう。
「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『叛鏡の加護』をお与え下さいませ」
 その接近の間に、るこるは【豊乳女神の加護・傟蕆】を発動した。
 しかし、それは目に見える効果は何も現れない。その前で、接敵した十字皇の使いはゆっくりと手を持ち上げた。
 その動作の遅さは常人でも躱せそうな程に遅い。しかし、るこるの巨肉はそれを躱すことなく受け入れた。
 強烈な掌底がるこるの巨大な乳肉を揺らす。そしてそれと同時に、その手に纏われたヤマラージャ・アイビー入りの光がるこるの体へと流れ込んだ。
 その光は|肉体《アバター》からそのまま精神へ届き、その思考を完全に破壊しようとする。そしてさらに施術を重ねるかの如く、十字皇の使いは大振りの連撃をるこるの肉へと見舞った。
「その思考、完全なる球の如き新なる状態へ還るといい。肉体もまた」
 その攻撃はスピードを捨て、威力に振り切ったような強力なもの。高い破裂音と重い衝撃がるこるの肉……とりわけ乳房で炸裂し、そしてそこに纏われる光が注がれるたび、るこるの精神にヤマラージャ・アイビーも侵食していく。やがて遅い連撃を完遂し、十字皇の使いはその手を下げた。
「……これで、現実も同様に」
 施術は成った、とばかりに呟く十字皇の使い。だがその体を、強烈な衝撃が突き抜けた。
 目の前のるこるの肉は自ら動いていない。だが、攻撃する『FRS』は別のものによって動かされていた。
 それは脳波。即ち『思考』。
「極めて強力な『ヤマラージャ・アイビー』がベースである以上、得られる『強化』も相応の物になりますぅ」
 精神干渉を遮断し、その時間と強さを次の成功率に変える。そのユーベルコードを乗せた一撃は、十字皇の使いの腕を的確に貫いていた。
 成功に導けるのは次の一度。しかし、るこるが攻撃を避けられないと思っていた十字皇の使いは移動も回避も下げて攻撃を上げていた。そこを的確に撃ち抜かれ、攻撃と同時に上げていた防御の上からも腕を破壊された十字皇の使い。
「大人しく|メンタルケア《思考破壊》されておけばよかったものを……思考と肉体のバランスが乱れ切っていて清らかなれるものか……」
 たった一撃でエステティシャンの命でもある腕を破壊され、それを光で包み蹲って言う。一見すれば負け惜しみだが、その言はある意味では当たり。そしてその言葉に対してはるこるも肯定せざるを得ない。
「防げるのは『精神干渉』だけ、『施術』に『肉体の調整』が有れば防げない訳ですが……」
 十字皇の使いの掌底は攻撃であると同時に相手の肉体を破壊された思考、そしてその後の利用に合うよう調整する施術でもある。高めた|攻撃力《エステ技術》を一切軽減なくぶつけられたるこるの体は、両乳が巨大な真球となるまで肥大調整されていた。最初に食べてついた肉を綺麗に配分されたその肉球は、まさに十字皇の使いの美のセンスと技術が集約された美しき完璧なる球体。
 あるいは思考は守りつつもこの肉体に整えられたのは望外の結果であったかもしれないとも思いつつ、るこるはサイバースペースにその美しき肉玉を揺らすのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

サエ・キルフィバオム
アドリブ歓迎!

ほんと、エステだけだったらいいのに、どうしてこうなるかな
色んな思考があるからこそ人生は楽しくなるんだよ!

あらゆる行動を禁止、ね
今のあたしの体じゃ自分から素早く動くなんてのは無理だけど、それはそうとして禁止されちゃうのは困っちゃうかなー
と、言う訳で、【インビジブル・タトゥー】でこの光を体に刻んで、制御することを考えるかな

後は完全に動けなくなったフリをして相手を待ち構えよう
エステの続きをしてくれるって言うなら、ちゃんとこっちに近寄ってきてくれるよね?
施術が進んで油断したら、さっきのディーナオシーと一緒で押しつぶしちゃうんだから
この豊満な体を与えてきたのはそっちなんだし、因果応報だよ♪



