ケルベロス・ウォー⑥〜ハピネス・ドーナツランド
●ケルベロス・ウォー
デウスエクス統括者『十二剣神』の六柱が総力戦を仕掛けてきてから、半月と数日。
六柱のうち三柱が姿を見せたが、地球に住む人々と猟兵達の戦意は全く衰えていない。日々敵勢力への支援を削ぎながら各|決戦配備《ポジション》の建設に励み、鬼神種族・オウガ達による『お食事処』という支援も登場した。そこでは彼らが腕によりをかけて作った料理が振る舞われているのだが、その料理というのが――。
「ドーナツだ。しかも、サイズ種類どちらも信じられないバリエーションだ。あれはもうドーナツの国だな……引っ越せるなら引っ越したいぞ、俺は」
ネライダ・サマーズ(アイギス・f17011)はソワソワしていた。
自分の手と同じくらいあるビッグドーナツを見たらしい。
「チョコレートがかかっていて、カラースプレーもどっさりなやつだった」
ちなみに、直径4cmほどの可愛らしいミニサイズもあるらしい。
しかも鍛錬を愛し鍛錬に長けたオウガ達が作ったドーナツである為、そこで味わえるドーナツは全て、戦う為の身体作りに最適かつ栄養満点。
そんな心も体も大満足、奇跡のようなドーナツが『デウスエクスと戦う意志ある全ての者に!』と分け隔てなく、そして大量に振る舞われている。
「清々しくなる気前のよさだな。それを『NO』とは言えないし、言わないだろう?」
――と、いうワケで。
●お食事処けるべろす
「やはり王道のシンプルドーナツは外せまい。このシンプルなドーナツは全てのドーナツの源、ドーナツの母――むむっ、閃いた! 粉砂糖をふぁさーしたタイプも作っておこう!」
「味見させてもらったが、見事な出来栄えと閃きであった。しかも、しっとりタイプと外側が気持ちサクッとタイプまであるとは」
「まあズル――いえ、羨ましい。後でわたくしにも味見させて?」
「ではそちらの、チョコ耳アニマルドーナツとの交換で如何か?」
「しましょ、しましょ」
「見て見て~! 紅茶ドーナツ出来た~~! ほうじ茶ドーナツも作ってみたの!」
「おおー!」
エプロン。黄金の角が突き破る三角巾。
お料理スタイルでワイワイキャッキャしているオウガ達の手で、様々なドーナツが作られ、什器に並べられていく。
🍩ドーナツ
シンプルかつ王道。しっとりとサクッの2種類で、どちらにも粉糖をかけたバージョンあり。
生地はプレーンとココアの2種類。
🍩チョコがけドーナツ
ビター、ミルク、バニラホワイト、ストロベリー、抹茶、オレンジ、メロン、コーヒーミルクの8種類。更にカラースプレーをたっぷりかけたタイプもある。
🍩アニマルドーナツ
チョコ耳を差し込み、チョコペンで可愛い顔を描いたリングドーナツなアニマル達。
犬、猫、クマ、ウサギ、ネズミ、狐など。
🍩ティー・ドーナツ
紅茶の茶葉を練り込んだドーナツ。外はサクッと、香りはしっかりと。
ほうじ茶もあり。
🍩フレンチ・クルーラー
しっとりもちもち生地で各種クリームをサンド。
ホイップ、チョコ、ストロベリー、ピスタチオ、抹茶、バナナ。
🍩ドーナツ・サンド
ベーグルサンドのように色々挟んだしたドーナツ。
肉系ならベーコン、サーモン、ハムの3種類。スライスゆで卵、スクランブルエッグ、ツナマヨ、海老をメインにしたものも。
一緒に挟んでいる野菜はレタスと玉葱で、頼めばトマトをメインにした野菜オンリーも作ってくれる。ホイップクリームと各種フルーツをサンドした、デザート系もあり。
🍩他にも色々……?
東間
ドーナツパーティーの時間だー!
|東間《あずま》です。
●受付期間
タグやX(https://x.com/azu_ma_tw)でお知らせ。
オーバーロードは受付前送信OKです。
導入場面はありません。
●プレイングボーナス
→ オウガお手製の「身体作りの為の食事(※大量にある)」を完食する。
好きなドーナツを好きに食べればOKです。
シンプル系、スイーツ系、水平にカットしてベーグルのように何かしら挟んでいる系など、色々あります。サイズは大きいものなら手と同サイズ、小さいものは約4cm。ドリンクも各種あります。
「こんなドーナツ(OPにないドーナツ)あったよ」も◎です。自由に楽しんで下さい。
プレイングでお声がけがあった場合、当方のグリモア猟兵もお邪魔します。
●グループ参加:3人まで
プレイング冒頭にグループ名をお願いします。
日付を跨ぎそうな場合は翌8:31以降だと失効日が延びてお得。
グループ内でオーバーロード使用が揃っていない場合、届いたプレイング総数によっては採用が難しい場合があります。
以上です。
ご参加お待ちしております。
第1章 日常
『緊急開店! お食事処けるべろす』
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POW : 大量の料理を苦もなく完食する
SPD : より消化の良い料理を選んで食べる
WIZ : 味変や別腹で料理を食べきる
イラスト:del
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
陰海月、結構食べますからねー。光ってるとお腹空くみたいなので、なおさら。
私も私で、こういうのは好きですしー。
私は紅茶のティー・ドーナツ貰いますねー。
ふふ、こういうドーナツ、お店で買って食べるのが一番美味しいんですからー。
陰海月ともたまに交換して…ふふ、もちもちなのもいいですねー。
※
大食漢な陰海月「ぷきゅ!」
ぼく、ドーナツ大好き!
フレンチ・クルーラーください!クリームは…迷うから、全種類×2!
たまにおじーちゃんのとも交換したりして…さくさくなのも美味しーなー!
大きな輪っか。小さな輪っか。
1色の輪っか。カラフルな輪っか。
「ぷきゅ!」
“ぼく、ドーナツ大好き!”。
心華やぐようなドーナツがずらりと並ぶ什器の前で、陰海月がぷきゅぷきゅ楽しそう鳴く。
あっちに行ったり、こっちに戻ったり。どれにしようかふわふわ漂う様を、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)はトングとトレーを手にニコニコと見守っていた。
(「陰海月、結構食べますからねー。光ってるとお腹空くみたいなので、なおさら」)
そして義透もこういうものが好きだった。陰海月のドーナツ選びに付き合う笑みには楽しさが浮かんでいて、陰海月が触手で示したドーナツを迷わずトレーへ乗せていくたびに、陰海月が嬉しそうに体を揺らす。
「ぷきゅ!」
「はい、フレンチ・クルーラーもですね。どのクリームにしましょうかー?」
「ぷきゅ……」
クリームは――迷う。
迷うから!
「ぷきゅきゅ!」
ニュッ。立てられた触手2本に、義透は笑顔で頷いた。全種類を2つずつ、成る程。全種類を贅沢に味わえる、良い選択だ。
「ぷきゅ?」
「私ですかー? 私はこちらにしようかと」
「ぷきゅー!」
ティー・ドーナツも加わったトレーに陰海月が上下にぽよぽよ。あちらでどうぞと示されたテーブル席につき、義透が「では」と両手を合わせて、陰海月は触手をぺちりと合わせて「ぷきゅ」。頂きます、をした陰海月は王道のホイップクリームなフレンチ・クルーラーを、もにゅ、と体の中心にある口へ運び――ぴかっ。
「美味しいですかー?」
「ぷきゅ!」
「良かったですねー」
さて、ティー・ドーナツのお味は? 一口齧った義透は、鮮やかに広がった茶葉の香りに「ふむ」と感嘆の声をこぼす。ドーナツ生地も口当たりがいい。
「ふふ、こういうドーナツ、お店で買って食べるのが一番美味しいですねー。そうだ、陰海月。交換しますかー?」
「ぷきゅ!」
おじーちゃんと交換するドーナツ、どれにしよう?
ウキウキと迷う触手がチョコクリームのフレンチ・クルーラーを持ち上げて――さくさく、もちもち。美味しい幸せが広がっていく。
大成功
🔵🔵🔵
メリーナ・バクラヴァ
最初にミニサイズのドーナツを見に行きますよ!
わぁ、ちっちゃい♪ おもちゃみたいなサイズ感でかーわいいです!
(はむはむ)ふむふむ、お味はカラフル宝石箱。小さいので色々なお味が楽しめるのも良いところでーすね♪
ていうかでっかいオウガの皆さんが背中を丸めてミニドーナツ作ってる所を想像すると激しく萌えです。肩揉みます? 大丈夫??
ふふっ、指輪~♪(ドーナツ嵌めて遊び食べ)
…
……さて、前菜は済みましたね。
え? 私結構大食いですよ?? あのサイズのだけで終わりにしたりしませんて!
