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ケルベロス・ウォー⑦〜華燭のゾディアック

#ケルベロスディバイド #ケルベロス・ウォー #黄道神ゾディアック

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●ケルベロス・ウォー
 美しいのは何故か。
 美しさに理由が必要なのかと言われたのならば、世界に黄金律と黄金比とが存在することからも語るべくもないのだろう。
 だがしかし、それらは必ず行き詰まる。
 何故なら、それは主観の問題だからだ。

 黄金律は、あくまで己が望むものを基準としている。そこに立場や状況は加味されない。
 故に、立場が異なれば己の主観は他者にとっては悪の主観となり得るだろう。状況が異なれば、他者を傷つける正当性すら帯びるだろう。
 黄金比もそうだ。あくまで主観。
 それを見た者が全て美しいと思うとは限らない。
 故に倫理的矛盾をはらむものである。
 だがしかし、ここに絶対があるのなら?

「この短時間で、ここまで見事な|『決戦配備』《ポジション》を組み上げるとは!」
 十二剣神『黄道神ゾディアック』は、ケルベロスディバイドの地球――東京にて構築されていく人類の総力を前にして驚愕した。
 それは人類の結晶。
 謂わば、黄金律と黄金比とによって構築された壮大なる計画。
 誰もが隣にある者を思い、誰もが共に立ち向かおうとしている。
 永遠不滅であることは強さだ。
 絶対的な強者である証である。だが、強さもまた一元的ではない。
 今まさに、その多元的な強さを地球人類にこそ『黄道神ゾディアック』は見せつけられていた。

「決してグラビティ・チェインが豊富だからではない。これは、彼らの強さの所以が『心』であるのだとするならば」
 皮肉なことだと『黄道神ゾディアック』は自嘲する。
「私達の非道が、彼らを強くした面もあるのだろう」
 だが、だからといって手を緩めることはできない。
 何故なら、死ぬわけにはいかないからだ。
 永遠不滅であるデウスエクスの死。
 それは全滅するわけにはいかないという意味だ。だが、『黄道神ゾディアック』は理解していた。
 地球人類たちが死力を尽くしている。己たちは全力を尽くしている。
 その激突は思わぬ結果を生み出す可能性すらあったのだ。
「万が一にも敗北、あるいは死を喫する……だが!」
 煌めくは天体の魔力。
 綺羅びやかなりし魔力の輝きは、彼女の力の発露。
 その美しさは、知性と精神との有無に関わらず、絶対たる美しさと共に降り注ぐ。
「私は一切の躊躇なく、死力を尽くして君たちを殲滅する! この華燭の如きユーベルコードを前にしてなお、君たちに抵抗の手段があるのならば、向かってくるがいい……!」

 その言葉にナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)は、面を上げた。
 転移を維持してなお、その瞳に映るは美しきユーベルコードの輝き。
 あまりにも美しい。
 筆舌に尽くしがたい輝き。
 大凡、知性を持つものであれば、そこに神聖を見たであろう。知性なく、精神なくとも、有機生命体、無機物であろうとも、全てを魅了する光が、そこにはあった。
「これが、星々の魔力……『ガンマ・レイ・バーストを浴びて強化されたユーベルコード!」
 そう、『黄道神ゾディアック』は、美しいがゆえに通常のユーベルコードでは傷つけることはできない。
 何故なら、美しさとは絶対であるからだ。
 絶対たる美しさは欠けることがない。
 故に、傷一つ付かぬのだ。

「……確かに、あなたは美しいのでしょう。ですが! その美しさをはねのける事ができる可能性に満ちている。『今は』あなたが最も美しいかもしれない。ですが、その永遠不滅は不変であるがゆえに、灰色。永遠も、不滅もない、刹那に消えゆく雫の中に虹の輝きが宿るように!」
 生命の煌きは、いつだって刹那でもって永遠を超えていく。
 僅かであっても、何度も。何度でも。
 そうやって人類は紡いできたのだ。
「ならば来るがいい」
 その言葉に『黄道神ゾディアック』は一層輝きを放った。
 まるで全ての視線を己に集めるように。
 まるで全てを覆い尽くすかのように。
 その輝きは、『熾火が昌盛する』ように対峙する猟兵たちの視界を塗りつぶすのだった――。


海鶴
 マスターの海鶴です。

 ※これは1章構成の『ケルベロス・ウォー』の戦争シナリオとなります。

 デウスエクスによる地球侵略作戦の約半分を指揮していたデウスエクス連合軍最強の指揮官にして、十二剣神のリーダー格である『黄道神ゾディアック』と戦うシナリオになります。
 ですが彼女は自身の有する『最も美しいユーベルコード』で派手に攻撃してきます。
 天空の美しき星々が齎す『ガンマ・レイ・バースト』を浴びて強化されたユーベルコードは、知性や精神の有無を問わず、あらゆる生命体と無機物を魅了します。
 通常のユーベルコードでは傷つけることが不可能です。
 彼女のユーベルコードよりも美しいユーベルコードのみが傷を与えることができるのです。
 どちらのユーベルコードがより美しいかは、天空の星々が判断します。

 ※プレイングボーナス……ゾディアックよりも美しいユーベルコードを使って戦う。

 それでは、狙われた地球を守るために戦う皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
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第1章 ボス戦 『十二剣神『黄道神ゾディアック』』

POW   :    |三裂せし射手座の矢《サジタリウス・トリフィド》
【分裂を繰り返す星光】で射抜いた対象を【天より降り注ぐ射手座の光矢】で攻撃し、着弾点からレベルm半径内の仲間を【ピンクと青の星光】で回復する。
SPD   :    |牡牛座の超新星《クラブ・パルサー》
【頭上全てを覆い尽くす超新星の煌めき】を披露する事で【白き光を纏う星神】に変身し、戦場内の敵全てを攻撃する【中性子線】を降らせる能力を得る。
WIZ   :    |地を睨む水瓶座の神瞳《ヘリックス・ネビュラ》
偽物の【「神の目」とも呼ばれるヘリックス星雲】を創造し、戦場上空に浮かべることで、【滅びをもたらす銀河光】による連続攻撃能力と超再生能力を得る。

イラスト:稲咲

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

村崎・ゆかり
最も美しいユーベルコード? 勝手に何言ってるかな。
そんなの、あたしのゆりゆりに決まってるじゃない。
「召喚術」「式神使い」で淫雅召喚。今この場所へ、来て、ゆりゆり!

この均整の取れた体つきに、妖艶とあどけなさの同居した顔立ち。絡みつく蛇はアクセント。この姿に魅了されないものなんていない! この肢体こそ、宇宙で、最も、美しいものよ!
ゆりゆり、お得意の針剣攻撃で“黄道神”を攻め立ててやって。

ゾディアック、言っておくけどゆりゆりは渡さないからね。あたしたちの心は、もう互いにお互いのものなの。

ソディアックの攻撃は「結界術」「霊的防護」「魔力防御」で耐える。
あたしの術式が保っている間に、頼むわね、ゆりゆり!



 美しきものは全てに優先される。
 何故なら、美しいことは世界において真理であるからだ。
 真において美しさは、ある種の前提条件である。
「君たちを、私は滅ぼす。全力を持って、だ。死力を尽くしてとも言い換えてもいい」
 十二剣神『黄道神ゾディアック』は猟兵たちを見下ろす。
 そこにあったのは、真理の美しさであった。
 一部の隙もない輝き。
 彼女がそこにある、というだけで有機物、無機物問わずに魅了されてやまないのだ。
 故に彼女の星々の魔力は鮮烈なる光を宿し、空に『神の目』とも言われるヘリックス星雲を浮かべ、滅びを齎す銀河光でもって睥睨する。
 
 降り注ぐ光は苛烈そのもの。
 大凡、猟兵の持ち得るユーベルコードの中においても別格。
 銀河光の美しさは、己たちが攻撃されてなお、美しさを感じさせる。滅びを忘れさせるほどの輝きであったのだ。
 だが、村崎・ゆかり(“紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)は高らかに宣言した。
「何を勝手に言っているのかしら。最も美しいもの。そんなの……」
 ゆかりの瞳がユーベルコードに輝く。
 戦いの中にあって、圧倒的な光を放つ『黄道神ゾディアック』のユーベルコードに真っ向から走る光。
 地上の星のように輝く瞳から、淫雅召喚(インガショウカン)によって呼び出されたのは、強大なリリスの女王であった。
「あたしのゆりゆりに決まっているでしょ! 見なさい、この均整の取れた体つきに、妖艶さとあどけなさの同居した顔立ち」
 ゆかりは、自身が召喚したリリスの女王に絡みつく蛇と同じように寄り添って、その肌の上に指を走らせる。

