不夜城のウシと機械熊
●華やかな不夜城を狙う熊
グリモアベース。
「ケルベロス・ウォー、お疲れ様でした。戦後の後始末も暫くすれば始まるでしょうが、その前に獣人戦線で新たな予知が得られました。皆さんの力を貸して頂きたい」
トラのグリモア猟兵、禹・黄風(武の頂を・f40009)は、落ち着いた声で猟兵達に切り出す。
「幻朧帝国が逢魔弾道弾での破壊工作を企んでいるようです。今回狙われるのはウシ……全世界での累計で15回目でしょうか。この作戦を成功させてしまえば惨劇は免れませんので、起爆前にエージェントを探し出して撃破をお願いしたいのです」
そう黄風は言って、今回向かう都市について説明する。
「場所は人民租界にある|須弥山型都市《シャングリラ・シュミセン》の一つ。サイバーと仙術武侠文明が混ざった混沌とした不夜城です。都市の住人の大半はウシ、血気盛んな方もいれば温厚な方もいる至って普通の都市です」
そう黄風は説明すると、次に今回の敵エージェントの説明に移る。
「今回のエージェントは『ベアゾルダート』、機械化改造されたクマの獣人で内蔵兵器や必殺のキャノンを容赦なくぶっ放してきます。一応どの経路で年に侵入するかは予知でわかっていて、かつその道中に暴れても問題ない頑丈な区域があるのでそこで迎え討つのがいいでしょう」
説明しつつ猟兵達にその場所の地図を渡した黄風は、グリモアである巻物を広げて、転送の準備を開始する。
「幻朧帝国が世界各地の特定種族が多く住まう街を狙い始めてそろそろ一年になります。その過程でサメが猟兵として覚醒するなど喜ばしい事もアリましたが、破壊工作を阻止できなければ大変なことになります。どうかよろしくお願いします」
そう黄風は締め括ると、巻物から光が溢れ出して猟兵達を包み込み、次の瞬間にはウシの不夜城の都市の光景が猟兵達の眼前に広がっていたのだった。
寅杜柳
オープニングをお読み頂き有難うございます。
戦争お疲れ様でした。此方の戦いも頑張りましょう。
第一章は不夜城な|須弥山型都市《シャングリラ・シュミセン》で楽しみつつ敵の襲来を待ちましょう。
第二章は『逢魔弾道弾』を設置しようとやってくる『ベアゾルダート』との戦いになります。
こちらは断章で冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらもご確認下さい。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 日常
『絢爛豪華、痛快無比』
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POW : 大いに騒げ、賑やかに在れ
SPD : 目まぐるしくも移ろう栄華
WIZ : 君がトレンドを定めるのか
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
バルタン・ノーヴェ(サポート)
「オー! ワタシはバルタン・ノーヴェ、デース!」
日常を満喫しマショー! アドリブ連携歓迎デース!
普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
得意な技能:【奉仕・料理・掃除・裁縫・救助活動】デスネ!
たぶん戦闘はないと思いマスガ、バトルの時は元気に暴れマスネー!
料理が得意ですが、奉仕や救助活動(介護や子守り含む)といったメイド・アクションも可能デース!
にぎやかしとしてワイワイはしゃいでもOK!
こっそり裏方で労働に勤しんでもOKデース!
他の猟兵の方々と楽しめるように努めてマース!
公開UCやバルタンズ、アイテムの使用も問題なくOKデスヨ!
よろしくデース!
赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可
合わせ等も自由にどうぞ
数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」
基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。
探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。
情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。
戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。
●戦火は近く、なお華やかに
昨年の獣人世界大戦により、主に侵略していた人民租界が大打撃を受けたことによりこの地方に住む獣人達の生活からも幾らかは危険が遠ざかっていた。
超大国の侵略は変わらず存在し、けれども苛んでくる敵の勢いが衰えたならば、獣人達は逞しく抜け目なく、抑え込まれていた分を埋め合わせるようにより豊かに日々を送ろうとするだろう。
それはこのウシたち中心に賑わう|須弥山型都市《シャングリラ・シュミセン》でも同様で、サイバーと仙術武俠文明が入り混じった奇々怪々な都市には、怪しげではあるけれども人々には強い生命力と意志を感じさせる表情が多くみえる。
しかしそんな都市を狙い潰すのが悪辣なる超大国――人民租界ではなく幻朧帝国ではあるが、現在を生きる獣人達を最悪の方法で害してくるという点では変わりはない。逢魔弾道弾による破壊工作を阻止するためにやって来た猟兵達は、このウシたちの街を楽しみながらエージェントの襲来する区域へと向かっていく。
「オー! これは……珍しいデース!」
バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)の目に止まったのは、奇怪な刻印の施された銃弾。店主のウシによると獣呪術、それに仙術で特殊な力を付与したことにより殺傷力を高めた曰く付きだという。
「ただ量産品じゃないのが残念デース……」
一つ一つの銃弾に術を施す都合上、値段が張る上に在庫自体も少ないらしい。気軽に弾幕としてオブリビオンにばらまくには適さず、どちらかと言えば狙撃手とか暗殺者だとか一発の銃弾で確実に仕留める者向けなのだろう。
とはいえ数発ぐらいなら手元においていても――と、サイボーグメイドがうんうん悩んでいると、その後ろを緋色のバーチャルキャラクターの少年がさっと駆け抜けていく。
(「それにしても賑やかだね」)
彼、赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)は絢爛豪華な都市のあちこちに視線をやり、面白そうなものがないかを探っていた。
全体的には中華風の装飾にあちこちにギラギラ輝くネオンサイン、サイバーな要素もそこかしこに見えて、不協和音になりそうな組み合わせだが街全体の混沌とした雰囲気にはかえって調和しているようにも見えてくるのだから不思議なものだ。
(「ただちょっと……何の匂いだろ?」)
一部の店から漂ってくる香りが少々鼻を突く。手近な店の前で足を止めて中を覗いてみれば、仙術で使われる香を取り扱っている店だとのこと。
霊木をチップ状に砕き、特殊な霊薬に浸して乾燥させて焚く、などそれっぽいことを言っているような気がするがそれが事実なのかは不明だ。
店主の目がいっちゃってるとかそういうのではないけれども、なんとなく危険な気配を感じた緋色は話もそれなりに店から出、速やかに離れて他の面白そうなものに体当たりで挑んでいくのだった。
「こんだけ活気があるなんてね」
愛用の宇宙カブを低速で街中を走らせつつ、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は周囲を見やりテレパスで周囲を探っていた。
敵がやってくるのはこの|須弥山型都市《シャングリラ・シュミセン》の最下層、ここにくるのはまだまだ先で迎撃するのももう少し下層の方でやった方がいいとのことではあるが、どうにもついつい探ってしまう。
感じ取れる感情は獣人それぞれ悲喜交交。ギャンブルに勝った負けただとかいい買い物が出来たとかその逆とか、ぼんやり混濁しているのは変な薬や酒でも飲んでしまったのだろうか。
獣人それぞれではあるのだが、皆何らかの希望を抱いて日々を送っている事は大体共通して感じられる。
(「悪いヤツらからは守らないとね」)
そんなことを多喜は考えつつ、大柄なウシたちを乗せるこれまた大きな乗り物が移動しやすいようにと整備された道を、宇宙カブで走っていくのだった。
成功