――あそこの一番大きなホールケーキみたいなサイズのドーナツ、持ってきてくーださいっ♪(フォークとナイフ携えてニッコーーー♪)
普通にビッグに、ミニ。ドーナツの種類だけでなくサイズも色々と聞いたメリーナ・バクラヴァ(リスタートマイロード・f41008)は、弾むような足取りでミニサイズドーナツが並べられた什器へ一直線に向かう。綺麗に並べられたミニドーナツを見た瞬間、淡い藍色に染まった瞳はきらきらと輝いた。
「わぁ、ちっちゃい♪ おもちゃみたいなサイズ感でかーわいいです!」
テーブル席に着き、ときめくミニドーナツ達の中から早速と摘んだのは、カラースプレーでおめかししたミルクチョコ掛けドーナツだ。一口頬張った瞬間、素朴な美味しさがメリーナの味覚を刺激する。
「ふむふむ」
この味は――カラフル宝石箱。ではこっちのミニドーナツは? メリーナはひょいと口に放り込み、笑顔でふむふむ。その次に頬張ったドーナツも満面の笑みで、ごちそうさま。
(「小さいので色々なお味が楽しめるのも良いところでーすね♪ ていうか……」)
ちらりと視線をやった先には、ドーナツ屋に励むオウガ達の姿がある。日々鍛錬に励む彼らは恵まれた体躯をしたタイプがほとんどだ。身長も体の厚みもしっかりとした彼らが、ここではない場所――キッチンで背中を丸めてミニドーナツを作っていたら?
「……」
メリーナは静かに呼吸した。
間違いない。
(「激しく萌えです」)
鍛錬とはまた違った筋肉の使い方をするのだろう。肩揉みます? 大丈夫?? そんな想像を挟みながら、ふと思いつく。4つのミニドーナツを、人差し指と中指、薬指と小指へすぽっ。
「ふふっ、指輪~♪」
メリーナ・バクラヴァと美味しい輪っか物語誕生の瞬間だった。
勿論全て美味しく頂いた。
――そして。
「……さて、前菜は済みましたね」
「え?」
「え?」
メリーナの言葉を偶然拾ったオウガの反応に、メリーナはきょとりと首を傾げた。
「私結構大食いですよ?? あのサイズのだけで終わりにしたりしませんて!」
「な、なんと! 素晴らしき胃袋の持ち主でしたか!」
「そういうことです。さあ――あそこの一番大きなホールケーキみたいなサイズのドーナツ、持ってきてくーださいっ♪」
武器の代わりに、フォークとナイフを。
満面笑顔で、次のドーナツも余さず頂こう。
大成功
🔵🔵🔵
杜乃院・楓
【けも】
ふおお!いーっぱいあるのだあ
トウ、こんぷりーとは無理でも沢山食べて帰るのだ
苺ソーダ
冥くんへ胃腸薬
フレクラふわしゅわもちーベリーチョコかけ最高
猫ドーナツを前に固まる
「くっ冥くん…奴にトドメを」
切ったらぎゃーって言う
「トウ、これ。ぶどうか藤かどっちだと思う?」
パステルチョコがけ爽やかぶどう味
トウと同じ動きでにっこにこ、うまうまー
面白そうなドーナツも(MS様お任せ)はしゃいで分ける
「食べこぼしとかレディに言うなである!」(ほっぺにクリーム
少し休憩
猫で冥くんの膝に
「父上も可愛い、吾輩もカワイー」
ハイハイって気怠そうな冥くんの返事ににんまり
苺ケーキドーナツぅ!(猫から戻り
お土産選ぶのも楽しいのだ
比良坂・冥
【けも】
いいね、若いって
この年になると油は辛くてさぁ、野菜で中和すんの
レタスマシベーコン卵サンドは三等分
焙じ茶ドーナツ
あ、抹茶もある?
珈琲で
「キミら大人になっても仲良しで良いことだわ」
「えー|お前らのおとーさん《猫》の飼い主の俺になんてことさせるのー」
ちゃっちゃと切り分ける
「お前らうるさいよ。ほら食べたげて、でないと成仏できないからね」
今の双子は丁度出会った頃の父親の年
徹夜麻雀の後、チェーン店でうまそうに食ってたなぁ
つるんで楽しかったねぇ
今もそうか
「食べこぼし方がおとーさんそっくりだわ。そうやって八重歯見せて食うの」
羊猫を膝にお皿を重ねる
「お土産できるならもらっといでよ。おとーさんのは半熟ね」
杜乃院・藤
【けも】
すごいよ姉さん!!ドーナツの王国だよ!
至る所にドーナツドーナツ!こんなに食べられないよー!!
とりあえず小さめのをわけっこしながら食べよう!
姉と違うものチョイス
わけっこ前提
迷わず葡萄ジュース
冥さんも結構生きてるからねー、いいことだよー
じゃあ今のうちにいっぱい食べなきゃ!
チョコがけバニラホワイトから始まり、羊アニマルドーナツ、ホイップのフレンチクルーラー、ティー
可愛いと崩すのに罪悪感を覚えたり
フレクラはもちもちもち(エンドレス)
止まらない食欲、口を開けると見える八重歯
姉と同じ動きであぐあぐ
羊になって保護者にぶら下がる
もふもふ
最後はレーズンサンドで〆!
姉さんはやっぱり苺だよね
取ってきてるよ!
「すごいよ姉さん!! ドーナツの王国だよ!」
「ふおお! いーっぱいあるのだあ」
「至る所にドーナツドーナツ! こんなに食べられないよー!!」
「トウ、こんぷりーとは無理でも沢山食べて帰るのだ」
「そうだね、とりあえず小さめのをわけっこしながら食べよう!」
わあわあ、きゃっきゃっ。
並ぶドーナツに負けないくらい心も声も、目もキラキラさせた杜乃院・楓(気紛レ猫ハ泡沫夢二遊ブ・f40934)と杜乃院・藤(狼纏ノ羊・f40933)に、2人の後ろで比良坂・冥(ブラッド・レイン・f45309)は緩やかに笑みを浮かべる。
「いいね、若いって」
え? もしかして食べない?
心底不思議そうな、目をまん丸にしてのキョトン顔に、冥は「食べるよ、食べるけどね」と緩い笑みを浮かべたまま、ベーコン卵サンドをレタス多めで注文する。
「この年になると油は辛くてさぁ、野菜で中和すんの」
「冥さんも結構生きてるからねー、いいことだよー。じゃあ今のうちにいっぱい食べなきゃ!」
「いっぱい? 食えるかなぁ」
「そんな冥くんにはハイこれ。胃腸薬」
「わぁーやさしさがしみるー」
「すいませーん、苺ソーダを頼みたいのだ!」
「おれは葡萄ジュースを!」
飲み物もしっかり頼む2人のトレーはドーナツでいっぱいだ。けれどその内容は全く被っておらず、分けっこの気配に冥は笑みながら焙じ茶ドーナツも1つ、ひょいと乗せた。
「キミら大人になっても仲良しで良いことだわ。あ、抹茶ドーナツもあるじゃん。俺は珈琲で」
食べたいドーナツでトレーをカラフルに彩って、飲み物もしっかりゲットした。わくわくとした心地はテーブルについた瞬間、ぱっと咲くよう。
楓は早速フレンチ・クルーラーを「あー」と頬張った。ふわっとして、しゅわもちな生地の美味しさと、掛かっているベリーチョコの甘酸っぱさが、最高の一口目を作り出している。最高、とうっとり閉じられた目は、ふと目についた猫ドーナツを前に固まった。
「くっ冥くん……奴にトドメを」
「えー、|お前らのおとーさん《猫》の飼い主の俺になんてことさせるのー。ま、ちゃっちゃと切り分けるけどねぇ」
「ぎゃーっ!」
「おとーさん!」
「お前らうるさいよ。ほら食べたげて、でないと成仏できないからね」
俺は中和タイムするからと冥は三等分にした卵サンドを取る。焙じ茶と抹茶のドーナツも食べたいけれど、甘いものは野菜接種後までお預けだ。卵サンドは、まろやかな卵の味わいにシャキッとしたレタスが味覚に優しかった。
藤は何から食べてるのかと視線を向ければ、バニラホワイトのチョコレート掛けドーナツを幸せそうに頬張っていた。瞳を閉じ、味覚と嗅覚と食感で存分に堪能した後、その手はゆるふわな顔をした羊アニマルドーナツを――その可愛さを食べて崩す事への罪悪感を覚えながらも、むしゃり。続いてホイップのフレンチ・クルーラーをぱくりと行き、ティー・ドーナツにもしっかりと舌鼓を打つ。
その後に先程とは別のフレンチ・クルーラーを頬張って、そのもちもち感をとことん楽しんでいた藤の手元に、自分のものではないドーナツがスススと差し出された。パステルカラーのチョコが掛けられたドーナツだった。
「トウ、これ。ぶどうか藤かどっちだと思う?」
「うーん……香りは葡萄っぽいね?」
これは食べて確かめるしか!