「絡みつく蛇はアクセント。この姿に魅了されないものなんてない!」
「女体に美しさを見出すか。それもまた真なのだろうな」
「そうよ。この肢体こそ、宇宙で、最も、美しいものよ!」
「果たしてそうかな。それもまた主観に過ぎないのではないか? 星々の裁定は如何なるかわからぬもの。であれば」
「あ、言っておくけど!」
「なんだ」
「ゆりゆりは渡さないからね。あたしたちの心は、もうお互いにお互いのものなの」
 それは当然のことだった。
 ゆかりにとっては今更言うまでもないことだった。
 すべてを籠絡するということは、すべてから狙われるということ。

 美しいものはいつだって求められる。 
 であれば、『黄道神ゾディアック』もまたそうなのだと、ゆかりは警戒していたのだ。
「……その確信が揺らがぬのであれば、その言葉は無用ではないか? それが真であれば、美しく輝くもの。そこに如何に私と言えど介在する余地はないはずだ」
「それでもよ! あたしが一番美しいと思うゆりゆりだもの! なら、みんなだってそうお思うはず! だから!」
 ゆかりは、リリスの女王の放つ針剣の攻撃と交差するようにして迫る光を結界でもって受け止める。
「結界が……! ゆりゆり! 頼むわね!」
 頷くリリスの女王。
 ゆかりにとって、どれだけ美しい光を放つ存在であっても、目がくらむのは、彼女のゆりゆりだけなのだ。
 目移りなんてしないし、させない。
 その自身こそが『黄道神ゾディアック』の美しきユーベルコードに打ち勝つ唯一つの方策であるのだと示すように、ゆかりはまばゆく輝く美しい肢体を見上げ耐えるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハル・エーヴィヒカイト
私達が生き延びるために、あなたの取った手段を受け入れることはできない
しかしその願いは正しいものだ
非道と理解しながら種の存続のために選んだ道なのだろう
だから真正面から受けてたつ
それを乗り越えて私達は生きる

刮目せよ星々よ。降り注ぐガンマ・レイ・バーストよ
我が手に星の聖剣
全ての光をその身に集め、究極の光として輝かせるもの
UC発動。射手座の光矢も天空の星々の輝きも、この場にある全ての光をその美しさごと取り込んで、なによりも眩しい極光として放つ
戦場に味方がいる場合は事前に[集団戦術]によって私の視界に入らないようさがってもらおう



 異なる知的生命体が、一つの場所にいる時、争いは必定であったことだろう。
 同じ知的生命体であっても、相互理解は困難である。
 どうあっても理解し得ぬ誰かが隣にいるといことは、知的生命体にとって最大のストレスであることだろう。それゆえに時に他者を排斥しようとする。
 異なる知的生命体であれば尚更だ。
 事情も異なる。
 状況も異なる。
 思考も異なる。
 汎ゆるものが違いすぎるのだ。
 だからこそ、ハル・エーヴィヒカイト(閃花の剣聖・f40781)は思う。
「私達が生き延びるために、あなたの取った手段を受け入れることはできない」
 その言葉に十二剣神『黄道神ゾディアック』は頷く。
「であろうな。相いれぬのは、もはや理解している。だが、私達もまた生存するために死力を尽くしている。私達の取った手段が、君たちに取って非道であることも、また理解している」
「その願いは正しい」
 ハルは理解を示していた。
 非道と理解しながらの種の存続。
 選んだ道の正しさは後から証明されるものであった、今、証明できるものではない。

 だからこそ、ハルは正面を切って対峙する。
「それを乗り越えて私達は生きる」
「私達も同じだ。君たちという障害を乗り越えて、私達は生存の道を取る。であれば!」
 煌めくはユーベルコードの輝き。
 注ぐ光は次々と分裂していき、流星雨を思わせる光をハルへと注がせる。
 だが、ハルもまた、その瞳をユーベルコードに輝かせた。
 迫る光の美しさは言うまでもない。
「刮目せよ。星々よ」
 ハルは手にした聖剣を掲げる。
 迫る光受けて、ハルの体は打ち据えられるだろう。

 だが、倒れない。
 何故か。
「……光を吸収しているのか!」
「降り注ぐ『ガンマ・レイ・バースト』……確かに凄まじきチアkらだ。だが、星剣解放」
 瞬間、ハルの手にした聖剣が光を反転させた暗闇でもって戦場を包み込む。
 煌めく光も、全て聖剣が吸収し、その体に溜め込んだのだ。
 暴れ狂うようなエネルギーの本流。 
 身の内側を焼くほどの圧倒的な出力。
 臨界を迎えるようなエネルギーにハルは膝を折りそうになるのを堪え、掲げた剣を支えた。
「よせ、その永遠不滅でもない体では、その光に耐えられないぞ!」
「いいや。やれるさ」
 すべての光は、己が体のうちにある。
 取り込み、己が体が自壊を迎えようとも、『黄道神ゾディアック』の光を超えねばならない。
「――薙ぎ払え、七星極光」
 体がひび割れる瞬間、迸るは極光。
 何よりも眩しき光。
 それは一閃となって『黄道神ゾディアック』へと振り下ろされた。
 真に美しき光すら取り込み、意志の力をもって僅かに『黄道神ゾディアック』より上回った斬撃は、彼女の体躯へと叩きつけられ、光の柱の中に飲み込むのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリー・マイヤー
月が綺麗ですね、とは誰の言葉でしたか。
愛の言葉は、かつてそのように訳されました。
であれば…
天体の美しさは、人の心のそれに劣らないということなのでしょう。

まぁ、今はどうでもいいことですね。
お仕事お仕事。
星が力を貸すということは、星が私達を見ているということ。
即ち、星々も【寵姫の顔】の射程内ということです。
星々の目線を独り占めして、敵の鎧を引き剥がしましょう。
で、念動力で締めたり捻ったり拉げさせたりして攻撃ですね。
敵の攻撃は念動力で静止させるか、軌道を変えて対処です。
防ぎきれないようなら自分の体を念動力で動かして緊急回避。
中性子線は、ひとまず無視します。
はぁ、後で体をメンテしないとですね…



「月が綺麗ですね、とは誰の言葉でしたか」
 それは愛の言葉。
 喩えたのか、それとも言葉に感情を込めたがゆえに一つの言葉では足りなかったのか。
 いずれにせよ、嘗てはそのように訳されたこともある。
 詩的でありながら、どこか情熱を秘めたフレーズである。
 人間の持つ愛は心より発するもの。
 百年も生きない人間にとって、空に浮かぶ星々の美しさは不変にさえ思えたことだろう。その変わらぬ美しさに愛を喩えたのならば。
 その言葉を紡いだものは、人の愛もまた不変であるといいたかったのかも知れない。
「であれば、星の美しさも人の心に劣らない、ということなのでしょう。今はどうでもいいことですが」
 エリー・マイヤー(被造物・f29376)は、眼前に浮かぶ十二剣神『黄道神ゾディアック』の放つ白き光を見上げていた。

 あまりにも美しい。
 星の神と呼ぶに相応しい姿。
 通常の術では『黄道神ゾディアック』に傷一つ付けられないだろう。
 だからこそ、エリーは息を吐き出した。
 これも仕事だ。
 いつもと変わらない。敵の強大さに呑まれたものから敗れていくのだと彼女は知っている。
「見るがいい。私の星の輝きを。これこそが真理。美しさは真理の絶対条件だ。故に、君たちは私を退けられない。真とは、いつだって美しいものだ。世界は、美しきものだけで構成されている。それ故に、星々は私の味方だ」
 注ぐ中性子線。
 機械に悪影響を及ぼす放射線は、エリーの如何なる防護すらも透過して注ぐことだろう。

 だが、彼女は見上げるばかりだった。
「今も星々は私達を見ている、ということ」
「そのとおりだ。故に私の美しさの真理に、星の魔力は力を貸してくれている」
「そうですか。ですが、そうですね。なら、星々も」
 エリーの瞳がユーベルコードに輝く。
 目をそらすな、とエリーの魅惑の相貌が天の星々に向けられる。
「射程内です」
 そう、彼女のユーベルコードは、視線を彼女に集約させる。
 天の星々が裁定を下すというのならば、『黄道神ゾディアック』に向ける視線を奪えばいい。 
 それだけで彼女の優位性は損なわれる。

「まさか!」
「ええ、この寵姫の顔(チョウキノカンバセ)から星々すら目を逸らせない。つまり、あなたを今支えている星々の魔力は、私を見つめることしかできない。あなたに力を貸さない」
 そう、『黄道神ゾディアック』の美しさは、星々の魔力故。
 だが、それでも地力はあるだろう。
「これは諸刃の剣です。あなたの放った中性子線は……確かに、私にとって最悪そのものですが」
 フラスコチャイルドの体に負荷をかける。
 今はそれを捨て置く。後でいい。今は、『黄道神ゾディアック』の力を削ぐことに集中しなければならない。
「この身一つで、あなたの力を削げるのならば僥倖というやつです」
 エリーは、そう告げ『黄道神ゾディアック』の美しさ、その根源たる星々の魔力をも絡め取るようにして奪うのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
美しいって言われても…。
あまり気にしたことはなかったけど、全力を尽くす事ならできるっ!
だから、抗わせてもらうからね。
…全力全開限界突破だよっ!