 遊園地で楽しく体を疲れさせ、エステサロンで快楽漬けにし、特に上等な客はVIPコースへご招待。それがこのバーチャルスペースの流れであった。
「ほんと、エステだけだったらいいのに、どうしてこうなるかな」
 一応嘘はないその展開に、サエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)はそう嘆く。
「全てに一切の狂いはない。ただ光に晒すのみ」
 しかし、その『余計なもの』こそがメガコーポにとっての本意。|選ばれたVIP《特に抵抗をしてくる者》への施術を行うべく、十字皇の使いは傷ついた体を光の力で補強しサエに向かう。
 サエの体もまたディーナオシーのエステによって超豊満な体に変えられている。その肉体を封じるべく、十字皇の使いは全身から眩い光を放った。
「この世界に置いて意志ある行動は既に醜。一切を考えず行わず、ただ美しく在れば良い」
 十字皇の使いの放つ光が黄金の神殿に反射し、辺りを目を焼くほどの光で覆い尽くした。それと同時にサイバースペース全体のプログラムが書き換えられ、その中にいる全てのものに新たなルールを課す。
「猟兵と名乗る者、その一切の行動を禁じた。ただそこに寝て、施術を受けるがいい」
 この光に満ちた世界で猟兵の行動は一切禁止される。
 全く動けなくなったサエの体へと、十字皇の使いは『施術』を開始した。
 その施術テクニックはディーナオシー以上のもの。巨大な肉が連結した状態になったサエの胸と尻を、それぞれ違うテクでもみほぐして快感を与えていく。もちろんその手にはヤマラージャ・アイビーを纏う光がこめられ、サエの思考を侵し、破壊しようとしている。
 その術は膨らんだサエの肉体を整え、また活性化。より巨大でありながらも部位ごとのバランスが整った肉体へと変化させた。
「既に行動は禁じた。後はその内側、考えることをやめればいい」
 施術による快感とヤマラージャ・アイビーによる思考の破壊。それを受けるサエが、溶けるような声で漏らした。
「あらゆる行動を禁止、ね。今のあたしの体じゃ自分から素早く動くなんてのは無理だけど、それはそうとして禁止されちゃうのは困っちゃうかなー」
 だらけた口調。しかし、それは十字皇の使いの施術の手を止めさせた。
「何……?」
 この光満ちた世界で、猟兵のあらゆる自発的な行動は封じられている。それは戦闘行為に限らず、ただ動き、喋ることすら自らの意思ではできないはず。
「刻み刻まれ……って感じかな!」
 サエは【インビジブル・タトゥー】で相手の光を己の体に刻み込み、その効果を制御したのだ。それにより周囲に溢れる光と施術され続けるヤマラージャ・アイビーの中であっても、完全な自由だけは奪われずにいられた。
 そしてその状態で、施術の為に十字皇の使いが近づいてくるまで待ち続けていたのだ。
「だが、無駄な抵抗。この状態で何ができると……」
「そうだね、ちょっと動くだけ……かな」
 言葉通り、言葉も体もほんの少ししか動くことはできない。だが自身の肉を掴んでいる手から体をずらすと、そこから外れた肉が十字皇の使いの手を飲み込み捻った。
「ぐっ!?」
 思わず手を引こうとする十字皇の使い。だが、その方向へサエがさらに少し体をずらす。
「この豊満な体を与えてきたのはそっちなんだし、因果応報だよ♪」
 その巨体はサイバースペースにも忠実に再現されている重力に引かれ、そのままの勢いで十字皇の使いに向けて落下した。たとえ自分で動ける範囲は小さかろうと、意志とは関係ないものに体を動かされればその勢いと重量はそのまま武器になる。
「ぐあぁっ!」
 柔らかい肉に巻き込まれた十字皇の使いの体が、何かが折れるような音を立てて押し潰される。そのままサエは豊満化した体で、十字皇の使いの上に横たわった。
 この肉体を作ったのも相手だし、その相手の術がある限り動こうにも動けないのだ。そのままサエは動く必要もないままに、たっぷりと敵に因果を与え続けるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロバート・ブレイズ
精神汚染+欲望開放+堕落で『光』を冒してみる
我らは嘗て在りし者を嗤う、故に、とでも返答すべきか?
反吐が出る――全く、お互いに冒涜的な沙汰ではないか
嗚呼、成程、貴様のような存在も世界は肯定するのかもしれん。されど、俺は貴様のような存在にこそ忌々しさを覚えるのだ。貴様……全き光と宣うのか。貴様は結局、絆を結べはしないのだ
宜しい。俺は貴様を、俺の天敵として認めてくれる。認めたのだから、俺は『才能』を揮う以外に術を見出せん。では、此処からは『神』にでも委ねて終おう。ところで貴様、貴様の『それ』は猟兵を指定していた筈よ
恐怖を与えるで怯んだところに立ち去れを叩きつけてやろう