2人はうきうき笑顔で視線を交え、半分に割ったドーナツをせーのでぱくっと行く。
「んん! ぶどうなのだ!」
「美味しいね、姉さん」
「うまうまなのだー」
「うまうまだねー」
美味しくて幸せで、ゆるゆると体を左右に揺らす。
同じ動きでにっこにこ。そんな2人に、珈琲を啜っていた冥が静かに肩を揺らした。
今の双子は、丁度出会った頃の父親の年だ。あの頃は――そうそう。
(「徹夜麻雀の後、チェーン店でうまそうに食ってたなぁ。つるんで楽しかったねぇ」)
今もそうか。
ふ、と浮かべた笑みに楓と藤が揃って首を傾げるので、いやね、と冥は珈琲をまた一口。
「食べこぼし方がおとーさんそっくりだわ。そうやって八重歯見せて食うの」
「食べこぼしとかレディに言うなである!」
「ハイハイ。ほっぺにクリームついてるよ」
「!?」
沢山ドーナツを食べれば、体は幸せでどんどん満たされる。その心地よさに「少し休憩」と楓は猫になって冥の膝に寝そべっていた。藤も羊になり、膝の上でリラックスしている。リラックスし過ぎて少々ぶら下がっているけれど、本人は気にしていない。そんな2人を冥も気にした様子はなく、膝上に乗せたまま、ひとつふたつと空になった皿を重ねていた。
「父上も可愛い、吾輩もカワイー」
「ハイハイ」
頭上からの気怠そうな返事に、猫の目がにんまりと綺麗な弧を描き――もふもふ温かな小休憩で腹が落ち着いたなら、双子のドーナツパーティが元気に再開された。冥はすっかり満腹で、2人の若さをしみじみ見守るばかり。そんなひととき、藤のラストドーナツはレーズンサンドで――。
「姉さんはやっぱり苺だよね。取ってきてるよ!」
「苺ケーキドーナツぅ!」
しゅばっと猫から元の姿へ。風の如き速さに冥は肩を揺らし、あそうだ、とオウガ達のいるほうを見る。
「お土産できるならもらっといでよ。おとーさんのは半熟ね」
「はーい!」
“美味しい”だらけのドーナツなひととき。
それは土産を選ぶその時間までも、たくさんの“楽しい”で繋いでくれる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
栗花落・澪
【犬兎猫】
えへへ、ドーナツって美味しいよねぇ
シンプルからお洒落まで全部好き
シゥさんは食べたいもの自由に頼んで
4cmなら食べやすいんじゃない?
とりあえず飲み物は、僕がアイスレモンティーで
夏輝君は…今日はどうする?
コーラねオッケー
シゥさんは?
ココナッツミルクは…あるかなぁ
メロンソーダならありそうだけど
先に食べ始めたシゥさんを眺めつつ
人間サイズだと小食に感じてたけど…
フェアリーとしては意外と大食いなのかな、と思ったり
勿論、お代わりしていいよ
いっぱい食べな
ネライダさんにはこんにちはと挨拶
そうだね、甘いものお好きでしたらご一緒にどうですか?
夏輝君の言う通り、僕としてはその分色々味見出来て嬉しいです
シゥ・フリージア
【犬兎猫】
どーなついっぱい、おいしそう!
でもシゥ、種類とかあんまりわかんない
んー…じゃあシゥ、イチゴチョコのやつと
こっちの…ひよこのやつたのむ!
ピヨさん隊長たちとおそろい!
のみもの…シゥここなっつみるく好き
あとめろんそーだ!
わけっこしてるレイとナツキを横目に
自分用の小さいドーナツをもぐもぐ
えへへ、甘くておいしい
おかわりもいい?
シゥね、この…サンド?
クリームといちごはさんだやつ食べたい
あとさっきイチゴチョコ食べたから、メロンチョコ食べる!
このピスタチオってなにー?木の実?
木の実たべる!
ネライダとわけっこする二人を見て
わけっこ楽しそう?シゥのもあげるー!
(4cmまるまる差し出そうとするフェアリー)
小林・夏輝
【犬兎猫】
流石に色々種類あんなぁ
メニューを軽く眺めつつ
迷う事無く注文を決め
プレーンと抹茶チョコ
あと兎と犬のアニマル一つずつと
こっちの紅茶ドーナツもかな
全部大きめのやつで
代わりにこの子(澪)と分けて食べたいから、取り皿貰える?
澪が見ることに満足したら俺が千切り分けます
飲み物は…今日はコーラかな
ところで…口には出さねぇけど
この二人と一緒だとなんか容姿的に…ハーレムな気分
全員男同士の筈なんだけどな
あ、そうだ
ネライダさんいるなら一緒に食う?
俺らそんなに食える方じゃねぇし
色んな味を分け合いながら食べ比べしようぜって方針だから
主に澪がこういうの大好きなのに小食だからさぁ
人手が増える分には助かるんだけど
並ぶドーナツは、王道プレーンからベーグルならぬドーナツサンドまで。しかも全種類、ノーマル・ビッグ・ミニというサイズ展開がされている。これだけ作るのは骨が折れそうだが、小林・夏輝(お調子者の珍獣男子・f12219)が見たオウガは全員が元気溌剌、もしくは非常に爽やかだった。
「流石に色々種類あんなぁ」
|人間《ひと》から見て“沢山”と感じるのだから、フェアリーであるシゥ・フリージア(純真無垢な野生姫・f03749)にはそれ以上と感じられただろう。それを証明するように、ドーナツの什器を見つめるシゥの鮮やかなオッドアイは宝石のように輝いていた。
「どーなついっぱい、おいしそう!」
あれも、これも! ひらひらと飛び回っては綺麗に並ぶドーナツを指差し、はしゃぐ。無邪気な様に、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は満面の笑顔で頷きながら、視線を什器の一番右から一番左へと移して――ふにゃり。幸せそうに、より綻ばせた。
「えへへ、ドーナツって美味しいよねぇ。シンプルからお洒落まで全部好き」
「でもシゥ、種類とかあんまりわかんない」
「シゥさんは食べたいもの自由に頼んで。4cmなら食べやすいんじゃない?」
「んー……じゃあシゥ、イチゴチョコのやつと、こっちの……ひよこのやつたのむ! ピヨさん隊長たちとおそろい!」
「夏輝君はどうする?」
「俺はプレーンと抹茶チョコ。あと兎と犬のアニマル一つずつと、こっちの紅茶ドーナツもかな」
全部大きめのやつで。夏輝が付け加えたオーダーに澪とシゥが目を丸くしていると、夏輝の目が澪をちらりと見た。
「代わりに|澪《この子》と分けて食べたいから、取り皿貰える?」
「わ。えへへ、ありがとう夏輝君」
飲み物はどうしようか? 3人は手渡されたドリンクメニューのシートを仲良く見つめる。澪は少し考えてからアイスレモンティーに決め、夏輝も「今日はコーラ」とサクッと決めた。
「シゥさんは?」
「シゥここなっつみるく好き。あとめろんそーだ!」
「あ、メロンソーダならあったよ」
じゃあ、めろんそーだ!
シゥの元気な声が響いた後。ドーナツでいっぱいのトレーとドリンクが、テーブルの上をカラフルに変える。カラフルな分だけ膨らむ、美味しくて幸せの予感。うっとり眺めていた澪が満足気な息をふうと吐いてから、夏輝は大きなドーナツを1つ取っては半分にちぎっていった。
「ほら、澪」
「ありがとう夏輝君」
どれから食べようかな。楽しそうに考えていた澪の目は、ひと足先にミニドーナツを頬張るシゥを見て安堵も滲ませた。人間からすればミニサイズは少食に感じられたのだが、両手で持ち上げて頬張るシゥを見ていると――うん。
(「フェアリーとしては意外と大食いなのかな」)
苺チョコのドーナツをもぐもぐ。ぴよっと可愛いヒヨコなドーナツもぱくぱく。順調に食べ進めていくシゥはほっぺいっぱいにドーナツを頬張っていて、澪の視線には全く気付かない。
「えへへ、甘くておいしい」
約4cmのドーナツ2つを食べ終えたシゥは、妖精サイズのメロンソーダで喉をシュワッと潤しご満悦。美味しいフィニッシュを決めている隣で、澪も夏輝と分けた紅茶ドーナツにふわりとご満悦笑顔を咲かせていた。
「ふふ。美味しいね」
「うん! おかわりもいい? シゥね、あの……サンド? クリームといちごはさんだやつ食べたい」
「勿論、お代わりしていいよ。いっぱい食べな」
「あとさっきイチゴチョコ食べたから、メロンチョコ食べる! このピスタチオってなにー? 木の実? 木の実たべる!」
「ピスタチオっていうのはな……」
夏輝は抹茶チョコドーナツを片手にピスタチオというものを説明し――ふと浮かんだものを音にしない代わり、ドーナツを「あ」と頬張った。
(「この2人と一緒だとなんか容姿的に……ハーレムな気分。全員男同士の筈なんだけどな」)
間違いなく男しかないのに、自分達の事を――いや。澪やシゥを全く知らない者が見たなら、ほぼほぼ勘違いされるだろう。トレーにドーナツを山盛りにしている長身の男、ドーナツへの誘いを持ち込んだネライダは多分知っている筈だが。
「あ、ネライダさん! こんにちは」
「お、食べてるな!」
「まあね。ネライダさんいるなら俺らと一緒に食う? 結構食えるタイプだよね?」
「そうだね、甘いものお好きでしたらご一緒にどうですか?」
「それくらいなら勿論余裕――って、いいのか? お前達のドーナツだろう?」
キョトンとしたネライダに、ドーナツを口いっぱいに頬張っていたシゥもフモフモと澪と夏輝の援護射撃に加わった。そういう事だからさ、と夏輝はニカッと笑う。
「俺らそんなに食える方じゃねぇし。色んな味を分け合いながら食べ比べしようぜって方針だから。主に澪がこういうの大好きなのに小食だからさぁ。人手が増える分には助かるんだけど」
「えへへ、そうなんです。夏輝君の言う通り、僕としてはその分色々味見出来て嬉しいです」
「そうか。なら、俺も仲間に加わるとしよう!」
「じゃあ早速、このドーナツどうぞ?」
目の前で分けられていくドーナツをシゥのくりくりとした目が追って――あ、そうだ! きらりとした目は、おかわりしたフレンチ・クルーラーへ。
「シゥのもあげるー! あのねあのね、これ、ピスタチオ!」
「おっ、交換か! よし、じゃあ俺からは……これだ!」
ミルクチョコにカラースプレーをどっさり――の、4分の1。とびきりカラフルなビッグサイズに、フェアリーの歓声がわっと咲いた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ギュスターヴ・ベルトラン
ドーナツ…それは幸福
って、しみじみ言ってる場合じゃねえ
戦争中でも食いっぱぐれる危険が減ったのはマジでありがてぇ
ブラックコーヒーを受け取り、什器を見る
戦場に立ち続ければ心は荒む
だからこそ最初の一品は気持ちを和らげる、やさしい甘さのシンプルなヤツがいい
素朴だが上品で甘さが口にふわっと広がって――心に染み入るようなやつこそが最初に口に入れるべきドーナツだと思ってる
次は異国情緒あふれた変化球、あんドーナツ
異文化の融合で生まれたドーナツは、きっとこのケルベロスディバイドらしい姿なんだと思う
あと腹持ちがいいのもありがたいよな
主に感謝の祈りを捧げ、あとは食べるのみ!