使うのは、慣れ親しんだヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト。
真正面から相対するからね。
多重詠唱で魔力溜めを行って。
詠唱をしっかり行って…。

限界突破まで魔力を溜めて、撃った後のことは考えない。

ね、美しいユーベルコードって言ったよね。
綺麗ってわけじゃないんだよね。
それなら、わたしの心の…。命の煌きを見せてあげるよ。

…限界突破までした全力魔法のヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト!
わたしの全力全開限界突破の煌き、全部もってけーーーっ!!!



 美しさとはなんだろうか?
 綺羅びやかなことか? 光り輝くことか? 形が整っていることか?
 そのいずれもが主観に基づくものであるということを知るのならば、裁定者のものであると言うことがわかるだろう。
 星々の魔力が迸る。
 十二剣神『黄道神ゾディアック』は、『ガンマ・レイ・バースト』を浴びた魔力でもってユーベルコードを発露する。
 空に浮かぶのは巨大な目のような星雲『神の目』。
 降り注ぐは銀河光。
 時に美しさは恐怖へと変わるだろう。
 完全無欠なる光は、人間の身にとっては理解を許さぬものであったから。

「この光の前に、君たちは屈する。君たちもまた死力を尽くしているのだろう。だが、それは私も同じだ」
「けれど、それでも」
 シル・ウィンディア(青き流星の魔女・f03964)は、生存を第一に考えるデウスエクスたる『黄道神ゾディアック』の言葉に立ち向かう。
 互いに死力を尽くす。
 例え、美しさという基準を持って戦わなければならないのだとしても、シルは全力を常に尽くしてきた。
 抗うことに。
 いつだって、己の全力は全開で限界を突破していく。
「抗う!」
「よくぞ言った! であれば、受けよ、銀河光! 滅びの光は今、君に注ぐ!」
 降り注ぐ光は凄まじい輝きと共にシルを打ち据えるだろう。
 多重詠唱によって魔力を溜め込む。
 だが、身を打つ光の強烈さは凄まじいの一言だった。

「後のことは考えない!」
 六つの属性が重なり回転し、魔法陣を描いていく。
 ユーベルコードの輝きはシルの瞳に宿る。
「ね、美しいユーベルコードって言ったよね。綺麗ってわけじゃないんだよね。それなら、わたしの心の……生命の煌きを見せて上げるよ」
 裁定者たる星々にシルは高らかに宣言する。
 紡ぐは詠唱。
 連なるは永遠ではない生命。
 なら、煌きは刹那。

「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ、暁と宵を告げる光と闇よ…。六芒星に集いて全てを撃ち抜きし力となれっ!」
 永遠は今日とは違う明日を紡がない。
 けれど、刹那は連続するからこそ変化していく。
 シルの瞳に映るのは明日だった。
「ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト! わたしの全力全開限界突破の煌き、全部もってけ――っ!!!」
 放たれるは巨大な魔力砲撃。
 迸る光は銀河光と激突して力の奔流を周囲に撒き散らす。
 破壊が撒き起こる中にあって、シルは見上げる。
 永遠の灰色を切り裂く、刹那の虹たる輝きを瞳に宿して、変わらない明日ではない明日を思う――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

空桐・清導
POW
アドリブ・連携歓迎

「ナイアルテの言うとおりだ!
オレ達は永遠不滅じゃないが、無限の可能性を持っている!
天上にふんぞり返っているアンタ達にはない輝きがある!
だから見せてやるぜ!その可能性が形となった姿を!
来い!ブレイザイン・ギガース!」
無敵のスーパーロボットとは全てを有する
ソレは荘厳な彫刻の如く黄金比率の無謬の美しさも有している
「さあ!やろうぜ相棒!今を生きる者の美しさを教えてやろうぜ!」
手元に炎が燃え上がると美しき聖剣が顕現し、握りしめる
光矢を装甲で弾き飛ばしながらブースターで一気にゾディアックへと接近

「超必殺!ビューティー・ライヴ・スラッシュ!」
命の輝きと[希望の力]を宿す一閃で撃破する



「オレ達は永遠不滅じゃない」
 空桐・清導(ブレイザイン・f28542)は拳を握りしめた。
 そう、己達は永遠ではない。不滅ではない。
 常に変わりゆく者。 
 死が定められた者。
 それを弱者と呼ぶのならば、きっとそうなのだろう。
 変わらぬこと、滅びぬことを強者と呼ぶのならば、きっとそうなのだろう。
 けれど、永遠には無限はあるか。
 可能性はあるのか。
 清導はないのだと思う。変わらないことは可能性を捨てたことと同じだ。生命は失われる。損なわれる。
 けれど、変わっていく。
 変わるということは可能性に満ちているということだ。

 だからこそ、清導は分裂して迫る光の矢を見上げる。
 あの十二剣神『黄道神ゾディアック』の放つ絢爛たるユーベルコードは強烈なのだろう。見ているだけでわかる。
「だけど! 無限の可能性を持っている!」
「可能性、か。それが君たちの死力を尽くす理由なのかもしれないが、しかし、強者を退けられないのであれば、いつまで経っても弱者のままだ。搾取され続けるだけだ。そこに一体何があるという」
「天上にふんぞり返っているアンタたちにはない輝きがある! だから見せてやるぜ! その可能性が形となった姿を!」
「ならば、示すがいい。それが死力だというのならば、私も死力を尽くす。ただそれだけだ」
「来い! ブレイザイン・ギガース!」

 ユーベルコードの煌きと共にあらわれるのは巨大ロボであった。
 清導は己の想像から創造する。
 可能性は、創造性とも言いかえる事ができた。
 己が信じる無敵。
 形になった巨大ロボに変身し、清導は踏み出す。
 荘厳なる彫刻の如き姿。
 黄金比率の無謬の美しさ。
「さあ! やろうぜ相棒! 今を生きる者の美しさを教えてやろうぜ!」
「不変であることは、その形が最上である証明だ。ならば、見せてやろう。星の輝きを! 穿て! 射手座の矢よ!!」
 注ぐ光の矢。
 清導は恐れを抱かない。
 ただただ己を信じる。

「炎を纏い、勇気は鋼となる!!」
 手に炎が集約し、聖剣が顕現し握りしめる。
 無敵たる装甲は光矢すら弾き返しながら、まっすぐに『黄道神ゾディアック』へと迫る。
「炎など、揺らめくばかりで!」
「なら、見ろよ! これが! 超必殺!ビューティ・ライヴ・スラッシュ!」
 生命の輝きと希望の力を宿す一閃の一撃が、光の矢を吹き飛ばしながら『黄道神ゾディアック』へと叩き込まれた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紫・藍
ゾディアックのお姉さん。
他ならぬお姉さんこそが永遠不滅でない者もまた美しいのだと知っているはずなのでっす。
だってそうでしょう?
星々もまた不滅ではないのでっす。
ガンマ線バーストには恒星が生命を終える時の輝きという説もあるくらいなのでっす。
星々の魔力を身に纏い、絶対の美しさを誇るお姉さんは。
でもだからこそ、永遠でもなければ不滅でもない美しさを。
誰よりも知っているのでっす!
今一度、お魅せしましょう。
何度だって思い出させましょう。
お姉さんが共にある美しさを。
刹那の煌めきを。
始まりと終わりの美しさを。

藍ちゃんくんでっすよー!

天より降り注ぐというのなら。
その天を。宇宙を。
藍ちゃんくんは塗り替えましょう!
彼方で輝く射手にだって。
藍ちゃんくんは歌を響かせるのでっす!