貴様は俺の逆鱗に触れたのだ、光よ



 このサイバースペースは客を選別しない。多くはこのサイバー世界にありふれた娯楽中毒者たちだが、時に似つかわしくない者も来る。
 仕立ての良い服を綺麗に着こんだ渋好みの壮年男ロバート・ブレイズ(冒涜王・f00135)は、この堕落と快楽の世界においてはまさに異物と呼ぶにふさわしい外見であった。
 最もここにきている時点でどう取り繕おうが快楽遊園に飛び込んできた者。その欲を光で塗りつぶし一切を清らかにしてくれんと、十字皇の使いは世界を光へと塗り替える。
「我らは嘗て在りし者の残滓、故に」
 ロバートも己に何も求めなかった。だから己の儘にユーベルコードを発動するが、ロバートはそれに対しては言を返した。
「我らは嘗て在りし者を嗤う、故に、とでも返答すべきか?」
 相手がオブリビオンであるが故にメガコーポに与し、|世界を光で塗り替える《思考破壊》ことを目的とするのなら。己は|オブリビオンを嗤う者《猟兵》であるが故にそれに抗しに来た。
 ロバートは相手が世界に光を満たすのに食い込ませるように、己の精神と欲望を堕落の種として光の中に捲いた。
 しかし、それは世界を覆い書き換える光の中においてはあまりに小さい。ロバートの行動は早々にその全てを禁じられ、汚染の噴出はすぐに止まった。
「ご老体にしては腰も背中も真っ直ぐだ。捻くれているのは頭の中だけか」
 動かぬロバートに十字皇の使いは告げる。それに対しロバートは答えない。答えられない。
「反吐が出る――全く、お互いに冒涜的な沙汰ではないか」
 ただ唯一残された思考の中でのみ返事をする。
「嗚呼、成程、貴様のような存在も世界は肯定するのかもしれん。されど、俺は貴様のような存在にこそ忌々しさを覚えるのだ。貴様……全き光と宣うのか。貴様は結局、絆を結べはしないのだ」
 己の浸食を食い尽くし、世界諸共光に包み込んだ。何と忌々しい事か。この状況、己に出来るは心の中で負け惜しみを言うことのみ。
 だから、存分にそれを振りまいてくれよう。
「宜しい。俺は貴様を、俺の天敵として認めてくれる。認めたのだから、俺は『才能』を揮う以外に術を見出せん。では、此処からは『神』にでも委ねて終おう」
 欲しがっても得られない、要らなくても捨てられない、【それはまるでチートのような、とんでもない才能】。何を選ぶか、何が起こるか。猟兵『如き』の介入する余地はない。それはただ|神《第4の壁》に委ねるのみ。
 果たしてその向こうから降りてきたものは。
「……何を……何が……!?」
 突如、十字皇の使いが仰け反った。しかしその前には、変わらず微動だにしないロバートがいるのみ。十字皇の使いは、まるでそのロバートが恐ろしいかの如く動かない。
「ところで貴様、貴様の『それ』は猟兵を指定していた筈よ」
 その前で、悠然とロバートが動いた。その身が再び浸食を始めたかのように、世界に溢れる光が消えていく。
 ロバートが委ねた神が選んだのは【ブロッケンの魔物】。幻覚を見て恐怖した者のユーベルコードを封じるもの。十字皇の使いが一体何を見て恐怖したのかは、それこそ神のみぞ知る。
 技を破られ、封じられ、全てを他に委ねる。それがいかに屈辱的かはほんの数瞬前にロバート自身が嫌というほど味わった。
 慄く十字皇の使いへと、ロバートは『立ち去れ』を叩きつける。その意思を。その名を持つ鉄塊剣を。
「貴様は俺の逆鱗に触れたのだ、光よ」
 神なる存在に縋るまで己を追い込んだ天敵への呪詛であり称賛。無防備に一撃を受け崩れる十字皇の使いを見下ろし、紳士はただ光なかれと思うのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

この|膨れ上がった身体《じょうたい》でなかったら、もうちょっとシリアスになれたんだけどねぇ…♪
というか、クローネちゃんから|心の闇《ダークネス》消えちゃったらめっちゃ弱体化しちゃうからやめて欲しいな★