…コーヒーのおかわり貰えるか?
ギュスターヴ・ベルトラン(我が信仰、依然揺るぎなく・f44004)は知っている。
小麦粉、バター、卵、砂糖などなどを混ぜて整形して揚げた、かのスイーツ。あれは、そう。
「ドーナツ……それは幸福。って、しみじみ言ってる場合じゃねえ」
この世界の地球そのものをかけた戦争の最中に請われた、オウガ達手製ドーナツ食べ放題ミッション。先にオーダーしていたブラックコーヒーを礼と共に受け取って見る什器の中は、カラフルという言葉がぴったりのボリュームと華やかさだ。
(「戦争中でも食いっぱぐれる危険が減ったのはマジでありがてぇ」)
しかもオウガ達が作ったドーナツは、戦う為の身体作りに最適な栄養満点の美味しさ。彼らのドーナツは、戦場に立ち続けて荒んだ心に深く沁みるだろう。
(「だからこそ最初の一品は気持ちを和らげる、やさしい甘さのシンプルなヤツがいい」)
という事でギュスターヴがまず選んだのは、柔らかなきつね色にふわふわと粉砂糖を纏わせたドーナツ。王号オブ王道のプレーンドーナツだ。神に感謝と祈りを捧げてから食べたそれは、口に入れた瞬間、素朴だが上品な甘さが優しく広がった。
ギュスターヴは無言で頷き、時折ブラックコーヒーを挟み――ごちそうさま。
次に選んだものは王道から少し外れた路線。いうなれば番外編だろうか。
「あんドーナツ。異文化の融合で生まれたドーナツか」
きつね色と粉砂糖のビジュアルは最初に食べたプレーンと似ている。けれど形はリングではなく、手作り感溢れる丸。そして一口食べて広がる味わいは、相性抜群のドーナツ生地と餡子だった。美味しい、という点はプレーンドーナツと同じだけれど。
西洋出身のドーナツと、日本出身の餡子。生まれの異なるものがひとつとなったこのドーナツは、きっと、この世界らしい姿なのだろう。
「あと腹持ちがいいのもありがたいよな」
コーヒーと共にどちらもしっかり味わって――あ、空になった。マグから視線を上げると、コーヒーピッチャー片手にこちらを見るオウガが飛び込んだ。“丁度よかった”にある彼らの心配りに、ギュスターヴはマグを持ち上げてくしゃりと笑った。
「……コーヒーのおかわり貰えるか?」
大成功
🔵🔵🔵
宇佐美・ミミ
ぴょこ!って跳ねるウサギ耳
ぬーちゃんみてぇ!ドーナッツがたくさん!
すっごくたくさんのいっぱい。おいしそうだね!
(瞳きらきら、って輝かせながら)
ミミもいっしょに食べてい〜い?
ぬーちゃんはどれがいいの?
ミミはね、ウサギさんなアニマルドーナツ
ミミとぬーちゃんとおそろいだね
ぬーちゃんはころころ卵みたいな一口ドーナツがいいの?
カラフルなチョコがかかってて、イースターエッグみたい
あまくて、おいしい〜
ほっぺを両手で抑えちゃう……ぬーちゃんも真似っ子してる!
ミミひとりだったら、あんまり食べれないけど
ぬーちゃんとはんぶんこしたら、も〜っといっぱい食べれるね
ごちそうさまでした
おいしいドーナッツをありがとう!
色とりどりの輪っか達が並ぶケースに、ぴょこっとウサギ耳が跳ねながら映った。
「ぬーちゃんみてぇ! ドーナッツがたくさん!」
わあぁ、と目を輝かせる宇佐美・ミミ(ふたりぼっち・f43700)の肩で、ミミのウサギ耳よりもずっと小さな“ウサギ耳”が左右へぴょこぴょこ弾むように揺れる。
「ね。すっごくたくさんのいっぱい。おいしそうだね!」
きらきら輝く目は抱えきれないほどの期待も浮かべ、優しく見守っていたオウガに向く。
「あの、あの。ミミもいっしょに食べてい〜い?」
「ハハハ、勿論! そこのトレーとトングを使っていいからね」
逞しい声で胸板をドムッ。オウガからの満面OKと案内に、ミミはぬーちゃんと一緒にぺこりと頭を下げた。早速よいしょと装備して、気になるドーナツの前に行く。
「ぬーちゃんはどれがいいの? ミミはね、ウサギさんなアニマルドーナツ」
ミミとぬーちゃんとおそろいだね。くすくす笑っていると、ぬーちゃんの一部がとあるドーナツを指し示す。カップの中に収まる、ころころ卵のような一口ドーナツ達。カラフルなチョコを纏った、イースターエッグのようなそれが欲しいらしい。
「うん。じゃあ、ぬーちゃんのドーナツはこれね!」
沢山のドーナツから素敵と感じたドーナツをトレーに乗せて、2人一緒にいそいそウキウキ。テーブル席に着いてすぐ、ミミの手とぬーちゃんの茎がそれぞれのドーナツを取り、ぱくっ! 頬張った瞬間、ミミは笑顔できゅうっと目を閉じて――、
「あまくて、おいしい〜。……あ、ぬーちゃんも真似っ子してる!」
頬張った幸せを閉じ込めるように、両手で頬を押さえる仕草。おそろいだねとミミは無邪気に笑い、ぬーちゃんもひょいひょいぱくりと軽やかに食べていく。
「そうだ。ぬーちゃん、はんぶんこしよう?」
自分ひとりだったらあまり食べられないけれど、ぬーちゃんとはんぶんこなら――そう!
「も〜っといっぱい食べれるね」
ふたりいっしょの幸せが、はんぶんこでもっともっと増えていく。
美味しい幸せはぐるりと巡って――。
「ごちそうさまでした。おいしいドーナッツをありがとう!」
元気なお礼とぴょこり跳ねたウサギ耳に返るのは、幸せいっぱいの“どういたしまして”。
大成功
🔵🔵🔵
陽向・理玖
【月風】
おーマジすげぇ
確かにこりゃドーナツの国だわ
アニマル可愛いけど普通に耳邪魔で食べにくいしな
ドーナツ・サンド?
デザート系は分からないでもないが食事系もあるのか
あれかな食事系パンケーキみたいな
俺これにしよ
ベーコン挟んだ奴
玉葱は抜きで…トマト追加出来る?
BLTドーナツみたいな
あとはやっぱチョコ掛かった奴は外せねぇな
ココア生地にミルクチョコ掛かった奴ある?
んじゃそれで
同じくいただきますとぱくり
んーっ
生地がほんのり甘くてベーコンの塩味と合う
ふわふわしてんのもいいな
瑠碧のも美味そうだなって思ってたんだ
嬉しげにぱくり
んっいい香り
チョコの奴一口食う?
もぐもぐしつつ
何なら残り俺が食うし2種類買っちまおうぜ
泉宮・瑠碧
【月風】
ドーナツ…沢山ありますね
目移りしながら
私は…ティー・ドーナツの掌サイズで
あと、林檎ジュースを
…アニマルドーナツは目だけで楽しみます
可愛くて食べられず…!
王道のも気にはなりますが
理玖は…安定のお肉とチョコですね
ほんわか和み
いただきます、とドーナツを一口
…ん
さくっとしてます
茶葉の香りもしっかりで、美味しい…
林檎ジュースも一口し
…少しアップルティー風味
理玖も、紅茶が大丈夫なら一口いかがです?