永遠でなくとも、絶対でなくとも。
ヒトは、美しくあれるのでっす。
その美しさが儚いものでも。
それでもいいのでっす。
お姉さん。
永遠の美しさを誇るお姉さんが。
刹那の美しさと共にあってくれたこと。
良しとしてくれたこと。
ありがとうなのでっす。



「星々の輝きは、私に在る。君たちの死力が星の如き輝きを放つのだとしても、私は君たちを殲滅する。そうでなければ!」
 十二剣神『黄道神ゾディアック』は、その身を輝かせている。
 星々の魔力。
 まとうは『ガンマ・レイ・バースト』――一説には恒星の崩壊と共に放たれる絶大なる破壊の力。
 その輝きを前に紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)は理解するだろう。
 彼女もまた己の行いの残虐さを知っているのだと。
 知りながら、それを抑え込んでケルベロス・ウォーに挑んでいる。
 何故なら、それがデウスエクスの生存を第一に考えるからだ。そうしなければ、生存できない。
 グラビティ・チェインがなければ死滅してしまう。
 だからこそ、他者を死滅させてでも己たちの生存を望む。

「ゾディアックのお姉さん。他ならぬお姉さんが永遠不滅ではない者もまた美しいのだと知っているはずなのでっす」
「ああ、認めよう。君たちの死力は美しい。だが、だからといって!」
 藍の言葉に『黄道神ゾディアック』は頷く。
 そのとおりだと。
 星ですら永遠不滅ではないのだ。
 けれど、星々の魔力をまとう絶対たる美しさを発露する『黄道神ゾディアック』は告げる。
「私は躊躇わない! デウスエクスの生存のためには! 君たちの言う永遠でもなければ不滅でもない美しさを、否定する!」
「ならば、今一度お魅せしましょう。お姉さんがともにある美しさを。刹那の煌きを。始まると終わりの美しさを」
 藍の瞳がユーベルコードに輝く。
 同時に分裂した光が注ぐ。

 光矢。
 射手座の矢を模したユーベルコードの光が、空より藍に注ぐのだ。
「藍ちゃんくんでっすよー!」
 歌声が応える。
 光の矢が注ごうとも、その声は遥か空を超え、彼方前届くのだ。
「その天を。宇宙を。藍ちゃんくんは塗り替えましょう! 藍ちゃんくんの歌は彼方で輝く射手にだって届くのです!」
 光の矢の先、『黄道神ゾディアック』を包み込むは世界。
 世界の中に世界を生み出すユーベルコード。
「私を囲う、だと? このユーベルコードは!」
「そうなのでっすよー! ゾディアックのお姉さんを、藍ノ空(アイノソラ)にご招待なのでっす!」
 闇夜を照らすのは、愛と希望。
 熱く燃やすように胸の奥でユーベルコードの輝きが満ちている。

「永遠でなくとも、絶対でなくとも。ヒトは、美しくあれるのでっす」
 例え、それが主観に基づくものでしかないのだとしても。
 それでも世界を見る眼に映るものはきっと美しい。
「刹那に儚くとも、それを惜しむのだとしても、か」
「ええ、それでもいいのでっす。お姉さん」
 藍は告げる。
 だって、惜しむほどに美しいという証明だからだ。
 永遠不滅の存在、デウスエクス。
 その長たる『黄道神ゾディアック』であれど、刹那の美しさを解する。
 それを良しとしたこと。
 そして、己たちの行いを顧みてもなお進まねばならないほどの不退転もまた藍は理解する。
 ならば、対峙して告げる言葉はただ一つなのだ。
 藍は歌声を届ける。
 結局、これだけなのだと藍は思ったのだ。

 戦いのさなかにあって歌うことは、いつだって歌声響かせる誰かに対する……。
「ありがとうなのでっす」
 その心だけなのだと証明するように藍は変わらず歌声を響かせ『黄道神ゾディアック』の身に纏う星々の魔力に負けぬほどの輝きでもって戦場を照らし出すのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルクス・アルブス
【ステルク】

ふふ……ふふふふ……うふふふふふふ。

苦手?
ふっ……ステラさん、わたしを誰だと思ってるんですか?
音楽家にして兼業勇者ですよ!

そうステラさんの言うとおり!
美しさは罪……いえ、力!

そして美しさの頂点は文化の頂点たる芸術!
すなわち! 音・楽! つまりは! 演・奏!

そう、|わたし《音楽家兼勇者》の演奏こそ至高の美しさを持つもの!

と、いうことで! 今回の最適解は……。

よろしい、ならば演奏だ。
大演奏を!!
一心不乱の大演奏を!!

さぁいきますよステラさん!
星も神々も、全てを砕き打ち壊しひれ伏させる|大演奏《セッション》です!

戦いに際しては心に平和を。
そして平和の象徴たる音楽を!

いざ、お覚悟ー!


ステラ・タタリクス
【ステルク】
極論、美しさは『力』だと思うのです
正確なものは美しい、強いものは美しい
ならば美しいものは強いという逆説もまた

私たちは、心を、命の炎を熾火の如く昌盛させる
その美しさを否定できるものなら!

というところで、一回シリアス止めますね
ルクス様いきていますか?戦争苦手ですよねルクス様?
今回の相手は人の『心』にいたく興味を抱いています
心――それはすなわち文化
ええ、誠に、ま・こ・と・に!不本意ですが
ここはルクス様の演奏が最適解でしょう
ええ、星を砕く勢いで砕いてください
私も合わせましょう
【アウルム・ラエティティア】――此処に生きている喜びを
戦いに際しては心に平和を
この気持ちを胸に私たちは生きていく!



 世界は美しい。
 何故なら、完璧だからだ。
 そこに真理がある。摂理がある。そうでなければならない理由が合理を超えていく。即ち、正しさとは美しさなのだ。
 美しくない正しさなど、この世界には存在していない。
 故に。
「極論、美しさは『力』だと思うのです。正確なものは美しい、強いものは美しい。ならば美しいものは強いという逆説もまた」
 正しい。
 ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は燦然と輝き十二剣神『黄道神ゾディアック』の姿を見上げた。
 星々の魔力によって、その身には強烈な光が湛えられている。
 まるでひとつの星だ。
「然り。君たちを滅ぼし光、それが私だ。暴虐であるということは承知している。残虐だということも。だが、私たちは生存を賭けている。生命とは危機に際して煌めくもの……皮肉だな」
『黄道神ゾディアック』はステラの瞳を見つめた。

「私達は、心を、生命の炎を『熾火の如く昌盛』させる。その美しさを否定できるものなら!」
 やってみせろ。
 ステラは『黄道神ゾディアック』と視線を交錯させる。
 生存と共存とは成り立つものであるが、しかしてここにあるのは互いの死力。 
 であれば、片方が滅びるのは簸ってい。
「というところで、一回シリアス止めますね」
 少し、いや、かなり拍子抜けする。
 ステラは傍らにあるルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)を見やる。
 俯いている彼女を気遣う。
「ルクス様、いきてますか? 戦争苦手ですよねえルクス様?」
「ふふ……ふふふふ……うふふふふふ」
 奇妙な笑みがこぼれていた。
 あ、これはシリアス過剰摂取によるアレルギー反応だな、とルクスは思った。

「苦手? ふっ……ステラさん、わたしを誰だと思っているんですか?」
 破壊神?
「音楽家にして兼業勇者ですよ!」 
 兼業勇者って言っている時点なんていうか、その。
「ええ、誠に、ま・こ・と・に! 不本意ですが、ここはルクス様の演奏が最適解でしょう」
 ステラは『黄道神ゾディアック』が人の『心』の煌きを認めるところであった。皮肉にもデウスエクスの侵略がなければ煌めくことのなかったものである。
 心とは文化。
 ステラはそう考える。 
 永遠不滅に文化など必要ない。
 文化とは、何故必要なのか。
 言うまでもない。紡いでいくためだからだ。次代につなげるために文化を持って、遺伝子以外の何かを運ぶためにあるのだ。
 だからころそ。
「ステラさんの言う通り! 美しさは罪……いえ、力! そして美しさの頂点は文化の頂点たる芸術! 即ち! 音・楽! つまりは! 演・奏!」
 ルクスの独壇場であった。

「この煌きの前で同じことが言えるのならば、見せてもらおう。文化の頂点とやらを!」
『黄道神ゾディアック』の体が超新星の輝きを放ち、星神へと変わる。
 星々の魔力が発露し、奔流となって二人を襲う。

「至高の美しさとは、言語を越えるもの! 異なるものすらつなげる共通認識。それを導き、媒介とするもの! それは例え聴覚なき存在にだって届くもの! よろしい、ならば演奏だ。大演奏を!! 一心不乱の大演奏を!!」
 ルクスの瞳はギラギラしていた。
 己の演奏が、それを為すのだと信じて疑っていなかった。
「さあ、いきますよステラさん! 星も神々も全てを打ち壊しひれ伏させる|大演奏《セッション》です!」
「ええ、星を抱く勢いで砕いてください。私も合わせましょう――ここに生きている喜びを」
 二人の声が重なる。

『戦いに際しては心に平和を』

「いざ、お覚悟ー!」
「この気持ちを胸に私達は生きていく!」
 光の奔流に激突するは音。
 それは比べるべきもないものであったかもしれない。けれど、歌が、旋律が。
 魂の脈動を増幅させていく。
 ただの言葉だ。
 ただの音だ。
 けれど、感じる心があるのならば、それは力に輝く。
 光り輝く二人の魂が、星々の輝き、超新星の光すらも押しのけるように音の奔流となって『黄道神ゾディアック』を飲み込んでいくのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

幸・鳳琴
地球の生命とデウスエクス
本当に不幸な出会いでした
私が貴女の立場なら
同じ手段を取らなかったとは言えない

貴女の姿勢にある種の敬意を覚えます
けれど此方にも護る存在があること、ご存じでしょう
一歩も退かない、堂々と乗り越えましょう!