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第2章 ボス戦
『ベアゾルダート』
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POW : ベアゾルダートキャノン
自身の【肩の砲台】から極大威力の【ベアゾルダートキャノン】を放つ。使用後は【虚脱】状態となり、一定時間行動できない。
SPD : 獣性解放モード
【獣の本能】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : ゾルダートガトリング
【両腕】を向けた対象に、【前腕装着型機関砲とフィンガーミサイル】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:はるまき
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●不夜城狙う機械熊
幻朧帝国のエージェントである『ベアゾルダート』は、ウシ達の都市へと静かに侵入を果たしていた。
『入手した地図では都市の中心から西に外れた辺りが丁度いいポイントと聞くが……』
独り言を言いながら、古くなり放棄された道を進み上層を目指していくオブリビオン。その懐には逢魔弾道弾、このウシの都市の一切を滅ぼしうる危険な兵器だ。
そしてベアゾルダートが手入れされていないぽっかり開いた空洞のような場所へと到着したタイミングで、その侵入を阻むべく猟兵が立ちはだかる。
予知されていた――その事に思い至ったベアゾルダートは即座に構え、強引に突破しようと戦闘態勢に入る。
――このウシの街を救うにはオブリビオンを撃破せねばならない。
予知ではこの空間は頑丈な作りになっていて、全力で暴れても問題はないとのこと。それを心の中で思い返しつつ、猟兵達は各々戦闘態勢をとってユーベルコードを起動するのであった。
印旛院・ラビニア(サポート)
・境遇的なものもあり、思考や嗜好は成人男性のものです(恥ずかしいので自分からは喋らない)
・基本的にはヘタレで気弱、強者にビビるし弱者に慎重な面もありますが、物事がうまくいったり周りに煽てられるとイキって墓穴を掘ることもあります
・なんだかんだで人がいい
・やり込みゲーマーで現状を学ぶ【学習力】と自分のプレイに【チューニング】できる応用力が武器
・キャバリア・劫禍との関係はUCの秘密設定あたりで察してください
UCは活性化した物をどれでも使用し、例え依頼のためでも、公序良俗に反する行動はしません。えっちな展開はコメディ目であれば許容
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
アウル・トールフォレスト(サポート)
「今日はどんなところに行けるのかな?」
神秘的な雰囲気を纏う、植物の特徴を持つバイオモンスター
性格は楽観的でマイペース
大きな体躯の割に子供っぽく無邪気で天真爛漫。それでいて根本が人でない故に残酷
神出鬼没に出現し、気まぐれに歩き回り、楽しげに爪を振るう
常に楽しい、面白いで物事を判断し好奇心の赴くままに動く
猟兵としての役割は理解している
過去が、死が、今ある生命を侵すことは、間違っていると思うから
戦闘では主に鋭い爪を用い、身体の巨大化や変身等、無尽蔵の生命力に物を言わせた野性味溢れる肉弾戦を好む
魔力理力の扱いも原始的だが規格外であり、時に周囲の環境すら操り、植物による防御や捕縛等のサポートも行わせる
●怪物二体、そしてプレイヤー
巨漢のベアゾルダートが機械の身体に内蔵された銃火器を猟兵に向けて乱射する。
機械化改造により得た火力と装甲、そして元よりの高い生命力で正に歩く重戦車といった様相で破壊を撒き散らすオブリビオンに、二人の猟兵が切り込んでいく。
先に切り込むのはバイオモンスターのアウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)、どこか子供っぽい印象を周囲に与える彼女だけれども、その爪は眼前のクマのそれよりも鋭い。
その怪力で一撃、ベアゾルダートは機械化改造された腕で受け止めるが衝撃を殺し切れずに僅かに後退、そこで距離を詰めていくのは印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)。
「さあ、どの武器で仕留められたい?」
何も手にしていない状態からユーベルコード【瞬装】を起動したラビニアの手に竜騎兵サーベルが出現、高く跳躍しベアゾルダートの頭へと斬りかかる。
されど相手もかつては凶暴な『夜の森の神』と畏れられていたクマの軍人、崩れかけた体勢で腕を翳してはじき返し、肩に備えられた砲台をやや離れた二人に向けて、極大の一撃を発射せんとする。