あーんと差し出し
お返しのチョコのも一口いただいて
ん、カカオが濃厚ですね、美味しい
王道のも…やはり気になりますが
お腹が結構満足した為…
理玖、半分こしません?
では
王道のをココアとプレーン一つずつ、お願いします
それは、思わず暫し立ち止まってしまうほどの光景だった。
泉宮・瑠碧(月白・f04280)は緩やかに目を瞬かせ、陽向・理玖(夏疾風・f22773)は目の前から左のほうへ、続いて右のほうへと視線を移していく。
「……沢山ありますね」
「おーマジすげぇ。確かにこりゃドーナツの国だわ」
どのドーナツにしよう。考えながら見ていく間にも、今見ているものの周りにあるドーナツも気になって目移りしてしまう。
「私は……ティー・ドーナツの掌サイズで。あと、林檎ジュースを」
「動物のやつはいいのか?」
犬、猫、クマ、ウサギ――愛らしく甘いアニマル達のつぶらなお目々に、瑠碧はきゅっと口を結んだ。
「……目だけで楽しみます」
なぜなら。
「可愛くて食べられません……!」
「あはは、そっか。けどまあ、可愛いけど普通に耳邪魔で食べにくいしな。後は……王道とか? 俺は何にすっかな……」
王道も気にはなるけれど――瑠碧はちら、と理玖を見る。青い視線は『ドーナツ・サンド』のプレートと、その後ろにならぶそれにハテナを浮かべていた。
ドーナツといえばスイーツ。スイーツといえばデザート。だからデザート系のドーナツ・サンドがあるのはわからないでもない。が、オウガ達は食事系も作ったようだ。鍛錬の2文字を燦々と掲げる彼ららしいそれに、理玖は食事系パンケーキに似たものを覚えた。
「俺これにしよ、ベーコン挟んだ奴。玉葱は抜きで……トマト追加出来る? BLTドーナツみたいな」
「勿論だ」
「じゃあそれで。あとは……お、あったあった! ココア生地にミルクチョコ掛けたやつも」
好みのものをオーダーしていく、いつもの姿。
そんな理玖に瑠碧が心も表情をほんわかさせるのも、もう、すっかりお馴染み。いつもの事。
用意されていたテーブル席に2人は向かい合って座り、早速オウガ達手製のドーナツに手を伸ばした。鍛錬を愛し鍛錬に長けた彼らが作ったドーナツは、どんな味だろう? 瑠碧は興味と期待を胸に――いただきます。
「……ん、さくっとしてます。茶葉の香りもしっかりで、美味しい……」
ぱちっと目を瞬かせた瑠碧の表情は、すぐ柔らかに綻んだ。口の中にふわりと膨らみ、咲くような――その存在感がある間に林檎ジュースを一口飲んでみる。
「……少しアップルティー風味」
「へえ。ティー・ドーナツだよな? そういう楽しみ方も出来るか……」
成る程。理玖は感心しながらいただきますとBLTドーナツ・サンドをぱくりと行く。ぱっと瞠られた目に『美味い!』と語るキラキラが元気に散った。
「んーっ、生地がほんのり甘くてベーコンの塩味と合う。ふわふわしてんのもいいな」
食パンで作ったBLTサンドにはない食感が新鮮で、楽しい。一緒に選んだもうひとつ、ミルクチョコを纏ったココアドーナツはそのふわふわ食感に、チョコの香りと味がしっかりとマッチしていた。
デザート系ドーナツを、笑顔でもぐもぐごくり。理玖が一口目を終えてから、瑠碧は手にしていたティー・ドーナツを差し出してみる。
「理玖も、紅茶が大丈夫なら一口いかがです?」
「お、サンキュ。瑠碧のも美味そうだなって思ってたんだ」
理玖は嬉しそうな笑顔のまま、差し出されたドーナツを、ぱくっ。『紅茶』の香りが、口の中でふわっと灯るようだった。
「んっいい香り。そだ、チョコの奴一口食う?」
「はい。頂きます。……ん、カカオが濃厚ですね、美味しい」
「な。美味いよな」
笑顔を交わし、ドーナツも一口交換こ。
そうして味わううちにお互いのドーナツは美味しく腹に収められ――瑠碧の目が、ドーナツ什器があるほうを気にしている。気付いた理玖が「行くか?」と笑って尋ねると、瑠碧は少し考える様子を見せた。
「お腹が結構満足していて……理玖、半分こしません?」
「半分こか。……な、瑠碧。何なら残り俺が食うし、2種類買っちまおうぜ」
腹八分目にはまだまだかかる。
任せろと笑う理玖に、瑠碧の唇からくすりと嬉しそうな笑顔がこぼれた。
「では、王道のをココアとプレーン1つずつ、お願いします」
ドーナツ定番、甘いもの。
ちょっとアレンジ食事系、しょっぱさもあるもの。
味わった分だけ“美味しい”が増え、心と体に、幸せの輪っかがきらりと架かる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
雨河・知香
ソニア(f40904)と
よくこれだけのドーナツ尽くしができたもんだ。
種類も多いし当然味も…これ全部作ったオウガの料理人達、できる!
折角の機会、戦いの合間の休息兼体づくりで食べられるだけ食べてラストスパートに備えようか。
アタシがまず頂くのはプレーンドーナツ。
サクッとした方が好みだけどしっとりも一緒に頼んで両方を食べ比べてみる。
ふーむ、どちらもよさを引き出してていいねえ。ソニアも食べてみるかい?
他にも色々あるんだ、ミニでも普通のでも好きなのを味わおうじゃないか。
ティー・ドーナツも中々…!
…そういえばあっちの警察官も今頃大忙し、なのかねえと去年の今頃の異国をふと思い返したり。
※アドリブ絡み等お任せ
ソニア・コーンフィールド
知香ちゃん(f40900)と!
すっごいねー…これ全部ドーナツなんだ?
どんな種類でもありそうな光景にちょっと圧倒されかかるけど、これで体づくりとか次の戦いとかに備えて休むのがいいよね!
お互い忙しいし今はゆっくりたっぷりいただきましょー!
わたしがまず頂くのはアニマルドーナツ!
このホワイトチョコの熊さんとか知香ちゃんに似てない?
知香ちゃんは王道…!オウガの人達の料理の頑張りでシンプルながらにいい味わいだねー。
色々チョコ掛けとかミニドーナツとか選んで食べて味わって、交換したりして感想言ったり。
適度にお水とか紅茶とかでさっぱりさせたりも。
ごちそうさまでしたは忘れずに、元気百倍だね!
※アドリブ絡み等お任せ
見せる為の什器の透明さが、並ぶドーナツのカラフルさとボリュームを存分に伝えてくる。しかもその什器の端から端までの長さが、一般的なドーナツショップとは桁違いだ。ソニア・コーンフィールド(西へ東へ・f40904)と雨河・知香(白熊ウィッチドクター・f40900)は揃って目を丸くした。
「すっごいねー……これ全部ドーナツなんだ?」
「驚きだね。よくこれだけのドーナツ尽くしができたもんだ」
種類も多いし当然味も――と知香はスタッフとして励んでいるオウガ達をちらり。
料理とは力仕事だ。ハンドミキサーといった科学の力があるとはいえ、この数のドーナツを用意するとなれば、生地を作るだけでも相当のものだろう。
(「これ全部作ったオウガの料理人達、できる!」)
そう物語る知香の視線にオウガが誇らしげな表情をしていたりする中、一緒に来ていたソニアは今いるそこから什器の端から端を、まん丸にした目でなぞり――元気に頷いた。王道から最近の流行りまで、どんなものでもありそうな光景に少し圧されかけたけれど。頷いた時で、それはもう終わりにしている。
「これで体づくりとか次の戦いとかに備えて休むのがいいよね!」
「ああ。折角の機会、戦いの合間の休息兼体づくりで食べられるだけ食べて、ラストスパートに備えようか」
「うん! お互い忙しいし今はゆっくりたっぷりいただきましょー!」
備えあれば憂いなし。その為の第一ドーナツとしてソニアが選んだのは、チョコの耳と表情が愛らしいアニマルドーナツだった。いただきまーす、と食べようとして――あっ。小さくこぼした声に、知香はどうしたんだいと首を傾ぐ。
「このホワイトチョコの熊さんとか知香ちゃんに似てない?」
「どれどれ……あ。目も同じ青色じゃないか」
「ね! じゃ、いっただっきまーす!」
元気に大きく口を開けて、あーん。似てると言われたばかりのシロクマドーナツが笑顔で頂かれていくのを見て、知香はけらけらと笑いながらドーナツを2つ、手に取った。
「あれ? 知香ちゃんのドーナツ……」
「お、気付いたかい?」
知香はニヤリとした。
今手にしているのはどちらもプレーンドーナツなのだが、左手のほうはサクッとタイプ、右手のほうはしっとりタイプのプレーンドーナツなのである。
「アタシはこっちのサクッとした方が好みなんだけどね、今回はこっちも一緒に頼んで食べ比べてみようと思ってさ」
「へえー! なんか豪華だね!」
「それじゃあ早速……」
まずは好みであるサクッとタイプから。
――ふむ。ふむふむ。
次はしっとりを。
――ふーむ。
「どちらもよさを引き出してていいねえ。ソニアも食べてみるかい?」
「わーい、ありがとう知香ちゃん!」
どちらのドーナツもソニアには美味しそうに見えた。けれどプレーンドーナツへの期待値を一番上げたのは、順番に味わっていた知香が浮かべた表情だった。どんな感じかな、とソニアも同じ順番で味わい、「ふむふむ!」と目を輝かせる。
「シンプルながらにいい味わいだねー」
「だねえ。基本で王道だからこそ、プレーンドーナツってのはずっとあるんだろうね」
オウガ達の料理に対する頑張りも感じる美味しさに、2人はうんうんと頷き合う。
けれど2人のドーナツなひとときはまだまだ終わらない。
「ねえねえ、こっちの色々チョコ掛けとかミニドーナツとかも交換こしない?」
「いいとも。あのオウガ達が作った、『身体作りの為の食事』だ。他にも色々あるんだ、今あるやつを食べ終わったら、ミニでも普通のでも好きなのを味わおうじゃないか」
「賛成!」
生地の舌触りや風味の違い。チョコレートを使ったものなら、甘さやビターの度合いという個性。見た目も中身も、2人はのんびり味わい、楽しんでいく。
さてさて今度は、と手を伸ばしたのは茶葉を練り込んだ生地で作られたドーナツだ。こちらもサクッと揚げたタイプと、しっとりと作り上げたタイプが用意されていて、勿論2人はその両方を選んでいた。
「わ、凄くいい香り!」
「ティー・ドーナツも中々……!」
一口味わってから手元にある紅茶を飲んでみると、ドーナツに宿る紅茶の存在感との違いが浮かび上がり、また楽しめる。そんな風に味わいながら時折水も飲んでさっぱりさせて――そういえば、と知香は去年の今頃を思い返す。
(「あっちの警察官も今頃大忙し、なのかねえ」)
憂いなく確認するには、この後の戦いにかかっている。
その為にも。
「ごちそうさま」
「ごちそうさまー! これで元気百倍だね!」
体にいい事だらけの腹拵え。
オウガという仲間からの贈り物はユーベルコードとはまた別の、頼もしき力だろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
セリオス・アリス
【双星】アドリブ◎
栄養満点という言葉にキュピーンとひらめき顔
いつもアレスは栄養がって気にしてるからコレならいくら食べても怒られないのでは…!?…って思ったところにアレスから釘が
くっ…バレてる!!