残像や、功夫でのフェイント攻撃を仕掛け
少しでも注意をそらし
万全に美しいUCを叩き込む機を測りつつ
攻撃をオーラ防御で凌いでいきます

そう、護る存在を
地球の人達の支えを
笑顔を、応援を、思い出を
心に灯しけして負けない

叩き込むは私の最大火力《幸家・六芒精霊龍》!
六芒星に集う地・水・火・風・光・闇の増幅魔法を
美しく閃かせ、龍状の輝く闘気を収束・叩き込みますね

これが私達の「輝き」です――!



 歌が響いている。 
 戦場に似つかわしい音だった。
 けれど、それは生命の歌だった。侵略にさらされて尚、永遠不滅ではない生命たちは謳い続ける。
 その煌きは星の光一つにも到達するだろう。
 眩さに十二剣神『黄道神ゾディアック』は瞳を細めた。
「この光……これだけの力、永遠不滅でもない人類である君たちが、放っているのか……!」
 呻くようにして『黄道神ゾディアック』は美しき光の中でよろめいた。
 そこに幸・鳳琴(精霊翼の龍拳士・f44998)は飛び込む。

 注ぐは光の矢。
 分裂した矢が彼女を襲う。
 それらを拳で打ち払いながら、躱し、さらに『黄道神ゾディアック』へと己の間合いを押し付けるようにして迫った。
「地球の生命とデウスエクス。本当に不幸な出会いでした」
 もしも、と思う。
 自身が彼女と同じ立場だったのならば、同じ手段を取らなかったとは言えない。
 生存を第一とする。
 絶滅を回避する。
 ただそれだけなのだ。唯一つの目的のために暴虐すら飲み干して進む覚悟。
 ある種の敬畏すら鳳琴は覚えていた。
「けれど、此方にも護る存在があること、ご存知でしょう」
「そうだろうな。だからこそ、君たちは輝く。皮肉だな。そうでなければ私達に対抗することすらできなかったというのに。考え直しはしないか」
「いいえ、一歩も退きません」
 堂々と乗り越えよう。

 死力と死力の激突。
 僅かな差異によって勝者と敗者が決定づけられる。
 戦いというのは、いつだってそんなものだ。
 だからこそ、彼女は光の矢を避けきれずとも己がオーラで真正面からぶつかる。
 オーラが砕け、さらに消失した光の矢の背後から新たな光の矢が迫る。
 頬を切る矢。
 血潮が飛ぶ。痛みが走る。だが、構わない。
 前に進む。護るためには、傷を厭う暇すらない。何故なら、己の背を支えるものたちがいるからだ。
 地球の人々の生命を己は背負っている。
 笑顔を思い出す。 
 声援を思い出す。
 かけがえのない生命だ、いずれも。だからこそ、心に灯すは刹那の煌きの如き記憶の断片。

「負けません! 私の闘志と共に輝け、六芒に集いた精霊よ!」
 力が満ちるは拳。
 構えた彼女の体躯に龍の如き闘気がまとわれ、同時に迫りくる光の矢が彼女の五体を貫く。
「……!!」
「だが、させぬ! ……まだ来るか!」
 鳳琴は傷つきながらも走る。
 煌めくは美しき光。
「これが私達の|『輝き』《絆の力》です!」
 振り抜かれた拳。
 それは己の光だけではない思い出にある人々の輝き。連なった輝きは、きっと星の輝きにさうら勝る鮮烈さでもって『黄道神ゾディアック』を打ち据えるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鷹神・豊
指定UCにより威嚇射撃

驚いたか?
目眩しは俺には効かん
絶対の美など一方的な主観の押し付け
そもそもが美しくないとは考えなかったか

異界の生命の在り方に
部外者の俺が口を挟むべきではない
だが美を感じる心は人の自由意思
尊重されるべき個々の価値観や生き様
それこそ真に美しいものだ
奪うならばその一点では見過ごせんな

中性子線で機器類に影響が出ても
俺には然程関係ない
UC【無私】を同時発動し
敵をアッパーで天空高く打ち上げる
不可能と言われたらやめると思うか?
無効も魅了も強制断固お断り
何が美しいかは俺が俺の意思で決める

もし人と共に歩むなら
まずその心を学んだらどうだ

俺は反骨の鬼だぞ
貴様が絶対と言うなら
斜め上の絶対で殴り返す



 美しさの基準は何処にあるのか。
 問うまでもない。
 それは見るもの――主観側にある。即ち、美しは多元的なものである。
 故に鷹神・豊(蒼天の鷹・f43985)の視界を塗りつぶす超新星の輝きを放つ星神へと至った十二剣神『黄道神ゾディアック』の姿は、ただの美しさの押し付けであった。
 押し付けられたのなら跳ね除ける。
 単純なことだった。
 反発する。
 至極当然の結果であった。
「絶対の美の押し付けなど、そもそもが美しくない。そうは考えなかったか」
「絶対はある。真理だ。真理は美しいからこそ絶対なのだ。故に星々の魔力は私にある。君たちの死力が例え、どんなに輝こうとも、これは結局のところ」
「主観の押し付けあいだ」
 豊は異界の生命のあり方に口を挟むつもりもなかった。挟むべきでもないとも思っていた。
 だが、こと美しさについては違った。

「美しさとは主観である。だが、それを感じる心は人の自由意志だ。他者の美しさを否定することもまた主観なんだよ。尊重されるべきは個々の価値観や生き様だ」
「それは多くを否定するだろう。多くを肯定しないだろう。それでもか」
「だからこそだろう。ぶつかりあって砕けてもいい。傷ついて摩耗してもいい。歪な形になろうとも良いだろう。ひび割れてもいい」
 だが、そこに美しさを見出す主観がある。
「様々な形を見せるのが生命の可能性だ。可能性は刹那に消えゆくものなのかもしれないが」
「永遠不滅には、それがない。変わらない真理こそが真に美しいものだからだ」
「だが、それを奪うというのならば、その一点では見過ごせん」
 中性子線が迸る。
 苛烈なる光が降り注ぎ、豊の視界を染める。

「姑息な手を」
 豊は走った。
 構わない。何故なら、今の彼の瞳にはユーベルコードの輝きがある。
 無私(ムシ)たる己の心の逆鱗(ゲキリン)に『黄道神ゾディアック』は触れたのだ。
 ならば、己の拳が唸りを上げる。
「物理法則を無視する、だと……!?」
「人が不可能と言われて歩みを止めたとでも思うか? お前の美しさも何もかも、強制である以上、俺はお断りだ。何が美しいかは、俺が俺の意志で決める」
 不屈なる意志。 
 不撓なる歩み。
 その全てが拳に集約されていた。

「もし、人と共に歩むなら、まずその心を学ぶべきだったな。人類というものの中には、俺のようなものだっている」
 反骨の鬼。
 絶対と宣うものに拳を向けるもの。
 絶対を超えていく拳は鉄拳へと成り代わり『黄道神ゾディアック』を打ち上げる。
 見下ろしているから打ち上げられる。
 簡単な理屈だというように豊は『黄道神ゾディアック』の顎を打ち据え、打ち上げる。
「俺は、反骨の鬼だぞ――」

大成功 🔵​🔵​🔵​

御影・しおん
……うふふ。派手に動いて、いかにも何か隠してます……って感じじゃない?
それとも、隠しているものが露呈する事すらも……想定の内なのかしら?

貴女が星々の光を味方につけるというのなら……
これにしようかしら?
―――【竜身解放・彼方より来る極光】。
この世界でない何処かから齎された、始まりの光。
渾沌の闇を照らし、定義し、天と地に「火」を入れし原初の光輝。
されど…それは強すぎるがゆえに、此の世に在るべきでない、無限より来るもの。

……うふふ、なんて。ね。わたしはただの竜神だもの。そんな御大層なものじゃないわ?けれど……「光」は此処に在る。その矢も、星々の光も、光属性全てを呑み込んで、極光を以てお返しするわね?