先程受けた施術で、元々大きかった胸と尻がとてつもない大きさになっているよ♪
敵のキャラは「セクシー系お姉さん」希望で♪
敵の名前の方は未定でいいかな♪
…どうせ、すぐに消える相手なんだからさ★

UCは『ワタシの悪魔兵騎乗』
四足歩行型デモノイドを召喚して騎乗するよ♪
今の膨れた身体だと普段の動きはできないからね♪
人魔一体状態になって移動力を確保するよ♪
攻撃は【強酸】属性の【弾幕】や【レーザー射撃】、【ダッシュ】からの体当たりで行うね♪
敵の攻撃は【第六感/見切り/身かわし】で避けるよ♪



 VIPコースへの招待条件は、ディーナオシーたちの手には負えないこと。彼女たちの施術をもってしても思考破壊に至らなかった強靭な、あるいは優秀な素体をさらなる施術によって完全に精神を破壊し、メガコーポが利用するための素材に変えるのが十字皇の使いの役目でありVIPコースの目的だ。
「この|膨れ上がった身体《じょうたい》でなかったら、もうちょっとシリアスになれたんだけどねぇ……♪」
 つまりは強力なボスでありヤマラージャ・アイビーの防衛者との戦いであるのだが、その前にディーナオシーの『エステ』を抜けていることもあり、クローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)のように肉体を変貌させている者がほとんどであった。
「というか、クローネちゃんから|心の闇《ダークネス》消えちゃったらめっちゃ弱体化しちゃうからやめて欲しいな★」
 先の施術により元々大きかった乳尻を大きく膨らませられ、黒く巨大な四連肉玉となったクローネもその体のまま十字皇の使いに向かい合う。
 そしてこのまま戦ってもいいのだが、相手がこちらの希望を聞いてくれるというのなら一つ。
「キャラは「セクシー系お姉さん」希望で♪」
 望むのなら『施術』中は好きなように振舞ってくれるという十字皇の使いに、希望するキャラクターを告げる。
「名前の方は未定でいいかな♪……どうせ、すぐに消える相手なんだからさ★」
 そしてもう一つの希望は不要、覚える必要もないとも。
「あら、すっごい自信じゃなぁい? それじゃ……気持ちよくなってね❤」
 クローネの希望通り、しなを作り色気を滲ませた口調で迫る十字皇の使い。だが、それも相手の心に滑り込みやすくするための彼女の手段。その彼女が纏う光はパワーとスピードをトレードオフにするもの。それによって強化された力で、十字皇の使いはクローネを『施術』にかかる。
 クローネの巨体は見るからに動き辛そうではあるが、あまりに極端な振り分けをしてしまうと対応力がなくなるというのは別の戦いで学んだ。それ故に十字皇の使いは最低限のスピードを残しつつ打撃を強化した、双方を両立できるような動きでクローネの肉を打つ。
「おっ♪これは確かに、凄いテクだね♪」
 衝撃が肉を伝い、膨れた体全てを振動させる。それはブラックタールの特性を理解した打ち込みであり、ただ殴っているだけでなくこれが思考破壊のための施術であることを感じさせた。
 そしてその攻撃と共にヤマラージャ・アイビーが光に沿って流し込まれる。それはクローネの体の振動に合わせて全身に広がっていき、体全部から心を侵しにかかってくる。
「どう? 気持ちいでしょぉ?」
 心身に広がる、全てがどうでもよくなるほどの快感。エステによって巨大な体全体が敏感になっておりその効果は覿面だ。肉体肥大系の|改造《エステ》を施されたのは、快感とヤマラージャ・アイビーが行き渡る体積を増やすという目的もあったのだろう。
 だが、その感覚にいつまでも浸っているわけには行かない。
「陸を走るなら、この子に乗るのもいいかもね」
 クローネは【ワタシの悪魔兵騎乗】を発動、人魔一体状態となって機動力を確保した。
「あら? 逃げちゃうの?」
 突如自分から離れたクローネに十字皇の使いはそう言うが、クローネは止まる様子がない。十字皇の使いもそれを追うが、最低限確保していたとはいえ機動力を落とした状態、人魔状態のクローネには追い付けない。
「それじゃ、お返しだよ」
 四足の|悪魔兵《デモノイド》が液体をぶちまける。それはエステオイル……などではもちろんなく、強酸の弾幕。それがかかった肌を爛れさせ、十字皇の使いは思わず顔をしかめる。
「ひどいわぁ、あたしのお肌に……それならたっぷり、サービスし帰しちゃう」
 十字皇の使いのスピードが瞬間的に激増、人魔にすら追いつくスピードでクローネに肉薄した。強化法を切り替えパワーを削り、スピードに振ったのだろう。
 その状態で、クローネの巨肉を一閃しようとする十字皇の使い。クローネもレーザーを撃って迎撃するが、十字皇の使いはそれを避けてクローネに迫る。
「……ここ」
 その巨大な胸の間、そこに十字皇の使いが一撃を入れんとする。その瞬間、クローネの巨体が横に逸れた。
「ざーんねん、こっちはそう言うわけじゃないんだよ★」
 瞬時の見切りで十字皇の使いを躱したクローネが、そのまま反転し十字皇の使いへぶち当たる。『エステ』によってたっぷり膨れ上がった体の重量が、人魔形態の速さとオーバーロードのパワー両方を乗せて十字皇の使いへと直撃した。
「いやぁぁぁぁぁぁん❤」
 嬌声にも似た叫びをあげて十字皇の使いが吹き飛ぶ。
 最後まで相手の望んだキャラを保つというのは、つまり最後の瞬間まで戦いを諦めていないということ。いくらでも張り替える皮の下にある一貫した意志に油断せず、クローネは悪魔兵に乗った黒き巨大球を相手に向けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
結構大変な状態になりましたが。
[追撃]と参りましょう。