おー!いろんなドーナツがあるな動物型のとか特にアレス好きそう
こん中にアレスっぽい動物は…あ!ライオンとかアレスっぽいんじゃね?
戦いのたびに見るかっこよさと強さと気高さと
黄色いしぴったりな気がする!
アレスの問にライオン!とキラキラの笑顔で返す
戦ってる時のイメージだって言いつつ…アレスが言うように犬もアレスのかわいい部分ぽいんだよなぁって考えて
動物の例えに紛れて褒められた照れを隠すように
どっちも探しに出かけよう!
どーんと揃った動物たちは
確かに俺とアレスみたいでくすぐったくなった
まだ食べたいなと思ったらどでかいドーナツが!
でかいは強いしきっと美味しい!俺はこれが食べたい!
アレスから半分この提案を受けて
きれいに割られたドーナツを見たら
さっきよりもっと美味しそうに見えてきた
やっぱり一緒が一番美味しいな
アレクシス・ミラ
【双星】アドリブ◎
栄養満点のドーナツ…!是非とも後でご教授いただきたいものだ
栄養面の心配もいらないようだし
今日はお言葉に甘えて…あっ、だからといって、食べ過ぎには気をつけるんだよ?
…ん?
見つけたのは黒猫型のドーナツ
(黒猫さんって何だかセリオスに似てる…可愛らしい所とか特に…コホン)
セリオスは何を探して…え、ライオン?
僕が…?
…犬っぽいとはよく言われるけど、ライオンは初めてだから新鮮だ
君の方こそ美しく歌う姿は黒歌鳥のようで
勇敢に戦う姿は天の狼のようにも見えるな
猫に鳥に狼にと選んで…気づいた
…セリオスに似たドーナツを、食べる…
(何故だろう、違う意味で食べ難く…いやいや)
…っせめて美味しく、丁寧に、いただきます…!
さて、次は…って、何だこのわんぱくな大きさは!?
これはセリオスが好きそう…うん、思った通り
(しかし食いしん坊な君でも満腹になってしまうのでは…?)
セリオス。僕もそれ、食べてもいいかい?
半分こを提案し
君と一緒に食べる
楽しくてもっと美味しく感じる
昔も今も…きっとこの先も、僕の好きな時間だ
生命力に溢れた面立ち。鍛えられた肉体。体幹の良さが伝わる歩き方。日々を鍛錬に注ぎ込むオウガ達そのものが、彼らの手作りドーナツへの期待と信頼度を高めていく。
「栄養満点のドーナツか……! 是非とも後でご教授いただきたいものだ」
アレクシス・ミラ(赤暁の盾・f14882)は朝の青に染まる目を輝かせ、考える。戦う為の身体作りに最適という話だ、栄養面の心配もいらないだろう。今日は彼らオウガの心意気に甘えて――と楽しげなその隣。栄養満点の4文字にセリオス・アリス(青宵の剣・f09573)はキュピーンと閃いた。
(「いつもアレスは栄養がって気にしてるから、コレならいくら食べても怒られないのでは……!?」)
「あっ、だからといって、食べ過ぎには気をつけるんだよ?」
(「くっ……バレてる!!」)
しかしセリオスは100%わかってるぜという大変いい笑顔で、任せろとアレクシスの肩をぽんっと叩いて誤魔化した。栄養満点なら食べまくった分だけパワーアップしそうだしお得じゃね、の気持ちも隠して、惹かれる彩りでいっぱいの什器へたったかと軽やかな足取りで行く。
「おー! いろんなドーナツがあるな」
ドーナツならこれ、のリングタイプは定番の輪っかだけでなく、ひねりをきかせたものもある。ふっくらとした円形は中にクリームというお楽しみが詰まっているのだろう。その中で動物系ドーナツに気付いたセリオスの目が、かすかに細められた。
(「こういうのとか特にアレス好きそうだよな。アレスはどのドーナツ見てんだろ?」)
そっと視線を向けられたアレクシスはというと、並ぶ動物系ドーナツを映す目をぱちりと瞬かせたところだった。
「……ん?」
たくさんある動物系ドーナツの中で見つけた黒猫ドーナツ。深い色をしたココア生地、目や口は雪のように白いチョコで、鼻は綺麗なピンク色だ。
(「黒猫さんって何だかセリオスに似てる……」)
例えば、ほら。
(「可愛らしい所とか特に……」)
コホン。
「どうしたアレス?」
「一瞬喉に違和感があったんだけど、気のせいだったみたいだ」
ニッコリ。パーフェクトスマイルにセリオスが首を傾げるも、気のせいでよかったなとからりと笑う。よし、誤魔化せた――と思っていると、セリオスの目がアニマルドーナツ達をするするっとチェックしていき――あ! すぐ隣で弾んだ声と、勢いよくこちらへ向いた顔にアレクシスはきょとりとなる。
「ライオンとかアレスっぽいんじゃね?」
「え、ライオン? 僕が……? ……犬っぽいとはよく言われるけど、ライオンは初めてだから新鮮だな」
「戦いのたびに見るかっこよさと強さと気高さと、黄色いしぴったりな気がする! ……うん、アレスっぽいのはやっぱライオンだな、ライオン!」
何度も何度も目にしたアレクシスの戦う姿には百獣の王がしっくり来る。
ただ、アレクシスが言った犬も彼のイメージアニマルにぴったりな事は確かだった。
(「アレスのかわいい部分ぽいんだよなぁ」)
例えば金色の毛並みで、でっかくて優しくてよく笑うあの犬種とか――と思っていると、「君の方こそ」と咲う声がした。
「美しく歌う姿は黒歌鳥のようで、勇敢に戦う姿は天の狼のようにも見えるな」
「えっ、そ、そーか? いや、アレスが言うならそうだな!」
どやっ。互いを動物に例える中に紛れた、きらきら真っ直ぐな褒め言葉への照れを隠すように、セリオスはドーナツでいっぱいの什器――とびきり横に長いそれの、一番端っこを指した。
「どっちも探しに出かけようぜ!」
「ああ、そうだね。きっと見つかるよ」
2人の『っぽい』アニマルドーナツ探しの旅は他のドーナツに惹かれる場面を挟みつつも順調で、テーブルの上にどーんと揃えば、そこがひとつのアニマルランドのよう。
「なぁんか、確かに俺とアレスみたいだな」
くすぐったさを笑みに滲ませるセリオスに、アレクシスもくすくすと頷き――猫に鳥に狼といった甘いアニマルドーナツ達を見て、気付いた。どのドーナツもセリオスに似てるという理由で選んだドーナツだ。それを――セリオスに似たドーナツを食べるというそれを思うと、なかなか手を伸ばせない。
(「……何故だろう、違う意味で食べ難く……いやいや」)
これはオウガ達が作ってくれたドーナツであり戦う為の体作りに最適つまりせめて美味しく! 丁寧に!