 光が戦場を支配している。
 全てを塗りつぶすかのような光の奔流。
 それを見上げて、御影・しおん(Unknown・f27977)は笑む。
「……うふふ。派手に動いて。如何にも何か隠してます……って感じじゃない?」
「星々の輝きを前にして、何も見えなくなれば訝しむのも当然だろうがな。仮にそうだとして、君たちは私を相手取らねばならない。他に意識を向ける余裕が今、あるとでも?」
「そうね。確かにそうだわ」
 十二剣神『黄道神ゾディアック』は猟兵たちとの美しきユーベルコードの乱発によって消耗しているようだった。 
 だが、それでも戦場を塗りつぶす光に翳りはない。

「もしくは、隠しているものが露呈することすら……想定の内なのかしら?」
「どのみち、君たちを私達が滅ぼせばいいことだ」
 そう、目の前に迫るは強大な存在。
 永遠不滅。
 デウスエクスとは神の如き存在。
 故に圧倒的な星の輝きを宿した魔力は巨大な光の矢を生み出し、分裂させる。
 射手座の矢。
 放たれるユーベルコードは鮮烈にして苛烈。 
 凄まじい勢いと光の量でもって、しおんに襲いかかる。
「貴女が星々の光を味方に付けるというのなら……これにしようかしら」
 しおんの瞳がユーベルコードに輝く。

「我が名は御影しおん、“彼方より来る極光”」
 しおんの姿は竜へと変貌する。
 それは光を吸収し、光を増す輝ける竜であった。
「これは……この世界の光ではない……!?」
「そうよ。この世界ではない何処からかもたらされた、始まりの光。混沌の闇を照らし、定義し、天と地に『火』を入れし原初の光輝」
 しおんは光の矢を飲み込んだ。
 竜である体躯に吸い込まれ、光がましていく。
 此処に居たって『黄道神ゾディアック』は知っただろう。
 目の前の光の竜であるしおんが、己のユーベルコードを食い物にすることのできる存在であると。

「されど……それは強すぎるが故に、此の世に在るべきでない、無限より来るもの」
 膨れ上がる光。
 光の矢を吸収し、星々の輝きすら飲み込む光の竜。
 口腔が開く。
「……うふふ、なんて。ね。わたしはただの竜神だもの。そんな御大層なものじゃないわ? けれど」
「私のユーベルコードを吸収して……放つか!」
 口腔より解き放たれる光の光条。
 光の矢を飲み込み、星々の光すら飲み干した一撃は、苛烈なる極光となって『黄道神ゾディアック』を打ち据える。
「いやだわ。お返しするだけ。よ」
 しおんは光の竜たる体躯を変身させ続け、光を飲み込み、さらなる光条でもって戦場を埋め尽くすのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紅葉・紅葉
アドリブ歓迎

1:1.618
御存じですか、ゾディアックさん!
この比率こそ黄金比! 黄金長方形を差すのです!
そして私は140サイズ! すなわち長さと幅と深さが140cm以内に収まる大きさ!
なのでちょっと外見を調整しまして(ゴキゴキメキメキ)。
30×48.54×60cmの形になれば、これはもう美しいことは疑いようありませんね!
この状態で繰り出す私のユーベルコードの芸術性をご覧ください!
そう、三倍です!
天空の星々がGoodと裁定してくれたならきっと眩く輝くことでしょう、我が身が!

OKであれば、我が走行でコーナリングで矢を回避しながら空へ!
お届け物ですゾディアックさん! 怒りを込めた体当たりだオラァ!



 黄金比率――1:1.618。
 それが人が最も美しいと感じる構図である。
「ご存知ですか、ゾディアックさん!」
 紅葉・紅葉(歩く宅配便・f40976)はまばゆい光が満ちる戦場にあって、十二剣神『黄道神ゾディアック』へと問いかけた。
 そう、最も美しいもの。
 それがこの戦場を支配するのだ。
 故に紅葉は示した。
 最も美しいと感じるもの。黄金比率。
「この比率! 黄金長方形を指すのです!」
「だが、君はそうではないだろう?」
「そうですね! 私のサイズは140サイズ!」
 長さと幅と深さが140cm以内に収まる段ボールボックス。それがミミックである紅葉であった。

 車輪が付いているので、全体とすれば黄金比率からさらに遠のく。 
 だが、紅葉の瞳は……瞳に値するであろうロゴマークが炎のように燃え盛っていた。燃える。
「燃えてしまうぞ」
「問題なし! 美しき比率を得るためならば!」
 ゴキゴキメキメキ。
 なんか段ボールからは鳴ってはならないような音が響く。少なくとも内容物が損壊してしまうのではないかという不安が襲ってくる。
 だが安心して欲しい。
 いつでもどこでも何をでも、お届けしましょう特急で! がキャッチフレーズの紅葉のデリバリー精神は、速さだけが売りではないのだ。
 大切なお届け物を損壊なく届けるのもまた紅葉の本懐。
 であれば、ちょっとサイズが変わった程度では、内包物は傷つかない! だったら、なんだあの音って話になるが、気にしてはならない。

「変形、だと……?」
「歩く宅配便(アイ・アム)ですから! 可変など当然あって然るべき機能なのです! 30×48.54×60cmの形! これこそが最も美しい形! 疑いようがありませんよね!」
 燃えるロゴマーク。
 煌めくユーベルコード。
 そう、己を規定するのは信念。
 その強烈な信念こそが美しいのだ。
 配達経路の選択、配達速度、細やかなケア! そのいずれもが芸術そのもの!
 今こそ、紅葉の運搬技術は一種の前衛芸術へと消化しているのだ。

 ならば、星々も認めるところであった。
 いや、むしろ、星々は天にある。
 紅葉の配達経路が描くは、ただの経路ではない。
 そう、地上絵の如く描かれた軌跡。
 その美しさは認めなければならない。裁定者たる星々に訴える紅葉の軌跡は、紅葉の体を更に輝かせる。
「馬鹿な……! こんな事が起こりえるのか!? こんな美しさが……!」
「我が身、我が走行! 軽やかにコーナリング! おお、体が軽いです!」
『黄道神ゾディアック』から放たれる光の矢を颯爽と躱しながら、紅葉は飛ぶ。
 そう、己は宅配便。
 であれば!
「お届けものですゾディアックさん!」
 怒りに燃える体当たりアタックの一撃が『黄道神ゾディアック』の頭へと飛来する隕石のように激突し、衝撃を生み出すのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

叢雲・紗綾
よく分かってんじゃねーですか、私達の強さの理由。
お前らみたいな連中から地球を、其処に生きる人達を守るため、此処まで磨き上げ鍛え上げてきたんです。
その成果、その身で篤と味わいやがれです!

確かに随分とまあ綺麗なユーベルコードですけど。
抵抗の手段なんか有るに決まってるでしょう。お前のそんなヤツよりも美しい人類の知と技の結晶が!

発動するのは覚醒・蠍の心臓。
メタリックな光沢帯びた装甲付のフライトユニット装着、流れ星みたいな噴射炎を棚引かせて【空中機動】。
ユニット各部から降り注がせる機関砲弾もミサイルも、煌めく軌跡と花火めいてカラフルな爆炎を散らします。

人類の築き上げた美、通らねーとは言わせねーですよ!



「ぐ、くっ……馬鹿な、この私が、ここまで圧される……! これが地球人類の力……!」
 窮地に追い込まれて尚輝く生命。
 永遠不滅のデウスエクスにはない輝き。
 星々は裁定者。 
 であればこそ、これまた一つの美しさなのだと認めるしかないのかと十二剣神『黄道神ゾディアック』は呻いた。
 揺らぐ体。
「よく分かってんじゃねーですか、私達の強さの理由」
 叢雲・紗綾(嘲り詰る兇弾・f40836)は、己が身に増加装甲付フライトユニットを装着し、飛翔しながら赤き瞳と青き瞳でもって『黄道神ゾディアック』を睨めつける。
 これまでケルベロスディバイド世界は、デウスエクスの侵略に対して後手に回り続けていた。

 飛来する小剣を察知できず、たた防衛するしかない日々。
 疲弊していく人々。
 そして今まさに全世界決戦体制が発令されている。
 誰も彼もが無関係ではいられない。 
 それは追い込まれたということでもあるのだろう。だが、だからこそ。
「お前らみたいな連中から地球を、其処に生きる人達を守るため、此処まで磨き上げ鍛え上げてきたんです。その成果、その身で篤と味わいやがれです!」
 沙綾はユーベルコードに煌めく瞳の残光で『黄道神ゾディアック』へと迫る。
 だが。
「ならば、その死力を私は打ち倒そう。他ならぬ私達の生存のために! 受けろ、超新星の輝き!」
 天に浮かぶは神の目の如き星雲。
 その輝きが『黄道神ゾディアック』の身を光り輝く星神へと輝き、中性子線を解き放つ。