その破壊力はかの機械熊が有する兵器の中でも最強、いかな猟兵とてまともに受ければ無事では済まないだろう。
だがラビニアはサーベルを弾かれ後退しつつ状況に瞬時にチューニングし最適解を思考、瞬時にストレージに収納されていたアサルトライフルへと装備を交換、ベアゾルダートの顔面目掛け弾幕を展開し牽制する。
「瞬時に適切な装備を選択できる僕って最強過ぎるよね」
ややドヤ顔で言うラビニア、顔を狙われ咄嗟にガードしたことにより砲撃は一瞬遅れ、その照準も僅かにずれて。
されど大柄なアウラを狙う砲はまだ彼女に狙いを定め続けていて、しかしアウルはわくわく好奇心に満ちた楽し気な表情を崩さずに、
「さーいこーちょー!」
高揚する気分のままに叫び【生命圧縮・熱狂生物】のユーベルコードを起動、その瞬間バイオモンスターの巨体は三分の一の大きさへと一瞬で縮み、強烈な砲撃の破壊領域から逃れる事に成功する。
『凝縮体』という名のその姿への変身は、彼女にとっては当たり前であり不思議でもある現象――怪物にも神性にも依らぬ、語る必要はない小さな躍動の詩。
『ッ、何処へ消えた!?』
砲撃の反動で全身から力が抜ける虚脱の反動を受けながらベアゾルダートは叫ぶ。
凝縮体となったアウルの速度は増し隠密能力も向上している。砲撃の余波でアウルを見失ったベアゾルダートの死角からその健脚であっという間に背後へ周りこみ距離を詰め、鋭き爪で残酷に引き裂いた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
風雷堂・顕吉(サポート)
アドリブ連携可
約100年前、ダークセイヴァーの人類敗北以来、ヴァンパイアとの死闘を細々と繰り広げてきたダンピール、それが俺だ。
ヴァンパイアを狩るため、あるいは次に狩るべきヴァンパイアの手掛かりを得るためにここにいる。
【世界知識】ダークセイヴァー世界の大抵のヴァンパイア相手ならそれがどのような血族かは知っているし、知らなくとも【情報収集】の伝手はある。
それ以外の世界については物珍しそうに振る舞うことになる。すぐに慣れるだろう。
ダークセイヴァーとスペースシップワールド以外の世界は日差しが強すぎるので、サングラスを着用する。
戦闘は剣士の動きだ。
次に参加する猟兵が戦いやすい状況を作ることも多い。
納花・ピンチン(サポート)
ブギーモンスターの勇者×殺人鬼
布を被ってから11年が経ちましたわ
普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと
……って、勉強中なんですわ!
あくまでお仕置きをしに来ているから
あまり殺伐とした戦い方はしませんわ
武器も直前で刃を返して叩いたり
その光景はギャグになることが多いですわ
商人街出身、お話しや交渉なんかも好きです
小さなスイーツや飴ちゃんを渡して一緒に食べると
色々話してくれるんですわ
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功の為でも
公序良俗に反する行動はしません
あとはおまかせ
ほないっちょ、よろしくおねがいします
●獣達と獣封じ
『UGAAAAA!!!』
猟兵達の連撃を受け、ベアゾルダートは獣の本能を解放する。
軍人としての理性は失われ、ただその鋭く頑丈な爪と腕力で目に映る全てを蹂躙し破壊し尽くすだけの怪物となったかのオブリビオンに対し、新たな二人の猟兵が立ちはだかる。
「……獣か」
外套纏う風雷堂・顕吉(|吸血鬼《ヴァンパイア》|狩人《ハンター》・f03119)は言葉少なに『|小竜公《ドラクリヤ》』を構え、
「お仕置きですわ!」
不思議な花の知恵の布を被った納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)は可愛らしくデコられた勇者の剣を構える。
|吸血鬼《ヴァンパイア》|狩人《ハンター》の顕吉は恐怖そのものに等しい狂える機械熊に対し、冷静に愛刀を構えまっすぐに睨んでいた。
この下層では陽光は射してこない――裸眼であっても問題ないのは少々助かる。
彼の経験からこのユーベルコードは早く動くものに対し積極的に攻撃を仕掛けていくものであるという性質は見抜いている。故に急ぎ仕掛けていくのはやや分が悪い。
冷静に判断する彼とは対照的に、ピンチンの方は真っ向から飛び込んでいく。
見かけよりも素早く近づいてくる彼女にベアゾルダートはその剛腕を叩きつけてきて、飛び跳ね一撃躱したピンチンは自身の知恵の布の端に手をかけて、
「へーんしんっ!!」
そう元気に叫び【ブギー・ブギーフェイス】のユーベルコードを起動してがばっと知恵の布を脱ぎ捨てる。