「いただきます……!」
(「ドーナツ食うのにあんな真剣に……やっぱアレスは凄ぇな……」)
幼馴染の葛藤知らずのセリオスは、めいっぱいドーナツを堪能していた。ハムスターのように頬をドーナツでふかふかさせ、もぐもぐごくりと元通り。あのドーナツこのドーナツと楽しんでいると、当然テーブルの上にあったその数は減っていく。それじゃあと2人は再びドーナツでいっぱいの什器へ向かったのだけれど。
「結構食ったけどまだ食べたいなー……おお!?」
「そうだね、さて次は……えっ!? 何だこのわんぱくな大きさは!?」
クリスマスリースぐらいはあるドーナツだ。
アレクシスは直感した。これはセリオスが好きそうな――。
「でかいは強いしきっと美味しい! 俺はこれが食べたい!」
うん、思った通り。
目をきらきらさせ頬も興奮でほんのり紅潮させ、なあなあアレスあれにしようぜアレアレとはしゃぐ様には、心がほっこりする。しかし。
(「食いしん坊な君でも満腹になってしまうのでは……?」)
既に自分達なアニマルドーナツを平らげた胃袋に、あのわんぱくサイズドーナツが丸々ひとつ収まるだろうか? 素早く展開する思考は光の速さで最適解を導き出す。
「セリオス。僕もそれ、食べてもいいかい?」
「勿論いいぞ! 一緒に食おうぜ、アレス」
オウガに頼んで綺麗に割られたわんぱくサイズドーナツが、本日のメインディッシュめいてテーブル中央を飾る。半分を両手で持ち上げたセリオスはそれをじぃ、と見つめ――笑った。食べる量は半分になったのに、什器の中にドドーンとあった時よりも美味しそうだ。
「そんじゃ、いっただっきまーす!」
「いただきます。……ん! これ、中にチョコチップが入っているね」
「生地も美味いけどチョコチップも美味いな。……あっ、しかも星の形してるぞ!」
「はは、本当だ」
大きなひとつを半分こ。
中に見つけたお星さま。
美味しいと楽しいが、くるりくるり。交互にやって来る。
「やっぱり一緒が一番美味しいな」
「ふふ、そうだね。昔も、今も……きっとこの先も、そうだよ」
半分に割ってリング状ではなくなったドーナツが一番美味しかったように。
ふたり一緒の時間は、いつまでも何度でも、色とりどりの幸せを生んでいく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夏彦・星彩
【ココ彩】
ドーナツが沢山だなぁ…!
ドーナツの国があったらこんな感じだろうか
暫く遊んで暮らせそうだぞぅ
今日の星彩たちは美味しく食べる任務を遂行しよう!
どれから食べよう選ぼうか~
アニマルドーナツは種類もたくさん、
犬と猫のが良さそうだろうか~
強そうライオンがいれば其方と交換も良いなぁ
お裾分け半分こも嬉しいぞぅ
チョコがけミニドーナツだったらいっぱい食べられそうか
ミルクとイチゴにオレンジも良さそう~
コーヒーミルクも気になって~
ココの気になるも合わせたらより美味しいも沢山に…!
星彩はベーグルも好きだぞぅ~
何を挟もう選べない~…と迷った末に…
ハムエッグ挟んで貰うのはオッケーだろうか…?
チーズとベーコンも素敵なチョイス…!
おいしいドーナツ達をいっぱい満喫~
お土産に持って帰れたなら
楽しい気持ちを未だまだ味わえそうだよなぁ
残さずドーナツ食べよう~
ココ・ロロ
【ココ彩】
わあ~!ドーナツ!ドーナツがたくさんですよ!
ココたちはついにドーナツの国に来て…ちがうー?
今日はドーナツの国気分でいっぱい食べましょー!
むむ…気になるたくさんで迷ってしまいますね
アニマルドーナツはココも犬さんと猫さん!
強そうライオンさん…
…はっ!サイさん、この子じゃないですか?
猫さんのはココのと半分こしましょ~
チョコがけドーナツはミニの!
バニラとまっちゃと~…メロンなのもあるのですね
わくわくカラフルなのは…カラースプレー?これもー!
ふたりの合わせたらとってもごうかなパーティーになりそうです
ベーグル…?
わあ、好きなのはさんでもらえるのですね
ココはチーズとベーコンとお野菜のお願いします!
えへへ、サイさんのもおいしそう~
ふふ、テーブルいっぱいになっちゃいましたね
でもちょっぴりお腹が心配のような…
お土産持ち帰り出来るか聞いてみましょう
だめでもお残ししないで食べますよ!
あまいもしょっぱいもあって
どれから食べようか迷っちゃうのも
友達とおしゃべりしながら食べるのも
とってもたのしい時間ですね
ぴかぴかに磨かれた透明な板が、並べられた輪っか達の色や形をそのまま見せている。それは手に取る前からいい香りや美味しさが湧き出すようで――。
「わあ~! ドーナツ! ドーナツがたくさんですよ!」
「うんうん、ドーナツが沢山だなぁ……!」
ココ・ロロ(ひだまり・f40324)の目はぴかぴか輝き、夏彦・星彩(アルベード・f38088)の表情はふにゃりと幸せそうに綻んでいる。目のぴかぴかが収まらないココの口から、はぁ、と感嘆の息がこぼれ落ちた。
「ココたちはついにドーナツの国に来て……」
「ドーナツの国があったらこんな感じだろうか。暫く遊んで暮らせそうだぞぅ」
「あれ、ちがうー?」
残念ながら。こてんと首を傾げたココに星彩は神妙な表情で頷いた――と思いきや、その表情はすぐに明るいものへ。「しかしな」とココの肩に手をぽむ、きらりとした視線はカラフルでスイートなものでいっぱいの什器へ。
「今日の星彩たちは美味しく食べる任務を遂行しよう!」
「はい! 今日はドーナツの国気分でいっぱい食べましょー!」
そうと決まれば、幸せ一直線に違いないもぐもぐ任務へ向かわねば。
どれから食べるかと星彩の視線は目の前、その両隣、更にその先へとふわふわ移る。ココの目もあちらのドーナツこちらのドーナツと、花畑の蝶々めいて定まらない。
「むむ……気になるたくさんで迷ってしまいますね」
「アニマルドーナツは種類もたくさん、犬と猫のが良さそうだろうか~」
「ココも犬さんと猫さん!」
「おお、お揃いだなぁ。あと、強そうライオンがいれば其方と交換も良いなぁ」
強そうライオンさん? ココはその目をキリリさせ、自分達にカメラ目線なアニマルドーナツ達を見る。兎さん、狐さん、虎さん――はっ!
「サイさん、この子じゃないですか?」
「お手柄だぞ~。よしよし」
「えへへ。猫さんのはココのと半分こしましょ~」
ドーナツの国ミッションに『お裾分け半分こ』が加われば、星彩の中で嬉しい気持ちと一緒に食べる時の楽しみが増えていく。そこへココからの『チョコがけドーナツはミニの!』という提案が、星彩の目をキラリさせた。
「ミニドーナツだったらいっぱい食べられそうか」
ではでは、そのミニドーナツの味はどれにしよう?
2人はころりとしたドーナツ達を見つめ、真剣に話し合う。
星彩がまず“良いな”と思ったのはミルクと苺、そしてオレンジで、けれどコーヒーミルクも気になった。ココはバニラと抹茶、それからメロンにも視線が行ってしまう。
「わくわくカラフルなのは……カラースプレー? これもー!」
「よし、それも食べようなぁ。ココの気になるも合わせたらより美味しいも沢山に……!」
「ですね、サイさん。ふたりの合わせたらとってもごうかなパーティーになりそうです」
それからそれから。星彩はベーグルスタイルなドーナツを見てニッコリ笑む。
「星彩はベーグルも好きだぞぅ~」
「ベーグル……?」
「何と、好きなのはさんでもらえるそうだ」
「わあ……!」
そこで重要になるのが『どの好きを挟んでもらうか』なのだけれど。
「う~ん、何を挟もう……」
星彩は選べなかった。うーんうーんと迷った末に――。
「ハムエッグ挟んで貰うのはオッケーだろうか……?」
そろりと見上げる星彩に、巨漢のオウガがドムッと胸板を叩いて笑う。
「全くもって問題なし、オッケーだ! ちなみに持ち帰り用ボックスもあるぞ!」
「おぉ~、ではハムエッグで頼も~」
「ココはチーズとベーコンとお野菜のお願いします!」
「チーズとベーコンも素敵なチョイス……!」
「えへへ、サイさんのもおいしそう~」
わくわくが膨らむお互いのチョイスを笑顔で称え合った後、2人はドーナツでいっぱいのトレーと一緒にテーブルに着く。するとテーブルの上が、ここへ来た時に覚えたドーナツの国のプチサイズ板になったようで――。
「ふふ、テーブルいっぱいになっちゃいましたね」
「お腹もいっぱいになりそうだな~」
いっぱいになり過ぎて食べきれなかった時は、教えてもらった持ち帰りボックスの出番。それまでは――まずは心惹かれたドーナツから、と2人の手がそれぞれのドーナツを取る。
「ふふ~、ハムエッグのドーナツ・サンドは大当たりだな~」
「サイさんサイさん、ココのドーナツ・サンドも美味しいです!」
一緒に選んだドーナツはまだまだ沢山。
お次は甘いもの?