「随分とまあ綺麗なユーベルコードですけど。対抗の手段なんかあるに決まってるでしょう! お前のそんなヤツよりも美しい人類の知と技の結晶が!」
 沙綾のフライトユニットに中性子線の影響が及ぶ。
 だが、それを一時的にリミッターを解除することで、さらに沙綾の体が飛ぶ。
「ぶっ飛びやがれです!」
 放たれる薬式機関砲弾と高速ミサイル。
 凄まじい速度で飛翔する沙綾の体は中性子線によって破壊されたフライトユニットがなくとも、彼女の体を高く舞い上げる。

 頭を取った。
『黄道神ゾディアック』の頭上から注ぐ無数の砲弾とミサイル。
 煌めく軌跡を描いて、花火のようなカラフルな爆炎が『黄道神ゾディアック』を包み込む。
「これは……なんだ? 戦いの光ではない……綺羅びやかなだけの、爆炎?」
「これが人類が築き上げた美! 裁定者の星々! これでも美しくないと言うつもりはねーでしょうね!」
 沙綾は叫ぶ。
 爆炎は『黄道神ゾディアック』を飲み込み、膨れ上がっていく。
 永遠不滅のデウスエクスは単体の美しさを誇る。
 だが、人類は刹那に生きるからこそ積み重ね紡ぐ。その模様は、まさしく織りなす輝き。 
 それを示すように沙綾は爆散するフライトユニットから排出されるようにして大地に降り立ち、見上げる。
 そのカラフルな爆炎は、様々な色彩に彩られ一瞬たりとも同じ光景のない美しさ、普遍とは対極にある儚さでもって、その瞬きすら許さぬ美しさを示すのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ソニア・コーンフィールド
最も美しい…えー、判定基準滅茶苦茶そっちに有利過ぎない?
でもその位はやらないと十二剣神のリーダー格とかやってらんないよね。
どうにか真っ向から乗り越えないと…!

熾天怪獣王に搭乗、とーぜんプラクト規格のも組み込むよ!
UC起動して…無茶苦茶精密な鎧型ガジェット!?
出てきたってことは有効である、上手く使えば美しさで凌駕できるのは間違いない筈。
無限に進化する魔竜の力と生命力、積み重ねによる人の技術が加わった美しさは星々のありのままの輝きにも勝る…!
重いのは多分中性子線遮断できる素材だからだろうなーとか推測しつつ全力加速!
白き光に負けず思いっきり黄道神に怪獣王のぶちかまし叩き込むよ!

※アドリブ絡み等お任せ



 裁定者は星々。
 天に浮かぶ星の光が明滅している。
 十二剣神『黄道神ゾディアック』は、その最も美しいユーベルコードでもって『ガンマ・レイ・バースト』を帯びて戦っている。
 しかし、そんな彼女とて猟兵との戦いで疲弊し始めていた。
 消耗していると言ってもいい。
「判定基準めちゃくちゃそっちに有利じゃない?」
「それでも君たちは私に迫っている。その事実が脅威であることは言うまでもないだろう」
「そうかもね。だからといって遠慮はしていられないんだよね!」
 ソニア・コーンフィールド(西へ東へ・f40904)は、『黄道神ゾディアック』の言葉に頷く。

 どのみち、これは真っ向勝負なのだ。
 乗り越えなければ、人類に明日はない。
 これは互いの存在を掛けた決戦なのだ。互いに死力を持って生存を争う。そういう戦いなのだ。
 ならばこそ、ソニアは思う。
『黄道神ゾディアック』の美しさというものが、天体の輝きであるというのならば、己の思う美しさとは地に満ちる人の知識と技術の結晶。
 その一欠片が己なのだ。
「とっておき、見せてあげるね!『熾天怪獣王』!」
 ソニアは金のキャバリアと共に、コクピットで手にした『プラモーション・アクト』規格の模型を組み込んだ。
 ユーベルコードの輝き。
「ドラゴンガジェット・イグニッション!」

 溢れるは力の輝き。
 多くの知識が、多くの技術が、多くの思いが集約され『熾天怪獣王』の体へと精密な鎧型のガジェットとして出現し、装着されていく。
 まるでそれは、『黄道神ゾディアック』の纏う鎧と同じだった。
「私と同じ、星の光を放つ鎧、だと!?」
「これが……有効だってことなの!?」
 間違いはないはずだ。
 ソニアはこれが偶然でないと理解しただろう。彼女のガジェットは必ず相対する相手に有効な無限進化の魔竜の力を宿している。
 形状が鎧に変わったということは、必ず役に立つのだ。

「同じ美しさだよね、これで! なら後は!」
 そう、上乗せするだけだ。
 自らが作った『熾天怪獣王』。そして、それを支えてくれている人々の技術と思い。
 それによって、美しさは『黄道神ゾディアック』の輝きを、美しさを超えていく。
「星々の輝きに勝る光……だとでもいうのか! いいや、だが、それでも!」
 星神へと変貌した『黄道神ゾディアック』が放つ中性子線の一撃が『熾天怪獣王』の機体各所に異常を齎す。
 だが、機体の異常はそれ以上、進行することはなかった。
 まとった鎧が中性子線を無効化していくのだ。
「まさか、本当に私の鎧と同等だとでもいうのか!?」
「ぶちかませー!」
 ソニアは間髪入れず飛び込むようにして『熾天怪獣王』を『黄道神ゾディアック』へ突撃する。
 その一撃が鎧をひしゃげさせ、さらには鮮烈な輝きを戦場に走らせるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

日下部・香
……確かに、美しいユーベルコードだ。
敵相手にこんなことを思うなんて、これが絶対的美しさってやつか。

私は【グラビティ・フェノメノン】で攻撃しよう。
私のユーベルコードは実用一辺倒で、色鮮やかでも煌びやかでもない。
だが、【グラビティ・フェノメノン】に籠める私の意思は、「絶対に地球を守り抜く」と誓ったこの心は、たとえ十二剣神相手にでも負けるつもりはない。
私たちの強さの理由が『心』であると、黄道神ゾディアック自身ですらそう考えるのであれば、その『心』にこそ勝機があるはずだ。強さにしても、美しさにしても、絶対的なものなどないのだと。

奴の攻撃は【心眼】で【見切り】、回避したい。集中力が持つうちが勝負だな。



 戦場に満ちる光。
 それは確かに美しいものだった。
 星の輝。
 それを一身に集めたかのような光を持つ十二剣神『黄道神ゾディアック』のユーベルコード。
 確かに、と日下部・香(断裂の番犬・f40865)は思った。
 あれは敵だ。
 デウスエクス。
 永遠不滅であり、地球を侵略する敵。
 だが、それでもあの美しさは絶対的なものであるように思えてならなかったのだ。

 その光が陰る。
 猟兵たちの構成によって『黄道神ゾディアック』は確かに消耗しているのだ。
 ここで退けない。
 恐ろしさにくじけてはいられない。
 このケルベロス・ウォーが始まって以来、全世界に生きる人類の誰もが無関係ではいられなかったのだ。
 だからこそ、香の瞳がユーベルコードに輝く。
 己の身より発露する光は、己だけのものではない。
「来るか、ケルベロス! だが、美しさであれば!」
「確かに。私はいつだって実用一辺倒だ。美しさなんて、最も縁遠いものだと思っていたから。色鮮やかでもなければ、綺羅びやかでもない」
 香は面を上げる。

 照らすは『黄道神ゾディアック』のユーベルコードが放つ美しい光。
 けれど、真っ向から見つめる。
「だが、この『絶対に地球を守り抜く』と誓った心は、例え十二剣神相手でも負けるつもりはない」
 放たれるはグラビティ・チェイン。
 走るエネルギーが一瞬で『黄道神ゾディアック』へと到達し、つながる。
 漲る力は意志。
「お前は言ったな。私達の強さの理由が『心』であると」
「そうだ。追い込まれて尚、君たちは『心』によって強くなった。祖俺は認めるところだ」
「だったら、その『心』にこそ私達の勝機がある」
「だが、美しさは絶対だ。それを上回らぬ限り、私には……」
「いいや、絶対的なものなどないのだ」
 香は己が変わっていくことを知っている。
 どうしようもない変化が襲ってくることも知っている。

 永遠不滅は確かに何も変わらないだろうし、変えられることもないだろう。
「私は知っている『心』は千差万別にして千変万化。生命のどれもが違う。ただ一つとて同じものはない。だから、織りなしていけるのだろう。一つを描くことができる。たしかに皮肉だな、『黄道神ゾディアック』。お前たちという脅威で、私達、全員が異なる生命が人まとまりになった」
 隣りにいる誰かを思い、己をなげうってでもと戦う。
 その輝きこそが、永遠不滅を穿つ。
 グラビティ・フェノメノンは、確かに『黄道神ゾディアック』を打ち据える。
 香は、その絶対たる意志を向ける。
 変わらない思いもある。変わっていく思いもある。
 その変わる変わらぬとを得て、己達は可能性たる未来へと歩んでいくのだ。
 それを示すような彼女の一撃が『黄道神ゾディアック』を打ち据える――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊だが…

陰海月「ぷっきゅ!」

…陰海月語を翻訳します…

美しいユーベルコード?
つまりは、とっても綺麗なものってことだよね!
なら、ぼくのこれだよ!!七色に光って、きれーでしょ!