飛行と探査は継続、『FLS』で『FXS』を召喚し精神干渉遮断の結界を形成しまして。
続く攻撃に合わせて【掙綂】を発動、『攻撃の対象』を彼女自身に変更しますねぇ。
各強化&弱体化の値の程度に関係なく『自身』を攻撃するなら倍率は同じ、そのまま『思考破壊』と『施術』の影響を彼女自身が受けることになりますぅ。
必要なら『シルフィウムの髪留め』による増幅も用いて強化、後は『FRS』『FSS』の[砲撃]を重ねて叩きますねぇ。

ただ、施術の結果、肉が『乳』に集中しておりますからねぇ。
体質的に、或る程度の割合で『増量』が残ってしまいそうな?



 十字皇の使いのオブリビオンとしての実力は高い。これまで何人もの猟兵を相手取って、なお絶えぬ力がそれを証明しているだろう。
「結構大変な状態になりましたが。[追撃]と参りましょう」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)も先に一度彼女と戦いはしたが、未だに相手が健在であるのを見てさらなる戦いを挑んだ。
「まだ『施術』されたりないとは……何という貪欲なゲスト。ではその心が|満足《思考破壊》されるまで施術するまで」
 十字皇の使いは先と同じように全身を光に包み構える。それに対しるこるも先と同じように浮遊して相手の情報を集めつつ、さらに装備を加えてよし重厚に精神防壁を張り巡らせた。
 十字皇の使いが軽く跳躍し、光を纏った掌をるこるに叩きつける。それは丸く膨れたるこるの肉を揺らし、そこにヤマラージャ・アイビーを流し込みながら整形をしていく。
 やはり彼女の戦闘力は相当。既に重ねて『エステ』を受けている体でまともにやりあうのは分が悪い。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その必然の指揮棒をここに」
 るこるは【豊乳女神の加護・掙綂】を発動、その攻撃を跳ね返しにかかった。
 全ての攻撃を確定で無効化し、相手のユーベルコードまで封印する。発動すればそれだけで勝ちが確定するような反則級の技で、十字皇の使いを即殺にかかる。
「ぐっ……!?」
 その狙い通り、十字皇の使いの胸が張られたように揺れる。さらには元々半分見えていた胸が膨れ上がり、ジャケットから大きくはみ出した。
 さらに同時に、ヤマラージャ・アイビーの思考破壊も反射されて十字皇の使いへと跳ね返る。
「うぐ、ぐ……」
 頭を押さえ蹲る十字皇の使い。さらにるこるはそこに『シルフィウムの髪留め』を用いた増幅効果と砲撃型の兵装で、そのまま完全封殺を図る。
 その攻撃を受けながら、なおも十字皇の使いはるこるの胸にしがみついた。
「ヤマラージャ・アイビーは手段に過ぎない……この私の技術のみで、その思考を破壊しよう」
 そういって十字皇の使いは、るこるの胸を激しくこね回し始めた。それは既に巨大すぎるほどに巨大なるこるの胸に快感を行き渡らせ、結果意思連動の兵装による攻撃も揺らぐ。
 相手の攻撃は完全に無効化できているはず。然らばこれは何か。
「エステを嫌がる女性は、まあ多くないだろう」
 苦し気に十字皇の使いが言う。十字皇の使いは攻撃ではない、己の『エステ技術』のみでるこるの体をほぐしにかかったのだ。
 エステという攻撃ではない『サービス』であることで相手の効果をすり抜ける。そして現実にすら効果を及ぼすエステと快感で脳を焼き切りにかかるという、『エステティシャン』としての勝負を彼女は挑んだのだ。
 攻撃はかかるし、ヤマラージャ・アイビーは自分に反射される。しかし、元より彼女も目的から逸れるような余計な意思は持っていない。
「施術の結果、肉が『乳』に集中しておりますからねぇ……体質的に、或る程度の割合で『増量』が残ってしまいそうな?」
「その肉体……社の者が回収して有効利用させて貰う……」
 たわみ、伸ばされ、そして膨らむ肉全てに満ちる快感に蕩けながら、るこるは兵装を差し向ける。そして十字皇の使いも、自らを省みず渾身の施術を続ける。
 その誠心誠意の『サービス』とそれによるるこるの肉体変化は、反射と攻撃で十字皇の使いが肉を掴めず落ちるまで続くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒風・白雨
闇なき光だけの世界とは、またつまらぬものを掲げたものじゃな
甘味だけ、苦味だけの料理など素人すら作ったりはせぬ
それらを組み合わせ、如何仕上げるかかが腕の見せ所であろう