それともしょっぱいもの?
どちらから食べようか?
これもあれもきっと美味しくて迷うけれど、お喋りの花を咲かせながら食べていくひとときも、間違いなくとっても楽しくて――ドーナツが減っていくごとにそれはふわふわ甘く美味しく、積み重なっていく。
「……ココ。凄いことに気付いたぞぅ」
「す、凄いこと……?」
なんでしょう。
星彩はココがごくりと唾を飲む様を見つめ――ふ、と笑った。
「今もおいしくて楽しいが……お土産に持って帰れたなら、楽しい気持ちを未だまだ味わえそうだよなぁ」
「! はいっ!」
お土産にはきっと、“どのドーナツにしよう?”と選んでいたあの瞬間も込められる。
訪れた時も、選ぶ瞬間も、こうして食べるひとときも――全部全部、ドーナツ達と一緒。余さず、欠片も残さず、持ち帰ろう。
大成功
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クラウン・メリー
ペペル(f26758)と
ひゃわー、いろんなドーナツがいっぱい!
全部食べたくなっちゃうな!
そうだ!
悪戯な笑みを浮かべながらそっと耳打ちしようとして
ね、半分こにして食べるのはどうかな?
そしたらいっぱい食べれるし
いっしょに美味しいを共有出来るもんね!
もしお腹いっぱいになっちゃったら任せて!
ふふー、その時は半分こじゃなくて
ちょこっとかな?
まずはおっきな蜜たっぷりのドーナツを手に取って
ぺぺル!なんて丸い大きな穴から覗き込んで半分こ
んんー、じゅわわーでとっても美味しいね!
ほっぺが落ちないように両手で押さえる
うさぎさんドーナツは……
むむ、ちょこっと可哀想だけれどごめんね!
勢い良く半分こ!
次は何食べよっか?なんて
お花のように彩るぷかぷかドーナツを眺めて
二人でいっしょに食べればまだまだお腹はへっちゃらで
ね、まだ食べれるかな?
次はあっちのドーナツ食べよう!なんて手を引いて
ドーナツ探検を満喫して
ペペルの願うドーナツを探してみよう!と
ごーごー!手を上げまるで宝探し
いっしょに探せばわくわく心地はまだまだ続く
ペペル・トーン
クラウンちゃん(f03642)と
本当ね
どこを見てもドーナツで
でも、全部を食べるのはやっぱり難しいかしら…?
眉を下げるも囁き声で同じように笑って
うふふ、私ね、お揃いが好きよ
私と貴方のお腹に半分こずつの隙間
その隙間に新しいドーナツをなんていい案よね
貴方の方が背が高いから、私より沢山食べれてしまいそうね
その時は、ね、少しだけ貴方に多く分けても構わない?
最初を迷っていたら
楽し気な蜜色の瞳が穴から見えて
クスと笑って半分を
甘さがじゅわと滲み溢れて瞬いて
顔を見合わせ笑みが零れる
今度はこの子がいいわ
手に取ったのはうさぎさん
半分こは可哀そうだけれど、食べないのも可哀そう
そんな風にお喋りしながら
次はと辺りのドーナツを見渡すと
プカプカ浮かぶ浮き輪の海のよう
もちろん、まだお腹は満たされてはいないわ
貴方に手を引かれてゆく探検は楽しくて
ね、今度はお飲み物の味のを食べてみたいわ
なんて願うと
行く先変わって探検は宝探しに
あのお花が咲いたのは?あの具材を挟んでいるのは知らないわ
一緒に思うままに零すお話は
蜜よりも甘く眩しいの
上の段から下の段。
一番右端から、一番左端。
どこを見ても美味しい輪っかしかない什器はとびきりの横長サイズで、ずずいーっとなぞったクラウン・メリー(愉快なピエロ・f03642)の目に沢山の煌めきが躍る。
「ひゃわー、いろんなドーナツがいっぱい! 全部食べたくなっちゃうな!」
「本当ね」
驚きと喜びでいっぱいなクラウンの声に、きらきら揺らめくソーダ水の髪の下、ペペル・トーン(融解クリームソーダ・f26758)の色違いの目がにこりと笑う。
「どこを見てもドーナツで……でも、全部を食べるのはやっぱり難しいかしら……?」
美味しそうで、見た瞬間に食べたくなるドーナツがこんなにあるのに、お腹のキャパシティは海のように広くて深いものになってはくれない。
眉を下げるペペルに、クラウンはハッと閃いた。悪戯な笑みを浮かべ、そっと耳打ちする。
「ね、半分こにして食べるのはどうかな?」
「あら。半分こ?」
「うん、半分こ。そしたらいっぱい食べれるし、いっしょに美味しいを共有出来るもんね!」
囁かれた秘密のドーナツ会議に、ペペルも波音に隠れてしまいそうな声で同じように笑う。
「うふふ、私ね、お揃いが好きよ」
私と貴方のお腹に半分こずつの隙間。その隙間に新しいドーナツを、なんて名案だ。ハッピーエンドで終わる物語のように、半分ずつのドーナツパーティは『めでたしめでたし』が綴られる筈。ああ、けれど。
「貴方の方が背が高いから、私より沢山食べれてしまいそうね」
「もしお腹いっぱいになっちゃったら任せて!」
「その時は、ね、少しだけ貴方に多く分けても構わない?」
「ふふー、その時は半分こじゃなくて、ちょこっとかな?」
最初のドーナツは何にしよう? 始まりのドーナツなプレーン? それとも?
クラウンはキョロキョロと探し――ぱっと目を輝かせ、大きなドーナツを手に取った。
「ぺぺル!」
「え? ふふっ」
摘む指先をしっとりさせるほど、たっぷりの蜜を纏った大きなドーナツ。その穴から、蜜色がきらきら楽し気に覗いていた。早速ドーナツを半分にすると、まん丸とした断面は中心の卵色以外が飴色に染まっている。噛んだ瞬間、どうなるだろう? 予感と一緒に「いただきます」の声が重なって――。
「んんー、じゅわわーでとっても美味しいね!」
「! 本当、とっても美味しいわ」
食べた瞬間口の中いっぱいに咲いた『美味しい』。頬が落ちないようにクラウンは両手で頬を押さえた。ペペルも、じゅわと滲んで溢れた甘さに目を瞬かせる。2人の笑顔と驚きが交われば、新しい笑顔がすぐにこぼれた。
「今度はこの子がいいわ」
「うさぎさんドーナツは……」
このドーナツも、半分こコースだ。
しかし、きゅるんとした可愛らしいうさぎドーナツが、“半分する?”と確認してくるよう。
どの位置で割っても――ううん、可哀そう。クラウンもペペルもちょっぴり悩み顔になる。
「けど、食べないのも可哀そうね」
「むむ、ちょこっと可哀想だけれどごめんね!」
えいっ! 意を決したクラウンの手が勢いよく右と左を分ける形で半分こした。食べられる為に作られたうさぎさんドーナツも、きっと本望だろう――。
美味しいが蜜と一緒に溢れるドーナツ。
可愛らしくて美味しかった、うさぎドーナツ。
ひとつふたつと味わってお喋りも楽しみながら「次のドーナツは?」と2人揃って見渡せば、出番を待つドーナツ達は数え切れないほど。まるで、花のように彩りプカプカ浮かぶ浮き輪の海だ。本物の海めいた広さではないけれど、決して少なくはない。
けれどドーナツの海への冒険は、ひとりじゃなくて、ふたりいっしょ。
クラウンは自分のお腹を指先で軽く擦る。
(「まだまだお腹はへっちゃら、かな」)
ペペルは自分の中を確認するように、視線を巡らせた。
(「もちろん、まだお腹は満たされてはいないわ」)
ちらり。ちらり。
2人の視線が交わって――くすっ。笑顔と一緒に明るい音がこぼれる。
「ね、まだ食べれるかな? 次はあっちのドーナツ食べよう!」
「ええ。まだまだ食べましょう」
クラウンの手がペペルの手を引き、2人はぱたぱた軽快な足音を鳴らしてドーナツ探検へ。
ドーナツ探検は目に映る色も形もとりどりで、楽しくて、選んだドーナツ全てが『半分こ』だから、美味しく味わった後に「じゃあ次の冒険へ!」と気軽に繰り出せる。
「ね、今度はお飲み物の味のを食べてみたいわ」
「ペペルの願うドーナツを探してみよう! ごーごー!」
ペペルが願えば、クラウンは笑顔で面舵いっぱい。
手を上げて、ドーナツ探検からドーナツ宝探しへ華麗にルートを切り替える。
「あのお花が咲いたのは?」
「チョコレートのお花だって、食べてみようよ!」
「あの具材を挟んでいるのは知らないわ」
「好きなの挟めるみたい、何にする?」
一緒に探して、選んで、食べてみて。
そんな宝探しに思うままにこぼす話は、蜜よりも甘く、眩しくなる。
次の|ドーナツ《宝》を探すたびに覚えたわくわく心地もお揃いで――半分こだからこそ、2人一緒に、ドーナツの海をどこまでも泳いでいける。
大成功
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