その下から現れたのは可愛らしい声とはかけ離れたおぞましき異形の鹿、口から伸びるのは血を啜る肉の槍――毎秒理性を喪っていくけれども、野生の本能のまま獲物であるベアゾルダート目掛け襲い掛かる。
真っ向から仕掛けてくる異形の鹿に対しベアゾルダートは爪を振るうが異形の鹿は器用に跳ねて攻撃を躱し体当たりを喰らわせていく。
そして彼女が気を惹きつけている間に、顕吉の方も攻勢に出る準備を整えていて。
「ヴァンパイアを弱める術式だ。……まあお前にも効くだろう」
吸血鬼狩人が起動するユーベルコードは【吸血鬼封じ】、その名の通り本来はヴァンパイアを封じるためのものなのだが、ユーベルコードであるからその効果は十全に発揮される。
放たれた魔除けの香草、地獄の炎、そしてその身を穿つ白木の杭。それらがピンチンに気を取られたベアゾルダートに殺到して同時に命中する。
『UGA!? コレハ……!?』
三つ全てが命中、それによりベアゾルダートのユーベルコードは解除されてオブリビオンの目に理性が戻るが、同時に得ていた超耐久力と攻撃力は失われてしまう。
そこに襲いかかるピンチンの異形の鹿の舌と、顕吉の鎧砕きの刃。クマの分厚い被毛の下の頑丈な装甲を砕く鋭き剣術、そこにこじ開けられた弱所を貫く鹿の舌の連続攻撃に、ベアゾルダートはがくりと膝をつく。
しかしまだ、倒れこみはせず猟兵達に殺意に満ちた目を向ける――この強靭なクマのオブリビオンを倒し切るにはもう一押し攻撃を叩き込む必要がありそうだ。
知恵の布を被り直したピンチンと鎧砕きの刀を構え直した顕吉の二人は、ベアゾルダートの銃撃を躱しつつ次の攻撃のタイミングを窺うのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
バルタン・ノーヴェ
「ご安心くだサーイ! ワタシが来マシタ!」
ご用命あらば即参上! アドリブ連携歓迎デース!
普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
戦闘スタイル:白兵射撃の物理系
各種武装の中から敵に有効なものを選択して用いてくだサーイ!
刀も銃器も、内蔵兵器や換装式ウェポンも、何でもOKデス!
アタック重視でもディフェンス重視でも対応可能デース!
斬り込み、爆撃、弾幕を張ったり、パリィ盾したり、臨機応変に立ち回りマース!
指定ユーベルコードが使いづらいなら、公開している他のものを使用しても問題はありマセーン!
オブリビオンを倒して、ミッションクリアのために力をお貸ししマース!
●機械熊に終焉を
連続攻撃を受けたベアゾルダートは引き裂かれ、貫かれた傷口から血や機械油を流しつつ内蔵火器での銃撃で猟兵に応戦する。
彼が与えられた逢魔弾道弾での破壊工作はこの猟兵達を倒して目的のポイントで実行すること、そうでなければ任務を達成した事にはならないだろう。
故になんとしてでも突破せねばならないという固い意志を宿してはいるのだが、その意志を叩き潰す為にバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)はやってくる。
「ご安心くだサーイ! ワタシが来マシタ!」
上層で色々楽しんでいた彼女は片言ながらテンション高く言い放ちつつ、無骨な『ファルシオン風サムライソード』を構え一気に切り込みエージェントへと一太刀を叩き込む。
頑丈なベアゾルダートだがその一撃にも対応できずバッサリ胴を斬り裂かれ、更に出血。されど即座に両肩の砲をバルタンへと向ける。
先に放った虚脱状態の残滓は少しばかり体に残っているが、此処は無理を通してでも放ち、砲撃を叩き込まねば勝ちの目はないと野生の勘で判断したからだ。
極大威力の砲撃――しかし対するバルタンはその射線を見切り、滑走靴の推進機構をフル稼働させてその破壊から逃れる事に成功する。
そして砲撃を躱した直後【ヴァリアブル・ウェポン】のユーベルコードを起動、内蔵兵器の全てを一斉展開して同時にベアゾルダートに向けて至近距離から放つ。
火炎放射器の紅蓮がベアゾルダートの機械化改造された内蔵ごと毛皮を焼き、さらに大型ガトリングガンの弾がその巨体と内蔵装甲を削り取っていく。
そして締めのタイミングで叩き込まれた六連の擲弾、守りを失ったベアゾルダートの身体はその兵器の蹂躙に耐えきれず吹き飛ばされ、そのまま懐に隠していた逢魔弾道弾ごと消滅していった。
かくしてウシ達の|須弥山型都市《シャングリラ・シュミセン》下層での戦いは無事に終結し、上層の住民達はその戦いを知る事もなく混沌と喧騒に満ちた街での生活を続けていく。
世は並べてこともなし、逢魔弾道弾による災禍から人々を密かに守り切った猟兵達はグリモアベースへと帰還したのだった。
大成功
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