いや、おぬしがやっているのは、極上の料理を脱臭剤に漬け込むようなものか
随分とつまらぬ仕事に誇りを見出したものじゃ

まずは伸ばした煙管で打ち据えるとしよう
なるほど、攻撃は耐え、反撃の一撃が当たればよいというのがおぬしの流儀か

ならば、少しは本気を出すとしよう
仙術の縮地で一気に距離を詰める
|神威《UC》を宿らせた手でその身を砕き、貫こう

闇なき光のみの心と身体
一体どのような味がするのか教えてもらおうか
竜神躰の本性を顕現し、喰らいつこう



 十字皇の使いは闇なき光だけの世界が望み。それ故に思考破壊を用いるメガコーポに与し、その手駒となる意思なき廃人を量産せんとしていた。
「闇なき光だけの世界とは、またつまらぬものを掲げたものじゃな。甘味だけ、苦味だけの料理など素人すら作ったりはせぬ。それらを組み合わせ、如何仕上げるかかが腕の見せ所であろう」
 その世界を黒風・白雨(竜神・f31313)はそう評する。
「いや、おぬしがやっているのは、極上の料理を脱臭剤に漬け込むようなものか。随分とつまらぬ仕事に誇りを見出したものじゃ」
「つまらないという思考そのものが闇。それこそ全き光の世界には不要」
 その評価そのものが消すべきものと、十字皇の使いは白雨の言葉を切って捨てる。
 では小手調べだとばかりに白雨は煙管を伸ばし、十字皇の使いを打ち据える。十字皇の使いはそれを払うことすらなく、白雨に接近して拳を突き出した。
「なるほど、攻撃は耐え、反撃の一撃が当たればよいというのがおぬしの流儀か」
 十字皇の使いの攻撃は全てにヤマラージャ・アイビーが込められており、当たるほどに相手の思考を破壊していく。
 一度当たれば有利をとれる技。これこそが今サイバーザナドゥに暗躍する思考破壊|プログラム《呪詛》の真髄。
「ならば、少しは本気を出すとしよう」
 それならばと白雨は自らの身を仙術をもって高速で動かし、瞬時に十字皇の使いの懐へと潜り込む。
「小賢しい技じゃな」
 そしてそのまま、【暴威】をもって十字皇の使いへと食らいついた。その身を人型から竜型へ変え、その鋭い爪で十字皇の使いの胸を穿つ。
 十字皇の使いの体から血が溢れ、その場所から彼女の纏う光さえ引き裂かれ砕かれた。
「闇なき光のみの心と身体。一体どのような味がするのか教えてもらおうか」
 彼女の放つ光諸共その身を喰らわんと、さらに竜の顎が十字皇の使いの白肌に食い込む。
 見ればわかるほどの大きな負傷。しかし、十字皇の使いはそこから動かなかった。
「行儀のいいゲスト……自ら『施術』されに来るとは」
 その状態で、自らの負傷さえ顧みず十字皇の使いは白雨の龍の肌を撫でた。
「随分と荒れた肌……凹凸など無き玉の肌へと変えよう」
 撫でるごとに肌が均され、艶やかになり光沢さえ帯びる。そしてそれと共に流し込まれるのは、思考破壊プログラムヤマラージャ・アイビーだ。
 ヤマラージャ・アイビーは十字皇の使いのUCではなく、外付けのもの。例え己の光を壊されようと、地の技術であるエステ技法と共に相手に流し込める本来の『技』。
 彼女の間合いである至近距離に自ら飛び込んだこともあり、白雨はその施術をまともに受けることになる。
 そして流し込まれるヤマラージャ・アイビーが、白雨の思考を真っさらに消さんとする。
「ほほう……これが貴様の『味』……やはり、つまらぬ……!」
 至近で味わう相手の『味』に、白雨は顎をより強くかみしめる。
 思考が消され切る前に。その意思を込めて顎を引き、白雨は十字皇の使いの体を引きちぎった。
「ぐっ……!」
 血にまみれ蹲る十字皇の使い。薄くなった意識の中、口内のその『薄味』を白雨は味わうのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
人外を爪弾く人類への憎悪は
未だ消えず、私の心を蝕む。
どんなに幸福を得ても癒えぬ傷