おじーちゃんたち、言ってた。これは生存戦争だって。
難しいことはわかんないけど、だからこそ、ぼくも全力で戦うんだ!
その攻撃は…おじーちゃんたちが操る四天霊障(極彩色)で耐える!
そして、ぼく自身はこの光珠(極彩色)をポイポイ投げるんだ!

ここのご飯、とっても美味しかったんだもん!滅ぼさせはしないよ!
(たぶん、五十人前くらいは食べてる陰海月)



 星が瞬いている。
 燦然たる輝きを持つ十二剣神『黄道神ゾディアック』であっても、迫る猟兵たちのユーベルコードの煌きに圧され始めていた。
「……これが『心』だとでもいうのか。誰もが違う。誰もが同じではない。変わり続けている。この織り成す様が、まさか、そうだとでも言うのか」
 星々の魔力を解き放つ。
 滅びを齎す銀河光。
 それによって迸る一撃が地上に注ぐ。
 なりふりなどかまってはいられない。
 ここで敗北を喫することになれば、デウスエクスである『黄道神ゾディアック』は大きく生存への道を損なうことになるだろう。

 それだけは阻止しなければない。
「負けられない。私達は生存を掛けている。永遠不滅の美しさこそが!」
「ぷっきゅ!」
 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)と合体を果たした『陰海月』は鳴いた。
 迫るは銀河光。
 強烈な滅びを予見させる輝きは、美しさと共に恐ろしさを与えるものであったことだろう。
 滅びはどんな存在においても恐ろしいものだ。
 けれど、輝きを前にして『陰海月』は、己が身を輝かせる。
 1680万色に輝く四悪霊の呪詛は、その身にまとわれ、無数の輝く光珠をと共に宙を走るのだ。

 その輝きが綺麗なものだと『陰海月』は思う。
「これは生存競争だ。美しさを競う。それは真理と真理の激突にほかならない」
 難しいことはわからない。
 けれど、それでもどちらかが滅ぶというのならば、己の守りたいものを守らねばならない。
 全力で戦うってことはそういうことだと『陰海月』は知っただろう。 
 だが、同時にそれは死力を尽くすことになることでもある。
 降り注ぐ滅びの銀河光。
 その苛烈さは言うまでもない。
 合体して尚襲い来る激痛。
 身が焼かれ、引き裂かれ、投げ放つ光珠すら打ち据える光。
 そのさなかを飛ぶ。

 思い出が力になるというのならば、きっとそうだろう。
 ご飯が美味しかった。 
 優しい人がいた。
 好きだ。嫌いだ。嬉しい、悲しい。
 そんな幾つもの感情と共に呪詛まとった光り輝く珠が飛ぶ。
 滅ぼしたくない。
 単純だけれど、これが己の戦う理由だと言うように滅びの銀河光注ぐ中、『陰海月』は己が身が焼け爛れても飛ぶ。
 その姿に美しさを見出すものもいただろ。
 完璧であることが美しさではないのだ。
 不完全さもまた美しさなのだ。
 何故ならば、それはどちらも世界にあることだからだ。世界に存在するものは、全て美しい。
 それが真理であるから――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リア・アストロロジー
ガンマ線バースト……星が最期を遂げた証
その光がもたらすというあなたの美しさも
この胸が震える感動もわたしは否定しない

無窮の旅の果てに散ったその星々の輝きが無ければ
生命……少なくとも今のわたしは存在すらなかった

かつてのわたしは
世界はただ残酷なモノだと思っていたのでしょう
それでも誰かに認められたくて……愛されたくて
わたしのいもうとだった人を殺すための旅に出た

なのに……ねえ、想像できる?
あの日、あのときに感じたわたしの……
わたしだけが見て、触れて、心が震えた
この、世界の……

……。

この感動はきっとわたしだけのもの。

でもね、
たとえ間違った道だったとしても、その場所へ続いていたの。
わたしたちはときに迷ったり間違ったりしながら。
星々や、無機物さえも。
きっと心を持つ全ての生命がこの無窮の旅を続けているわ。

癒し合い、伝え合い、それぞれがそれぞれの意志を持って振る舞いあって。
寄り添い生きる生命。
わたしはその姿を愛しいと思うから。

ゾディアック。
操る者の策略に溺れ、破滅の道を歩むあなたを……ここで止めて見せます!



 ガンマ・レイ・バースト。 
 それを纏う星々の魔力を引き出す十二剣神『黄道神ゾディアック』。
 その力は凄まじいものであった。
 星の最期を彩る光。
 全うしたという証。
 その美しさはいうまでもないものだろう。
 胸の奥から溢れる感情。感動というものが、恐ろしさよりも先にやってくることをリア・アストロロジー(M2-Astrology・f35069)は否定しない。
 何故なら、その光もまた世界の一つだからだ。
 世界を織り成す構成物の一つ。
 無窮の度の果てに散った星の輝もなければ、生命は存在しなかった。

 滅びの光も。
 頭上全てを覆い尽くす超新星の輝きもまた同様だった。
「世界はただ残酷なモノ……けれど、こんなにも美しい」
「そうだ。真理こそ美しいのだ。そして、その美しさの証明こそが、この輝きなのだ」
 リアはしかし思う。
 残酷な世界。
 けれど、誰かに認めてもらいたかった。認めてもらうということは愛されるということだ。
 己のいもうとを殺すための旅。
 いもうとだった人。
「なのに……ねえ、想像できる? あの日、あのとき感じたわたしの……わたしだけが見て、触れて、心が震えた、この、世界の……」
 いいや、とリアは思う。
 この胸のうちにある感情は己以外の誰にも理解できるものとは思えなかった。

 例え、共有したとして、その感情すら変わり果てていく。
 誰も、己と同じものを得られない。
 それはきっと孤独であったが、その孤独こそが、あの感動を強く強く己の中に刻むのだ。
「きっとわたしだけもの」
「だが、君たちは互いに違いながら、共にあるだろう。私達デウスエクスのようにただ一つで生存できない。永遠不滅ではない」
「そうjね。でもね、たとえ間違った道だったとしても、その場所に続いていたの。貴女の言うように、わたしたちはみんな違う。だから、迷ったり間違えたりする」
 けれど、とリアの瞳がユーベルコードに輝く。

 精神感応。
 ネットワークの構築。
 空に浮かぶは超新星の光ではない。
 Aurora(オーロラ)。
 苦痛を和らげるユーベルコード。
『黄道神ゾディアック』は追い詰められていた。だが、だからこそだ。
 幸福なゆめへと導かなければならない。
「星々や、無機物さえも、間違える。だから、きっと心を持つ全ての生命がこの無窮の旅を続けているのよ」
「いいや、私は間違えない。永遠不滅である私達は、間違えはしない。言ったはずだ。死力を尽くして君たちを殲滅すると。これは、その一歩に過ぎない!」
 理解し合えない。
 理解し合いたいと思って尚、できない。
 隣にいる者の心すら全て理解できない。
 けれど、それは悲しみではない。自分と他者が決定的に違いながら、それでも手を取り合って運命を織りなしていく。
 その美しさこそが、人類の『心』の強さなのだ

 癒やし合い、伝え合い、それぞれがそれぞれの意志を持って振る舞い合って、寄り添う。
 それが生命。
 その姿にこそ美しさをリアは見出す。
「愛おしいと思うの。『黄道神ゾディアック』、操る者の策略に溺れ、破滅の道を歩むあなたを……」
 オーロラが降り注ぐ。
 その美しさは、極光さえも塗りつぶし『黄道神ゾディアック』の消耗した体躯に降り注ぐ。
「ここで止めて見せる!」
「……此処まで、か……だが、私は私達の生存を諦めてはいない。生存への一手。例え、この身が砕けようとも……」
 リアの前で星々の魔力が砕けて散る。 
 それはまるで流星のようであったし、また熾火が火の粉となって散るようでもあった。

『黄道神ゾディアック』は、消えゆく。 
 されど、熾火は昌盛す。
 まばゆい輝きのカーテンの奥、其処に何が待ち受けているのかはわからない。
 けれど、今確実に十二剣神の一柱を猟兵達は退けたのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年05月18日


挿絵イラスト