だから私は貴女の思想に頷ける。
貴女が……私の呪いを解いてくれる王子様なのね

【脱衣】して身を預ければ
一人称「僕」の優しい王子様口調で甘く囁かれ
キスと共に乳頭や秘所を愛撫される

んっ♥ あん♥ 王子様ぁ♥ もっとぉ♥

【化術】で竿を生やし、犬の服従ポーズ。
「はしたないお姫様だね」と彼女も服を脱ぎ
自身の胸や秘部を弄って艶やかな吐息を漏らしつつ
受け入れ準備する様を見せつけてくる。
そして「ちゃんと待てたね。ほら、御褒美だよ」と騎乗位に

「君の全てを受け止めてあげる。全部、吐き出して……♥」と囁かれ
イク瞬間【気合い・高速詠唱】からの
『挽歌・土蜘蛛魂縛陣』でUCと身動きを封じる。
今までUCを使わずに居てくれたのは【誘惑・催眠術】の魅了効果

貴女の光なら私を救えるけど
私が貴女達を救えなくなる。
だから今は|王子様《あなた》の|雌堕ち《きゅうさい》が先よ♥

竿から媚毒【呪詛】体液を【乱れ撃ち】ながら
乳をしゃぶり【慰め・生命力吸収・大食い】



 十字皇の使いの目指すところ。それは一切の邪悪なる思考のない、光に満ちた世界。そこではあらゆる憎悪や敵意、絶望や悲しみもなく、一切を思考する必要すらない全き光の世界。
「人外を爪弾く人類への憎悪は未だ消えず、私の心を蝕む。どんなに幸福を得ても癒えぬ傷」
 その世界から真っ先に排除されるであろうものをドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は挙げる。
「だから私は貴女の思想に頷ける。貴女が……私の呪いを解いてくれる王子様なのね」
 ドゥルールは服を脱いで十字皇の使いに近寄ると、十字皇の使いは優しく笑ってそれを抱き留めた。
「そうさ。君にそんな暗いものは似合わない。光に満ちた世界で何気にすることなく永遠に幸福であろう」
 望まれた通り、優しい王子のような口調で十字皇の使いはドゥルールを喜ばせる。彼女の性質が淫蕩であることは知っているのだろう、施術ではなく胸や股間などを淫行のようなやりかたで刺激し、ドゥルールを喜ばせる。
「んっ♥ あん♥ 王子様ぁ♥ もっとぉ♥」
 それに答え、ドゥルールは歓声をあげる。そしてそのまま化術で自身に聳え立つものを生やし、犬のように服従のポーズをとった。
「はしたないお姫様だね」
 自らも服を脱ぎ、十字皇の使いはドゥルールの前に立つ。だがその体に触れることはなく、見せつけるように痴態を曝し始めた。
「『待て』だよ。僕の命令、ちゃんと聞けるね?」
 まさに犬に指示を出すように言って自身が一人で乱れるような様をドゥルールに見せつける。これもまた、ドゥルールが彼女に臨んでいた『王子様』としての態度であった。
 ここまでただドゥルールを望み通り楽しませているように見える十字皇の使い。だが彼女の意思はシンプルであり強固。相手の望み通りの姿を演じ、その体を『施術』により快感に染めながらヤマラージャ・アイビーによる思考破壊を行うという目的は一貫して変わらない。
 この淫猥な行為もドゥルールがそれを望むからそうしているだけ。そして相手がそれを望むからこそ、それによる思考への介入は効果的。あるいは最初のアトラクションで彼女が『ご主人様』にいいようにされるのを望んだ、その状況を何がしかの手段で伝えられており、それを参考にしたのかもしれない。
「ちゃんと待てたね。ほら、御褒美だよ」
 そして、命令をこなした犬には褒美をやるとばかりに十字皇の使いはドゥルールに跨った。
「君の全てを受け止めてあげる。全部、吐き出して……♥」
 深い結合はヤマラージャ・アイビーがそれだけ直接、濃厚に流し込まれるということ。ここまで好きにさせてやったのだから、その対価は『意思』をもってあがなえと十字皇の使いはドゥルールに命じる。
 そして、世界が光に包まれる。それに、ドゥルールは答えた。
『巡り合う盟友、死して冥友』『永劫なる契約(くさり)と抱擁(ぬくもり)の儘に』
 結合部から無数の意図が伸び、十字皇の使いを絡めとる。【挽歌・土蜘蛛魂縛陣】の糸が十字皇の使いを戒めていた。
「な……!?」
「今までUCを使わずに居てくれたのは【誘惑・催眠術】の魅了効果」
 猟兵の一切の行動を禁止する十字皇の使いのユーベルコード。それを先に撃たれてはどんな策も意味をなさない。だからドゥルールは最初に接敵した時からオーバーロードを込めて相手への意思干渉を行い、それを撃たせないように努めていた。
 シンプルかつ強固な十字皇の使いの意思、それでも施術や思考破壊を止めることは難しい。たった一つ『ユーベルコードを使わせない』という一点にしぼったお陰で、ぎりぎりまでその選択肢を相手の意識から消すことができた。
「貴女の光なら私を救えるけど私が貴女達を救えなくなる。だから今は|王子様《あなた》の|雌堕ち《きゅうさい》が先よ♥」
 本性を露に十字皇の使いに迫るドゥルール。それに対し、十字皇の使いは意思は決して曲がらない。
「とんだじゃじゃ馬だ。姫としての作法を教えてあげる必要がある。僕の後ろで、物言わぬ人形のように慎ましくあると言い」
 たとえ相手が牙をむいて来ようと十字皇の使いのやることは一切変わらない。相手が望んだとおり心の内に滑り込み、それを壊す。
 繋がっての生命力の吸収と思考の破壊がせめぎ合う。果たして、その結末は。
「……これで満たされたか? だが、すぐにそれにも飽いて次の渇望がある。光に満ちた美なる究極へ至るより他に、真なる満足などない……」
 光となって、十字皇の使いが消えた。
「そうね、満足できない。あの子たちにも『お礼』してあげたかったしね……♥」
 その尽きぬ欲も自分を前に進める原動力なのだと、遊園地で自分を案内した二人のキャストを思い出しながらドゥルールは言う。彼女たちの正体がただのプログラムなのかダイブしてきたオブリビオンやメガコーポ関係者なのか、それは定かではあらねど、次に会うことを期待する『意思』をもって。

 十字皇の使いが消えて間もなく、管理者がいなくなったことでサイバースペースも崩壊を開始した。黄金の神殿、白亜の宮殿、非常識な遊園地、その全てがデータの残骸となって消えていく。
 そして一瞬のホワイトアウトの後、猟兵たちを含めたゲストたちは、電子機器に繋がれた寝台の上で目を覚ます。体を起こし奥へと進めば、そこには『ティルナノーグ・エステティクス』のロゴが入ったコンピューターが。
 猟兵たちはそのコンピューターを、丸ごと引っこ抜いて持ち出した。ヤマラージャ・アイビーの入ったこのコンピュータ、中身を消しても壊しても安心できないこれは、最早これ自体が一つの劇物と言ってもいいようなものだ。
 いつか、ここから来る|大祓骸魂《ヤマラージャ・アイビー》さえも消し去る日を迎えるため。その意思を持ち続け、猟兵は今日も戦うのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年06月20日


挿絵イラスト